JP2005343994A - 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】 軽量で作業性に優れかつ疲労耐久性の改良された熱可塑性エラストマー組成物の提供。
【解決手段】 Tg(ガラス転移温度)が20℃以上の熱可塑性樹脂成分(A)を連続層とし、Tgが−20℃以下で、熱可塑性樹脂成分(A)と非相溶のゴム組成物成分(B)を分散層とした熱可塑性エラストマーであって、成分(A)と成分(B)との体積比(A)/(B)の値が1.5以下であり、動的粘弾性比、E’(−100℃)/E’(20℃)の値が8以上である熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ。
【選択図】 なし
【解決手段】 Tg(ガラス転移温度)が20℃以上の熱可塑性樹脂成分(A)を連続層とし、Tgが−20℃以下で、熱可塑性樹脂成分(A)と非相溶のゴム組成物成分(B)を分散層とした熱可塑性エラストマーであって、成分(A)と成分(B)との体積比(A)/(B)の値が1.5以下であり、動的粘弾性比、E’(−100℃)/E’(20℃)の値が8以上である熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ。
【選択図】 なし
Description
本発明は熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは軽量で作業性に優れかつ疲労耐久性が改良された熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
熱可塑性樹脂は、軽量で加硫工程が不要なため作業性に優れるが、ガラス転移温度Tgが室温以上であるのでタイヤ、ホース、ベルトなどの動的な用途に用いるのには疲労耐久性に劣るという問題があるため、これを解決すべく、例えば特許文献1には、熱可塑性樹脂に樹脂よりTgの低いエラストマーを分散させた熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。
従って、本発明は熱可塑性樹脂の特性を生かしつつ疲労耐久性さらに改良して空気入りタイヤの各種部材に好適に使用できる熱可塑性エラストマー組成物を提供することを目的とする。
本発明に従えば、Tg(ガラス転移温度)が20℃以上の熱可塑性樹脂成分(A)を連続層とし、Tgが−20℃以下で、熱可塑性樹脂成分(A)と非相溶のゴム組成物成分(B)を分散層とした熱可塑性エラストマーであって、成分(A)と成分(B)との体積比(A)/(B)の値が1.5以下であり、動的粘弾性比、E’(−100℃)/E’(20℃)の値が8以上である熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤが提供される。
本発明によれば、Tgが室温以上にある熱可塑性樹脂成分(A)に、Tgの低いゴム組成物成分(B)40体積%以上((A)/(B)≦1.5)、好ましくは50体積%以上((A)/(B)≦1.0)、更に好ましくは55体積%以上((A)/(B)≦0.82)分散させ、−100℃の動的粘弾性E’(−100℃)と20℃の動的粘弾性E’(−20℃)との比E’(−100℃)/E’(20℃)の値を8以上、好ましくは10以上にすることにより、動的疲労性に優れた熱可塑性エラストマーを得ることができる。なお、20℃の動的粘弾性E’(20℃)が下がれば下がるほど、動的疲労性に優れた熱可塑性エラストマーを得ることができる。
本発明において使用するTg(ガラス転移温度)が20℃以上、好ましくは30〜100℃の熱可塑性樹脂成分(A)としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ABS樹脂などを用いることができる。本発明の熱可塑性エラストマー組成物に配合されるゴム組成物はTgが−20℃以下、好ましくは−30℃〜−100℃で、前記熱可塑性樹脂Aと非相溶性のものであり、具体的には例えば天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、共役ジエン−芳香族ビニル共重合体、ニトリル−共役ジエン共重合体、エチレン−プロピレンゴム(EPM又はEPDM)、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、ヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴムなどを用いることができる。なおこれらのゴムには各種カーボンブラック、各種シリカ、炭酸カルシウム、クレイ、老化防止剤、オイル、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、着色剤などの常用の添加剤を配合することができる。
本発明の熱可塑性エラストマーにおいては前記熱可塑性樹脂成分(A)を連絡層とし、これと非相溶性のゴム組成物成分(B)とを分散層とした構成を有し、(A)/(B)(体積比)が1.5以下、好ましくは0.4〜1.2で、動的粘弾性の比E’(−100℃)/E’(20℃)の値が8以上、好ましくは10〜100でなければならない。(A)/(B)の比が大き過ぎると20℃のE’が下がらないため、疲労耐久性が改善されないので好ましくない。またE’(−100℃)/E’(20℃)の比が小さ過ぎると疲労耐久性が改善されにくくなるので好ましくない。
本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物には、前記した必須成分に加えて、可塑剤、老化防止剤、各種充填剤、着色剤などの常用の添加剤を配合することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
実施例1〜2及び比較例1〜2
サンプルの調製
表Iに示す配合(重量部)を、2軸混練押出機、TEX−30(日本製鋼所製)にて、回転数150rpmで混練し、水中で冷却後ストランドをカットし、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
サンプルの調製
表Iに示す配合(重量部)を、2軸混練押出機、TEX−30(日本製鋼所製)にて、回転数150rpmで混練し、水中で冷却後ストランドをカットし、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
次に得られた熱可塑性エラストマー組成物を25mm中の単軸押出機及び幅200mmのTダイでサンプルシートを調製し、以下に示す試験法でその物性を測定した。結果は表Iに示す。
熱可塑性エラストマー組成物の物性評価試験法
動的粘弾性:比較例及び実施例に示した配合を、幅200mm、厚さ1mmのシート状に成 形し、東洋精機製レオログラフソリッドを用い、初期ひずみ10%、動ひ ずみ0.5%、周波数20Hzで各温度の粘弾性を測定した。
定歪疲労試験:比較例及び実施例に示した配合を幅200mmで厚さ0.5mmのフィルム 状に成形し、厚さ0.2cmの未加硫ゴムに貼り付けて180℃×10分 間加硫した。これをJIS 2号ダンベル形状に打ち抜き、チャック間 50mm、ストローク20mm、周波数6.67Hzで繰り返し変形を与え 、フィルムにクラックが認められるか、サンプルが破断するまでの回数 をn=5の平均で示した。150万回以上を合格とした。
動的粘弾性:比較例及び実施例に示した配合を、幅200mm、厚さ1mmのシート状に成 形し、東洋精機製レオログラフソリッドを用い、初期ひずみ10%、動ひ ずみ0.5%、周波数20Hzで各温度の粘弾性を測定した。
定歪疲労試験:比較例及び実施例に示した配合を幅200mmで厚さ0.5mmのフィルム 状に成形し、厚さ0.2cmの未加硫ゴムに貼り付けて180℃×10分 間加硫した。これをJIS 2号ダンベル形状に打ち抜き、チャック間 50mm、ストローク20mm、周波数6.67Hzで繰り返し変形を与え 、フィルムにクラックが認められるか、サンプルが破断するまでの回数 をn=5の平均で示した。150万回以上を合格とした。
以上の通り、本発明に従えば、軽量で作業性に優れかつ疲労耐久性の改良された熱可塑性エラストマー組成物を得ることができるのでタイヤ、ホース、ベルト、靴底土木産廃シート、ガスケットなどに有用に使用することができる。
Claims (2)
- Tg(ガラス転移温度)が20℃以上の熱可塑性樹脂成分(A)を連続層とし、Tgが−20℃以下で、熱可塑性樹脂成分(A)と非相溶のゴム組成物成分(B)を分散層とした熱可塑性エラストマーであって、成分(A)と成分(B)との体積比(A)/(B)の値が1.5以下であり、動的粘弾性比、E’(−100℃)/E’(20℃)の値が8以上である熱可塑性エラストマー組成物。
- 請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物を用いた空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004164562A JP2005343994A (ja) | 2004-06-02 | 2004-06-02 | 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004164562A JP2005343994A (ja) | 2004-06-02 | 2004-06-02 | 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005343994A true JP2005343994A (ja) | 2005-12-15 |
Family
ID=35496669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004164562A Pending JP2005343994A (ja) | 2004-06-02 | 2004-06-02 | 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005343994A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012046019A (ja) * | 2010-08-25 | 2012-03-08 | Bridgestone Corp | タイヤ |
JP2012046020A (ja) * | 2010-08-25 | 2012-03-08 | Bridgestone Corp | タイヤ |
CN105073444A (zh) * | 2013-03-29 | 2015-11-18 | 株式会社普利司通 | 轮胎 |
-
2004
- 2004-06-02 JP JP2004164562A patent/JP2005343994A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012046019A (ja) * | 2010-08-25 | 2012-03-08 | Bridgestone Corp | タイヤ |
JP2012046020A (ja) * | 2010-08-25 | 2012-03-08 | Bridgestone Corp | タイヤ |
CN105073444A (zh) * | 2013-03-29 | 2015-11-18 | 株式会社普利司通 | 轮胎 |
CN105073444B (zh) * | 2013-03-29 | 2016-10-19 | 株式会社普利司通 | 轮胎 |
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