JP2005343406A - 自動車用ドアウエザストリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドアと車体開口部周縁との間をシールして、見栄えのよい自動車用ドアウエザストリップを提供することを目的とする。
【解決手段】 ドアウエザストリップ10は、取付基部11と、車体開口部周縁6に当接してドアと車体開口部周縁との間をシールするシール部を有し、シール部は、ドア外周端縁と車体開口部周縁の車外側側端の間をシールするリップ状のシールリップ部16と、中空状の中空シール部14とから形成され、シールリップ部16は、シールリップ根元部16aと、シールリップ根元部16aの先端から車外方向に屈曲して延設されるシールリップ中間部16bと、シールリップ中間部から取付基部方向に屈曲して延設されるシールリップ先方部16cからなる断面が略コ字形をなし、シールリップ根元部16aの肉厚は、シールリップ先方部16cの肉厚よりも厚く形成されていることを特徴とするドアウエザストリップ10である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車のドアと車体開口部周縁との間をシールする自動車用ドアウエザストリップに関するものである。
自動車のドア1と車体開口部周縁6との間のシールは、図6に示すように、ドア1のドアフレーム2の外周に取付けられるドアウエザストリップ110及び/または、車体開口部周縁6のフランジ6aに取付けられるオープニングウエザストリップ130によりなされる。なお、ドアガラス5とドア1との間のシールは、ドアフレーム2の内周のチャンネル3に取付けられるガラスラン120によってなされる。
ガラスラン120は、チャンネル3に取付けられ、車外側側壁121、底壁122と車内側側壁123からなる断面略U字形の内部にドアガラス5の端部を収納し、車外側側壁121と車内側側壁123の先端から延設した車外側シールリップ124と車内側シールリップ125をドアガラス5の車外側面・車内側面に当接させてシールしている。
車体開口部周縁6のフランジ6aに取付けられたオープニングウエザストリップ130は、断面略U字形のトリム部131によりフランジ6aに取付けられ、中空シール部132をドアフレーム2等の内面に当接させてシールする。
ドア1のドアフレーム2の外周部に取付けられたドアウエザストリップ110は、取付基部111とその上面に一体に形成された中空シール部114とシールリップ部116から構成される。取付基部111は、ドアフレーム2の外周部に取付けられたリテーナー4に嵌め込まれてドアフレーム2に固定される。そして、ドア1閉時にシールリップ部116が車体開口部周縁6の最も車外側の側端に当接し、ドアフレーム2の外周端縁と車体開口部周縁6の車外側側端との間の隙間をシールする。そのとき、中空シール部114は、車体開口部周縁6のシールリップ部116が当接する部分よりも車内側の膨出部分に当接して、ドア1と車体開口部周縁6との間をシールしている。
しかしながら、自動車の高速走行時には、ドア1が気圧等の関係で車外側に変位することがある。このとき、ドアウエザストリップ110のシールリップ部116は、車体開口部周縁6から離れたり、シールリップ部116の先端が車外側へ突出して、シール性が低下することがあった。
そのため、このシールリップ部116を中空状に形成して、車体開口部周縁6との接触する面積を増し、ドア1が車外側に変位しても車体開口部周縁6からシールリップ部116が離れなくすることが試みられてきた(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この中空状のシールリップ部116は、ドア閉時に中空シール部114と合わせて2つの中空部を変形させるため、ドア1の閉め力が大きくなり、また、自動車ドア1の組み付け誤差や、長時間の使用によるドアウエザストリップ110のシールリップ部116の変形により、ドア閉時に中空状のシールリップ部116がつぶれて、ドア1と車体開口部周縁6との隙間から、車外側にはみ出す場合があり、デザイン上好ましくなかった。
そこで、図7に示すように、シールリップ部116を断面釣針形状に形成して、シールリップ部116の上端部を車体開口部周縁6又は車体開口部周縁6に設けられたルーフドリップモール601に当接させてシールすることが試みられている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、この断面釣針形状のシールリップ部116は、略均一の肉厚の根元部を有しているため、ドア閉時にシールリップ部116の上端部に車体開口部周縁6が当接したときに、シールリップ部116のそれぞれの部分が変形して、変形状態が安定せず、シールリップ部116の先端がドアフレーム2の先端から外れて、車外側にはみ出したり、シールリップ部116の根元部が車体開口部周縁6によって変形させられて、車体開口部周縁と離れてシール性が低下する場合もあった。
特開昭58−39519号公報 実開平3−10922号公報(第2、3図)
このため、本発明は、ドアウエザストリップのシールリップ部が確実に車体開口部周縁とドアフレームの外周端縁との間をシールして、見栄えのよい自動車用ドアウエザストリップを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車のドアと自動車の車体開口部周縁との間をシールし、ドアの外周部に取付けられるドアウエザストリップにおいて、
ドアウエザストリップは、ドアの外周部に取付けられる取付基部と、取付基部に一体的に形成され車体開口部周縁に当接してドアと上記車体開口部周縁との間をシールするシール部を有し、シール部は、ドアの外周端縁と車体開口部周縁の車外側側端との間をシールするリップ状のシールリップ部と、シールリップ部が当接する部分よりも車内側の車体開口部周縁に当接する中空状の中空シール部とから形成され、シールリップ部は、取付基部から車体開口部周縁方向に延設されるシールリップ根元部と、シールリップ根元部から車外方向に屈曲して延設されるシールリップ中間部と、シールリップ中間部から取付基部方向に屈曲して延設されるシールリップ先方部からなる断面が略コ字形をなし、シールリップ根元部の肉厚は、シールリップ先方部の肉厚よりも厚く形成されていることを特徴とするドアウエザストリップである。
請求項1の本発明では、ドアウエザストリップは、ドアの外周部に取付けられる取付基部と、取付基部の上面に一体的に形成され車体開口部周縁に当接してドアと車体開口部周縁との間をシールするシール部を有しているため、ドア閉時にシール部が車体開口部周縁に当接して、ドアの外周部と車体開口部周縁との間をシールすることができる。
シール部は、ドアの外周端縁と車体開口部周縁の車外側側端の間をシールするリップ状のシールリップ部と、シールリップ部が当接する部分よりも車内側の車体開口部周縁に当接する中空状の中空シール部とから形成されている。そのため、ドアの外周端縁と車体開口部周縁の車外側側端の間を2重にシールすることができ、雨水、埃、騒音等が車室内に入ることを防止して、シール性に優れている。中空シール部がシールリップ部より車内側に設けられているため、ドアの組み付けバラツキ等で、中空シール部が大きな変形をしても、車外側にはみ出すことがない。また、シールリップ部は、リップ状であるため、柔軟性があり車体開口部周縁に当接して容易に変形し、シールリップ部でドアの外周端縁と先端と車体開口部周縁の車外側側端の間の隙間を塞ぐことができ、見栄えがよい。
シールリップ部は、取付基部から車体開口部周縁方向に延設されるシールリップ根元部と、シールリップ根元部から車外方向に屈曲して延設されるシールリップ中間部と、シールリップ中間部から取付基部方向に屈曲して延設されるシールリップ先方部からなる断面が略コ字形をなしている。このため、ドア閉時に、シールリップ根元部がシールリップ中間部を支えて、シールリップ中間部が車体開口部周縁に当接して車体開口部周縁との間をシールすることができるとともに、シールリップ先方部がドアフレームの外周端縁の裏面(車内側面)と当接してドアフレームとの間をシールすることができる。
シールリップ根元部とシールリップ中間部及びシールリップ中間部とシールリップ先方部がそれぞれ屈曲して形成されているのでその屈曲部で容易に撓むことができ、ドア閉時にシールリップ中間部の外面(上面)は、車体開口部周縁の下面に当接し、シールリップ先方部の先端部の車外側面は、ドアフレームの外周端縁の裏面に確実に接触してシールすることができる。
シールリップ根元部の肉厚は、シールリップ先方部の肉厚よりも厚いため、ドア閉時にシールリップ部(シールリップ中間部)が車体開口部周縁と当接しても、シールリップ根元部が変形しにくく、シールリップ中間部の上面を確実に車体開口部周縁の下面に接触させることができる。また、シールリップ先方部の肉厚が薄いため、柔軟に変形して少なくともその先端部がドアフレームの外周端縁の裏面を摺動しつつ接触を保ち、シールを維持することができる。
請求項2の本発明は、シールリップ部の肉厚は、シールリップ根元部、シールリップ中間部、シールリップ先方部の順で厚く形成されているドアウエザストリップである。
請求項2の本発明は、シールリップ部の肉厚は、シールリップ根元部、シールリップ中間部、シールリップ先方部の順番で厚く形成されているため、車体開口部周縁によりシールリップ部が押されても、シールリップ根元部が変形することなく、シールリップ根元部がシールリップ中間部とシールリップ先方部を支えることができる。シールリップ中間部はシールリップ先方部よりは厚肉であるため、シールリップ中間部は屈曲部で屈曲するのみで、シールリップ中間部自体はその直線状の形態を維持して車体開口部周縁に当接する。そのため、シールリップ先方部の方向が振れることがなく、シールリップ先方部が確実にドアフレームの外周端縁の裏面と摺接することができ、シールリップ部が全体として異常変形することがなく、車外側にはみ出すこともない。
請求項3の本発明は、断面が略コ字形のシールリップ部の内部空間は、略コ字形の開口部分の幅よりも略コ字形の内部のシールリップ中間部の付近の幅のほうが広く形成されているドアウエザストリップである。
請求項3の本発明では、断面が略コ字形の内部のシールリップ部の内部空間は、略コ字形の開口部分の幅よりも略コ字形のシールリップ中間部の付近の幅のほうが広く形成されているため、シールリップ根元部とシールリップ中間部及びシールリップ中間部とシールリップ先方部のそれぞれの屈曲部は鋭角となっている。そのため、シールリップ部(シールリップ中間部)が車体開口部周縁により下方に押されたときに、上記屈曲部で確実に屈曲することができ、車体開口部周縁及びドアフレームの外周端縁から離れることがない。
また、シールリップ中間部と車体開口部周縁との接触面積を広く確保することができ、安定してシールすることができる。
請求項4の本発明は、シールリップ根元部からシールリップ中間部が車外方向に屈曲する屈曲部の内側にノッチを形成したドアウエザストリップである。
請求項4の本発明では、シールリップ根元部からシールリップ中間部が車外方向に屈曲する屈曲部の内側にノッチを形成したため、ドア閉時、車体開口部周縁によってシールリップ中間部が下方に押されるときに、シールリップ中間部がシールリップ根元部に対して屈曲しやすくなり、シールリップ根元部の変形を防止することができるとともに、ドアの組みつけのバラツキがあってもシールリップ中間部の上面を確実に車体開口部周縁の下面に当接させることができる。
請求項5の本発明は、シールリップ先方部は、その先端がドアの外周端縁の裏面と接触して摺動可能となるように形成されているドアウエザストリップである。
請求項5の本発明では、シールリップ先方部は、その先端がドアの外周端縁の裏面と線接触的に摺動可能となるように形成されているため、シールリップ部が車体開口部周縁に押されて下降したときに、シールリップ先方部の先端が上記のドアの外周裏面を線接触的に摺動させて移動させることができる。このため、シールリップ部が車体開口部周縁とドアの外周端縁との間から車外側に膨出することがない。また、シールリップ先方部が容易に摺動できるため、シールリップ部が容易に下降してドア閉力を上げることがない。さらに、シールリップ先方部と上記のドアの外周端縁裏面とは確実に接触しているので両者の間のシールを確保することができる。
請求項6の本発明は、シールリップ先方部は、車外側に向かって凹状に湾曲し、その先端が厚肉に形成されているドアウエザストリップである。
請求項6の本発明では、シールリップ先方部は、車外側に向かって凹状に湾曲しているため、シールリップ部が車体開口部周縁に押されて下降するときに、シールリップ先方部が撓んでも、車内方向に変形するため、シールリップ先方部の車外方向への突出を抑えることができる。また、シールリップ先方部の先端が厚肉に形成されているため、シールリップ先方部の全体が薄肉であってもその先端が波打つことがなく、確実にドアフレームの外周端縁の裏面に接触して、シールすることができる。
本発明は、ドアウエザストリップのシールリップ部を断面略コ字形に屈曲して形成したため、その屈曲部で容易に撓むことができ、ドア閉時に車体開口部周縁とドアフレームの外周の端縁にそれぞれ確実に接触して両者の間をシールすることができる。
また、シールリップ根元部の肉厚は、シールリップ先方部の肉厚よりも厚いため、ドア閉時にシールリップ部が車体開口部周縁と当接して下降したときも、シールリップ根元部が変形しにくく、シールリップ中間部を確実に車体開口部周縁に接触させることができ、また、シールリップ先方部を、ドアフレームの外周端縁の裏面に当接させることができてシールを維持することができる。
本発明の実施の形態を図1〜図5に基づき説明する。
図5は自動車の側面図である。図5に示すように、自動車のドア1の上部にはドアフレーム2が設けられ、ドアガラス5が昇降自在に取付けられる。すなわち、ドアフレーム2の外周部にはドアウエザストリップ10が取付けられ、ドア1と車体開口部周縁6の間をシールしている。
また、ドアフレーム2の内周には、チャンネル3が設けられ、このチャンネル3内にガラスランが取付けられ、ドアガラス5の昇降を案内するとともに、ドアガラス5とドアフレーム2との間をシールしている。
図1と図2は、本発明における第1の実施の形態のドアウエザストリップ10の断面図である。
図2は、図5におけるA−A線に沿ったドアフレーム2部分の断面図であり、ドアウエザストリップ10を自動車ドア1の外周部に装着した状態を示すものである。
ドアウエザストリップ10は、直線部分は押出成形により長尺に成形され、ドアフレーム2のコーナー部に対応する部分は、型成型により形成される。
ドアウエザストリップ10の断面形状は、図1に示すように、ドアフレーム2の外周等に取付けられる取付基部11と、取付基部11の上面に一体に形成されるシール部から形成される。シール部は、取付基部11の上面の車外側に形成されるドアフレーム2の外周端縁と車体開口部周縁6の車外側の側端との間をシールするリップ状の形状をなすシールリップ部16と、同じく取付基部11の車内側の上面に形成され、該シールリップ部16が当接する部分よりも若干車内側の車体開口部周縁6に当接する中空状の形状をなす中空シール部14とから形成される。
取付基部11は、断面において車外側が厚肉の略三角形状をなして形成されている。取付基部11は、後述するように、ドアフレーム2の外周部に取付けられたリテーナー4に嵌め込まれることができるように、その幅方向の両端が幅方向に張り出している。
断面略三角形の取付基部11には、中空状の取付基部中空部12がその中央部付近に設けられている。このため、ドアウエザストリップ10の重量を低減することができるとともに、取付基部11の柔軟性を向上させることができる。
取付基部11の上面には前述の通り、シールリップ部16と中空シール部14が設けられる。中空シール部14については後述する。
シールリップ部16は、取付基部11から延設される順に、シールリップ根元部16a、シールリップ中間部16bとシールリップ先方部16cから形成され、それぞれ板状で屈曲して形成され、その断面形状は略コ字形に形成されている。
シールリップ部16は、ソリッドゴムまたはスポンジゴムで形成することができる。ソリッドゴムで形成する場合は、表面が平滑であるため、見栄えが向上する。また、スポンジゴムよりもソリッドゴムのほうが遮音性に優れているため、車室内への騒音の侵入を低下させることができる。
シールリップ根元部16aは、取付基部11の断面略三角形の車外側の頂点付近、即ち、取付基部中空部12の車外側から車体開口部周縁6方向に、図1においては上方に向けて、延設される。シールリップ根元部16aは、全体として、シールリップ中間部16bとシールリップ先方部16cの肉厚よりも厚く形成されている。このため、ドア閉時にシールリップ部16が車体開口部周縁6と当接して下方に押されても、シールリップ根元部16aが変形しにくく、シールリップ中間部16bとシールリップ先方部16cを板状の形状に保持して屈曲変形させることができ、シールリップ中間部16bの上面を確実に車体開口部周縁の下面に接触させることができる。
特に、取付基部11に近い部分は一層肉厚に形成してもよい。これにより、シールリップ根元部16aの変形をより一層防止することができる。
さらに、シールリップ根元部16aの上部は、若干車内側に曲がって形成されてもよい。これにより、シールリップ中間部16bとの屈曲部が鋭角となり、シールリップ中間部16bが板状のまま屈曲しやすくなるとともに、シールリップ中間部16bを長く形成することができる。そのため、車体開口部周縁6に押されてシールリップ中間部16bが下降するときのシールリップ部16のたわみ荷重を下げることができる。
さらに、シールリップ根元部16aと取付基部11との連続部分に車外側に横方向に突出した取付基部突条部13を設けることができる。この取付基部突条部13と取付基部11の側端の間には凹部が形成され、この凹部にドアフレーム2の外周に設けられたリテーナー4の車外側の側端が挿入され、リテーナー4の車内側の側端と合わせて取付基部11を挟持して、ドアウエザストリップ10を保持することができる。
なお、上記の凹部にリテーナー4の車外側の側端が嵌まり込む仕様とすることにより、取付基部突条部13とリテーナー4の外面が確実に接触し、両者の間をシールすることができる。
シールリップ中間部16bは、シールリップ根元部16aから車外方向に略水平に屈曲して延設される。シールリップ中間部16bは断面がほぼ板状である。ドア閉時にシールリップ中間部16bの上面は車体開口部周縁6の下面に接触して車体開口部周縁6との間をシールすることができる。車体開口部周縁6とシールリップ中間部16bとが平面的に接触するため、高速走行時に気圧等の関係でドア1が車外側に変位しても車体開口部周縁6との接触が外れることがなく、シールリップ部16が車外側にはみ出ることがない。
また、シールリップ中間部16bは、上面が平板状であるため、車体開口部周縁6と接触する時に、ドア1の組付けがバラツキがあっても確実に、車体開口部周縁6の下面と接触して、シールすることができる。
さらに、シールリップ中間部16bは、平板状であるため、車体開口部周縁6に押されて下降するときに屈曲部が撓んで、その一部分が凹むことがなく、ドア閉力が増加するのを抑制することができる。
シールリップ根元部16aとシールリップ中間部16bの屈曲部分の内側には、シールリップノッチ16dを設けてもよい。
シールリップノッチ16dを形成したため、シールリップ中間部16bがシールリップ根元部16aに対して屈曲しやすくなり、ドア閉時に車体開口部周縁6がシールリップ中間部16bを押したときに、シールリップノッチ16d部分を中心に回転し、シールリップ中間部16bは、下方に回転することで、シールリップ根元部16aにかかる力を低減して、シールリップ根元部16aの変形を防止することができる。
さらに、シールリップ中間部16bとシールリップ先方部16cの間の屈曲部分の内側にノッチを設けてもよい。
シールリップ先方部16cは、シールリップ中間部16bの車外側の先端から取付基部11方向に、図1においては下方に、屈曲して延設されている。
シールリップ先方部16cの車外側の面は、ドア閉時の車体開口部周縁6に押されたときにドアフレーム2の外周端縁の裏面を摺動する。
シールリップ先方部16cは、断面が略板状であり、肉厚もシールリップ部16の他の部分と比べて薄いため、柔軟性があり、ドア1の組付けがバラついても常にドアフレーム2の外周端縁の裏面に接触し続けることができる。
ドアフレーム2の外周端縁の裏面においては、シールリップ先端16fが摺動可能なように、シールリップ先端16fとリテーナー4の側端との間に隙間が設けられている。そのため、シールリップ部16が車体開口部周縁6に押されたときに、シールリップ先端16fがその隙間の部分の距離をドアフレーム2の下方に向けて移動することができる。このため、シールリップ部16が車体開口部周縁6に押されたときに、シールリップ部16が車体開口部周縁6とドア1の外周端縁の隙間から車外側に膨出することがない。また、シールリップ先端16fがドアフレーム2の外周端縁の裏面と容易に摺動できるため、両者の間のシールを確保することができる。
シールリップ部16の肉厚は、シールリップ根元部16a、シールリップ中間部16b、シールリップ先方部16cの順で厚く形成することができる。この場合、ドア閉時に車体開口部周縁6によりシールリップ部16が押されても、シールリップ根元部16aがシールリップ中間部16bとシールリップ先方部16cを支えることができ、シールリップ中間部16bはシールリップ根元部16aの屈曲部で屈曲するのみで、シールリップ中間部16b自体は変形しないため、シールリップ先方部16cを確実にドアフレーム2の外周端縁の裏面に当接させることができる。このため、シールリップ部16とドアフレーム2の間のシールを確実に行うことができる。また、シールリップ中間部16bは板状で変形しにくいため、シールリップ部16が異常変形することがなく、シールリップ先方部16cが車外側にはみ出すこともない。
また、シールリップ先方部16cの肉厚が薄いため、ドアフレーム2の外周端縁の裏面に接触するときに、柔軟に変形して、その裏面から離れることがなく、シールを維持することができる。
シールリップ部16の断面形状は上記のように、略コ字形である。そして、開口部分が若干狭まっている。このため、シールリップ部16の内部空間は、入口である略コ字形の開口部分の幅よりも奥の方である略コ字形のシールリップ中間部16bの付近の幅のほうが広い。従って、シールリップ根元部16aとシールリップ中間部16b及びシールリップ中間部16bとシールリップ先方部16cのそれぞれの屈曲部がなす角度は、鋭角となる。
そのため、ドア閉時にシールリップ部16が車体開口部周縁6によって押されて下降するときは、上記の各屈曲部で確実に屈曲し、これによって、シールリップ中間部16bが車体開口部周縁6と、及びシールリップ先方部16cがドアフレーム2の外周端縁の裏面からそれぞれ離れることがなく、確実にシールすることができる。
また、前述の通り、シールリップ中間部16bと車体開口部周縁6との接触面積を広く確保することができる。
中空シール部14は、断面が円形または、楕円形の中空状をなし、取付基部11の上面の断面三角形の斜面の部分から車内側に延出されている。
ドア閉時には、この中空シール部14の先端は、車体開口部周縁6のシールリップ部16が当接する部分よりも車内側の車体開口部周縁6の膨出部分に当接して、中空シール部14が膨出部分に沿って変形し、ドアフレーム2と車体開口部周縁6との間をシールする。この中空シール部14とシールリップ部16により、ドアフレーム2と車体開口部周縁6との間を2重にシールすることができる。
なお、中空シール部14は変形の容易性及び軽量化の観点からスポンジ材(スポンジゴム)で形成することが好ましい。
図1に示す実施の形態では、取付基部11は、リテーナー4に取り付けられているが、リテーナー4を廃止して、両面接着テープを取付基部11の裏面に取付けられて、その両面接着テープをドアフレーム2の外周部に接着して、ドアウエザストリップ10をドアフレーム2に取付けてもよい。この場合はリテーナー4を廃止することができるため、車両の軽量化に貢献することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態を図3と図4に基づき説明する。
図3は、本発明の第2の実施の形態のドアウエザストリップ10Aの断面図であり、図4は、図5におけるA−A線に沿ったドアフレーム2部分の断面図であり、ドアウエザストリップ10Aを自動車ドア1の外周に装着した状態を示すものである。
第2の実施の形態のドアウエザストリップ10Aは、第1の実施の形態のドアウエザストリップ10と比べて、シールリップ部16のシールリップ先方部16cの形状が異なるのみである。そのため、シールリップ部16のシールリップ先方部16cの形状を中心に説明し、同じ部分の説明を省略する。
シールリップ先方部16cは、シールリップ中間部16bの車外側の先端から取付基部11方向に、図3においては下方に、屈曲して延設されている。
シールリップ先方部16cの断面形状は、板状に、車外側に向かって弓形凹状に湾曲している。このため、シールリップ部16が車体開口部周縁6により押されて下降するときに、シールリップ先方部16cが車内方向に変形するように撓むため、ドアフレーム2の外周端縁とは線接触状態となりにシールリップ先方部16cの下方への移動が引っかかりにくくスムースとなり、シールリップ先方部16cの車外側方向への突出を抑えることができる。
そして、シールリップ先方部16cの先端は、車外方向に少し膨張して線接触状態となるシールリップ先端16fがドアフレーム2の外周端縁の裏面を摺動する。
シールリップ先方部16cは、断面が略板状であり、肉厚もシールリップ部16の他の部分と比べて薄いため、柔軟性があり、ドア1の組付けがバラついても常にドアフレーム2の外周端縁の裏面に接触し続けることができる。
また、シールリップ先方部16cの先端であるシールリップ先端16fは、断面が円弧部状の厚肉に形成されているため、シールリップ先方部16cの全体が薄肉であってもそのシールリップ先端16fが波打つことがなく、見栄えがよく、確実にドアフレーム2の外周端縁の裏面と当接して、両者の間のシールを確保することができる。
ドアフレーム2の外周端縁の裏面においては、シールリップ先端16fが線接触状態で摺動可能となるように、シールリップ先端16fとリテーナー4の側端との間に隙間が設けられている。このため、シールリップ部16が変形するときに、シールリップ先端16fがその隙間の部分の距離を下方に向けて移動することができる。このため、ドア閉時にシールリップ先方部16cが車体開口部周縁6とドアフレーム2の外周端縁の隙間から車外側に膨出することがない。また、シールリップ先端16fがドアフレームの外周端縁の裏面と容易にかつ、線接触状態で摺動できるため、シールリップ先方部16cとドアフレーム2の外周端縁の裏面との間のシールを確保することができる。
次に、ドアウエザストリップ10の製造方法について説明する。
ドアウエザストリップ10の直線状の部分の成形においては、成形材料は、合成ゴム、熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂が使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、ポリオレフィン系エラストマー、軟質合成樹脂では、軟質塩化ビニル等が使用される。柔軟性を向上させるためにこれらの材料を発泡させてスポンジ材として使用することが好ましい。
合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫、発泡が行われる。熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、押出成形と同時にあるいは押出成形の後に加熱されて発泡して、冷却され固化される。その後所定の長さに切断されて、押出成形部分は製造される。
次に、型成形部分の成形は、上記により製造された押出成形部材を所定寸法に切断して、その切断した押出部分の端部を、型成形部分を成形する金型に挟持して、その金型のキャビティーに型成形部分を形成するスポンジゴム材又はソリッド材を注入する。型成形部分の断面形状は押出成形部分の断面形状と略同じである。成形材料は、押出成形部分に使用した材料と同じ種類のものを使用することが好ましい。合成ゴムの場合は、金型に注入した後に金型を加熱して加硫、発泡する。このとき、押出成形部分と型成形部分は同じ材料あるいは同種類の材料を使用して加硫接着をすることができるため、一体的に固着する。熱可塑性エラストマー、軟質合成樹脂の場合は、金型に注入されたときに注入材料は溶融されているため、その熱と圧力とで押出成形部分と型成形部分は一体的に融着される。
本発明の実施の形態であるドアウエザストリップの断面図である。 本発明の実施の形態であるドアフレーム上部に取付けられる部分の図5のA−A線に沿った断面形状である。 本発明の他の実施の形態であるドアウエザストリップの断面図である。 本発明の他の実施の形態であるドアフレーム上部に取付けられる部分の図5のA−A線に沿った断面形状である。 自動車ドアの側面図である。 従来の図5のA−A線に沿ったドアフレーム上部の断面図である。 従来のドアウエザストリップの断面図である。
符号の説明
1 ドア
2 ドアフレーム
6 車体開口部周縁
10、10A ドアウエザストリップ
11 取付基部
14 中空シール部
16 シールリップ部
16a シールリップ根元部
16b シールリップ中間部
16c シールリップ先方部
16d シールリップノッチ

Claims (6)

  1. 自動車のドアと自動車の車体開口部周縁との間をシールし、上記ドアの外周部に取付けられるドアウエザストリップにおいて、
    該ドアウエザストリップは、上記ドアの外周部に取付けられる取付基部と、該取付基部に一体的に形成され車体開口部周縁に当接して上記ドアと上記車体開口部周縁との間をシールするシール部を有し、
    上記シール部は、上記ドアの外周端縁と車体開口部周縁の車外側側端との間をシールするリップ状のシールリップ部と、該シールリップ部が当接する部分よりも車内側の車体開口部周縁に当接する中空状の中空シール部とから形成され、
    上記シールリップ部は、上記取付基部から上記車体開口部周縁方向に延設されるシールリップ根元部と、該シールリップ根元部から車外方向に屈曲して延設されるシールリップ中間部と、該シールリップ中間部から取付基部方向に屈曲して延設されるシールリップ先方部からなる断面が略コ字形をなし、
    上記シールリップ根元部の肉厚は、上記シールリップ先方部の肉厚よりも厚く形成されていることを特徴とするドアウエザストリップ。
  2. 上記シールリップ部の肉厚は、上記シールリップ根元部、上記シールリップ中間部、上記シールリップ先方部の順で厚く形成されている請求項1に記載のドアウエザストリップ。
  3. 上記断面が略コ字形のシールリップ部の内部空間は、略コ字形の開口部分の幅よりも略コ字形の内部のシールリップ中間部の付近の幅のほうが広く形成されている請求項1又は請求項2に記載のドアウエザストリップ。
  4. 上記シールリップ根元部から上記シールリップ中間部が車外方向に屈曲する屈曲部の内側にノッチを形成した請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のドアウエザストリップ。
  5. 上記シールリップ先方部は、その先端が上記ドアの外周端縁の裏面と接触して摺動可能となるように形成されている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のドアウエザストリップ。
  6. 上記シールリップ先方部は、車外側に向かって凹状に湾曲し、その先端が厚肉に形成されている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のドアウエザストリップ。
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