JP2005342754A - ユニバーサルミル及びこれを用いた鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製品の端面の平坦度に優れた厚鋼板や平鋼さらには広幅平鋼等といった鋼板を、圧延中の蛇行の発生を抑制して優れた寸法精度で、かつ実用性に優れた方法で製造する。
【解決手段】 水平ロール13、13及び垂直ロール14、14を備えるユニバーサルミルURの水平ロール13、13により被圧延材12の幅方向の一部を圧下することによって厚鋼板を製造する。垂直ロール14、14のロールチョック18、18の、被圧延材12が圧延される方向に関して下流側に位置する部分に設けられたサイドガイド17、17により被圧延材12の端面を幅方向へ拘束しながら、垂直ロール14、14により被圧延材12の幅方向への圧下を行う。
【選択図】 図3
【解決手段】 水平ロール13、13及び垂直ロール14、14を備えるユニバーサルミルURの水平ロール13、13により被圧延材12の幅方向の一部を圧下することによって厚鋼板を製造する。垂直ロール14、14のロールチョック18、18の、被圧延材12が圧延される方向に関して下流側に位置する部分に設けられたサイドガイド17、17により被圧延材12の端面を幅方向へ拘束しながら、垂直ロール14、14により被圧延材12の幅方向への圧下を行う。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ユニバーサルミル及びこれを用いた鋼板の製造方法に関する。具体的に説明すると、本発明は、一対の水平ロール及び一対の垂直ロールを備えるユニバーサルミルと、このユニバーサルミルを用いた、例えば、JIS G 0204に規定される厚鋼板、平鋼さらには広幅平鋼等といった鋼板の製造方法とに関する。
形鋼の熱間圧延に従来から広く用いられるユニバーサルミルを用いて、例えば、JISG 0204に規定される、厚さが3mm以上の熱延鋼板である厚鋼板、長方形の断面をした棒鋼である平鋼さらには幅が150mmを超え、厚さが一般に4mmを超える広幅平鋼等といった鋼板の熱間圧延を行うことが検討されている。
具体的には、ユニバーサルミルと、その出側に配置した水平ミルとを用いた複数パスの往復圧延(リバース圧延)を行って、平鋼や広幅平鋼等の鋼板を圧延すれば、ユニバーサルミルのロール間隔を変更するだけで、幅及び厚さが異なる多種の鋼板を製造することが可能であり、注目されている。そのため、この方法に関してはこれまでにも様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、フラットな垂直ロールと、ロール胴長方向の中央部から端部にかけて滑らかな曲線で徐々に小径化された水平ロールとからなるユニバーサルミルを用いて平鋼を圧延する発明が開示されている。
また、特許文献2には、幅可変式の水平ロールを備えるユニバーサルミルと、幅可変式のロールを備えるエッジャーミルとのそれぞれのロールの幅をオンラインで調整して、このユニバーサルミルの水平ロールにより平鋼用の被圧延材をその長手方向に沿って圧下し、これに続くエッジャーミルではこの被圧延材に形成される少なくとも3箇所の未圧下部を圧下する圧延を行うことにより平鋼を圧延する方法及び装置に係る発明が開示されている。
さらに、特許文献3には、H形鋼の圧延用にタンデムに配置された複数基のユニバーサルロールスタンドに若干の改造を加えて、平鋼の圧延を実現する方法に係る発明が開示されている。
特開昭62−21402号公報
特開平5−329503号公報
特開平10−277602号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、これらの公知の発明に基づいて上述した鋼板をユニバーサルミルを用いた熱間圧延により製造しようとすると、特にユニバーサルミルの同一の水平ロールを用いて異なる製品幅を有する鋼板を製造する際に、製品の幅方向への蛇行(左右曲がり)が生じることが判明した。
図10(a)及び図10(b)は、水平ロール2及び垂直ロール3を有するユニバーサルミル1を用いた鋼板4の従来の製造方法において鋼板4に蛇行が発生する原因を示す説明図である。
特許文献1や特許文献2に記載されているように、ユニバーサルミル1を用いて平鋼を圧延しようとすると、被圧延材である鋼板4のユニバーサルミル1への噛込み姿勢が不適正になること、具体的には、図10(a)に示すように被圧延材4の板幅中心線lがミルパスラインmに対し噛込み角度θ(θ>0)を生じることや、図10(b)に示すように被圧延材4の板幅中心線lとミルパスラインmとの間に距離d(d>0)の噛込み位置ズレを生じることによって、ユニバーサルミル1の出側(下流側)において被圧延材4の蛇行(キャンバ)が発生する。図11は先端部及び後端部に蛇行が発生した鋼板5の平面図である。図11では、実線は蛇行を生じた鋼板を示し、一点鎖線は鋼板本来の形状を示す。
このような蛇行は、図10に示すように被圧延材である鋼板4のユニバーサルミル1への噛込み姿勢によって、ユニバーサルミル1の垂直ロール3による被圧延材4の幅圧下量が左右で異なることによって、被圧延材4の幅方向で先進率が異なることに起因すると考えられる。また、ユニバーサルミル1の水平ロール2の開度は、被圧延材の幅方向の全域で正確に一定にすることは難しく、不可避的に被圧延材4の板幅方向で若干異なってしまうことにも起因していると考えられる。
さらに、特許文献3に開示された方法においても、水平ロールや垂直ロールへの噛み込み姿勢の不適正に起因して不可避的に蛇行が発生してしまうと考えられる。
このように、上述した公知の発明では、圧延中に鋼板に生じる蛇行を解消することはできず、左右曲がりが少ない製品を安定して製造することは難しい。
このように、上述した公知の発明では、圧延中に鋼板に生じる蛇行を解消することはできず、左右曲がりが少ない製品を安定して製造することは難しい。
本発明は、製品の端面の平坦度に優れた厚鋼板や平鋼さらには広幅平鋼等といった鋼板を、圧延中の蛇行の発生を抑制して優れた寸法精度で、かつ実用性に優れた方法で製造することを目的とする。
本発明者は、かかる課題を解決するためにユニバーサルミルとその出側に配置した2重式水平ミルとを有する圧延設備を用いて鋼板を製造する熱間圧延試験を行い、以下の知見(1)〜(5)を得て、本発明を完成した。
(1)図12は、ユニバーサルミルURの水平ロール6、6及び垂直ロール7、7により被圧延材8の圧下を行う状況を示す上面図である。同図に示すように、ユニバーサルミルURにより幅圧下を行うと、被圧延材である鋼板8がユニバーサルミルURの出側で左右方向に曲がる、いわゆる蛇行が発生する。この蛇行が発生する原因は、センタリング不良を生じている被圧延材8をユニバーサルミルURの垂直ロール7、7により幅方向への圧下を行うと被圧延材8の幅方向の両端部で板厚増加量が異なってしまうため、2重式水平ミルにより板厚を幅方向の全域に圧下した際に、圧下率ならびに圧下幅が板幅方向で不均一となり、これにより、左右曲がりが発生するものと考えられる。また、加熱炉における焼けむらを生じると、被圧延材8の変形抵抗が板幅方向で不均一となることに起因して、蛇行が発生することもある。
(2)図13は、ユニバーサルミルURの垂直ロール7、7の出側近傍に板状のサイドガイド9、9を設け、サイドガイド9、9により被圧延材8の端面を板幅方向へ拘束しながら垂直ロール7、7による幅圧下を行う状況を示す上面図である。同図に示すように、サイドガイド9、9により被圧延材8の端面を板幅方向へ拘束しながら垂直ロール7、7による幅圧下を行うと、被圧延材8の蛇行の発生を抑制することが可能となる。
(3)板状のサイドガイド9、9は、垂直ロール7、7のロールチョック10、10の、被圧延材8が圧延される方向に関して下流側に位置する部分、例えばロールチョック10、10に設けたチョックカバーに取り付けることが、望ましい。
(4)そして、垂直ロールの上流側にサイドガイドを設けたユニバーサルミルURを用いた往復圧延によってJIS G 0204に規定される厚鋼板、平鋼さらには広幅平鋼等といった鋼板を製造する場合には、被圧延材が上流側から下流側へ移動する正転圧延時には垂直ロールによる幅圧下を行わず、被圧延材が下流側から上流側に向かう逆転圧延時に、サイドガイドにより被圧延材を幅方向へ拘束しながら垂直ロールにより被圧延材の幅圧下を行うこととすれば、従来の圧延方法では発生することが懸念されていた蛇行を抑制又は解消できる。
(5)サイドガイドにより被圧延材を効果的に拘束するために、対向配置される一対のサイドガイドの間の開度を、一対の垂直ロールのロール開度よりも5〜15mm程度大きく設定することが望ましい。
(1)図12は、ユニバーサルミルURの水平ロール6、6及び垂直ロール7、7により被圧延材8の圧下を行う状況を示す上面図である。同図に示すように、ユニバーサルミルURにより幅圧下を行うと、被圧延材である鋼板8がユニバーサルミルURの出側で左右方向に曲がる、いわゆる蛇行が発生する。この蛇行が発生する原因は、センタリング不良を生じている被圧延材8をユニバーサルミルURの垂直ロール7、7により幅方向への圧下を行うと被圧延材8の幅方向の両端部で板厚増加量が異なってしまうため、2重式水平ミルにより板厚を幅方向の全域に圧下した際に、圧下率ならびに圧下幅が板幅方向で不均一となり、これにより、左右曲がりが発生するものと考えられる。また、加熱炉における焼けむらを生じると、被圧延材8の変形抵抗が板幅方向で不均一となることに起因して、蛇行が発生することもある。
(2)図13は、ユニバーサルミルURの垂直ロール7、7の出側近傍に板状のサイドガイド9、9を設け、サイドガイド9、9により被圧延材8の端面を板幅方向へ拘束しながら垂直ロール7、7による幅圧下を行う状況を示す上面図である。同図に示すように、サイドガイド9、9により被圧延材8の端面を板幅方向へ拘束しながら垂直ロール7、7による幅圧下を行うと、被圧延材8の蛇行の発生を抑制することが可能となる。
(3)板状のサイドガイド9、9は、垂直ロール7、7のロールチョック10、10の、被圧延材8が圧延される方向に関して下流側に位置する部分、例えばロールチョック10、10に設けたチョックカバーに取り付けることが、望ましい。
(4)そして、垂直ロールの上流側にサイドガイドを設けたユニバーサルミルURを用いた往復圧延によってJIS G 0204に規定される厚鋼板、平鋼さらには広幅平鋼等といった鋼板を製造する場合には、被圧延材が上流側から下流側へ移動する正転圧延時には垂直ロールによる幅圧下を行わず、被圧延材が下流側から上流側に向かう逆転圧延時に、サイドガイドにより被圧延材を幅方向へ拘束しながら垂直ロールにより被圧延材の幅圧下を行うこととすれば、従来の圧延方法では発生することが懸念されていた蛇行を抑制又は解消できる。
(5)サイドガイドにより被圧延材を効果的に拘束するために、対向配置される一対のサイドガイドの間の開度を、一対の垂直ロールのロール開度よりも5〜15mm程度大きく設定することが望ましい。
本発明は、一対の水平ロール及び一対の垂直ロールを備え、さらに、垂直ロールのロールチョックに設けられて垂直ロールにより幅方向へ圧下された被圧延材の端面を幅方向へ拘束するためのサイドガイドを備えることを特徴とするユニバーサルミルである。
別の面からは、本発明は、一対の水平ロール及び一対の垂直ロールを備えるユニバーサルミルの水平ロールにより被圧延材の幅方向の一部を圧下することによって鋼板を製造する方法であって、垂直ロールのロールチョックの、被圧延材が圧延される方向に関して下流側に位置する部分に設けられたサイドガイドにより被圧延材の端面を幅方向へ拘束しながら、垂直ロールにより被圧延材の幅方向への圧下を行うことを特徴とするユニバーサルミルを用いた鋼板の製造方法である。
このように、本発明は、形鋼の熱間圧延に従来から広く用いられるユニバーサルミルを、例えば、JIS G 0204に規定される厚鋼板、平鋼さらには広幅平鋼等といった鋼板の熱間圧延による製造に流用しようとした場合に生じることが懸念される新規な課題に対して、確実かつ簡便な解決手段を提供するものである。
本発明によれば、実用的な方法で鋼板の蛇行を効果的に抑制することができ、歩留り向上につながるとともに、鋼板のユーザーにおいては、蛇行の発生が抑制された鋼板を用いることにより製品の組立て精度を向上でき、手直し作業の抑制による作業性の向上といった効果が得られる。このように、本発明は産業上の利用価値が極めて高い発明である。
以下、本発明に係るユニバーサルミル及びこれを用いた鋼板の製造方法を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るユニバーサルミル及びこれを用いた鋼板の製造方法を適用した鋼板圧延工程11の一例を模式的に示す説明図である。
図1は、本発明に係るユニバーサルミル及びこれを用いた鋼板の製造方法を適用した鋼板圧延工程11の一例を模式的に示す説明図である。
同図に示すように、本実施の形態では、圧延素材として連続鋳造スラブや分塊スラブのスラブ(図示しない)を用い、このスラブを図示しない加熱炉で1200〜1300℃に加熱した後、ロール軸方向へ複数の孔型を刻設された水平ロールを有するブレークダウンミルBDにより厚さ方向及び幅方向の圧下を繰り返して行う複数パスの往復圧延(リバース圧延)を行って、粗形鋼片に成形する。
次いで、このように成形された粗形鋼片を、ブレークダウンミルBDの下流に配置されたユニバーサルミルURと、このユニバーサルミルURの下流に配置された二重式水平ミルR1とからなる圧延機群に供給し、この圧延機群による複数パスの往復圧延により所定の板厚及び板幅を有する鋼板に仕上げる。
URミルは、被圧延材12の板幅より小さいロール幅を有する上下一対の水平ロール13、13と、孔型を刻設された左右一対の垂直ロール14、14とを備える。そして、水平ロール13、13により被圧延材12の幅方向の両端部を除いた幅方向の中央部の厚さ方向の圧下が行われるとともに、垂直ロール14、14により被圧延材12の幅方向の圧下が行われる。これにより、被圧延材12の板幅及び端面形状が調整される。なお、本例では、垂直ロール14に孔型ロールを用いたが、これとは異なりフラットロールを用いてもよい。
ユニバーサルミルURに隣接する二重式水平ミルR1は、被圧延材12の幅より大きなロール幅を有する上下一対の水平ロール15、15を備え、この水平ロール15、15により二重式水平ミルR1の水平ロール15、15により板厚方向に圧下されなかった被圧延材12の幅方向の両端部を含む全域に亘り、被圧延材12の板厚方向への圧下が行われる。これにより、被圧延材12の厚さは、幅方向に均一化される。
図1に示す鋼板圧延工程11では、ユニバーサルミルURによる板厚圧下及び板幅圧下、ならびに二重式水平ミルR1による板厚圧下を、複数パスの往復圧延により繰り返して行うことにより、被圧延材12は所定の板厚及び板幅を有する鋼板に仕上げられる。
図2は、本発明に係るユニバーサルミル及びこれを用いた鋼板の製造方法を適用した他の鋼板圧延工程16の一例を模式的に示す説明図である。
この圧延工程では、ブレークダウンミルBDミルの下流に、ユニバーサルミルUR及び二重式水平ミルR1からなる圧延機群を複数タンデムに配置してあり、これにより、各圧延機群での1パス圧延を順次行う一方向圧延により、所定の板厚及び板幅を有する鋼板に仕上げることができるように構成されている。
この圧延工程では、ブレークダウンミルBDミルの下流に、ユニバーサルミルUR及び二重式水平ミルR1からなる圧延機群を複数タンデムに配置してあり、これにより、各圧延機群での1パス圧延を順次行う一方向圧延により、所定の板厚及び板幅を有する鋼板に仕上げることができるように構成されている。
図3は、上述した二つの鋼板圧延工程11、16において用いたユニバーサルミルURの構成の一例を模式的に示す説明図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は側面図である。なお、図3(a)は、中心線より半分の部分のみを示し、残りの半分は省略してある。
図3(a)及び図3(b)に示すように、このユニバーサルミルURは、垂直ロール14の出側で垂直ロール14のロールチョック18に、垂直ロール14を通過して図中における白抜き矢印方向へ移動する被圧延材12の端面を幅方向に拘束することが可能な左右一対の板状のサイドガイド17を設けられている。
板状のサイドガイド17は、圧延方向(図3(a)及び図3(b)における左右方向)に関して垂直ロール14に近接して設けることが望ましい。これにより、ユニバーサルミルURの出側においてサイドガイド17により被圧延材12の端面を幅方向に拘束しながら垂直ロール14による幅圧下を行うことができるため、被圧延材12の蛇行の発生を抑制することができる。
本実施の形態では、サイドガイド17は、ロールチョック18の前面に装着されたチョックカバー19にボルト(図示しない)により締結して固定した。これにより、サイドガイド17の取り替えを容易かつ迅速に行うことができる。
左右一対のサイドガイド17、17の開度が過大となると被圧延材12の蛇行防止効果が小さくなり、一方サイドガイド17、17の開度が過小となると被圧延材12が衝突する等の圧延トラブルが発生する。したがって、サイドガイド17、17の開度は、垂直ロール13、13の開度よりも5mm以上15mm以下の範囲で大きくなるように設定することが好ましい。より好ましくは5mm〜10mmの範囲内で大きくする。
サイドガイド17の材質は、被圧延材12との接触による焼き付きが発生しない材質とすることが好ましく、鋳鋼等が例示される。また、サイドガイド17の形状は、被圧延材12の端面を幅方向に拘束することができる形状であればよく、特定の形状には限定されないが、板状とすることが製作コストの低減や装着作業性さらにはメンテナンス性の観点から好ましい。この場合に、平滑なフラット形状又は被圧延材12の板厚より大きなフラット部を有する孔型形状とすることが特に好ましい。さらに、サイドガイド17の圧延方向の長さは、例えば200〜800mm程度が例示される。
図4は、二重式水平ミルR1の上下一対の水平ロール15a、15bの形状例を示す説明図である。二重式水平ミルR1は、図4(a)に示すようにフラット形状でもよく、あるいは図4(b)に示すように孔型形状であってもよい。図4(b)に示す孔型ロール15bを用いる場合、孔型幅wは製造する製品の板幅以上に設定し、孔型深さhは製造する製品の板厚以下と設定すればよい。
次に、図1〜図4を参照しながら鋼板圧延工程11又は鋼板圧延工程16により、JIS G 0204に規定される厚鋼板、平鋼さらには広幅平鋼等といった鋼板を、製造する状況を説明する。
初めに図1に示す鋼板圧延工程11について説明する。鋼板圧延工程11では、ユニバーサルミルUR及び二重式水平ミルR1による往復圧延により鋼板が圧延されるが、工程の上流側から下流側へ向けて被圧延材12が移動して圧延が行われる場合を正転圧延といい、その逆の場合を逆転圧延ということとする。
図1において、素材であるスラブはブレークダウンミルBDに供給されて板幅及び板厚の圧下が行われて、粗形鋼片に成形される。
次いで、この粗形鋼片は、上下一対の駆動式の水平ロール13、13と左右一対の非駆動式の垂直ロール14、14と、この垂直ロール14、14のロールチョック18、18の上流側に位置する部分に取り付けた左右一対のサイドガイド17、17とを備えるユニバーサルミルURと、上下一対の水平ロール15a、15a又は15b、15bを備える二重式水平ミルR1とからなる圧延機群に供給され、この圧延機群によって正転圧延及び逆転圧延からなる複数パスの往復圧延によって板厚及び板幅の圧下が行われ、所定寸法の鋼板に仕上げられる。なお、サイドガイド17、17の開度は、垂直ロール14、14の開度より5mm以上15mm以下の範囲で大きくなるように設定される。
次いで、この粗形鋼片は、上下一対の駆動式の水平ロール13、13と左右一対の非駆動式の垂直ロール14、14と、この垂直ロール14、14のロールチョック18、18の上流側に位置する部分に取り付けた左右一対のサイドガイド17、17とを備えるユニバーサルミルURと、上下一対の水平ロール15a、15a又は15b、15bを備える二重式水平ミルR1とからなる圧延機群に供給され、この圧延機群によって正転圧延及び逆転圧延からなる複数パスの往復圧延によって板厚及び板幅の圧下が行われ、所定寸法の鋼板に仕上げられる。なお、サイドガイド17、17の開度は、垂直ロール14、14の開度より5mm以上15mm以下の範囲で大きくなるように設定される。
図5は正転圧延時(奇パス時)の垂直ロール14、14の開度を示し、図6は逆転圧延時(偶パス時)の垂直ロール14、14の開度を示す。
図5に示すように、正転圧延時(奇数パス)には、垂直ロール14、14の開度は被圧延材12の板幅より大きく設定されており、垂直ロール14、14による幅圧下は行わず、水平ロール13、13による板厚の圧下だけ行われる。
図5に示すように、正転圧延時(奇数パス)には、垂直ロール14、14の開度は被圧延材12の板幅より大きく設定されており、垂直ロール14、14による幅圧下は行わず、水平ロール13、13による板厚の圧下だけ行われる。
一方、図6に示すように、逆転圧延時(偶数パス)には、垂直ロール14、14による幅圧下が行われるが、同時にユニバーサルミルURの出側でサイドガイド17、17により被圧延材12の端面が板幅方向に拘束される。これにより、垂直ロール14、14による幅圧下の際にはサイドガイド17、17による被圧延材12の端面が板幅方向に拘束されるため、垂直ロール14、14による幅圧下に伴って発生する蛇行を抑制又は解消することができる。なお、上述したように、ユニバーサルミルURの水平ロール13、13による板厚の圧下は、正転圧延時及び逆転圧延時のいずれにおいても行うことができる。
次に、図2に示す鋼板圧延工程16について説明する。図2において、ブレークダウンミルBDにより素材が粗形鋼片に成形されるまでは、上述した図1に示す鋼板圧延工程11と同じである。
次いで、この粗形鋼片は、ユニバーサルミルUR及び二重式水平ロールR1からなる圧延機群を複数組設けられた圧延機列に供給され、複数の圧延機群による一方向圧延により板厚及び板幅の圧下が行われ、所定寸法の鋼板に仕上げられる。なお、サイドガイド17、17の開度は、垂直ロール14、14の開度よりも5mm以上15mm以下の範囲で大きく設定される。
図2に示す鋼板圧延工程16においても、図1に示す鋼板圧延工程11と同様に、各ユニバーサルミルURによる圧延では上下一対の水平ロール13、13による厚さ圧下と左右一対の垂直ロール14、14による幅圧下とが行われる。この際、垂直ロール14、14による幅圧下は、ユニバーサルミルURの出側に設けられたサイドガイド17、17により被圧延材12の端面が幅方向に拘束されながら行われるため、垂直ロール14、14による幅圧下の際に生じる蛇行を抑制することができる。
このように本実施の形態によれば、JIS G 0204に規定される厚鋼板、平鋼さらには広幅平鋼等といった鋼板を、ユニバーサルミルURを用いて熱間圧延により製造する際に、圧延中の被圧延材の蛇行を抑制して優れた寸法精度で、かつ実用性に優れた方法で確実に、製品を製造することができる。
さらに、本発明を実施例を参照しながら具体的に説明する。
図1に示す鋼板圧延工程11により、板幅300mm、板厚み22mmのJIS G 0204に規定される厚鋼板を熱間圧延により製造した。圧延素材として、幅340mm、高さ250mmの連続鋳造スラブを用い、この連続鋳造スラブを加熱炉で1250℃まで加熱してから圧延に供した。
図1に示す鋼板圧延工程11により、板幅300mm、板厚み22mmのJIS G 0204に規定される厚鋼板を熱間圧延により製造した。圧延素材として、幅340mm、高さ250mmの連続鋳造スラブを用い、この連続鋳造スラブを加熱炉で1250℃まで加熱してから圧延に供した。
図7は、ブレークダウンミルBDの水平ロール20の孔型形状を示す説明図である。また、図8は、孔型kal−IV及びkal−Vにより往復圧延を行ったことを概念的に示す説明図である。
図7に示すように、ロール軸方向に複数の孔型kal−I、kal−II、kal−III、kal−IV及びkal−Vを刻設された上下一対の水平ロール20、20を有するブレークダウンミルBDを用い、図8に示すように孔型kal−IV及びkal−Vによる合計13パスの往復圧延を行って、幅310mm、厚み90mmの粗形鋼片に成形した。
引き続き、ユニバーサルミルURと二重式水平ミルR1からなる圧延機群により9パスの往復圧延を行うことによって、上述した寸法を有する鋼板に仕上げた。
図9は、本実施例におけるサイドガイド17、17の装着状況を示す説明図である。同図に示すように、本実施例では、垂直ロール14、14のロールチョック18、18の上流側の部分に左右一対のS45C製の板状かつフラット形状のサイドガイド17、17を、サイドガイド17、17の先端と垂直ロール14、14とのクリアランスが約2mmとなるように調整して、設けた。なお、本実施例では、サイドガイド17の幅は200mmとし、長さは400mmとし、厚みは32mmとした。
図9は、本実施例におけるサイドガイド17、17の装着状況を示す説明図である。同図に示すように、本実施例では、垂直ロール14、14のロールチョック18、18の上流側の部分に左右一対のS45C製の板状かつフラット形状のサイドガイド17、17を、サイドガイド17、17の先端と垂直ロール14、14とのクリアランスが約2mmとなるように調整して、設けた。なお、本実施例では、サイドガイド17の幅は200mmとし、長さは400mmとし、厚みは32mmとした。
また、サイドガイド17、17のロール開度は、垂直ロール14、14のロール開度より約10mm大きく設定した。ユニバーサルミルURの正転圧延では、垂直ロール14、14の開度を被圧延材12の幅より大きく設置して水平ロール13、13により幅端部を除く幅中央部の厚さ圧下のみを行い、一方、逆転圧延では、垂直ロール14、14による幅圧下と、水平ロール13、13による幅中央部の厚さ圧下とを行った。さらに、二重式水平ミルR1では、幅端部を含む板幅方向の全域の厚さ圧下を行った。
また、比較のために、サイドガイド17、17を取り外した以外は上述したこの本発明例と同一の条件で、板幅300mm、板厚み22mmのJIS G 0204に規定される厚鋼板を熱間圧延により製造した。
この圧延により得られた厚鋼板の曲がり量の測定結果を、本発明例及び比較例ともに表1にまとめて示す。なお、表1における曲がり量は、厚鋼板の基準となる端面位置から板幅方向への最大ずれ量を意味する。
表1に示すように、本発明例による曲がり量は、比較例の曲がり量の1/4に顕著に抑制されたことがわかる。
12 被圧延材
13 水平ロール
14 垂直ロール
15 ロールチョック
17 サイドガイド
13 水平ロール
14 垂直ロール
15 ロールチョック
17 サイドガイド
Claims (2)
- 一対の水平ロール及び一対の垂直ロールを備え、さらに、前記垂直ロールのロールチョックに設けられて該垂直ロールにより幅方向へ圧下された被圧延材の端面を幅方向へ拘束するためのサイドガイドを備えることを特徴とするユニバーサルミル。
- 一対の水平ロール及び一対の垂直ロールを備えるユニバーサルミルの当該水平ロールにより被圧延材の幅方向の一部を圧下することによって鋼板を製造する方法であって、前記垂直ロールのロールチョックの、該被圧延材が圧延される方向に関して下流側に位置する部分に設けられたサイドガイドにより該被圧延材の端面を幅方向へ拘束しながら、前記垂直ロールにより該被圧延材の幅方向への圧下を行うことを特徴とするユニバーサルミルを用いた鋼板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2004164605A JP2005342754A (ja) | 2004-06-02 | 2004-06-02 | ユニバーサルミル及びこれを用いた鋼板の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007196278A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Jfe Steel Kk | 形鋼のユニバーサル圧延機及びユニバーサル圧延方法 |
CN114401802A (zh) * | 2019-09-19 | 2022-04-26 | Sms集团有限公司 | 在轧机机组的立轧机架处的中间机架引导部以及用于在使用中间机架引导部的情况下引导轧制材料的方法 |
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2004
- 2004-06-02 JP JP2004164605A patent/JP2005342754A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007196278A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Jfe Steel Kk | 形鋼のユニバーサル圧延機及びユニバーサル圧延方法 |
CN114401802A (zh) * | 2019-09-19 | 2022-04-26 | Sms集团有限公司 | 在轧机机组的立轧机架处的中间机架引导部以及用于在使用中间机架引导部的情况下引导轧制材料的方法 |
CN114401802B (zh) * | 2019-09-19 | 2024-02-02 | Sms集团有限公司 | 在轧机机组的立轧机架处的中间机架引导部以及用于在使用中间机架引导部的情况下引导轧制材料的方法 |
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