JP2005341877A - 培養処理装置、自動培養装置、接触検出方法、および液滴検出方法 - Google Patents

培養処理装置、自動培養装置、接触検出方法、および液滴検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 チップ先端と液体との接触を検出する。
【解決手段】 培養処理の過程で給排ロボット(ピペット装置)による培養容器や他の容器からの液体の吸出しを行う自動培養装置において、給排ロボットを、ヘッド(装置本体)と、ヘッドに設けられる電動ピペットに装着されて液体の吸い口となるチップ14と、ヘッドを容器に対して相対的に移動させる昇降機構(移動装置)と、チップ14の一部領域に対してチップ14を透過する波長域の光線を照射する光源22と、チップ14の光線が照射される領域とは異なる測定領域Mでチップ14内から放出される光線の強度を測定する光強度測定装置23と、光強度測定装置23の測定値を監視して測定値に有意な変動が生じたことをもってチップ14と液体の液面との接触を検出する接触検知装置24とを有する構成とする。
【選択図】 図5

Description

この発明は、培養処理装置、自動培養装置、接触検出方法、および液滴検出方法に関するものである。
従来の自動培養装置としては、複数の培養容器を収納可能な固定式の収納棚と、水平・昇降・回転移動可能な搬送手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この自動培養装置は、培養室内に配置された収納棚に、鉛直方向に並ぶ複数の小部屋を備え、各小部屋の中に培養容器を1つずつ収容して培養を行い、培養途中あるいは培養終了時に搬送手段を作動させて、小部屋から1つずつ培養容器を取り出し、あるいは、小部屋へ培養容器を収容するよう構成されている。
特開2002−262856号公報(図1等)
この自動培養装置では、培養処理の過程で、電動ピペット等のピペット装置を用いて培養容器内の液体(検体の懸濁液)の移し替えが行われる。しかし、ピペット装置によって培養容器内の液体を吸出す際に、ピペット装置の吸い口となるチップが必要以上に液体に浸ってしまうと、チップを液体から引き上げた際に、チップにおいて液体に浸っていた部分に付着していた液体がチップ先端に集まって液滴を形成してしまうことが考えられる。
また、ピペット装置によって吸出した液体をピペット装置から吐出する際に、一部の液体がチップ先端に残って液滴を形成してしまうことが考えられる。
このようにチップ先端に液滴が形成されると、ピペット装置の移動の際などにこの液滴が落下または飛散して自動培養装置の底面に付着することが考えられる。そして、底面に付着した液滴は乾燥することにより粉塵となって浮遊することが考えられる。この場合において、1種類の検体のみを取り扱う場合は問題ではないが、多数の検体を取り扱う場合においては、各検体の培養処理ごとに自動培養装置の底面を清掃しなければ、自動培養装置内に舞い上がった粉塵が他の検体を収容する容器内に混入する不都合が考えられる。
このため、ピペット装置によって培養容器内の液体を吸出す際に、チップを必要以上に液体に浸らせないようにすること、および、チップ先端の液滴の有無を検出することが求められている。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、チップと液体との接触を検出することができる培養処理装置、自動培養装置、接触検出方法、および液滴検出方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、培養容器内部の検体の培養処理に用いられて、この培養処理の過程でピペット装置による前記培養容器や他の容器からの液体の吸出しを行う培養処理装置であって、前記ピペット装置は、装置本体と、該装置本体に装着されて前記液体の吸い口となるチップと、前記装置本体を前記容器に対して相対的に移動させる移動装置と、前記チップの一部領域に対して該チップを透過する波長域の光線を照射する光源と、前記チップの前記光線が照射される領域とは異なる測定領域で該チップ内から放出される前記光線の強度を測定する光強度測定装置と、該光強度測定装置の測定値を監視して該測定値に有意な変動が生じたことをもって前記チップと前記液体の液面との接触を検出する接触検知装置とを有している培養処理装置を提供する。
このように構成される培養処理装置では、ピペット装置の液体の吸い口となるチップの一部領域に、光源から光線が照射される。この光線はチップを透過する波長域の光線であるので、照射部位からチップ内に入射してチップ内を伝播してゆく。
一方、この培養処理装置では、チップにおいて光線が照射される領域とは異なる測定領域でチップ内から放出される光線の強度が、光強度測定装置によって測定されるようになっている。
チップ内に入射した光線は、チップ内を伝播してゆく過程でチップとこのチップの周囲を囲む媒質(例えば空気等の周辺雰囲気や容器内の液体など)との境界に入射すると、この境界によって反射されてチップ内に戻るもの(反射光)と、この境界を通過してチップ外に放出されるもの(透過光)とに分かれる。また、この反射光も、チップ内を伝播してゆく過程でチップとチップの周囲の媒質との境界に入射することで再び反射光と透過光とに分かれる。チップ内に入射した光線は、このように反射を繰り返すことで、チップ内全体に伝播する。このため、測定領域から放射される光線には、チップ内で一回以上反射された光線も含まれる。
ここで、ピペット装置に用いられるチップは、一般的に、チップ内に吸い込んだ液体を目視等によって確認することができるよう、ポリエチレン樹脂(PE)やポリスタイレン樹脂(PS)、ポリプロピレン樹脂(PP)等、可視光に対して半透明な材料によって構成されている。
このような材質からなるチップの屈折率は、周辺雰囲気や容器内の液体等、チップの周囲の媒質の屈折率よりも大きいので、チップ内から前記境界に入射する光線の入射角が十分に大きい場合にはこの光線は全反射される。ここで、チップの周囲の媒質の屈折率が小さいほど臨界角が小さくなり、より入射角の小さい光線についても全反射される。
容器内の液体はチップの周辺雰囲気よりも屈折率が大きいので、チップが容器内の液体に接触している状態では、チップが液体に接触していない状態に比べて入射角の大きい光線のみが全反射される。すなわち、チップが容器内の液体に接触している状態では、チップが液体に接触していない状態で全反射されていた光線の一部が全反射されなくなるので、結果的に、チップにおいて測定領域から放出される光線の量が低下する。
本発明にかかる培養処理装置は、このようにチップが液体に接触している状態と接触していない状態とで光強度測定装置の測定値に差が生じることを利用して、チップと容器内の液体とが接触しているかどうかの検出を行う構成とされている。具体的には、本発明にかかる培養処理装置は、光強度測定装置の測定値を監視する接触検知装置を有しており、接触検知装置は、光強度測定装置の測定値に有意な変動(測定値の低下)が生じたことをもってチップと容器内の液体との接触を検出する構成とされている。
本発明にかかる培養処理装置では、この構成を採用したことにより、ピペット装置による容器内の液体の吸出しの際に、チップと液体とが接触したことを容易かつ高精度に検知することができる。そして、この培養処理装置では、このようにチップと液体との接触の検知が可能であるので、接触した時点以降の移動装置による装置本体と容器との相対的な移動量を適正に制御することで、チップが液体に浸かる量を最小限にして、チップへの液滴の付着を効果的に防止することができる。
さらに、この培養処理装置では、装置本体と容器との相対的な移動を開始した時点からチップと容器内の液体とが接触する時点までの装置本体と容器との相対的な移動量の情報に基づいて、容器内の液面の位置を検出することができる。
ここで、この培養処理装置に用いる光源としては、チップを透過することができる波長域の光線を発するものであれば、可視光を発する光源に限らず、不可視光(例えば赤外光や紫外光等)を発する光源を用いてもよい。
また、この培養処理装置においては、前記接触検知装置の判定結果に基づいて前記移動装置の動作を制御する制御装置を有しており、該制御装置は、前記容器内の前記液体の吸出し時には、該液体が吸引されることによる前記液面の下降に追従して前記装置本体が前記容器に対して相対的に下降するように前記移動装置を動作させる構成とされていてもよい。
このように構成される培養処理装置では、制御装置によって移動装置の動作が制御されており、容器からの液体の吸出し時には、液体の液面の下降速度に合わせて装置本体が容器に対して相対的に下降させられる。
これにより、この培養処理装置では、チップが液体中に浸される量を最低限にとどめてチップへの液滴の付着を防止しつつ、周辺雰囲気を吸い込まずに容器内の液体のみチップ内に吸い込むことができる。
また、この培養処理装置においては、前記液体の吸出しを行う前の時点での前記光強度測定装置の測定値と、前記液体の吐出を終えた時点での前記光強度測定装置の測定値とを比較して、これらの測定値に有意な差が生じていた場合に前記チップに液滴が付着していると判定する液滴検出装置を有していてもよい。
ここで、前記したように、ピペット装置では、液体の吸出しの際にチップに液滴が付着していなくても、チップ内から液体を吐出する際にチップ先端に液滴が形成されてしまうことがある。
このようにチップに液滴が付着している状態では、チップと液滴との境界でチップ外に放出された透過光のうちの一部が、液滴と周辺雰囲気との境界で反射されて再びチップ内に入射するので、結果的に、光強度測定装置の測定値は、チップに液滴が付着していない状態よりも大きくなる。
この培養処理装置では、このようにチップに液滴が付着している状態と付着していない状態とで光強度測定装置の測定値に差が生じることを利用して、チップへの液滴の付着の検出を行う構成とされている。具体的には、本発明にかかる培養処理装置は、液滴検出装置によって、液体の吐出を終えた時点での光強度測定装置の測定値と液体の吸出しを行う前の時点での光強度測定装置の測定値を比較し、これら測定値に有意な差が生じたことをもって、チップに液滴が付着していることを検出する構成とされている。
本発明にかかる培養処理装置では、この構成を採用したことにより、チップへの液滴の付着の検出を容易かつ高精度に行うことができる。
ここで、このようにチップへの液滴の付着が検出された場合には、まず、チップ内からの液体の吐出を行った状態のままでピペット装置に再度吐出動作を行わせて液滴を落とす。そして、この操作を行っても液滴の付着が見られる場合には、ピペット装置にわずかに吸引動作を行わせて液滴をチップ内に吸い込んで液滴が落下しないようにした状態で、液滴のみ、または液滴を吸い込んだチップごとピペット装置から取り除いて、液滴の飛散を防止する。
また、上記培養処理装置を備える自動培養装置によれば、チップと容器内の液体との接触を検知することができるので、チップへの液体の付着を最小限に抑えつつ培養処理を自動的に行うことができる。
また、本発明は、装置本体に吸い口としてチップを装着してなるピペット装置と容器内の液体の液面との接触を検出する接触検出方法であって、前記チップの一部領域に対して該チップを透過する波長域の光線を照射し、前記チップの前記光線が照射される領域とは異なる測定領域で該チップ内から放出される前記光線の強度を測定しながら前記チップを前記液面に相対的に近接させてゆき、前記光線の強度に有意な変動が生じたことをもって前記チップと前記液体の液面とが接触したとみなす接触検出方法を提供する。
この接触検出方法では、チップが液体に接触している状態と接触していない状態とで光強度測定装置の測定値に差が生じることを利用して、チップと容器内の液体とが接触しているかどうかの検出を行うので、チップと液面との接触を容易かつ高精度に検出することができる。
また、本発明は、装置本体に吸い口としてチップを装着してなるピペット装置の前記チップへの液滴の付着を検出する液滴検出方法であって、前記チップの一部領域に対して該チップを透過する波長域の光線を照射し、前記チップの前記光線の照射される領域とは異なる測定領域で該チップ内から放出される前記光線の強度を測定し、前記チップが液体の吸出しに用いられる前の状態での前記光線の強度と、前記チップ内の前記液体の吐出を終えた状態での前記光線の強度との間に有意な差が生じたことをもって前記チップに液滴の付着が生じているとみなす液滴検出方法を提供する。
この液滴検出方法では、前記のようにチップに液滴が付着している状態と付着していない状態とで光強度測定装置の測定値に差が生じることを利用して、チップへの液滴の付着の検出を行うので、チップへの液滴の付着の検出を容易かつ高精度に行うことができる。
このようにチップへの液滴の付着が検出された場合には、まず、チップ内からの液体の吐出を行った状態のままでピペット装置に再度吐出動作を行わせて液滴を落とす。そして、この操作を行っても液滴の付着が見られる場合には、ピペット装置にわずかに吸引動作を行わせて液滴をチップ内に吸い込んで液滴が落下しないようにした状態で、液滴のみ、または液滴を吸い込んだチップごとピペット装置から取り除いて、液滴の飛散を防止する。
ここで、上記した本発明にかかる接触検出方法および液滴検出方法では、チップに照射する光線は、チップを透過することができる波長域の光線であれば、可視光に限らず、不可視光(例えば赤外光や紫外光等)であってもよい。
本発明にかかる培養処理装置、自動培養装置、および接触検出方法によれば、チップと液体の液面との接触を容易かつ高精度に検出することができ、チップへの液滴の付着を防止することができるという効果を奏する。また、本発明にかかる液滴検出方法によれば、チップへの液滴の付着を容易かつ高精度に検出することができるという効果を奏する。したがって、ピペット装置の移動の際などに液滴の落下や飛散が生じにくく、多数の検体を取り扱う場合においても、各検体の培養処理ごとに自動培養装置の底面を清掃する必要がなくなり、不要な手間を省くことができるという利点がある。
この発明の一実施形態に係る培養処理装置および自動培養装置について、図1〜図9を参照して説明する。
本実施形態に係る自動培養装置1は、図1に示されるように、外部から観察可能な透明な壁材により密閉され、シャッタ2を介して相互に連絡する第1空間S1と第2空間S2とを備えている。
第1空間S1の両側空間S11,S13には、培養容器3を収容する培養室4が2個ずつ計4個配置され、中央空間S12には、培養容器3を移動するための搬送ロボット(搬送機構)5が備えられている。中央空間S12の上部には、中央空間S12内の空気を浄化するために清浄な下降空気流を送る空気清浄部6が設けられている。
4個の培養室4は、それぞれ中央空間S12に向けて扉4aを配置することにより、横に並んだ2個ずつが相互に扉4aを対向させて、間隔をあけて配置されている。
前記各培養室4は、図2および図3に示されるように、一側面に開口部4bを有し、該開口部4bを開閉可能な扉4aを備えている。開口部4bに向かって左右の側壁には、対応する高さ位置に複数のレール状のトレイ保持部材4cが設けられており、左右対となる各トレイ保持部材4cに掛け渡すようにして、トレイ7を上下方向に複数段収容できるようになっている。各培養室4内は、所定の培養条件、例えば、温度37±0.5℃、湿度100%およびCO濃度5%等に維持されている。なお、トレイ保持部材4cはレール状に限定されず、トレイ7を出し入れ可能に支持することができれば任意の形態でよい。
各トレイ7には、複数個、例えば、10個の培養容器3を並べて載置できるようになっている。各培養容器3は、図4に示されるように、容器本体3aと、該容器本体3aの上面に設けられた蓋体3bとからなり、容器本体3aの左右の側面には、後述する第2空間内のハンドにより引っかけられる突起3cが設けられている。
各培養室4の下方には、図1に示されるように、未使用の培養容器3をトレイ7に搭載した状態で複数収容するストッカ8が配置されている。ストッカ8は、前記培養室4の扉とは反対側の第1空間S1の外部に向かう側面に開閉可能なドアを有している。該ドアは、ストッカ8の一側面全体を開放する大きさに形成されている。
前記搬送ロボット5は、4個の培養室4の間隔位置のほぼ中央に配置されている。該搬送ロボット5は、水平回転可能な第1アーム5aと、該第1アーム5aの先端に鉛直軸回りに回転可能に連結された第2アーム5bと、該第2アーム5bの先端に鉛直軸回りに回転可能に取り付けられ、それ自身は駆動部、伝導機構などの培養室内の環境を劣化させる機構を持たないハンド5cと、これら第1アーム5a、第2アーム5bおよびハンド5cを昇降可能な昇降機構5dとを備えている。これにより、搬送ロボット5は、4個の培養室4内の全てのトレイ7にアクセスするとともに、前記シャッタ2を跨いで第1空間S1と第2空間S2との間に配置されたコンベア9上にトレイ7を引き渡すことができる水平方向の動作範囲を有している。
前記コンベア9は、搬送ロボット5のハンド5cの幅寸法より大きな間隔をあけて左右に配置された2本の無端ベルト9aを備え、これら無端ベルト9aに掛け渡してトレイ7を載置できるようになっている。また、搬送ロボット5は、培養室4内の全てのトレイ7にアクセスするとともに、前記ストッカ8内の少なくとも最上段のトレイ7にアクセスできる垂直方向の動作範囲を有している。
なお、ベルト9aは無端ベルトに限られない。
前記ハンド5cは、トレイ7を載置可能に水平方向に延びる平坦な形状に形成されており、培養室4に収容されているトレイ7間の隙間に挿入可能な厚さ寸法に形成されている。そして、ハンド5cは、トレイ7間の隙間に挿入された状態から上昇させられることにより、2本の腕によってトレイ7を下方から押し上げてトレイ保持部材4cから取り上げるとともに、トレイ7を安定して保持できるようになっている。
前記第2空間S2には、図1に示されるように、培養処理装置30が構成されている。この培養処理装置30は、例えば、医療機関等で患者から採取された骨髄液を導入され、供給された骨髄液から間葉系幹細胞を多く含む細胞を抽出する検体抽出装置を備えている。検体抽出装置は、導入された骨髄液50を貯留する容器52(図9参照、例えば、そのまま遠心分離できるような遠沈管)内に溶血剤を注入する溶血剤注入装置54と、溶血剤が注入された骨髄液を攪拌する体液攪拌装置(図示せず)と、攪拌された骨髄液から間葉系幹細胞を多く含む細胞を分離する遠心分離機11とを備えている。
溶血剤注入装置54は、溶血剤、例えば、0.17モル濃度の塩化アンモニウム溶液を貯留する溶血剤タンクと、該溶血剤タンクから必要量の溶血剤を放出させるバルブとを備えている。バルブはポンプに置き換えてもよい。また、遠心分離機11は、後述するように培地から細胞を分離するための遠心分離機11と共通である。
培養処理装置30は、図1に示されるように、シャッタ2が開かれた状態で第1空間S1からコンベア9によって搬送されてきたトレイ7上の培養容器3に対し、上記検体抽出装置において抽出された細胞を供給し、あるいは培地を供給、回収する給排ロボット(検体供給装置、ピペット装置)10と、培養容器3内の培地から細胞を分離する遠心分離機11と、血清や試薬等の種々の液体を分注するための電動ピペット12を備えた水平回転および昇降移動可能な4台の分注ロボット13と、これら給排ロボット10および分注ロボット13の電動ピペット12先端に取り付ける使い捨て可能なチップ14を複数収容していて給排ロボット10および分注ロボット13の動作範囲内に提供可能な3台のチップ供給装置15と、使用済みのチップ14を廃棄回収するチップ回収部31と、血清や試薬等の種々の液体を複数の容器に貯留する試薬等供給装置16と、培養容器3内における細胞の様子を観察可能な顕微鏡17と、各試薬および培地交換等により廃棄される廃液をそれぞれ貯留する複数の貯留タンク18と、前記コンベア9と各ロボット10,13との間で培養容器3を受け渡し可能とするように培養容器3を移動させる水平移動機構19と、該水平移動機構19のスライダ20に取り付けられ、受け取った培養容器3を載置する載置台21とを備えている。
なお、第2空間S2にも、該第2空間S2内の空気を浄化するために清浄な下降気流を形成する空気清浄機32が設けられている。
前記第2空間S2に構成された培養処理装置30は、その高さ方向の中間位置に配され第2空間S2内を上部空間S21と下部空間S22とに上下に区画する第1の区画壁33と、該第1の区画壁33により形成された下部空間S22内をさらに上下に区画する第2の区画壁34とにより、上下方向に並ぶ3つの空間S21,S221,S222に区画されている。第1の区画壁33は、前記コンベア9の高さに配置され、その上方の上部空間S21内に、載置台21、給排ロボット10、分注ロボット13のアーム13a、顕微鏡17のXYテーブル17a以上の機構部等を配置している。これらの装置は、培養容器3の移動に必要な装置、および培養容器3の上部開口からアクセスすることが必要な装置だからである。なお、試薬等供給装置16の上面も第1の区画壁33の上面に露出しているが、これはチップ14の挿入口16cを上部空間S21に開口させるためである。
また、第1の区画壁33には、載置台21を上部空間S21において移動させるために、載置台21を下部空間S21内の水平移動機構19に連結するための長孔35、第1の区画壁33の下方の空間S221に配置されたチップ供給装置15からチップ14を取り出すための貫通孔36、使用済みのチップ14を廃棄するための廃棄口37が貫通形成されている。さらに、第1の区画壁33には、その側壁30a,30bに沿って、上下に貫通する通気口38が設けられている(斜線部)。
第1の区画壁33と第2の区画壁34との間の空間S221には、図6に示されるように、分注ロボット13の本体部分、チップ供給装置15、試薬等供給装置16、顕微鏡17のXYテーブル17a以下の部分、水平移動機構19および、チップ回収部31の廃棄口37と廃棄容器39とを接続するダクト40が備えられている。前記ダクト40は、図7に示されるように、例えば、その上端にフランジ部40aを備える構造とされ、第1の区画壁33の下部に設けたフック44に引っかけることで、第1の区画壁33と第2の区画壁34との間に着脱可能に設ければよい。第2の区画壁34の側壁30a,30b近傍には、該側壁30a,30bに沿って、上下に貫通する通気口43が設けられている(斜線部)。
さらに、第2の区画壁34の下方の空間S222には、図8に示されるように、遠心分離機11、貯留タンク18、廃棄容器39、および排気ファン41が配置されている。排気ファン41の出口にはHEPAフィルタのようなフィルタ42が設けられ、排気される空気を清浄にするようになっている。
前記給排ロボット10は、水平多関節型ロボットであって、例えば、図1に示す例では、2種類の電動ピペット10a,10bを備えるヘッド(装置本体)10cと、水平旋回可能な2つのアーム10d,10eと、アーム10eの先端に設けられヘッド10cを昇降させる昇降機構(移動装置)10fとを備えている。電動ピペット10aは、貯留タンク18からダクト10gを介して導かれた培地を供給するようになっている。電動ピペット10bは、培養容器3内あるいは遠心容器内の不要な培地を吸引し、ダクト10gを介して他の貯留タンク18へ廃液として排出するようになっている。
また、給排ロボット10は、電動ピペット10aによって、遠心分離機11により分離された細胞と培地との混合液を吸引し、載置台21上に搭載された培養容器3内に上部開口から供給するようになっている。
一旦使用された使用済みのチップ14は、チップ回収部31において取り外され回収されるようになっている。したがって、給排ロボット10は、載置台21、チップ供給装置15、チップ回収部31および遠心分離機11からの細胞供給装置(図示略)等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
ここで、チップ14は、チューブ状の部材であって、その一端側を電動ピペット10a,10b,12に保持されてこれら電動ピペット10a,10b,12の吸い口および液体の一時貯留部として利用される。図5に示す例では、チップ14は、例えばポリエチレン樹脂やポリスタイレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等、可視光に対して透明または半透明な材料によって構成されている。
チップ14は、電動ピペット10a,10b,12に保持される一端側に拡径部14aが設けられており、拡径部14aも含めて一端側から他端側(先端側)に向かうにつれて次第に縮径されたテーパー形状とされている。チップ14は、拡径部14aが構成する取付口に電動ピペット10a,10b,12の先端の口金27(後述)が挿入状態にして嵌合されることで電動ピペット10a,10b,12に装着されるようになっている。ここで、チップ14の一端面および他端面は、それぞれ軸線に略直交する平面とされている。
給排ロボット10において、電動ピペット10a、10bのそれぞれには、装着されたチップ14の一部領域に対してチップ14を透過する波長域の光線(この例では可視光線)を照射する光源22と、このチップ14において光源の発する光線が照射される領域とは異なる測定領域Mでチップ14内から放出される光線の強度を測定する光強度測定装置23とが設けられている。
また、給排ロボット10には、電動ピペット10a,10bのそれぞれのチップ14と液体との接触を検出する接触検知装置24が設けられている。接触検知装置24は、光強度測定装置23の測定値を監視し、測定値に有意な変動が生じたことをもってチップ14と液体との接触を検知する構成とされている。
また、給排ロボット10には、電動ピペット10a、10bに装着されているチップ14に液滴が付着しているかどうかを判定する液滴検出装置26が設けられている。液滴検出装置26は、電動ピペット10a,10bが液体の吐出を終えた時点での光強度測定装置23の測定値とを比較して、これらの測定値に有意な差が生じていた場合にチップ14に液滴が付着していると判定する構成とされている。
以下、電動ピペット10a,10b、12の構成について具体的に説明する。電動ピペット10a,10b,12は、それぞれの先端部に、先端に向かうにつれて次第に縮径されたテーパー状をなす口金27が設けられており、この口金27をチップ14の取付口に挿入して嵌合させることで、電動ピペット10a,10b,12にチップ14が装着されるようになっている。
口金27には流通路(図示せず)が設けられており、これら電動ピペット10a,10b,12は、流通路を通じてチップ14内の雰囲気を吸出すことによってチップ14の先端からチップ14内に液体を吸い込み、流通路を通じてチップ14内に気体を供給することでチップ14内の液体をチップ14の先端から吐出させる構成とされている。
光源22は、電動ピペット10a、10bのそれぞれにおいて口金27に装着されたチップ14の一端面のうちの一部領域に対向する部位に設けられている。この光源22としては、例えば可視光を発する発光ダイオード(LED)等が用いられる。
光強度測定装置23は、電動ピペット10a、10bのそれぞれにおいて口金27に装着されたチップ14の一端面に対向する部位のうち、光源22が設けられる部位とは異なる部位に設けられている。この光強度測定装置23としては、例えば可視光域の光線の強度を測定可能なフォトダイオード等が用いられる。
前記遠心分離機11は、体液攪拌装置により混合された骨髄液と溶血剤との混合液を貯留した容器を受け取って低速回転させることにより、骨髄液内に含有されている間葉系幹細胞等の白血球をその他の体液から分離して沈下させるようになっている。また、遠心分離機11は、給排ロボット10から供給された細胞入り培地を低速回転させることにより培地内に浮遊していた比重の重い細胞を培地から分離して沈下させるようになっている。
前記分注ロボット13は、それぞれ、先端にチップ14を着脱可能に取り付ける電動ピペット12を備えた水平回転可能なアーム13aと、該アーム13aを昇降させる昇降機構13bとを備えている。分注ロボット13は、水平移動機構19によって搬送されて来た培養容器3内へ、培地や種々の試薬を供給するようになっている。したがって、分注ロボット13は、水平移動機構19上の載置台21、チップ供給装置15、チップ回収部31および試薬等供給装置16等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
前記チップ供給装置15は、上方に開口した容器15a内に、電動ピペット10a,10b,12への取付口を上向きにして複数のチップ14を配列状態に収容しており、給排ロボット10や分注ロボット13が、新たなチップ14を必要とするときに、電動ピペット10a,10b,12を上方から挿入するだけで、電動ピペット10a,10b,12の先端にチップ14を取り付けるように構成されている。容器15aは、給排ロボット10や分注ロボット13による電動ピペット10a,10b,12の移動方向に対して交差する方向に往復移動させられるように移動機構15bに取り付けられている。また、分注ロボット13にチップ14を供給するチップ供給装置15には、移動機構15bによる移動方向とは直交する方向に容器15aを移動させる他の移動機構15cが備えられている。これにより、容器15a内の全てのチップ14に対して電動ピペット10a,10b,12がアクセスすることができるようになっている。
前記チップ回収部31は、廃棄容器39の入口に、チップ14を把持する把持装置(図示略)を備えていて、給排ロボット10や分注ロボット13において使用されたチップ14が把持装置に挿入されると、これを把持するようになっている。そして、この状態で給排ロボット10や分注ロボット13が電動ピペット10a,10b,12を移動させることにより、電動ピペット10a,10b,12先端から使用済みチップ14が取り外され、廃棄容器39内にダクト40を介して回収されるようになっている。廃棄容器39は、空間S222内に着脱可能に配置されており、必要に応じて交換可能となっている。
前記ダクト40および廃棄容器39の交換時には、培養処理装置30の側壁30a,30bに設けられた図示しないドアを開くことにより、培養処理装置30の外部からアクセスすることとすればよい。
前記試薬等供給装置16は、例えば、図6に示されるように、円筒状のケーシング内部に、水平回転可能なテーブル16aを収容し、該テーブル16a上に、扇型の底面形状を有する筒状の試薬等容器16bを周方向に複数配列して搭載している。ケーシング内部は一定の温度に保冷されている。各試薬等容器16bには、種々の試薬等が貯留されている。例えば、細胞を培養するために必要な培地を構成するMEM(Minimal Essential Medium:最小必須培地)、DMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)、FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)やヒト血清のような血清、培養容器3内の細胞を剥離させるトリプシンのような蛋白質分解酵素や、培養に際して細胞を成長させるサイトカインのような成長因子、細胞を分化させるデキサメタゾンのような分化誘導因子、ペニシリン系抗生物質のような抗生剤、エストロゲン等のホルモン剤や、ビタミン等の栄養剤が貯留されている。
試薬等供給装置16のケーシングの上面には、分注ロボット13が電動ピペット12先端のチップ14を挿入する挿入口16cが設けられている。この挿入口16cは、前記分注ロボット13の動作範囲内に配置されている。また、各試薬等容器16bは、その上面に、前記挿入口16cに一致する位置に配置される開口部(図示略)を備えている。これにより、テーブル16aを回転させて試薬等容器16bの開口部をケーシングの挿入口16cの鉛直下方に配置することで、分注ロボット13が、電動ピペット12先端のチップ14を上方から試薬等容器16b内へ挿入して、内部に貯留されている試薬等を吸引することができるようになっている。試薬等供給装置16を2台設けているのは、検体に共通のトリプシンのような薬液と、検体に固有の血清のような液体とを分離して取り扱うようにしているためである。
前記顕微鏡17は、培養工程の途中、あるいは、培地交換の際に、培養容器3内の細胞の様子や増殖の程度を観察したり、細胞数を計数したりする場合等に使用されるようになっている。顕微鏡17のXYステージ17aや作動距離調整、倍率の変更等は全て遠隔操作により行うことができるように構成されている。第2空間S2の外方に向けて接眼レンズを配置しておくことにより、自動培養装置1の外部から培養容器3内の細胞の状態を観察できるようにしてもよい。
前記貯留タンク18は、例えば、全ての検体に共通して使用できるMEMやPBS(リン酸緩衝化食塩水)等を貯留しておき、必要に応じて試薬等供給装置16内の試薬等容器16b内に供給するようになっている。また、貯留タンク18には、廃液タンクとして、培地交換の際に排出される廃培地等を貯留するものもある。
前記水平移動機構19は、直線移動機構により水平方向に移動可能なスライダ20を備えている。スライダ20上には前記載置台21が搭載されており、載置台21に搭載された培養容器3を、コンベア9から分注ロボット13の動作範囲まで移動させることができるようになっている。
前記載置台21は、コンベア9上のトレイ7内から移載された培養容器3を搭載して保持する保持機構(図示略)を備えている。また、該培養容器3に振動を付与する加振装置(図示略)を備えていてもよい。加振装置は、例えば、培養容器3を所定の角度範囲で往復揺動させる装置の他、超音波振動を加える装置や、水平方向の振動を加える装置を採用してもよい。
本実施形態に係る自動培養装置1の各種装置には、図示しない制御装置が接続されている。制御装置は、各工程の順序や動作タイミング等を制御するとともに、動作履歴等を記録保存するようになっている。
このように構成された本実施形態に係る培養処理装置30および自動培養装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る自動培養装置1を用いて、間葉系幹細胞を培養するには、まず、患者から採取された骨髄液50を容器52に入れた状態で培養処理装置30内に導入し、検体抽出装置に供給する。この工程は作業者が行ってもよく、図示しないハンドリングロボットにより行ってもよい。
検体抽出装置においては、検体抽出工程が行われる。すなわち、検体抽出装置に導入された骨髄液50に対して、溶血剤注入装置54の作動により、骨髄液50が貯留されている容器52内に溶血剤が注入される。溶血剤の注入量は、例えば、骨髄液50を1mlに対して12ml程度でよい。次いで、体液攪拌装置によって骨髄液50と溶血剤とを均一に混合し、この状態で、例えば、3〜7min程度放置することにより溶血処理を行う。
溶血処理により、比重の大きな赤血球の細胞膜が破壊され、容器52内の赤血球が除去されることになる。
その後、ハンドリングロボット等の作動により、容器52が遠心分離機11に投入される。そして、遠心分離機11が、例えば、800〜1300Gで3〜5min間作動させられることにより、図9(a)に示されるように、骨髄液50内の比重の重い間葉系幹細胞を含む細胞58が沈降した状態に集められる。
この状態で、再度ハンドリングロボット57の作動により、容器52が遠心分離機11外に取り出される。そして、給排ロボット10およびチップ供給装置15の作動により、電動ピペット10b先端に未使用のチップ14が取り付けられる。
すなわち、チップ供給装置15は移動機構15bを作動させることにより、未使用のチップ14を給排ロボット10の動作範囲内に配する。すると、給排ロボット10は、昇降機構10fを作動させることにより、ヘッド10cを下降させて、第1の区画壁33下方のチップ供給装置15から未使用のチップ14を受け取り、電動ピペット10bの先端に取り付ける。
この状態で、図9(b)に示されるように、給排ロボット10を作動させて電動ピペット10bのチップ14の先端を容器52内に挿入して吸引する。これにより、図9(c)に示されるように、容器52内の上澄み液59が除去され、赤血球を含まない間葉系幹細胞を多く含む細胞58が容器52内に残される。ここで、この吸引工程では、接触検知装置24によるチップ14と容器52内の液体との接触の検知が行われるとともに、この情報に基づいて制御装置による昇降機構10cの制御が行われて、チップ14を液体に浸す量が最小限に抑えられている。
次に、容器52内に残った検体は、給排ロボット10により、培養容器3に投入される。投入に先立って、コンベア9の作動により、トレイ7に載せた10個の空の培養容器3が、第1空間S1から第2空間S2に差し出されている。トレイ7上の培養容器3の内の2個の培養容器3が、図示しない移載装置の作動により、載置台21上に載置される。そして、図示しない蓋体開閉装置の作動により、載置台21上の培養容器3の蓋体3bが開けられる。
この状態で、給排ロボット10を作動させて、電動ピペット10aから容器52内に、貯留タンク18に貯留されているDMEMやPBS(リン酸緩衝化食塩水)等の培地構成液60を、所定量供給する。
具体的には、給排ロボット10は、電動ピペット10aの先端にチップ供給装置15から供給されたチップ14を装着した状態で、アーム10d,10eによって検体抽出装置の骨髄液を貯留する容器52の上方まで搬送されて、昇降機構10fによってチップ14の先端(下端)を容器内に挿入されて、この状態で容器52内に培地構成液60の供給を行う。
次いで、体液攪拌装置等によって容器52内の骨髄液50と溶血剤とを均一に混合する。これにより、赤血球を含まず、間葉系幹細胞を多く含む細胞58と培地構成液60とが均一に混合された細胞懸濁液61が構成されることになる。
このようにして製造された細胞懸濁液61は、図9(d)に示されるように、電動ピペット10aを作動させることにより、チップ14内に吸引される。ここで、この吸引工程においても、接触検知装置24によるチップ14と容器52内の液体59,61との接触の検知が行われるとともに、この情報に基づいて制御装置による昇降機構10cの制御が行われて、チップ14を液体59,61に浸す量が最小限に抑えられている。
吸引された細胞懸濁液61は、チップ14内に保持された状態で、給排ロボット10を作動させることにより、電動ピペット10aごと載置台21上の培養容器3の上方まで搬送されて、培養容器3内に上部開口から投入される。
この場合において、本実施形態に係る培養処理装置30および自動培養装置1によれば、検体抽出装置によって骨髄液50内から赤血球が除去された状態の検体が抽出される。したがって、細胞懸濁液61内に浮遊している間葉系幹細胞は、静置されて沈降させられる際に、その沈降を赤血球に阻害されることがなく、培養容器3の底面に容易に付着して成長を開始することになる。すなわち、迅速かつ効率的に増殖させられるので、早期に必要な細胞数に達することができる。
本実施形態においては、骨髄液の入った容器に溶血剤を加えることとしたが、投入した骨髄液を予め溶血剤入りの容器に分注し、その後体液攪拌装置により両液を混合する処理を行ってもよいことは言うまでもない。
以下、前記吸引工程における給排ロボット10の動作について具体的に説明する。
電動ピペット10a,10bによる液体59,61の吸出しにあたって、電動ピペット10a,10bが容器52の上方まで搬送された後、制御装置は、昇降機構10fの動作を制御して電動ピペット10a,10bを下降させる。
制御装置は、接触検知装置24によってチップ14の先端が液面に接触したことが検出されるまで電動ピペット10a,10bを下降させる。
そして、チップ14先端が液面に接触したことが検知された場合には、制御装置は、接触が検知された時点から電動ピペット10a,10bをさらにわずかに下降させて、チップ14の先端を液体59,61にごくわずかに浸す。
以降は、液体59,61が吸引されることによる液面の下降に追従して電動ピペット10a,10bが下降するように、昇降機構10fを動作させる。なお、液面の下降速度は、液体59,61が貯留されている容器52の形状と、電動ピペット10a,10bによる液体59,61の吸引速度から求められる。
以下、接触検知装置24によるチップ14と液体59,61との接触の検知の原理について、図5,図10,および図11を用いて説明する。
電動ピペット10a,10bでは、チップ14の一部領域に、光源22から光線が照射されている。この光線はチップ14を透過する波長域の光線であるので、照射領域からチップ14内に入射してチップ内を伝播してゆく。
一方、電動ピペット10a,10bでは、光強度測定装置23によって、チップ14において光線が照射される領域とは異なる測定領域Mから放出される光線の強度が測定されている。
チップ14内に入射した光線は、チップ14内を伝播してゆく過程でチップ14とこのチップ14の周囲を囲む媒質(周辺雰囲気や容器52内の液体59,61)との境界に入射すると、この境界によって反射されてチップ14内に戻るもの(反射光)と、この境界を通過してチップ14外に放出されるもの(透過光)とに分かれる。
また、この反射光も、チップ14内を伝播してゆく過程でチップ14とチップ14の周囲の媒質との境界に入射することで再び反射光と透過光とに分かれる。チップ14内に入射した光線は、このように反射を繰り返すことで、チップ14内全体に伝播する。このため、測定領域Mから放射される光線には、チップ14内で一回以上反射された光線も含まれる。
チップ14の屈折率は、周辺雰囲気や液体59,61の屈折率よりも大きいので、チップ14内から前記境界に入射する光線の入射角が十分に大きい場合にはこの光線は全反射される。ここで、チップ14の周囲の媒質の屈折率が小さいほど臨界角が小さくなり、より入射角の小さい光線についても全反射される。
液体59,61はチップ14の周辺雰囲気よりも屈折率が大きいので、チップ14が液体59,61に接触している状態(図10(b)に示す状態)では、チップ14が液体59,61に接触していない状態(図10(a)に示す状態)に比べて入射角の大きい光線のみが全反射される。すなわち、チップ14が液体59,61に接触している状態では、チップ14が液体59,61に接触していない状態で全反射されていた光線の一部が全反射されなくなるので、結果的に、チップ14において測定領域Mから放出される光線の量が低下する。
以上のことから、電動ピペット10a,10bを下降させてゆく過程で、チップ14先端が液面に接触すると、光強度測定装置23の測定値は、チップ14が液面に接触する前よりも低下する。ここで、図11のグラフに、チップ14の位置(吸引工程の初期位置からの下降量)と光強度測定装置23の測定値との関係を示す。
接触検知装置24は、光強度測定装置23の測定値を監視しており、光強度測定装置23の測定値に有意な変動(測定値の低下)が生じたことをもってチップ14と液体59,61との接触を検出する。
なお、この自動培養処理装置1では、昇降機構10fによるヘッド10cの移動量の情報に基づいて、容器52内の液面59,61の位置を検出することができる。
ここで、チップ14内に液体59,61を吸い込んだ状態では、チップ14内面が液体と接触しているので、チップ14の内面から放出された光線は、再びチップ14の内面の他の領域からチップ14内に入射することとなり、光強度測定装置23の測定値は、液体を吸い込む前に比べて若干大きくなる。
また、給排ロボット10は、チップ14から液体59,61を吐き出した後にチップ14に液滴Dが付着しているかどうかを判定する液滴検出装置26を有している。以下、液滴検出装置26による液滴Dの検出原理について図12を用いて説明する。
チップ14に液滴Dが付着している状態では、チップ14と液滴Dとの境界でチップ14外に放出された透過光のうちの一部が、液滴Dと周辺雰囲気との境界で反射されて再びチップ14内に入射するので、結果的に、光強度測定装置23の測定値は、チップ14に液滴Dが付着していない状態よりも大きくなる。
液滴検出装置26は、このことを利用してチップ14に液滴Dが付着しているかどうかを判定するものであって、液体59,61の吸出しを行う前の時点での光強度測定装置23の測定値と、液体59,61の吐出を終えた時点での光強度測定装置23の測定値とを比較して、これらの測定値に有意な差が生じていた場合にチップ14に液滴Dが付着していると判定する。
ここで、このようにチップ14への液滴Dの付着が検出された場合には、まず、チップ14内からの液体59,61の吐出を行った状態のままで電動ピペット10a,10bに再度吐出動作を行わせて液滴Dを落とす。そして、この操作を行っても液滴Dの付着が見られる場合には、電動ピペット10a,10bにわずかに吸引動作を行わせて液滴Dをチップ14内に吸い込んで液滴Dが落下しないようにした状態で、液滴Dのみ、または液滴Dを吸い込んだチップ14ごと電動ピペット10a,10bから取り除いて、液滴Dの飛散を防止する。
上記のように、本実施形態に係る培養処理装置30および自動培養装置1によれば、チップ14と液体59,61の液面との接触を容易かつ高精度に検出することができ、チップ14への液滴Dの付着を防止することができるという効果を奏する。
また、本実施形態に係る培養処理装置30および自動培養装置1によれば、チップ14への液滴Dの付着を容易かつ高精度に検出することができるという効果を奏する。
したがって、給排ロボット10の移動の際などに液滴Dの落下や飛散が生じにくく、多数の検体を取り扱う場合においても、各検体の培養処理ごとに自動培養装置1の底面を清掃する必要がなくなり、不要な手間を省くことができるという利点がある。
細胞懸濁液61を培養容器3内に投入し終わると、給排ロボット10は、第1の区画壁33に形成された廃棄口37にチップ14を挿入して取り外し、チップ回収部31に回収させる。廃棄口37において取り外されたチップ14は、ダクト40を介して、最下位の空間S222に配置されている廃棄容器内に投入される。
次に、細胞懸濁液61が投入された培養容器3は、水平移動機構19を作動させることにより、載置台21ごと水平移動させられ、各分注ロボット13の動作範囲内に配置される。分注ロボット13は、チップ供給装置15から受け取った未使用のチップ14を先端に取り付けた電動ピペット12を作動させることにより、試薬等供給装置16の試薬等容器16b内からDMEMや血清、あるいは各種試薬を適量吸引した後に、培養容器3の上方まで搬送して培養容器3内に注入する。血清や各試薬の吸引は、各試薬等の吸引ごとにチップ供給装置15から未使用のチップ14に交換して行われる。これにより、培養容器3内においては、適正な培地内に間葉系幹細胞が混合された状態で存在することになる。なお、培地内において間葉系幹細胞を均一に分布させるために、載置台21を作動させて、培養容器3ごと加振することにしてもよい。
そして、全ての処理を終えた培養容器3は水平移動機構19の作動により、コンベア9の近傍まで移動させられ、そこで、再度、蓋体開閉装置および移載装置の作動により、蓋体3bにより上部開口を閉じられた状態で、トレイ7に戻される。
トレイ7上の全ての培養容器3に対して所定の処理が行われた後に、コンベア9を作動させることにより、トレイ7に載せられた培養容器3が第2空間S2から第1空間S1の中央空間S12内に挿入される。
この状態で、搬送ロボット5を作動させることにより、ハンド5cによってトレイ7を持ち上げる。そして、トレイ7を収容する培養室4の前まで搬送したところで、当該培養室4の扉4aを開き、搬送ロボット5によって、空いているトレイ保持部材4c上にトレイ7を挿入する。そして、再度、扉4aを閉じることにより、培養室4内の培養条件を一定に保持して細胞の培養が行われることになる。なお、細胞懸濁液61の投入や、DMEM、血清、各種試薬の投入や吸引の順序は適宜変更してもよいのは言うまでもない。
また、培地交換や容器交換の際にも、上記と同様にして、培養室4外に配置されている搬送ロボット5の作動により、培養室4内の培養容器3がトレイ7ごと取り出され、第1空間S1から第2空間S2へ受け渡される。第2空間S2では、培養容器3内にトリプシンが注入されて、培養容器3内の細胞が剥離させられた状態で、給排ロボット10の作動によって遠心分離機11内に投入され、間葉系幹細胞等の必要なもののみが集められる。その他の処理工程は上記と同様である。
そして、複数回の培地交換や容器交換を介した所定期間にわたる培養工程を行うことにより、間葉系幹細胞が十分な細胞数まで増殖させられることになる。十分な細胞数に達したか否かは、給排ロボット10の作動により、間葉系幹細胞が底面に付着した培養容器3を顕微鏡17まで搬送することにより、観察あるいは測定され、細胞の増殖の程度が判断される。なお、トレイ7上には、同一検体の培養容器3が載置されていてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。また、載置台21上には同一検体の培養容器3が載置されてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。
このようにして、本実施形態に係る自動培養装置1により、患者から採取した骨髄液50から十分な細胞数の間葉系幹細胞を自動的に培養することが可能となる。なお、十分な間葉系幹細胞が得られた後には、培養容器3内にリン酸カルシウムのような生体組織補填材およびデキサメタゾンのような分化誘導因子を投入して、再度培養工程を継続することにより、生体の欠損部に補填可能な、生体組織補填体を製造することにしてもよい。
この場合において、本実施形態に係る自動培養装置1によれば、培養室4内に、培養容器3を取り出すための機構部が存在しない。すなわち、培養室4内には、トレイ7を載置した状態に支持するトレイ保持部材4cが設けられているのみであり、培養容器3を取り出すための機構部は全て培養室4外に配置された搬送ロボット5に集約されている。そして、搬送ロボット5は、トレイ7の出し入れ作業が行われた後には、培養室4の扉4aの外側に完全に退避することができるようになっている。
したがって、扉4aが閉じられた状態では、培養室4内に機構部が存在せず、機構部の作動によって発生するような塵埃の発生は全く存在しない。また、培養室4内は、温度37±0.5℃、湿度100%およびCO濃度5%等に維持されるが、機構部が存在しないために、このような環境下においても、腐食等の問題が生ずることがない。また、扉4aが開かれた状態においても、培養室4内に挿入されるのは搬送ロボット5のハンド5c先端のみであり、実質的に回転機構や摺動機構が培養室4内に入ることはない。その結果、培養室4内への塵埃の侵入が抑制され、培養室4内部の清浄度を高めることができる。
なお、培養室4は、COインキュベータ、マルチガスインキュベータ、インキュベータ、または保冷庫等のように、培養に利用されるものあるいはその組合せで構成されていてもよい。
また、本実施形態に係る培養処理装置30および自動培養装置1によれば、医療機関等において患者から採取された状態の骨髄液50に何ら前処理を施すことなく培養処理装置30に導入するだけで、早期に間葉系幹細胞を必要細胞数まで増殖させることができる。したがって、医療機関や作業者に特別な設備や作業を発生させることがないという利点がある。
さらに、本実施形態に係る培養処理装置30および自動培養装置1によれば、培養処理装置30の第2空間S2内が、第1の区画壁33により上部空間S21と下部空間S22とに区画されている。さらに、上部空間S21には清浄な下降気流を発生させる空気清浄機32が設けられている。そして、第1の区画壁33には、その側壁30a,30b近傍に通気口38が設けられている。第1の区画壁33には、通気口38の他に種々の装置を貫通させるための貫通孔36,37等が形成されているが、通気口38の流通断面積を他の貫通孔36,37等の流通断面積より十分に大きく確保しておくことにより、気流を通気口38に通過させることが可能となる。
したがって、上部空間S21内を下降してきた清浄な気流は、第1の区画壁33の近くで側壁30a,30bの方向に向かい、通気口38を介して下部空間S22へと流通させられる。その結果、上部空間S21内に浮遊していた塵埃を下方に向かって押し流してきた気流が、上部空間S21の側壁30a,30b近傍の角部に滞留することがなく、スムーズに下部空間S22へ流通させられることになる。
さらに、本実施形態に係る培養処理装置30および自動培養装置1によれば、蓋体3bを開かれた状態の培養容器3が移動させられる上部空間S21には、培養容器3の移動に必要な載置台21、顕微鏡17のXYテーブル17a、培養容器3の上部開口からアクセスすることが必要な給排ロボット10、分注ロボット13の電動ピペット12、顕微鏡17の光源部分等のみが配置され、その他の機構部は下部空間S22に配置されている。したがって、上部空間S21における塵埃の発生が最小限に抑えられ、培養容器3内への塵埃の混入の可能性が低減されることになる。
また、特に、塵埃を発生する可能性の高い装置、例えば、遠心分離機11、廃棄容器39、排気ファン41等は、下部空間S22の内、さらに第2の区画壁34によって区画された最下位の空間S222内に配置されているので、そこで発生した塵埃が上部空間S21に流入することはない。さらに、空間S222内の空気は排気ファン41によって吸引され、HEPAフィルタ42によって塵埃を除去された後に培養処理装置30の外部に放出される。したがって、上部空間S21の清浄度は、極めて高い清浄度に維持されることになる。
また、第2の区画壁34にも、側壁30a,30bに沿って通気口43が設けられているので、上部空間S21から流入した塵埃を含む気流が、空間S221内に広がることなく、スムーズに空間S222に向けて流通させられることになる。
さらに、培地や細胞が付着した使用済みのチップ14を収容した廃棄容器39は、着脱可能であり、必要によりまたは定期的に交換することで、下部空間S22の清浄度をも高い状態に回復することができる。さらに、廃棄容器39への廃棄の際に使用済みのチップ14を通過させるダクト40も、必要によりまたは定期的に取り外して、交換あるいは清掃することで、清浄度の向上に寄与することができる。
さらに、本実施形態に係る自動培養装置1は、搬送ロボット5の設置されている中央空間S12の上部に、空気清浄部6を備えているので、搬送ロボット5の存在する中央空間S12内も常に清浄度が維持されている。したがって、培養室4の扉4aが開かれたときにも、培養室4内に塵埃が流入することを最小限に抑えることが可能となる。
したがって、本実施形態に係る自動培養装置1によれば、培養中の細胞が塵埃等によって汚染される可能性を低減し、健全な細胞を培養することができるという効果がある。
なお、この発明は、上記実施形態に示した構成に限定されるものではない。すなわち、培養室4の形状や数、搬送ロボット5、給排ロボット10および分注ロボット13の形態や数、各種装置の形態や数等は、何ら限定されることなく、適用条件に合わせて任意に設定することができる。
また、上記実施形態では、給排ロボット10にのみ、光源22、光強度測定装置23、接触検知装置24、および液滴検出装置26を設けた例を示したが、この構成を分注ロボット13にも設けて、電動ピペット12による試薬等容器16b内の液体の吸出しの際におけるチップ14と液面との接触の検知および液滴Dの付着の検出を行う構成としてもよい。
また、成長因子としては、サイトカインの他に、例えば、濃縮血小板、BMP、EGF、FGF、TGF−β、IGF、PDGF、VEGF、HGFやこれらを複合させたもの等の成長に寄与する物質を採用することにしてもよい。また、抗生剤としては、ペニシリン系抗生物質の他、セフェム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ホスホマイシン系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系等任意の抗生物質を採用することができる。
なお、本発明に係る自動培養装置は、骨髄の間葉系幹細胞の培養に限定されるものではない。生体の種々の組織から採取された細胞や、樹立された細胞ラインを培養してもよい。
また、生体組織補填材としては、リン酸カルシウムに代えて、生体組織に親和性のある材料であれば任意のものでよく、生体吸収性の材料であればさらに好ましい。特に、生体適合性を有する多孔性のセラミックスや、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒアルロン酸、またはこれらの組合せを用いてもよい。また、チタンの様な金属であってもよい。また、生体組織補填材は、顆粒状でもブロック状でもよい。
この発明の一実施形態に係る自動培養装置を示す斜視図である。 図1の自動培養装置の第1空間を概略的に示す縦断面図である。 図1の自動培養装置の第1空間を概略的に示す平面図である。 図1の自動培養装置において用いられる培養容器の一例を示す斜視図である。 図1の自動培養装置の電動ピペットを模式的に説明する正面図である。 図1の自動培養装置の培養処理装置の第1の区画壁を除去して第2の区画壁上の装置を示す斜視図である。 図1の自動培養装置の培養処理装置の第1および第2の区画壁を除去して最下位の空間内に設置された装置を示す斜視図である。 図1の自動培養装置の培養処理装置の廃棄容器に接続するダクトの取付構造例を示す縦断面図である。 図1の自動培養装置による検体抽出工程の一部(後半)を説明する図である。 図1の自動培養装置によるチップと液面との接触検知の原理を説明する図である。 図1の自動培養装置によるチップと液面との接触検知の原理を説明する図である。 図1の自動培養装置によるチップへの液滴の付着の検出の原理を説明する図である。
符号の説明
1 自動培養装置。
3 培養容器
10 給排ロボット(ピペット装置)
10c ヘッド(装置本体)
10f 昇降機構(移動装置)
14 チップ
22 光源
23 光強度測定装置
24 接触検知装置
26 液滴検出装置
30 培養処理装置

Claims (6)

  1. 培養容器内部の検体の培養処理に用いられて、この培養処理の過程でピペット装置による前記培養容器や他の容器からの液体の吸出しを行う培養処理装置であって、
    前記ピペット装置は、装置本体と、
    該装置本体に装着されて前記液体の吸い口となるチップと、
    前記装置本体を前記容器に対して相対的に移動させる移動装置と、
    前記チップの一部領域に対して該チップを透過する波長域の光線を照射する光源と、
    前記チップの前記光線が照射される領域とは異なる測定領域で該チップ内から放出される前記光線の強度を測定する光強度測定装置と、
    該光強度測定装置の測定値を監視して該測定値に有意な変動が生じたことをもって前記チップと前記液体の液面との接触を検出する接触検知装置とを有していることを特徴とする培養処理装置。
  2. 前記接触検知装置の判定結果に基づいて前記移動装置の動作を制御する制御装置を有しており、
    該制御装置は、前記容器内の前記液体の吸出し時には、該液体が吸引されることによる前記液面の下降に追従して前記装置本体が前記容器に対して相対的に下降するように前記移動装置を動作させることを特徴とする請求項1記載の培養処理装置。
  3. 前記液体の吸出しを行う前の時点での前記光強度測定装置の測定値と、前記液体の吐出を終えた時点での前記光強度測定装置の測定値とを比較して、これらの測定値に有意な差が生じていた場合に前記チップに液滴が付着していると判定する液滴検出装置を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の培養処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の培養処理装置を備える自動培養装置。
  5. 装置本体に吸い口としてチップを装着してなるピペット装置と容器内の液体の液面との接触を検出する接触検出方法であって、
    前記チップの一部領域に対して該チップを透過する波長域の光線を照射し、
    前記チップの前記光線が照射される領域とは異なる測定領域で該チップ内から放出される前記光線の強度を測定しながら前記チップを前記液面に相対的に近接させてゆき、
    前記光線の強度に有意な変動が生じたことをもって前記チップと前記液体の液面とが接触したとみなすことを特徴とする接触検出方法。
  6. 装置本体に吸い口としてチップを装着してなるピペット装置の前記チップへの液滴の付着を検出する液滴検出方法であって、
    前記チップの一部領域に対して該チップを透過する波長域の光線を照射し、
    前記チップの前記光線が照射される領域とは異なる測定領域で該チップ内から放出される前記光線の強度を測定し、
    前記チップが液体の吸出しに用いられる前の状態での前記光線の強度と、前記チップ内の前記液体の吐出を終えた状態での前記光線の強度との間に有意な差が生じたことをもって前記チップに液滴の付着が生じているとみなすことを特徴とする液滴検出方法。
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