JP2005341739A - 車両用交流発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来の車両用交流発電機よりも磁気騒音をさらに低減できる車両用交流発電機を提供する。
【解決手段】
上記課題は、車両用交流発電機において、回転子4の磁極数(正の整数)と、固定子鉄心2に設けられたスロット2cの個数(正の整数)とから決定されるトルクリップルの次数が、スロット2cの個数よりも大きくなるようにすることにより、解決できる。また、整流リップルの次数とトルクリップルの次数とスロット2cの個数とを異ならせ、整流リップルの次数,スロット2cの個数,トルクリップルの次数の順に大きくすることにより、さらに磁気騒音を低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関によって駆動されて発電し、車載電気負荷や車載電源に電力を供給する車両用交流発電機に関する。
車両用交流発電機としては、例えば特許文献1に記載されたものが従来より知られている。特許文献1には、磁極数が16極、スロット数が96個のものであって、固定子巻線を、回転子のNS磁極ピッチに対応して離間する複数の第1スロット群に収容された電気導体を電気的に直列接続して構成した第1の3相相巻線と、第1スロット群に隣接する複数の第2スロット群に収容された電気導体を電気的に直列接続して構成した第2の3相巻線から構成した車両用交流発電機が記載されている。
特開平11−155270号公報
従来の車両交流発電機は、磁極数が16極で、固定子巻線を2つの3相巻線から構成しているので、発電電力を整流器によって整流したときの整流リップルの次数を、磁極数が12極で、固定子巻線を1つの3相巻線から構成した車両用交流発電機のものよりも大きくでき、磁極数が12極で、固定子巻線を1つの3相巻線から構成した車両用交流発電機よりも磁気騒音を低減できる。
しかしながら、最近では、低騒音化によって車両の高級感をさらに向上するために、従来の車両用交流発電機よりもさらに磁気騒音を低減できる車両用交流回転電機の出現が望まれている。
本発明は、従来の車両用交流発電機よりも磁気騒音をさらに低減できる車両用交流発電機を提供する。
本発明の基本的な特徴は、回転子の磁極数(正の整数)と、固定子鉄心に設けられたスロットの個数(正の整数)とから決定されるトルクリップルの次数が、スロットの個数よりも大きくなるようにしたことにある。
本発明によれば、トルクリップルの次数が、スロットの個数よりも大きいので、従来の車両用交流発電機よりも磁気騒音をさらに低減できる。
本発明の最も代表的な最良の実施形態は次の通りである。
すなわち固定子と、該固定子に空隙を介して対向配置された回転子とを有し、前記固定子は、複数のスロットが形成された固定子鉄心と、該固定子鉄心に組み込まれた固定子巻線とを備えており、前記複数のスロットのそれぞれには複数の導体が収納されており、前記固定子巻線は、電気的に独立した複数の多相巻線から構成されており、前記複数の多相巻線のそれぞれは、対応する複数の相巻線が電気的に接続されることによって構成されており、前記複数の相巻線は、対応する複数の前記導体が電気的に接続されることによって構成されており、前記回転子は複数の磁極を備えており、前記複数の磁極は回転方向に極性が交互に異なるように配置されており、前記磁極の数(正の整数)と前記スロットの数(正の整数)との最小公倍数で決定されるトルクリプルの次数は前記スロットの数よりも大きい車両用交流発電機にある。
本発明の第1実施例を図1乃至図3に基づいて説明する。図1乃至図3は本実施例の車両用交流発電機の構成を示す。車両用交流発電機100は自動車に搭載されて自動車用電源システムを構成し、内燃機関(エンジン)によって駆動されて発電し、車載電源であるバッテリ40や電気負荷50に電力を供給する。
図において1は固定子である。固定子1は、固定子鉄心2と、これに装着された固定子巻線3とを有する。固定子鉄心2は、薄い鋼板(例えば珪素鋼板)を打ち抜いて得られた円環状の鉄心板が複数積層されて形成された円筒状の積層鉄心である。積層鉄心の軸方向両端部に積層された鉄心板の厚みは、軸方向中央部分に積層された鉄心板の厚みよりも厚い。固定子鉄心2の外周部にはコアバック(ヨーク)2aが形成されている。コアバック2aは、周方向に連続して形成された円筒状の鉄心部分であり、外周表面が外部に露出するように、軸方向両側からフロントブラケット9とリアブラケット10によって挟持されている。これにより、固定子1はブラケットの内側に支持される。
固定子鉄心2の内周部であるコアバック2aの内周側には複数のティース2bが形成されている。ティース2bは、コアバック2aの内周面から径方向中心側に突出するように形成された歯状の鉄心部分であって、コアバック2aの内周面に沿って軸方向に連続して形成されており、コアバック2aの内周面に沿って周方向に所定の間隔をもって複数配置されている。隣接するティース2b間にはティース2bと同じ数だけスロット2cが形成されている。スロット2cは、固定子巻線3を構成する巻線導体34が収納される空間部分であって、ティース部2bと同様に軸方向に連続して形成されており、周方向に所定の間隔をもって複数配置されている。また、スロット2cは、コアバック2a側とは反対側が開口し、軸方向両端も開口している。
スロット2cのそれぞれには、固定子巻線3を構成する複数の巻線導体34が収納されている。巻線導体34のそれぞれは平角線から形成されたものであり、固定子鉄心2の軸方向両端から外方に突出し、所定の結線が得られるように他の巻線導体34と溶接などによって接合され、他の巻線導体34と電気的に接続されている。尚、固定子巻線3の詳細な構成については図面を用いて後述する。
固定子1の内周側には、空隙を介して対向配置された回転子4が回転可能に設けられている。回転子4の中心軸上には回転軸7が配置されている。回転軸7は、フロントブラケット9の中心部分に設けられた軸受12によって軸方向一端側が、リアブラッケット10の中心部分に設けられた軸受13によって軸方向他端側がそれぞれ回転可能に支持されている。
固定子1の内周側と対向する回転軸7の部位には回転子鉄心5が嵌合されている。回転子鉄心5は、対をなす爪状磁極鉄心5a,5bが軸方向に対向するように設けられたものである。爪状磁極鉄心5a,5bのそれぞれには複数の爪状磁極が設けられている。ここで、爪状磁極は、爪状磁極鉄心5a,5bの円筒状部分から径方向遠心側に延びて爪状磁極鉄心5a,5bの対向方向に直角に折れ曲がった部分である。爪状磁極の先端部分の外周表面は三角形状或いは台形状になっており、固定子鉄心2と対向している。爪状磁極鉄心5a,5bのそれぞれに設けられた爪状磁極は回転方向に所定の間隔をもって配置されていると共に、爪状磁極鉄心5a,5bが軸方向に対向するように設けられた場合、対向する爪状磁極鉄心の爪状磁極間に配置されている。爪状磁極鉄心5aはN極とS極のいずれか一方の磁極を形成している。爪状磁極鉄心5bはN極とS極のいずれか他方の磁極を形成している。爪状磁極鉄心5a,5bが軸方向に対向して回転軸7上に設けられることにより、回転子4には、回転方向に極性が交互に異なるように、すなわちN極とS極とが交互になるように複数の磁極が形成される。
爪状磁極の先端部の内周側と対向する爪状磁極鉄心5a,5bの円筒状部分の外周面上には界磁巻線6が装着されている。
回転軸7の軸方向一端部(フロントブラケット9側端部)は軸受12よりもさらに軸方向外側に延びている。回転軸7の軸方向一端部の軸受12よりもさらに軸方向外側に延びた部分の先端部分にはプーリ8が設けられている。プーリ8はベルト(図示省略)を介して内燃機関のプーリに接続されている。これにより、内燃機関の回転駆動力はベルトを介してプーリ8に伝達される。回転子4は、ベルトを介して伝達された内燃機関の回転駆動力によって回転する。
回転軸7の軸方向他端部(リアブラケット10側端部)は軸受13よりもさらに軸方向外側に延びている。回転軸7の軸方向他端部の軸受13よりもさらに軸方向外側に延びた部分の外周表面にはスリップリング18が設けられている。スリップリング18には界磁巻線6が電気的に接続されている。スリップリング18の外周表面にはブラシ17が摺動接触している。ブラシ17は、界磁巻線6に供給される界磁電力を、回転しているスリップリング18に供給するものである。これにより、界磁電流供給源(バッテリ40或いは自己発電によって得られた電力)から供給された界磁電力がブラシ17及びスリップリング18を介して界磁巻線6に供給される。
爪状磁極鉄心5aの軸方向一端部(フロントブラケット9側端部)にはフロントファン14が取り付けられている。爪状磁極鉄心5bの軸方向他端部(リアブラケット10側端部)にはリアファン15が取り付けられている。フロントファン14及びリアファン15は回転子4の回転と共に回転し、冷却媒体である外気を機外から機内に導入して機内を循環させると共に、冷却し終えた外気を機内から機外へ排出する。フロントブラケット9及びリアブラケット10には、外気を機外から機内に導入及び外気を機内から機外に排出するための貫通孔が複数設けられている。
リアブラケット10の側面の一方側(フロントブラケット9側とは反対側の側面)はリアカバー11によって覆われている。これにより、リアブラケット10の側面の一方側とリアカバー11との間には空間が形成されている。リアブラケット10の側面の一方側とリアカバー11との間に形成された空間には、ブラシ17を保持するブラシホルダ,ICレギュレータ(図示省略)及び整流器19が配置されている。リアカバー11には複数の貫通孔が設けられている。リアカバー11に設けられた複数の貫通孔は、リアブラケット10の側面の一方側とリアカバー11との間に形成された空間に機外から外気を導入するためのものである。
整流器19は、固定子巻線3で発生した交流電力を全波整流して直流電力を出力するものであり、整流素子である6個のダイオードから構成された3相のブリッジ回路を構成している。本実施例の整流器19は2つのブリッジ回路を構成しているので、12個のダイオードを備えている。これは、後述するように、電気的に独立した2組の3相巻線で固定子巻線3が構成されているからである。整流器19のブリッジ回路のそれぞれには、対応する3相巻線の各相巻線が電気的に接続されている。整流器19の直流出力端子の正極側はターミナル16と電気的に接続されている。ターミナル16はバッテリ40及び電気負荷50の正極側と電気的に接続されている。整流器19の直流出力端子の負極側はバッテリ40及び電気負荷50の負極側と共に自動車のボディーアースに電気的に接続されている。整流器19によって得られた直流電力はターミナル16を介してバッテリ40及び電気負荷50に供給される。
ICレギュレータ(図示せず)は、ターミナル16の端子電圧が常に一定電圧となるように、界磁電流供給源(バッテリ40或いは自己発電によって得られた電力)から界磁巻線6に供給される界磁電力を制御するものである。
ICレギュレータ(図示省略)によって制御された界磁電力がブラシ17及びスリップリング18を介して界磁巻線6に供給され、界磁巻線6に界磁電流が流れると、界磁巻線6は磁束を発生する。界磁巻線6に磁束が発生すると、爪状磁極鉄心5a,5bの一方がN極の磁極、他方がS極の磁極になり、界磁巻線6に発生した磁束を、N極の磁極を形成する爪状磁極から空隙を介して固定子鉄心2に流し、固定子鉄心2から空隙を介して、S極の磁極を形成する爪状磁極に戻す磁気回路が形成される。そして、ベルトを介して伝達された内燃機関の回転駆動力によって回転子4が回転すると、磁気回路によって固定子鉄心2に流れた磁束が固定子巻線3の各相巻線と鎖交する。これにより、固定子巻線3には電圧が誘起され、3相の交流電力が発生する。固定子巻線3で発生した3相の交流電力は整流器19によって全波整流されて直流電力に変換され、ターミナル16を介してバッテリ40及び電気負荷50に供給される。この時、ターミナル16の端子電圧はICレギュレータ(図示省略)の界磁制御によって約14.3V 程度の一定電圧になるように、制御されている。
近年、車両用交流発電機には、電気負荷の増加に伴う高出力化,高効率化,車室内の静粛性向上による低騒音化が要求されている。高効率化を図るためには各種損失を低減すればよい。特に損失の大きい銅損を低減することが好ましい。
そこで、本実施例では、固定子巻線3を構成する巻線導体34をこれまでの丸線から平角線に変更し、スロット2cに対する巻線導体34の占める割合、すなわち占積率を向上させている。
ところで、車両用交流発電機においては所望の発電特性が得られるように設計する必要がある。すなわち車両用交流発電機は、内燃機関のアイドル回転数に相当する回転数n1のとき発電電流I1を出力し、内燃機関の通常走行回転数に相当する回転数n2のとき発電電流I2を出力するような発電特性を満足させる必要がある。
ここで、回転子の磁極数を12極、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数を5として上記2つのポイントを満足させようとする場合、固定子巻線を構成する巻線導体を丸線から平角線に変更すると、1個のスロットに5本(5ターン)の巻線導体を収納することになる。しかし、平角線の場合、周期性の問題があるので、1個のスロットに収納される巻線導体の本数を偶数にする必要がある。このため、回転子の磁極数を12極として巻線導体34に平角線を用いる場合には、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数を4又は6にする必要がある。
しかし、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数が4の場合、内燃機関のアイドル回転数に相当する回転数n1のときの発電電流I1は低下する。これは磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数の減少によって誘起電圧が低下するためである。また、内燃機関の通常走行回転数に相当する回転数n2のときの発電電流I2は増加する。これは磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数の減少によって巻線のインダクタンスが低下するためである。これに対して磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数が6の場合は、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数が4の場合とは逆の特性を示す。従って、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数が4又は6では要求値を満足できない。
この一解決手段としては、回転子の磁極数を12極から16極に増加させることが考えられる。回転子の磁極数を16極として12極と同じ回転数で回転させた場合、基本波の周波数は1.33倍(=16極/12極)になる。すなわち回転子を5000r/min で回転させた場合、回転子の磁極数が12極の場合では基本周波数が500Hzとなるのに対し、16極の場合では1.33倍 の666Hzになる。従って、回転子の磁極数を16極とした場合では周波数が高くなった分、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数を減らせる。すなわち回転子の磁極の極数が12極の場合では、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数が5であったのに対し、16極の場合では、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数を3.75(=5ターン/1.33倍)にできる。実際には整数で決定されるので、回転子の磁極数が16極の場合では、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数は4になる。
ところが、回転子の磁極数を16極にすると鉄損が増加する。鉄損は一般的に渦電流損失とヒステリシス損失との総和で求められる。渦電流損失は、固定子鉄心を構成する鉄心板の板厚に大きく影響するので、鉄心板に薄い板を用いれば低減可能である。しかし、ヒステリシス損は周波数に比例して増加する。従って、回転子の磁極数が増加することで鉄損が増加する。鉄損の増加は効率の低下となる。このため、回転子の磁極数を12極から16極に変更することは効率の低下を招く。
そこで、本実施例では、回転子4の磁極数を12、磁極1極当たりの固定子巻線1相分のターン数を5、固定子巻線3の相数を3とし、平角線からなる巻線導体34で固定子巻線3を構成している。また、1個のスロット2cにおける巻線導体34(平角線)の数を偶数としなければならないことから、回転子4の磁極数、スロット2cの個数及び固定子巻線3の相数から決定される毎極毎相スロット数、すなわち磁極1極当たりの固定子巻線3の1相分の巻線導体34が配置されるスロット数を2.5 としている。そして、上記関係からスロット2cの個数を90としている。これにより、本実施例では、車両用交流発電機の高効率化及び低騒音化を図っている。また、本実施例では、固定子巻線3を2つの電気的に独立した3相巻線(スター結線)から構成し、車両用交流発電機の高出力化を図っている。
また、車両用交流発電機の高効率化は、回転子4に設けられたフロントファン14及びリアファン15の径並びにファンブレードの高さを抑え、風損を低減することでも達成できる。
さらに、車両用交流発電機の高効率化は、整流器19の整流素子としてMOS−FETなどの半導体スイッチッグ素子を採用してMOS整流を行い、ダイオード損を低減することでも達成できる。
次に、図1に基づいて固定子巻線3の構成を詳細に説明する。前述したように固定子鉄心2には90個のスロット2cが形成され、それぞれに巻線導体34が4本収納されている。本実施例の固定子巻線3は、電気的に独立した2つの3相巻線、すなわち第1の3相巻線31と第2の3相巻線32から構成されている。このため、第1の3相巻線31の出力は整流器19の1つの3相ブリッジ回路によって整流され、第2の3相巻線32の出力は整流器19のもう1つの3相ブリッジ回路よって整流されている。3相ブリッジ回路のそれぞれの出力は合成され、バッテリ40及び電気負荷50に供給されるようになっている。
第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32はそれぞれ3つの相巻線によって構成されている。すなわち第1の3相巻線31はU1相巻線31U,V1相巻線31V及びW1相巻線31Wによって構成されている。第2の3相巻線32はU2相巻線32U,V2相巻線32V及びW2相巻線32Wによって構成されている。前述したように各相巻線は、回転子4の磁極1極当たり5本の巻線導体34によって構成されている。また、毎極毎相スロット数が2.5 である。このため、各相巻線を構成する5本の巻線導体34は、隣接する2つのスロット2cに渡って連続して配置されている。また、各相巻線を構成する巻線導体34は回転子4の各磁極に対応して配置されている。このため、各相巻線を構成する巻線導体34は複数のスロット2cを跨ぎ、次の隣接する2つのスロット2cに渡って連続して配置されている。本実施例では、このような巻線導体34の配置が回転子4の磁極に対応して12回繰り返されると共に、このように配置された巻線導体34が電気的に接続され各相巻線が構成されている。
U1相巻線31Uは、隣接する2つのスロット2cに渡って連続して配置されたU1+相巻線導体群31U+(U11+〜U15+の巻線導体34)と、隣接する2つのスロット2cに渡って連続して配置されたU1−相巻線導体群31U−(U11−〜U15−の巻線導体34)とが、回転子4の磁極に対応するように、スロット2cのいくつかを跨いで交互に配置され、各巻線導体34が電気的に直列に接続されることによって構成されている。
具体的には第1スロット(スロット2cの開口部近傍に付けたスロット番号(1)のスロット2cを指す)にはU11+〜U14+が、第1スロットに隣接する第2スロットにはU15+がそれぞれ配置されている。第1スロットからスロット2cを6つ跨いだ第8スロット(第1スロットから7番目のスロット)にはU12−,U14−が、第8スロットに隣接し、第2スロットからスロット2cを6つ跨いだ第9スロット(第2スロットから7番目のスロット)にはU11−,U13−,U15−がそれぞれ配置されている。第16スロットには第1スロットと同様にU11+〜U14+が、第16スロットに隣接する第17スロットには第2スロットと同様にU15+がそれぞれ配置されている。第23スロットには第8スロットと同様にU12−,U14−が、第24スロットには第9スロットと同様にU11−,U13−,U15−がそれぞれ配置されている。この後、上記配列パターンを回転子4の磁極に対応して繰り返すようになっている。
すなわち2つの隣接するスロット2cにU11+〜U15+が配置され、それらからスロット2cを6つ跨いだところにある2つの隣接するスロット2cにU11−〜U15−が配置され、それらからスロット2cを7つ跨いだところにある2つの隣接するスロット2cにU11+〜U15+が配置され、それらからスロット2cを6つ跨いだところにある2つの隣接するスロット2cにU11−〜U15−が配置され、・・・・・というように、U11+〜U15+の巻線導体34とU11−〜U15−の巻線導体34とが交互に配置されている。しかも、U11+〜U15+からU11−〜U15−に跨ぐ場合は7スロットピッチで、U11−〜U15−からU11+〜U15+に跨ぐ場合は8スロットピッチでそれぞれ行われている。つまり、回転子4の磁極2極(極性の異なるN極とS極の磁極一対)当たりにスロット2cが15個配置されているということができる。言い換えれば、回転子の磁極ピッチ(極性の異なるN極とS極との間隔)が7.5 スロットであるということができる。
U1+相巻線導体群31U+において、U11+の巻線導体34は、対応するスロット内の最もコアバック2a側(1段目)に配置されている。U12+,U15+の巻線導体34は、U11+の巻線導体34の配置位置に対してスロット開口側(2段目)に配置されている。U14+の巻線導体34は、対応するスロット内の最もスロット開口部側(4段目)に配置されている。U13+の巻線導体34は、U14+の巻線導体34の配置位置に対してコアバック2a側(3段目)に配置されている。
U1−相巻線導体群31U−において、U12−,U15−の巻線導体34は、対応するスロット内の最もコアバック2a側(1段目)に配置されている。U11−の巻線導体34は、U15−の巻線導体34の配置位置に対してスロット開口側(2段目)に配置されている。U13−の巻線導体34は、対応するスロット内の最もスロット開口部側(4段目)に配置されている。U14−の巻線導体34は、U13−の巻線導体34の配置位置に対してコアバック2a側(3段目)に配置されている。
このように、U11+の巻線導体34がスロット2cの1段目に配置されると、これに接続されるU11−の巻線導体34はスロット2cの2段目に配置される。U13+の巻線導体34がスロット2cの3段目に配置されると、これに接続されるU13−の巻線導体34はスロット2cの4段目に配置される。このような配置関係によれば、固定子鉄心2の軸方向端部においてなされる巻線導体34間の接続を他の巻線導体34間の接続に干渉されることなく行うことができる。従って、固定子巻線3のコイルエンドは規則正しい配列になり、冷却風が通り易くなる。
本実施例においては、U1相巻線31Uを構成する巻線導体34が第1,第2,第8及び第9スロットに配置する場合について説明したが、U1相巻線31Uを構成する巻線導体34は第1,第2,第8及び第9スロットから15スロットおきに、上記配置構成と同様に配置されている。
また、本実施例においては、U1相巻線31Uを構成する巻線導体34の配置構成について説明したが、V1相巻線31Vを構成する巻線導体34(V11+〜V15+の巻線導体34とV11−〜V15−の巻線導体34)及びW1相巻線31Wを構成する巻線導体(W11+〜W15+の巻線導体34とW11−〜W15−の巻線導体34)の配置構成も、U1相巻線31Uを構成する巻線導体34の配置構成と同様になっている。V1相巻線31Vを構成する巻線導体34は第6,第7,第13及び第14スロットから15スロットおきに、U1相巻線31Uを構成する巻線導体34の配置構成と同様に配置されている。W1相巻線31Wを構成する巻線導体34は第3,第4,第11及び第12スロットから15スロットおきに、U1相巻線31Uを構成する巻線導体34の配置構成と同様に配置されている。
U2相巻線32Uは、隣接する2つのスロット2cに渡って連続して配置されたU2+相巻線導体群32U+(U21+〜U25+の巻線導体34)と、隣接する2つのスロット2cに渡って連続して配置されたU2−相巻線導体群32U−(U21−〜U25−の巻線導体34)とが、回転子4の磁極に対応するように、スロット2cのいくつかを跨いで交互に配置され、各巻線導体34が電気的に直列に接続されることによって構成されている。
具体的には第2スロット(スロット2cの開口部近傍に付けたスロット番号(2)のスロット2cを指す)にはU21+〜U23+が、第1スロットに隣接する第2スロットにはU24+,U25+がそれぞれ配置されている。第2スロットからスロット2cを6つ跨いだ第9スロット(第2スロットから7番目のスロット)にはU23−が、第9スロットに隣接し、第3スロットからスロット2cを6つ跨いだ第10スロット(第3スロットから7番目のスロット)にはU21−,U22−,U24−,U25−がそれぞれ配置されている。第17スロットには第2スロットと同様にU21+〜U23+が、第17スロットに隣接する第18スロットには第3スロットと同様にU24+,U25+がそれぞれ配置されている。第24スロットには第9スロットと同様にU23−が、第25スロットには第10スロットと同様にU21−,U22−,U24−,U25−がそれぞれ配置されている。この後、上記配列パターンを回転子4の磁極に対応して繰り返すようになっている。
すなわち2つの隣接するスロット2cにU21+〜U25+が配置され、それらからスロット2cを6つ跨いだところにある2つの隣接するスロット2cにU21−〜U25−が配置され、それらからスロット2cを7つ跨いだところにある2つの隣接するスロット2cにU21+〜U25+が配置され、それらからスロット2cを6つ跨いだところにある2つの隣接するスロット2cにU21−〜U25−が配置され、・・・・・というように、U21+〜U25+の巻線導体34とU21−〜U25−の巻線導体34とが交互に配置されている。しかも、U21+〜U25+からU12−〜U25−に跨ぐ場合は7スロットピッチで、U21−〜U25−からU21+〜U25+に跨ぐ場合は8スロットピッチでそれぞれ行われている。これからも、回転子4の磁極2極(極性の異なるN極とS極の磁極一対)当たりにスロット2cが15個配置されているということができる。言い換えれば、回転子の磁極ピッチ(極性の異なるN極とS極との間隔)が7.5 スロットであるということができる。
U2+相巻線導体群32U+において、U21+の巻線導体34はスロット2cの1段目に、U24+の巻線導体34はスロット2cの2段目に、U22+の巻線導体34はスロット2cの3段目に、U23+,U25+の巻線導体34はスロット2cの4段目にそれぞれ配置されている。
U2−相巻線導体群32U−において、U24−の巻線導体34はスロット2cの1段目に、U21−の巻線導体34はスロット2cの2段目に、U23−,U25−の巻線導体34はスロット2cの3段目に、U22−の巻線導体34はスロット2cの4段目にそれぞれ配置されている。
このように、U21+の巻線導体34がスロット2cの1段目に配置されると、これに接続されるU21−の巻線導体34はスロット2cの2段目に配置される。U22+の巻線導体34がスロット2cの3段目に配置されると、これに接続されるU22−の巻線導体34はスロット2cの4段目に配置される。このような配置関係によれば、固定子鉄心2の軸方向端部においてなされる巻線導体34間の接続を他の巻線導体34間の接続に干渉されることなく行うことができる。従って、固定子巻線3のコイルエンドは規則正しい配列になり、冷却風が通り易くなる。
本実施例においては、U2相巻線32Uを構成する巻線導体34が第2,第3,第9及び第10スロットに配置する場合について説明したが、U1相巻線31Uを構成する巻線導体34は第2,第3,第9及び第10スロットから15スロットおきに、上記配置構成と同様に配置されている。
また、本実施例においては、U2相巻線32Uを構成する巻線導体34の配置構成について説明したが、V2相巻線32Vを構成する巻線導体34(V21+〜V25+の巻線導体34とV21−〜V25−の巻線導体34)及びW2相巻線32Wを構成する巻線導体(W21+〜W25+の巻線導体34とW21−〜W25−の巻線導体34)の配置構成も、U2相巻線32Uを構成する巻線導体34の配置構成と同様になっている。V2相巻線32Vを構成する巻線導体34は第7,第8,第14及び第15スロットから15スロットおきに、U2相巻線32Uを構成する巻線導体34の配置構成と同様に配置されている。W2相巻線32Wを構成する巻線導体34は第4,第5,第12及び第13スロットから15スロットおきに、U2相巻線32Uを構成する巻線導体34の配置構成と同様に配置されている。
尚、以上の説明で用いた符号を、例えばU11+,U11−を例にとり説明すると、初めのU1は、U1相巻線31Uを構成する巻線導体34であることを示す。左から3番目の数字は、回転子4の磁極1極当たりにおけるU1相巻線31Uの何本(何ターン)目の巻線導体34であるかを示す(但し、巻線の組み込み順序を示すものではない)。例えば上記符号の数字は1であるから、上記符号の巻線導体34は1本(1ターン)目であることを示す。左から4番目の記号は、どの方向の電流を流す巻線導体であるかを示すものである。ここで、記号+は、スロット2cの手前からスロット2cの奥に向かって電流が流れる巻線導体34を示す。記号−は、スロット2cの奥からスロット2cの手前に向かって電流が流れる巻線導体34を示す。
また、本実施例では、図1において各巻線導体がどの相巻線を構成するものか明確になるように、U1相巻線31U,U2相巻線32Uを構成する巻線導体34を点線で囲んでいる。V1相巻線31V,V2相巻線32Vを構成する巻線導体34は一点鎖線で囲んでいる。W1相巻線31W,W2相巻線32Wを構成する巻線導体34は二点鎖線で囲んでいる。
図2に示すように、U1相巻線31U,V1相巻線31V,W1相巻線31WはY(スター)結線によって電気的に接続されている。これにより、第1の3相巻線31が構成されている。尚、図2に示す結線図では各相巻線の+相側を示し、各相巻線の−相側は省略している。U1相巻線31Uを基準とすると、V1相巻線31VはU1相巻線31Uに対して電気角で120°ずれて接続されている。すなわちスロット2cの数が90で、1スロットピッチの電気角が24°(=6×360/90)で、V1相巻線31VがU1相巻線31Uに対して5スロットピッチずれて配置されていることから、V1相巻線31VはU1相巻線31Uに対して電気角で120°ずれて接続されている。W1相巻線31WはV1相巻線31Vに対して電気角で120°ずれて接続されている(V1相巻線31Vに対して5スロットピッチずれて配置されている)。一方、U2相巻線32U,V2相巻線32V,W2相巻線32WもY(スター)結線によって電気的に接続されている。これにより、第2の3相巻線32が構成されている。各相巻線は電気角で120°ずつずれて接続されている。
U1相巻線31Uは、巻線図的にU11+〜U15+の巻線が電気的に直列に接続されて構成されている。U11+の巻線を基準とすると、U12+,U13+,U14+の巻線はU11+の巻線に対して電気的に同相(電気的なずれ(位相)が0)である。これはU12+〜U14+の巻線導体34が、U11+の巻線導体34と同じスロット2c(図1に示す第1スロット)に配置されているからである。U15+の巻線はU11+の巻線に対して電気角で24°ずれている。これは、U11+の巻線導体34が配置されたスロット2cに隣接するスロット2c(図1に示す第2スロット)にU15+の巻線導体34が配置されているからである。尚、U12−,U14−の巻線はU11+の巻線に対して電気角で168°ずれている。U11−,U13−,U15−の巻線はU11+の巻線に対して電気角で192°ずれている。このようは接続関係は、V1相巻線31V,W1相巻線31Wにおいても同様になっている。
一方、U2相巻線32Uは、巻線図的にU21+〜U25+の巻線が電気的に直列に接続されて構成されている。U21+の巻線を基準とすると、U22+,U23+の巻線はU21+の巻線に対して電気的に同相である。これはU22+,U23+の巻線導体34が、U21+の巻線導体34と同じスロット2c(図1に示す第2スロット)に配置されているからである。U24+,U25+の巻線はU21+の巻線に対して電気角で24°ずれている。これは、U21+の巻線導体34が配置されたスロット2cに隣接するスロット2c(図1に示す第3スロット)にU24+,U25+の巻線導体34が配置されているからである。尚、U23−の巻線はU21+の巻線に対して電気角で168°ずれている。U21−,U22−,U24−,U25−の巻線はU21+の巻線に対して電気角で192°ずれている。このような接続関係は、V2相巻線32V,W2相巻線32Wにおいても同様になっている。
U1相巻線31UとU2相巻線32Uは電気的に位相がずれている。これは、U1相巻線31Uを構成する巻線導体34(U11+〜U15+の巻線導体34)が第1及び第2スロットに配置され、U2相巻線32Uを構成する巻線導体34(U21+〜U25+の巻線導体34)が第2及び第3スロットに配置されているからである。従って、U11+の巻線を基準とすると、U21+の巻線はU11+の巻線に対して電気角で24° ずれている。ここで、U1相巻線31Uの位相の中心は電気角で4.8° 、U2相巻線32Uの位相の中心は電気角で33.6° である。従って、U1相巻線31Uの位相中心とU2相巻線32Uの位相中心との電気的な位相差は28.8° である。このような関係は、
V1相巻線31VとV2相巻線32Vとの間、W1相巻線31WとW2相巻線32Wとの間でも同様になっている。
次に、U1相巻線31U,U2相巻線32Uを例に挙げ、固定子巻線3のスロット2cへの組み込み方について説明する。
U1相巻線31Uの組み込み順序は次の通りである。巻始めから始まり、
第1スロットの4段目(U14+)→第8スロットの3段目(U14−)→…
→第1スロットの2段目(U12+)→第8スロットの1段目(U12−)→…
→第2スロットの2段目(U15+)→第9スロットの1段目(U15−)→…
というように順次に組み込まれる。そして、接続線を介して組み込み方向が反転され、
第9スロットの4段目(U13−)→第1スロットの3段目(U13+)→…
→第9スロットの2段目(U11−)→第1スロットの1段目(U11+)
というように順次に組み込まれ、巻終わり(中性点)で終了する。V1相巻線31V及びW1相巻線31Wにおいても、スロット2cの位置は異なるものの、組み込み順序はU1相巻線31Uと同様になっている。
U2相巻線32Uの組み込み順序は次の通りである。巻始めから始まり、
第3スロットの4段目(U25+)→第10スロットの3段目(U25−)→…
→第3スロットの2段目(U24+)→第10スロットの1段目(U24−)→…
→第2スロットの4段目(U23+)→第9スロットの3段目(U23−)→…
というように順次に組み込まれる。そして、接続線を介して組み込み方向が反転され、
第10スロットの2段目(U21−)→第2スロットの1段目(U21+)→…
→第10スロットの4段目(U22−)→第2スロットの3段目(U22+)
というように順次に組み込まれ、巻終わり(中性点)で終了する。V2相巻線32V及びW2相巻線32Wにおいても、スロット2cの位置は異なるものの、組み込み順序はU2相巻線32Uと同様になっている。
実際の固定子巻線3の組み込み作業では、まず、1本の平角線を折り曲げてU字状或いはV字状の巻線導体34を形成する。ここで、巻線導体34は、2つのスロット2cに固定子鉄心2の軸方向一方側端部から挿入できるように、2本の直線部(スロット2c内に収納される部分)の一方側端部(スロット2cへの挿入側であり、コイルエンド部の一方側)が開放されている。巻線導体34の2本の直線部間には、2つのスロット2cに挿入された際に、固定子鉄心2の径方向(スロット2cの深さ方向)の配置位置が異なるように、段差が付けられている。
巻線導体34を形成後、前述した巻線の組み込み順序にしたがって巻線導体34を、固定子鉄心2の軸方向一方端側から、対応する2つのスロット2cに挿入する。この時、対応する2つのスロット2cに挿入された巻線導体34は、スロット2cのいくつかを跨ぐように挿入される。この行程を巻線導体34の数だけ繰り返す。
巻線導体34を挿入後、固定子鉄心2の軸方向他方側端部から突出した巻線導体34の端部(開放端側のコイルエンド部)をスロット2cの跨り方向とは反対の方向(外側)に折り曲げる。これを、巻線導体34の数だけ繰り返す。
巻線導体34を折り曲げた後、対応する巻線導体34同士を接続する。接続にあたってはかしめ或いは溶接を用いる。
このように、本実施例では、固定子巻線3を、分布巻(いくつかのスロット2cを跨ぐように、巻線導体34を2つのスロット2cに挿入する巻方)と波巻(巻線導体34をスロット2cの跨り方向とは逆の方向に折り曲げ、同様に折り曲げられた他の巻線導体34と接続する巻方)とを併用して構成している。
尚、巻線導体34をスロット2cに挿入して折り曲げた時、固定子鉄心2の軸方向端部には巻線導体34の折り曲げによる応力が作用する。しかし、本実施例では、固定子鉄心2の軸方向両端部の鋼板の板厚が他の鋼板よりも厚いので、固定子鉄心2の軸方向両端部の強度が大きい。従って。本実施例では、巻線導体34の折り曲げの応力による珪素鋼板の変形を抑制することができる。
第1の3相巻線31の出力は整流器19の3相ブリッジ回路の一方で、第2の3相巻線32の出力は整流器19の3相ブリッジ回路の他方でそれぞれ整流され、バッテリ40や電気負荷50に共に供給される。
第1の3相巻線31と第2の3相巻線の出力電流は、スロット2cに収納された巻線導体34の配置位置で変化する。これは、巻線導体34のコアバック2aに対する距離に起因する。すなわちコアバック2a側に配置された巻線導体34は、コアバック2aに対する距離が短いので、その分、磁気抵抗が小さくなり、インダクタンスが大きくなる。スロット開口部側に配置された巻線導体34は、コアバック2aに対する距離が長いので、その分、磁気抵抗が大きくなり、インダクタンスが小さくなる。従って、巻線導体34の配置によっては、第1の3相巻線31と第2の3相巻線のインダクタスが偏り、第1の3相巻線31と第2の3相巻線の出力電流が偏る。
そこで、本実施例では、前述したように、各相巻線を構成する巻線導体34がスロット2cのコアバック2a側とスロット開口部側に渡って配置されるように、巻線導体34を配置し、第1の3相巻線31と第2の3相巻線の出力電流の偏りが小さくなるようにしている。
以上説明した本実施例では、回転子4の磁極に対応するように複数のスロット2cに跨いで配置された各相巻線の複数の巻線導体34を、隣接する複数のスロット2cに渡って配置したので、固定子巻線3の起磁力分布(ステップ状の波形)を滑らかにできる。すなわち第1の3相巻線31の起磁力分布のステップ数と第2の3相巻線32の起磁力分布のステップの数を、各相巻線の巻線導体が1つのスロットに配置された従来の起磁力分布よりも増加できる。これにより、本実施例では、従来の起磁力分布(方形波)よりも小刻みな起磁力分布(正弦波に近似するもの)にでき、起磁力分布に含まれる高調波成分を低減できる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
また、本実施例では、固定子巻線3の相数、スロット2cの個数及び回転子4の磁極数から決定される毎極毎相スロット数を2.5 としたので、毎極毎相スロット数を2或いは3の整数とした場合と比較し、回転子4の磁極数とスロット2cの個数(或いはティース2bの個数)から決定されるトルクリップルの次数(回転子4が1回転する間に生じるコギングトルクに相当するものであって、回転子4の磁極数とスロット2cの個数との最小公倍数で示される)を増加できる。これにより、本実施例では、磁気騒音の周波数を高くでき、トルクリップルの波高値を小さくできる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。
また、本実施例では、毎極毎相スロット数が2.5 となるように、回転子4の磁極数を12、スロット2cの個数を90、固定子巻線3の相数を3としたので、スロット2cの個数を100以下に抑制できる。これにより、本実施例では、ティース2bの幅を大きくでき、固定子巻線3の組み込み作業性を向上できる。従って、本実施例では、製造時間を短縮でき、生産性を向上できる。
また、本実施例では、トルクリップルの次数を180とすることができ、同じ磁極数及び同じ固定子巻線の相数で毎極毎相スロット数が5のときと同じにできる。従って、本実施例では、磁気騒音を低減できる。しかも、毎極毎相スロット数が5のとき、スロット数は180になるが、本実施例ではその半分の90にできる。スロット数を180にするには固定子鉄心2の径を大きくしなければ製造することができない。しかし、スロット数が90であれば、従来と同体格の固定子鉄心2で対応できる。従って、本実施例では、大型化を招くことなく、磁気騒音の低減を達成できる。
また、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線の各相巻線を構成する巻線導体34を、スロット2cのコアバック2a側とスロット開口部側に渡るように、配置したので、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32のそれぞれの出力電流を平均化できる。従って、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線の出力電流の偏りを小さくできる。
また、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の同相の相巻線同士の電気的な位相をずらしたので、整流リップル(電流リップル)の振幅(時間的変動)を小さくできる。従って、本実施例では、さらに磁気騒音を低減できる。
また、本実施例では、回転子4の磁極数を12としたので、現行の12極機で使用されている回転子などをそのまま採用できる。
また、本実施例では、固定子鉄心2の材質や板厚なども変更する必要がない。
また、本実施例では、16極に比べて鉄損を少なくできるので、車両交流発電機の高効率化ができる。
また、本実施例では、固定子巻線3の接続処理に溶接を用いる場合、その接続箇所を少なくできる。
このように、本実施例では、高出力,高効率,低騒音の車両用交流発電機を低コストで提供できる。
本発明の第2実施例を図4に基づいて説明する。本実施例は、第1実施例と同様に第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の出力電流のバランスを調整している。また、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32の出力電流の偏りをさらに小さくしている。
第1実施例では、第1スロットから第15スロットの巻線導体34の配置構成が6回繰り返されることにより固定子巻線3が構成されている。しかし、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線32の各相巻線は、回転子4の磁極1極当たり5本の巻線導体34によって構成されている。このため、例えば第1の3相巻線31のU1相巻線U1では巻線導体34がスロット2cのコアバック2a側に3ターン、スロット開口部側に2ターン配置され、第2の3相巻線32のU2相巻線U2では巻線導体34がスロット2cのコアバック2a側に2ターン、スロット開口部側に3ターン配置され、というように、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32との同相の相巻線同士間において巻線導体34の配置に偏りが生じる。このような配置構成が繰り返されると、巻線導体34の配置が偏ったまま同相の相巻線が構成される。
そこで、本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32との同相の相巻線同士間における巻線導体34の配置構成の偏りを解消するために、第1スロットから第45スロットにおける巻線導体34の配置構成は第1実施例と同様にし、第46スロットから第90スロットでは、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32との同相の相巻線同士間における巻線導体34の配置構成の偏りを逆転させている。これにより、本実施例では、第1スロットから第45スロットにおける巻線導体34の配置構成の偏りを第46スロットから第90スロットにおける巻線導体34の偏りによって相殺し、インダクタンスの偏りに起因する出力電流の偏りをさらに小さくしている。
以下、U1相巻線31UとU2相巻線32Uを例に挙げ、第1スロットから第15スロットまでと第46スロットから第60スロットまでの巻線導体34の配置構成について説明する。第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成は第1実施例と同様である。第46スロットから第60スロットまでの巻線導体34の配置構成は、第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成と比較すると、次の通りになる。すなわち第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成では第2スロットの2段目にあったU15+の巻線導体34が、第46スロットから第60スロットまでの巻線導体34の配置構成では第47スロットの4段目になり、第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成では第2スロットの4段目にあったU23+の巻線導体34が、第46スロットから第60スロットまでの巻線導体34の配置構成では第47スロットの2段目になる。このように、本実施例では、U15+の巻線導体34とU23+の巻線導体34が入れ替わっている。これに伴い、第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成では第9スロットの1段目にあったU15−の巻線導体34が、第46スロットから第60スロットまでの巻線導体34の配置構成では第
54スロットの3段目になり、第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成では第9スロットの3段目にあったU23−の巻線導体34が、第46スロットから第60スロットまでの巻線導体34の配置構成では第54スロットの1段目になる。
このように、本実施例では、第1スロットから第15スロットまでは、U1相巻線U1を構成する巻線導体34をスロット2cのコアバック2a側に3ターン、スロット開口部側に2ターン配置し、U2相巻線U2を構成する巻線導体34をスロット2cのコアバック2a側に2ターン、スロット開口部側に3ターン配置し、第46スロットから第60スロットまでは、U1相巻線U1を構成する巻線導体34をスロット2cのコアバック2a側に2ターン、スロット開口部側に3ターン配置し、U2相巻線U2を構成する巻線導体34をスロット2cのコアバック2a側に3ターン、スロット開口部側に2ターン配置ししている。そして、第16スロットから第30スロットまでと第31スロットから第45スロットまでは第1スロットから第15スロットまでの構成と同様にし、第61スロットから第75スロットまでと第76スロットから第90スロットまでは第46スロットから第60スロットまでの構成と同様にする。
尚、V相及びW相においても、スロット2cの位置は異なるものの、U相と同様に巻線導体34を入れ替える構成になっている。また、巻線導体34の組み込み順序はスロット2cの配置位置が異なっても変わることはなく、第1実施例と同様の組み込み順序になっている。
以上説明した本実施例では、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32との同相の相巻線同士間における巻線導体34の配置構成の偏りを、回転子4の磁極に対応する初めの3つのスロット群に対して、回転子4の磁極に対応する後の3つのスロット群では逆転させたので、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32との同相の相巻線同士間における巻線導体34の配置構成の偏りを相互に相殺できる。従って、本実施例では、インダクタンスの偏りに起因する出力電流の偏りをさらに小さくできる。
尚、本実施例では、回転子4の磁極に対応する初めの3つのスロット群(第1スロットから第45スロット)に対して、回転子4の磁極に対応する後の3つのスロット群(第
46スロットから第90スロット)で巻線導体34の配置構成の偏りを相殺したが、回転子4の磁極に対応する複数のスロット群の間で交互に巻線導体34の配置構成を変えるようにしてもよい。
この他の構成については第1実施例の構成と同様である。従って、前述した第1実施例と同様の効果も達成できる。
本発明の第3実施例を図5,図6に基づいて説明する。本実施例は、第1実施例と同様に固定子巻線3の起磁力分布を滑らかにするものであり、第1実施例よりもさらに滑らかにするものである。
第1実施例では、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線の各相巻線を構成する巻線導体34を、隣接する2つのスロット2cに渡って配置したが、本実施例では、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線の各相巻線を構成する巻線導体34を、隣接する3つのスロット2cに渡って配置している。これにより、本実施例では、第1の3相巻線31の起磁力分布のステップ数と第2の3相巻線32の起磁力分布のステップの数が第1実施例よりも増加するので、起磁力分布がより小刻みなものになり、起磁力分布に含まれる高調波成分をさらに低減できる。従って、本実施例では、第1実施例よりもさらに磁気騒音を低減できる。
以下、第1の3相巻線31及び第2の3相巻線の各相巻線を構成する巻線導体34の配置構成を具体的に説明する。ここでは、U相を例に挙げ説明するが、V相及びW相においても、スロット2cの位置は異なるものの、巻線導体34の配置構成はU相と同様になっている。
まず、U1相巻線U1の構成について説明する。第1スロットにはU11+,U12+が、第1スロットに隣接する第2スロットにはU13+,U14+が、第2スロットに隣接する第3スロットにはU15+がそれぞれ配置されている。第8スロットにはU12−が、第8スロットに隣接する第9スロットにはU11−,U14−が、第9スロットに隣接する第10スロットにはU13−,U15−がそれぞれ配置されている。
また、U13+,U14−,U15−の巻線導体34は、対応するスロットの1段目に配置されている。U14+,U15+,U13−の巻線導体34は、対応するスロットの2段目に配置されている。U11+,U12−の巻線導体34は、対応するスロットの3段目に配置されている。U12+,U11−の巻線導体34は、対応するスロットの4段目に配置されている。
次に、U2相巻線U2の構成について説明する。第2スロットにはU21+,U22+が、第2スロットに隣接する第3スロットにはU23+,U24+が、第3スロットに隣接する第4スロットにはU25+がそれぞれ配置されている。第9スロットにはU22−が、第9スロットに隣接する第10スロットにはU21−,U24−が、第10スロットに隣接する第11スロットにはU23−,U25−がそれぞれ配置されている。
また、U23+,U25−の巻線導体34は、対応するスロットの1段目に配置されている。U25+,U23−の巻線導体34は、対応するスロットの2段目に配置されている。U21+,U22−,U24−の巻線導体34は、対応するスロットの3段目に配置されている。U22+,U24+,U21−の巻線導体34は、対応するスロットの4段目に配置されている。
図6に示すように、U1相巻線31U,V1相巻線31V,W1相巻線31WはY(スター)結線によって電気的に接続されている。U2相巻線32U,V2相巻線32V,
W2相巻線32WもY(スター)結線によって電気的に接続されている。各相巻線は電気角で120°ずつずれて接続されている。これにより、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32が構成されている。尚、図6に示す結線図では各相巻線の+相側を示し、各相巻線の−相側は省略している。
U1相巻線31Uは、巻線図的にU11+〜U15+の巻線が電気的に直列に接続されて構成されている。U11+の巻線を基準とすると、U12+の巻線はU11+の巻線に対して電気的に同相(電気的なずれ(位相)が0)である。U13+,U14+の巻線はU11+の巻線に対して電気角で24°ずれている。U15+の巻線はU11+の巻線に対して電気角で48°ずれている。このような接続関係は、V1相巻線31V,W1相巻線31Wにおいても同様になっている。
U2相巻線32Uは、巻線図的にU21+〜U25+の巻線が電気的に直列に接続されて構成されている。U21+の巻線を基準とすると、U22+の巻線はU21+の巻線に対して電気的に同相(電気的なずれ(位相)が0)である。U23+,U24+の巻線はU21+の巻線に対して電気角で24°ずれている。U25+の巻線はU21+の巻線に対して電気角で48°ずれている。このようは接続関係は、V2相巻線32V,W2相巻線32Wにおいても同様になっている。
U1相巻線31UとU2相巻線32Uは電気的に位相がずれている。従って、U11+の巻線を基準とすると、U21+の巻線はU11+の巻線に対して電気角で24°ずれている。U1相巻線31Uの位相中心とU2相巻線32Uの位相中心との電気的な位相差は28.8°であり、V1相巻線31VとV2相巻線32Vとの間、W1相巻線31Wと
W2相巻線32Wとの間でも同様になっている。
次に、U1相巻線31U,U2相巻線32Uを例に挙げ、固定子巻線3のスロット2cへの組み込み方について説明する。
U1相巻線31Uの組み込み順序は次の通りである。巻始めから始まり、
第1スロットの4段目(U12+)→第8スロットの3段目(U12−)→…
→第2スロットの2段目(U14+)→第9スロットの1段目(U14−)→…
→第3スロットの2段目(U15+)→第10スロットの1段目(U15−)→…
というように順次に組み込まれる。そして、接続線を介して組み込み方向が反転され、
第9スロットの4段目(U11−)→第1スロットの3段目(U11+)→…
→第10スロットの2段目(U13−)→第2スロットの1段目(U13+)
というように順次に組み込まれ、巻終わり(中性点)で終了する。V1相巻線31V及びW1相巻線31Wにおいても、スロット2cの位置は異なるものの、組み込み順序はU1相巻線31Uと同様になっている。
U2相巻線32Uの組み込み順序は次の通りである。巻始めから始まり、
第3スロットの4段目(U24+)→第10スロットの3段目(U24−)→…
→第4スロットの2段目(U25+)→第11スロットの1段目(U25−)→…
→第2スロットの4段目(U22+)→第9スロットの3段目(U22−)→…
というように順次に組み込まれる。そして、接続線を介して組み込み方向が反転され、
第11スロットの2段目(U23−)→第3スロットの1段目(U23+)→…
→第10スロットの4段目(U21−)→第2スロットの3段目(U21+)
というように順次に組み込まれ、巻終わり(中性点)で終了する。V2相巻線32V及びW2相巻線32Wにおいても、スロット2cの位置は異なるものの、組み込み順序はU2相巻線32Uと同様になっている。
第1の3相巻線31の出力は整流器19の3相ブリッジ回路の一方で、第2の3相巻線32の出力は整流器19の3相ブリッジ回路の他方でそれぞれ整流され、バッテリ40や電気負荷50に共に供給される。
尚、本実施例では、第1スロットから第15スロットの巻線導体34の配置構成が6回繰り返されることにより固定子巻線3が構成される場合について説明した。しかし、第2実施例で説明したように、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32との同相の相巻線同士間において巻線導体34の配置に偏りが生じる。このため、本実施例の構成においても第2実施例の構成と同様に、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32との同相の相巻線同士間における巻線導体34の配置構成の偏りを、回転子4の磁極に対応する初めのスロット群に対して、回転子4の磁極に対応する次のスロット群では逆転させ、これらの配置構成を回転子4の磁極に対応して交互に繰り返すようにし、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32との同相の相巻線同士間における巻線導体34の配置構成の偏りを相互に相殺してもよい。
この場合、第16スロットから第30スロットまでの巻線導体34の配置構成は、第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成と比較すると、次の通りになる。すなわち第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成では第3スロットの2段目にあったU15+の巻線導体34が、第16スロットから第30スロットまでの巻線導体34の配置構成では第17スロットの4段目になり、第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成では第2スロットの4段目にあったU22+の巻線導体34が、第16スロットから第30スロットまでの巻線導体34の配置構成では第18スロットの2段目になる。つまり、U15+の巻線導体34とU22+の巻線導体34が入れ替わる。これに伴い、第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成では第10スロットの1段目にあったU15−の巻線導体34が、第16スロットから第30スロットまでの巻線導体34の配置構成では第24スロットの3段目になり、第1スロットから第15スロットまでの巻線導体34の配置構成では第9スロットの3段目にあったU22−の巻線導体34が、第16スロットから第30スロットまでの巻線導体34の配置構成では第25スロットの1段目になる。これにより、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32との同相の相巻線同士間における巻線導体34の配置構成の偏りを相互に相殺でき、インダクタンスの偏りに起因する出力電流の偏りをさらに小さくできる。
尚、V相及びW相においても、スロット2cの位置は異なるものの、U相と同様に巻線導体34を入れ替える構成になっている。また、巻線導体34の組み込み順序はスロット2cの配置位置が異なっても変わることはない。
以上説明した本実施例では、前述したように、固定子巻線3の起磁力分布がより小刻みなものになり、起磁力分布に含まれる高調波成分をさらに低減できる。従って、本実施例では、第1実施例よりもさらに磁気騒音を低減できる。
この他の構成については第1実施例の構成と同様である。従って、前述した第1実施例と同様の効果も達成できる。
本発明の第4実施例を図7,図8に基づいて説明する。本実施例は第3実施例の改良例である。本実施例では、第1の3相巻線31を第3実施例と同様にU1相巻線U1,V1相巻線V1及びW1相巻線W1をY結線で電気的に接続しているが、第2の3相巻線32をU2相巻線U2,V2相巻線V2及びW2相巻線をΔ(デルタ)結線で電気的に接続している。
図7に示すように、第1の3相巻線31と第2の3相巻線32は共に各相巻線の巻数が同じである。ここで、△結線である第2の3相巻線32の各相巻線の巻数をY結線の巻数に換算すると1/√3になる。従って、Y結線である第1の3相巻線31の各相巻線の巻数が5ターンであるのに対して、△結線である第1の3相巻線31の各相巻線のY結線換算巻数は2.89ターンになる。
車両用交流発電機の発電特性は固定子巻線の巻数で大幅に変化する。すなわち14v系の電源に用いられる車両用交流発電機の固定子巻線の巻数は、体格にもよって多少変動するが、通常4〜8ターン程度である。ここで、固定子巻線の巻数が例えば5ターンの場合において、内燃機関のアイドル相当回転数における発電電流が90A、内燃機関の通常走行時相当回転数における発電電流が130Aの特性であった時、同体格の車両用交流発電機で内燃機関の通常走行時相当回転数における発電電流を160Aにするためには、磁気回路の見直しだけでは実現できない。このような場合、通常は車両用交流発電機の体格を大きくするか、固定子巻線の巻数を減らすかのどちらかで対応する。しかし、同体格の車両用交流発電機で巻数を減らした場合、高速(高回転数)側では、巻数の減少によるインダクタンスの減少により発電電流が増加するが、低速(低回転数)側では発電電流が大幅に減少する。
車両用交流発電機の発電特性の一例を図8に示す。図8に示す特性は、電気的に独立した2つの3相巻線の各相巻線の巻数を同じとした場合であって、それぞれの結線方式を変えた場合における発電特性を現したものである。ここで、横軸は車両用交流発電機の回転数、縦軸は車両用交流発電機の発電電流、N1は内燃機関のアイドル相当回転数、N2は内燃機関の通常走行時相当回転数、I1は内燃機関のアイドル相当回転数における車両用交流発電機の発電電流、I2は内燃機関の通常走行時相当回転数における車両用交流発電機の発電電流をそれぞれ示す。
2つの3相巻線をY−Y結線とし、2つの3相巻線の出力をそれぞれ整流した後に合成して出力することにより、N1−I1,N2−I2のポイントを満足している場合において、高速(高回転数)側を同体格の車両用交流発電機で増加させる場合、図8の特性から明らかなように、2つの3相巻線を△−△結線では、N2における発電電流は増加するものの、N1における発電電流は0(ゼロ)になり、低速(低回転数)側で仕様を満足できなくなる。
一方、本実施例のように、2つの3相巻線をY−△結線の複合結線にした場合は、N1における発電電流が若干低下するが、車両用交流発電機としての発電可能回転数(カットイン回転数とも呼ぶ)がY−Y結線の場合と変わることがなく、N2における発電電流を増加できる。
以上説明したように本実施例によれば、2つの3相巻線の各相巻線の巻数を変えることなく、高速(高回転数)側の発電電流を増加できる。
尚、本実施例の上記構成は、2つの3相巻線の各相巻線を構成する巻線導体のスロット内における配置構成を変えることなく、各相巻線間の接続を変更することで対応可能である。従って、上記構成以外の構成は第3実施例と同様である。また、2つの3相巻線の各相巻線を構成する巻線導体のスロット内における配置構成は第1或いは第2実施例のものと同様でもよい。
また、本実施例では、自動車用の電源システムに適用される車両用交流発電機に上記構成を適用する場合について説明したが、電動機として動作可能な車両用交流発電機に上記構成を適用してもよい。この場合、整流器は、ダイオードによって構成された3相ブリッジ回路から、MOSFET(電界効果トランジスタ)によって構成された3相ブリッジ回路(インバータ回路)に変わり、車両用交流発電機に内蔵或いは別体になる。この他の構成は、前述した車両用交流発電機と同様になる。
また、電動機として動作可能な車両用交流発電機が適用される自動車用システムとしては、アイドルストップシステム車用の電機システムがある。この場合、電動機として動作可能な車両用交流発電機は、内燃機関のアイドルストップの後、バッテリからインバータを介して電力の供給を受けて電動機として動作し、これによって、内燃機関を駆動して内燃機関を再始動し、その後、内燃機関から駆動されて発電機として動作し、発電によって得られた電力をインバータを介してバッテリや車載負荷に電力を供給する。電動機としての動作モードとしては、内燃機関の再始動のみならず、車両の加速運転時、内燃機関の駆動をアシストするモードもあってよい。また、発電機としての動作モードとしては、内燃機関の駆動力を受けて行う発電モードのみならず、車両の減速或いは制動時、車両の運動エネルギーを受けて行う発電モードもあってもよい。
また、自動車用システムとしては、前後輪の一方を内燃機関によって駆動し、前後輪の他方を電動力によって駆動する電動式四輪駆動車用の電機システムがある。このシステムでは、電動機として動作可能な車両用交流発電機を前後輪の他方の駆動源とする。この場合、電動機として動作可能な車両用交流発電機は、車両の発進時や加速時などの高負荷走行時、さらには車両のスリップ時(前輪と後輪に速度さが生じた時)には、内燃機関によって駆動される発電機から供給された電力をインバータを介して受けて電動機として動作し、これによって、内燃機関の駆動をアシストし、車両の減速或いは制動時には、車両の運動エネルギーを受けて発電機として動作し、発電によって得られた電力をインバータを介してバッテリに供給する。また、車両の低負荷走行時には、電動機として動作可能な車両用交流発電機をクラッチによって前後輪の他方の駆動系から切り離してもよい。すなわち部分的なアシストであってよい。
本発明の第5実施例を図9に基づいて説明する。本実施例は第4実施例と同様に、電気的に独立した2つの3相巻線のうち、第1の3相巻線31をY結線で構成し、第2の3相巻線32をΔ結線で構成している。また、電気的に独立した2つの3相巻線の出力をそれぞれ整流した後に合成していた第4実施例に対して本実施例では、電気的に独立した2つの3相巻線の出力をそれぞれ整流した後、それぞれ異なる電源系に出力するようにしている。
第1の3相巻線31の出力は整流器19aのブリッジ回路で整流された後、42V系電源のバッテリ40b(バッテリ電圧36v)及びそれ用の電気負荷50bに供給されている。
一方、第2の3相巻線32の出力は整流器19bのブリッジ回路で整流されている。ここで、第2の3相巻線32の各相巻線の巻数は第1の3相巻線31の各相巻線の巻数と同数である。また、界磁巻線に供給される界磁電流は、第1の3相巻線31の整流後の出力がバッテリ40b(バッテリ電圧36v)の充電電圧(42vの一定電圧)となるように制御されている。従って、第2の3相巻線32の整流後の出力は24v程度(≒42v/√3)となる。このため、本実施例では、第2の3相巻線32の出力を整流器19bのブリッジ回路で整流した後、24v系電源の電気負荷50cに供給している。また、本実施例では、第2の3相巻線32の出力を整流器19bのブリッジ回路で整流した後、DC/DCコンバータ60に供給している。DC/DCコンバータ60は24vの出力を14vの出力に降圧し、14v系電源のバッテリ40a(バッテリ電圧12v)や電気負荷50aに供給している。
尚、本実施例では、42v系電源,24v系電源,12v系電源のグランド電位を同じにした場合について説明したが、片側のグランドを浮かすこともできる。また、42v系電源からDC/DCコンバータを用いて12v系電源のバッテリ50aを充電するようにしてもよい。この他の構成は第4実施例と同様である。
以上説明した本実施例によれば、第1の3相巻線31をY結線で構成し、第2の3相巻線32をΔ結線で構成したので、1台の車両用交流発電機で、電圧の異なる少なくとも2種の電源系に対応できる。
また、本実施例によれば、電圧によって電源系を分けることができるので、電源電圧の変動による影響などを相互に受け難くできる。
また、本実施例の車両用交流発電機は、前例と同様に、前述した自動車用システムに適用してもよい。
本発明の第6実施例を図10乃至図16に基づいて説明する。本実施例は、第1乃至第5実施例における車両用交流発電機の磁気騒音の低減効果が、第1乃至第5実施例以外の仕様でも達成できることを検討した結果である。
車両用交流発電機の騒音特性を図10に示す。横軸は車両用交流発電機の回転数、縦軸は騒音レベル、太線は騒音のオーバーオール値、細線はオーバーオール値を持ち上げている次数をそれぞれ示す。図10に示す特性から明らかなように、車両交流発電機の回転数が4,000r/min以下の低速(低回転数)の場合、スロット数に起因する磁気音の騒音次数が、騒音のオーバーオール値に近づく。また、一般に車両用交流発電機の全波整流の電流リプル(整流器の全波整流動作によって得られた出力に含まれる整流リプル)の次数は3相2極で6個の脈動となるので、固定子巻線の相数が3、回転子の磁極数が12、固定子鉄心のスロット数が36、毎極毎相スロット数が1従来の車両用交流発電機では全波整流の電流リプルの次数が36次成分となり、スロット数及び回転子の磁極数とスロット数との最小公倍数である36と揃う。このため、従来の車両用交流発電機では、36次成分の磁気音が顕著になる。
磁気騒音を低減するためには、前述した実施例のように、電気的に独立した2つの3相巻線で固定子巻線を構成し、整流時の電流リプルの位相を電気角で180度ずらして2倍の周波数にし、36次の電流リップルを低減することが考えられる。また、固定子巻線の相数を増加して36次の電流リプルを低減することが考えられる。図11には、固定子巻線3を7相の相巻線から構成した例を示している。この場合、各相における電気的な位相は51.4 度となり、1回転で42次の電流リプルとなる。さらに、スロット数と同じ次数を低減するために、回転子の磁極数とスロット数の最小公倍数で決定されるトルクリプルの次数をスロット数とずらすことも考えられる。前述した実施例では、第1及び第3の手段を採用し磁気騒音を低減している。
図12は、前述した第3の手段の関係を車両用交流発電機の各種仕様毎に纏めたものである。ここで、(a)は磁極数が12の回転子、1組のY結線の3相巻線から構成された固定子巻線がスロット数36の固定子鉄心に組み込まれた固定子を有する車両用交流発電機の関係を示す。(b)は磁極数が12の回転子、2組のY結線の3相巻線から構成された固定子巻線がスロット数72の固定子鉄心に組み込まれた固定子を有する車両用交流発電機の関係を示す。(c)は磁極数が16の回転子、2組のY結線の3相巻線から構成された固定子巻線がスロット数96の固定子鉄心に組み込まれた固定子を有する車両用交流発電機の関係を示す。(d)は磁極数が12の回転子、2組のY結線の3相巻線から構成された固定子巻線がスロット数90の固定子鉄心に組み込まれた固定子を有する車両用交流発電機の関係を示し、前述した実施例に相当する。
(a)の仕様の車両用交流発電機では、前述したように、電流リプル次数,スロット数及びトルクリップル次数が36次である。これに対して、(b)の仕様の車両用交流発電機では、各次数が36次から72次に高次化されているので、磁気騒音は(a)の仕様の車両用交流発電機よりも改善される。しかし、(b)の仕様の車両用交流発電機では、各次数が揃っている。(c)の仕様の車両用交流発電機では、各次数が96次とさらに高次化されているので、磁気騒音は(b)の仕様の車両用交流発電機よりも改善される。しかし、(c)の仕様の車両用交流発電機では、各次数が揃っている。(d)の仕様の車両用交流発電機では、各次数が高次化され、かつ電流リプル次数が72次,スロット数が90及びトルクリプル次数が180というように、各次数が分散されているので、磁気騒音は最も改善される。
このため、前述した実施例では、(d)の仕様に基づいて車両用交流発電機を構成している。
そこで、本発明者らは、(d)の仕様と同様の効果をもたらす他の仕様についても検討を行った。その結果、図13に示す表の結果が得られた。
図13に示す表は、回転子の磁極数,回転子の磁極1極当たりの固定子巻線の各相巻線の巻数,固定子鉄心のスロット数,回転子の磁極数とスロット数の最小公倍数で決定されるトルクリプルの次数との関係をまとめたものである。
尚、本検討結果では、固定子巻線の相数が3、並列回路数(電気的に独立した3相巻線の数)が2、1つのスロット内に配置される巻線導体の数が4である。また、電流リプル次数は72である。また、スロット数Tは、固定子巻線の相数をA、並列回路数(3相巻線の数)をB、相巻線の巻数をC、回転子の磁極数をD、1スロットに配置される巻線導体の数をEとしたとき、以下の数式から算出できる。
T=A×B×C×D/E
また、表の右端の枠外の○×は、得られた検討結果に対する評価である。電流リプル次数の72次を避け、スロット数とトルクリプル次数が異なるもので、前述した(d)の仕様と同様の効果をもたらす仕様のものを示す。×は、○の評価の条件を満足するが、スロット数が小数になり、車両交流発電機の製作上、困難なものを示す。また、空欄になっているものは、スロット数とトルクリプルの次数が一致するものを示す。従って、○が付された仕様を採用することにより、車両用交流発電機の磁気騒音を、前述した(d)の仕様と同等に低減できる。
また、1つのスロット内に配置される巻線導体の数を変えて検討したものを図14乃至図16に示す。図14は、1つのスロット内に配置される巻線導体の数が2の場合、図
15は、1つのスロット内に配置される巻線導体の数が6の場合、図16は、1つのスロット内に配置される巻線導体の数が8の場合をそれぞれ示す。尚、その他の条件及び評価は図13に示す検討結果と同様である。
巻線導体としては、平角線及び丸線のどちらを採用してもよいが、車両用交流発電機の性能を向上させるためには平角線を用いることが好ましい。尚、○が付された仕様の中には、平角線では固定子巻線の組み込みが困難なものものある。このような場合は丸線を用いればよい。
以上説明したように、本実施例では、回転子の磁極数とスロット数の最小公倍数で決定されるトルクリプルの次数がスロット数よりも大きくなるように、回転子の磁極数とスロット数とを設定し、車両用交流発電機の磁気騒音を低減している。尚、スロット数は、前述した数式で決定されるので、スロット数を設定するということは、回転子の磁極数の他に、固定子巻線の相数,並列回路数(3相巻線の数),相巻線の巻数と、1スロットに配置される巻線導体の数を設定するということになる。
本発明の第1実施例である車両用交流発電機の構成を示す図面であって、固定子巻線を構成する巻線導体の第1スロットから第15スロットまでの配置構成を示す平面図である。 本発明の第1実施例である車両用交流発電機の構成を示す図面であって、固定子巻線を構成する各相巻線の電気的な位相関係,結線方式,整流器との接続関係及び車両電源系統との接続関係の構成を示す回路図である。 本発明の第1実施例である車両用交流発電機の構成を示す図面であって、車両用交流発電機の全体構成を示す断面図である。 本発明の第2実施例である車両用交流発電機の構成を示す図面であって、固定子巻線を構成する巻線導体の第1スロットから第30スロットまでの配置構成を示す平面図である。 本発明の第3実施例である車両用交流発電機の構成を示す図面であって、固定子巻線を構成する巻線導体の第1スロットから第15スロットまでの配置構成を示す平面図である。 本発明の第3実施例である車両用交流発電機の構成を示す図面であって、固定子巻線を構成する各相巻線の電気的な位相関係,結線方式,整流器との接続関係及び車両電源系統との接続関係の構成を示す回路図である。 本発明の第4実施例である車両用交流発電機の構成を示す図面であって、固定子巻線を構成する各相巻線の結線方式,整流器との接続関係及び車両電源系統との接続関係の構成を示す回路図である。 車両用交流発電機の特性を示す図面であって、車両用交流発電機の回転数に対する車両用交流発電機の発電電流の関係を示す発電特性図である。 本発明の第5実施例である車両用交流発電機の構成を示す図面であって、固定子巻線を構成する各相巻線の結線方式,整流器との接続関係及び車両電源系統との接続関係の構成を示す回路図である。 車両用交流発電機の特性を示す図面であって、車両用交流発電機の回転数に対する車両用交流発電機の騒音レベルの関係を示す騒音特性図である。 磁気騒音を低減する手法の一つを説明するための図面であって、固定子巻線を構成する各相巻線の結線方式,整流器との接続関係及び車両電源系統との接続関係の構成を示す回路図である。 車両用交流発電機の各種仕様における電流リプル次数,スロット数,トルクリプル次数の関係を示す図面であって、(a)〜(d)の仕様を比較するための比較図である。 車両用交流発電機の磁気騒音を低減するために行った検討結果を示す表であって、1つのスロットに配置される巻線導体の数が4の場合における回転子の磁極数,回転子の磁極1極あたりの相巻線の巻数,スロット数,トルクリプルの次数との関係をまとめた一覧表である。 車両用交流発電機の磁気騒音を低減するために行った検討結果を示す表であって、1つのスロットに配置される巻線導体の数が2の場合における回転子の磁極数,回転子の磁極1極あたりの相巻線の巻数,スロット数,トルクリプルの次数との関係をまとめた一覧表である。 車両用交流発電機の磁気騒音を低減するために行った検討結果を示す表であって、1つのスロットに配置される巻線導体の数が6の場合における回転子の磁極数,回転子の磁極1極あたりの相巻線の巻数,スロット数,トルクリプルの次数との関係をまとめた一覧表である。 車両用交流発電機の磁気騒音を低減するために行った検討結果を示す表であって、1つのスロットに配置される巻線導体の数が8の場合における回転子の磁極数,回転子の磁極1極あたりの相巻線の巻数,スロット数,トルクリプルの次数との関係をまとめた一覧表である。
符号の説明
1…固定子、2…固定子鉄心、2c…スロット、3…固定子巻線、4…回転子、31…第1の3相巻線、32…第2の3相巻線、33…第3の3相巻線、34…巻線導体、31U…U1相巻線、31V…V1相巻線、31W…W1相巻線、32U…U2相巻線、32V…V2相巻線、32W…W2相巻線、33U…U3相巻線、33V…V3相巻線、33W…W3相巻線、100…車両用交流発電機。

Claims (11)

  1. 固定子と、
    該固定子に空隙を介して対向配置された回転子と
    を有し、
    前記固定子は、
    複数のスロットが形成された固定子鉄心と、
    該固定子鉄心に組み込まれた固定子巻線と
    を備えており、
    前記複数のスロットのそれぞれには複数の導体が収納されており、
    前記固定子巻線は、電気的に独立した複数の多相巻線から構成されており、
    前記複数の多相巻線のそれぞれは、対応する複数の相巻線が電気的に接続されることによって構成されており、
    前記複数の相巻線は、対応する複数の前記導体が電気的に接続されることによって構成されており、
    前記回転子は複数の磁極を備えており、
    前記複数の磁極は回転方向に極性が交互に異なるように配置されており、
    前記磁極の数(正の整数)と前記スロットの数(正の整数)との最小公倍数で決定されるトルクリプルの次数は前記スロットの数よりも大きい
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 固定子と、
    該固定子に空隙を介して対向配置された回転子と、
    整流器と
    を有し、
    前記固定子は、
    複数のスロットが形成された固定子鉄心と、
    該固定子鉄心に組み込まれた固定子巻線と
    を備えており、
    前記複数のスロットのそれぞれには複数の導体が収納されており、
    前記固定子巻線は、電気的に独立した複数の多相巻線から構成されており、
    前記複数の多相巻線のそれぞれは、対応する複数の相巻線が電気的に接続されることによって構成されており、
    前記複数の相巻線は、対応する複数の前記導体が電気的に接続されることによって構成されており、
    前記回転子は複数の磁極を備えており、
    前記複数の磁極は回転方向に極性が交互に異なるように配置されており、
    前記整流器は、前記固定子巻線から出力された発電電力を整流して、車載電源に供給しており、
    前記磁極の数(正の整数)と前記スロットの数(正の整数)の最小公倍数で決まるトルクリプルの次数と、前記整流器で前記固定子巻線の出力を整流したときの整流リプルの次数と、前記スロットの数はそれぞれ異なっており、
    前記整流リプルの次数,前記スロットの数,前記トルクリプルの次数の大きさは、前記整流リプルの次数,前記スロットの数,前記トルクリプルの次数の順番に大きくなっている
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
  3. 車両の駆動源である内燃機関の駆動力を受けて発電し、得られた電力を車載電源に供給する車両用交流発電機において、
    外被と、
    該外被に固定された固定子と、
    該固定子に空隙を介して対向配置された回転子と
    を有し、
    前記固定子は、
    複数のスロットが形成された固定子鉄心と、
    該固定子鉄心に組み込まれた固定子巻線と
    を備えており、
    前記固定子鉄心は、外周表面が前記外被から外部に露出するように、前記外被に固定されており、
    前記複数のスロットのそれぞれには複数の導体が収納されており、
    前記固定子巻線は、電気的に独立した複数の多相巻線から構成されており、
    前記複数の多相巻線のそれぞれは、対応する複数の相巻線が電気的に接続されることによって構成されており、
    前記複数の相巻線は、対応する複数の前記導体が電気的に接続されることによって構成されており、
    前記回転子は複数の爪形磁極を備えており、
    前記複数の爪形磁極は回転方向に極性が交互に異なるように配置されており、
    前記磁極の数(正の整数)と前記スロットの数(正の整数)との最小公倍数で決まるトルクリプルの次数は前記スロットの数よりも大きい
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
  4. 車両の駆動源である内燃機関の駆動力を受けて発電し、得られた電力を車載電源に供給する車両用交流発電機において、
    外被と、
    該外被に固定された固定子と、
    該固定子に空隙を介して対向配置された回転子と、
    整流器と
    を有し、
    前記固定子は、
    複数のスロットが形成された固定子鉄心と、
    該固定子鉄心に組み込まれた固定子巻線と
    を備えており、
    前記固定子鉄心は、外周表面が前記外被から外部に露出するように、前記外被に固定されており、
    前記複数のスロットのそれぞれには複数の導体が収納されており、
    前記固定子巻線は、電気的に独立した複数の多相巻線から構成されており、
    前記複数の多相巻線のそれぞれは、対応する複数の相巻線が電気的に接続されることによって構成されており、
    前記複数の相巻線は、対応する複数の前記導体が電気的に接続されることによって構成されており、
    前記回転子は複数の爪形磁極を備えており、
    前記複数の爪形磁極は回転方向に極性が交互に異なるように配置されており、
    前記整流器は、前記固定子巻線から出力された発電電力を整流して、車載電源に供給しており、
    前記磁極の数(正の整数)と前記スロットの数(正の整数)の最小公倍数で決まるトルクリプルの次数と、前記整流器で前記固定子巻線の出力を整流したときの整流リプルの次数と、前記スロットの数はそれぞれ異なっており、
    前記整流リプルの次数,前記スロットの数,前記トルクリプルの次数の大きさは、前記整流リプルの次数,前記スロットの数,前記トルクリプルの次数の順番に大きくなっている
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の相巻線のそれぞれに対応する複数の導体は、
    前記複数の磁極に対応して複数の前記スロットを跨いで配置されており、
    かつ隣接する複数の前記スロットに渡って配置されている
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用交流発電機において、
    前記固定子巻線の相数,前記スロットの個数及び前記磁極の極数から決定される毎極毎相スロット数が2.5 である
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用交流発電機において、
    前記磁極の極数が12、前記スロットの個数が90、前記固定子巻線の相数が3であることを特徴とする車両用交流発電機。
  8. 請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線における同相の前記相巻線同士は電気的な位相がずれている
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
  9. 請求項8に記載の車両用交流発電機において、
    前記電気的な位相のずれは電気角で28.8° である
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
  10. 請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用交流発電機において、
    前記複数のスロットは、前記磁極に対応して複数のスロット群を構成しており、
    前記スロット群のいくつかにおける前記複数の導体の配置構成は、前記スロット群の残りにおける前記複数の導体の配置構成に対して部分的に変更されており、
    前記部分的な変更は、前記多相巻線の1つと前記多相巻線の他の1つの同相の前記相巻線間で、同相の前記相巻線のそれぞれを構成する複数の前記導体の少なくとも1つの配置位置を入れ替えることにより行われている
    ことを特徴とする車両用交流発電機。
  11. 請求項1乃至5のいずれかに記載の車両用交流発電機において、
    前記複数の多相巻線は2つの前記多相巻線で構成されており、
    前記2つの多相巻線の1つはスター結線で、前記2つの多相巻線の他の1つはデルタ結線でそれぞれ構成されている
    ことを特徴とする車両用交流発電機。

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