JP2005341714A - モータの起動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの起動装置に関し、エネルギー効率を高める。
【解決の手段】主巻線および補助巻線を有するモータの起動装置で、補助巻線に直列に接続された正特性サーミスタと、正特性サーミスタと直列に接続され熱影響により開閉するサーモスタット5と、正特性サーミスタおよびサーモスタット5と並列に接続されサーモスタット5に熱影響を与える発熱体6と、発熱体とスイッチを内包するケース21とを備え、スイッチは発熱体とケースに挟持されるとともに、サーモスタット5とケース21の接触部の少なくとも一部に断熱層を設けることで、発熱体6のサーモスタット5以外への熱損失を低減し、起動装置の消費電力を低減できる。
【選択図】図3
【解決の手段】主巻線および補助巻線を有するモータの起動装置で、補助巻線に直列に接続された正特性サーミスタと、正特性サーミスタと直列に接続され熱影響により開閉するサーモスタット5と、正特性サーミスタおよびサーモスタット5と並列に接続されサーモスタット5に熱影響を与える発熱体6と、発熱体とスイッチを内包するケース21とを備え、スイッチは発熱体とケースに挟持されるとともに、サーモスタット5とケース21の接触部の少なくとも一部に断熱層を設けることで、発熱体6のサーモスタット5以外への熱損失を低減し、起動装置の消費電力を低減できる。
【選択図】図3
Description
本発明は、正特性サーミスタを備えた単相誘導電動機からなるモータの起動装置に関するものである。
従来、モータの起動装置として、正特性サーミスタを用いたものが広く用いられている。しかしながら、近年地球環境を考慮してエネルギー効率が高いことが望まれているなかで、モータが起動した後も正特性サーミスタに電源電圧が印加され続け電力を消費することに注目して、モータが起動した後に、正特性サーミスタに印加される電源電圧を遮断するものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来のモータの起動装置を説明する。
図14は特許文献1に記載された従来のモータ起動装置を用いた回路図、図15は従来のモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図16は図15の内部構造の断面を示すA部拡大図である。
図14において、単相誘導電動機を構成するモータ2は主巻線10および補助巻線3を備え、交流電源7に接続されている。起動装置1はモータ2の補助巻線3に直列に接続された正特性サーミスタ4と、正特性サーミスタ4と直列に接続され、熱影響により開閉するスイッチであるサーモスタット5と、正特性サーミスタ4およびサーモスタット5と並列に接続され、サーモスタット5に熱影響を与える抵抗器6で構成されている。
正特性サーミスタ4は、例えば、チタン酸バリウムを主成分とした酸化物半導体セラミックで構成されていて、キュリー温度をもち、このキュリー温度を超えると電気抵抗値が急激に増大する特性を有する。
図16において、抵抗器6の相対向する電極面の一方の面6aは、ケース11に接触しているサーモスタット5に接続され、抵抗器6の電極面のもう一方の面6bは、電極板13を介して補助巻線3に接続されている。
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作を説明する。
交流電源7から電気が供給されると、主巻線10に起動電流が流れる。また補助巻線3には、サーモスタット5、正特性サーミスタ4が直列に接続されており、起動時にはサーモスタット5、正特性サーミスタ4ともに温度が低い。そのため、サーモスタット5はクローズしており、また正特性サーミスタ4も電気抵抗値が低い状態であるため、補助巻線3にも起動電流が流れることで、モータ2は運転を開始する。
この後、正特性サーミスタ4は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、モータ2が起動後、補助巻線3の電流が減少し、実質的に補助巻線3は切り離される。通常、正特性サーミスタ4は、高い電気抵抗値を維持するに必要な自己発熱を維持し続けるため、モータ2の運転中は数ワットの消費電力を消費し続けることになる。
しかしながら、正特性サーミスタ4と並列に接続された抵抗器6にも電源電圧が印加されるので、抵抗器6が自己発熱し、サーモスタット5がその抵抗器6の自己発熱を感知し設定温度になるとオフとなる。サーモスタット5がオフとなると、正特性サーミスタ4への電源電圧の印加が遮断されて、正特性サーミスタ4の電力消費が発生せず、節電が図れる。
特開平6−38467号公報
しかしながら、上記従来の構成では、抵抗器6の熱がサーモスタット5からケース11に伝達して放熱してしまい、サーモスタット5のオフを維持させるのに必要な、抵抗器6の自己発熱のための電力に加え、空間やケース11などに放熱された熱量に相当する発熱のための電力を余計に消費してしまうという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、エネルギー効率の高いモータの起動装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータの起動装置は、補助巻線に直列に接続された正特性サーミスタと、正特性サーミスタと直列に接続され熱影響により開閉するスイッチと、正特性サーミスタおよびスイッチと並列に接続されスイッチに熱影響を与える発熱体と、少なくとも発熱体とスイッチを内包するケースとを備え、スイッチとケースの接触部の一部に断熱層を設けたもので、断熱層の断熱効果により発熱体からスイッチへ伝達された熱が、スイッチ以外のケースへ伝達して放熱することを小さく抑えることができ、発熱体の消費電力を節約することができるという作用を有する。
本発明のモータの起動装置は、エネルギー効率の高いモータの起動装置を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、主巻線および補助巻線を有するモータの起動装置であって、主巻線および補助巻線を有するモータの起動装置であって、補助巻線に直列に接続された正特性サーミスタと、前記正特性サーミスタと直列に接続され熱影響により開閉するスイッチと、前記正特性サーミスタおよび前記スイッチと並列に接続され前記スイッチに熱影響を与える発熱体と、前記発熱体と前記スイッチを内包するケースとを備え、前記スイッチは前記発熱体と前記ケースに挟持されるとともに、前記スイッチと前記ケースの接触部の少なくとも一部に断熱層を設けたもので、発熱体からスイッチに伝達された熱がケースへ伝達して放熱することが少なくなり、発熱体の熱損失が低減されるため、発熱体の消費電力を低減でき、起動装置の消費電力が小さく消費電力エネルギー効率の高いモータの起動装置を提供することできる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、更に、断熱層は芯材と前記芯材を被う非通気性外被材からなる真空断熱材にて形成されたもので、真空断熱材の断熱効果によりスイッチ以外への発熱体の熱損失が低減されるので、発熱体の消費電力を小さくすることができ、起動装置の消費電力を低減することできる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、更に、断熱層はスイッチが接触するケースの表面に塗布された塗料型断熱材にて形成されたもので、ケースの表面に塗料型断熱材を塗布するだけの簡単な工程で断熱効果が得られ、発熱体の熱損失が低減されるため、発熱体の消費電力を低減でき、更に安価に起動装置の消費電力を低減することできる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、更に、断熱層は閉空間によって画定された空気の層にて形成されたもので、スイッチと接触するケースの面を閉空間の空気層が形成される形状にすることにより、空気層の断熱効果でスイッチ以外への発熱体の熱損失が低減されるので、特別な断熱材を必要とせず、組立も容易で安価に起動装置の消費電力を低減することできる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、更に、断熱層は発泡樹脂にて形成されたもので、発泡樹脂内に形成された気泡の断熱効果により、スイッチ以外への発熱体の熱損失が低減され、また樹脂成形品なので、加工、組立が容易であり、安価に製造が可能である。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、更に、断熱層はメタ系アラミド紙にて形成されたもので、メタ系アラミド紙の断熱効果によりスイッチ以外への発熱体の熱損失が低減されるので、発熱体の消費電力を小さくすることができ、起動装置の消費電力を低減することできる。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、更に、断熱層は熱伝導率0.7W/m・K以下の材料で形成されたもので、熱伝導率が小さいためにスイッチ以外への発熱体の熱損失が低減され、また樹脂成形品なので、加工、組立が容易であり、安価に製造が可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。また、従来と同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1ないし実施の形態6におけるモータ起動装置の回路図である。図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図3は、図2の内部構造の断面を示すB部拡大図である。
図1は、本発明の実施の形態1ないし実施の形態6におけるモータ起動装置の回路図である。図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図3は、図2の内部構造の断面を示すB部拡大図である。
以下、図1、図2、図3に基づいて本実施の形態について説明する。
図1において、起動装置101はモータ2の補助巻線3に直列に接続された正特性サーミスタ4と、正特性サーミスタ4と直列に接続されたスイッチであるサーモスタット5と、正特性サーミスタ4およびサーモスタット5と並列に接続され、サーモスタット5に熱影響を与える正特性サーミスタ4からなる発熱体6で回路構成されている。
そして、図3において、発熱体6の相対向する電極面の一方の面6aがサーモスタット5に接続され、電極面のもう一方の面6bは、電極板13を介して補助巻線3に接続されている。
また、図3に示すように、発熱体6とサーモスタット5はケース21に内包されており、サーモスタット5は、発熱体6とケース21に挟持されている。
更に、サーモスタット5とケース21間には、芯材と芯材を被う非通気性外被材からなる真空断熱材22にて形成された断熱層が組み込まれている。非通気性外被材は、プラスチックフィルムと金属箔のラミネートフィルムで構成されている。
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
交流電源7から電気が供給されると、主巻線10に起動電流が流れる。また補助巻線3には、サーモスタット5、正特性サーミスタ4が直列に接続されており、起動時にはサーモスタット5、正特性サーミスタ4ともに温度が低い。そのため、サーモスタット5はクローズしており、また正特性サーミスタ4も電気抵抗値が低い状態であるため、補助巻線3にも起動電流が流れることで、モータ2は運転を開始する。
この後、正特性サーミスタ4は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、モータ2が起動後、補助巻線3の電流が減少し、実質的に補助巻線3は切り離される。
更に、正特性サーミスタ4と並列に接続された発熱体6にも電源電圧が印加されるので発熱体6が自己発熱し、サーモスタット5が発熱体6の熱を受け加熱される。そしてサーモスタット5が設定温度に達すると反転してオフとなる。
サーモスタット5がオフとなると、正特性サーミスタ4への電源電圧の印加が遮断される。従って、正特性サーミスタ4がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に使う電力消費が発生せず、節電が図れる。
一方、サーモスタット5は正特性サーミスタからなる発熱体6がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱によってオフの状態を維持する。
この発熱体6の発熱に使う消費電力は正特性サーミスタ4よりはるかに少ないが、本実施の形態ではサーモスタット5とケース21間は、真空断熱材22で断熱されているため、発熱体6からサーモスタット5に伝達された熱は、ケース21にはほとんど伝わらない。
従って、発熱体6はサーモスタット5からケース21へ熱伝達して逃げる熱量分を余計に発熱する必要がなく、発熱体6の自己発熱は少なくなる。
すなわち発熱体6は、キュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に必要な電力以外の電力消費を低く抑えることができ、その結果、極めてエネルギー効率の高いモータの起動装置を得ることができるものである。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図5は、図4の内部構造の断面を示すC部拡大図である。
図4は、本発明の実施の形態2におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図5は、図4の内部構造の断面を示すC部拡大図である。
以下、図1、図4、図5に基づいて本実施の形態について説明する。なお、実施の形態1と同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
発熱体6の相対向する電極面は、一方の面6aがスイッチであるサーモスタット5に接続され、電極面のもう一方の面6bは、電極板13を介して補助巻線3に接続されている。そしてサーモスタット5と接触するケース25の表面には、塗料型断熱材26が塗布されている。
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
交流電源7から電気が供給されると、主巻線10に起動電流が流れる。また補助巻線3には、サーモスタット5、正特性サーミスタ4が直列に接続されており、起動時にはサーモスタット5、正特性サーミスタ4ともに温度が低い。そのため、サーモスタット5はクローズしており、また正特性サーミスタ4も電気抵抗値が低い状態であるため、補助巻線3にも起動電流が流れることで、モータ2は運転を開始する。
この後、正特性サーミスタ4は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、モータ2が起動後、補助巻線3の電流が減少し、実質的に補助巻線3は切り離される。
更に、正特性サーミスタ4と並列に接続された発熱体6にも電源電圧が印加されるので発熱体6が自己発熱し、サーモスタット5が発熱体6の熱を受け加熱される。そしてサーモスタット5が設定温度に達すると反転してオフとなる。
サーモスタット5がオフとなると、正特性サーミスタ4への電源電圧の印加が遮断される。従って、正特性サーミスタ4がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に使う電力消費が発生せず、節電が図れる。
一方、サーモスタット5は正特性サーミスタからなる発熱体6がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱によってオフの状態を維持する。
この発熱体6の発熱に使う消費電力は正特性サーミスタ4よりはるかに少ないが、本実施の形態ではサーモスタット5と接触するケース25面に塗料型断熱材26が塗布されているため、発熱体6からサーモスタット5に伝達された熱は、ケース25にはほとんど伝わらない。
従って、発熱体6はサーモスタット5からケース25へ熱伝達して逃げる熱量分を余計に発熱する必要がなく、発熱体6の自己発熱は少なくなる。
すなわち発熱体6は、キュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に必要な電力以外の電力消費を低く抑えることができ、その結果、極めてエネルギー効率の高いモータの起動装置を得ることができるものである。
更に、塗料型断熱材26は予めケース25のサーモスタット5と接触する面に塗布するといった簡単なものであり、新たな部品の追加も必要とせず、組立工数も増えないため、生産性が高く安価な起動装置を得ることができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図7は、図6の内部構造の断面を示すD部拡大図である。
図6は、本発明の実施の形態3におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図7は、図6の内部構造の断面を示すD部拡大図である。
以下、図1、図6、図7に基づいて本実施の形態について説明する。なお、実施の形態1と同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
発熱体6の相対向する電極面は、一方の面6aがスイッチであるサーモスタット5に接続され、電極面のもう一方の面6bは、電極板13を介して補助巻線3に接続されている。そしてサーモスタット5とケース30間には、サーモスタット5とケース30によって閉空間で画定された空気の層31が設けられている。
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
交流電源7から電気が供給されると、主巻線10に起動電流が流れる。また補助巻線3には、サーモスタット5、正特性サーミスタ4が直列に接続されており、起動時にはサーモスタット5、正特性サーミスタ4ともに温度が低い。そのため、サーモスタット5はクローズしており、また正特性サーミスタ4も電気抵抗値が低い状態であるため、補助巻線3にも起動電流が流れることで、モータ2は運転を開始する。
この後、正特性サーミスタ4は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、モータ2が起動後、補助巻線3の電流が減少し、実質的に補助巻線3は切り離される。
更に、正特性サーミスタ4と並列に接続された発熱体6にも電源電圧が印加されるので発熱体6が自己発熱し、サーモスタット5が発熱体6の熱を受け加熱される。そしてサーモスタット5が設定温度に達すると反転してオフとなる。
サーモスタット5がオフとなると、正特性サーミスタ4への電源電圧の印加が遮断される。従って、正特性サーミスタ4がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に使う電力消費が発生せず、節電が図れる。
一方、サーモスタット5は正特性サーミスタからなる発熱体6がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱によってオフの状態を維持する。
この発熱体6の発熱に使う消費電力は正特性サーミスタ4よりはるかに少ないが、本実施の形態ではサーモスタット5とケース30間は、閉空間の空気の層31が形成されているため、発熱体6からサーモスタット5に伝達された熱は、ケース30にはほとんど伝わらない。
従って、発熱体6はサーモスタット5からケース30へ熱伝達して逃げる熱量分を余計に発熱する必要がなく、発熱体6の自己発熱は少なくなる。
すなわち発熱体6は、キュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に必要な電力以外の電力消費を低く抑えることができ、その結果、極めてエネルギー効率の高いモータの起動装置を得ることができるものである。
更に、ケース30のサーモスタット5と接触する面を閉空間の空気の層31が形成される形状にするだけなので、新たな部品の追加も必要とせず、組立工数も増えないため、生産性が高く安価な起動装置を得ることができる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図9は、図8の内部構造の断面を示すE部拡大図である。
図8は、本発明の実施の形態4におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図9は、図8の内部構造の断面を示すE部拡大図である。
以下、図1、図8、図9に基づいて本実施の形態について説明する。なお、実施の形態1と同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
発熱体6の相対向する電極面は、一方の面6aがスイッチであるサーモスタット5に接続され、電極面のもう一方の面6bは、電極板13を介して補助巻線3に接続されている。そしてサーモスタット5と接触するケース35は発泡樹脂にて成形されている。
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
交流電源7から電気が供給されると、主巻線10に起動電流が流れる。また補助巻線3には、サーモスタット5、正特性サーミスタ4が直列に接続されており、起動時にはサーモスタット5、正特性サーミスタ4ともに温度が低い。そのため、サーモスタット5はクローズしており、また正特性サーミスタ4も電気抵抗値が低い状態であるため、補助巻線3にも起動電流が流れることで、モータ2は運転を開始する。
この後、正特性サーミスタ4は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、モータ2が起動後、補助巻線3の電流が減少し、実質的に補助巻線3は切り離される。
更に、正特性サーミスタ4と並列に接続された発熱体6にも電源電圧が印加されるので発熱体6が自己発熱し、サーモスタット5が発熱体6の熱を受け加熱される。そしてサーモスタット5が設定温度に達すると反転してオフとなる。
サーモスタット5がオフとなると、正特性サーミスタ4への電源電圧の印加が遮断される。従って、正特性サーミスタ4がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に使う電力消費が発生せず、節電が図れる。
一方、サーモスタット5は正特性サーミスタからなる発熱体6がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱によってオフの状態を維持する。
この発熱体6の発熱に使う消費電力は正特性サーミスタ4よりはるかに少ないが、本実施の形態ではサーモスタットと接触するケース35は、発泡樹脂にて成形されているため、発熱体6からサーモスタット5に伝達された熱は、ケース35にはほとんど伝わらない。
従って、発熱体6はサーモスタット5からケース35へ熱伝達して逃げる熱量分を余計に発熱する必要がなく、発熱体6の自己発熱は少なくなる。
すなわち発熱体6は、キュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に必要な電力以外の電力消費を低く抑えることができ、その結果、極めてエネルギー効率の高いモータの起動装置を得ることができるものである。
更に、ケース35の成形を発泡樹脂成形にするだけなので、新たな部品の追加も必要とせず、組立工数も増えないため、生産性が高く安価な起動装置を得ることができる。
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図11は、図10の内部構造の断面を示すF部拡大図である。
図10は、本発明の実施の形態5におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図11は、図10の内部構造の断面を示すF部拡大図である。
以下、図1、図10、図11に基づいて本実施の形態について説明する。なお、実施の形態1と同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
発熱体6の相対向する電極面は、一方の面6aがスイッチであるサーモスタット5に接続され、電極面のもう一方の面6bは、電極板13を介して補助巻線3に接続されている。そしてサーモスタット5とケース40間には、メタ系アラミド紙41が組み込まれている。
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
交流電源7から電気が供給されると、主巻線10に起動電流が流れる。また補助巻線3には、サーモスタット5、正特性サーミスタ4が直列に接続されており、起動時にはサーモスタット5、正特性サーミスタ4ともに温度が低い。そのため、サーモスタット5はクローズしており、また正特性サーミスタ4も電気抵抗値が低い状態であるため、補助巻線3にも起動電流が流れることで、モータ2は運転を開始する。
この後、正特性サーミスタ4は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、モータ2が起動後、補助巻線3の電流が減少し、実質的に補助巻線3は切り離される。
更に、正特性サーミスタ4と並列に接続された発熱体6にも電源電圧が印加されるので発熱体6が自己発熱し、サーモスタット5が発熱体6の熱を受け加熱される。そしてサーモスタット5が設定温度に達すると反転してオフとなる。
サーモスタット5がオフとなると、正特性サーミスタ4への電源電圧の印加が遮断される。従って、正特性サーミスタ4がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に使う電力消費が発生せず、節電が図れる。
一方、サーモスタット5は正特性サーミスタからなる発熱体6がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱によってオフの状態を維持する。
この発熱体6の発熱に使う消費電力は正特性サーミスタ4よりはるかに少ないが、本実施の形態ではサーモスタット5とケース40間は、メタ系アラミド紙41で断熱されているため、発熱体6からサーモスタット5に伝達された熱は、ケース40にはほとんど伝わらない。
従って、発熱体6はサーモスタット5からケース40へ熱伝達して逃げる熱量分を余計に発熱する必要がなく、発熱体6の自己発熱は少なくなる。
すなわち発熱体6は、キュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に必要な電力以外の電力消費を低く抑えることができ、その結果、極めてエネルギー効率の高いモータの起動装置を得ることができるものである。
(実施の形態6)
図12は、本発明の実施の形態6におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図13は、図12の内部構造の断面を示すG部拡大図である。
図12は、本発明の実施の形態6におけるモータ起動装置の要部組立図であり、部分的に内部構造を示している。図13は、図12の内部構造の断面を示すG部拡大図である。
以下、図1、図12、図13に基づいて本実施の形態について説明する。なお、実施の形態1と同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
発熱体6の相対向する電極面は、一方の面6aがスイッチであるサーモスタット5に接続され、電極面のもう一方の面6bは、電極板13を介して補助巻線3に接続されている。そしてサーモスタット5と接触するケース45は熱伝導率0.7W/m・K以下の材料で成形されている。
以上のように構成されたモータの起動装置について、以下その動作、作用を説明する。
交流電源7から電気が供給されると、主巻線10に起動電流が流れる。また補助巻線3には、サーモスタット5、正特性サーミスタ4が直列に接続されており、起動時にはサーモスタット5、正特性サーミスタ4ともに温度が低い。そのため、サーモスタット5はクローズしており、また正特性サーミスタ4も電気抵抗値が低い状態であるため、補助巻線3にも起動電流が流れることで、モータ2は運転を開始する。
この後、正特性サーミスタ4は数秒でキュリー温度以上に自己発熱するため電気抵抗値が急激に増加し、モータ2が起動後、補助巻線3の電流が減少し、実質的に補助巻線3は切り離される。
更に、正特性サーミスタ4と並列に接続された発熱体6にも電源電圧が印加されるので発熱体6が自己発熱し、サーモスタット5が発熱体6の熱を受け加熱される。そしてサーモスタット5が設定温度に達すると反転してオフとなる。
サーモスタット5がオフとなると、正特性サーミスタ4への電源電圧の印加が遮断される。従って、正特性サーミスタ4がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に使う電力消費が発生せず、節電が図れる。
一方、サーモスタット5は正特性サーミスタからなる発熱体6がキュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱によってオフの状態を維持する。
この発熱体6の発熱に使う消費電力は正特性サーミスタ4よりはるかに少ないが、本実施の形態ではサーモスタット5と接触するケース45は、熱伝導率0.7W/m・K以下の材料で成形されているため、発熱体6からサーモスタット5に伝達された熱は、ケース45にはほとんど伝わらない。
従って、発熱体6はサーモスタット5からケース45へ熱伝達して逃げる熱量分を余計に発熱する必要がなく、発熱体6の自己発熱は少なくなる。
すなわち発熱体6は、キュリー温度以上に自己温度を維持するための発熱に必要な電力以外の電力消費を低く抑えることができ、その結果、極めてエネルギー効率の高いモータの起動装置を得ることができるものである。
更に、ケース45の成形を熱伝導率0.7W/m・K以下の材料にするだけなので、新たな部品の追加も必要とせず、組立工数も増えないため、生産性が高く安価な起動装置を得ることができる。
以上のように、本発明にかかるモータの起動装置は、正特性サーミスタの消費電力を低減できるので、正特性サーミスタを備えた、冷蔵庫、空気調和機器等のモータ等の用途に利用できる。
3 補助巻線
4 正特性サーミスタ
5 サーモスタット
6 発熱体
10 主巻線
21,25,30,35,40 ケース
22 真空断熱材
26 塗料型断熱材
31 空気の層
35 発泡樹脂で形成されたケース
41 メタ系アラミド紙
45 熱伝導率0.7W/m・k以下の材料で形成されたケース
4 正特性サーミスタ
5 サーモスタット
6 発熱体
10 主巻線
21,25,30,35,40 ケース
22 真空断熱材
26 塗料型断熱材
31 空気の層
35 発泡樹脂で形成されたケース
41 メタ系アラミド紙
45 熱伝導率0.7W/m・k以下の材料で形成されたケース
Claims (7)
- 主巻線および補助巻線を有するモータの起動装置であって、補助巻線に直列に接続された正特性サーミスタと、前記正特性サーミスタと直列に接続され熱影響により開閉するスイッチと、前記正特性サーミスタおよび前記スイッチと並列に接続され前記スイッチに熱影響を与える発熱体と、前記発熱体と前記スイッチを内包するケースとを備え、前記スイッチは前記発熱体と前記ケースに挟持されるとともに、前記スイッチと前記ケースの接触部の少なくとも一部に断熱層を設けたモータの起動装置。
- 断熱層は芯材と前記芯材を被う非通気性外被材からなる真空断熱材にて形成された請求項1に記載のモータの起動装置。
- 断熱層はスイッチが接触するケースの表面に塗布された塗料型断熱材にて形成された請求項1に記載のモータの起動装置。
- 断熱層は閉空間によって画定された空気の層にて形成された請求項1に記載のモータの起動装置。
- 断熱層は発泡樹脂にて形成された請求項1に記載のモータの起動装置。
- 断熱層はメタ系アラミド紙によって形成された請求項1に記載のモータの起動装置。
- 断熱層は熱伝導率0.7W/m・k以下の材料で形成された請求項1に記載のモータの起動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004157324A JP2005341714A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | モータの起動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004157324A JP2005341714A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | モータの起動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005341714A true JP2005341714A (ja) | 2005-12-08 |
Family
ID=35494656
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004157324A Pending JP2005341714A (ja) | 2004-05-27 | 2004-05-27 | モータの起動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005341714A (ja) |
-
2004
- 2004-05-27 JP JP2004157324A patent/JP2005341714A/ja active Pending
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