JP2007171417A - 画像形成装置 - Google Patents

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卓人 磯部
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Abstract

【課題】 不要熱の吸収効率を高め、効率よく熱電変換素子の高温部へ熱を伝達し、熱電変換素子の発電効率を向上させることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 熱電変換素子1を定着ユニット4に取り付けた画像形成装置において、定着ユニット4と熱電変換素子1の間に吸熱部材8を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱定着ユニットを備えた画像形成装置に関し、特に熱エネルギーの有効利用技術に特徴のある画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置の多くは、トナーを転写用紙に定着させるために熱定着ユニットを備えている。熱定着ユニットから発生する熱は、当然トナーの定着に用いられるが、全てトナー定着のために消費されるのではなく、その一部は不要な熱となる。定着ユニットが発生する余分な熱は、機内にある熱に弱い部材やトナー等に悪影響を及ぼしてしまうため画像形成装置の多くはその不要な熱を、ファンモータ等を使用して機外に排出している。
ところで近年、機械の小型化が進んだため、各ユニット間の物理的なレイアウト位置は機内の各ユニット間で極めて近接することとなっている。定着ユニット(熱定着ユニット)においてもその周辺ユニットとの間隔は狭く、ファンモータ等を使用して不要な熱を機外に排出しているといえども定着ユニットから放出される不要熱の影響が問題となる。
そのため、不要な熱を、熱電変換素子を用いて電気エネルギーに変換することが提案され、さらに、この熱電変換素子を定着ユニットに装着することが提案されている(特許文献1参照)。
図13はゼーベック効果を利用した熱電変換素子の概念図である。熱電変換素子1は異なった2種類の金属(または半導体)の一端が接続された構成であり、両端に温度差を与えると、ゼーベック効果により、図のように電荷が移動し負荷抵抗の両端に起電力Vが発生し、図の矢印の方向に電流が流れる。すなわち、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することが可能となる。
尚、上記の2種類の異なった金属(または半導体)の材質としては、現在、多種多様な組み合わせが提案されている。また、上記の構成が1個だけでは起電力が小さいため、複数個を組み合わせて使用することも提案されている。
図14は熱電変換素子を定着ユニット近傍に設けた画像形成装置の概略図である。画像形成装置1には、画像形成を行う作像部3、転写紙に熱と圧力を加えて作像部3で作像された画像を転写紙に定着する定着ユニット(熱定着ユニット)4、これらを制御する制御部5、及び、定着ユニット4から発せられる余分な熱を機外に排出するための排気口6と排気口6への排気経路7が存在する。
熱電変換素子(ゼーベック素子)1を用いた画像形成装置は、この定着ユニット4から発生する熱を利用する。図のように、定着ユニット4から発生した熱で表面の温度が上がるように熱電変換素子1を設ける。定着ユニット4から発生する熱は、100℃を越えることもあるため、熱電変換素子1の高温側を定着ユニット4側、低温側を排気口6側とすれば、その温度差は大きくなり有効な起電力を発生させ、電力効率の良い省エネルギーの画像形成装置を提供することが可能となる。
特願2004−297528
上述したように、熱電変換素子を定着ユニットに装着する画像形成装置は既に提案されているが、さらに排熱を有効に利用し、電気エネルギーへの変換効率の向上を図ることが求められている。
本発明は、不要熱の吸収効率を高め、効率よく熱電変換素子の高温部へ熱を伝達し、熱電変換素子の発電効率を向上させることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、熱電変換素子を定着ユニットに取り付けた画像形成装置において、定着ユニットと熱電変換素子の間に吸熱部材を設けた画像形成装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、熱電変換素子を定着ユニットに取り付けた画像形成装置において、定着ローラを被覆する定着ユニットカバーを吸熱部材で構成し、吸熱定着カバーとした画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、熱電変換素子を挟んで吸熱部材または吸熱定着カバーと対向して放熱部材を設けた画像形成装置を主要な特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、熱電変換素子の外周面にあって、吸熱部材または吸熱定着カバーと放熱部材との対向空間に断熱部材を設けた画像形成装置を主要な特徴とする。
本発明は、熱電変換素子を定着ユニットに取り付けた画像形成装置において、定着ユニットと熱電変換素子の間に吸熱部材を設け、あるいは定着ローラを被覆する定着ユニットカバーを吸熱部材で構成し、吸熱定着カバーとし、また、熱電変換素子を挟んで吸熱部材または吸熱定着カバーと対向して放熱部材を設け、さらには、熱電変換素子の外周面にあって、吸熱部材または吸熱定着カバーと放熱部材との対向空間に断熱部材を設けたので、不要熱の吸収効率を高め、効率よく熱電変換素子の高温部へ熱を伝達し、熱電変換素子の発電効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。尚、従来例と同一個所には同一符号を付して重複する説明は省略する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概念図、図2はその定着ユニット部(定着ユニットと熱電変換素子)の詳細構成図である。図1に示すように、定着ユニット4のカバー上に定着ユニット4からの不要熱を吸収する吸熱部材8を配し、その上に熱電変換素子(ゼーベック素子)1を設ける。
図2に示すように、定着ユニット4は、定着ユニットカバー11内に、定着ヒータ12を内蔵する定着ローラ13と、加圧ヒータ14を内蔵する加圧ローラ15とを備えている。この定着ユニットカバー11上に熱吸着部材8を設け、その上に熱電変換素子1を搭載している。
熱電変換素子1は、前述したように高温部1−1と低温部1−2の温度差によって起電力を生じる。従って高温部1−1側に吸熱部材8が接するような構成になっている。
また、定着ユニットカバー11の上面全域から不要熱が放熱されるので、この不要熱を全域に渡って吸熱するために、吸熱部材8の幅Bを定着ユニットカバー11の幅と同じにする。すなわち定着ユニットカバー11の幅より狭い熱電変換素子1の幅Aに対して吸熱部材8の幅Bを大きくする。当然図の鉛直方向となる奥行きも熱電変換素子1に対して吸熱部材8を長くする。すなわち熱電変換素子1よりも面積の広い吸熱部材8を設ける。
このように、熱電変換素子1と定着ユニット4との間に吸熱部材8を介在させ、かつ吸熱部材8の面積を熱電変換素子1より広く設定したのでより大きな集熱効果と、それに伴う熱電変換効率の向上を図ることが可能となる。
図3は本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図である。第2の実施形態では、吸熱材料から成る吸熱ユニットカバー(定着ユニットカバー11を吸熱部材8で形成)16を設け、不要熱を最大限吸収する構成とした。
図4は本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図である。第3の実施形態では、熱電変換素子1の低温部1−2側に放熱部材17を設ける。かつ、その放熱部材17の幅Cが熱電変換素子1の幅Aよりも、大きくなるように構成する。図2で述べたように放熱部材17の面積を熱電変換素子1の面積より大きく設定する。前述したとおり、熱電変換素子1は、高温部1−1と低温部1−2の温度差が大きければ大きいほど熱電変換効率は向上する。
従って上記の構成とすることにより、熱電変換素子1の低温部1−2側の温度を効率良く低下させることができるため、熱電変換効率を向上させることが可能となる。
図5は本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図である。第4の実施形態では、熱電変換素子1の周囲を断熱部材18で覆う。すなわち、吸熱定着ユニットカバー(あるいは吸熱部材8)16と放熱部材17の間で、熱電変換素子1の無い部分に断熱部材18を挟み込む構成とする。
吸熱定着ユニットカバー16が高温になったとき、吸熱定着ユニットカバー16自身も放熱するため、その熱が熱電変換素子1の低温部1−2側を暖めてしまう可能性がある。このような状態になると、高温部1−1側と低温部1−2側の温度差がその分小さくなってしまうため、熱電変換効率が下がってしまう。
本実施形態は、吸熱定着ユニットカバー16と放熱部材17との間で、両者が対向する部分、すなわち、熱電変換素子1の無い部分に断熱部材18を挟み込むことにより、吸熱定着ユニットカバー16からの熱的影響を無くすことができ、高温部1−1側と低温部1−2側との温度差を大きくすることが可能となる。尚、断熱部材18は、吸熱定着ユニットカバー16と放熱部材17との間を断熱できればよく、その材質、形状等の限定はない。
図6は本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図である。第5の実施形態では、断熱部材18を吸熱定着ユニットカバー16の外方に突出させる。
定着ユニット4からの不要熱や、吸熱定着ユニットカバー16(あるいは吸熱部材8)からの熱は、必ずしも熱電変換素子1へ供給されるではなく、例えば、図のように定着ユニット4周囲から放熱してしまう場合がある。そのため、この定着ユニット4周囲からの熱が放熱部材17に影響してしまい、温度差を低下させてしまう可能性がある。
本実施形態では、断熱部材18を吸熱定着ユニットカバー16の外方に突出させることにより、図のように、定着ユニット周囲からの熱は、断熱部材18の外側に変化するため、放熱部材17に対する熱的影響を小さくすることが可能となる。
図7は本発明の第6の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図である。第6の実施形態では、断熱部材18の内側に放熱部材17を設ける。すなわち、熱電変換素子1を含む断熱部材18の面積より放熱部材17の面積を狭くする。
このように構成することにより、定着ユニット4周囲から放熱された熱は、放熱部材17に影響することなくそのまま上に抜けることになり、放熱部材17への熱的影響を小さくし、熱電変換素子1の高温部1−1側と低温部1−2側の温度差を大きくすることができ、熱電変換効率を向上させることが可能となる。
図8は本発明の第7の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図である。第7の実施形態では、熱電変換素子1を含む断熱部材18の面積を吸熱定着ユニッカバーの上面面積及び、放熱部材17の面積よりも広くする。定着ユニット4周囲から放熱された熱は断熱部材18に遮られ、更に、放熱部材17は断熱部材18の内側にあるため、放熱部材17への熱の影響を最小限に抑えることが可能となる。
図9は本発明の第8の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図である。第8の実施形態では、吸熱定着カバー16の上面のみならず上部外周部(側面)をも断熱部材18で覆う構成とする。
このような構成にすることにより、定着ユニット4周囲からの放熱自体を低減させることができ、多少の放熱があったとしても、図のように、放熱部材17の外側に熱が逃げるため、より放熱部材17への熱的影響を低減させることが可能となる。
更に、このような構成にすれば、吸熱定着カバー16の保温効果があるため、定着ユニット4内部の熱が下がりにくくなり、定着ローラ13、加圧ローラ15の温度も下がりにくくなる。従って、定着ローラ13、加圧ローラ15の温度を維持するためのヒータの点灯時間を少なくすることができ、この面からも低電力化が可能となる。
図10は本発明の第9の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図である。第9の実施形態では、放熱部材17の放熱面以外の部分を断熱部材18で覆う構成とする。
このようにすることにより、定着ユニット4周囲から放熱された熱は、直接放熱部材17に接することが無くなり、放熱部材17への熱的影響を無くすことが可能となる。
図11は本発明の第10の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図である。第10の実施形態では、断熱部材18で吸熱定着カバー16及び放熱部材17の両方を覆う構成とする。
定着ユニット4周囲から放熱された熱は断熱部材18によって遮られ、更に、放熱部材17の周囲も断熱されているため、放熱部材17への熱的影響をほぼ無くすことが可能となる。また、定着ユニット4内部の保温も可能となるため、より省エネルギーに寄与することも可能となる。
図12は本発明の第11の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図である。第11の実施形態では、放熱部材17の上面を櫛歯形状、その他の凹凸形状にする。こうすることにより、放熱部材17の放熱面積が大きくなるため、熱電変換素子1の低温部1−2側の温度を外気の温度と同等の十分低い温度にすることが可能となり、熱電変換効率の最大化を図ることが可能となる。
ここで、放熱部材17として、熱伝導率の良いアルミニウムや銅等を用いる構成とすることにより、熱電変換素子の低温部1−2側の温度を、外気の温度と同等の十分低い温度にすることが可能となり、熱電変換効率の最大化を図ることが可能となる。
また、吸熱部材8(吸熱定着ユニットカバー16)と熱電変換素子1との接触面、熱電変換素子1と放熱部材17との接触面を、シリコン材を使用した熱伝導性の高い接着剤を用いて接着させる。こうすることにより、隣り合った部材間は温度勾配を持たず、隣り合った部材を同温度にすることが可能となる。従って熱電変換効率の最大化を図ることが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概念図。 本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部(定着ユニットと熱電変換素子)の詳細構成図。 本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図。 本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図。 本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図。 本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図。 本発明の第6の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図。 本発明の第7の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図。 本発明の第8の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図。 本発明の第9の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図。 本発明の第10の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図。 本発明の第11の実施形態に係る画像形成装置の定着ユニット部の詳細構成図。 ゼーベック効果を利用した熱電変換素子の概念図。 熱電変換素子を定着ユニット近傍に設けた画像形成装置の概略図。
符号の説明
1 熱電変換素子、4 定着ユニット、8 吸熱部材、16 吸熱定着ユニットカバー、17 放熱部材、18 断熱部材

Claims (4)

  1. 熱電変換素子を定着ユニットに取り付けた画像形成装置において、前記定着ユニットと前記熱電変換素子との間に吸熱部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 熱電変換素子を定着ユニットに取り付けた画像形成装置において、定着ローラを被覆する定着ユニットカバーを吸熱部材で構成し、吸熱定着カバーとしたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2記載の画像形成装置において、前記熱電変換素子を挟んで吸熱部材または吸熱定着カバーと対向して放熱部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3記載の画像形成装置において、前記熱電変換素子の外周面にあって、前記吸熱部材または前記吸熱定着カバーと放熱部材との対向空間に断熱部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2015055787A (ja) * 2013-09-12 2015-03-23 コニカミノルタ株式会社 定着装置、画像形成装置および誘導加熱装置
JP2015072377A (ja) * 2013-10-03 2015-04-16 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP2020197654A (ja) * 2019-06-04 2020-12-10 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置

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