JP2005340244A - 照明装置、露光装置及びマイクロデバイスの製造方法 - Google Patents

照明装置、露光装置及びマイクロデバイスの製造方法 Download PDF

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JP2005340244A JP2004153026A JP2004153026A JP2005340244A JP 2005340244 A JP2005340244 A JP 2005340244A JP 2004153026 A JP2004153026 A JP 2004153026A JP 2004153026 A JP2004153026 A JP 2004153026A JP 2005340244 A JP2005340244 A JP 2005340244A
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Abstract

【課題】 プラズマ発生時に飛散する粒子に対する高い耐久性を有し、かつ照明光として用いない光を利用して分光光学系の光学性能を検出することができる照明装置を提供する。
【解決手段】 被照射面Mの照明に用いる基準波長である必要光を含む極端紫外光を供給する光源手段4と、前記光源手段4から供給された前記必要光を被照射面Mに導く照明光学系22,24,26,28と、前記光源手段4と前記照明光学系22,24,26,28との間に配置され、前記極端紫外光を前記必要光と前記被照射面Mの照明に用いない不要光とに分光する分光手段12と、前記分光手段12により分光された前記不要光を検出する検出手段32a,32bとを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィ工程で製造するための露光装置に用いられる照明装置、該照明装置を備えた露光装置、該照明装置を用いたマイクロデバイスの製造方法に関するものである。
マイクロデバイスの一つである液晶表示素子は、通常、ガラス基板(プレート)上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターニングして、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子及び電極配線を形成して製造される。このフォトリソグラフィの手法を用いた製造工程では、マスク上に形成された原画となるパターンを、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布された感光性基板上に投影露光する投影露光装置が用いられている。
近年、半導体集積回路の高集積化、高密度化を実現するために、回路の線幅を更に細く、又は、パターンを更に精細にする必要が生じており、そのため、投影露光装置において解像度の向上が要求されている。投影露光装置において解像度を上げるために、露光光源波長としては、これまでに水銀灯(365nm)、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)等が実用化されており、より解像度を上げるために更なる短波長化が進められている。
即ち、露光光として波長が50nmより短いEUV光(極端紫外光)を用いてマスクのパターン像を感光性基板上に投影露光する投影露光装置が提案されている。ここで、EUV光を供給する光源としては、レーザープラズマ光源と放電プラズマ光源が提案されている。レーザープラズマ光源は、プラズマ源が高照度のレーザー光によって照射されることによりプラズマ状態に励起され、EUV光を放出する(例えば、特許文献1参照)。放電プラズマ光源は、プラズマ源が放電によりプラズマ状態に励起され、EUV光を放出する。
ここで、レーザープラズマ光源と放電プラズマ光源はエキシマレーザー光源や水銀灯からなる光源等と比較して幅広い波長領域を有する光を射出するため、射出された光を反射型回折格子を用いて分光し、分光された光のうち照明光として用いない波長領域の光をスリットを有する遮光部材により遮蔽する照明光学系が存在する(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−312638号公報 特開2002−184690号公報
ところで、上述のレーザープラズマ光源または放電プラズマ光源から射出されるEUV光を用いてマスクのパターン像を感光性基板上に投影露光する場合、短波長の光に対して高い透過率を有する硝材が限定されていることから、投影露光装置は反射型の光学系により構成される。反射型の光学系としては、多層膜反射鏡または斜入射型ミラー等が用いられるが、これら光学系の反射面に対するEUV光の反射率は70〜80%であるため、照明光(露光光)の光量の減少を極力抑制し、照明光を有効に利用する必要がある。
また、レーザープラズマ光源と放電プラズマ光源においては、プラズマが発生時に飛散する粒子が投影露光装置を構成する反射型光学系に衝突するため、光源から飛散した粒子が衝突した反射型光学系の部分が破損する。この照明光(露光光)の光量の減少及び反射型光学系の破損は、投影露光装置のスループットの低下を招くと共にランニングコストが高くなる要因となる。
更に、特許文献2に記載されている照明光学系においては、分光手段としての反射型回折格子の光学性能の劣化または被照射面を照明する照明光の波長を検出することができず、分光手段としての反射型回折格子が良好に機能しているか否かを確認することができない。
この発明の課題は、プラズマ発生時に飛散する粒子に対する高い耐久性を有し、かつ照明光として用いない光を利用して分光光学系の光学性能を検出することができる照明装置、該照明装置を備える露光装置及び該照明装置を用いたマイクロデバイスの製造方法を提供することである。
請求項1記載の照明装置は、被照射面の照明に用いる基準波長である必要光を含む極端紫外光を供給する光源手段と、前記光源手段から供給された前記必要光を被照射面に導く照明光学系と、前記光源手段と前記照明光学系との間に配置され、前記極端紫外光を前記必要光と前記被照射面の照明に用いない不要光とに分光する分光手段と、前記分光手段により分光された前記不要光を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
この請求項1記載の照明装置によれば、分光手段により分光された極端紫外光のうち被照射面の照明に用いない不要光を検出する検出手段を備えているため、被照射面の照明に用いない不要光を無駄にすることなく有効に活用することができる。また、検出手段により不要光を検出することにより、分光手段が良好に機能しているか否か等の検出を行うことができるため、分光手段の分光性能を高く維持することができる。従って、高い分光性能を有する分光手段により分光された必要光により被照射面を良好に照明することができる。
また、請求項2記載の照明装置は、前記検出手段により検出された前記不要光に基づいて、前記光源手段から供給される前記極端紫外光の基準波長及び前記極端紫外光の光強度分布の少なくとも一方を調整する調整手段を更に備えることを特徴とする。
この請求項2記載の照明装置によれば、検出手段により検出された不要光に基づいて極端紫外光の基準波長及び光強度分布の少なくとも一方を調整する調整手段を備えているため、調整された必要光により被照射面を良好に照明することができる。
また、請求項3記載の照明装置は、前記調整手段が前記分光手段の姿勢を変更することにより前記極端紫外光の基準波長及び前記極端紫外光の光強度分布の少なくとも一方を調整することを特徴とする。
この請求項3記載の照明装置によれば、分光手段の姿勢を変更することにより極端紫外光の基準波長及び光強度分布の少なくとも一方を調整する調整手段を備えているため、分光手段の分光性能を高く維持することができる。従って、高い分光性能を有する分光手段により分光された必要光により被照射面を良好に照明することができる。
また、請求項4記載の照明装置は、被照射面の照明に用いる基準波長である必要光を含む極端紫外光を供給する光源手段と、前記光源手段から供給された前記必要光を被照射面に導く照明光学系と、前記光源手段の前記極端紫外光を射出する光源部から飛散する不要物を除去する不要物除去手段と、前記光源手段と前記照明光学系との間に配置され、前記極端紫外光を前記必要光と前記被照射面の照明に用いない不要光とに分光する分光手段と、前記分光手段により分光された前記不要光に基づいて前記不要物除去手段及び前記分光手段の少なくとも一方の汚染度を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
この請求項4記載の照明装置によれば、光源手段が備える光源部から飛散する不要物を除去する不要物除去手段を備えているため、照明装置が備える照明光学系または分光手段に含まれる光学部材に不要物が衝突することにより生じる照明光学系または分光手段に含まれる光学部材の損傷を防止することができる。また、光源手段から供給される極端紫外光を被照射面の照明に用いる必要光と被照射面の照明に用いない不要光とに分光する分光手段により分光された不要光に基づいて、不要物除去手段及び分光手段の少なくとも一方の汚染度を検出する検出手段を備えているため、不要光を無駄にすることなく有効に活用することができる。即ち、不要光を用いて不要物除去手段及び分光手段の少なくとも一方の汚染度を検出することにより、不要物除去手段、分光手段が良好に機能しているか否か等の検出を行うことができる。従って、不要物除去手段及び分光手段の性能を高く維持することができ、必要光により被照射面を良好に照明することができる。
また、請求項5記載の照明装置は、前記不要物除去手段が前記光源手段から射出される前記極端紫外光の進行方向に沿って移動可能に構成されていることを特徴とする。
この請求項5記載の照明装置によれば、不要物除去手段が光源手段から射出される極端紫外光の進行方向に沿って移動可能に構成されているため、不要物除去手段を移動させることにより極端紫外光の基準波長及び光強度分布の少なくとも一方を容易に調整することができる。
また、請求項6記載の照明装置は、前記不要物除去手段が交換可能に構成されていることを特徴とする。この請求項6記載の照明装置によれば、不要物除去手段が交換可能に構成されているため、検出手段が検出する不要物除去手段の汚染度が許容値を超えた場合に、不要物除去手段を交換することができ、照明装置の長寿命化を実現することができる。
また、請求項7記載の照明装置は、被照射面の照明に用いる基準波長である必要光を含む極端紫外光を供給する光源手段と、前記光源手段から供給された前記必要光を被照射面に導く照明光学系と、前記光源手段の前記極端紫外光を射出する光源部から飛散する不要物を除去する不要物除去手段と、前記光源手段と前記照明光学系との間に配置され、前記極端紫外光を前記必要光と前記被照射面の照明に用いない不要光とに分光する分光手段と、前記分光手段により分光された前記不要光に基づいて、複数種類の検出値の検出を行う検出手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項8記載の照明装置は、前記複数種類の検出値には、前記極端紫外光の基準波長、前記極端紫外光の光強度分布、前記必要光を用いる露光の露光量、前記不要物除去手段及び前記分光手段の少なくとも一方の汚染度、及び前記分光手段の光学調整値の少なくとも1つが含まれることを特徴とする。
この請求項7及び請求項8記載の照明装置によれば、分光手段により分光された被照射面の照明に用いない不要光に基づいて、極端紫外光の基準波長、極端紫外光の光強度分布、必要光を用いる露光の露光量、不要物除去手段及び分光手段の少なくとも一方の汚染度、及び分光手段の光学調整値の少なくとも1つが含まれる複数種類の検出値の検出を行う検出手段を備えている。従って、被照射面の照明に用いない不要光を無駄にすることなく、複数種類の検出値を検出するために有効に活用することができる。
また、請求項9記載の照明装置は、前記分光手段が前記極端紫外光に含まれる前記極端紫外光の基準波長より長い波長の光を除去する長波長除去手段と、前記極端紫外光に含まれる前記極端紫外光の基準波長より短い波長の光を除去する短波長除去手段と、前記長波長除去手段及び前記短波長除去手段を介した光から前記不要光を除去する不要光除去手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項10記載の照明装置は、前記検出手段が少なくとも2つの検出部を有することを特徴とする。
また、請求項11記載の照明装置は、前記分光手段と前記検出部との間にキャピラリーアレイ結像系を備えることを特徴とする。
この請求項9〜請求項11に記載の照明装置によれば、極端紫外光の基準波長より長い波長の光を除去する長波長除去手段と、極端紫外光の基準波長より短い波長の光を除去する短波長除去手段とを備え、更に長波長除去手段及び短波長除去手段を介した光から被照射面の照明に用いない不要光を除去する不要光除去手段を備えているため、被照射面の照明に用いる必要光により被照射面を良好に照明することができる。
また、請求項12記載の露光装置は、感光性基板上にマスクのパターンを転写する露光装置において、前記マスクを照明するための請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の照明装置を備えることを特徴とする。
この請求項12記載の露光装置によれば、請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の照明装置を備えているため、適切な波長の照明光によりマスクの照明を行うことができ、スループット良く、良好な露光を行うことができる。
また、請求項13記載のマイクロデバイスの製造方法は、請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の照明装置を用いてマスクを照明する照明工程と、前記照明工程により照明された前記マスクに形成されたパターン像を感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
この請求項13記載のマイクロデバイスの製造方法によれば、請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の照明装置を用いて適切な照明光によりマスクの照明を行うことができるため、スループット良く、マイクロデバイスの製造を行うことができる。
この発明の照明装置によれば、分光手段により分光された極端紫外光のうち被照射面の照明に用いない不要光を検出する検出手段を備えているため、被照射面の照明に用いない不要光を無駄にすることなく有効に活用することができる。また、検出手段により不要光を検出することにより、分光手段が良好に機能しているか否か等の検出を行うことができるため、分光手段の分光性能を高く維持することができる。従って、高い分光性能を有する分光手段により分光された必要光により被照射面を良好に照明することができる。
また、光源手段が備える光源部から飛散する不要物を除去する不要物除去手段を備えているため、照明装置が備える照明光学系または分光手段に含まれる光学部材に不要物が衝突することにより生じる照明光学系または分光手段に含まれる光学部材の損傷を防止することができる。また、光源手段から供給される極端紫外光を被照射面の照明に用いる必要光と被照射面の照明に用いない不要光とに分光する分光手段から分光された不要光に基づいて、不要物除去手段及び分光手段の少なくとも一方の汚染度を検出する検出手段を備えているため、不要光を無駄にすることなく不要物除去手段及び分光手段の汚染度を検出することができる。また、検出手段により不要物除去手段及び分光手段の少なくとも一方の汚染度を検出することにより、不要物除去手段が良好に機能しているか否か等の検出を行うことができる。従って、不要物除去手段及び分光手段の性能を高く維持することができ、極端紫外光のうち被照射面の照明に用いる必要光により被照射面を良好に照明することができる。
また、複数種類の検出値の検出を行う検出手段を備えているため、複数種類の検出値を検出するために被照射面の照明に用いない不要光を無駄にすることなく有効に活用することができる。
また、極端紫外光の基準波長より長い波長の光を除去する長波長除去手段と、極端紫外光の基準波長より短い波長の光を除去する短波長除去手段とを備え、更に被照射面の照明に用いない不要光を除去する不要光除去手段を備えているため、必要光により被照射面を良好に照明することができる。
また、この発明の露光装置によれば、この発明の照明装置を備えているため、適切な波長の照明光によりマスクの照明を行うことができ、スループット良く、良好な露光を行うことができる。
また、この発明のマイクロデバイスの製造方法によれば、この発明の照明装置を用いて適切な波長の照明光によりマスクの照明を行うことができるため、スループット良く、マイクロデバイスの製造を行うことができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態にかかる投影露光装置について説明する。図1は、この実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。この投影露光装置は、照明光をマスク(被照射面)Mに導く照明装置を備えている。この照明装置は、後述する放電プラズマ光源4、同心円状コリメーター6、キャピラリーアレイ8、斜入射型ミラー10、斜入射型回折格子14、同心円状コレクター18を備える分光光学系及び後述する入射側反射型フライアイ光学系22、射出側反射型フライアイ光学系24、コンデンサーミラー26,28を備える照明光学系により構成されている。
放電プラズマ光源(光源手段及び光源部)4は、マスクMの照明に用いる基準波長(この実施の形態においては、13.5nm)の光を含むEUV(extreme ultra violet、極端紫外)光を射出する。この実施の形態にかかるEUV光には、赤外域から極端紫外域までの波長の光が含まれる。なお、この実施の形態においては、光源として放電プラズマ光源を用いているが、レーザープラズマ光源を用いてもよい。
放電プラズマ光源4から射出したEUV光は、ルテニウムまたはモリブデンで形成されている同心円状コリメーター6を通過することにより略平行光束となり、キャピラリーアレイ(不要物除去手段)8に入射する。同心円状コリメーター6は、EUV光の進行方向及びその進行方向と直交する方向に移動可能に構成されており、同心円状コリメーター6を移動させることにより同心円状コリメーター6を通過するEUV光の基準波長及びEUV光の光強度分布の少なくとも一方を調整することができる。
キャピラリーアレイ8は、例えば鉛ガラス等により形成された多数の毛細管を束ねて構成されており、放電プラズマ光源4においてプラズマが発生するときに飛散した粒子(不要物)を除去する。即ち、キャピラリーアレイ8を構成する多数の微細な毛細管内の壁面に飛散した粒子(以下、飛散物という。)が付着する。なお、キャピラリーアレイ8の毛細管の長さを長くすることにより飛散物を除去する効率を高めることができる。また、キャピラリーアレイ8を冷却することにより飛散物を除去する効率を高めることができる。即ち、飛散物が冷却されたキャピラリーアレイ8を通過することにより飛散物の運動エネルギが減少し、運動エネルギを失った飛散物はキャピラリーアレイ8を構成する毛細管内に付着する。また、キャピラリーアレイ8は、EUV光の進行方向に沿って移動可能、かつ交換可能に構成されており、キャピラリーアレイ8を移動させることによりキャピラリーアレイ8を通過するEUV光の基準波長及びEUV光の光強度分布の少なくとも一方を調整することができる。
キャピラリーアレイ8を通過したEUV光は、ルテニウムにより形成されている斜入射型ミラー(短波長除去手段)10に入射する。斜入射型ミラー10は、その姿勢が変更可能に構成されている。即ち、斜入射型ミラー10に入射する入射光の入射角度及び入射位置が変化するように移動可能に構成されている。斜入射型ミラー10は、EUV光に含まれる基準波長より短い波長の光を除去する機能を有している。即ち、この実施の形態においては波長が13.5nmの光を露光光(照明光)として用いる。従って、波長が13.5nmの光が最も効率良く反射する10度以下の斜入射角度でEUV光が入射するように、斜入射ミラー10は配置されている。従って、波長が13.5nmより短い波長の光は、斜入射型ミラー10により反射されずに斜入射型ミラー10によりほぼ吸収される。
斜入射ミラー10により反射されたEUV光は、回折素子としての斜入射型回折格子(分光手段)14に入射する。斜入射型回折格子14は、その姿勢が変更可能に構成されている。即ち、斜入射型回折格子14に入射する入射光の入射角度及び入射位置が変化するように移動可能に構成されている。ここで、一般に、回折格子は、ガラス基板に光束の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、回折格子に入射した光を所望の角度に回折する作用を有する。また、入射光に対して回折光が生じる方向により透過型回折格子と反射型回折格子(斜入射型回折格子)に分類される。この実施の形態にかかる斜入射型回折格子14は、斜入射型回折格子14に入射したEUV光をマスクMの照明に用いる必要な使用波長の光(露光光)とマスクMの照明に用いない不必要な波長の光(計測用の光)とに分光する。
必要な使用波長の光は、図1に示すように、不必要な波長の光の除去手段としての遮蔽板16aと遮蔽板16bとの間を通過する。遮蔽板16a及び16bは、必要な使用波長の光(EUV光)を基準としてこれよりも長い波長の光と短い光を除去する。遮蔽板16aと遮蔽板16bとの間を通過した必要光は同心円状コレクター18を通過すことにより集光される。
斜入射型回折格子は斜入射による高反射率を利用できるものであれば、どのような形式のものを用いても良いが、ここでは最も回折効率の高いブレーズド型回折格子を使用することにし、以下ではそれを前提とした説明を行う。
斜入射型回折格子14により分光された不必要な波長の光であって、斜入射型回折格子14に入射したEUV光の回折光は、波長が必要な使用波長より短い場合、第1集光型キャピラリーアレイ(キャピラリーアレイ結像系)30aに入射し、波長が必要な使用波長より長い場合、第2集光型キャピラリーアレイ(キャピラリーアレイ結像系)30bに入射する。
図2は、第1集光型キャピラリーアレイ30a及び後述する第1検出器アレイ32aの構成を示す図である。図2に示すように、第1集光型キャピラリーアレイ30aは多数の毛細管(図2に示す5つの毛細管31a〜31e及び図示しない多数の毛細管)により構成されており、この多数の毛細管31a〜31eの射出端は集光作用を有する円錐型形状、ウォルターI型形状、放物面型形状のいずれかに形成されている。従って、必要な使用波長以外の光のうち短波長のものは、第1集光型キャピラリーアレイ30aを通過することにより集光される。長波長のものは第2集光型キャピラリーアレイ30bを通過することで集光される。
また、光の波長により回折角が異なることから、多数の毛細管31a〜31eのそれぞれに入射する不必要な波長の光の波長は異なる。即ち、例えば毛細管31aに入射する回折光の波長よりも毛細管31bに入射する回折光の波長は長くなり、更に、毛細管31c、毛細管31d、毛細管31eに入射する回折光の波長は順次長くなる。
第1集光型キャピラリーアレイ30aの多数の毛細管31a〜31eのそれぞれの射出端から射出した回折光は、第1検出器アレイ(検出部)32aに入射する。ここで、第1検出器アレイ32aは、図2に示すように、第1集光型キャピラリーアレイ30aを構成する多数の毛細管31a〜31eのそれぞれに対応した半導体ディテクターにより構成される検出器(図2に示す5つの検出器33a〜33e及び図示しない多数の検出器)33a〜33eを備えており、第1集光型キャピラリーアレイ30aを通過した不必要な波長の光が集光する位置またはその近傍に配置されている。多数の検出器33a〜33eのそれぞれは、それぞれの検出器に対応する毛細管を通過した回折光の光強度を検出する。例えば、検出器33aは、検出器33aに対応する毛細管31aを通過した回折光の光強度を検出する。同時に、多数の検出器33b〜33eのそれぞれは、多数の毛細管31b〜31eのそれぞれを通過した回折光の強度を検出する。
ここで、それぞれの毛細管31a〜31eに入射する回折光の波長が異なっているため、それぞれの検出器33a〜33eは、それぞれ波長が異なる光の光強度を検出する。従って、それぞれの検出器33a〜33eが検出する光強度に基づいて、回折光の強度分布を得ることができる。第1検出器アレイ32aは、それぞれの検出器33a〜33eが検出した回折光の強度分布の検出信号を後述する制御装置34に出力する。
以上は必要な使用波長の光よりも波長の短い不必要な波長の光についての説明であったが、波長の長い不必要な波長の光についてもまた同様である。
斜入射型回折格子14に入射したEUV光に対する使用波長の光よりも波長の長い光は、第2集光型キャピラリーアレイ(キャピラリーアレイ結像系)30bに入射する。第2集光型キャピラリーアレイ30bは、第1集光型キャピラリーアレイ30aと同様に、多数の毛細管により構成されており、この多数の毛細管の射出端は集光作用を有する形状(集光作用を有する円錐型形状、ウォルターI型形状、放物面型形状)に形成されている。従って、使用波長以外の不要な光は、第2集光型キャピラリーアレイ30bを通過することにより集光される。また、光の波長により回折角が異なることから、多数の毛細管のそれぞれに入射する回折光の波長は異なる。
第2集光型キャピラリーアレイ30bの多数の毛細管のそれぞれの射出端から射出した必要な使用波長の光よりも波長の長い回折光は、第2検出器アレイ(検出部)32bに入射する。ここで、第2検出器アレイ32bは、第2集光型キャピラリーアレイ30bを構成する多数の毛細管のそれぞれに対応した半導体ディテクターにより構成される多数の検出器を備えており、第2集光型キャピラリーアレイ30bを通過した使用波長以外の不要な波長の光が集光する位置またはその近傍に配置されている。多数の検出器のそれぞれは、それぞれの検出器に対応する毛細管を通過した回折光の強度を検出する。
必要な使用波長の光よりも波長の短い不必要な波長の光の場合と同様にここで毛細管を通過する光の光強度を検出する。従って、それぞれの検出器が検出する光強度に基づいて、使用波長よりも長い波長領域での回折光の強度分布を得ることができる。第2検出器アレイ32bは、それぞれの検出器が検出した使用波長よりも長い波長領域での回折光の強度分布の信号を後述する制御装置34へ出力する。
図1に示すように、放電プラズマ光源4及び同心円状コリメーター6、キャピラリーアレイ8、斜入射型ミラー10、斜入射型回折格子14を備える分光光学系及び集光型キャピラリーアレイ30a,30b及び検出器アレイ32a,32b等は、ピンホール20を備えて構成されるチャンバー2内に収納されており、同心円状コレクター18を通過することにより集光された必要光はピンホール20を通過する。
チャンバー2は、キャピラリーアレイ8において除去することができなかった飛散物が照明光学系やマスクMが設置されている領域内へ侵入するのを防止する。また、チャンバー2は、分光光学系を通過したEUV光であって照明に用いない迷光が照明光学系やマスクMが設置されている領域内へ侵入するのも防止する。
ピンホール20を通過した必要光は特定の発散角を持った状態で反射型オプティカルインテグレーター(22,24)に入射する。反射型オプティカルインテグレーター(22,24)は、マスクMを照明領域とほぼ相似な形状(円弧形状や矩形形状等)を持つ多数の反射型素子が稠密に並列配置されて構成される入射側反射型フライアイ光学系22と、矩形形状を有する多数の反射型素子が稠密に配列配置されて構成される射出側反射型フライアイ光学系24とを有している。
なお、入射側反射型フライアイ光学系22は、マスクMの設定位置やウエハWの設定位置と光学的に共役な位置またはその近傍に配置されており、射出側反射型フライアイ光学系24は、照明系の瞳位置や投影光学系PLの瞳位置(投影光学系の開口絞り位置)と光学的に共役な位置またはその近傍に配置されている。
この入射側反射型フライアイ光学系22及び射出側反射型フライアイ光学系24の反射作用により、射出側反射型フライアイ光学系24の射出側には、多数の光源像(2次光源)が形成される。この射出側反射型フライアイ光学系24により形成される多数の光源像(2次光源)からの光束は、コンデンサーミラー26、28により順次反射され、反射型マスクMへ導かれる。
コンデンサーミラー28により反射された必要光、即ち照明装置から射出した必要光は、所定の回路パターンが形成されている反射型マスクM上を重畳的に均一照明する。反射型マスクMにより反射された必要光は、図示しない複数の結像用反射部材を備える反射型投影光学系PLを介してレジストが塗布された感光性基板としてのウエハW上にマスクMに形成されたパターン像を投影露光する。
なお、この図1においては、ピンホール20に対して、特定の発散角を持った光を入射側反射型フライアイ光学系22に入射させた例を示しているが、必要に応じて平行光束にする作用を持つコリメーター光学系をピンホール20と入射側反射型フライアイ光学系22との間に配置して、入射側反射型フライアイ光学系22に対してほぼ平行光束を入射させる構成にすることも可能である。
また、この実施の形態にかかる投影露光装置は、制御装置34を備えている。制御装置34には、第1検出器アレイ32a及び第2検出器アレイ32bが接続されており、第1検出器アレイ32a、第2検出器アレイ32bを構成する多数の検出器から不要光の光強度の検出信号が入力される。また、制御装置34には、コリメーター駆動装置36、キャピラリーアレイ駆動装置38、斜入射型ミラー駆動装置40、回折格子駆動装置42が接続されている。
コリメーター駆動装置36は、制御装置34からの制御信号に基づいて、同心円状コリメーター6をEUV光の進行方向及びその進行方向と直交する方向に移動させる。キャピラリーアレイ駆動装置38は、制御装置34からの制御信号に基づいて、キャピラリーアレイ8のEUV光の進行方向に沿った移動を行う。斜入射型ミラー駆動装置40は、制御装置34からの制御信号に基づいて、斜入射型ミラー10に入射する入射光の入射角度及び入射位置が変化するように斜入射型ミラー10の姿勢の変更を行う。回折格子駆動装置42は、制御装置34からの制御信号に基づいて、斜入射型回折格子14に入射する入射光の入射角度及び入射位置が変化するように斜入射型回折格子14の姿勢の変更を行う。
制御装置34は、第1検出器アレイ32a及び第2検出器アレイ32bから出力される不要光の光強度分布に基づいて、複数種類の検出値の検出を行う。ここで、複数種類の検出値には、EUV光の基準波長、EUV光の光強度分布、必要光を用いる露光の露光量、キャピラリーアレイ8、斜入射型ミラー10及び斜入射型回折格子14の汚染度、斜入射型ミラー10及び斜入射型回折格子14の光学調整値等が含まれる。
即ち、予め記憶されている複数種類の検出値に対応した最適値を参照することにより、検出された複数種類の検出値に基づいて、EUV光の基準波長、EUV光の光強度分布、必要光を用いる露光の露光量、キャピラリーアレイ8、斜入射型ミラー10及び斜入射型回折格子14の汚染度、斜入射型ミラー10及び斜入射型回折格子14の光学調整値等の検出を行う。
ここで、例えば、キャピラリーアレイ8,斜入射型ミラー10,斜入射回折格子14等の分光光学系において汚染物が付着することによりその光学素子の反射率が低下しているときには、検出される分光光学系の分光特性と最適な分光光学系の分光特性とは同一であるが、検出されるEUV光の光強度が最適なEUV光の光強度より小さい値を示し、必要光を用いる露光の露光量と最適な露光量とが異なってくる。このため、制御装置34は、第1及び第2の検出手段(32a、32b)を介して得られる光電情報に基づいて、現在の露光量を算出し、その後、光学部材の汚染により不足する露光時間を算出する。そして、制御装置34は、照明光路(キャピラリーアレイ8の射出側等)に配置された不図示のシャッターの動作を不図示のシャッター駆動系を介して、光学部材の汚染度に応じて露光時間を長くして適正露光量となるように制御する。または、制御装置34は、光学部材の汚染度に応じてプラズマ光源4からの出力が大きくなるように、プラズマ光源4の出力を制御するようにしても良い。
また、制御装置34は、第1及び第2の検出手段(32a、32b)を介して得られる光電情報に基づいて、キャピラリーアレイ8、斜入射型ミラー10、斜入射型回折格子14等の汚染度を検出することができる。例えば、各素子の汚染の度合いに関して重み付けを付与し、制御装置34は、重み付け検出することにより、個々の各光学素子の汚染度を精度良く検出することができる。ここで、制御装置34は、許容値を超える場合には、汚染された光学素子を交換すべき旨の警告を不図示の表示手段にて表示させることができ、これにより、作業者は、汚染により光学特性が劣化した光学素子を適宜交換すればよい。
また、キャピラリーアレイ8,斜入射型ミラー10,斜入射型回折格子14等の分光光学系の配置位置が正確でない場合には、検出される分光光学系の分光特性と最適な分光光学系の分光特性との間に相違が生じ、検出されるEUV光の光強度分布と最適なEUV光の光強度分布との間に相違が生じ、検出されるEUV光の基準波長と最適なEUV光の基準波長との間に相違が生じる。従って、不要光の光強度分布に基づいて、キャピラリーアレイ8,斜入射型ミラー10,斜入射型回折格子14等の光学調整値の検出を行うことができる。
次に、制御装置34は、検出された複数種類の検出値と予め記憶されている複数種類の最適値(参照値)とに基づいて、分光光学系の調整量を算出する。そして、算出された調整量に基づいて、コリメーター駆動装置36、キャピラリーアレイ駆動装置38、斜入射型ミラー駆動装置40、回折格子駆動装置42の少なくとも1つの駆動装置を介して、同心円状コリメーター(調整手段)6のEUV光の進行方向及びその進行方向と直交する方向への移動、キャピラリーアレイ(調整手段)8のEUV光の進行方向に沿った移動、斜入射型ミラー(調整手段)10の姿勢の変更、斜入射型回折格子(調整手段)14の姿勢の変更の少なくとも1つを行い、EUV光が精度良く分光されるようにEUV光の基準波長及びEUV光の光強度分布の少なくとも一方の調整を行う。また、制御装置34は、検出される分光光学系の汚染度が許容値を超えた場合には、キャピラリーアレイ8の交換が必要であると判断し、キャピラリーアレイ8の交換が必要であることを知らせる信号を出力する。
この実施の形態にかかる露光装置によれば、EUV光のうちマスクMの照明に用いない不要光を検出する第1検出器アレイ32a及び第2検出器アレイ32bを備えているため、マスクの照明に用いない不要光を無駄にすることなく有効に活用することができる。また、第1検出器アレイ32a及び第2検出器アレイ32bにより不要光を検出することにより、キャピラリーアレイ8、斜入射型ミラー10、斜入射型回折格子14等の分光光学系が良好に機能しているか否か等を検出することができ、分光光学系の分光性能を高く維持することができる。
また、放電プラズマ光源4から飛散する飛散物を除去するキャピラリーアレイ8を備えているため、分光光学系に含まれる光学素子または照明光学系を構成する光学素子に飛散物が衝突することにより生じる損傷を防止することができる。また、マスクMの照明に用いない不要光に基づいて、キャピラリーアレイ8、斜入射型ミラー10、斜入射型回折格子14の汚染度を検出することができるため、分光光学系が良好に機能しているか否か等を検出することができ、分光光学系の分光性能を高く維持することができる。
また、第1検出器アレイ32a及び第2検出器アレイ32bが検出する不要光の光強度に基づいて複数種類の検出値の検出を行うため、不要光を複数種類の検出値の検出のために有効に活用することができる。
なお、この実施の形態にかかる投影露光装置においては、放電プラスマ光源4から飛散する粒子を除去するキャピラリーアレイ8を備えているが、このキャピラリーアレイ8は、キャピラリーアレイ8を構成する多数の毛細管の径の値を選択することにより、EUV光に含まれるEUV光の基準波長より長い波長の光を除去することができる。即ち、キャピラリーアレイ8は、キャピラリーアレイ8の毛細管の径の値を選択することにより、EUV光に含まれる基準波長より長い波長の光を分光する機能を有する。
図3は、キャピラリーアレイ8が有する、EUV光に含まれる基準波長より長い波長の光を分光する機能を説明するための図である。図3に示すように、キャピラリーアレイ8を構成する多数の毛細管のうちの1つの毛細管8aの径の大きさをAとするとき、光の回折角は、λ/Aとなる。ここで、λは、光の波長を示している。即ち、光の波長が長くなると回折角は大きくなる。従って、毛細管8aの径Aの大きさを基準波長よりも長い波長の光の回折角が大きくなる値とすることにより、基準波長より短い波長の光は、毛細管8aを通過して、図3において実線で示す矢印Bの方向に進行する。また、基準波長より長い波長の光は、毛細管8aを通過して、図3において破線で示す矢印Cの方向に進行する。なお、キャピラリーアレイ8を構成する毛細管8a以外の毛細管を通過する長波長及び短波長の光も、毛細管8aを通過する光と同様に進行する。
図4は、図3に示すキャピラリーアレイ8を通過したEUV光が斜入射型ミラー10に入射する光路を示す図である。図4に示すように、キャピラリーアレイ8を通過した基準波長より短い波長の光は、図4において実線で示す矢印Bの方向に進行し、斜入射ミラー10に入射する。
一方、図4に示すように、キャピラリーアレイ8を通過した基準波長より長い波長の光は、図4において破線で示す矢印Cの方向に進行する。斜入射ミラー10に大きい斜入射角度で入射する長波長の光は、斜入射ミラー10の吸収率が増大することから、斜入射ミラー10により吸収される。また、斜入射ミラー10に到達しない長波長の光は、その光路中に遮蔽板12を配置して遮蔽する。なお、基準波長より長波長の光の全部を遮蔽する遮蔽板を備えるように構成してもよい。従って、キャピラリーアレイ8、斜入射ミラー10及び遮蔽板12により、EUV光に含まれる基準波長よりも長波長の光を良好に除去することができる。
また、基準波長より長い波長の光を除去する別の分光光学素子を備えるようにしてもよい。即ち図5に示すような平板の開口部50aにEUV光に対して高い透過率を持つBe(ベリリウム)などの物質で構成された細線50bを略等間隔に装着して構成される透過型分光素子50を備えるようにしてもよい。この透過型分光素子50は、キャピラリーアレイ8と斜入射型ミラー10の間の照明光路中、または斜入射型ミラー10と斜入射型回折格子14との間の照明光路中に配置されることが望ましい。この場合においても、EUV光の基準波長よりも長波長の光を良好に除去することができるため、所望の波長の光を良好に取り出すことができる。
また、この実施の形態にかかる投影露光装置においては、EUV光に含まれる基準波長より短い波長の光を除去するルテニウムにより形成される斜入射型ミラー10を備えているが、耐熱性に優れている石英により形成される斜入射型ミラーを備えるようにしてもよい。この場合には、ルテニウムにより形成される斜入射型ミラーと比較して斜入射型ミラーに対する反射率は減少するが、石英により形成される斜入射型ミラーは紫外光、可視光、赤外光に渡る波長域で高い透過率を持っている。これにより、この石英により形成される斜入射型ミラーは、キャピラリーアレイの開口部で回折したこれらの不要な光を透過させるため、EUV光域の不要光だけでなく、これら紫外光から赤外光にわたる不要な光も除去することができる。
また、この実施の形態にかかる投影露光装置においては、EUV光に含まれる基準波長より短い波長の光を除去するルテニウムにより形成される斜入射型ミラー10を備えているが、特定の波長にのみ反射作用を有する多層膜ミラーを備えるようにしてもよい。この多層膜ミラーは、入射光が小さい斜入射角度で入射する位置、または入射光が小さい直入射角度で入射する位置に配置されることが望ましい。この場合においても、所望の波長(基準波長)のEUV光を良好に取り出すことができる。
また、この実施の形態にかかる投影露光装置においては、キャピラリーアレイ8と斜入射型回折格子14の間に斜入射型ミラー10を備えているが、斜入射型ミラーに代えて斜入射型回折格子を備えるようにしてもよい。この場合には、分光特性が向上するため、より高精度に所望の波長(基準波長)のEUV光を取り出すことができる。
また、この実施の形態にかかる投影露光装置においては、キャピラリーアレイ8を交換可能に構成しているが、斜入射型ミラー10、斜入射型回折格子14を交換可能に構成してもよい。この場合においては、制御装置により検出される斜入射型ミラー、斜入射型回折格子の汚染度が許容値を超えた場合に、斜入射型ミラー、斜入射型回折格子の交換を行うことができ、露光装置及び照明装置の長寿命化を実現することができる。
また、この実施の形態にかかる投影露光装置においては、検出器アレイを2つ備え、各検出器アレイが検出する不要光に基づいて複数種類の検出値の検出を行っているが、1つの検出器アレイを備え、この検出器アレイにより検出される不要光に基づいて複数種類の検出値の検出を行ってもよい。この場合においても、分光光学系が良好に機能しているか否か等の検出を良好に行うことができる。
上述の実施の形態にかかる露光装置では、照明光学系によってレチクル(マスク)を照明し、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板(ウエハ)に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて感光性基板としてのウエハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図6のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図6のステップS301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、そのlロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップS304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述のマイクロデバイス製造方法によれば、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、適切な波長の照明光によりマスクの照明を行うことができ、極めて微細な回路パターンを有するマイクロデバイスを精度良く得ることができる。なお、ステップS301〜ステップS305では、ウエハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウエハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
また、上述の実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図7のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図7において、パターン形成工程S401では、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程S402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程S402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程S402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、上述の実施の形態にかかる露光装置を用いて露光を行うため、適切な波長の照明光によりマスクの照明を行うことができ、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスを精度良く得ることができる。
この発明の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。 この発明の実施の形態にかかる第1集光型キャピラリーアレイ及び第1検出器アレイの構成を示す図である。 この発明の実施の形態にかかるキャピラリーアレイを構成する毛細管の径より長い波長の光を除去する機能を説明するための図である。 この発明の実施の形態にかかる斜入射型ミラーにEUV光が入射した状態を示す図である。 分光光学素子の構成を示す図である。 この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスの製造方法を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子の製造方法を示すフローチャートである。
符号の説明
2…チャンバー、4…放電プラズマ光源、6…同心円状コリメーター、8…キャピラリーアレイ、8a…毛細管、10…斜入射型ミラー、12,16a,16b…遮蔽板、14…斜入射型回折格子、18…同心円状コレクター、20…ピンホール、22…入射側反射型フライアイ光学系、24…射出側反射型フライアイ光学系、26,28…コンデンサーミラー、30a…第1集光型キャピラリーアレイ、30b…第2集光型キャピラリーアレイ、32a…第1検出器アレイ、32b…第2検出器アレイ、34…制御装置、36…コリメーター駆動装置、38…キャピラリーアレイ駆動装置、40…斜入射型ミラー駆動装置、42…回折格子駆動装置、M…マスク、PL…投影光学系、W…ウエハ。

Claims (13)

  1. 被照射面の照明に用いる基準波長である必要光を含む極端紫外光を供給する光源手段と、
    前記光源手段から供給された前記必要光を被照射面に導く照明光学系と、
    前記光源手段と前記照明光学系との間に配置され、前記極端紫外光を前記必要光と前記被照射面の照明に用いない不要光とに分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された前記不要光を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする照明装置。
  2. 前記検出手段により検出された前記不要光に基づいて、前記光源手段から供給される前記極端紫外光の基準波長及び前記極端紫外光の光強度分布の少なくとも一方を調整する調整手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
  3. 前記調整手段は、前記分光手段の姿勢を変更することにより前記極端紫外光の基準波長及び前記極端紫外光の光強度分布の少なくとも一方を調整することを特徴とする請求項2記載の照明装置。
  4. 被照射面の照明に用いる基準波長である必要光を含む極端紫外光を供給する光源手段と、
    前記光源手段から供給された前記必要光を被照射面に導く照明光学系と、
    前記光源手段の前記極端紫外光を射出する光源部から飛散する不要物を除去する不要物除去手段と、
    前記光源手段と前記照明光学系との間に配置され、前記極端紫外光を前記必要光と前記被照射面の照明に用いない不要光とに分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された前記不要光に基づいて前記不要物除去手段及び前記分光手段の少なくとも一方の汚染度を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする照明装置。
  5. 前記不要物除去手段は、前記光源手段から射出される前記極端紫外光の進行方向に沿って移動可能に構成されていることを特徴とする請求項4記載の照明装置。
  6. 前記不要物除去手段は、交換可能に構成されていることを特徴とする請求項4または請求項5記載の照明装置。
  7. 被照射面の照明に用いる基準波長である必要光を含む極端紫外光を供給する光源手段と、
    前記光源手段から供給された前記必要光を被照射面に導く照明光学系と、
    前記光源手段の前記極端紫外光を射出する光源部から飛散する不要物を除去する不要物除去手段と、
    前記光源手段と前記照明光学系との間に配置され、前記極端紫外光を前記必要光と前記被照射面の照明に用いない不要光とに分光する分光手段と、
    前記分光手段により分光された前記不要光に基づいて、複数種類の検出値の検出を行う検出手段と、
    を備えることを特徴とする照明装置。
  8. 前記複数種類の検出値には、前記極端紫外光の基準波長、前記極端紫外光の光強度分布、前記必要光を用いる露光の露光量、前記不要物除去手段及び前記分光手段の少なくとも一方の汚染度、及び前記分光手段の光学調整値の少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項7記載の照明装置。
  9. 前記分光手段は、
    前記極端紫外光に含まれる前記極端紫外光の基準波長より長い波長の光を除去する長波長除去手段と、
    前記極端紫外光に含まれる前記極端紫外光の基準波長より短い波長の光を除去する短波長除去手段と、
    前記長波長除去手段及び前記短波長除去手段を介した光から前記不要光を除去する不要光除去手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の照明装置。
  10. 前記検出手段は、少なくとも2つの検出部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の照明装置。
  11. 前記分光手段と前記検出部との間に、キャピラリーアレイ結像系を備えることを特徴とする請求項10記載の照明装置。
  12. 感光性基板上にマスクのパターンを転写する露光装置において、
    前記マスクを照明するための請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の照明装置を備えることを特徴とする露光装置。
  13. 請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の照明装置を用いてマスクを照明する照明工程と、
    前記照明工程により照明された前記マスクに形成されたパターン像を感光性基板上に露光する露光工程と、
    前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程と、
    を含むことを特徴とするマイクロデバイスの製造方法。
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