JP2005339799A - 光学的情報記録媒体及び光学的情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造が容易で、環境変化による変形の少ない多層構造の光学的情報記録媒体を利用した光学的記録記録再生装置を提供する。
【解決手段】 この光学的情報記録再生装置は、片側から再生可能な少なくとも2つの情報層を備えた光ディスク111からの情報信号を再生する装置である。当該光学的情報記録再生装置は、光源から出射した光ビームを対物レンズ122を用いて光ディスク111上に集光する光学手段と、前記各情報層の形態、又は前記各情報層の記録再生条件を示す識別子を復調する層識別部132とを備えている。
【選択図】 図11
【解決手段】 この光学的情報記録再生装置は、片側から再生可能な少なくとも2つの情報層を備えた光ディスク111からの情報信号を再生する装置である。当該光学的情報記録再生装置は、光源から出射した光ビームを対物レンズ122を用いて光ディスク111上に集光する光学手段と、前記各情報層の形態、又は前記各情報層の記録再生条件を示す識別子を復調する層識別部132とを備えている。
【選択図】 図11
Description
本発明は、光ビームを用いて情報信号の再生又は記録再生が可能な光学的情報記録媒体、及びそれを利用した光学的情報記録再生装置に関し、特に複数の情報層を備えた多層構造の光学的情報記録媒体、及びそれを利用した光学的情報記録再生装置に関する。
従来、光学的に情報信号を記録し、又は記録した情報信号を再生することが可能な光学的情報記録媒体としては、光ディスク、光カード等が知られている。これらの記録媒体においては、光源として一般に半導体レーザが用いられている。そして、レンズを介して微小に集光した光を記録媒体に照射することにより、大量の情報信号が記録媒体に記録され、又は記録媒体に記録された情報信号が再生される。
現在、これらの記録媒体の記録容量をさらに高める検討が行われている。記録密度を高めるには、光ビームを小さく絞り込むことによって再生の解像度を高めるのが効果的である。そのため、光ビームの波長を短くするか、又は光を集光するレンズの開口数(NA)を上げる検討が行われている。さらに、フォーカシング又はトラッキングの精度を高め、かつ、信号間のクロストークを抑制する再生方法の検討等により、記録の面密度を高める検討が行われている。
上記のような方式を採用することにより、単位面積当たりの記録容量はそれなりに向上するが、情報を記録する情報層が単一層の場合には、記録密度に限界があると言える。
これに対し、情報を記録する情報層を複数層設ければ、記録容量を倍増させることができると考えられる。多層構造の光ディスクを製造する方法としては、以下のようなものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、この光ディスクの製造工程について説明する。まず、図21(a)に示すように、射出成形法等によって製作された情報ピットを備えた基板211の表面に、第1の情報層212を成膜する。次いで、図21(b)に示すように、情報ピットを備えた原盤213上に光硬化性樹脂214を塗布する。次いで、図21(c)に示すように、基板211の第1の情報層212と原盤213の情報ピット面とを対向させ、基板211を加圧した状態で、原盤213側から光硬化性樹脂214に光を照射する。これにより、光硬化性樹脂214が硬化し、この光硬化性樹脂214が第1の情報層212に接着する。次いで、図21(d)に示すように、原盤213を光硬化性樹脂214から剥離する。これにより、表面に情報ピットを備えた光硬化性樹脂214からなる樹脂層が形成される。次いで、図21(e)に示すように、樹脂層(光硬化性樹脂214)の上に第2の情報層215を成膜する。最後に、図21(f)に示すように、第2の情報層215の上に保護コート層206を成膜する。以上の工程により、2層構造の光ディスクが得られる。
米国特許第5,126,996号公報
しかし、上記従来の製造方法では、原盤213を光硬化性樹脂214から剥離する際に(図21(d))、第1の情報層212と基板211又は樹脂層(光硬化性樹脂214)との界面で剥離が生じ易く、製造時の歩留まりが悪いという問題点があった。これは、原盤213と樹脂層(光硬化性樹脂214)との間の接着力が、第1の情報層212と基板211との間の接着力又は第1の情報層212と樹脂層(光硬化性樹脂214)との間の接着力よりも高くなるためと考えられる。
また、基板211を樹脂で形成する場合には、環境温度が変化したり、あるいは湿度が変化したりした場合等に、完成した光ディスクが変形し、信号再生にエラーが発生するという問題点があった。
さらに、複数の情報層からの情報信号を再生する装置においては、対象とする情報層以外の情報層からの反射光などの影響により、サーボ動作が不安定になるという問題点があった。
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、製造が容易で、環境変化による変形の少ない多層構造の光学的情報記録媒体、及びそれを利用した光学的記録記録再生装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る光学的情報記録再生装置の第1の構成は、片側から再生可能な少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体からの情報信号を再生する光学的情報記録再生装置であって、光源から出射した光ビームを対物レンズを用いて前記記録媒体上に集光する光学手段と、前記各情報層の形態、又は前記各情報層の記録再生条件を示す識別子を復調する層情報復調手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る光学的情報記録再生装置の第2の構成は、片側から再生可能な少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体からの情報信号を再生する光学的情報記録再生装置であって、光源から出射した光ビームを対物レンズを用いて前記記録媒体上に集光する光学手段と、光の照射条件、フォーカス制御条件、トラッキング制御条件、再生信号の復調条件の少なくともいずれかを含む識別子を復調する層識別手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る光学的情報記録媒体の第1の構成は、片側から再生可能な少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体であって、前記情報層の形態、又は前記情報層の記録再生条件を示す識別情報を備えたことを特徴とする。
また、前記本発明の光学的情報記録媒体の第1の構成においては、前記情報層の形態が、再生専用型又は記録再生型のいずれかであるのが好ましい。
また、本発明に係る光学的情報記録媒体の第2の構成は、片側から再生可能な少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体であって、前記各情報層に対する光の照射条件、フォーカス制御条件、トラッキング制御条件、再生信号の復調条件の少なくともいずれかを含む識別子を備えたことを特徴とする。
また、前記本発明の光学的情報記録媒体の第2の構成においては、前記光の照射条件が、記録時の変調波形であるのが好ましい。
また、本発明に係る光学的情報記録再生装置の第3の構成は、少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体からの情報信号を再生する光学的情報記録再生装置であって、光源から出射した光ビームを対物レンズを用いて前記記録媒体上に集光する光学手段と、前記光ビームの焦点位置を前記情報層のいずれかに一致させる制御を行うフォーカス制御手段と、目的とする情報層を選択する層選択手段と、前記情報層に前記情報信号を記録するための光変調波形を設定する波形設定器とを備え、前記層選択手段の選択信号に応じて前記波形設定器の光変調波形を切り換えることを特徴とする。
また、前記本発明の光学的情報記録再生装置の第3の構成においては、前記波形設定器による光変調波形の切り換えが前記光ビームの強度であるのが好ましい。
以下、本発明の光学的情報記録媒体及び光学的情報記録再生装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る光学的情報記録媒体の一例を示す断面図である。図1に示すように、厚さd1の第1の基板1の片側の表面には、トラッキング用のガイド溝、サンプルピット又は情報信号に対応した情報ピットが形成されている。さらに、第1の基板1の片側の表面には、この第1の基板1に入射した光ビーム7の一部を反射し、かつ一部を透過する厚さd2の薄膜からなる第1の情報層2が成膜されている。厚さd3の第2の基板3の表面には、ガイド溝又は情報信号に対応した情報ピットが形成されている。さらに、第2の基板3の表面には、第1の情報層2の反射率よりも高い反射率を有する厚さd4の薄膜からなる第2の情報層4が成膜されている。第1の情報層2と第2の情報層4との間には、これら第1の情報層2と第2の情報層4を一定の距離d5だけ離して配置するための透明な分離層5が介在されている。以上により、2層構造の光学的情報記録媒体が構成されている。
第1の基板1と第2の基板3は、分離層5を中心として、できるだけ上下対称な構造であるのが好ましい。すなわち、材料及び厚さ(d1及びd3)を実質的に等しくし、両基板間では、単に表面の情報ピットのパターンと第1及び第2の情報層2、4の構成だけが異なるようにするのが好ましい。
光学的情報記録媒体を上記のように構成すれば、分離層5を中心とした上下対称な構造となるため、製造時に温度変化などによって基板に応力などが発生しても、歪は相殺される。また、環境温度や湿度の変化によって両基板に新たな変形要素が加わった場合にも、変形や反りは抑制される。その結果、環境変化に強い構造が得られる。従って、第1及び第2の基板1、3を樹脂で形成した場合であっても、完成した記録媒体が変形して、信号再生にエラーが発生することはない。
本実施例の光学的情報記録媒体においては、第1の基板1側から2つの情報層(第1及び第2の情報層2、4)のそれぞれに光ビーム7を照射し、その反射光量の変化を検出することにより、2つの情報層2、4上に記録された情報信号が再生される。この情報信号の再生を可能とするためには、照射する光ビーム7が、再生する情報層2、4のそれぞれに効率良く集光されることが必要である。
このため、第1の情報層2は、この情報層に形成された情報信号が反射光の変化として再生できるように、所定の反射率を有すること、さらには、光ビーム7が照射された際に、第2の情報層4に所定の強度の光ビーム7が到達するように、所定の透過率を有することが必要とされる。一方、第2の情報層4については、透過率を考慮する必要はないが、情報信号である反射光量の変化が大きくなるように、第2の情報層4はできるだけ高い反射率を有することが必要である。すなわち、第2の情報層4の情報信号を再生する時に、光ビーム7は、第1の情報層2を2回透過する必要がある。そこで、本実施例においては、第2の情報層4の反射率が第1の情報層2の反射率よりも高く設定されている。
第1及び第2の基板1、3の材料としては、照射する光ビーム7の波長領域に対して光吸収が少なく、強度の高い材料が好ましい。このため、第1及び第2の基板1、3の材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂等の樹脂材料、又はガラス材料等が用いられる。
第1及び第2の基板1、3の材料として樹脂材料を用いる場合、第1及び第2の基板1、3を形成する方法としては、溶融状態の樹脂材料を用いて射出成形により形成する方法が最も一般的である。また、第1及び第2の基板1、3の材料としてガラス材料を用いる場合には、平板ガラスの表面にエッチング等の方法によって凹凸情報を形成するか、又は紫外線硬化性の樹脂を平板ガラスの表面に塗布し、その上から凹凸の表面を持つ金型を押し付けて、凹凸情報を形成する方法(光重合法)等がある。しかし、第1及び第2の基板1、3の形成方法は、必ずしもこれらの方法に限定されるものではなく、基板に所定の光学特性を付与することができる形成方法であればよい。尚、これらの方法は、コンパクトディスク等の通常の光ディスクの製造プロセスとして公知の技術であるため、その説明は省略する。
第1及び第2の基板1、3の表面に形成される凹凸部のパターンは、情報層の機能が再生専用型か、あるいは記録再生型かによって異なる。情報層が再生専用型の場合、凹凸部は基板の表面に情報信号に従って変調されたパターンによって構成された情報ピット列からなる。情報層が記録再生型の場合、凹凸部は光ビームのトラッキング制御を行うための連続的な凹凸からなるガイド溝、あるいはサンプルサーボ方式と呼ばれるトラッキング方式に対応したウォブルピットからなる。
第1の基板1と第2の基板3は、外形の大きさが実質的に等しく、さらに同一の材料を用いて同様のプロセスによって形成されたものであるのが好ましい。特に、基板材料として樹脂材料を用い、射出成形法によって基板を形成すると、成形時の条件により、基板単体で長時間放置した場合に基板に反りなどの変形が生じ易くなる。また、周囲の環境温度や湿度の変化によっても、基板に大きな変形が生じる。また、光重合法によって基板を形成した場合にも、射出成形の場合ほど顕著ではないが、同様の変形が生じる。本実施例においては、このような樹脂基板の特性を考慮し、第1及び第2の基板1、3として同等の履歴で形成されたものを用い、両基板を分離層5によって接着している。このように、分離層5を中心として上下対称な構造とすれば、基板の応力や歪が抑制され、環境変化に強い光学的情報記録媒体が得られる。
機械的強度が実質的に等しいとみなせる2つの基板の厚さは、記録媒体が存在する環境の温度、あるいは基板の材質によって異なる。この2つの基板の厚み差の許容量を求めるために、次のような構成の光学的情報記録媒体を作製した。すなわち、第1の基板1として厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂を用い、その表面に第1の情報層2として厚さ10nmのAuを成膜した。また、ポリカーボネート樹脂からなる第2の基板3の厚さを0.3mmから1.2mmまで変化させ、かつ、その表面に第2の情報層4として厚さ100nmのAuを成膜した。また、分離層5として厚さ平均40μmのアクリル系の紫外線硬化性の樹脂層を用い、この分離層5によって第1の情報層2と第2の情報層4を接着した。この光学的情報記録媒体の変形量を測定したところ、以下の結果が得られた。すなわち、第2の基板3の厚みが0.6mm±30%以下であれば、温度30℃、相対湿度(RH)80%の室温環境下に1000時間放置しても、記録媒体の反り量は0.4mm以下となり、安定なサーボ動作が可能であった。さらに過酷な温度80℃、相対温度80%の環境下に1000時間放置した場合でも、第2の基板3の厚みが0.6mm±20%以下であれば、記録媒体の反りを抑制することができた。
情報層は、再生専用型と記録再生型の2種類に大別される。また、本実施例の記録媒体には情報層が2つ存在する。従って、記録媒体の構成としては、第1の情報層−第2の情報層の順で記載すると、(A)再生専用−再生専用型、(B)再生専用−記録再生型、(C)再生再生−再生専用型、(D)記録再生−記録再生型の4種類が存在する。
再生専用型の情報層は、上記のように情報ピットが形成された基板表面上に成膜され、光ビームに対して所定の反射率を有する薄膜からなる。この場合、材料としてAu、Al、Cu又はそれらの合金等からなる金属材料、あるいはSiO2 、SiO、TiO2 、MgO、GeO2 等の酸化物、Si3 N4 、BN等の窒化物、ZnS、PbS等の硫化物の誘電体材料及びそれらを混合したもの、あるいは前記酸化物、窒化物、硫化物を多層化したものを用いれば、特定波長の光ビームに対して所定の反射率を有する情報層が得られる。
第1の情報層2が再生専用型である場合、第1の情報層2は、第1の基板1側から入射した光ビーム7を反射し、さらに第2の情報層4に所定の強度の光ビーム7が到達するように所定の透過率を有することが必要である。第1の情報層2と第2の情報層4に同じ材料を用いる場合には、第1の情報層2の膜厚を第2の情報層4の膜厚よりも薄くすること等によって対処することができる。情報層の材料として上記した金属材料を用いる場合には、厚さ5〜40nmの薄膜状に形成したものを用いる。特に、第1の情報層2の反射率と透過率の双方を高く保つためには、情報層自身による光吸収ができるだけ小さいことが望ましい。この場合、第1の情報層2の材料としては高屈折率・低吸収係数を達成できる誘電体材料又は有機材料を用いることができる。さらに、誘電体材料と有機材料を積層すれば、光吸収の小さい情報層が得られる。
第2の情報層4が再生専用型である場合には、透過率を考慮する必要がなく、できるだけ反射率を高くするのが好ましい。第2の情報層4の材料として金属材料を用いる場合には、厚さ40〜200nmの薄膜状に形成したものを用いる。
また、記録再生型の情報層は、ガイド溝又はサンプルピットが形成された基板表面上に成膜され、照射された光ビームを吸収することによって光学的な性質が変化し、かつ変化した状態が光ビームによって識別可能な薄膜からなる。この場合の情報層に用いられる記録層としては、光照射によって薄膜の状態が変化して反射率が変化する相変化材料、薄膜の磁化方向が変化しカー効果として検出可能な光磁気材料、分光反射率が変化する色素などの有機材料、フォトクロミック材料などがある。また、薄膜自身の形状が変化するものを記録層として用いることもできる。
アモルファス・結晶間で相変化する相変化材料としては、SbTe系、InTe系、GeTeSn系、GeSbTe系、SbSe系、TeSeSb系、SnTeSe系、InSe系、TeGeSnO系、TeGeSnAu系、TeGeSnSb系等のカルコゲン化合物、Te−TeO2 系、Te−TeO2 −Au系、Te−TeO2 −Pd系等の酸化物系材料を用いることができる。
また、結晶・結晶間で相変化する相変化材料としては、AgZn系、InSb系等の金属化合物を用いることができる。
光磁気材料としては、MnBi系、TbFe系、TbFeCo系の材料を用いることができる。
有機色素材料としては、例えばトリフェニルメタン系等のロイコ染料を用いることができ、フォトクロミック材料としては、スピロピラン系、フルギド系、アゾ系等を用いることができる。
尚、記録可能な情報層は、機能的には1回だけ記録が可能な追記形と、記録した情報を再度書き換えることができる書き換え形とに分類することができる。追記形の場合には、情報層として相変化材料又は有機色素材料を、基板上に1層だけ成膜すればよい。また、他の方法として、光吸収用の薄膜層と金属層の2層構造とし、光照射によって合金を形成する方法もある。
また、情報層を記録層だけで構成することも可能であるが、情報層を構成する材料が可逆的な変化を示し、かつ記録した信号の光学的変化を高めるためには、少なくとも2層の複数層で構成するのが好ましい。2層構造としては、光ビーム7の入射側から誘電体層/記録層とする構成、記録層/反射層とする構成、又は反射層/記録層とする構成などがある。また、3層構造としては、基板側から誘電体層/記録層/誘電体層とする構成、又は誘電体層/記録層/反射層とする構成などがある。また、4層構造としては、光ビーム7の入射側から誘電体層/記録層/誘電体層/反射層とする構成などがある。また、5層構造としては、基板側から第1の反射層/誘電体層/記録層/誘電体層/第2の反射層とする構成などがある。このように、記録層と誘電体層を接して設けることにより、繰り返して記録する際の薄膜の劣化を防止することができると共に、記録情報の光学的な変化を大きく設定することができる。
誘電体層としては、SiO2 、SiO、TiO2 、MgO、GeO2 等の酸化物、Si3 N4 、BN等の窒化物、ZnS、PbS等の硫化物、又はそれらの混合物材料を用いることができる。
反射層としては、再生専用型の情報層の場合に例示したすべての材料を用いることができる。
分離層5としては、第2の情報層4上で十分な光量を確保するという観点から、光ビーム7の波長領域、とりわけ第1の情報層2を透過した光に対して吸収の小さい材料であるのが望ましい。従って、分離層5としては、透明な接着剤、あるいは基板と同様のガラス材料、樹脂材料などを用いることができる。特に、第1及び第2の基板1、3が樹脂材料からなる場合には、接着後の機械的な信頼性を確保するために同系統の樹脂材料が好ましく、さらには接着に要する時間を短縮できる等の点で紫外線硬化性の樹脂材料を用いるのが望ましい。
また、分離層5の厚さd5は、一方の情報層を再生しているときに、他方の情報層からのクロストークによる影響が小さくなるように、少なくとも対物レンズ6の開口数(NA)と光ビーム7の波長(λ)とによって決定される焦点深度以上の厚さであることが必要とされる。ここで、無収差の場合の中心強度(100%)を基準として、集光点の強度が80%以上であれば、焦点深度Δzは、一般に次の式(1)で近似することができる。
Δz=λ/{2(NA)2 } (1)
例えば、λ=780nm、NA=0.55の場合には、Δz=1.3μmとなる。従って、±1.3μm以内は焦点深度内となり、この光学系を用いた場合には、分離層5の厚さd5を、2.6μmを超える値に設定するのが好ましい。
例えば、λ=780nm、NA=0.55の場合には、Δz=1.3μmとなる。従って、±1.3μm以内は焦点深度内となり、この光学系を用いた場合には、分離層5の厚さd5を、2.6μmを超える値に設定するのが好ましい。
光ビーム7が第2の情報層4に焦点を結んだ際に第1の情報層2を透過する光ビームの中に含まれる記録マークの影響が、第2の情報層4を再生する際のクロストークとなる。このため、安定な信号再生の観点からは、分離層5の厚さd5は、少なくとも焦点深度以上であるのが好ましく、さらには焦点深度の5倍であるのが好ましい。通常の再生専用の光ディスクにおいて、光記録媒体上に形成される情報ピットのピッチは、焦点深度以下である。分離層の厚さを焦点深度の5倍にすれば、光ビーム7が照射される第1の情報層2上の情報ピットの数は25個以上となり、一般的なクロストークの許容値である−26dBを十分に下回る。
また、第1及び第2の情報層2、4に形成する情報の記録密度を高く維持するためには、対物レンズ6の集光可能な範囲に第1及び第2の情報層2、4を設ける必要がある。すなわち、第1の基板の厚さd1に分離層5の厚さd5を加えたd1+d5の値が光学系(対物レンズ6)の許容する基材厚公差内にある必要がある。
従って、分離層5の厚さd5は、光ビーム7を集光する光学系の焦点深度よりも大きく、かつ前記光学系の許容する基材厚公差よりも小さい値に設定するのが好ましい。この条件を満足するならば、光ビーム7の収差が小さいという条件の下で、対象とする情報層以外の情報層からのクロストークの影響が小さい情報を再生することが可能となる。尚、分離層5の厚さd5としては、光学的な収差だけではなく、記録媒体として大量に生産する場合の歩留まりを考慮して、最適な値を選択する必要がある。上記した材料を用いて第1及び第2の基板1、3、第1及び第2の情報層2、4、分離層5を形成すれば、第1の基板1側から光ビーム7を照射することによって第1及び第2の情報層2、4から情報信号を再生することが可能な記録媒体が得られる。
次に、2つの情報層からの信号再生を安定にかつ容易に行うことができる記録媒体の構成について説明する。2つの情報層の情報信号を安定にかつ容易に再生するためには、双方の情報層から得られる信号レベルが同等であることが、再生装置の構成を簡略化できる点からも望ましい。ここでは、光ビーム7の入射側から見た場合に、2つの情報層の平面部から得られる反射光量が同等となる構成について説明する。但し、近似を容易なものとするために、第1及び第2の情報層2、4がともに再生専用型である場合を例に挙げて説明する。尚、第1の情報層2の情報ピットによる透過光の回折の影響は無視できるものとする。
第1の情報層2の反射率をR1、吸収率をA1とし、第2の情報層4の反射率をR2とする。この場合、2つの情報層からの信号振幅が同じであるときに、2つの情報層の平面部からの反射光量が等しいと仮定する。このことは、入射した光ビーム7が第2の情報層4で反射され、かつ第1の情報層2を透過した光量Tと、第1の情報層2の反射率R1とが等しいことと同等である。この場合、下記の式によって表される関係が成立する。
R1≒T (2)
R1≒(1−A1−R1)2 ×R2 (3)
R1≒1−A1+(2・R2)-1
−{[1−A1+(2・R2)-1]2
−(1−A1)2 }0.5 (4)
ここで、R1が最大となるのは、R2=1、A1=0の場合であり、R1=0.382となる。実用的なレベルとして、R2=0.9、A1=0.1とした場合には、R1=0.311となる。
R1≒(1−A1−R1)2 ×R2 (3)
R1≒1−A1+(2・R2)-1
−{[1−A1+(2・R2)-1]2
−(1−A1)2 }0.5 (4)
ここで、R1が最大となるのは、R2=1、A1=0の場合であり、R1=0.382となる。実用的なレベルとして、R2=0.9、A1=0.1とした場合には、R1=0.311となる。
これは、第1の情報層2での透過光の回折を無視し、かつ第1及び第2の情報層2、4の反射光の回折の割合を同じとした場合には、反射率R2が90%となる第2の情報層4と、反射率R1が31%でかつ吸収率A1が10%となる第1の情報層2を形成することにより、第1及び第2の情報層2、4の情報ピットから情報信号を再生した場合に信号振幅が同じになることを意味する。
上記式(2)に基づいて、2つの情報層の実用的な構成について説明する。ここで、2つの情報層からの再生振幅が同等とみなせる範囲を±20%とする。このことは、上記式(2)の右辺と左辺との差が±20%以下であることを意味する。
よって、上記式(3)にこの関係を代入すると、第1の情報層2からの再生振幅が第2の情報層4からの再生振幅よりも20%小さい場合には下記の式(5)の関係が成立し、第1の情報層2からの再生振幅が第2の情報層4からの再生振幅よりも20%大きい場合には下記の式(6)の関係が成立する。
R1=1.2×(1−A1−R1)2 ×R2 (5)
R1=0.8×(1−A1−R1)2 ×R2 (6)
ここで、情報層を上記した金属材料、あるいは誘電体材料で形成した場合の実用的な各層の特性を考慮すると、第2の情報層4の反射率R2は70〜90%の範囲にあるのが望ましく、第1の情報層2の吸収率A1は20%以下の範囲にあるのが望ましい。これらの関係を上記の式(5)、(6)に代入して計算すると、第1の情報層2の反射率R1の範囲は21〜42%となる。さらに、双方の情報層2、4からの再生振幅を大きく保つためには、第1の情報層2の吸収率A1が小さいことが望ましい。この吸収率A1の値を10%以下とすれば、第1の情報層2の反射率R1の範囲は25〜40%となる。
R1=0.8×(1−A1−R1)2 ×R2 (6)
ここで、情報層を上記した金属材料、あるいは誘電体材料で形成した場合の実用的な各層の特性を考慮すると、第2の情報層4の反射率R2は70〜90%の範囲にあるのが望ましく、第1の情報層2の吸収率A1は20%以下の範囲にあるのが望ましい。これらの関係を上記の式(5)、(6)に代入して計算すると、第1の情報層2の反射率R1の範囲は21〜42%となる。さらに、双方の情報層2、4からの再生振幅を大きく保つためには、第1の情報層2の吸収率A1が小さいことが望ましい。この吸収率A1の値を10%以下とすれば、第1の情報層2の反射率R1の範囲は25〜40%となる。
以上のように、第1及び第2の情報層2、4がともに再生専用型である場合、第1及び第2の情報層2、4からの信号振幅が同等で、かつ再生振幅を大きく保つためには、第1の情報層2の反射率R1は25〜40%の範囲にあるのが好ましい。
第2の情報層4が記録再生型の場合には、情報層の反射率が再生専用型の場合に比べ小さくなる。例えば、第2の情報層4の反射率が30%の場合には、反射率が19.5%でかつ吸収率が0%となる第1の情報層2を用いることにより、双方の情報層に光を照射した場合に対物レンズ6側に反射する光量が同じになる。尚、記録再生装置の構成については、後で詳述するが、一般に、記録媒体間の個々の差、又は記録媒体の表面の汚れ等を考慮して、再生信号振幅又は反射光量には一定の許容範囲が設けられている。従って、再生回路の精度又は装置としての安定性を考慮すると、双方の再生信号の振幅差は5倍以内であるのが望ましい。
本発明は、上記のように予め凹凸が形成された基板を接着することによって2つの情報層を備えた記録媒体を得ることを特徴としている。このため、第1の基板1の表面に形成される情報ピットのパターンは、第1の基板1の基材を通して再生できる信号形態であることが必要であり、第2の基板3の表面に形成される情報ピットのパターンは、情報ピットの表面から光を照射して再生できる信号形態であることが必要である。このため、第1及び第2の基板1、3の情報ピットパターンは、光ビーム7の入射側から見て同一方向に進行するように形成される。情報層が再生専用型の場合、情報ピットパターンの方向は、情報信号に対応した情報ピットの記録方向である。情報層が記録再生型の場合、以上の構成はガイド溝を管理するアドレス情報に適用される。
次に、第1及び第2の情報層2、4が上記構成(A)の再生専用−再生専用型の場合の記録媒体の構成について詳細に説明する。
基板の製造コストを安くするという観点からは、第1及び第2の基板1、3をできるだけ同一のプロセスで作製するのが望ましい。基板表面に情報ピットを形成するための工程としては、原盤を作る工程であるマスタリング工程と、金型内に設けられた原盤に樹脂材料を注入して情報ピットを備えた基板を形成する射出成形工程とがある。マスタリング工程は、CDやCD−ROM等において一般的に用いられている方法であるため、その詳細な説明は省略する。簡単に述べると、ガラス平板にフォトレジストを塗布し、その上から情報信号に従って変調されたArレーザ光を照射した後、フォトレジストを除去し、その上にメッキすることによって原盤を作る工程である。
マスタリング工程を同じにすれば、基板に形成される情報ピットの形状、すなわち情報ピットが平面に対して凹か凸のいずれで形成されるかの関係が同一となる。図2(a)に、同一のプロセスで形成した基板を接着して作製した光学的情報記録媒体の一例を示す。図2(a)に示すように、第1の基板1の情報ピット11は光ビーム7の入射側から見て凸の形状となり、第2の基板3の情報ピット12は光ビーム7の入射側から見て凹の形状となる。フォトレジストの性質が異なる場合には、第1の基板1の情報ピットは光ビーム7の入射側から見て凹の形状となり、第2の基板3の情報ピットは光ビーム7の入射側から見て凸の形状となる。いずれの場合にも、光ビーム7の入射側から見て、2つの情報層2、4間で情報ピットの凹凸の向きは逆となる。
以上の構成とすることにより、マスタリング工程だけでなく、基板の材質、成形プロセスも同じにすることができる。このため、生産する際に同じ機能の製造装置を2種類用意するか、あるいは1つの製造装置を併用することができるので、基板の生産設備を安価にすることができる。
上記の構成を有する記録媒体においては、光ビーム7の入射側から見て、2つの情報層2、4間でピットの凹凸の向きが逆であるため、プッシュ・プル法などのトラッキング方法を用いて情報を記録再生する場合には、情報層2、4間でトラッキングの極性を切り換える必要がある。これを避けるためには、第2の情報層4の凹凸ピットの方向を逆転させ、光ビーム7の入射側から見て凸の形状にすればよい。マスタリング工程でフォトレジストの現像特性が逆転したものを用いるか、あるいは従来の方法で得た原盤を再度転写することによって得られる第2の原盤を用いて第2の基板4を作製すれば、2つの情報層2、4間で凹凸の方向が逆のピットが得られる。
次に、第1及び第2の基板1、3の情報ピットの大きさについて説明する。第2の基板3に形成されるピットの大きさは、第1の基板1の光ビーム7の入射側の面から第1及び第2の情報層2、4の面までの距離が、光ビーム7を集光する光学系の許容する基材厚公差ΔWd内にあるか否かによって2つに大別される。尚、この基材厚公差ΔWdは、光ビーム7の球面収差によって決定され、一般に、対物レンズ6(図1参照)の開口数(NA)の4乗に反比例する。例えば、波長λ=780nm、開口数NA=0.5の光学系では、基材厚公差ΔWdは50μm程度の値となる。但し、この基材厚公差ΔWdは、ピットの密度、すなわちピット間隔に依存し、ピット間隔が大きい場合には、球面収差が生じたとしても信号再生が可能となり、許容幅が大きくなる。
第1の基板1の光ビーム7の入射側の面から第1及び第2の情報層2、4の面までの距離がともに、集光光学系とピット密度で決定される基材厚公差ΔWd内にある場合の構成を図2(a)に示す。この場合の主な課題は、第1の情報層2上の情報ピット11と第2の情報層4上の凹凸ピット12とで、照射した光ビーム7を反射する領域に差が生じるということである。なぜなら、第1の情報層2では第1の基板1と接した領域が主たる反射面となり、第2の情報層4では分離層5との界面が主たる反射面となるからである。
第1の基板1上の情報ピット11のピット幅をW11とし、第2の基板3上の情報ピット12のピット幅をW12とした場合、主たる反射面の幅は、第1の情報層2ではピット幅W11であるのに対し、第2の情報層4では分離層5との界面におけるピット幅W13となる。製法にも依存するが、一般的に用いられているスパッタリング法等によって基板上に情報層を成膜する場合、薄膜は基板の表面に垂直な方向だけに形成されるのではなく、情報ピットの斜面に対しても回り込んで形成される。従って、第2の基板3上の情報ピット12のピット幅W12に対して、分離層5との界面でのピット幅W13は小さな値となる。このため、情報ピットによる反射光の回折を同等とするには、第2の基板3上の情報ピット12のピット幅W12を、第1の基板1上の情報ピット11のピット幅W11よりも大きな値に設定する必要がある。
第2の基板3上の情報ピット12のピット幅W12は、実際に第2の情報層4を成膜し、その結果に基づいて補正される。本発明者等は、Auを用いて第2の情報層4を成膜する実験を行った。第2の基板3のピット幅W12=0.50μm、深さ90nmの情報ピット上に、反射率が90%以上となる厚さ150nmのAu層(第2の情報層4)を成膜し、分離層5との界面に相当する第2の情報層4の形状を測定したところ、ピット幅はW13=0.3μm、深さは90nmであった。ここに示した条件で第2の情報層4を成膜する場合、第2の基板3の表面に形成する情報ピットの形状は、第2の情報層4によるピット形状の変化を考慮して、ピット幅W12=0.70μmとする。この場合、第1の基板1には、ピット幅W11=0.50μm、深さ90nmの情報ピットを形成する。このように、第2の基板3上の情報ピット12は、第2の情報層4の膜厚による情報ピットの実質的なピット幅の減少分を考慮して、第1の基板1の情報ピットよりも大きく形成される。尚、この場合、第1及び第2の基板1、3の表面に形成される情報ピットのトラックピッチTp1、及びピット密度は同じ値である。
第2の基板3を形成するためのマスタリング工程においては、情報ピットの大きさを第1の基板1の場合よりも大きくするために、フォトレジストを露光する光源のパワーがわずかに高めに設定される。第1及び第2の基板1、3を形成する他の工程は同じである。
尚、ここでは、第1及び第2の基板1、3間でピット幅を異ならせる場合を例に挙げて説明したが、情報層を成膜する際の条件によっては、基板のピットの斜面の傾斜角と成膜した情報層の斜面の傾斜角とが異なる場合も考えられる。このような場合には、第1及び第2の基板1、3間でピットの深さを変化させるか、又はピット幅とピット深さの双方を変化させる。以上のように構成すれば、第1及び第2の情報層2、4間で生じる入射した光ビーム7に対する反射光の回折を近づけることが可能となり、安定した信号再生が可能となる。
図2(b)に、2つの情報層のいずれかの層が集光光学系の基材厚公差外となる場合の構成を示す。この場合の主な課題は、基材厚公差ΔWd外にある情報層に光ビーム7を集光した場合に、球面収差によって光スポットを十分に集光することができないという点である。2つの情報層のいずれかの層が集光光学系の基材厚公差ΔWd外となる現象は、情報層上の情報の密度を高めるために光ビーム7の波長を短くし、対物レンズの開口数(NA)を高めた場合に基材厚公差ΔWdが小さくなることに起因して発生する。また、この現象は、分離層5を形成する際に薄い分離層が得にくいか、あるいは分離層5の膜厚精度が低い場合に発生する。
この場合には、基材厚公差ΔWd外となる情報層を備えた基板の表面のピット密度を、基材厚公差ΔWd内にある情報層を備えた基板のピット密度よりも小さくすればよい。図2(b)は、第1の情報層2が基材厚公差ΔWd内にあり、第2の情報層4が基材厚公差ΔWd外にある場合の構成例を示す。第1の基板1上の情報ピットは、所定のピット幅W11を有し、トラックピッチはTp1、ピット密度はPd1である。第2の基板3上の情報ピット14は、所定のピット幅W14を有し、トラックピッチはTp3、ピット密度はPd3である。ここで、第2の情報層4における光ビーム7の球面収差による絞りの悪化分を考慮して、第2の基板3の情報ピット14のピット幅W14、トラックピッチTp3を第1の基板1の値よりも大きく設定する。
以上のように構成すれば、第2の情報層4が光ビーム7の集光光学系の基材厚公差ΔWd外にあったとしても、ピット部で第1の情報層2と同様の反射光量変化が得られ、安定した信号再生が可能となる。
次に、基板表面の情報ピット、あるいはガイド溝のトラック方向の形成パターンについて説明する。第1及び第2の基板1、3上に形成する情報ピットは同心円状でもよいが、マスタリング時のトラックピッチ等の精度を同心円の場合よりも高くできるという点で、従来の光ディスクの場合と同様にスパイラル状であるのが望ましい。このスパイラル状の凹凸ピット列の構成には、用途に応じて2種類ある。
第1の構成は、第1及び第2の基板1、3上の凹凸ピット列が、光の入射側から見て同一方向に進行する場合である。この場合には、いずれの情報層の情報ピットにトラッキングしたとしても、光ビームは内周から外周への1方向、あるいは外周から内周への1方向に移動する。例えば、光ビームが内周から外周へ移動する構成とした場合には、再生方式として、いずれかの情報層の内周部において管理情報を検出し、情報層間を含めて目的とする情報領域にアクセスする方式を採用することができる。従って、この構成は、高速アクセスを要求される記録媒体に適した構成と言える。
以上の構成を可能とする第2の基板3を得る方法としては、上記したように、原盤を再度転写した第2の原盤を用いて情報ピットの方向を反転させる方法がある。すなわち、フォトレジストを用いて作製した原盤の表面を第2の原盤に転写することにより、凹凸が逆方向で、かつスパイラル方向が逆のピット列が得られる。この第2の基板3と第1の基板1とを分離層5を介して接着すれば、光の入射側から見てスパイラル方向が同一の記録媒体が得られる。
第2の原盤を作製するプロセスを省略する場合には、マスタリング工程時の記録方向を変更することにより、光の入射側から見てスパイラル方向が同一の第1及び第2の情報層2、4を得ることができる。すなわち、フォトレジストの露光時に、ガラス平板の回転方向を、第1の基板1の原盤作製時とは逆方向とすることにより、光の入射側から見てスパイラル方向が同一の第1及び第2の情報層2、4が得られる。但し、この場合、光の入射側から見た情報ピットは第1及び第2の情報層2、4間で逆となる。
第2の構成は、第1及び第2の基板1、3上の凹凸ピット列が、光の入射側から見て逆方向に進行する場合である。この場合には、いずれの情報層の情報ピットにトラッキングしたかに応じて、光ビームの移動方向(内周から外周あるいは外周から内周)が逆になる。
この構成は、長時間の連続した情報を取り扱う場合に有効である。例えば、光ビームが第1の情報層2の情報ピットを内周から外周へ移動し、第2の情報層4の情報ピットを外周から内周へ移動する構成とした場合を例に挙げて説明する。この場合、光ビームは、第1の情報層2の外周部における最終情報を再生した後、第2の情報層4の外周部に移動する(すなわち、光ピックアップが、同一位置のまま第2の情報層4の情報の開始点にアクセスする)。そして、光ビームは、引き続いて第2の情報層4の外周部から情報の再生を開始する。この情報再生方法は、光ビームが層間を移動する際に光ピックアップの移動を伴わないため、その間の時間的ロスが少ないという点で有効な方法である。さらに、記録ピットがCLVモード(定線速度モード)である場合には、光ピックアップの位置が変わらないため、回転数の変更も小さくできるという点で有効な方法である。
以上の構成を可能とする第2の基板3のマスタリング方法としては、第1の基板1の原盤作製時の露光工程とは信号の記録開始点を反対にする方法がある。第1の基板1の情報の記録開始が内周側からである場合には、外周側から露光を行った原盤を用いる。但し、このようにして得られた第1及び第2の基板1、3を用いて作製した記録媒体においては、光の入射側から見て第1及び第2の基板1、3の情報ピットの方向が逆となるので、情報層間でトラッキングの極性を切り替える必要がある。
第2の基板3の他のマスタリング方法としては、ガラス平板の回転方向を、第1の基板1の原盤作製時とは逆とした状態で、上記と同様に外周側から露光を行う方法がある。このようにして得られた第1及び第2の基板1、3を用いて作製した記録媒体においては、光の入射側から見て第1及び第2の基板1、3の上方ピッの方向が同一となるので、情報層間でトラッキングの極性を切り替える必要はない。
次に、再生専用型の情報層と記録再生型の情報層とを備えた上記構成(B)の再生専用−記録再生型、上記構成(C)の記録再生−再生専用型について説明する。
上記構成(B)と上記構成(C)を比較した場合、上記構成(B)のように第1の情報層を再生専用型とし、第2の情報層を記録再生型とする方が、第1の情報層での光吸収を小さく設定できるという点で有利である。上記構成(C)のように第1の情報層が記録再生型である場合には、情報層に記録するための光吸収が必要である。また、この場合には、第1の情報層2に信号を記録した際に、記録マーク自身による透過光の回折が発生する。このため、第2の情報層4に到達する光量が低下する。
図3は、上記構成(B)の再生専用−記録再生型の光学的情報記録媒体の構成の一例を示す断面図である。図3に示すように、厚さd31の第1の基板31の片側の表面には、情報信号に従って情報ピット38が形成されている。さらに、第1の基板31の片側の表面には、所定の透過率と所定の反射率を有する厚さd32の薄膜からなる第1の情報層32が成膜されている。また、厚さd33の第2の基板33の片側の表面には、トラッキング用のガイド溝39又はサンプルピットが形成されている。さらに、第2の基板33の片側の表面には、光ビーム7の照射によって光学的な性質が変化する厚さd34の薄膜からなる第2の情報層34が成膜されている。また、第1の情報層32と第2の情報層34との間には、これら第1の情報層32と第2の情報層34を一定の距離d35だけ離して配置するための透明な分離層35が介在されている。
第1の情報層32は、第2の情報層34に所定の強度の光が到達するように、光ビーム7に対して所定の透過率を有している。第2の情報層34は、光ビーム7の強度を高めた光照射によって照射部が昇温する。これにより、第2の情報層34の光学的な性質が変化し、第2の情報層34に情報が記録される。このため、第2の情報層34は、光ビーム7に対して吸収率が高く、かつ光学的な変化が大きい、すなわち記録状態の信号再生の効率が高いことの双方を満足する構成となっている。
第1の情報層32は再生専用型であるため、第1の基板31の表面には、情報信号に従って変調されたパターンからなる情報ピット38が形成されている。一方、第2の情報層34は記録再生型であるため、第2の基板33の表面には、情報を記録する際に光ビームの位置決めを行うトラッキング制御用の凹凸からなるガイド溝、又はサンプルサーボ方式のトラッキングに対応してトラック方向に左右にずれた一対の凹凸からなるサンプルピット(図示せず)が形成されている。また、上記基板がディスク形態である場合、これら情報ピット、ガイド溝又はサンプルピットは、螺旋状に形成され、かつ螺旋の方向が光ビーム7の入射側から見て同一であるのが望ましい。
次に、上記構成(D)の記録再生−記録再生型の情報層を備えた記録媒体について、図4を用いて説明する。図4に示すように、厚さd41の第1の基板41の片側の表面には、トラッキング用のガイド溝48又はサンプルピットが形成されている。さらに、第1の基板41の片側の表面には、所定の透過率と所定の反射率を有し、かつ光ビーム7の照射によって光学的な性質が変化する厚さd42の薄膜からなる第1の情報層42が成膜されている。また、厚さd43の第2の基板43の片側の表面には、トラッキング用のガイド溝49又はサンプルピットが形成されている。さらに、第2の基板43の片側の表面には、光ビーム7の照射によって光学的な性質が変化する厚さd44の薄膜からなる第2の情報層44が成膜されている。また、第1の情報層42と第2の情報層44との間には、これら第1の情報層42と第2の情報層44を一定の距離d45だけ離して配置するための透明な分離層45が介在されている。
この場合にも、基板表面上の構造として、再生専用型の情報層の情報ピットに対して用いた構成を適用するのが有効である。特に、ガイド溝又はサンプルピットと共に基板の表面に形成される記録媒体を管理するためのアドレスピットには、上記した再生専用型の情報ピットに対して用いたすべての方法を適用することができる。
記録再生に用いる情報層には、上記構成(B)の再生専用−記録再生型の場合に用いた情報層を適用することができる。但し、第1の情報層42には、光ビーム7を一定量だけ吸収し、昇温することによってその状態が変化し、変化した状態が反射光の変化として検出できること、及び第2の情報層44が記録再生可能なように一定量の光を透過することが必要とされる。さらに、第1の情報層42には、情報を記録した後においても、同様に一定量の光を透過する特性を維持することが必要とされる。このように、第1の情報層42には、単に信号の品質が高いだけでなく、情報の記録前後の透過率を考慮した薄膜設計が必要とされる。
第1の情報層42を構成する薄膜は、相変化材料のように、薄膜の光学定数が変化し、変化した状態が反射率の変化として検出される。この第1の情報層42に情報が記録された状態で、第2の情報層44に光ビームを集光する場合には、第1の情報層42上を透過した光の一部が回折され、残りのビームが第2の情報層44に集光される。このため、光ビーム7の強度は、再生専用型の場合よりも高く設定する必要がある。
一方、信号再生の観点からは、分離層45の厚さd45を焦点深度以上、少なくとも焦点深度の5倍とすれば、第1の情報層42を透過する際の光ビームの中に含まれる記録マークの数はその2乗の25以上となり、クロストークなどの影響が小さくなる。
尚、第1の情報層42を、薄膜の磁化方向が変化する光磁気記録方式とした場合には、透過光が回折することはない。このため、上記のような記録前後における透過光の変化を考慮する必要はないので、有利である。しかし、記録のために第1の情報層42は一定の光吸収を行う必要がある。従って、照射する光の光量は再生専用型の場合よりも高く設定する方が望ましい。
光記録媒体の特徴として、再生専用型の媒体と記録再生型の媒体を共存させることができるという点がある。また、同一媒体面上において、例えば内周領域に再生専用の領域を設け、外周領域に記録再生領域を設ける、いわゆるパーシャルROMディスクを作製することも可能である。
次に、ここまで述べてきた表面に凹凸を備えた2枚の基板を接着する記録媒体を更に拡張した、4つの情報層を備えた記録媒体について、図5を用いて説明する。
図5に示すように、第1の基板58の片側の表面には、情報信号に対応した情報ピット、光ビームのトラッキング制御を行うためのガイド溝、あるいはサンプルピットが形成されている。さらに、第1の基板58の片側の表面には、この第1の基板58に入射した光ビーム7の1部を透過し、かつ所定の反射率を有する第1の情報層59が成膜されている。第2の基板60の片側の表面には、情報信号に対応した情報ピット、光ビームのトラッキング制御を行うためのガイド溝、あるいはサンプルピットが形成されている。さらに、第2の基板60の片側の表面には、第1の情報層59の反射率よりも高い反射率を有する第2の情報層61が成膜されている。第1の情報層59と第2の情報層61とは対向して配置されており、これら第1の情報層59と第2の情報層61との間には、少なくとも1層の第1の分離層62が介在されている。第1の基板58と同等の厚さを有する第3の基板63の片側の表面には、情報信号に対応した情報ピット、光ビームのトラッキング制御を行うためのガイド溝、あるいはサンプルピットが形成されている。さらに、第3の基板63の片側の表面には、この第3の基板63に入射した光ビームの1部を透過し、かつ所定の反射率を有する第3の情報層64が成膜されている。第2の基板60と実質的に同等の厚さを有する第4の基板65の片側の表面には、情報信号に対応した情報ピット、光ビームのトラッキング制御を行うためのガイド溝、あるいはサンプルピットが形成されている。さらに、第4の基板65の片側の表面には、第3の情報層64の反射率よりも高い反射率を有する第4の情報層66が成膜されている。第3の情報層64と第4の情報層66とは対向して配置されており、これら第3の情報層64と第4の情報層66との間には、第1の分離層62と同等の厚さを有する少なくとも1層の透明な第2の分離層67が介在されている。また、第2の基板60と第4の基板65とは対向して配置されており、これら第2の基板60と第4の基板65との間には接着層68が介在されている。
上記構成の記録媒体は、接着層68を中心として上下対称な構造であることから、環境温度の変化などに対しても安定な構造であると言える。
以下、複数の情報層を備えた記録媒体の製造方法及び製造装置について説明する。
2つの情報層のそれぞれを再生する場合に、2つの情報層の間隔が小さすぎると、他方の情報層の反射光あるいは透過光によって生じるクロストークによる再生信号の振幅変動、又はサーボ信号歪等の影響を受ける。逆に、2つの情報層の間隔が大きい場合には、いずれかの情報層で集光スポットに収差が発生する。これらの影響を小さくするためには、2つの情報層の間隔を一定の値に保つ必要があるが、このためには厚み精度の高い分離層を得ることが必要である。また、2つの情報層のそれぞれの表面に形成された情報ピット、サンプルピットあるいはガイド溝の円弧の中心位置がそれぞれ一致するように、両基板を接着することが必要である。但し、これは、記録媒体が円盤状で、回転状態で記録が行われる形態のものに限られる。2つの情報層を備えた媒体の場合には、1つの情報層を備えた媒体の場合に偏心許容量に、さらに各情報層間の中心位置ずれによる第2の偏心が加わった形でトラッキング制御を行う必要がある。本発明は、この第2の偏心をできる限り制御し、記録媒体としてのトラッキングサーボを補償しようとするものである。
このような観点に立って、ここでは2つの基板の製造方法について説明する。但し、第1の基板はすべて従来と同じ方法で形成することを基本とする。すなわち、第1の基板は、マスタリング工程において原盤を作製し、金型内で射出成形を行うことによって得られる。第2の基板については、第1の基板と同じ工程を用いる場合と、情報ピットの凹凸を反転させるために原盤を再度複製した第2の原盤を用いる場合とがある。射出成形については、第1の基板の場合と同様の工程を用いることができる。尚、本実施例で用いる射出成形器においては、原盤上に形成されたスパイラル状又は同心円状の情報ピット及びガイド溝の中心と、第1及び第2の基板の中心孔を形成するセンター孔形成器の中心位置とが予め高い精度で一致している。この射出成形器を用いれば、中心孔と情報ピット又はガイド溝の中心の位置ずれの小さい第1及び第2の基板が得られる。
次に、第1及び第2の基板間を所定の厚さの分離層を用いて接着する接着装置について説明する。図6は接着装置の概略断面図である。図6に示すように、本接着装置は、第2の基板3を支持するための上部支持部61と、第1の基板1を支持し、かつ分離層を硬化させるための光源81を内臓した下部支持部62と、上部支持部61を昇降させるための昇降部63と、分離層を形成する樹脂材料80を第1の基板1に塗布するための樹脂塗布ノズル64と、系全体を支持するためのベース65とにより構成されている。
上部支持部61は、第2の基板3の平面で接して第2の基板3を固定する基板支持部66aと、基板支持部66aと昇降部63を連結する上部ベース部66bと、基板支持部66aの中央部に下方に突出して設けられ、下部支持部62の位置関係を補正するために先端にテーパ状の凹部が形成された上部シャフト84と、テーパ部によって第2の基板3の位置を調整する第1の内径案内部68とにより構成されている。尚、上部シャフト84の周囲には、第1の内径案内部68を一定の力で下方に押圧するスプリング69が設けられている。また、基板支持部66aの第2の基板3と接する領域には、第2の基板3を真空吸着によって固定するための吸着穴71が形成されており、基板支持部66aの内部に形成された排気穴70を通じて外部のポンプに排気する構造となっている。
一方、下部支持部62は、第1の基板1を支持する基板支持部72と、ベース75に基板支持部72を固定し、かつ光源81を収容する光源ボックス73と、光源ボックス73の中央部に上方に突出して設けられ、上部シャフト84の凹部と対向するように先端にテーパ状の凸部が形成された下部シャフト74と、テーパ部によって第1の基板1の位置を調整する第2の内径案内部75とにより構成されている。尚、下部シャフト74の周囲には、第2の内径案内部75を一定の力で上方に押圧するスプリング46が設けられている。
光源81は、分離層を形成する樹脂材料80を硬化させるためのものであり、光源ボックス73の底面部でかつ基板支持部72の直下に配置されている。このため、基板支持部72は、光源81からの光を透過する材料、例えばガラス、あるいは樹脂材料などで形成されている。さらに、基板支持部72の第1の基板1と接する領域には、第1の基板1を真空吸着によって固定するための吸着穴78が形成されており、光源ボックス73の内部に形成された排気穴77を通じて外部のポンプに排気する構造となっている。光源ボックス73の第1の基板1よりも外側の位置で、かつ基板支持部66aと対向する位置には、分離層の厚さd5を得るためのスペーサ79が設けられている。
樹脂塗布ノズル64は、外部の樹脂保存漕から押し出された樹脂材料80を先端から押し出し、第1の基板1上に塗布する。ここで、樹脂塗布ノズル64の先端は、第1の基板1の中心軸を中心として、第1の基板1の半径の約2/3を半径とする円周上を移動するようにされている。尚、樹脂塗布ノズル64は、樹脂材料80を第1の基板1上に塗布する時以外は下部支持部62上の領域から待避する。
図7に、本接着装置において所定の厚さの分離層を得るための構成を示す。図7は、図6に示した接着装置において、上部支持部61が下降し、第1の基板1と第2の基板3とが分離層5を介して接着された状態を示す一部断面図である。分離層5の厚さd5を得るために、第1及び第2の基板1、3の外周の近傍に厚さd79のスペーサ79が設けられている。スペーサ79の厚さd79は次の式が成立する値とする。
d79=d1+d3+d5 (7)
ここで、d1は第1の基板1の厚さ、d3は第2の基板3の厚さである。
ここで、d1は第1の基板1の厚さ、d3は第2の基板3の厚さである。
一方、第1及び第2の基板1、3の内周部においても厚さd5の分離層5を得るために、上部シャフト67と下部シャフト74の長さd67、d74を、基板支持部66aの厚さをd65、光源ボックス73の厚さをd73とした場合に、次の式が成立する値とする。
d67+d74=d65+d73+d1+d3+d5 (8)
これら各部の値の精度を高めれば、内周から外周部にわたって厚さムラの小さい分離層5が得られる。
これら各部の値の精度を高めれば、内周から外周部にわたって厚さムラの小さい分離層5が得られる。
図6、図8を用いて、本接着装置において第1及び第2の情報層間で偏心の少ない接着を行うための構成を説明する。上部支持部61と下部支持部62とは、上部シャフト84の凹部のテーパ部82と下部シャフト74の凹部のテーパ部83によりその中心位置が調整される。昇降部63によって上部支持部61が下降した場合、初めに上部シャフト84の凹部のテーパ部82と下部シャフト74の凹部のテーパ部83とによって上部支持部61と下部支持部62の中心位置が補正され、最下点で両シャフト67、74の水平面が接した状態で、上部支持部61と下部支持部62の中心位置のずれは両シャフト67、74の加工精度で決まる数μm以下となる。
第1及び第2の基板1、3と上部シャフト84、下部シャフト74との位置関係を一定に保つために、両シャフトの84、74の円柱部に接し、かつシャフト84、74と同じ中心軸を有する第1及び第2の内径案内部68、75が設けられている。第1及び第2の内径案内部68、75は、先端の直径D68、D75がそれぞれ基板3、1の中心孔の直径D3、D1よりも小さく、他端の直径D69、D76が基板3、1の中心孔の直径D3、D1よりも大きいテーパ状に形成されている。また、第1及び第2の内径案内部68、75は、それぞれ上部シャフト84、下部シャフト74の上下方向に移動可能であり、両シャフト84、74の周囲に設けられたスプリング69、76によって第2の基板3を押し下げ、第1の基板1を押し上げる方向に力を加える。上記したように、第1及び第2の基板1、3の直径D1、D3の中心孔は、射出成形器により高い位置精度で形成される。この基板3、1の中心孔は、第1及び第2の内径案内部68、75のテーパ部によって受けられる。基板3、1は、基板支持部66a、72に形成された吸着穴71、78を通じて吸着され、第1及び第2の内径案内部68、75のテーパ部が基板3、1の中心孔に接した状態で、基板3、1が基板支持部66a、72の表面に固定される。これにより、第2の基板3の情報層の中心軸と上部支持部61の中心軸は、機械精度に近い値で一致する。同様に、第1の基板1の情報層の中心軸と下部支持部62の中心軸も、機械精度に近い値で一致する。この状態で上部支持部61を下降させれば、上部シャフト84のテーパ部82と下部シャフト74のテーパ部83とにより、第1の基板1の情報層の中心軸と第2の基板3の情報層の中心軸を一致させることができる。
以上の構成を有する接着装置を用いれば、2つの情報層のそれぞれの表面に形成された情報ピット、サンプルピットあるいはガイド溝の円弧の偏心ずれの小さい記録媒体を得ることが可能となる。
次に、2つの情報層を備えた光記録媒体の製造方法について、図6の接着装置と図9の工程図を用いて説明する。
まず、図9(a)に示すように、片側の表面に情報信号に対応した情報ピット、光ビームのトラッキング制御を行うためのガイド溝、あるいはサンプルピットのいずれかが形成された第1の基板1上に、光ビームの1部を透過し、かつ所定の反射率を有する第1の情報層2のスパッタリング又は蒸着法によって成膜する。また、図9(b)に示すように、片側の表面に情報信号に対応した情報ピット、光ビームのトラッキング制御を行うためのガイド溝、あるいはサンプルピットのいずれかが形成され、かつ第1の基板1と実質的に同じ厚さを有する第2の基板3上に、第1の情報層2の反射率よりも高い反射率を有する第2の情報層4をスパッタリング又は蒸着法によって成膜する。次いで、接着装置の基板支持部72に第1の基板1を固定し、図9(c)に示すように、樹脂塗布ノズル64を用いて第1の情報層2上に光硬化性の樹脂材料80を塗布する。次いで、接着装置の基板支持部66aに第2の基板3を装着し、昇降部63によって上部支持部61をスペーサ79に接するまで下降させ、第2の基板3と第1の基板1を分離層5の厚さd5の間隔で接着する(図9(d))。次いで、図9(e)に示すように、光源81からの光73を第1の基板1側から照射し、樹脂材料80を硬化させて分離層5を形成する。以上の工程により、2つの情報層2、4を備えた記録媒体が得られる。
以上のような方法を採用すれば、原盤を剥離する工程が不要で、単に予め形成された情報ピット面を有する基板を接着することにより、2層構造の記録媒体を得ることができる。その結果、製造時の歩留まりが向上する。
尚、ここでは、樹脂材料80を第1の情報層2上に塗布する場合を例に挙げて説明したが、第2の情報層4上に樹脂材料80を塗布してもよい。
次に、4つの情報層を備えた光記録媒体の製造方法について、図6の接着装置と図10の工程図を用いて説明する。
まず、図10(a)に示すように、片側の表面に情報信号に対応した情報ピット、光ビームのトラッキング制御を行うためのガイド溝、あるいはサンプルピットのいずれかが形成された第1の基板59上に、光ビームの1部を透過し、かつ所定の反射率を有する第1の情報層59をスパッタリング又は蒸着法によって成膜する。また、図10(b)に示すように、片側の表面に情報信号に対応した情報ピット、光ビームのトラッキング制御を行うためのガイド溝、あるいはサンプルピットのいずれかが形成された第2の基板60上に、第1の情報層59の反射率よりも高い反射率を有する第2の情報層61を成膜する。
次いで、接着装置の基板支持部72に第1の基板58を固定し、図10(c)に示すように、樹脂塗布ノズル64を用いて第1の情報層59上に光硬化性の樹脂材料80を塗布する。次いで、接着装置の基板支持部66aに第2の基板60を装着し、昇降部63によって上部支持部61をスペーサ79に接するまで下降させ、第2の基板60と第1の基板58を分離層62の厚さd62の間隔で接着する。次いで、光源81からの光102を第1の基板58側から照射し、樹脂材料80を硬化させて第1の分離層62を形成する(以上、図10(d))。以上の工程により、第1の片側2層媒体101が得られる。
この方法において、図9の工程と異なる点は、図9では厚さが同等の第1及び第2の基板1、3を接着していたのに対し、本構成では、第1の基板58と接着する第2の基板60の厚さが限定されない点である。この場合には、接着装置におけるスペーサ79の厚さ及び上部シャフト84、下部シャフト74の長さを変更する必要がある。
図10(a)〜(d)と同様の工程(図10(e)〜(h))により、第3の基板63と第4の基板65を接着した第2の片側2層媒体103が得られる。図10(e)〜(h)中、64は第3の情報層、66は第4の情報層、67は第2の分離層、104は光源81からの光である。この場合、第1の基板58の厚さと第3の基板63の厚さは実質的に等しいのが好ましく、また、第2の基板60の厚さと第4の基板65の厚さは実質的に等しいのが好ましい。尚、第2及び第4の基板60、65の形成方法としては、必ずしも第1及び第3の基板58、63と同じ形成方法を用いる必要はなく、記録媒体として全体の基材厚さを薄く保つために、薄型化が容易な例えば光重合法を用いて形成してもよい。
次いで、図6に示す接着装置と同様の構造の接着装置を用いて、上記第1の片側2層媒体101と上記第2の片側2層媒体103を接着する。まず、図10(i)に示すように、第1の片側2層媒体101の第2の基板60上に光硬化性の樹脂材料105を塗布する。次いで、図10(j)に示すように、第2の基板60と第4の基板65とを接着し、続いて光源81からの光106を第1の基板58側から照射することによって樹脂材料105を硬化させ、接着層68を形成する。以上の工程により、4層構造の記録媒体が得られる。但し、図10(j)に示した接着工程では、図6の接着装置のスペーサ79及び上部シャフト84、下部シャフト74の長さを、記録媒体の全体の厚さ、第1及び第2の分離層62、67の厚さ、第1〜第4の情報層59、61、64、66の厚さに応じて変更することが必要である。また、図10(j)の露光時においては、光源81からの光106が第1及び第2の情報層59、61を透過した後に、樹脂材料105に到達することとなるので、例えば図9(e)、図10(d)又は図10(h)に示した露光工程の場合よりも、光量を大幅に高めた光106を照射することが必要である。
尚、第1及び第2の片面2層媒体101、103を接着する際に用いる樹脂材料105としては、光ビームに対して吸収を示すものでもよく、また、必ずしも光硬化性の樹脂を用いる必要はない。例えば、熱硬化性樹脂、ホットメルト接着剤あるいはその他の接着剤を用いることもできる。従って、図10(j)の工程においては、光照射は必須ではない。
以上のような方法を採用すれば、原盤を剥離する工程が不要で、単に予め形成された情報ピット面を有する基板を、順次接着することにより、4層構造の記録媒体を得ることができる。その結果、製造時の歩留まりが向上する。この4層構造の記録媒体は、2層構造の記録媒体を得るために必要な接着工程を、3回繰り返すことによって得られる。すなわち、4層構造の記録媒体は、基本的に同一の製造装置を用いることによって実現することができ、2層構造の記録媒体の場合とほぼ同様の方法によって実現することができる。
次に、上記の方法で作製した本発明の光学的情報記録媒体の記録再生を行う記録再生装置について、図11を用いて説明する。図11に示すように、本記録再生装置は、基本的に、複数の情報層を備えた光学的情報記録媒体である光ディスク111と、光ディスク111を回転させるスピンドルモータ112と、レーザ光等の光源121から発生した光ビームを集光する光ピックアップ部113と、スピンドルモータ112及び光ピックアップ部113を制御する5つの回路系とにより構成されている。第1の回路系は、光ピックアップ部113の光源121を駆動する光変調系114である。第2の回路系は、光ピックアップ部113から出射した光を光ディスク111上に集光させ、かつ情報ピットあるいはガイド溝上に光ビームを追従させるトラッキング等の光ビームの動作を制御する制御系115である。第3の回路系は、光ディスク111上に形成された情報信号を読み取るための信号再生系116である。前記3つの各回路系の少なくとも1つは、それぞれの情報層に対して最適な条件を設定することができるように、2種類以上の条件設定機能を備えている。第4の回路系は、光ビームがいずれの情報層を追従するかに応じて、前記3つの回路系の条件を切り換える層選択系117である。第5の回路系は、前記4つの回路系の動作のタイミングを制御するシステム制御系118である。
本発明は、複数の情報層に情報を記録するか、あるいは記録された情報を再生するに当たり、層選択系117を用いて、上記の回路系の条件を最適に選択することにより、複数の情報層にエラーの少ない情報を記録したり、複数の情報層からエラーの少ない情報を再生したりすることを可能にする。
光ディスク111から情報信号を再生する際には、システム制御系118が回転制御部119を制御し、スピンドルモータ112を駆動して、光ディスク111を一定の速度で回転させる。また、システム制御系118から再生状態であることを示す制御信号がレーザ駆動部120に入力され、光ピックアップ部113から出射する光の強度がシステム制御系118の指示する再生パワー値となるように、光源121に流れる電流が制御される。光源121から放射された光ビームは、光ピックアップ部113の光学系と最終の対物レンズ122とを経て集光ビームとなり、光ディスク111に照射される。
光ディスク111で反射された光ビームは、再び対物レンズ122、光ピックアップ部113内の光学系を経て、複数に分割された受光面を有する光検出器123に入射する。光検出器123は、入射した光を光電変換し、各受光面の光量の変化に対応した電圧の信号を信号再生系116に出力する。光検出器123からの出力信号は、プリアンプ124によって増幅され、その中の低周波数成分によって光ビーム位置の制御が行われる。
フォーカス制御部126は、光検出器123の各受光面からの出力信号の一部を用いてフォーカス誤差信号を得、その信号によってボイスコイル125を駆動する。これにより、対物レンズ122が光ディスク111の面に対して垂直方向に僅かに移動するように制御され、光ディスク111上の情報層上に光ビームが集光する。システム制御系118は、制御信号S03に従ってフォーカシングする情報層を指定する層選択信号を層選択系117に出力し、層選択系117は光変調系114、制御系115、信号再生系116の動作を情報層に応じて切り換える。これにより、光ディスク111上のいずれかの情報層の信号を再生することが可能となる。
層識別部132は、2値化部130の出力信号から層識別信号を復調し、いずれの情報層がフォーカス状態にあるかを識別する。フォーカス状態にある情報層が対象とする情報層でない場合には、フォーカスジャンプ回路133がフォーカス位置を情報層間で順次移動させる。フォーカスジャンプ回路133は、ボイスコイル125を光ディスク111に対して垂直方向に瞬時に移動させるためのパルス電圧を、フォーカス制御部126の出力信号に重畳する。これにより、対象とする情報層に光ビームを集光することが可能となる。
トラッキング制御部127は、情報ピットあるいはガイド溝を光ビームが追従するように、光検出器123の他の出力信号の組合せからトラッキング制御信号を得、その信号によってボイスコイル125を光ディスク111の半径方向に僅かに移動させる。再生専用型の情報層を再生する場合には、層選択系117の指示により、極性反転器128が情報層間でトラッキング極性の切り換えを行い、光ビームが再生専用型の情報層の情報ピットを再生するように、位相差法又は3ビーム法などを用いてトラッキングを行う。一方、記録再生型の情報層を再生する場合には、層選択系117の指示により、極性反転器128が情報層間でトラッキング極性又はトラッキング方法の切り換えを行い、光ビームが記録再生型の情報層の情報ピットを再生するように、情報層がガイド溝を備えている場合にはプッシュ・プル法を用いて、また情報層がウォブルピットで構成されている場合にはサンプルサーボ法を用いてトラッキングを行う。情報層の種類に応じてトラッキング方法を切り換えることにより、両方の情報層の記録密度を高めることができる。
トラッキングジャンプ回路129は、ボイスコイル125を光ディスク111の半径方向に瞬時に移動させるためのパルス電圧を、トラッキング制御部127の出力信号に重畳する。これにより、対象とするトラック上に光ビームを移動させることが可能となる。
トラッキング制御部127からの出力により、極性反転器128は、情報層の情報ピットの形成方向、あるいはガイド溝のランドとグルーブのいずれの面に光ビームを追従させるかに応じて、その極性を反転させる。
尚、記録媒体が、例えば図2(a)に示すように、同じマスタリング工程によって得られた第1及び第2の基板1、3を用いて作製されている場合には、光ビーム7の入射側から見て第1の情報層2と第2の情報層4との間でピットの凹凸の方向が逆となる。このような構造の2層媒体に対しては、フォーカスジャンプ回路133によってフォーカス位置を情報層2、4間で移動させると同時に、極性反転器128によって情報層2、4間でトラッキング極性の切り換えを行うことにより、瞬時に対象とする情報層の情報ピット上に光ビームを移動させることができる。従って、この方式によれば、情報再生時における情報層間でのアクセス時間が短縮される。
信号再生系116の2値化部130は、プリアンプ124からの信号の高周波成分を用いてその信号レベルを基準レベルと比較することにより、2値化信号に変換する。次に、デコーダ131は、2値化信号を所定の信号フォーマットに従って復調する。これにより、光ディスク111上に形成されている記録マークからの情報信号が復調され、システム制御系118の指示に従って復調情報S02が外部装置に送り出される。
また、必要に応じて、光ディスク111上の特定の領域に形成された情報層の再生条件あるいは記録条件に関する情報が、層認識部132によって復調される。層認識部132は、情報層を識別するだけでなく、情報層自身の形態などの情報を復調する機能をも併せ持つ。これらの情報は、記録媒体を作製する製造工程の中で記録しておくのが望ましい。内容としては、情報層が再生専用型であるか、記録再生型であるかを識別するための識別情報、あるいは情報層間で生じる特性差を補正するための情報であり、各情報層での光照射の最適条件、フォーカス制御又はトラッキング制御の最適条件、再生信号を復調する際の最適条件等の情報がある。
複数の情報層に情報を記録する場合には、まず、システム制御系118が、所定のタイミングで記録される情報からなる記録情報S01を、光変調系114に取り込む。光変調系114は、まず、エンコーダ134によって記録信号を所定のフォーマットの記録信号に変換し、さらに、パルスの分割あるいは強度変化を設定する波形設定器135の条件に従って、レーザ駆動部120により光源121の光強度を変調する。この強度変調された光は、光ディスク111上の記録層に吸収される。これにより、光ディスク111上の記録層に再生マークが形成され、情報の記録が行われる。
尚、波形設定部135は、各情報層の記録に最適な記録パターンを備えており、層選択系117の出力に同期して、その出力を変化させる。また、レーザ駆動部120は、各情報層のそれぞれに対応した変調波形に基づいて、光源121からの光を強度変調する。
以上のような構成を採用すれば、複数の情報層から最適な条件で情報信号を再生することが可能となり、また、複数の情報層に最適な条件で情報信号を記録し、記録した情報を再生することが可能となる。
以下、記録再生装置のそれぞれの具体的な動作について詳細に説明する。
図12に、光ピックアップ部の構成を示す。ここでは、フォーカス方式としてナイフエッジ法を用い、トラッキング方式としてプッシュ・プル法を用いた場合を例に挙げて説明する。
図12に示すように、光源121からの光は、コリメートレンズ140を経て平行ビームとなり、ビームスプリッター141で反射された後、λ/4板142、対物レンズ122を経て光ディスク111に照射される。光ディスク111からの反射光は、対物レンズ122、λ/4板142、ビームスプリッター141を透過し、レンズ143を経てミラー144で一部が反射され、トラッキング用の複数の受光面を有する光検出器145に入射する。光検出器145の各受光面からの出力はプリアンプ124によって増幅され、差動信号からトラッキングエラー信号が得られる。
一方、ミラー144で反射されなかった光は、フォーカシング用の複数の受光面を有する光検出器146に入射する。光検出器146の各受光面からの出力はプリアンプ124によって増幅され、差動信号からフォーカスエラー信号が得られる。尚、図12中、113は光ピックアップ、120はレーザ駆動部である。
図13に、光検出器からの出力によってフォーカス制御を行うフォーカス制御部の一部を示す。通常のナイフエッジ法においては、2分割された受光面を有する光検出器が用いられるが、本実施例においては、図13に示すように、少なくとも4分割された受光面を有する光検出器146が用いられる。これは、2分割された受光面を有する光検出器を用いると、対象とする情報層からのサーボ信号を得る際に、他方の情報層からの反射光の一部が光検出器に入射し、サーボ信号に歪を与えるからである。単に光検出器の受光面積を小さくすれば、サーボ信号の歪を小さくすることが可能となるが、この場合には、フォーカスを引き込む際の引き込み範囲が著しく制限されるという課題がある。
このため、本実施例では、光検出器146の受光面を少なくとも4分割し、フォーカスの検出領域を、フォーカスの引き込み段階とサーボ時で切り換える方法を用いる。図13に示すように、光検出器146は、受光面が146a、146b、146c、146dの4つに分割されている。光検出器146の各受光面146a、146b、146c、146dからの出力は、プリアンプ124の各増幅器147a、147b、147c、147dによって増幅され、差動増幅器148、149によって2種類のフォーカスエラー信号148s、149sが得られる。次いで、切り替え器150がフォーカスエラー信号148s、149sのいずれかを選択し、選択されたフォーカスエラー信号148s(又は149s)はフォーカス駆動回路151、フォーカスジャンプ回路133(図11)を経て、光ピックアップ部113(図11)を駆動する。
ここで、フォーカス用の光検出器を2分割した場合と4分割した場合のフォーカスエラー信号について、図14を用いて説明する。横軸はフォーカス方向の位置であり、2つの情報層の位置をL1、L2で示す。図14(a)は2分割でかつ受光面が大きい場合、図14(b)は2分割でかつ受光面が小さい場合、図14(c)は4分割でかつ外側の受光面146a、146dを用いた場合、図14(d)は4分割でかつ内側の受光面146b、146cを用いた場合を示す。図14(a)の2分割でかつ受光面が大きい光検出器151を用いた場合には、一方の情報層からのフォーカスビームF1の近傍に焦点がある場合に、他方の情報層からの反射光F2が受光面の一部に入射する。このため、フォーカスエラー信号が歪み、焦点位置誤差dFが発生する。また、図14(b)の2分割でかつ受光面が小さい光検出器152を用いた場合には、他方の光ビームの漏れ込みはなく、各情報層の位置L1、L2に対応した位置に2つのフォーカスエラー信号のS字型曲線が現れ、サーボ動作が可能となる。しかし、フォーカシングの際に、図14(a)の受光面が大きい場合の引き込み範囲M1に比べて、狭い引き込み範囲M2となる。このため、記録媒体に反りや面ぶれ等が存在する場合に、動作が不安定となる。
これらの点を解決するために、本実施例においては、4分割した受光面を有する光検出器146を用いる。尚、受光面は、一方の情報層からの反射ビームF1が受光面146aと受光面146bの分割線のほぼ中央に位置し、他方の情報層からの反射ビームF2が受光面146cと受光面146dの分割線のほぼ中央に位置する形状にする。ここで、受光面における反射ビームF1、F2の中心位置間の距離をLf、受光面上での反射ビームF1、F2のスポットサイズをLdとした場合に、外側の受光面146a、146dの幅146wを、Lfよりも大きく、Lf+Ldよりも小さく設定する。図14(c)は4分割でかつ外側の受光面146a、146b(誤り:正しくはd)を用いた場合のフォーカスエラー信号であり、2つ情報層からの反射光F1、F2に対して受光面が離れているために、情報層が1層の場合と同様のS字曲線が現われる。この信号に基づいて、サーボ動作を行うと、フォーカス位置は、一方の情報層の位置L1と他方の情報層の位置L2の中間となる。また、この場合、フォーカス信号の動作範囲として、大きな範囲M3が得られる。図14(d)は、4分割でかつ内側の受光面146b、146cを用いた場合のフォーカスエラー信号であり、図14(b)の2分割でかつ受光面が小さい場合と同様のフォーカスエラー信号を示す。
本実施例の4分割された光検出器146は、図14(c)の場合のフォーカスエラー信号と図14(d)の場合のフォーカスエラー信号を切り換えることにより、広いフォーカス引き込み範囲と2つの情報層への安定なフォーカシングを実現することができる。
まず、フォーカス引き込み時において、切り替え器150は光検出器146の外側の受光面146a、146dからの出力の差動信号149sを選択し、フォーカス駆動回路151がフォーカス動作を開始する。この段階で、フォーカス点は、2つの情報層の中間に位置している。
次いで、フォーカス駆動回路151によってフォーカスの引き込み動作の完了が確認されたならば、フォーカス駆動回路151から切り替え器150にフォーカス動作完了信号151sが送られる。切り替え器150は、このフォーカス動作完了信号151sに基づいて光検出器146の内側の受光部146b、146cからの出力の差動信号148sを選択し、2つの情報層のうちのいずれかの層にフォーカシングが行われる。続いて所定の領域でトラッキング動作が行われ、対象とする情報層にフォーカシングされたか否かが識別される。対象外の情報層にフォーカシングされている場合には、フォーカスジャンプ回路133が対象とする情報層にフォーカス位置を移動させる。この間、切り替え器150の切り替えは行われない。
尚、ここでは、フォーカス方式としてナイフエッジ法を用いた場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこの方法に限定されるものではなく、例えば非点収差法を用いてもよい。非点収差法を用いる場合には、図12のミラー144の位置にシリンドリカルレンズを配置し、光検出器146の近傍に、図15に示すような8分割された受光面を有する光検出器154を配置する。非点収差法を用いる場合には、ナイフエッジ法の場合と同様に、フォーカス引き込み時において、光検出器146の周辺部の受光面154a、154b、154c、154dからの出力が用いられ、フォーカス引き込み動作完了後においては、光検出器146の中央部の受光面154e、154f、154g、154hからの出力を用いてフォーカスエラー信号が得られる。
以上の構成を採用することにより、複数の情報層に対し、従来と同等のフォーカス引き込み性能を維持したまま、各層に対して安定なサーボ動作を行うことが可能となる。
複数の情報層を備えた記録媒体の品質を左右するものとして、情報ピットあるいはガイド溝の形状のばらつきがあり、記録再生装置の品質を左右するものとして、光ビームの強度分布の歪、あるいは光検出器等の感度ばらつき等がある。このため、サーボ動作を行う際に、情報層間の干渉あるいは分離層厚の変動等により、フォーカスエラー信号、あるいはトラッキングエラー信号に誤差電圧が発生する。
フォーカス制御信号又はトラッキング制御信号の誤差を補正するために、層選択系117(図11)の設定に連動して、フォーカス制御部又はトラッキング制御部に対してオフセット調整を行う。例えば、フォーカス制御信号に微小なオフセットを印加することにより、各層間で生じるフォーカスずれを補正する。また、トラッキング制御信号にも同様に微小なオフセットを印加することにより、トラッキングずれを補正する。これにより、各情報層において最適な集光状態が得られる。
図16に、フォーカス制御部の詳細を示す。図16に示すように、プリアンプ124(図12)の出力信号124s中のフォーカス制御に関する信号から、フォーカス誤差検出回路160によって、フォーカス誤差信号160sが得られ、オフセット補償回路161を経て、フォーカス駆動回路162により、フォーカス制御信号126sが得られる。フォーカス制御信号126sは光ピックアップ部113(図11)に送られ、これによりボイスコイル125(図11)が駆動されて、フォーカス制御が行われる。
オフセット補償回路161は、外部からの信号に応じて複数のオフセットレベルを設定することができる構成となっている。オフセット補償回路161へ入力されるオフセットを設定するオフセット設定器は、第1の情報層2にフォーカシングした場合のオフセットを設定するオフセット設定器163と、第2の情報層4にフォーカシングした場合のオフセットを設定するオフセット設定器164とからなる。オフセット選択器165は、層選択系117(図11)の出力117sに対応して、オフセット設定器163又はオフセット設定器164のいずれかのオフセット値を出力する。
一方、フォーカス駆動回路162は、オフセット補償回路161から出力された信号161sを入力し、この信号161sをゼロとするフォーカス制御信号126sを出力して、ボイスコイル125を駆動する。このフォーカス駆動を行う際の回路のゲインを設定するゲイン設定器は、第1の情報層2の場合のゲインを設定するゲイン設定器166と、第2の情報層4の場合のゲインを設定するゲイン設定器167とからなる。ゲイン選択器168は、層選択系117の出力117sに対応して、ゲイン設定器166又はゲイン設定器167のいずれかの信号を出力する。以上の構成を採用することにより、2つの情報層に対して最適なフォーカス状態を設定することが可能となる。
トラッキング制御に関しても、情報層間で最適な状態を設定すれば、さらに良好な再生、あるいは記録再生が可能となる。図17に、トラッキング制御部の詳細を示す。図17に示すように、プリアンプ124の出力信号124s中のトラッキング制御に関する信号から、トラッキング誤差検出回路170によってトラッキング誤差信号170sが得られ、オフセット補償回路171を経て、トラッキング駆動回路172によりトラッキング制御信号127sが得られる。トラッキング制御信号127sは、極性反転器128(図11)を経て、光ピックアップ部113に送られ、これによりボイスコイル125が駆動されて、トラッキング制御が行われる。
オフセット補償回路171は、外部からの信号に応じて複数のオフセットレベルを設定することができる構成となっている。オフセット補償回路171へ入力されるオフセットを設定するオフセット設定器は、第1の情報層2にフォーカシングした場合のオフセットを設定するオフセット設定器173と、第2の情報層4にフォーカシングした場合のオフセットを設定するオフセット設定器174とからなる。オフセット選択器175は、層選択系117(図11)の出力117sに対応して、オフセット設定器173又はオフセット設定器174のいずれかのオフセット値を出力する。
一方、トラッキング駆動回路172は、オフセット補償回路171から出力された信号171sを入力し、この信号171sをゼロとするトラッキング制御信号127sを出力して、ボイスコイル125を駆動する。このトラッキング駆動を行う際の回路のゲインを設定するゲイン設定器は、第1の情報層2の場合のゲインを設定するゲイン設定器176と、第2の情報層4の場合のゲインを設定するゲイン設定器177とからなる。ゲイン選択器178は、層選択系117の出力117sに対応して、ゲイン設定器176又はゲイン設定器177のいずれかの信号を出力する。以上の構成を採用することにより、2つの情報層に対して最適なトラッキング状態を設定することが可能となる。
尚、本実施例においては、第1の基板1に形成された情報ピットが光ビームの入射側から見て凸の場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、光ビームの入射側から見て凹であってもよい。この場合には、第2の基板3の情報ピットの凹凸の向きを逆とすることにより、本実施例と同様の効果を有する記録媒体が得られる。
以下、情報記録媒体の具体的な構成について説明する。
(実施例1)
図1に示す光学的情報記録媒体の製造方法と、その光学的情報記録媒体の記録再生について説明する。
図1に示す光学的情報記録媒体の製造方法と、その光学的情報記録媒体の記録再生について説明する。
第1及び第2の基板1、3の材料としてポリカーボネート樹脂を用い、情報ピットからなる表面を備えた金型を用いて射出成形することによって第1及び第2の基板1、3を作製した。第1の基板1は、直径120mm、厚さ1.2mmであり、その表面に最短ピット長0.83μm、ピット深さ100nm、トラックピッチ1.6μmの情報ピットが形成されている。ここで、情報ピットは、EFMコードに基づいて形成されたピット列からなっている。この第1の基板1上に、スパッタリング法によって10nm厚のAuを成膜し、第1の情報層2を形成した。
一方、第2の基板3は、第1の基板1と同じ直径及び厚さを有しており、その表面に第1の基板1と同じ形状の情報ピットが形成されている。但し、接着後に光ビーム7の入射側から見た渦巻の方向が第1の基板1と第2の基板3で同じとなるように、第2の基板3の情報ピット面から見た凹凸ピット列の渦巻の方向は第1の基板1と逆にされている。第2の基板3上に、スパッタリング法によって100nm厚のAuを成膜し、第2の情報層4を形成した。尚、第1及び第2の基板1、3の情報ピットは、ピットの存在する側から見て凹となる形状にされている。
図6に示した接着装置の基板支持部72に第1の基板1を固定し、樹脂塗布ノズル64を用いて第1の情報層2上にアクリル系の紫外線硬化性の樹脂材料80を塗布した。接着装置の基板支持部66aに第2の基板3を装着し、昇降部63によって上部支持部61をスペーサ79に接するまで下降させた。そして、第2の基板3を上部から5kgの圧力で加圧しながら、光源(紫外線ランプ)81によって光を照射することにより、樹脂材料80を硬化して第1の情報層2と第2の情報層4との間に厚さd5の分離層5を形成した。
接着前に各基板の内周部、中周部、外周部の厚さを予め測定し、接着後の厚さとの差を計算することにより、分離層5の厚さd5を求めた。その結果、分離層5の厚さの平均値は65μmであり、各測定点においても±8μm以内の精度であった。また、この場合の波長780nmにおける第1の情報層2の反射率は27.5%、同じく波長780nmにおける第2の情報層4の反射率は91.6%であった。また、情報層間の偏心量は40μmであった。
この記録媒体に対し、波長780nmの光源と、最適基材厚1.2mmに対応しかつ開口率(NA)0.5の対物レンズを備えた光学系とを用いて情報の再生を行った。サーボ方式としては、フォーカシングにナイフエッジ法を用い、トラッキングにプッシュ・プル法を用いた。フォーカシングに際しては、図13に示す4分割された受光面を有する光検出器146を用いて、引き込み時とサーボ動作時で、フォーカスエラー信号を得る光検出器146の受光面を切り換えた。信号再生時の再生光のパワーは1mWである。その結果、第1及び第2の情報層2、4に対して安定なフォーカス動作が行われると共に、情報層間でのフォーカスジャンプも安定に行われることが確認された。尚、情報層間ではトラッキング信号の極性を切り換えた。この結果得られた再生信号に関しては、第1の情報層2と第2の情報層4の双方から良好なアイパターンが観測された。また、双方の再生信号においてジッターを測定したところ、検出窓幅に対する標準偏差値は、第1の情報層2で8.4%、第2の情報層4で8.7%と良好な値を示した。
さらに、この記録媒体に対し、温度80℃、相対湿度80%の高温高湿度中に100時間放置する実験を行った後に、同様の信号評価を行ったところ、形状変化も少なく、かつ安定な情報再生が可能であると共に、ジッター測定の結果においても変化が無いことが確認された。
以上の結果から、本方式は複数の情報層を備えた記録媒体を作製する方法として有効であると言える。
(実施例2)
次に、さらに高密度に情報を形成することが可能な記録媒体の構成について説明する。上記実施例1と同様に、第1及び第2の基板1、3の材料としてポリカーボネート樹脂を用い、情報ピットからなる表面を備えた金型を用いて射出成形することによって第1及び第2の基板1、3を作製した。第1の基板1は、厚さ0.58mmであり、その表面に最短ピット長0.5μm、ピット深さ90nm、トラックピッチ0.8μmの情報ピットが形成されている。この第1の基板1上に、スパッタリング法によって11nm厚のAuを成膜し、第1の情報層2を形成した。
次に、さらに高密度に情報を形成することが可能な記録媒体の構成について説明する。上記実施例1と同様に、第1及び第2の基板1、3の材料としてポリカーボネート樹脂を用い、情報ピットからなる表面を備えた金型を用いて射出成形することによって第1及び第2の基板1、3を作製した。第1の基板1は、厚さ0.58mmであり、その表面に最短ピット長0.5μm、ピット深さ90nm、トラックピッチ0.8μmの情報ピットが形成されている。この第1の基板1上に、スパッタリング法によって11nm厚のAuを成膜し、第1の情報層2を形成した。
一方、第2の基板3は、第1の基板1と同じ厚さを有しており、その表面に第1の基板1と同じ形状の情報ピットが形成されている。但し、接着後に光源側から見た渦巻の方向が第1の基板1と第2の基板3で同じとなるように、第2の基板3の情報ピットの表面から見た凹凸ピット列の渦巻の方向は第1の基板1と逆にされている。第2の基板3上に、スパッタリング法によって100nm厚のAuを成膜し、第2の情報層4を形成した。尚、第2の情報層4を形成した後の主たる反射面におけるピット形状が第1の基板1と同等になるように、第2の基板3の表面に形成するピットの最短ピット長を0.6μmとした。但し、各ピットのピッチ及びトラックピッチは第1の基板1と同じにした。
図6に示した接着装置の基板支持部72に第1の基板1を固定し、樹脂塗布ノズル64を用いて第1の情報層2上にアクリル系の紫外線硬化性の樹脂材料80を塗布した。接着装置の基板支持部66aに第2の基板3を接着し、昇降部63によって上部支持部61をスペーサ79に接するまで下降させた。そして、第2の基板3を上部から8kgの圧力で加圧しながら、光源(紫外線ランプ)81によって光を照射することにより、樹脂材料80を硬化して第1の情報層2と第2の情報層4との間に厚さd5の分離層5を形成した。
接着前に各基板の内周部、中周部、外周部の厚さを予め測定し、接着後の厚さとの差を計算することにより、分離層5の厚さd5を求めた。その結果、分離層5の厚さの平均値は52μmであり、各測定値においても±5μm以内の精度であった。また、この場合の波長680nmにおける第1の情報層2の反射率は28.2%、同じく波長680nmにおける第2の情報層4の反射率は89.6%であった。また、情報層間の偏心量は35μmであった。
この記録媒体に対し、波長680nmの光源と、最適基材厚0.6mmに対応しかつ開口率(NA)0.6の対物レンズを備えた光学系とを用いて情報の再生を行った。サーボ方式としては、上記実施例1と同様のものを用いた。その結果、第1及び第2の情報層2、4に対して、安定なフォーカス動作が行われると共に、情報層間でのフォーカスジャンプも安定に行われることが確認された。尚、情報層間ではトラッキング信号の極性を切り換えた。この結果得られた再生信号に関しては、第1の情報層2と第2の情報層4の双方から良好なアイパターンが観測された。双方の再生信号においてジッターを測定したところ、検出窓幅に対する標準偏差値は、第1の情報層2で7.6%、第2の情報層4で8.0%と良好な値を示した。
さらに、この記録媒体に対し、温度80℃、相対湿度80%の高温高湿度中に100時間放置する実験を行った後に、同様の信号評価を行ったところ、形状変化も少なく、かつ安定な情報再生が可能であると共に、ジッター測定の結果においても変化が無いことが確認された。
(実施例3)
図5に示した4つの情報層を備えた記録媒体の実施例について説明する。上記実施例1と同様に、第1〜第4の基板58、60、63、65の材料としてポリカーボネート樹脂を用い、情報ピットからなる表面を備えた金型を用いて射出成形することによって第1〜第4の基板58、60、63、65を作製した。第1及び第3の基板58、63は、厚さ0.58mmであり、その表面に最短ピット長0.5μm、ピット深さ90nm、トラックピッチ0.8μmの情報ピットが形成されている。この第1及び第3の基板58、63の上に、スパッタリング法によってそれぞれ11nm厚のAuを成膜し、第1及び第3の情報層59、64を形成した。
図5に示した4つの情報層を備えた記録媒体の実施例について説明する。上記実施例1と同様に、第1〜第4の基板58、60、63、65の材料としてポリカーボネート樹脂を用い、情報ピットからなる表面を備えた金型を用いて射出成形することによって第1〜第4の基板58、60、63、65を作製した。第1及び第3の基板58、63は、厚さ0.58mmであり、その表面に最短ピット長0.5μm、ピット深さ90nm、トラックピッチ0.8μmの情報ピットが形成されている。この第1及び第3の基板58、63の上に、スパッタリング法によってそれぞれ11nm厚のAuを成膜し、第1及び第3の情報層59、64を形成した。
一方、第2及び第4の基板60、65は、接着後の記録媒体全体の厚さを小さくするために、第1及び第3の基板58、63よりも薄い0.4mm厚とされており、その表面に第1及び第3の基板58、63と同じ形状の情報ピットが形成されている。但し、接着後に光源側から見た渦巻の方向が第1及び第3の基板58、63と第2及び第4の基板60、65で同じとなるように、第2及び第4の基板60、65の情報ピット列の渦巻の方向は第1及び第3の基板58、63と逆にされている。この第2及び第4の基板60、65上に、スパッタリング法によってそれぞれ厚さ100nmのAuを成膜し、第2及び第4の情報層61、66を形成した。尚、第2及び第4の情報層61、66を形成した後の主たる反射面におけるピット形状が第1及び第3の基板58、63と同等になるように、第2及び第4の基板60、65の表面に形成するピットの最短ピット長を0.6μmとした。
図6に示した接着装置の基板支持部72に第1の基板58を固定し、樹脂塗布ノズル64を用いて第1の情報層59上にアクリル系の紫外線硬化性の樹脂材料80を塗布した。接着装置の基板支持部66aに第2の基板60を装着し、昇降部63によって上部支持部61をスペーサ79に接するまで下降させた。そして、第2の基板60を上部から8kgの圧力で加圧しながら、光源(紫外線ランプ)81によって光を照射することにより、樹脂材料80を硬化して第1の情報層59と第2の情報層61との間に第1の分離層62を形成した。また、接着装置の基板支持部72に第3の基板63を固定し、樹脂塗布ノズル64を用いて第3の情報層64上にアクリル系の紫外線硬化性の樹脂材料80を塗布した。接着装置の基板支持部66aに第4の基板65を装着し、昇降部63によって上部支持部61をスペーサ79に接するまで下降させた。そして、第4の基板65を上部から8kgの圧力で加圧しながら、光源(紫外線ランプ)81によって光を照射することにより、樹脂材料80を硬化して第3の情報層64と第4の情報層66との間に第2の分離層67を形成した。
接着前に各基板の内周部、中周部、外周部の厚さを予め測定し、接着後の厚さとの差を計算することにより、第1及び第2の分離層62、67の厚さを求めた。その結果、第1及び第2の分離層62、67の厚さの平均値はそれぞれ50μm、53μmであり、各測定点においても±7μm以内の精度であった。また、この場合、波長680nmにおける第1及び第3の情報層59、64の反射率はともに28.5%、同じく波長680nmにおける第2及び第4の情報層61、66の反射率はともに88.7%であった。また、第1及び第2の片面2層媒体101、103のそれぞれの情報層間の偏心量は30μm、28μmと良好な値であった。
接着装置の基板支持部72に第1の片面2層媒体101を固定し、樹脂塗布ノズル64を用いて第1の片面2層媒体101の第2の基板60上にアクリル系の紫外線硬化性の樹脂材料105を塗布した。接着装置の基板支持部66aに第2の片面2層媒体103を装着し、昇降部63によって上部支持部61をスペーサ79に接するまで下降させた。そして、第2の片面2層媒体103を上部から10kgの圧力で加圧しながら、光源81によって光ビーム106を照射することにより、樹脂材料105を硬化して第1の片面2層媒体101と第2の片面2層媒体103とを接着層68を介して接着した。
この記録媒体に対し、上記実施例2と同じ光学系とサーボ方式によって情報の再生を行った。第1及び第3の基板58、63のいずれかの面からの2つの情報層の再生に対して、安定なフォーカス動作が行われると共に、情報層間でのフォーカスジャンプも安定に行われることが確認された。得られた再生信号に関しては、いずれの情報層からも良好なアイパターンが観測された。第1〜第4の情報層59、61、64、66のジッターを測定したところ、検出窓幅に対する標準偏差値は、それぞれ7.9%、8.3%、7.9%、8.2%と良好な値を示した。
さらに、この記録媒体に対し、温度80℃、相対湿度80%の高温高湿度中に100時間放置する実験を行った後に、同様の信号評価を行ったところ、形状変化も少なく、かつ安定な情報再生が可能であると共に、ジッター測定の結果においてもほとんど変化が無いことが確認された。
(実施例4)
光学的情報記録媒体として図18に示す構造の具体的構成と、その記録再生について説明する。
光学的情報記録媒体として図18に示す構造の具体的構成と、その記録再生について説明する。
第1の基板31はポリカーボネート樹脂からなり、その表面には情報信号に対応してEFM変調に基づいて情報ピットが形成されている。第1の基板31の厚さd1は0.58mm、直径は120mmであり、その表面に形成されたピットの最短ピット長は0.44μm、ピット深さは90nm、トラックピッチは0.74μmである。この第1の基板31の表面上には、スパッタリング法によって厚さ40nmのZnS層を成膜することにより、第1の情報層32が形成されている。
一方、第2の基板33はポリカーボネート樹脂からなり、その表面には光ビームのトラッキング用のガイド溝が形成されている。第2の基板33の厚さは0.58mm、直径は120mmであり、その表面に形成されたガイド溝のピッチは1.48μm、溝幅はピッチの約半分、深さは70nmである。第2の基板33の表面上には、Alからなる反射層180、ZnS−SiO2 誘電体層181、Ge−Sb−Te記録薄膜層182、ZnS−SiO2 誘電体層183を順次積層することにより、第2の情報層34が形成されている。
図6に示した接着装置の基板支持部72に第1の基板31を固定し、樹脂塗布ノズル64を用いて第1の情報層32上に紫外線硬化性の樹脂材料80を塗布した。接着装置の基板支持部66aに第2の基板33を装着し、昇降部63によって上部支持部61をスペーサ79に接するまで下降させた。そして、第2の基板33を上部から加圧しながら、光源(紫外線ランプ)81によって光を照射することにより、樹脂材料80を硬化して第1の情報層32と第2の情報層34との間に分離層35を形成した。分離層35の厚さの平均値は40μmであり、各測定点においても±8μm以内の精度であった。尚、第1の基板31の厚さd1は、光ビーム7を集光する対物レンズ6の最適基材厚が0.6mmのものを用い、この最適点が記録媒体の分離層35の中心位置となる配置とした。また、この場合の波長680nmにおける第1の情報層32の反射率は10%、同じく波長680nmにおける第2の情報層34の反射率は17%であった。
この記録媒体に対し、波長680nmの光源と、最適基材厚0.6mmに対応しかつ開口率(NA)0.6の対物レンズとを備えた光学系とを用いて、線速度6m/sにおいて記録再生の評価を行った。尚、信号評価時の再生光のパワーは1mWである。その結果、第1及び第2の情報層32、34に対して、安定なフォーカス動作が行われると共に、情報層間でのフォーカスジャンプも安定に行われることが確認された。トラッキング方式として、第1の情報層32に対してはトラックピッチの狭い情報ピットの再生に適した位相差法を用い、第2の情報層34に対してはガイド溝に適したプッシュ・プル法を用いた。再生信号に関しては、第1の情報層32から良好なアイパターンが観測され、各マークのジッターを測定したところ、第1の情報層32においてコード信号の検出窓幅に対するジッターの標準偏差値として、8.4%が得られた。
一方、第2の情報層34上のガイド溝のランド部とグルーブ部の双方に、最短マーク長0.6μmのEFM信号の記録を行った。記録パワー10mWと消去パワー5mWとの間で変調した光を照射した結果、双方で良好なアイパターンが観測され、最長マーク11Tの振幅は、第1の情報層32とほぼ同等であった。また、ジッターは、ランド部で9.7%、グルーブ部で9.5%と良好な値を示した。また、これらの情報信号は、繰り返し書き換えることも可能であった。尚、これらの特性は、基板の内周部から外周部まで殆ど同様の特性を示した。
さらに、この記録媒体に対し、温度80℃、相対湿度80%の高温高湿度中に100時間放置する実験を行った後に、同様の信号評価を行ったところ、形状変化も少なく、かつ安定な情報再生が可能であると共に、ジッター測定の結果においても変化の無いことが確認された。
以上の結果から、本方式は複数の情報層を備えた記録媒体を作製する方法として有効であると言える。
(実施例5)
図19に示す光学的情報記録媒体の具体的構成と、その記録再生について説明する。
図19に示す光学的情報記録媒体の具体的構成と、その記録再生について説明する。
第1の基板31はポリカーボネート樹脂からなり、その表面には情報信号に対応してEFM変調に基づいて情報ピットが形成されている。第1の基板31の厚さd1は0.58mm、直径は120mmであり、その表面に形成された情報ピットの最短ピット長は0.44μm、ピット深さは90nm、トラックピッチは0.74μmである。この第1の基板31の表面上には、スパッタリング法によって厚さ140nmのZnS−SiO2 からなる誘電体層194、厚さ30nmのSiO2 からなる誘電体層195、厚さ140nmのZnS−SiO2 からなる誘電体層196を順次積層し、第1の情報層32が形成されている。
一方、第2の基板33はポリカーボネート樹脂からなり、その表面には光ビームのトラッキング用のガイド溝が形成されている。第2の基板33の厚さは0.58mm、直径は120mmであり、その表面に形成されたガイド溝のピッチは1.1μm、深さは50nmである。第2の基板33の表面上には、厚さ50nmのAuからなる反射層198、厚さ50nmのZnS−SiO2 誘電体層198、厚さ10nmのGe−Sb−Te記録薄膜層199、厚さ20nmのZnS−SiO2 誘電体層200、厚さ14nmのAuからなる半透明反射層201を順次積層することにより、第2の情報層34が形成されている。
図6に示した接着装置の基板支持部72に第1の基板31を固定し、樹脂塗布ノズル64を用いて第1の情報層32上に紫外線硬化性の樹脂材料80を塗布した。接着装置の基板支持部66aに第2の基板33を装着し、昇降部63によって上部支持部61をスペーサ79に接するまで下降させた。そして、第2の基板33を上部から加圧しながら、光源(紫外線ランプ)81によって光を照射することにより、樹脂材料80を硬化して第1の情報層32と第2の情報層34との間に分離層35を形成した。分離層35の厚さの平均値は43μmであり、各測定点においても±9μm以内の精度であった。尚、基板厚さはともに、0.58mmであり、光ビーム7を集光する対物レンズ6の最適基材厚が0.6mmのものを用い、この最適点が記録媒体の分離層35の中心位置となる配置とした。また、この場合の波長680nmにおける第1の情報層32の反射率は17%、同じく波長680nmにおける第2の情報層34の反射率は45%であった。
この記録媒体に対し、波長680nmの光源と、最適基材厚0.6mmに対応しかつ開口率(NA)0.6の対物レンズとを備えた光学系とを用いて、線速度1.3m/sにおいて記録再生の評価を行った。尚、信号評価時の再生光のパワーは1mWである。その結果、第1及び第2の情報層32、34に対して、安定なフォーカス動作が行われると共に、情報層間でのフォーカスジャンプも安定に行われることが確認された。トラッキング方式として、第1の情報層32に対しては位相差法を用い、第2の情報層34に対してはプッシュ・プル法を用いた。再生信号に関しては、第1の情報層32から良好なアイパターンが観測され、各マークのジッターを測定したところ、第1の情報層32においてコード信号の検出窓幅に対するジッターの標準偏差値として、8.1%が得られた。
一方、第2の情報層34上のガイド溝のランド部とグルーブ部の双方に、最短マーク長0.6μmのEFM信号の記録を行った。記録パワー19mWと消去パワー9mWとの間で変調した光を照射した結果、良好なアイパターンが観測され、最長マーク11Tの振幅は、第1の情報層32とほぼ同等であった。また、ジッターとしては、8.3%が得られた。また、これらの情報信号は繰り返し書き換えることも可能であった。尚、これらの特性は、基板の内周部から外周部まで殆ど同様の特性を示した。
さらに、この記録媒体に対し、温度80℃、相対湿度80%の高温高湿度中に100時間放置する実験を行った後に、同様の信号評価を行ったところ、形状変化も少なく、かつ安定な情報再生が可能であると共に、ジッター測定の結果においても変化の無いことが確認された。
(実施例6)
光学的情報記録媒体として図20に示す構造の具体的構成と、その記録再生について説明する。
光学的情報記録媒体として図20に示す構造の具体的構成と、その記録再生について説明する。
第1の基板41はポリカーボネート樹脂からなり、その表面には光ビームのトラッキング用のガイド溝が形成されている。第1の基板41の厚さは0.58mm、直径は120mmであり、その表面に形成されたガイド溝のピッチは1.48μm、溝幅はトラックピッチの約半分、深さは50nmである。第1の基板41の表面上には、厚さ110nmのZnS−SiO2 誘電体層201、厚さ10nmのGe2 Sb2 Te5 記録薄膜層202、厚さ80nmのZnS−SiO2 誘電体層203を順次積層することにより、書換え可能な第1の情報層42が形成されている。
一方、第2の基板43はポリカーボネート樹脂からなり、その表面には光ビームのトラッキング用のガイド溝が形成されている。第2の基板43の厚さは0.58mm、直径は120mmであり、その表面に形成されたガイド溝のピッチは1.48μm、溝幅はトラックピッチの約半分、深さは50nmである。第2の基板43の表面上には、厚さ100nmのAlからなる反射層204、厚さ18nmのZnS−SiO2 誘電体層205、厚さ25nmのGe2 Sb2 Te5 記録薄膜層206、厚さ110nmのZnS−SiO2 誘電体層207を順次積層することにより、第2の情報層44が形成されている。
図6に示した接着装置の基板支持部72に第1の基板41を固定し、樹脂塗布ノズル64を用いて第1の情報層42上に紫外線硬化性の樹脂材料80を塗布した。接着装置の基板支持部66aに第2の基板43を装着し、昇降部63によって上部支持部61をスペーサ79に接するまで下降させた。そして、第2の基板43を上部から加圧しながら、光源(紫外線ランプ)81によって光を照射することにより、樹脂材料80を硬化して第1の情報層42と第2の情報層43との間に分離層45を形成した。分離層45の厚さの平均値は40μmであり、各測定点においても±7μm以内の精度であった。尚、第1の基板41の厚さd1は、光ビーム7を集光する対物レンズ6の最適基材厚が0.6mmのものを用い、この最適点が記録媒体の分離層45の中心位置となる配置とした。また、未記録状態(結晶状態)での第1の情報層42の反射率は19%、透過率は40%、第2の情報層44の反射率は17%であった。
この記録媒体に対し、波長680nmの光源と、最適基材厚0.6mmに対応しかつ開口率(NA)0.6の対物レンズとを備えた光学系を用いて、線速度6m/sにおいて記録再生の評価を行った。尚、信号評価時の再生パワーは1mWである。その結果、第1及び第2の情報層42、44に対して、安定なフォーカス動作が行われると共に、情報層間でのフォーカスジャンプも安定に行われることが確認された。
また、第1の情報層42上のガイド溝のランド部とグルーブ部の双方に、最短マーク長0.6μmのEFM信号の記録を行った。記録パワー14mWにおいて双方で良好なアイパターンが観測され、最長マーク11Tの振幅は、第1の情報層42とほぼ同等であった。また、ジッターは、ランド部で10.8%、グルーブ部で11.3%と良好な値を示した。
一方、第2の情報層44においても、同様にガイド溝のランド部とグルーブ部の双方に、最短マーク長0.6μmのEFM信号の記録を行った。記録パワー18mWにおいて双方で良好なアイパターンが観測された。また、ジッターは、ランド部で11.7%、グルーブ部で12.1%と、再生の一つの基準である13%を下回り、情報を再生することが可能なレベルにあることが確認された。
さらに、この記録媒体に対し、温度80℃、相対湿度80%の高温高湿度中に100時間放置する実験を行った後に、同様の信号評価を行ったところ、形状変化も少なく、かつ安定な情報再生が可能であると共に、ジッター測定の結果においても変化の無いことが確認された。
以上の結果から、本方式は複数の情報層を備えた記録媒体を作製する方法として有効であると言える。
Claims (8)
- 片側から再生可能な少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体からの情報信号を再生する光学的情報記録再生装置であって、
光源から出射した光ビームを対物レンズを用いて前記記録媒体上に集光する光学手段と、
前記各情報層の形態、又は前記各情報層の記録再生条件を示す識別子を復調する層情報復調手段とを備えたことを特徴とする光学的情報記録再生装置。 - 片側から再生可能な少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体からの情報信号を再生する光学的情報記録再生装置であって、
光源から出射した光ビームを対物レンズを用いて前記記録媒体上に集光する光学手段と、
光の照射条件、フォーカス制御条件、トラッキング制御条件、再生信号の復調条件の少なくともいずれかを含む識別子を復調する層識別手段とを備えたことを特徴とする光学的情報記録再生装置。 - 片側から再生可能な少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体であって、
前記情報層の形態、又は前記情報層の記録再生条件を示す識別情報を備えたことを特徴とする光学的情報記録媒体。 - 前記情報層の形態が、再生専用型又は記録再生型のいずれかである請求項3に記載の光学的情報記録媒体。
- 片側から再生可能な少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体であって、
前記各情報層に対する光の照射条件、フォーカス制御条件、トラッキング制御条件、再生信号の復調条件の少なくともいずれかを含む識別子を備えたことを特徴とする光学的情報記録媒体。 - 前記光の照射条件が、記録時の変調波形である請求項5に記載の光学的情報記録媒体。
- 少なくとも2つの情報層を備えた光学的情報記録媒体からの情報信号を再生する光学的情報記録再生装置であって、
光源から出射した光ビームを対物レンズを用いて前記記録媒体上に集光する光学手段と、
前記光ビームの焦点位置を前記情報層のいずれかに一致させる制御を行うフォーカス制御手段と、
目的とする情報層を選択する層選択手段と、
前記情報層に前記情報信号を記録するための光変調波形を設定する波形設定器とを備え、
前記層選択手段の選択信号に応じて前記波形設定器の光変調波形を切り換えることを特徴とする光学的情報記録再生装置。 - 前記波形設定器による光変調波形の切り換えが前記光ビームの強度である請求項7に記載の光学的情報記録再生装置。
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WO2010113411A1 (ja) * | 2009-04-02 | 2010-10-07 | パナソニック株式会社 | 光ディスク装置及び多層光ディスク |
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- 2005-07-25 JP JP2005214473A patent/JP2005339799A/ja not_active Withdrawn
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