JP2005338565A

JP2005338565A - ディスプレイ用フィルター

Info

Publication number: JP2005338565A
Application number: JP2004159137A
Authority: JP
Inventors: Yasunori Miura; 康紀三浦
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 2004-05-28
Filing date: 2004-05-28
Publication date: 2005-12-08

Abstract

【課題】本発明のプラズマディスプレイ用フィルターとして、輝度・視認性を著しく損なわない、電磁波シールド及び近赤外線カットを有した低コストのディスプレイ用フィルターを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のプラズマディスプレイ用フィルター、透明支持体１４、面抵抗＜５Ω／□の透明導電層１１、防眩層１３を、直接又は粘着材を介して透明支持体１４／透明導電層１１／防眩層１３の順に積層し、端部の辺を少なくとも１辺を積層する層であって、過特性、耐候性・耐環境性、帯電防止性、耐擦傷性、防汚性に優れたディスプレイ用フィルターである。
【選択図】図１

Description

本発明は、ディスプレイ用フィルターに関し、さらに詳しくは、ディスプレイの輝度・視認性を著しく損なわない光学特性を有し、さらにまた、プラズマディスプレイから発生する電磁波シールド能力、及び、周辺電子機器の誤操作をまねく近赤外線を遮断する近赤外線カット能力を兼ね備えた、低コストのプラズマディスプレイ用フィルターに関するものである。

社会が高度に情報化されてくるにしたがって、光エレクトロニクス関連部品、機器は著しく進歩、普及している。そのなかでディスプレイはテレビジョン用、パーソナルコンピューター用等として著しく普及し、また、その薄型化、大型化が進んでおり、大型の薄型ディスプレイとしてプラズマディスプレイが注目されている。

しかしプラズマディスプレイは、その構造や動作原理上、強度の漏洩電磁界、近赤外線を発生する。近年、漏洩電磁界の他の機器に与える影響が取り沙汰されるようなっており、例えば日本のＶＣＣＩ（ＶｏｌｕｎｔａｌｙＣｏｎｔｒｏｌＣｏｕｎｃｉｌｆｏｒＩｎｔｅｒｆｅｒｅｎｃｅｂｙｄａｔａｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇｅｑｕｉｐｍｅｎｔｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃｏｆｆｉｃｅｍａｃｈｉｎｅ）による基準値内に抑えることが必要となってきている。

また、近赤外線光は、コードレスフォン等の周辺電子機器に作用して誤動作を引き起こす問題が生じている。特に問題になる波長としてリモコンや伝送系光通信に使用されている８２０ｎｍと８８０ｎｍ、９８０ｎｍが挙げられる。そのため、近赤外領域である８００〜１０００ｎｍの波長領域の光を、実用上問題ないレベルまでカットする必要がある。

近赤外線カット能に関しては、従来、近赤外線吸収色素を用いて近赤外吸収フィルターを作製することが知られている。しかしながら、近赤外線吸収色素は、湿度、熱、光といった環境による劣化が生じ、経時とともに近赤外線カット能やディスプレイ用フィルターの透過色といった光学特性の変化が生じてしまう問題があった。さらにプラズマディスプレイは、広い近赤外線波長領域に渡って問題となる強度の近赤外線を発するため、広い波長領域に渡って近赤外領域の吸収率の大きい近赤外吸収フィルターを使用する必要があるが、可視光線透過率が低いものしか得られないことが問題であった。

次に、漏洩電磁界（電磁波）を遮蔽するには、ディスプレイ表面を導電性の高い導電物でおおう必要がある。一般にアースした金属メッシュまたは、合成繊維または金属繊維のメッシュに金属被覆したもの、または、金属膜を形成後に、例えば格子パターン状にエッチング処理したエッチング膜を用いることが知られている（例えば、特許文献１参照）。これらの導電性メッシュは、光の干渉による縞の発生、歩留りの悪さによるコスト高などが問題となる。

そこでＩＴＯ（ＩｎｄｉｕｍＴｉｎＯｘｉｄｅ：参加インジウム・スズ）に代表される透明導電膜を電磁波シールド層に用いる場合がある。透明導電膜としては、金、銀、銅、白金、パラジウムなどの金属薄膜、酸化インジウム、酸化第２スズ、酸化亜鉛等の酸化物半導体薄膜、金属薄膜と高屈折率透明薄膜を交互に積層した多層薄膜がある。この中で、金属薄膜は、導電性は得られるが、広い波長領域にわたる金属の反射及び吸収により可視光線透過率の高いものは得られない。また、酸化物半導体薄膜は金属薄膜に比べ透明性に優れるが導電性に劣り、また近赤外線の反射能は乏しい。

さらに、プラズマディスプレイ用フィルターは、プラズマディスプレイから放射される近赤外線、電磁波を遮断するためにディスプレイの前面に設置する。従って、ディスプレイ用フィルターの可視光線透過率が著しく低かったり、照明等の映り込みがあると、ディスプレイの輝度・画像の鮮明さ・視認性が低下することになる。さらに加えて、プラズマディスプレイ用フィルターに要求される性能は多く、性能付与の為に部材数・工程数が増加すると、ディスプレイ用フィルターのコストアップが問題になる。
特開２０００−７７８８８号公報

本発明の課題は、上記従来技術に鑑み、プラズマディスプレイ用フィルターとして、プラズマディスプレイの輝度・視認性を著しく損なわない光学特性を有し、さらにまた、プラズマディスプレイから発生する電磁波を遮蔽する電磁波シールド性能、及び、周辺電子機器の誤操作をまねく近赤外線を遮断する近赤外線カット能力を兼ね備えた低コストのディスプレイ用フィルターを提供することである。

本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、従来は透明支持体／透明導電層／防眩層の３構成を必要とするディスプレイ用フィルターが、透明支持体／透明導電層／防眩層の２構成で得ることができ、且つ、ディスプレイの輝度・視認性を損なわない光学特性を有し、さらにまた、電磁波及び近赤外線を実用できるレベルまで抑制することができることを見出し、本発明に到った。

すなわち、本発明は、透明導電層の電極が、少なくとも一辺が防眩層で覆われ、さらにその上に導電物が積層され、かつ覆われていない導電層に形成された電極に接することを特徴とするディスプレイ用フィルター、透明導電層の電極が、少なくとも一辺が樹脂層で覆われ、さらにその上に導電物が積層され、かつ覆われていない導電層に形成された電極に接することを特徴とするディスプレイ用フィルターに関するものである。

本発明によれば、プラズマディスプレイの輝度、視認性を著しく損なわない光学特性を有し、且つ、プラズマディスプレイから発生する電磁波を遮蔽する電磁波シールド性能、及び、周辺電子機器の誤操作をまねく近赤外線を遮断する近赤外線カット能力を兼ね備え、さらにまた透過特性、耐候性・耐環境性、帯電防止性、耐擦傷性、防汚性に優れたディスプレイ用フィルターを、低コストに提供できる。

本発明のディスプレイ用フィルターは、透明支持体上に積層された導電層の少なくとも１辺が端部まで防眩層もしくは樹脂層にて覆われていることを特徴とするものである。

本発明における透明導電層は、単層または多層薄膜からなる透明導電膜又は、高分子フィルム上に形成した単層又は多層薄膜からなる透明導電層膜の１つ以上からなる。

この透明導電層上に防眩機能を有する層を直接塗布もしくは、高分子フィルム上に形成された防眩層を積そうする。さらに、この透明導電層上を覆う場合、電極形成のための４辺の内少なくとも１辺は防眩層もしくは透明樹脂で覆われている。

この上、防眩層で覆われた膜の上に導電物による電極形成を行い。透明導電層の覆われなかった端部に形成した電極と接触させることが好ましい。

以上のようにして電磁波遮蔽フィルターを作成することができる。

（実施の形態１）
次に、本発明を実施例により図面を用いて具体的に説明する。本発明はこれにより何ら制限されるものではない。図１は本発明のディスプレイ用フィルターの構成の一例を記すものである。

透明導電層１１を有する高分子フィルムと、防眩層１３を形成した高分子フィルムをロールトゥロールで貼り合わせる。このとき、防眩層１３を有する高分子フィルムは、幅を少し短くしておき、貼り合わせることで形成されるフィルムは、両端部の透明導電層１１がむき出しの状態になるようにする。

この貼り合わせた高分子フィルムを透明支持体１４に貼り合わせる。さらにむき出しの透明導電層１１上に導電テープ１２を貼り付け電極を形成する。また、透明導電層１１を覆った短辺側にも導電テープ１２を貼り付け、両端を他辺に形成した電極に接するよう貼り付ける。この積層したフィルターを用いて電磁波遮蔽の効果を測定した結果を図３に示す。

（実施の形態２）
図１において、透明導電層１１を有する高分子フィルム上に、ロール塗工機を用いて防眩層１３を形成する。このとき、防眩層１３は、幅を少し短くしておき、塗工することで形成されるフィルムは、両端部の透明導電層１１がむき出しの状態になるようにする。

この塗り合わせた高分子フィルムを透明支持体１４に貼り合わせる。さらにむき出しの透明導電層１１上に導電テープ１２を貼り付け、電極１２を形成する。また、透明導電層１１を覆った短辺側にも導電テープ１２を貼り付け、両端を他辺に形成した電極１２に接するよう貼り付ける。この積層したフィルターを用いて電磁波遮蔽の効果を測定した結果を図３に示す。

以上の如く、本発明によれば、プラズマディスプレイの輝度、視認性を著しく損なわない光学特性を有し、且つ、プラズマディスプレイから発生する、電磁波を遮蔽する電磁波シールド性能、及び、周辺電子機器の誤操作をまねく近赤外線を遮断する近赤外線カット能を兼ね備え、さらにまた透過特性、耐候性・耐環境性、帯電防止性、耐擦傷性、防汚性に優れたディスプレイ用フィルターを低コストに提供できる。

本発明のディスプレイ用フィルターは、ディスプレイの輝度・視認性を著しく損なわない光学特性を有し、またパネルから発生する電磁波シールド能力、及び、周辺電子機器の誤操作をまねく近赤外線を遮断する近赤外線カット能力を兼ね備えたものであり、プラズマディスプレイ用フィルターや、プラズマディスプレイを用いたテレビジョン受信機においも利用が可能である。

本発明の一実施例であるディスプレイ用フィルターを示した図従来のディスプレイ用フィルターの一例を示す図本発明の電磁波遮蔽の効果を記した図

符号の説明

１１透明導電層
１２電極
１３防眩層
１４透明支持体

Claims

透明支持体、透明導電層、防眩層が、直接又は粘着材を介して積層されてなり、可視光線透過率３０％以上であることを特徴とするディスプレイ用フィルター。
透明導電層の端部が、防眩層もしくは樹脂層で少なくとも１辺が覆われていることを特徴とする請求項１記載のディスプレイ用フィルター。
導電層を覆った辺上に導電物で積層し、形成された電極と接することを特徴とする請求項１記載のディスプレイ用フィルター。