JP2005337547A - 熱交換器 - Google Patents

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康令 岡本
Takayuki Setoguchi
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Abstract

【課題】 複数の中空の細管を備える熱交換器であって熱交換効率の高い熱交換器を提供する。
【解決手段】 熱交換器は、冷媒と空気との間で熱交換を行わせる熱交換器であって、複数の中空の細管50と、複数の細線部材60とを備えている。細管50は、冷媒を中に通すものであり、その外面が空気と接触する。細線部材60は、複数の細管50と交差しており、複数の細管50を一体化させる。そして、細線部材60は、金属あるいは炭素繊維から成っている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、熱交換器、特に、複数の中空の細管を備える熱交換器に関する。
従来、空気調和機においては、銅管、アルミのフィンなどを使ったフィンアンドチューブ型の金属製の熱交換器が広く利用されている。
このような熱交換器に代わるものとして、特許文献1に、複数の細径の中空糸を相互に織り込んで構成した編成体を有する熱交換器が開示されている。ここでは、編成体の中空糸の中に冷媒を流通させる一方、編成体の編み目に空気を通すようにして、冷媒と空気との間で熱交換を行わせる。
特開平3−67994号公報
特許文献1の編成体を有する熱交換器においては、比較的自由に編成体を屈曲させることができるため、空気調和機において広く用いられているフィンアンドチューブ型などの熱交換器に較べて設計の自由度が向上するなどの有利な効果がある。
しかし、特許文献1の熱交換器では、互いに直交する複数の細管同士を織り込んでシート状の編成体を構成しており、細管の中を通る冷媒の流れを確保するためには、編成体を鋭角に折り曲げるようなことは避けなければならない。
ここで、編成体を鋭角に折り曲げる必要がある場合には、細管と細管とを織り込むのではなく、内部に冷媒と通す細管と内部に冷媒を通さない細線部材とを織り込んで編成体を構成し、細線部材のほうを折り曲げることで編成体を屈曲させることが考えられる。
しかし、このように細管と細線部材とを織り込んで編成体を構成することにすると、細線と細線とが織り込まれた編成体に較べて熱交換効率が低下する恐れが高い。
本発明の課題は、複数の中空の細管を備える熱交換器であって熱交換効率の高い熱交換器を提供することにある。
第1発明に係る熱交換器は、第1熱媒体と第2熱媒体との間で熱交換を行わせる熱交換器であって、複数の中空の細管と、複数の細線部材とを備えている。細管は、第1熱媒体を中に通すものであり、その外面が第2熱媒体と接触する。細線部材は、複数の細管と交差しており、複数の細管を一体化させる。そして、細線部材は、金属あるいは炭素繊維から成っている。
ここでは、交差する細管と細線部材とを一体化させているため、細線部材を折り曲げることで熱交換器を例えば鋭角に屈曲させた場合にも、細管の中を流れる第1熱媒体の流れは基本的に阻害されない。
また、ここでは、複数の細管を一体化させる役割を担う細線部材として、金属あるいは炭素繊維から成るものを採用している。すなわち、伝熱特性の高い材料を、複数の細管を一体化させる細線部材に使っている。このため、これらの細線部材は、単に細管を一体化させる役割だけでなく、細管と第2熱媒体との熱交換を補助する伝熱部材としての役割を果たすことになる。細管と細管との間を流れる第2熱媒体は、それらの細管を結ぶ伝熱特性に優れた細線部材を介して、より多くの熱交換を細管と行うことになる。このように、ここでは、熱交換器の熱交換効率が高くなる。
第2発明に係る熱交換器は、第1発明の熱交換器であって、細線部材は、単線あるいは撚り線である。
ここでは、単線あるいは撚り線であるため、細線部材が細管と細管との間において両細管間の隙間を塞いでしまうことを容易に回避できる。また、熱交換器の厚みを薄くすることができる。
第3発明に係る熱交換器は、第1発明又は第2発明の熱交換器であって、細線部材の断面の最大幅が1mm以下である。
ここでは、熱交換器の厚みを薄くすることができる一方、このように細い細線部材であっても金属あるいは炭素繊維から成っているため、熱交換器の熱交換効率の向上に寄与することができる。
なお、細線部材の断面の最大幅とは、例えば、細線部材の断面が円形であるときには円の直径、細線部材の断面が楕円形であるときには楕円の長径である。
第4発明に係る熱交換器は、第1発明から第3発明のいずれかの熱交換器であって、細管と細線部材とが織り込まれている。
ここでは、細管と細線部材とを織り込むことで複数の細管を一体化させており、単に交差する細管と細線部材とを接着させたような構造に較べ、一体化が崩れる恐れが少ない。
また、織り込み方を工夫することによって、第2熱媒体を熱交換器に通すときに第2熱媒体の流れに適度な乱れを生じさせることができるようになり、第2熱媒体と細管との熱交換量を増大させることができる。
第5発明に係る熱交換器は、第1発明から第4発明のいずれかの熱交換器であって、細線部材は、断面が円形状であるときよりも外表面の面積が大きくなるように、断面が非円形状になっている。
ここでは、断面を非円形状にして細線部材の外表面の面積を大きくしているため、細管と第2熱媒体との熱交換を補助する伝熱部材としての細線部材の伝熱作用が向上する。
第6発明に係る熱交換器は、第1発明から第5発明のいずれかの熱交換器であって、細線部材は、細管との接触面積が大きくなるように断面が扁平形状となっている。
ここでは、細線部材の断面を扁平形状にして、細線部材と細管との接触面積を大きくしているので、細線部材が第2熱媒体との間で交換した熱が、細管に伝わりやすくなる。このため、第2熱媒体と細管との間の熱交換量が多くなる。
第7発明に係る熱交換器は、第4発明の熱交換器であって、細管は樹脂製である。そして、細管と細線部材とは、互いに接触した状態で熱処理が施され、互いに固着される。
ここでは、細管を樹脂製にして熱処理によって細管と細線部材とを固着させる方法を採っているため、細管と細線部材との一体性が増し、細管と細線部材との相対位置関係が変わって熱交換効率が低下するといった不具合が抑えられる。
第1発明に係る熱交換器では、細線部材を折り曲げることで熱交換器を例えば鋭角に屈曲させた場合にも、細管の中を流れる第1熱媒体の流れは基本的に阻害されない。また、細線部材は、単に細管を一体化させる役割だけでなく、細管と第2熱媒体との熱交換を補助する伝熱部材としての役割を果たすことになる。したがって、熱交換器の熱交換効率が高くなる。
第2発明に係る熱交換器では、細線部材が細管と細管との間において両細管間の隙間を塞いでしまうことを容易に回避できる。また、熱交換器の厚みを薄くすることができる。
第3発明に係る熱交換器では、熱交換器の厚みを薄くすることができる一方、このように細い細線部材であっても金属あるいは炭素繊維から成っているため熱交換器の熱交換効率の向上に寄与することができる。
第4発明に係る熱交換器では、細管と細線部材とを織り込むことで複数の細管を一体化させており、単に交差する細管と細線部材とを接着させたような構造に較べ、一体化が崩れる恐れが少ない。
第5発明に係る熱交換器では、断面を非円形状にして細線部材の外表面の面積を大きくしているため、細管と第2熱媒体との熱交換を補助する伝熱部材としての細線部材の伝熱作用が向上する。
第6発明に係る熱交換器では、細線部材が第2熱媒体との間で交換した熱が、細管に伝わりやすくなる。このため、第2熱媒体と細管との間の熱交換量が多くなる。
第7発明に係る熱交換器では、細管を樹脂製にして熱処理によって細管と細線部材とを固着させる方法を採っているため、細管と細線部材との一体性が増し、細管と細線部材との相対位置関係が変わって熱交換効率が低下するといった不具合が抑えられる。
<熱交換器を含む熱交換システムの概要>
本発明の一実施形態に係る熱交換器は、空気(第2熱媒体)の流路に配置され、その流路を流れる空気を冷やしたり暖めたりするために用いられるものである。図1に示すように、熱交換器10は、四方を壁91で囲まれた断面が長方形の流路90の中に配置されており、矢印A11で示すように上流側から流れてくる空気と熱交換を行う。熱交換器10と熱交換を行った空気は、矢印A19で示すように、下流側へと流れてゆき、空調対象空間などに供給される。矢印A11で示すように流れてくる空気は、建物の外部にある外気であってもよいし、建物の内部にある空気であってもよい。また、流路90内の空気の流れは、熱交換器10の下流側あるいは上流側に配置される送風機95などによって生成される。
また、熱交換器10は、流路90の外から冷媒入口管11によって冷媒(第1熱媒体)を取り入れ(図1の矢印A21参照)、冷媒出口管12によって流路90の外に冷媒を出す(図1の矢印A24参照)。空気を冷やすときには、低温・低圧の霧状の冷媒が冷媒入口管11から熱交換器10の中に入り、空気から熱を奪って気化したガス状の冷媒が冷媒出口管12から出ていく。一方、空気を暖めるときには、圧縮機などで高圧にされたガス状の冷媒が冷媒入口管11から熱交換器10の中に入り、空気に熱を放出して液化した液状の冷媒が冷媒出口管12から出ていく。
なお、熱交換器10は圧縮機、他の熱交換器、膨張機構、切替弁などとともに冷凍サイクルを構成しているが、このような冷凍サイクルについては公知のため説明を省略する。
<熱交換器の詳細構成>
次に、図2、図3、および図4(A)を参照して、熱交換器10の詳細構成について説明する。
熱交換器10は、主として、ヘッダー20と、中間部30と、6枚の熱交換シート(熱交換部)41〜46から成る熱交換シート群40とから構成されている。
ヘッダー20は、冷媒入口管11から入ってくる冷媒を熱交換シート41,42,43に分配する役割を果たす分配部21と、熱交換シート44,45,46から出てくる冷媒を集合させ冷媒出口管12へと流す役割を果たす集合部22とに分かれている。冷媒入口管11から分配部21に流れ込んだ冷媒は、熱交換シート41,42,43の後述する細管50の中を通り、中間部30に流れる。中間部30は、熱交換シート群40を挟んでヘッダー20と対向するように配置されており、各熱交換シート41〜46の細管50の下端と連通している。熱交換シート41,42,43の細管50から中間部30に流れ込んだ冷媒は、熱交換シート44,45,46の細管50の中を通ってヘッダー20の集合部22へと流れていき、集合部22から冷媒出口管12を通って冷凍サイクルの下流へと流れる。
熱交換シート群40の熱交換シート41〜46は、それぞれ同様の構造を有している。ここでは、熱交換シート46を例にとって説明を行う。
熱交換シート46は、ヘッダー20と中間部30とを結ぶ方向に延びる多数の細管50と、それらの細管50に略直交するように交差する多数の細線部材60とから構成されている。具体的には、多数の細管50と多数の細線部材60とが織り込まれ、屈曲性のある熱交換シート46が形成されている。図3(A)の部分拡大図および図3(B)の断面図に示すように、ここでは細管50と細線部材60とが交互に織り込まれている。
細管50は、外径0.5mm以下(ここでは0.3mm)の中空の管であり、長期耐熱性や耐食性に優れたスーパーエンプラ(スーパーエンジニアリングプラスチック)から成形されたものである。各細管50の上端がヘッダー20に下端が中間部30に連通している。また、隣り合う細管50同士の隙間は、平均して2mm以下(ここでは0.5〜1.0mm)にセットされる。
細線部材60は、細管50と同等の外径あるいはそれよりも小さな外径の中実の線状部材であり、伝熱特性の高い金属あるいは炭素繊維から形成されている。細線部材60の断面の最大幅は、0.5mm以下(ここでは、細管50の外径寸法である0.3mm以下)となっている。これらの細線部材60は、多数の細管50を縫うようにして、多数の細管50が所定のピッチで並ぶ状態を維持させる。すなわち、細線部材60は、多数の細管50を一体化させ、1つの熱交換シート46に仕上げている。また、隣り合う細線部材60同士の隙間は、0.5〜1.0mmにセットされている。
このような細管50および細線部材60が織り込まれることで、非常に薄い厚みを持つ熱交換シート41〜46が形成されている。また、熱交換シート41〜46は、細部において、図3(A)および図3(B)に示すように細管50と細線部材60とが交互に織り込まれるとともに、全体としては、図6に示すように、厚み方向に緩やかな凹凸ができるように織り込まれる。このような織り込みにより形成される凹凸があるため、熱交換シート41〜46を重ねたときにも隣り合うシート間に隙間が多く空くようになっており、重ねられた熱交換シート41〜46(熱交換シート群40)を空気が通り抜ける際に被る圧力損失が小さくなっている。具体的には、熱交換シート41〜46が重ねられて、ある熱交換シートの編み目を他の熱交換シートの細管50や細線部材60が平面的に塞ぐようになってしまった場合にも、シート間に厚み方向の隙間が存在するため、空気抵抗が少なくなっている。
このような各熱交換シート41〜46が、それぞれ複数回折り返されるとともに、空気の流れ方向に重ねられることによって、コンパクトな熱交換シート群40が形成される。図3(A)に示すように、各熱交換シート41〜46は、20°以下の鋭角に多数回折り返されており、それぞれ流路90の断面積の数倍の表面積を持つものになっている。
そして、熱交換シート41〜46の各部位は、空気の流れ方向(矢印A11,A19で示す向き)に対して傾斜を有するようになっている。このため、熱交換シート41を例にとって説明すると、図5に示すように、熱交換器10の上流側から矢印A11で示すように流れてきた空気は、その流れの向きを一旦熱交換シート41に直交する向きに変えて熱交換シート41の編み目を通過し、その後矢印A13で示すように下流側に流れていく。熱交換シート41の編み目を通過する際には、細かい編み目を通るため抵抗が大きいように感じるが、熱交換シート41の空気流れ方向(矢印A11等で示す向き)に対する傾斜があるため、熱交換シート41の単位面積当たりの通り抜け空気量はそれほど多くはなく、トータルとしての熱交換シート41による空気流れの圧力損失は小さくなっている。
また、各熱交換シート41〜46は、細管50ではなく細線部材60の部分で折り返されており、細管50の中を流れる冷媒は折り返しの影響を殆ど受けない。
このように多数折り返された熱交換シート41〜46は、隣接する熱交換シートが厚み方向に接し重なるように配置されている。具体的には、熱交換シート41〜46が、図3(A)および図4に示すように、自然と生じる隙間をあけて重ね合わされている。ここでいう自然と生じる隙間とは、上述の図6を使って説明した隙間である。図4においては、図6を使って説明した隙間を平均化して簡易的に隙間を図示している。
<熱交換器の特徴>
(1)
熱交換器10では、細管50を含む複数の熱交換シート41〜46が、厚み方向に重なるように配置されており、且つ、厚み方向と空気の流れ方向(矢印A11,A19で示す向き)とが傾斜を有するように折り曲げられて配置されている。すなわち、熱交換シート41〜46の表面が、図4(B)に示すように空気の流れ方向(矢印A11参照)に対して垂直な状態となっているのではなく、空気の流れ方向に垂直な面に対して傾いている。このため、図4(A)に示す6枚の熱交換シート41〜46から成る熱交換シート群40は、空気の流れ方向に垂直な面に複数の熱交換シートを平行に並べた熱交換シート群100(図4(B)参照)に較べ、伝熱面積を大きく確保しつつ、空気が熱交換シート群40を通り抜ける際の圧力損失を小さく抑えることができるようになっている。
熱交換シート41を例にとってもう少し詳細に説明する。上述したように、熱交換器10の上流側から矢印A11で示すように流れてきた空気は、図5に示すように、その流れの向きを一旦熱交換シート41に直交する向きに変えて熱交換シート41の編み目を通過し、その後矢印A13で示すように下流側に流れていく。熱交換シート41の編み目を通過する際には、細かい編み目を通るため抵抗が大きいように感じるが、熱交換シート41の空気流れ方向(矢印A11等で示す向き)に対する傾斜があるため、熱交換シート41の単位面積当たりの通り抜け空気量はそれほど多くはなく、トータルとして熱交換シート41による空気流れの圧力損失は小さくなる。具体的には、熱交換シートの面積を増やすために図4(B)に示すように空気流れの方向に垂直な面に複数枚の熱交換シートを並べる場合と、熱交換シートの折り曲げを利用して熱交換シートの面積を増やした図4(A)に示す構造を採る場合とを、同等の熱交換量を確保できるもので比較すると、図4(A)の構造の後者の場合の圧力損失が図4(B)の構造の前者の場合の圧力損失の約10分の1になる。この比較は、図4(A)の構造の場合には図5に示すように空気の流れの急激な減速と加速とが存在することによる圧力損失が生じることも考慮に入れたものである。
このように、ここでは、複数枚の熱交換シート41〜46を使って伝熱面積を大きく確保しつつ、空気が熱交換シート群40を通り抜ける際の圧力損失を小さく抑えることができる熱交換器10が実現されている。
(2)
熱交換器10では、各熱交換シート41〜46の細管50の外径を0.3mmと0.5mm以下まで小さくしているため、各熱交換シート41〜46の高い屈曲性を維持することができている。また、各熱交換シート41〜46において隣接する細管50同士の隙間を2mm以下まで小さくしているため、殆ど熱交換を行わずに熱交換シート41〜46を通り抜けていってしまう空気の量を小さく抑えることができている。
(3)
熱交換器10では、各熱交換シート41〜46を複数回折り返すことによって熱交換シート41〜46の各部位が空気の流れ方向に対して傾斜を持つようにしている。これにより、流路90全体を熱交換シート41〜46でカバーしつつ、空気の流れ方向と熱交換シート41〜46の厚み方向とが傾斜を持つようにすることが容易に実現できている。
また、複数の折り目がつくように熱交換シート41〜46が複数回折り込まれているため、単に熱交換シートを空気の流れ方向に垂直な面に対して少し傾けたような構造に較べ、伝熱面積を大幅に拡大させることができている。特に、ここでは、細線部材60の部分でかなり鋭角に熱交換シート41〜46を折り曲げているため、各熱交換シート41〜46の面積が流路90の断面積の十数倍に達しており、熱交換器10の熱交換量も飛躍的に大きくなっている。
(4)
熱交換器10の各熱交換シート41〜46では、細管50ではなく細線部材60を折り曲げているため、細管50には折り曲げ部分が存在せず、細管50の外径が0.3mmと非常に小さいにもかかわらず、細管50の中を通る冷媒の流れが阻害されることが殆どなくなっている。特に、熱交換シート41〜46は鋭角に折り曲げられているが、細管50が折り曲げられているわけではなく、細管50の中の冷媒の流れに悪影響は殆どない。
また、熱交換器10では、多数の細管50を一体化させる役割を担う細線部材60として、金属あるいは炭素繊維から成るものを採用している。すなわち、伝熱特性の高い材料を、多数の細管50を一体化させる細線部材60に使っている。このため、これらの細線部材60は、単に細管50を一体化させる役割だけでなく、細管50と空気との熱交換を補助する伝熱部材としての役割を果たすことになる。細管50と細管50との間を流れる空気は、それらの細管50を結ぶ伝熱特性に優れた細線部材60を介して、より多くの熱交換を細管50と行うことになる。このように、熱交換器10では、熱交換効率が非常に高くなっている。
(5)
熱交換器10の各熱交換シート41〜46は、細部において、図3(A)および図3(B)に示すように細管50と細線部材60とが交互に織り込まれるとともに、全体としては、図6に示すように、厚み方向に緩やかな凹凸ができるように織り込まれている。このような織り込みにより形成される全体としての凹凸があるため、熱交換シート41〜46は、それぞれ、その全体としての厚みが、他の熱交換シートと重ね合わされたときにも空気が厚み方向に通り抜けられるようなものになっている。
これにより、熱交換シート41〜46が重なったときに、ある熱交換シートの編み目を他の熱交換シートの細管50や細線部材60が平面的に塞ぐようになった場合にも、シート間の厚み方向の隙間を介して空気が通り抜ける。すなわち、重ね合わせる熱交換シート41〜46の間に自然と隙間ができるように各熱交換シート41〜46が織り込むことにより、熱交換器10による圧力損失が予想外に大きくなってしまうことを抑えている。
なお、熱交換器10では、細管50と細線部材60との織り込み方を工夫することで全体として凹凸のある波立った熱交換シート41〜46を成形して、重ね合わせたときの熱交換シート間の隙間を確保しているが、スペーサーを熱交換シートの間に挟んでより確実に隙間を形成させてもよい。また、波立たない平面状の熱交換シートにスペーサーを固着させることで熱交換シート間の隙間を確保するようにしてもよい。
(6)
熱交換器10では、細管50と細線部材60とを織り込むことで多数の細管50を一体化させており、単に交差する細管50と細線部材60とを接着させたような構造に較べ、一体化が崩れる恐れが少ない。
また、細管50と細線部材60とを図3(A)および図3(B)に示すように織り込んでいるため、空気を熱交換器10に通すときに空気の流れに適度な乱れが生じる。この乱れにより、空気と細管50との熱交換量が更に増大するようになっている。
<第1変形例>
上記実施形態では、各熱交換シート41〜46を複数回折り返して空気の流れ方向に重ね合わせることで熱交換シート群40を構成しているが、熱交換器10において、熱交換シート群40に変えて、図7に示す熱交換シート群110を採用することも可能である。
熱交換シート群110は、上述の熱交換シート41〜46と同様の構成であって折り返されていない複数の熱交換シートから構成される。これらの熱交換シートは、図7に示すように、その厚み方向が空気の流れ方向(矢印A11参照)に対して傾斜している、また、熱交換シート群110では、空気の流れ方向に直交する方向に複数の熱交換シートが互いに隙間を開けて並べられている。
熱交換シート群40に代えて熱交換シート群110を採用した熱交換器では、熱交換器の上流側と下流側とを熱交換シートを介さずに連通させる通路が熱交換シート間に存在するようになるため、その通路を通って何れの熱交換シートの細管50の間も通らずに熱交換器の上流側から下流側へと流れていってしまう空気が存在するようになる。しかし、熱交換シート間の隙間をある程度小さくするとともに熱交換シートに空気の流れ方向に対する傾斜を持たせているため、図7に示す熱交換シート群110を採用した熱交換器においても所定の熱交換量を確保することができている。
<第2変形例>
上記第1変形例をさらに発展させた熱交換器として、図8に示す第1熱交換シート群121および第2熱交換シート群122から成る熱交換シート群120を上述の熱交換シート群40に代えて採用するものが考えられる。
ここでは、上述の熱交換シート群110と同様の構成を持つ第1熱交換シート群121および第2熱交換シート群122を空気の流れ方向(矢印A11参照)に並べて少し隙間を空けて配置している。そして、第1熱交換シート群121における各熱交換シートの空気の流れ方向に対する傾斜と、第2熱交換シート群122における各熱交換シートの空気の流れ方向に対する傾斜とを、異なった傾斜に設定している。このように、第1熱交換シート群121と第2熱交換シート群122とで熱交換シートの傾斜が異なるため、これらの熱交換シート群121,122を通り抜ける空気が各所で複雑な乱れを起こし、細管50との熱交換量が増えるようになる。
なお、この熱交換器では、各熱交換シート群121,122における熱交換シートの傾斜を変えることによって、熱交換器における空気の圧力損失量を変更したり熱交換量を調整したりすることが可能である。
<第3変形例>
上記第1変形例の一形態として、複数の熱交換シートの厚み方向を空気の流れ方向(矢印A11参照)に対して90°傾斜させた熱交換シート群130を上述の熱交換シート群40に代えて採用する熱交換器が挙げられる。
ここでは、各熱交換シートの表面が、空気の流れ方向に沿う形になる。したがって、熱交換シート同士の間に隙間が存在する構成において、その隙間においては空気の流れを阻害するものがなくなり、熱交換器の上流側から下流側へと流れる空気の流れの圧力損失を小さくし易くなる。一方、熱交換シート群130において熱交換をしないまま下流側に流れていってしまう空気が多くなりやすくなるが、熱交換シート間の隙間の寸法や熱交換シートの面積を適当な値に調整してやることによって、熱交換器における空気の流れの圧力損失を小さく抑えつつ熱交換器における熱交換量を所定量だけ確保することが可能となっている。
<第4変形例>
上記実施形態では、金属あるいは炭素繊維から形成される中実の円柱状の細線部材60を細管50と織り込んで熱交換シート41〜46を作っているが、このような細線部材60に代えて、図10に示す細線部材62を用いてもよい。
細線部材60の断面が円形だったのに対し、細線部材62の断面は扁平形状になっており、楕円に近い形状である。そして、断面が扁平形状になっていることにより、細線部材62は、細管50との接触面積が大きくなっている。細線部材62の断面の最大幅Wは、細管50の外径寸法である0.3mm程度に設定されている。
このように、細線部材62の細管50との接触面積が大きくなっているため、細線部材62が空気との間で交換した熱が、細管50に伝わりやすくなる。このため、空気と細管50内の冷媒との間の熱交換量が多くなる。
<第5変形例>
上記実施形態では、金属あるいは炭素繊維から形成される中実の単線の細線部材60を細管50と織り込んで熱交換シート41〜46を作っているが、このような細線部材60に代えて、図11に示す撚り線の細線部材63を用いてもよい。
細線部材60が単線であったのに対し、細線部材63は、複数本の金属製の単線63aを撚り合わせたものである(図11(A)では詳細図示省略。図11(B)を参照)。このため、細線部材63は、強度的な安定性が向上していることに加え、空気流れの局所的な乱れを生じさせる役割を果たし、熱交換器の熱交換効率の向上に寄与する。
<第6変形例>
上記実施形態では、金属あるいは炭素繊維から形成される中実の細線部材60を細管50と織り込んで熱交換シート41〜46を作っているが、このような細線部材60に代えて、図12に示す細線部材64を用いてもよい。
細線部材64は、細線部材60のように断面が円形状であるときよりも外表面の面積が大きくなるように、断面が非円形状になっている。具体的には、図12に示すように、微粒物64aが細線部材64の周りに固着させられて一体化されており、断面を見たときに円形の周りに小さな突起が多数付着したように見える(図12(B)参照)。
このように、細線部材64では微粒物64aの固着により断面が非円形状となっており、細線部材64の外表面の面積が大きくなっているため、細管50と空気との熱交換を補助する伝熱部材としての細線部材64の作用が向上している。また、微粒物64aの存在により、空気流れの局所的な乱れが生じ、熱交換器の熱交換効率が向上する。
<第7変形例>
上記実施形態では、細線部材60を細管50と織り込んで熱交換シート41〜46を作っているが、細線部材60に代えて、細管50と接触するものの細管50に織り込まない細線部材65によって熱交換シートを形成することも可能である。
図13に示すように、細線部材65は、細管50と直交するとともに各細管50と接触しているが、細管50には織り込まれていない。これらの細線部材65は、金属あるいは炭素繊維から形成されるものであり、接着剤によって細管50に固着されるか、あるいは熱処理によって細管50に固着される。
熱処理によって細管50に細線部材65を固着する場合には、樹脂製の細管50の表面を一部溶解させて、その後の冷却により細管50と細線部材65とを固着させる。
<第8変形例>
上記実施形態では、細線部材60と細管50とを織り込むことで熱交換シート41〜46を作っているが、細管50の配設ピッチなどが崩れないように、さらに熱交換シート41〜46に熱処理を施してもよい。このように熱処理を施し、細管50と細線部材60との一体性を増せば、細管50同士や細管50と細線部材60との相対位置関係が変わって熱交換効率が低下してしまうという事態が回避できるようになる。
<第9変形例>
上記の熱交換器10は、空気の流路90に配置され、その流路90を流れる空気を冷やしたり暖めたりするために用いられているが、対象となる流体は空気だけに限られるものではない。また、流路についても、上記の流路90のようなものに限られない。例えば、本発明に係る熱交換器を空気調和装置の室内機や室外機における熱交換器として用いることも可能である。
<第10変形例>
上記の熱交換器10では、6枚の熱交換シート41〜46を重ねているが、要求される熱交換量を得ることができる場合には、1枚の熱交換シートだけしか使わない熱交換器としてもよい。例えば、空気調和装置の室内機において熱交換器の配置スペースが大きくとれないような場合に、主として1枚の熱交換シートから構成される熱交換器が有効となる。この場合にも、多数の細管50を一体化させる役割を担う細線部材60として、金属あるいは炭素繊維から成るものを採用することにより、熱交換器の熱交換効率を高くすることが可能である。
本発明に係る熱交換器は、細線部材を折り曲げることで熱交換器を例えば鋭角に屈曲させた場合にも、細管の中を流れる第1熱媒体の流れは基本的に阻害されず、また、細線部材が、単に細管を一体化させる役割だけでなく、細管と第2熱媒体との熱交換を補助する伝熱部材としての役割を果たすことになるため、熱交換効率が高くなる。このように、本発明に係る熱交換器は、空調機器や冷凍機器において用いる熱交換器として有用である。
本発明の一実施形態に係る熱交換器を熱交換の対象流体である空気の流路内に配置した図。 熱交換器の概略斜視図。 熱交換器の熱交換シートの部分を抽出した図。(A)は、斜視図と一部拡大図。(B)は、図3(A)のB矢視の断面図。 (A)・・・図1のIV-IV矢視断面図。(B)・・・図4(A)に相当する比較構造の断面図。 熱交換シートを通過する際の空気の詳細な流れを示す図。 熱交換シートの詳細な重なり具合を示す図。 第1変形例に係る熱交換器の図4(A)に相当する断面図。 第2変形例に係る熱交換器の図4(A)に相当する断面図。 第3変形例に係る熱交換器の図4(A)に相当する断面図。 (A)・・・第4変形例の熱交換シートの一部拡大図。(B)・・・図10(A)のB−B矢視断面図。 (A)・・・第5変形例の熱交換シートの一部拡大図。(B)・・・図11(A)のB−B矢視断面図。 (A)・・・第6変形例の熱交換シートの一部拡大図。(B)・・・図12(A)のB−B矢視断面図。 (A)・・・第7変形例の熱交換シートの一部拡大図。(B)・・・図13(A)のB−B矢視断面図。
符号の説明
10 熱交換器
40 熱交換シート群
41〜46 熱交換シート
50 細管
60,62,63,64,65 細線部材
90 流路

Claims (7)

  1. 第1熱媒体と第2熱媒体との間で熱交換を行わせる熱交換器(10)であって、
    前記第1熱媒体を中に通し、外面が前記第2熱媒体と接触する、複数の中空の細管(50)と、
    前記複数の細管と交差し、前記複数の細管を一体化させる、複数の細線部材(60,62,63,64,65)と、
    を備え、
    前記細線部材が、金属あるいは炭素繊維から成る、
    熱交換器。
  2. 前記細線部材は、単線あるいは撚り線である、
    請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記細線部材は、その断面の最大幅が1mm以下である、
    請求項1又は2に記載の熱交換器。
  4. 前記細管と前記細線部材とが織り込まれている、
    請求項1から3のいずれかに記載の熱交換器。
  5. 前記細線部材(64)は、断面が円形状であるときよりも外表面の面積が大きくなるように、断面が非円形状になっている、
    請求項1から4のいずれかに記載の熱交換器。
  6. 前記細線部材(62)は、前記細管との接触面積が大きくなるように断面が扁平形状となっている、
    請求項1から5のいずれかに記載の熱交換器。
  7. 前記細管は、樹脂製であり、
    前記細管と前記細線部材とは、互いに接触した状態で熱処理が施され、互いに固着される、
    請求項4に記載の熱交換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019181481A1 (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 信越ポリマー株式会社 放熱構造体およびそれを装着したバッテリー

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