JP2005337368A - トリポード型等速自在継手用玉軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 外輪、内輪、複数個のボール及び保持器を備えたトリポード型等速自在継手用玉軸受において、ラジアル荷重に対する軸受負荷容量を高めるために、内輪及び外輪間に配設するボールの個数を増やしてボールの間隔が狭くなっても組付け可能な保持器を備えたトリポード型等速自在継手用玉軸受を提供すること。
【解決手段】 保持器9をボール6間に介在させる複数個のスペーサ部材9aで構成し、複数個のスペーサ部材9aのうち少なくともひとつを弾性材で構成する。弾性材からなるスペーサ部材9aは、軸受周方向に弾性的に拡縮させてボール6間の狭い隙間に組付ける。
【選択図】図2
【解決手段】 保持器9をボール6間に介在させる複数個のスペーサ部材9aで構成し、複数個のスペーサ部材9aのうち少なくともひとつを弾性材で構成する。弾性材からなるスペーサ部材9aは、軸受周方向に弾性的に拡縮させてボール6間の狭い隙間に組付ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、トリポード型等速自在継手用玉軸受に関するものである。
図7(A)乃至(C)を参照してトリポード型等速自在継手の一例について説明する。図7(A)において、符号10は外方継手部材で、内周面に軸線方向に延びる三本のトラック溝12を形成してある。各トラック溝12には、一対のローラ案内面14を外方継手部材10の周方向両側に形成してある。一対のローラ案内面14は、外方継手部材10の軸線と平行な凹曲面(部分円筒面)である。符号20はトリポード部材で、半径方向に三本の脚軸22を突設してある。各脚軸22には、トリポード型等速自在継手用玉軸受30を外嵌してある。
従来のトリポード型等速自在継手用玉軸受30は、外方継手部材10の一対のローラ案内面14の相互間に回転自在に挿入される外輪32と、トリポード部材20の脚軸22に外嵌される内輪34との間に、多数個のボール36を総ボール状態(図7(B)参照)で複列配設したものである(例えば特許文献1参照)。外輪32は、二分割構造になっており、入れ溝を設けることなく多数個のボール36を外輪32及び内輪34間に配設することが可能になっている。内輪34は、図7(B)に示すように、円環状に形成されており、断面楕円形状に形成された脚軸22に対して首振り・摺動自在に外嵌してある。
上記のトリポード型等速自在継手は、図7(C)に示すように、外方継手部材10及びトリポード部材20間に相対的変位(作動角θ)を付けた状態でトルクの伝達を可能にしたものである。そして、外方継手部材10及びトリポード部材20のいずれか一方にトルクを付与すると、各トリポード型等速自在継手用玉軸受30は、外輪32を回転させつつトラック溝12に沿って外方継手部材10の軸線方向に往復動する。トリポード型等速自在継手は、自動車や産業機械などにおいて、二軸間のトルク伝達に使用されることが多く、また、外方継手部材10及びトリポード部材20間におけるトルク伝達がトリポード型等速自在継手用玉軸受30を介して行なわれるので、当該トルクの伝達時にトリポード型等速自在継手用玉軸受30に対して大きなラジアル荷重が負荷される。このため、トリポード型等速自在継手用玉軸受30は、ラジアル荷重に対する軸受負荷容量を高めておく必要がある。
従来のトリポード型等速自在継手用玉軸受30は、図7(A)(B)に示すように、外輪32及び内輪34の相互間に、多数個のボール36を総ボール状態で複列配設して、外輪32及び内輪34とボール36との接点を多くしているので、外輪32及び内輪34に負荷される荷重とボール36の1個当りに負荷される荷重とが軽減され、ラジアル荷重に対する軸受負荷容量が高くなっている。
その一方で、従来のトリポード型等速自在継手用玉軸受30は、多数個のボール36を総ボール状態で配設してあるために、ボール36の成形精度によってはボール36同士の接触状態が不安定になり、外輪32の回転が抑制される。このため、外方継手部材10の案内面14と外輪32との間に作用する摩擦力が増大して、外方継手部材10及びトリポード部材20間でのトルク伝達に支障を来たすおそれがある。
他方、図8(A)(B)に示す標準玉軸受1’は、外輪2及び内輪4間に一列に配設した複数個(例えば8個)のボール6を保持器8によって軸受周方向所定位置に保持したものであり、ボール6同士が干渉しないようになっている。なお、図8(A)(B)に示す標準玉軸受1’は、外輪2、内輪4及びボール6が所定の規格で成形された汎用性の高いものであって、図7(A)乃至(C)に示す従来のトリポード型等速自在継手用玉軸受30に代えて外方継手部材10及びトリポード部材20に組付け可能なサイズのものである。
しかし、図8(A)(B)に示す標準玉軸受1’は、トリポード型等速自在継手に使用すると、外輪2及び内輪4とボール6との接点が少ないために、外輪2及び内輪4とボール6との間に過大なラジアル荷重が負荷された場合、軸受負荷容量が不足する。したがって、標準玉軸受1’をトリポード型等速自在継手に使用するためには、ラジアル荷重に対する軸受負荷容量を高める必要がある。
標準玉軸受1’の軸受負荷容量を高める手段としては、所望の軸受負荷容量が得られるように、外輪2及び内輪4を厚肉に形成すること(例えば特許文献2参照)や、上記のトリポード型等速自在継手用玉軸受30と同様に、ボール6の個数を増やすことが挙げられる。
外輪2及び内輪4を厚肉に形成する場合は、軸受負荷容量(特に圧壊強度)が高められる反面、外輪2、内輪4、ボール6及び保持器8などの軸受構成要素の設計変更や製造ラインの設定変更に時間と手間を要し、また、各軸受構成要素の汎用性が低下することから、却って生産コストが嵩む。
一方、ボール6の個数を増やす場合は、外輪2及び内輪4に入れ溝を形成するだけでよく、他の設計変更が不要であるからコスト的に有利で、外輪2、内輪4及びボール6の汎用性も維持される。しかし、標準玉軸受1’は、ボール6の個数を増やすと、ボール6の間隔が狭くなるために、保持器8の組付けが困難になる。
図8(A)(B)に示す保持器8は、いわゆる波形保持器である(例えば特許文献3参照)。波形保持器8は、軸受軸線方向両側から嵌め込んだ一対の波形環状部材8aを連結固定したものである。各波形環状部材8aは、図9に示すように、ボール6を保持するための複数のポケット部8bを有し、ポケット部8bの相互間にピン孔8cを形成してある。そして、一対の波形環状部材8aは、ピン孔8cに挿入したリベット8dの先端を加締めることで連結固定される。しかし、波形保持器8は、ボール6の個数増加に伴ってポケット部8bの間隔を狭くすると、リベット8dを加締めるためのスペースがとれず、標準玉軸受1’に組付けることが困難になる。
また、保持器としては、図10に示すような冠形保持器8’もある(例えば特許文献3,4参照)。冠形保持器8’は、環状に形成された保持器本体8a’の片側面に対向する一対の爪8b’を周方向に等間隔に設けたものであり、一対の爪8b’の相互間にボール6を保持するためのボールポケット8c’が形成されている。冠形保持器は、一対の爪8b’を弾性的に拡開させてボール6に被せ付けるものであるが、ボール6の個数増加に伴ってボールポケット8c’相互の間隔を狭くすると、一対の爪8b’を拡開させるためのスペースがとれないため、また、一対の爪8b’の剛性が高くなるために、標準玉軸受1’に組付けることが困難になる。なお、一対の爪8b’の肉厚を削って一対の爪8b’の拡開スペースを確保することも考えられるが、一対の爪8b’の強度が不足するので実用化は困難である。
本発明は、斯かる実情に鑑み創案されたものであって、その目的は、ラジアル荷重に対する軸受負荷容量を高めるために、内輪及び外輪間に配設するボールの個数を増やしてボールの間隔が狭くなってもボール間に保持器を組付け可能にしたトリポード型等速自在継手用玉軸受を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、トリポード型等速自在継手の外方継手部材の内周面に軸線方向に形成されたトラック溝に挿入される外輪と、トリポード型等速自在継手のトリポード部材の半径方向に突設された脚軸に外嵌される内輪と、外輪及び内輪間に介在させた複数個のボールと、複数個のボールを外輪及び内輪の周方向に所定の間隔を隔てて保持する保持器とを備えたトリポード型等速自在継手用玉軸受であって、保持器がボール間に介在させる複数個のスペーサ部材からなり、複数個のスペーサ部材のうち少なくともひとつを弾性材で構成すると共に、当該弾性材からなるスペーサ部材を軸受周方向に弾性的に拡縮自在に構成したことを特徴としている。
上記の玉軸受は、保持器がボール間に介在させる複数個のスペーサ部材からなり、複数個のスペーサ部材のうち少なくともひとつを弾性材で構成してあるので、弾性材からなるスペーサ部材を軸受周方向に圧縮することでボールの間隔が狭くても嵌め込むことができる。なお、複数個のスペーサ部材は、全て弾性材で構成しても構わないが、複数個のうち少なくともひとつを弾性材で構成してあればよく、他のスペーサ部材については高剛性材で構成することもできる。また、上記の弾性材は、弾性金属材(例えばバネ鋼)又はエラストマー(例えば熱可塑性ポリエステルエラストマー)など、弾性変形が容易でかつ十分な復元性を有する材料が好ましい。
また、本発明は、上記目的を達成するため、トリポード型等速自在継手の外方継手部材の内周面に軸線方向に形成されたトラック溝に挿入される外輪と、トリポード型等速自在継手のトリポード部材の半径方向に突設された脚軸に外嵌される内輪と、外輪及び内輪間に介在させた複数個のボールと、複数個のボールを外輪及び内輪の周方向に所定の間隔を隔てて保持する保持器とを備えたトリポード型等速自在継手用玉軸受であって、保持器が熱硬化性樹脂材で構成され、熱硬化性樹脂材を複数のボールの相互間に充填すると共に当該熱硬化性樹脂材を熱硬化させて保持器を構成したことを特徴としている。
上記の玉軸受は、ボール間に充填された熱硬化性樹脂材を熱硬化させて保持器を構成してあるので、ボール相互の間隔が狭くても、保持器の組付けが可能である。なお、上記の熱硬化性樹脂材は、ボールの回転に伴う摩擦力を低減させるために、固形潤滑材を使用することが好ましい。
本発明に係るトリポード型等速自在継手用玉軸受は、上記の如く、複数個のスペーサ部材のうち少なくともひとつを弾性材で構成してなる保持器、又は熱硬化性樹脂材からなる保持器を備えているので、内輪及び外輪間に介在させるボールの個数を増やしてボール相互の間隔を狭めても、保持器をボール間に組付けることができる。内輪及び外輪間に介在させるボールの個数を増やすと、内輪及び外輪とボールとの間に負荷される荷重が軽減され、ラジアル荷重に対する軸受負荷容量が高められる。さらに、保持器によってボール間に所望の間隔を設けてあるから、ボール同士が干渉せず内輪又は外輪をスムーズに回転させることができる。このように、ラジアル荷重に対する軸受負荷容量を高めると共にボール同士の干渉を防止することで、トリポード型等速自在継手のローラアセンブリに好適な玉軸受を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1(A)(B)は、本発明に係るトリポード型等速自在継手用玉軸受(以下、玉軸受1と略す。)の第1実施形態を示す断面図である。第1実施形態に係る玉軸受1は、図1(A)(B)に示すように、外方継手部材10の一対のローラ案内面14の相互間に回転自在に挿入される外輪2と、トリポード部材20の脚軸22に外嵌される内輪4と、外輪2のボール溝2a及び内輪4のボール溝4aの間に一列に配設した複数個(例えば12個)のボール6と、複数個のボール6を軸受周方向に所定の間隔を隔てて保持する保持器9とを主要な構成要素としている。すなわち、第1実施形態に係る玉軸受1は、図8(A)(B)に示す標準玉軸受1’よりも多くのボール6を配設してボール6の間隔が狭くなっており、かかるボール6間の狭い隙間に組付け可能な保持器9を備えている点が標準玉軸受1’との主たる相違点になっている。なお、外輪2、内輪4及びボール6は、外形寸法(内外径や幅など)が標準玉軸受1’のものと同じであるが、標準玉軸受1’よりも多くのボール6を配設するために外輪2及び内輪4に図示外の入れ溝を設けてある点で標準玉軸受1’のものと相違している。以下、標準玉軸受1’との主たる相違点である保持器9を中心にして第1実施形態に係る玉軸受1について説明する。
保持器9は、図1(B)に示すように、ボール6の相互間に介在させる複数個のスペーサ部材9aからなっている。各スペーサ部材9aは、例えばバネ鋼などの弾性金属材で構成され、軸受周方向に弾性的に圧縮可能でかつ十分な復元性が得られるように、図2(A)の如く横断面形状が略コ字形状に形成されている。そして、各スペーサ部材9aは、同図(B)の如く先端部9a1,9a1を近接させて断面楔形状に弾性変形可能になっている。各スペーサ部材9aの先端部9a1,9a1の内面側には、テーパー部9a2,9a2を形成してあり、先端部9a1,9a1同士を接触させたときの厚みが薄くなるようにしてある。各スペーサ部材9aの両端面(ボール6との接触面)には、凹状(例えば擂鉢状)に形成されたボール承部9a3,9a3を設けてある。ボール承部9a3,9a3は、外周縁部でボール6と接触するようになっている。
上記の保持器9は、図2(B)に示すように、スペーサ部材9aを軸受周方向に圧縮して断面楔形状に弾性変形させた状態で図の破線で示すようにボール6の相互間に嵌め込むと共に、図2(A)のようにスペーサ部材9aを元の形状(断面コ字形状)に復元させてボール6の相互間に所望の間隔を維持するようになっている。
第1実施形態に係る玉軸受1は、保持器9を構成する複数個のスペーサ部材9aが弾性変形可能に構成されているので、図1(B)の如くボール6の個数(例えば12個)を標準玉軸受1’より多くしてボール6の間隔が狭くなっても、ボール6間にスペーサ部材9aを弾性変形させて嵌め込んで保持器9を組付けることが可能になる。図1(B)のように、ボール6の個数を増やすと、外輪2及び内輪4とボール6との接点が増えて外輪2及び内輪4とボール6との間に負荷される荷重が軽減され、ラジアル荷重に対する軸受負荷容量が高められる。さらに、保持器9によってボール6間に所望の間隔を維持してあるから、ボール6同士が干渉せず外輪2をスムーズに回転させることができる。軸受負荷容量を高めると共にボール6同士の干渉を防止することで、トリポード型等速自在継手のローラアセンブリに好適な玉軸受1が得られる。
また、第1実施形態に係る玉軸受1は、外輪2、内輪4及びボール6の外形寸法を標準玉軸受1’に使用するものと変えていないから、既存の製造設備に大きな変更を加えることなく製造することができ、軸受負荷容量の向上に要するコストが嵩まない。
次に、図3を参照しつつ本発明に係るトリポード型等速自在継手用玉軸受の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係るトリポード型等速自在継手用玉軸受1は、保持器9を構成する複数個のスペーサ部材9aが熱可塑性ポリエステルエラストマー(例えば商標名「ハイトレル」東レ・デュポン株式会社製)からなっている点で、第1実施形態と相違している。なお、他の構成要素(外輪2等)については第1実施形態と同じあるから説明を省略する。
この実施形態における保持器9は、各スペーサ部材9aが、強度、耐久性、耐熱性、耐油・耐薬品性、成形加工性、消音性、耐衝撃性、反発弾性、低温特性、屈曲疲労性など、多くの点で優れた弾性材である熱可塑性ポリエステルエラストマーからなっている。各スペーサ部材9aは、図3(A)(B)の如く円柱体状に形成され、同図(C)の如く軸受周方向(円柱体の軸線方向)に弾性的に圧縮可能になっている。各スペーサ部材9aは、両端部が軸受中心Oに向かってテーパー状に狭窄しており、断面形状が略台形状になっている。各スペーサ部材9aの両端部に形成されたボール承部9a3は、奥面部の中心O1がスペーサ部材9aの軸線位置O2から軸受中心O側へ偏心しており、奥面部の中心O1と外周縁部とでボール6に接触するようになっている。
上記の保持器9は、図3(C)に示すように、スペーサ部材9aを軸受周方向に弾性的に圧縮した状態でボール6の相互間に嵌め込むと共に、同図(A)のように、スペーサ部材9aを元の形状に復元させてボール6の相互間に所望の間隔を維持するようになっている。
次に、図4を参照しつつ本発明に係るトリポード型等速自在継手用玉軸受の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る玉軸受1は、保持器9が熱硬化性樹脂製の固形潤滑材(例えば商標名「ポリルーブ」NTN株式会社製)からなっている点で、第1及び第2実施形態と相違している。なお、他の構成要素(外輪2等)については第1及び第2実施形態と同じあるから説明を省略する。
この実施形態における保持器9は、図4(A)(B)の如く、外輪2及び内輪4間に複数個のボール6を介在させると共にボール6間に所望の間隔を維持しつつ、軸受内部の隙間に軟化状態の固形潤滑材を充填し、当該固形潤滑材を熱硬化させたものである。
第3実施形態に係る玉軸受1は、保持器9を熱硬化性樹脂製の固形潤滑材で構成してあるので、第1及び第2実施形態に係る玉軸受1よりもボール6の間隔が狭くても保持器9の組付けが可能である。また、保持器9を固形潤滑材で構成することで、軸受内部に潤滑剤(グリース)を充填する必要がない。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は上記第1乃至第3実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば第1及び第2実施形態では、保持器9が弾性材からなる複数個のスペーサ部材9aからなっているが、図5のように、複数個のスペーサ部材9a,9bのうち、少なくともひとつのスペーサ部材9aが弾性材からなっていればよく、他のスペーサ部材9bは、高剛性材で構成しても構わない。このように、弾性材からなるスペーサ部材9aを除く他のスペーサ部材9bを高剛性材で構成すると、高剛性材からなるスペーサ部材9bが弾性変形しないのでボール6の間隔を維持し易くなり、また、保持器9の強度を向上させることもできる。なお、高剛性材からなるスペーサ部材9bの形状は、例えば図3(A)に示す熱可塑性ポリエステルエラストマーからなるスペーサ部材9aと同じ形状でよいから、詳しい図面を省略する。
また、第1及び第2実施形態では、スペーサ部材9aを弾性的に圧縮した状態でボール6間に嵌め込み、元の形状に復元させてボール6間に所望の間隔を維持するようになっているが、スペーサ部材9aは、予め図2(B)に示すような断面楔形状に形成しておき、ボール6間に嵌め込んだのち先端部9a1,9a1を弾性的に拡開させてボール6間に所望の間隔を維持するようにしても構わない。この場合、図6に示すように、スペーサ部材9aの先端部9a1,9a1の相互間から芯部材9cを挿入してスペーサ部材9aの拡開状態を維持する。芯部材9cは、弾性材で構成してもよいし、高剛性材で構成してもよい。
また、第2実施形態では、保持器9を構成するスペーサ部材9aを熱可塑性ポリエステルエラストマーで構成してあるが、スペーサ部材9aは、他のエラストマー(天然ゴム、合成ゴム加硫物、他の熱可塑性エラストマー(オレフィン系、スチレン系、エステル系、ウレタン系、アミド系、塩化ビニル系等)など)で構成することも可能である。
また、第3実施形態では、軸受内部の隙間全体に熱硬化性樹脂製の固形潤滑材を充填して保持器9を構成してあるが、型枠などを使用してボール6間の隙間にのみ熱硬化性樹脂製の固形潤滑材を充填して保持器9を構成しても構わない。この場合の図は、本発明の第2実施形態を示す図3(A)とほぼ同じになるから省略する。
また、第3実施形態では、保持器9を熱硬化性樹脂製の固形潤滑材で構成してあるが、固形潤滑材以外の他の熱硬化性樹脂材であっても、潤滑剤(グリース)との併用で適用することが可能である。
1 トリポード型等速自在継手用玉軸受
2 外輪
2a ボール溝
4 内輪
4a ボール溝
6 ボール
9 保持器
9a スペーサ部材
2 外輪
2a ボール溝
4 内輪
4a ボール溝
6 ボール
9 保持器
9a スペーサ部材
Claims (5)
- トリポード型等速自在継手の外方継手部材の内周面に軸線方向に形成されたトラック溝に挿入される外輪と、トリポード型等速自在継手のトリポード部材の半径方向に突設された脚軸に外嵌される内輪と、外輪及び内輪間に介在させた複数個のボールと、複数個のボールを外輪及び内輪の周方向に所定の間隔を隔てて保持する保持器とを備えたトリポード型等速自在継手用玉軸受であって、
保持器がボール間に介在させる複数個のスペーサ部材からなり、複数個のスペーサ部材のうち少なくともひとつを弾性材で構成すると共に、当該弾性材からなるスペーサ部材を軸受周方向に弾性的に拡縮自在に構成したことを特徴とするトリポード型等速自在継手用玉軸受。 - スペーサ部材を弾性金属材で構成したことを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手用玉軸受。
- スペーサ部材をエラストマーで構成したことを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手用玉軸受。
- トリポード型等速自在継手の外方継手部材の内周面に軸線方向に形成されたトラック溝に挿入される外輪と、トリポード型等速自在継手のトリポード部材の半径方向に突設された脚軸に外嵌される内輪と、外輪及び内輪間に介在させた複数個のボールと、複数個のボールを外輪及び内輪の周方向に所定の間隔を隔てて保持する保持器とを備えたトリポード型等速自在継手用玉軸受であって、
保持器が熱硬化性樹脂材で構成され、熱硬化性樹脂材を複数のボールの相互間に充填すると共に当該熱硬化性樹脂材を熱硬化させて保持器を構成したことを特徴とするトリポード型等速自在継手用玉軸受。 - 保持器を熱硬化性樹脂製の固形潤滑材で構成したことを特徴とする請求項4に記載のトリポード型等速自在継手用玉軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004156455A JP2005337368A (ja) | 2004-05-26 | 2004-05-26 | トリポード型等速自在継手用玉軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004156455A JP2005337368A (ja) | 2004-05-26 | 2004-05-26 | トリポード型等速自在継手用玉軸受 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005337368A true JP2005337368A (ja) | 2005-12-08 |
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ID=35491165
Family Applications (1)
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JP2004156455A Withdrawn JP2005337368A (ja) | 2004-05-26 | 2004-05-26 | トリポード型等速自在継手用玉軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005337368A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100706080B1 (ko) * | 2005-11-22 | 2007-04-12 | 한국프랜지공업 주식회사 | 볼베어링을 갖는 트라이포드 등속조인트의 구조 |
DE102017127659A1 (de) * | 2017-11-23 | 2019-05-23 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Abstandhalter für ein käfigloses Wälzlager sowie damit ausgestattetes Wälzlager |
CN111894988A (zh) * | 2020-07-31 | 2020-11-06 | 中车大连机车研究所有限公司 | 一种滚动轴承用组合式减振保持架及滚动轴承 |
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2004
- 2004-05-26 JP JP2004156455A patent/JP2005337368A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100706080B1 (ko) * | 2005-11-22 | 2007-04-12 | 한국프랜지공업 주식회사 | 볼베어링을 갖는 트라이포드 등속조인트의 구조 |
DE102017127659A1 (de) * | 2017-11-23 | 2019-05-23 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Abstandhalter für ein käfigloses Wälzlager sowie damit ausgestattetes Wälzlager |
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