JP2005336295A - ゴム組成物及び伝動ベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】 環境負荷物質であるニッケルを含有せず、未加硫物の存置安定性が高く、物性や性能の低下を抑制し、耐熱耐久性に優れたゴム組成物及び伝動ベルトを提供する。
【解決手段】 ベルト長手方向に沿って心線2を埋設した接着ゴム層3と、圧縮ゴム層4にリブ部7を有するVリブドベルト1において、圧縮ゴム層4は、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン100重量部に対して、マレイミド系共架橋剤を1〜6重量部、チウラムスルフィド系加硫剤を0.2〜1重量部、アミン系老化防止剤を1〜10重量部、そして酸化マグネシウムを含む受酸剤を4〜15重量部含有するゴム組成物で構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車等に用いられる伝動ベルト及びこれら伝動ベルトに好適なゴム組成物に関する。
近年、省エネルギー化、コンパクト化の社会的要請を背景に、自動車のエンジンルーム内の雰囲気温度が従来に比べて上昇してきている。これに伴い、エンジンに使用される伝動ベルトに対する耐熱性の要求が高くなっている。そこで、この種の伝動ベルトとして、耐熱性に優れたクロロスルホン化ポリエチレン系のゴム材を使用することが検討されたが、この種のゴム材は、耐久性、低温特性(耐寒性)の面で問題があり、その改良が望まれていた。
これに鑑みて、クロロスルホン化ポリエチレン分子の主鎖にアルキル基を導入して結晶化度を低減させるようにしたアルキル化クロロスルホン化ポリエチレン(以下、ACSMという。)を伝動ベルトの圧縮ゴムとして用いることが近年注目されている。すなわち、上記ACSMの塩素含有量を15〜35重量%、硫黄含有量を0.5〜2.5重量%とすることにより、伝動ベルトの低温特性の向上を図るものである。(例えば特許文献1参照)
また、ACSMの温度100°C、振動数10Hzでのtanδ(損失正接)が0.08〜0.15の範囲内とすることで、クラックの発生の抑制を図ることも提案されている。(例えば特許文献2参照)ここでは更に、N,N’−m−フェニレンジマレイミド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムスルフィドを特定量配合することで、クラック発生を防止し、その走行寿命を延ばすことを検討している。
特開平04−211748号公報 特開平09−144817号公報
これらの系で用いられる老化防止剤としては、ニッケルブチルジチオカーボメート(以下、NBCという。)が汎用的であるが、ニッケルが環境負荷物質に指定されていることから、これを含有しないゴム組成物の開発が強く望まれていた。また従来のゴム組成物では未加硫物の存置安定性に乏しく、スコーチへの影響や架橋物の物性低下が知見された。先にあげた技術では、専ら伝動ベルトの耐寒性の向上やクラック発生の抑制を図っており、ゴム組成物の存置安定性などについて対策がされていない。
そこで、本発明は、環境負荷物質であるニッケルを含有せず、存置安定性に優れ、物性や性能の低下を抑制したゴム組成物及び伝動ベルトを提供することを目的とする。
すなわち、本願請求項1記載の発明は、ACSM100重量部に対して、マレイミド系共架橋剤を1〜6重量部、チウラムスルフィド系加硫剤を0.2〜1重量部、アミン系老化防止剤を1〜10重量部、そして酸化マグネシウムを含む受酸剤を4〜15重量部含有することを特徴とするゴム組成物である。
本願請求項2記載の発明は、請求項1記載のゴム組成物であって、アミン系老化防止剤が6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリンであることを特徴とする。
本願請求項3記載の発明は、圧縮ゴム層を備えた伝動ベルトであって、少なくとも圧縮ゴム層の一部が、ACSM100重量部に対して、マレイミド系共架橋剤を1〜6重量部、チウラムスルフィド系加硫剤を0.2〜1重量部、アミン系老化防止剤を1〜10重量部、そして酸化マグネシウムを含む受酸剤を4〜15重量部配合したゴム組成物で構成されていることを特徴とする伝動ベルトである。
本願請求項4記載の発明は、請求項3記載の伝動ベルトであって、伝動ベルトが、リブを形成した圧縮ゴム層を備えたVリブドベルトであることを特徴とする。
本願請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の伝動ベルトであって、アミン系老化防止剤が6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリンであることを特徴とする。
本発明によれば、ACSMに、マレイミド系共架橋剤、チウラムスルフィド系加硫剤、アミン系老化防止剤、そして酸化マグネシウムを含む受酸剤を特定量配合することで、環境負荷物質であるニッケルを含有せず、しかも存置安定性に優れ、諸物性が高いゴム組成物を提供することができる。また伝動ベルトの少なくとも圧縮ゴム層の一部を該ゴム組成物で構成することで、環境負荷物質であるニッケルを含有せず、性能に優れた伝動ベルトを提供することができる。
本発明のゴム組成物は、ACSM100重量部に対して、マレイミド系共架橋剤を1〜6重量部、チウラムスルフィド系加硫剤を0.2〜1重量部、アミン系老化防止剤を1〜10重量部、そして酸化マグネシウムを含む受酸剤を4〜15重量部配合したゴム組成物である。
ACSMは、塩素含有量15〜35重量%、更に好ましくは25〜32重量%で、かつ硫黄含有量が0.5〜2.5重量%の範囲になるようなポリマーが好ましく用いられる。塩素含有量を該範囲とすることで、耐寒性、耐熱性に優れ、耐油性及び機械的な強度が高いゴム組成物とすることができる。
マレイミド系共架橋剤は、スコーチに悪影響を及ぼすことなく、架橋度をあげることができる共架橋剤であって、その配合量が1重量部未満では架橋度が不十分であり、一方、6重量部を超えると架橋度があがり過ぎて伸びが小さくなるため、ベルトでの熱屈曲寿命が短くなる。マレイミド系共架橋剤としては、N,N’−m−フェニレンジマレイミドなどが好ましく用いられる。
チウラムスルフィド系加硫剤は、硫黄放出系の架橋助剤で、より加硫度を上げることができる加硫剤であって、その配合量が0.2重量部未満では存置後の未加硫が不安定で、加硫が阻害される傾向になり、一方、1重量部を超えるとスコーチタイムが短くなり、存置性が悪くなる。チウラムスルフィド系加硫剤としては、テトラメチルチウラム・モノスルフィド、テトラメチルチウラム・ジスルフィド、テトラエチルチウラム・ジスルフィド、テトラブチルチウラム・ジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラム・ジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが好ましく用いられるが、より好ましくはジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドである。
アミン系老化防止剤は、耐熱、耐屈曲性を有する老化防止剤であるとともに、本加硫系では加硫助剤的な効果を呈する老化防止剤であって、その配合量が1重量部未満では加硫が促進されず、一方、10重量部を超えるとスコーチタイムが短くなり、存置性が悪くなる。アミン系老化防止剤としては、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体(TMDQ)、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン(ETMDQ)などが好ましく用いられるが、より好ましくは6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリン(ETMDQ)である。
受酸剤は、酸化マグネシウムを含有し、金属酸化物架橋を生じせしめることができるものであって、その配合量が4重量部未満では架橋中に発生する塩化水素を充分に除去することができないため、ACSMの架橋点が少なくなって所望の物性の加硫物が得られず、耐熱性に欠けて早期にクラックの発生しやすくなり、一方、15重量部を超えるとムーニー粘度が著しく高くなり又、スコーチが短くなるために加工仕上げの問題が生じるといった不具合がある。該受酸剤としては、酸化マグネシウム単体、酸化マグネシウム−酸化アルミニウム固溶体(例えば、協和化学工業(株)製のKW−2000、KW−2100等)、酸化マグネシウムと他の受酸剤(例えば水酸化カルシウム、酸化マグネシウム−酸化アルミニウム固溶体など)との混合物などを好ましく挙げることができる。
受酸剤はそのまま混練時に添加してもさしつかえないが、分散性を改善するために前もってステアリン酸ソーダ等のアニオン系界面活性剤やシランカップリング剤等により処理して使用することも可能である。
前記ゴム組成物は、通常用いられるカーボンブラック、可塑剤、加工助剤、粘着剤、有機又は無機の短繊維等と共に使用することができる。
可塑剤としては、セバケート系オイル、ポリエーテル系オイル、アジペート系オイルのうちのいずれか一つ以上を使用することが好ましい。これによって低温特性を一層向上させることができる。その配合量は、ACSM100重量部に対して5〜30重量部であることが好ましい。
短繊維としては、アラミド、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、綿、パルプなどの繊維を単独または混合して用いることができる。好ましくは、パラ系アラミド繊維1に対して、他の繊維が0.4〜10の割合となるように混合することが好ましい。短繊維の配合量はACSM100重量部に対して、5〜30重量部であることが望ましい。
これら各成分を混合する方法としては特に制限はなく、例えばバンバリーミキサー、ニーダー等を用い、適宜公知の手段、方法によって混練することができる。
ここで本発明のゴム組成物のtanδピーク温度は、−45〜−15°Cの範囲内となるように調製することが好ましく、これにより優れた低温特性を奏することができる。tanδピーク温度が−45°C未満では、ACSMが結晶化してしまう恐れがある。
ここで、tanδは、加硫ゴムの動的性質試験(JISK6394)等によって測定されるもので、ゴム組成物に加えられる機械的エネルギーの熱としての散逸され易さ、換言すればゴム組成物に加えられる機械的エネルギーの貯蔵され難さを表わすものである。したがって、このtanδの最大値、即ち、変曲点の温度、本発明でいうところのtanδピーク温度は、ゴム組成物の特性の大きく変わる点を表し、その温度は、ゴムのガラス転移温度Tgと相関関係がある。
一般に、ゴムの粘弾性は、ゴム製品の性能に大きな影響を与え、粘弾性に最も影響を与えるのはゴムのガラス転移温度Tgである。このガラス転移温度Tgを境にゴムは弾性率、誘電率、熱膨張等の特性値が急激に変化する。このガラス転移温度Tg以下の温度では、主鎖セグメントの運動は凍結され、架橋ゴムはガラス状となり弾性を失う。したがって、このガラス転移温度Tg、即ち、tanδピーク温度の低いものほど、低温で使用できるゴムであるといえる。
このように構成されたゴム組成物は、環境負荷物質であるニッケルを含有せず、しかも存置安定性に優れ、スコーチに悪影響がなく、しかも架橋が充分に行われ、諸物性が高いといった特徴がある。
次に、伝動ベルトの少なくとも圧縮ゴム層の一部を該ゴム組成物で構成した伝動ベルトについて述べる。図1に、本発明の一実施形態に係る伝動ベルトとしてVリブドベルト1を示す。Vリブドベルト1は、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などを素材とする高強度で低伸度のコードよりなる心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側に弾性体層である圧縮ゴム層4を有している。この圧縮ゴム層4にはベルト長手方向にのびる断面略三角形の複数のリブ7が形成されており、ベルト背面には帆布5が設けられている。
圧縮ゴム層4は上述のゴム組成物で構成される。また圧縮ゴム層4には上述の如き短繊維を配合することが望ましく、より好ましくは、パラ系アラミド繊維1に対して、他の繊維が0.4〜10の割合となるように混合した短繊維を配合することが好ましい。短繊維の配合量はACSM100重量部に対して、5〜30重量部であることが望ましい。パラ系アラミド繊維を含む短繊維のゴム層中への埋設量が5重量部未満、特に3重量部未満の場合は短繊維のV形リブ側面からの突出量が少なく、ベルトの耐久性には問題ないが、発音防止の面で十分な効果を発揮することが困難である。一方、前記短繊維の埋設量が30重量部、特に40重量部を越えると同じく発音防止の面では効果はあるが、パラ系アラミド繊維の剛性が高すぎるため、短繊維とゴムの界面で剥離が発生し、これがV形リブにおける早期亀裂発生につながる恐れがある。
圧縮ゴム層4のリブ7は研磨成形により形成されることが好ましく、例えば短繊維入りの圧縮ゴム層4に対して、グラインダー表面に80〜200メッシュのダイヤモンドが装着された乾式のグラインダーホイールを用いて、Vリブ形状の研磨成形作業が実行される。
前記乾式のグラインダーを用いて研磨することにより、V形リブ7の側面より突出したパラ系アラミド繊維の一部はフィブリル化した状態を呈している。このパラ系アラミド繊維にあって顕著に派生するフィブリル化とは、リブ7の側面より突出した短繊維のフィラメントが、長さ方向に裂かれて、細分化された状態をいい、このフィブリル化した突出部分の長さは0.5mm以下で、かつフィブリル化部分の太さは、リブ7内に埋設されたフィラメントの太さの1/2〜1/8で、フィラメントのフィブリル化部分の少なくともその一部はカール状態にある。
心線2にはポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等を使用することができる。これら心線2は、ゴムとの接着性を改善する目的で接着処理が施されることが望ましい。このような接着処理としては繊維をレゾルシン−ホルムアルデヒド−ラテックス(RFL液)に浸漬後、加熱乾燥して表面に均一に接着層を形成するのが一般的である。しかし、これに限ることなくエポキシ又はイソシアネート化合物で前処理を行なった後に、RFL液で処理する方法等もある。
また、接着ゴム層3には耐熱性を有し、そして心線2であるポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、ガラス繊維等と良好に接着するクロロプレンゴム組成物、水素添加率80%以上の水素化ニトリルゴム等が用いられることが好ましい。これはACSMの主鎖がポリエチレンであって、ポリマーとして凝集エネルギーが小さくて、十分な接着力を得るのが困難なためである。
帆布5としては、綿、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等を平織り、綾織り、朱子織りした布を用いることができるものであり、帆布5にはRFL処理を行なった後に、ゴム組成物をコーティングしたゴム付き帆布として使用するのが好ましい。
以上のようにして構成されたVリブドベルト1は、ニッケルを含有しないため環境に負荷を与えず、しかも諸物性の低下が抑制され、高性能を有することができる。
次に、このようなVリブドベルトを製造する方法の一例を説明する。まず円筒状のドラムの外周に帆布5を巻き付け、この上に接着ゴム層3用のゴムシートを巻き付けた後、この上に心線2を螺旋状に巻き付ける。さらにこの上に圧縮ゴム層4用のゴムシートを巻き付ける。次にこの円筒状ドラムを加硫ドラムに入れて加硫を行なうことによって、筒状の加硫スリーブを得る。この後に、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールの間に懸架して走行回転させながら、加硫スリーブの外周の圧縮ゴム層4に切削ホイールを接触させてV溝を切削・研磨加工することによって、リブ部7を形成する。そしてこの加硫スリーブを輪切りするように所定幅寸法で切断すると共に、内周と外周を裏返すことによって、Vリブドベルト1として仕上げることができるものである。
他の伝動ベルトとしてカットエッジタイプのVベルト21がある。このベルト21は、図2に示すように心線23を埋設した接着ゴム層24と圧縮ゴム26とから構成され、更に上記接着ゴム層24及び圧縮ゴム層26の各表面層にゴム付帆布22を積層している。
尚、ここでは例えばVリブドベルトとして、心線2を接着ゴム層3中に埋設し、その下側に圧縮ゴム層4を配設し、ベルト背面に帆布5を貼着した構成を例示したが、これに限られるものではない。例えば接着ゴム層3を配置しない構成としたVリブドベルトや、帆布5の代りに背面ゴム層を配設し、ベルト背面にゴムが露出した構成としたVリブドベルトなども本発明の技術範疇に属する。
実施例1〜3,比較例1〜7
表1に示す配合のゴム組成物のムーニースコーチタイム(125°C)を測定した。また153°Cで30分間加硫したゴムの硬度HS(JIS−A)をJIS K6253に、そして切断時の伸びEB(%)をJIS K6251に準じて測定した。また100%伸張時の応力M100(MPa)、切断時の応力TB(MPa)を測定した。
また表1に示す配合のゴム組成物を、未加硫の状態で35°C×80%RHの条件下で14日間存置させた後、ムーニースコーチタイム(125°C)を測定し、存置前との変化量を調べた。また153°Cで30分間加硫したゴムの硬度HS,M100を測定し、存置前との変化量を調べた。
更に耐熱老化評価として、表1に示す配合のゴム組成物を153°Cで30分間加硫したゴム組成物を、140°Cの条件下で12日間熱老化させた後、ゴムの硬度HS,M100を測定し、熱老化試験前との変化量を調べた。
Figure 2005336295
上記結果より、実施例では存置後の未加硫物性への影響が小さく、未加硫物の経時安定性に優れることが判る。また存置後のゴム加硫物において諸物性の変化も小さく、充分な加硫が行われていることが推察できる。更に耐熱老化評価についても、NBCとほぼ同等の値が得られており、高い耐熱老化性を備えてることが知見できた。一方で、老化防止剤としてNBCを用いた比較例1では、存置後のスコーチタイムが短く、未加硫物の経時安定性に劣ることが知見された。受酸剤として酸化マグネシウムを用いず、またチウラムスルフィド系加硫剤を配合しなかった比較例2では、存置後のスコーチタイムが長く、未加硫物の経時安定性に悪影響がみられる。また存置後のゴム加硫物の伸びが大きくなっていることから、架橋度が低下し、加硫阻害の傾向にあることが推測できた。チウラムスルフィド系加硫剤を含有しない比較例3では、存置後のスコーチタイムが短く、未加硫物の経時安定性に問題があった。そして存置後のゴム加硫物の伸びが大きく、架橋度の低下し、加硫阻害の傾向が見られた。また受酸剤として酸化マグネシウムを用いなかった比較例4では、存置後のスコーチタイムが長くなり、未加硫物の経時安定性に劣るとともに、加硫阻害の傾向が見られた。そしてアミン系老化防止剤を少量配合した比較例5では、架橋度があがらなく、十分なゴム強度が得られず、一方、アミン系老化防止剤を多量に配合した比較例6では、スコーチが極端に短くなる。更に、酸化マグネシウムを含む受酸剤を少量用いた比較例7では、架橋度があがらなく、十分なゴム強度が得られず、他方、酸化マグネシウムを含む受酸剤を多量に用いた比較例8では、スコーチが極端に短くなる。
実施例4〜6,比較例9
表2に示す配合のゴム組成物のムーニースコーチタイム(125°C)、並びに153°Cで30分間加硫したゴムの硬度HS(JIS−A)、M100(MPa)、TB(MPa)、そして切断時の伸びEB(%)を上述と同様にして測定した。また該ゴム組成物を圧縮ゴム層に用いたVリブドベルトを作製し、その耐久性を評価した
Vリブドベルトの製造方法を以下に示す。
まず、円筒状モールドに経糸と緯糸とが綿糸からなる平織物にゴムをフリクションしたゴム付帆布を1プライ巻き付けた後、表2に示すEPDM組成物から短繊維を除いた配合からなる接着ゴムシートを巻き、更にその上にポリエステル繊維コードをスピニングし、そして表2に示すEPDM組成物からなる圧縮ゴムシートを巻き付けて成形を終えた。これを公知の方法で150°C、30分で加硫して円筒状の加硫ゴムスリーブを得た。尚、圧縮ゴムシート、接着ゴムシートは、それぞれ、バンバリーミキサーで混練後、カレンダーロールで圧延したものを用いた。
上記加硫ゴムスリーブを研磨機の駆動ロールと従動ロールに装着して、張力を付与した後に回転させた。150メッシュのダイヤモンドを表面に装着した研磨ホイールを1,600rpmで回転させ、これを加硫スリーブに当接させてリブ部を研磨した。研磨機から取り出したスリーブを切断機に設置した後、回転しながら切断した。
作製したVリブドベルトは、コードからなる心線が接着ゴム層内に埋設され、その上側にゴム付綿帆布を1プライ積層し、他方接着ゴム層の下側にはベルト幅方向に配向した短繊維を有する圧縮ゴム層があって3個のリブがベルト長手方向に有する構成であった。このVリブドベルトはRMA規格による長さ1,100mmのK型3リブドベルトであり、リブピッチ3.56mm、リブ高さ2.9mm、リブ角度40°であった。
得られたVリブドベルトについて耐熱耐久評価を行った。耐熱耐久試験機は、直径120mmの駆動プーリ、直径120mmの従動プーリ、直径45mmのテンションプーリ、直径70mmのアイドラプーリを有するものであり、テンションプーリへの巻き付け角度90°となるよう試験機の各プーリにベルトを掛架した。そして120°Cの雰囲気下で、テンションプーリで21kgfの荷重を掛けると共に従動プーリに8.8kwの負荷を作用させながら、駆動プーリを4900rpmの回転数で回転駆動させ、VリブドベルトのVリブに亀裂が発生するまでの時間を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2005336295
結果、実施例はNBCを用いた比較例9と同等のベルト寿命を有することから、耐熱耐久性に優れたVリブドベルトであることが判った。
本発明に係る伝動ベルトは、自動車のA/C用のVリブドベルトに限定されるものでなく、自動車の他の駆動力を伝動する一般的な伝動ベルトとしても使用できる。
本発明に係るVリブドベルトの縦断面図である。 本発明に係るVカットエッジタイプのVベルトの縦断面図である。
符号の説明
1 Vリブドベルト
2,23 心線
3,24 接着ゴム層
4,26 圧縮ゴム層
5,22 帆布
7 リブ
21 Vベルト

Claims (5)

  1. アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン100重量部に対して、マレイミド系共架橋剤を1〜6重量部、チウラムスルフィド系加硫剤を0.2〜1重量部、アミン系老化防止剤を1〜10重量部、そして酸化マグネシウムを含む受酸剤を4〜15重量部含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. アミン系老化防止剤が6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリンである請求項1記載のゴム組成物。
  3. 圧縮ゴム層を備えた伝動ベルトであって、少なくとも圧縮ゴム層の一部が、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン100重量部に対して、マレイミド系共架橋剤を1〜6重量部、チウラムスルフィド系加硫剤を0.2〜1重量部、アミン系老化防止剤を1〜10重量部、そして酸化マグネシウムを含む受酸剤を4〜15重量部配合したゴム組成物で構成されていることを特徴とする伝動ベルト。
  4. 伝動ベルトが、リブを形成した圧縮ゴム層を備えたVリブドベルトである請求項3記載の伝動ベルト。
  5. アミン系老化防止剤が6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリンである請求項3又は4記載の伝動ベルト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3957469A4 (en) * 2019-04-16 2022-12-21 Mitsuboshi Belting Ltd. RIBBED BELT, ITS PRODUCTION METHOD AND RUBBER COMPOSITION

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