JP2005335685A - インパクトビーム、その製造方法及び車両 - Google Patents

インパクトビーム、その製造方法及び車両 Download PDF

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治 羽田
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Abstract

【課題】 優れた衝撃エネルギー吸収能力を有する軽量なインパクトビームを提供すること。
【解決手段】 インパクトビームB1は、棒状のアルミニウム合金押出中空材からなるビーム本体1を備えている。このビーム本体1の中空部内にアルミニウム合金発泡体10が配置されている。この発泡体10はビーム本体1の内周面にろう付接合されていることが望ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両(自動車、鉄道車両等)のドア等に組み込まれるインパクトビーム、その製造方法及びこれを備えた車両に関する。
例えば自動車の側面衝突時の安全性向上のため、ドアの内部には、側面衝突時の衝撃エネルギー吸収するためのインパクトビームが略水平状に配置されている。このインパクトビームは、側面衝突時にドアが室内側へ突出状に変形するのをできる限り防止して乗員を保護しようとするものである。
この種のインパクトビームとして、帯鋼板を管状に形成したものが従来より知られている(例えば特許文献1〜3参照。)。しかしながら、このインパクトは、鋼材製なので、加工が困難であるし、これをドア内部に配置すると自動車の重量増加を招くという難点があった。
一方、近年では、自動車の軽量化を図るために、鋼材ではなくアルミニウム合金中空材からなるインパクトビームが提案されている(例えば特許文献4及び5参照。)。
特開平4−260815号公報(請求項1、第1図) 特開平7−315048号公報(請求項1、第1図) 特許第3489462号公報(請求項1及び第3頁、第1図) 特開平5−38940号公報(請求項1及び4、第1図) 特開平7−164880号公報(請求項1、第1図)
而して、アルミニウム合金製のインパクトビームは、変形荷重が小さいために衝撃エネルギーの吸収量が少ないという難点があった。
そこで、衝撃エネルギー吸収量を増大させるため、インパクトビームの中空部内にウレタン発泡体を挿入配置したり(特許文献4参照。)、インパクトビームの表面粗さを所定範囲に設定したり(特許文献5参照。)することが行われている。
しかしながら、前者のインパクトビームでは、衝撃エネルギー吸収量の増大化を十分に図ることができなかった。また、後者のインパクトビームでは、これを製造する際に表面粗さを所定範囲に設定するための装置が別途必要となるため、製造コストが高く付くとい難点があった。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、優れた衝撃エネルギー吸収能力を有する軽量なインパクトビーム、その製造方法及び前記インパクトビームを備えた車両を提供することにある。
本発明は、以下の手段を提供する。
[1] 棒状のアルミニウム合金押出中空材からなるビーム本体を備え、前記ビーム本体の中空部内にアルミニウム合金発泡体が配置されていることを特徴とするインパクトビーム。
[2] 前記発泡体が前記ビーム本体の内周面にろう付接合されている前項1記載のインパクトビーム。
[3] 前記発泡体が前記ビーム本体の内周面に圧接されている前項1記載のインパクトビーム。
[4] 前記ビーム本体の軸方向の少なくとも一部に縮径加工が施されることにより、前記発泡体が前記ビーム本体の軸方向への移動阻止状態に保持されている前項1又は3記載のインパクトビーム。
[5] 前記発泡体の外周面には環状の凹部が設けられており、前記縮径加工は、前記ビーム本体の軸方向の前記少なくとも一部に、縮径部が前記発泡体の環状凹部内に嵌り込む態様にして施されている前項4記載のインパクトビーム。
[6] 前記発泡体は、前記ビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置されている前項1〜5のいずれか1項記載のインパクトビーム。
[7] 前記ビーム本体は、その軸方向中間部で第1分割片と第2分割片とに2分割されており、前記第1分割片の中空部内と前記第2分割片の中空部内とに前記発泡体が前記両分割片に跨って配置されるとともに、前記両分割片の分割端部同士が突き合わされ、この状態で、前記第1分割片と第2分割片と前記発泡体とが互いにろう付接合一体化されている前項1記載のインパクトビーム。
[8] 前記ビーム本体は、その軸方向中間部で第1分割片と第2分割片とに2分割されるとともに、前記第1分割片の分割端部と前記第2分割片の分割端部との間に前記両分割片を連結する継手部材が介在されており、前記継手部材の軸方向両端部には、それぞれ連結用第1嵌合凸部及び第2嵌合凸部が設けられており、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とに、それぞれ前記継手部材の第1嵌合凸部と第2嵌合凸部とが嵌合されるとともに、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とにそれぞれ前記発泡体が配置され、この状態で、前記第1分割片と前記継手部材と前記発泡体とが互いにろう付接合一体化され、且つ、前記第2分割片と前記継手部材と前記発泡体とが互いにろう付接合一体化されている前項1記載のインパクトビーム。
[9] 前記継手部材は、その軸方向に貫通した中空部を有しており、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記継手部材の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とに、前記発泡体が、前記第1分割片、前記継手部材及び前記第2分割片に跨って配置されている前項8記載のインパクトビーム。
[10] 前記ビーム本体の軸方向両端部にそれぞれ固定用ブラケット部が設けられており、前記ブラケット部は、前記ビーム本体の軸方向端部に接合一体化されている前項1〜9のいずれか1項記載のインパクトビーム。
[11] 前記ビーム本体の軸方向両端部にそれぞれ固定用ブラケット部が設けられており、前記ブラケット部は、前記ビーム本体の軸方向端部が扁平状に押し潰されることにより、前記ビーム本体の軸方向端部に形成された扁平状部からなる前項1〜9のいずれか1項記載のインパクトビーム。
[12] 前記ビーム本体の軸方向両端部にそれぞれ固定用ブラケット部が設けられており、前記ブラケット部は、前記ビーム本体の軸方向端部がその軸方向に切断された切断部において開かれた状態で扁平状に押し潰されることにより、前記ビーム本体の軸方向端部に形成された扁平状部からなる前項1〜9のいずれか1項記載のインパクトビーム。
[13] 前項1〜12のいずれか1項記載のインパクトビームを備えていることを特徴とする車両。
[14] 棒状のアルミニウム合金押出中空材からなるビーム本体を準備する、ビーム本体の準備工程と、アルミニウムろう粉末と発泡剤粉末とが混合され、且つフラックスが含有されたフラックス含有混合粉末を準備する、混合粉末の準備工程と、前記ビーム本体の中空部内に前記混合粉末を配置する、混合粉末の配置工程と、前記混合粉末の配置工程の後で、前記混合粉末を加熱発泡させることにより、前記ビーム本体の中空部内にアルミニウム合金発泡体を形成する、混合粉末の発泡工程と、を備えていることを特徴とするインパクトビームの製造方法。
[15] 前記混合粉末の配置工程において、前記ビーム本体の中空部内に前記混合粉末を配置するとともに、前記ビーム本体の中空部内における前記混合粉末の両側に、該混合粉末が前記ビーム本体の外側へ流出するのを防止する蓋部材をそれぞれ配置する前項14記載のインパクトビームの製造方法。
[16] 前記混合粉末の配置工程において、前記ビーム本体の軸方向中間部の中空部内に前記混合粉末を配置する前項14又は15記載のインパクトビームの製造方法。
[17] 前記ビーム本体の準備工程において、前記ビーム本体として、該ビーム本体がその軸方向中間部で2分割されて形成された第1分割片及び第2分割片と、前記第1分割片の分割端部と前記第2分割片の分割端部との間に介在され且つ前記両分割片を連結する継手部材と、を準備し、前記継手部材の軸方向両端部には、それぞれ連結用第1嵌合凸部及び第2嵌合凸部が設けられており、前記混合粉末の配置工程において、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とにそれぞれ前記混合粉末を配置するとともに、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とにそれぞれ前記継手部材の第1嵌合凸部と第2嵌合凸部とを嵌合させることにより、前記両分割片を前記継手部材を介して互いに連結し、前記混合粉末の発泡工程において、前記混合粉末を加熱発泡させることにより、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とにそれぞれ前記発泡体を形成するとともに、前記第1分割片と前記継手部材と前記発泡体とを前記混合粉末中のろう材で互いにろう付接合一体化し、且つ、前記第2分割片と前記継手部材と前記発泡体とを前記混合粉末中のろう材で互いにろう付接合一体化する前項14又は15記載のインパクトビームの製造方法。
[18] 前記継手部材は、その軸方向に貫通した中空部を有しており、前記混合粉末の発泡工程において、前記混合粉末を加熱発泡させることにより、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記継手部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とに、前記発泡体を、前記第1分割片、前記継手部材及び前記第2分割片に跨って形成するとともに、前記第1分割片と前記継手部材と前記発泡体とを前記混合粉末中のろう材で互いにろう付接合一体化し、且つ、前記第2分割片と前記継手部材と前記発泡体とを前記混合粉末中のろう材で互いにろう付接合一体化する前項17記載のインパクトビームの製造方法。
[19] 前記混合粉末は、固形化されている前項14〜18のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
[20] 前記混合粉末の発泡工程において、局所加熱装置によって前記混合粉末を加熱発泡させる前項14〜19のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
[21] 前記局所加熱装置は、高周波誘導加熱装置である前項20記載のインパクトビームの製造方法。
[22] 前記混合粉体の発泡工程において、雰囲気加熱炉によって前記混合粉末を加熱発泡させる前項14〜19のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
[23] 棒状のアルミニウム合金押出中空材からなるビーム本体を準備する、ビーム本体の準備工程と、アルミニウム合金発泡体を準備する、発泡体の準備工程と、前記ビーム本体の中空部内に前記発泡体を配置する、発泡体の配置工程と、を備えていることを特徴とするインパクトビームの製造方法。
[24] 前記発泡体はろう材とフラックスとを有しており、前記発泡体の配置工程の後で、前記発泡体を加熱することにより、前記ビーム本体の内周面に前記発泡体を前記ろう材でろう付接合する、発泡体の接合工程を備えている前項23記載のインパクトビームの製造方法。
[25] 前記発泡体の接合工程において、局所加熱装置によって前記発泡体を加熱する前項24記載のインパクトビームの製造方法。
[26] 前記局所加熱装置は、高周波誘導加熱装置である前項25記載のインパクトビームの製造方法。
[27] 前記発泡体の接合工程において、雰囲気加熱炉によって前記発泡体を加熱する前項24記載のインパクトビームの製造方法。
[28] 前記発泡体の配置工程において、前記ビーム本体の中空部内に前記発泡体を圧入によって挿入配置する前項23記載のインパクトビームの製造方法。
[29] 前記発泡体の配置工程の後で、前記ビーム本体の軸方向の少なくとも一部に縮径加工を施すことにより、前記発泡体を前記ビーム本体の軸方向への移動阻止状態に保持する、ビーム本体の縮径加工工程を備えている前項23又は28記載のインパクトビームの製造方法。
[30] 前記発泡体の外周面には環状の凹部が設けられており、前記ビーム本体の縮径加工において、前記ビーム本体の軸方向の前記少なくとも一部に、縮径部が前記発泡体の環状凹部内に嵌り込むように縮径加工を施す前項29記載のインパクトビームの製造方法。
[31] 前記発泡体の配置工程において、前記ビーム本体の軸方向中間部の中空部内に前記発泡体を配置する前項23〜30のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
[32] 前記ビーム本体の準備工程において、前記ビーム本体として、該ビーム本体がその軸方向中間部で2分割されて形成された第1分割片と第2分割片とを準備し、前記発泡体はろう材とフラックスとを有しており、前記発泡体の配置工程において、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とに前記発泡体が前記両分割片に跨って配置された状態に、前記両分割片の分割端部同士を突き合わせ、前記発泡体の配置工程の後で、前記発泡体を加熱することにより、前記第1分割片と前記第2分割片と前記発泡体とを前記ろう材で互いにろう付接合一体化する、接合一体化工程を備えている前項23記載のインパクトビームの製造方法。
[33] 前記接合一体化工程において、局所加熱装置によって前記発泡体を加熱する前項32記載のインパクトビームの製造方法。
[34] 前記局所加熱装置は、高周波誘導加熱装置である前項33記載のインパクトビームの製造方法。
[35] 前記接合一体化工程において、雰囲気加熱炉によって前記発泡体を加熱する前項32記載のインパクトビームの製造方法。
[36] 前記ビーム本体の軸方向端部に固定用ブラケット部を接合一体化する、ブラケット部の接合工程を備えている前項14〜35のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
[37] 前記ビーム本体の軸方向端部を扁平状に押し潰すことにより、前記ビーム本体の軸方向端部に固定用ブラケット部を形成する、ブラケット部の形成工程を備えている前項14〜35のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
[38] 前記ビーム本体の軸方向端部をその軸方向に切断するとともに、前記端部をこの切断部において開いた状態で扁平状に押し潰すことにより、前記ビーム本体の軸方向端部に固定用ブラケット部を形成する、ブラケット部の形成工程を備えている前項14〜35のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
[39] 前項14〜38のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法により得られたことを特徴とするインパクトビーム。
次に、上記各項の発明を以下に説明する。
[1]の発明では、インパクトビームのビーム本体がアルミニウム合金押出中空材からなることにより、ビーム本体を能率良く且つコスト的に有利に製造可能である上、インパクトビームの軽量化が図られる。そのため、このインパクトビームを車両(自動車、鉄道車両等)の所定部位に取り付けることにより、車両の軽量化を図ることができて、該車両の燃費を向上させることができる。
さらに、このビーム本体の中空部内にアルミニウム合金発泡体が配置されていることにより、衝突時の衝撃エネルギー吸収量の増大化が図られる。
なお、[1]の発明では、発泡体は、ビーム本体の中空部内に該ビーム本体の軸方向全域に亘って配置されていても良いし、ビーム本体の軸方向の一部の中空部内にのみ配置されていても良い。特に、発泡体は、ビーム本体の中空部内における、衝撃エネルギーを効率良く吸収可能な位置に配置されていることが好ましく、通常、発泡体はビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置される([6]の発明参照。)。
[2]の発明では、発泡体がビーム本体の内周面にろう付接合されているので、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
[3]の発明では、発泡体がビーム本体の内周面に圧接されているので、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
[4]の発明では、発泡体がビーム本体の軸方向への移動阻止状態に保持されているので、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
[5]の発明では、ビーム本体の縮径部が発泡体の環状凹部内に嵌り込んでいるので、発泡体をビーム本体の軸方向への移動阻止状態に確実に保持することができる。
[6]の発明では、発泡体がビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置されているので、衝突時の衝撃エネルギーを効果的に吸収することができる。
[7]の発明では、ビーム本体はその軸方向中間部で2分割されていることから、発泡体をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置させる場合などにおいて、該発泡体のビーム本体中空部内への配置作業を容易に行うことができる。
[8]の発明では、ビーム本体はその軸方向中間部で2分割されていることから、発泡体の発泡前の原料粉末をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置させる場合などにおいて、該原料粉末のビーム本体中空部内への配置作業を容易に行うことができる。
さらに、ビーム本体の第1分割片の分割端部と第2分割片の分割端部との間に両分割片を連結する所定の継手部材が介在されているので、この継手部材によって第1分割片と第2分割片との連結作業を容易に行うことができる。
[9]の発明では、継手部材は所定の中空部を有しているから、インパクトビームの更なる軽量化を図ることができる。さらに、継手部材の中空部内にも発泡体の一部が配置されているので、衝撃エネルギーを更に確実に吸収することができる。
[10]の発明では、固定用ブラケット部がビーム本体の軸方向端部に接合一体化されているので、該ブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に取り付けることができる。
[11]の発明では、固定用ブラケット部がビーム本体の軸方向端部に形成された所定の扁平状部からなるので、該ブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に形成することができる。
[12]の発明では、上記[11]の発明と同じく、固定用ブラケット部がビーム本体の軸方向端部に形成された所定の扁平状部からなるので、幅広のブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に形成することができる。
[13]の発明では、車両は上記[1]〜[12]のいずれかの発明に係るインパクトビームを備えているので、車両の軽量化を図ることができて、該車両の燃費を向上させることができ、またインパクトビームによって衝突時の衝撃エネルギーを吸収することができる。
[14]の発明では、インパクトビームの製造方法は、所定のビーム本体の準備工程と混合粉末の準備工程と混合粉末の発泡工程とを備えているので、本発明に係るインパクトビームを容易に且つ確実に製作することができる。
[15]の発明では、混合粉末の配置工程において、ビーム本体の中空部内における混合粉末の両側に、所定の蓋部材を配置することにより、混合粉末がビーム本体の外側へ流出するのを蓋部材によって防止することができる。そのため、発泡体をビーム本体の中空部内における所定位置に確実に形成することができる。
[16]の発明では、混合粉末の配置工程において、ビーム本体の軸方向中間部の中空部内に混合粉末を配置するので、発泡体をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に形成することができる。そのため、衝突時の衝撃エネルギーを効果的に吸収することができるインパクトビームを得ることができる。
[17]の発明では、ビーム本体はその軸方向中間部で2分割されていることから、混合粉末をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置させる場合などにおいて、該混合粉末のビーム本体中空部内への配置作業を容易に行うことができる。
さらに、ビーム本体の第1分割片の分割端部と第2分割片の分割端部との間に両分割片を連結する所定の継手部材を介在するから、この継手部材によって第1分割片と第2分割片との連結作業を容易に行うことができる。
[18]の発明では、継手部材は所定の中空部を有しているから、インパクトビームの更なる軽量化を図ることができる。さらに、継手部材の中空部内にも発泡体の一部が配置されているので、衝撃エネルギーを更に確実に吸収することができる。
[19]の発明では、混合粉末が固形化されているので、混合粉末のビーム本体中空部内への配置作業を容易に行うことができる。
この場合において、混合粉末は、例えば、粘土状に固形化されていても良いし(即ち、混合粉末の粘土状固形化物)、ゼリー状に固形化されていても良いし(即ち、混合粉末のゼリー状固形化物)、混合粉末が圧粉成形された圧粉成形体からなるもの(即ち、混合粉末の圧粉成形体)であっても良い。
[20]の発明では、局所加熱装置によって混合粉末を加熱発泡させることにより、該混合粉末を確実に発泡させることができる。
なお、局所加熱装置としては、後述する高周波誘導加熱装置の他、電気発熱装置(例えば遠赤外線ヒータ)等が挙げられる。
[21]の発明では、局所加熱装置が高周波誘導加熱装置であることにより、該混合粉末を更に確実に発泡させることができる。
[22]の発明では、雰囲気加熱炉によって混合粉末を発泡させることにより、該混合粉末を確実に発泡させることができる。
なお、雰囲気加熱炉としては、真空加熱炉、窒素雰囲気加熱炉等が挙げられる。
[23]の発明では、インパクトビームの製造方法は、所定のビーム本体の準備工程と発泡体の準備工程と発泡体の配置工程とを備えているので、本発明に係るインパクトビームを容易に且つ確実に製作することができる。
この場合において、アルミニウム合金発泡体の形成方法は限定されるものでない。例えば、発泡体は、アルミニウムろう粉末と発泡剤粉末とを所定割合で混合した混合粉末を加熱発泡させて形成されたものであっても良いし、アルミニウムろう材粉末と発泡剤粉末とを所定割合で混合し且つフラックス(好ましくは非腐食性フラックス)を含有したフラックス含有混合粉末を加熱発泡させて形成されたものであっても良いし、アルミニウム合金溶湯に発泡剤を混合拡散させることにより形成されたものであっても良い。
[24]の発明では、インパクトビームの製造方法は、更に、所定の発泡体の接合工程を備えているので、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
この場合において、発泡体は、少なくともろう材とフラックスとを有していることが望ましい。例えば、発泡体の外周面にはろう材層が形成されていても良いし、発泡体内部にろう材が含有されていても良い。
[25]の発明では、局所加熱装置によって発泡体を加熱することにより、該発泡体を確実にろう付接合することができる。
[26]の発明では、局所加熱装置が高周波誘導加熱装置であることにより、該発泡体を更に確実にろう付接合することができる。
[27]の発明では、雰囲気加熱炉によって発泡体を加熱することにより、該発泡体を確実にろう付接合することができる。
[28]の発明では、ビーム本体の中空部内に発泡体を圧入によって挿入して配置することにより、発泡体がビーム本体の内周面に圧接され、これにより、該発泡体をビーム本体の軸方向への移動阻止状態に保持することができる。そのため、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
[29]の発明では、インパクトビームの製造方法は、所定のビーム本体の縮径加工工程を備えているので、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
この場合において、縮径加工としては、電磁力を利用した縮径加工(例:マグネフォーミング)や機械的カシメ等が挙げられる。
[30]の発明では、ビーム本体の所定部位に、縮径部が発泡体の環状凹部内に嵌り込むように縮径加工を施すことにより、発泡体をビーム本体の軸方向への移動阻止状態に確実に保持することができる。
[31]の発明では、発泡体をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置することにより、衝突時の衝撃エネルギーを効果的に吸収することができるインパクトビームを得ることができる。
[32]の発明では、ビーム本体はその軸方向中間部で2分割されていることから、発泡体をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置させる場合などにおいて、該発泡体のビーム本体中空部内への配置作業を容易に行うことができる。
[33]の発明では、局所加熱装置によって発泡体を加熱することにより、第1分割片と第2分割片と発泡体とを確実に互いに接合一体化することができる。
[34]の発明では、局所加熱装置が高周波誘導加熱装置であることにより、第1分割片と第2分割片と発泡体とを更に確実に互いに接合一体化することができる。
[35]の発明では、雰囲気加熱炉によって発泡体を加熱することにより、第1分割片と第2分割片と発泡体とを確実に互いに接合一体化することができる。
[36]の発明では、インパクトビームの製造方法は所定のブラケット部の接合工程を備えているので、該ブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に固着することができる。
[37]の発明では、インパクトビームの製造方法は所定のブラケット部の形成工程を備えているので、該ブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に形成することができる。
[38]の発明では、インパクトビームの製造方法は所定のブラケット部の形成工程を備えているので、幅広のブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に形成することができる。
[39]の発明では、インパクトビームは上記[14]〜[38]のいずれかの発明に係るインパクトビームの製造方法により得られたものなので、車両の軽量化を図ることができて、該車両の燃費を向上させることができ、また衝突時の衝撃エネルギー吸収能力に優れたインパクトビームを提供することができる。
本発明は以下の効果を奏する。
[1]の発明によれば、ビーム本体を能率良く且つコスト的に有利に製造することができ、その上、インパクトビームの軽量化を図ることができる。そのため、このインパクトビームを車両(自動車、鉄道車両等)の所定部位に取り付けることにより、車両の軽量化を図ることができて、該車両の燃費を向上させることができる。
さらに、このビーム本体の中空部内にアルミニウム合金発泡体が配置されているので、衝突時の衝撃エネルギー吸収量を増大させることができる。
[2]の発明によれば、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
[3]の発明によれば、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
[4]の発明によれば、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
[5]の発明によれば、発泡体をビーム本体の軸方向への移動阻止状態に確実に保持することができる。
[6]の発明によれば、衝突時の衝撃エネルギーを効果的に吸収することができる。
[7]の発明によれば、発泡体をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置させる場合などにおいて、該発泡体のビーム本体中空部内への配置作業を容易に行うことができる。
[8]の発明によれば、発泡体の発泡前の原料粉末をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置させる場合などにおいて、該原料粉末のビーム本体中空部内への配置作業を容易に行うことができる。さらに、第1分割片と第2分割片との連結作業を容易に行うことができる。
[9]の発明によれば、インパクトビームの更なる軽量化を図ることができる。さらに、衝撃エネルギーを更に確実に吸収することができる。
[10]の発明によれば、固定用ブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に取り付けることができる。
[11]の発明によれば、固定用ブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に形成することができる。
[12]の発明によれば、幅広のブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に形成することができる。
[13]の発明によれば、車両の軽量化を図ることができて、該車両の燃費を向上させることができ、またインパクトビームによって衝突時の衝撃エネルギーを吸収することができる。
[14]の発明によれば、本発明に係るインパクトビームを容易に且つ確実に製作することができる。
[15]の発明によれば、ビーム本体の中空部内に配置した混合粉末がビーム本体の外側へ流出するのを蓋部材によって防止することができる。そのため、発泡体をビーム本体の中空部内における所定位置に確実に形成することができる。
[16]の発明によれば、発泡体をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に形成することができる。そのため、衝突時の衝撃エネルギーを効果的に吸収することができるインパクトビームを得ることができる。
[17]の発明によれば、混合粉末をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置させる場合などにおいて、該混合粉末のビーム本体中空部内への配置作業を容易に行うことができる。さらに、第1分割片と第2分割片との連結作業を容易に行うことができる。
[18]の発明によれば、インパクトビームの更なる軽量化を図ることができる。さらに、衝撃エネルギーを更に確実に吸収することができる。
[19]の発明によれば、混合粉末のビーム本体中空部内への配置作業を容易に行うことができる。
[20]の発明によれば、混合粉末を確実に発泡させることができる。
[21]の発明によれば、混合粉末を更に確実に発泡させることができる。
[22]の発明によれば、混合粉末を確実に加熱発泡させることができる。
[23]の発明によれば、本発明に係るインパクトビームを容易に且つ確実に製作することができる。
[24]の発明によれば、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
[25]の発明によれば、発泡体を確実にろう付接合することができる。
[26]の発明によれば、発泡体を更に確実にろう付接合することができる。
[27]の発明によれば、発泡体を確実にろう付接合することができる。
[28]の発明によれば、発泡体をビーム本体の軸方向への移動阻止状態に保持することができる。そのため、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
[29]の発明によれば、ビーム本体の中空部内における発泡体の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
[30]の発明によれば、発泡体をビーム本体の軸方向への移動阻止状態に確実に保持することができる。
[31]の発明によれば、衝突時の衝撃エネルギーを効果的に吸収することができるインパクトビームを得ることができる。
[32]の発明によれば、発泡体をビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置させる場合などにおいて、該発泡体のビーム本体中空部内への配置作業を容易に行うことができる。
[33]の発明によれば、第1分割片と第2分割片と発泡体とを確実に互いに接合一体化することができる。
[34]の発明によれば、第1分割片と第2分割片と発泡体とを更に確実に互いに接合一体化することができる。
[35]の発明によれば、第1分割片と第2分割片と発泡体とを確実に互いに接合一体化することができる。
[36]の発明によれば、固定用ブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に固着することができる。
[37]の発明によれば、固定用ブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に形成することができる。
[38]の発明によれば、幅広の固定用ブラケット部をビーム本体の軸方向端部に容易に形成することができる。
[39]の発明によれば、車両の軽量化を図ることができて、該車両の燃費を向上させることができ、また衝突時の衝撃エネルギー吸収能力に優れたインパクトビームを提供することができる。
次に、本発明の幾つかの好ましい実施形態を以下に説明する。
図1において、(B1)は、本発明の第1実施形態に係るインパクトビームである。このインパクトビーム(B1)は、図6に示すように、車両としての自動車(M)のドア内に該自動車(M)の前後方向に延在する態様で組み込まれて、該ドアを補強するためのものである。
このインパクトビーム(B1)は、所定長さに設定された棒状のビーム本体(1)を備えている。このビーム本体(1)は、棒状のアルミニウム合金押出中空材からなり、詳述すると例えばアルミニウム合金押出パイプ材からなる。このビーム本体(1)の断面形状は円形状である。
このビーム本体(1)の軸方向両端部にはぞれぞれ固定用ブラケット部(4)(4)が設けられている。このブラケット部(4)は、自動車(M)のドアの所定部位に固定状態に取り付けられるものであり、このブラケット部(4)にはボルト等の固定手段(図示せず)の挿通孔(4a)が設けられている。
このブラケット部(4)は、ビーム本体(1)の軸方向端部が扁平状に押し潰されることにより当該端部に形成された扁平状部からなる。
ビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部(2)内には、アルミニウム合金発泡体(10)が固定状態に配置されている。この発泡体(10)は、ビーム本体(1)の内周面にろう付接合されている。この発泡体(10)の発泡前の原料粉末は、後述するようにアルミニウムろう粉末と発泡剤粉末とが混合され且つフラックスが含有されたフラックス含有混合粉末(11)であり、この混合粉末(11)が加熱発泡されることによりこの発泡体(10)が形成されている。
図7は、上記インパクトビーム(B1)の製造工程を示したブロック図である。
同図に示すように、上記インパクトビーム(B1)の製造方法は、ビーム本体(1)の準備工程(100)と、混合粉末(11)の準備工程(101)と、混合粉末(11)の配置工程(102)と、混合粉末(11)の発泡工程(103)と、ブラケット部(4)の形成工程(104)とを備えている。このインパクトビーム(B1)の製造方法を以下に説明する。
[ビーム本体の準備工程(100)]
図2に示すように、所定長さに設定された棒状のアルミニウム合金押出中空材からなるビーム本体(1)を準備する。
なお本発明では、ビーム本体(1)の構成材料であるアルミニウム合金は、その種類に限定されるものではなく、例えば、JIS 6000系以上の機械的強度を有するもの(2000系、5000系、6000系、7000系等)であっても良いし、6000系よりも機械的強度の劣るアルミニウム合金である1000系や3000系であっても良い。特に、JIS 6000系、1000系又は3000系であることが望ましく、こうすることにより、アルミニウム合金発泡体(10)に対して良好な接合性を得ることができる。ただし本発明では、ビーム本体(1)の構成材料であるアルミニウム合金はこれらに限定されるものではない。
また、このビーム本体(1)の断面形状は円形状であるが、本発明では、ビーム本体(1)の断面形状は円形状に限定されるものではなく、例えば、楕円形状であっても良いし、角形状(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)であっても良い。
[混合粉末の準備工程(101)]
アルミニウム合金発泡体(10)の発泡前の原料粉末として、アルミニウムろう粉末と発泡剤粉末とが混合され且つフラックスが含有されたフラックス含有混合粉末(11)を準備する。
アルミニウムろう粉末としては、その種類に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム合金ろう粉末が用いられる。このろう粉末においてアルミニウム合金としては、Al−Si系合金、Al−Zn系合金、Al−Cu系合金、Al−Mg系合金等が挙げられる。
また本発明では、Al、Si等の金属単体粉末を、アルミニウム合金の組成の割合で混合するものとし、その後の加熱によって発泡と同時に溶融して合金化しても良い。
さらに、ろう粉末は、ビーム本体(1)との関係で組成を選定することが好ましい。例えば、ろう粉末として、ビーム本体(1)より低融点のアルミニウム合金、Al−Si系合金、Al−Zn系合金、Al−Cu系合金、Al−Mg系合金等の合金を用いることができる。中でもAl−Si系合金を用いることが好ましく、特にSiの含有量が4.5〜18質量%、より好ましくは8〜12質量%の組成を有するアルミニウム合金を用いるのが良い。ただし本発明では、ろう粉末はこれらに限定されるものではない。
また、ろう粉末としては、例えば、アトマイズ粉等の粉末加工によって得られる粉末を使用しても良く、また金属加工工場等で発生する切粉、破砕片等を用いるようにしても良い。
本発明において、ろう粉末の粒径は特に限定されるものではないが、例えば、ろう粉末の平均粒径が1500μm以下、好ましくは1000μm以下、より好ましくは300μm以下のものを用いるのが良い。
発泡剤としては、その種類に限定されるものではなく、水素化チタン、炭酸カルシウム
、水素化ジルコニウム等の金属水素化物あるいは金属の炭酸塩、さらには有機系炭素錯体等が用いられる。
詳述すると、発泡剤として、例えば、水素化チタン、水酸化ジルコニウム等の水素化金属、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、更には有機物質の粉末等、容易に発泡する材料を好適に用いることができる。これらの中でも、発泡倍率が良く、取扱が容易である点で、水素化チタン及び炭酸カルシウムのうち少なくとも一方を用いるのが好ましい。しかもこれらは入手が容易である点においても有利である。ただし本発明では、発泡剤はこれに限定されるものではない。
フラックスは、粉末状であっても良いし、液状等の他の形態であっても良い。フラックスが粉末状である場合には、この粉末状フラックスとろう粉末と発泡剤粉末とを所定割合で互いに混合することによって、フラックス含有混合粉末(11)が調製される。こうすることにより、フラックスは混合粉末中に混合状態に含有される。あるいは、フラックスが液状である場合には、この液状フラックスを混合粉末に供給することによって、フラックス含有混合粉末(11)が得られる。
フラックスは、発泡後の除去が極めて困難であり、また残留フラックスによる接合部の腐食を招く虞がある。そこで、このような不具合を防止するため、フラックスは非腐食性フラックスであることが望ましい。具体的には、非腐食性フラックスとして、KF、AlF3、KAlF4、K2AlF5、K3AlF6、CsF、BiF3、LiF、ZnF等のフッ化物、又はこれらの中から選択された1種又は2種以上の混合物が例示される。特にKFとAlF3の混合物、KAlF4、K2AlF5、K3AlF6、KFとAlF3の共晶組成物を1種又は2種以上含む混合物を用いることが好ましい。また、上記フッ化物に他のフラックスを添加した混合物も使用できる。フラックスの種類は、通常のろう付と同じく、ろう材の融点やビーム本体(1)の材質に応じて適宜選択される。
ろう粉末と発泡剤粉末とフラックスとの混合割合は、限定されるものではなく、例えば、ろう粉末:49.5〜99質量%、発泡剤粉末:0.5〜50質量%、フラックス:0.5〜30質量%が挙げられる。
また、混合粉末(11)には、例えば、セラミック粒子、セラミックウィスカー等の分散強化剤を配合しても良い。これらの配合により、発泡体(10)の強度を高めることができる。
[混合粉末の配置工程(102)]
上記のビーム本体の準備工程(100)及び混合粉末の準備工程(101)の後で、図2及び図3に示すように、ビーム本体(1)の中空部(2)内に混合粉末(11)を入れて、該混合粉末(11)をビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部(2)内に配置させるとともに、このビーム本体(1)の軸方向両端部の中空部内にそれぞれ蓋部材(6)(6)を棒状の押さえ部材(7)で押し入れて、ビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部(2)内における混合粉末(11)の両側近傍位置に該蓋部材(6)(6)をそれぞれ配置する。
この蓋部材(6)は、混合粉末(11)がビーム本体(1)の外側へ流出するのを防止するためのものであり、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。この蓋部材(6)をビーム本体(1)の中空部(2)内の所定位置に配置させることにより、混合粉末(11)がビーム本体(1)の外側へ流出するのを防止することができる。そのため、発泡体(10)をビーム本体(1)の中空部(2)内における所定位置に確実に形成することができる。
なお本発明では、この蓋部材(6)は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることがインパクトビーム(B1)の軽量化を図れる点等で望ましいが、他の材料からなるものであっても良く、蓋部材(6)の構成材料に限定されるものではない。
[混合粉末の発泡工程(103)]
次いで、図4に示すように、蓋部材(6)を押さえ部材(7)で押さえた状態のもとで、混合粉末(11)を局所加熱装置としての高周波誘導加熱装置(20)によって加熱発泡させる。これにより、図5に示すように、ビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部(2)内にアルミニウム合金発泡体(10)が形成されると同時に、ビーム本体(1)の内周面に該発泡体(10)が混合粉末(11)中に含まれたろう粉末のろう材でろう付接合される。さらに、混合粉末(11)の発泡時に、フラックスは、発泡体(10)の外周面とビーム本体(1)の内周面とに供給される。そして、この供給されたフラックスによって発泡体(10)の外周面とビーム本体(1)の内周面とが活性化されるとともに、この活性化状態で発泡体(10)がビーム本体(1)の内周面に良好にろう付接合される。さらに、蓋部材(6)は発泡体(10)に混合粉末(11)中に含まれたろう粉末のろう材でろう付接合される。
ここで、加熱発泡時には、例えば、加熱温度を570〜615℃、その加熱温度に到達した後の加熱時間を0〜15分間とする加熱条件で加熱発泡させるのが良い。より好ましくは、加熱温度を575〜610℃、加熱時間を30秒〜12分間、更に好ましくは、加熱時間を580〜608℃、加熱時間を3分〜10分間に調整するのが良い。更に本発明においては、加熱処理中に、温度を次第に低下させて、初期温度を終了温度よりも高く設定するのが好ましい。初期温度と終了温度の温度差は、5〜20℃、好ましくは7〜15℃、より好ましくは8〜12℃に設定するのが良い。ただし本発明では、加熱温度や加熱時間はこれに限定されるものではない。
次いで、発泡体(10)を冷却するとともに、押さえ部材(7)をビーム本体(1)の中空部(2)から外へ抜出する。なお、図1では、蓋部材(6)は図示されていない。
なお、加熱発泡後の冷却処理は、自然冷却で行っても強制冷却で行っても良い。例えば上記の発泡温度に到達し、所期の発泡状態が得られた後、強制冷却するようにしても良い。
[ブラケット部の形成工程(104)]
次いで、ビーム本体(1)の軸方向両端部をプレス装置(図示せず)等によってそれぞれ扁平状に押し潰す。これにより、図1に示すように、ビーム本体(1)の軸方向両端部に扁平状部からなるブラケット部(4)がそれぞれ形成される。
以上の工程を経て、上記インパクトビーム(B1)が得られる。
本実施形態において、混合粉末(11)の発泡時には、その材料中に配合されたフラックス粉末によって、ろう粉末の酸化膜が破壊されるため、ろう金属粒子間の融合がスムーズに行われるとともに、その溶融金属が発泡剤粉末のガス化によって撹拌されつつ、溶融金属中に気泡が保持されることにより、発泡体(10)が形成される。同時に、フラックス粉末によって、ビーム本体(1)の内周面の酸化膜が破壊されるため、発泡体(10)とビーム本体(1)とが確実に融合して、発泡体(10)とビーム本体(1)とが接合一体化するものである。
なお、混合粉末(11)の発泡は、例えば、大気雰囲気中、窒素やアルゴン等の雰囲気中、真空中等、発泡剤がガス化して溶融金属を撹拌し得る環境下で行うことができる。
このインパクトビーム(B1)においては、ビーム本体(1)はアルミニウム合金押出中空材からなるので、ビーム本体(1)を能率良く且つコスト的に有利に製造することができるし、インパクトビーム(B1)の軽量化を図ることができる。そのため、このインパクトビーム(B1)を自動車(M)のドア内に組み込むことにより、自動車(M)の軽量化を図ることができて、自動車(M)の燃費を向上させることができる。
さらに、ビーム本体(1)の中空部(2)内にアルミニウム合金発泡体(10)が配置されているので、衝突時の衝撃エネルギー吸収量の増大化を図ることができる。さらに、この発泡体(10)はビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部(2)内に配置されているので、衝突時の衝撃エネルギーを効果的に吸収することができる。
さらに、発泡体(10)がビーム本体(1)の内周面にろう付接合されているので、ビーム本体(1)の中空部(2)内における発泡体(10)の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
また、ブラケット部(4)がビーム本体(1)の軸方向端部に形成された所定の扁平状部からなるので、該ブラケット部(4)をビーム本体(1)の端部に容易に形成することができる。
また、自動車(M)においては、そのドア内に上記インパクトビーム(B1)が組み込まれているので、衝突時(特に側面衝突時)の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
図8及び図9は、上記インパクトビーム(B1)の固定用ブラケット部(4)の第1変形例及び第2変形例をそれぞれ示している。
図8に示したブラケット部(4)は、次のように形成されたものである(ブラケット部の形成工程(104))。
すなわち、ビーム本体(1)の軸方向端部をその軸方向に切断する。そして、該端部をこの切断部(4b)において開いた状態で扁平状に押し潰す。これにより、ビーム本体(1)の端部にブラケット部(4)が形成される。
こうしてブラケット部(4)を形成することにより、ビーム本体(1)の軸方向端部に幅広のブラケット部(4)を容易に形成することができる。
図9に示したブラケット部(4)は、次のようにビーム本体(1)の軸方向端部に設けられたものである(ブラケット部の接合工程(105))。
すなわち、ビーム本体(1)の軸方向端部を扁平状に押し潰す。そして、この端部に、ビーム本体(1)とは別体のブラケット部(ブラケット部材)(4)を任意の接合手段(溶接、摩擦撹拌接合、ろう付等)によって接合一体化する。同図において、(W)は接合金属を示している。
こうしてブラケット部(4)を接合一体化することにより、ビーム本体(1)の軸方向端部にブラケット部(4)を容易に固着することができる。
図10〜図12は、本発明の第2実施形態に係るインパクトビーム(B2)の製造方法を説明するための図である。
本第2実施形態では、インパクトビーム(B2)は次のように製作されている。
すなわち、ビーム本体の準備工程(100)において、図10に示すように、ビーム本体(1)として、該ビーム本体(1)をその軸方向中間部で2分割して形成された第1分割片(1A)及び第2分割片(1B)と、第1分割片(1A)の分割端部と第2分割片(1B)の分割端部との間に介在される継手部材(8)と、を準備する。
継手部材(8)は、第1分割片(1A)と第2分割片(1B)とを連結するためのものであり、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。この継手部材(8)はその軸方向に貫通した中空部(9)を有している。また、継手部材(8)の軸方向両端部にはそれぞれ連結用第1嵌合凸部(8a)及び第2嵌合凸部(8b)が一体に設けられている。さらに、継手部材(8)の第1嵌合凸部(8a)と第2嵌合凸部(8b)との間には外方突出状の鍔部(8c)が設けられている。
なお本発明では、この継手部材(8)は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることがインパクトビーム(B2)の軽量化を図れる点等で望ましいが、他の材料からなるものであっても良く、継手部材(8)の構成材料に限定されるものではない。
次いで、混合粉末の配置工程(102)において、第1分割片(1A)の分割端部の中空部内と第2分割片(1B)の分割端部の中空部内とにそれぞれ混合粉末(11)を配置する。なお、この混合粉末(11)は、上記第1実施形態と同じくフラックス含有混合粉末である。そして、第1分割片(1A)の分割端部の中空部内に継手部材(8)の第1嵌合凸部(8a)を、第1分割片(1A)の分割端部が継手部材(8)の鍔部(8c)に突き当たるまで嵌合させるとともに、第2分割片(1B)の分割端部の中空部内に継手部材(8)の第2嵌合凸部(8b)を、第2分割片(1B)の分割端部が継手部材(8)の鍔部に突き当たるまで嵌合させる。こうして、第1分割片(1A)と第2分割片(1B)とを継手部材(8)を介して互いに連結する。この連結状態において、図11に示すように、第1分割片(1A)の分割端部の外周面と継手部材(8)の鍔部(8c)の外周面と第2分割片(1B)の分割端部の外周面とは互いに面一(つらいち)に連なっている。
さらに、同図に示すように、第1分割片(1A)の中空部(2)内に蓋部材(6)を棒状の押さえ部材(7)で押し入れて、該蓋部材(6)を第1分割片(1A)の中空部(2)内における混合粉末(11)の片側近傍位置に配置する。また同じく、第2分割片(1B)の中空部(2)内に蓋部材(6)を棒状の押さえ部材(7)で押し入れて、該蓋部材(6)を第2分割片(1B)の中空部(2)内における混合粉末(11)の片側近傍位置に配置する。
次いで、混合粉末の発泡工程(103)において、両方の混合粉末(11)(11)を局所加熱装置としての高周波誘導加熱装置(20)によって同時に加熱発泡させる。これにより、図12に示すように、第1分割片(1A)の分割端部の中空部(2)内と第2分割片(1B)の分割端部の中空部(2)内とに、それぞれアルミニウム合金発泡体が同時に形成されるとともに、両方の発泡体が互いに接合一体化して合体する。この結果、合体した発泡体(10)が、第1分割片(1A)の分割端部の中空部(2)内と継手部材(8)の中空部(9)内と第2分割片(1B)の分割端部の中空部(2)内とに、第1分割片(1A)、継手部材(8)及び第2分割片(1B)に跨って形成される。さらに、この混合粉末(11)の発泡時に、第1分割片(1A)と継手部材(8)と発泡体(10)とが混合粉末(11)中に含まれたろう粉末のろう材で互いにろう付接合一体化されるとともに、同じく、第2分割片(1B)と継手部材(8)と発泡体(10)とが混合粉末(11)中に含まれたろう粉末のろう材で互いにろう付接合一体化される。さらに、蓋部材(6)は発泡体(10)に混合粉末(11)中に含まれたろう粉末のろう材でろう付接合される。
このインパクトビーム(B2)では、ビーム本体(1)は、第1分割片(1A)と第2分割片(1B)と両者の間に介在された継手部材(8)との接合一体化物からなる。そして、このビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部内に発泡体(10)が配置されている。
本第2実施形態のインパクトビーム(B2)の他の工程は、上記第1実施形態と同じである。
このインパクトビーム(B2)では、ビーム本体(1)はその軸方向中間部で2分割されていることから、発泡体(10)の発泡前の原料粉末であるフラックス含有混合粉末(11)をビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部(2)内に配置させる場合において、該混合粉末(11)のビーム本体(1)中空部(2)内への配置作業を容易に行うことができる。
さらに、ビーム本体(1)の第1分割片(1A)の分割端部と第2分割片(1B)の分割端部との間に所定の継手部材(8)が介在されているので、この継手部材(8)によって第1分割片(1A)と第2分割片(1B)との連結作業を容易に行うことができる。
図13〜図15は、本発明の第3実施形態に係るインパクトビーム(B3)の製造方法を説明するための図である。
本第3実施形態では、インパクトビーム(B3)は次のように製作されている。
すなわち、混合粉末の準備工程(101)において、混合粉末(11)として、混合粉末(11)を塊状(詳述すると円柱状)に固形化したもの、即ち混合粉末の固形化物(11A)を準備する。この固形化物(11A)の直径は、ビーム本体(1)の内径よりも小さく設定されている。
なお、この混合粉末(11)は、上記第1実施形態と同じくフラックス含有混合粉末である。よって、固形化物(11A)はフラックスを含有している。
この混合粉末(11)の固形化方法としては、フラックス含有混合粉末(11)を圧粉成形する方法や、その圧粉成形体を押出加工や圧延加工して所定形状に成形する方法が例示される。また、固形化を容易にするため、混合粉末(11)中に粉末同士を結合するバインダを含有させても良い。
なお本発明では、この混合粉末(11)は、粘土状に固形化されていても良いし、ゼリー状に固形化されていても良い。
詳述すると、本実施形態において、混合粉末(11)を、バインダ(結合剤)の添加によって結合し、粘土状、ゼリー状等の結合状態の混合粉末として構成するこようにしても良い。このように混合粉末(11)を結合体に形成する(即ち固形化する)ことにより、混合粉末(11)の取扱を容易に行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
バインダとしては、ホットメルト結合剤(接着剤)、コーンスターチ、ひまし油、寒天、パラフィン、液ゴムのうち1種以上のものからなるものを好適に採用することができる。
ホットメルト結合剤(接着剤)としては、常温では、粘着性を持ち接着性を向上する性質を有する一方、加熱時には熱分解して残渣が残らず発泡を阻害することがないものを好適に使用することができる。具体的には、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、EEA(アクリル酸エチル共重合体)、EMMA(エチレン、メタクリル酸メチル)等を主成分とするEVA系のもの、SEBS(スチレン・エチレン・ブタジエン・プロピレンゴム)、SIS(スチレン・イソプレン・スチレンゴム)、SBS(スチレン・ブタジエン・スチレンゴム)、ブチルゴム、アクリルゴム等を主成分とするゴム系のもの、APAO(アモルファスポリアルファオレフィン)APP、ポリエチレン、ポリブタジエン等を主成分とするAPAO系のものが挙げられる。
更にホットメルト結合剤(接着剤)には、流動性の調整、固化時間の調整を行うために、ポリパラフィン系ワックス等の改質剤を配合することもできる。
混合粉末(11)にバインダを添加する場合、各成分の配合量は、ろう粉末40〜95質量部、フラックス粉末2〜50質量部、発泡剤粉末0.2〜10質量部、バインダ0.5〜30質量部に調整することが望ましく、好ましくは、ろう粉末50〜93質量部、フラックス粉末3〜45質量部、発泡剤粉末0.5〜8質量部、バインダ0.7〜28質量部、より好ましくは、ろう粉末55〜90質量部、フラックス粉末4〜43質量部、発泡剤粉末0.8〜5質量部、バインダ1〜25質量部に調整するのが良い。ただし本発明では、各成分の配合量はこれに限定されるものではない。
次いで、混合粉末の配置工程(102)において、図14に示すように、ビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部(2)内に混合粉末の固形化物(11A)を配置する。
次いで、混合粉末の発泡工程(103)において、同図に示すように、混合粉末の固形化物(11A)を局所加熱装置としての高周波誘導加熱装置(20)によって加熱発泡させる。これにより、図15に示すように、ビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部(2)内にアルミニウム合金発泡体(10)が形成されると同時に、ビーム本体(1)の内周面に該発泡体(10)が混合粉末の固形化物(11A)中に含まれたろう粉末のろう材でろう付接合される。
本第3実施形態のインパクトビーム(B3)の他の工程は、上記第1実施形態と同じである。
このインパクトビーム(B3)では、混合粉末(11)が固形化されているので、混合粉末(11)のビーム本体(1)中空部(2)内への配置作業を容易に行うことができる。
図16は、本発明の第4〜第6実施形態に係るインパクトビームの製造工程を示したブロック図である。
図17及び図18は、本発明の第4実施形態に係るインパクトビーム(B4)の製造方法を説明するための図である。
本第4実施形態のインパクトビーム(B4)の製造方法は、ビーム本体(1)の準備工程(100)と、アルミニウム発泡体(10)の準備工程(107)と、発泡体(10)の配置工程(108)と、発泡体(10)の接合工程(109)とを備えている。このインパクトビーム(B4)の製造方法を以下に説明する。
[ビーム本体の準備工程(100)]
図17に示すように、所定長さに設定された棒状のアルミニウム合金押出中空材からなるビーム本体(1)を準備する。
[発泡体の準備工程(107)]
アルミニウム合金発泡体(10)を準備する、この発泡体(10)は円柱状に形成されている。この発泡体(10)の直径は、ビーム本体(1)の内径と同寸か僅かに大寸に設定されており、これにより、発泡体(10)はビーム本体(1)の中空部(2)内に圧入し得る大きさに設定されている。
この発泡体(10)は、アルミニウムろう粉末と発泡剤粉末とを所定割合で混合した混合粉末を加熱発泡させて形成されたものである。なお本発明では、この発泡体(10)は、アルミニウムろう粉末と発泡剤粉末とを所定割合で混合し且つフラックスが含有されたフラックス含有混合粉末を加熱発泡させて形成されたものであっても良い。
さらに、この発泡体(10)は、アルミニウムろう材とフラックスとを有しているものであり、詳述すると、この発泡体(10)の外周面には、アルミニウムろう粉末とフラックスとを所定割合で混合したものがウエット又はドライ状態で塗布されて付着されている。したがって、この発泡体(10)の外周面には、フラックスを含有するろう材層(12)が形成されている。
この発泡体(10)やろう材層(12)において、アルミニウムろう粉末としては、その種類に限定されるものではなく、例えば、上述したアルミニウム合金ろう粉末が用いられる。フラックスは上述した非腐食性フラックスであることが望ましい。
[発泡体の配置工程(108)]
次いで、発泡体(10)をビーム本体(1)の中空部(2)内に圧入によって挿入して、該発泡体(10)をビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部内に充填状態に配置する。(15)は、発泡体(10)をビーム本体(1)の中空部(2)内に圧入するための棒状の押し部材である。
こうして発泡体(10)がビーム本体(1)の中空部(2)内に配置された状態において、発泡体(10)はビーム本体(1)の内周面に圧接されており、これにより該発泡体(10)はビーム本体(1)軸方向への移動阻止状態に保持されている。
[発泡体の接合工程(109)]
次いで、図18に示すように、発泡体(10)を局所加熱装置としての高周波加熱装置(22)によって加熱し、ろう材層(12)を溶融することにより、ビーム本体(1)の内周面に発泡体(10)をろう材層(12)中に含まれたろう材でろう付接合する。
本第4実施形態のインパクトビーム(B4)の他の工程は、上記第1実施形態と同じである。
このインパクトビーム(B4)では、ビーム本体(1)の内周面に発泡体(10)がろう付接合されているので、ビーム本体(1)の中空部(2)内における発泡体(10)の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
図19及び図20は、本発明の第5実施形態に係るインパクトビーム(B5)の製造方法を説明するための図である。
本第5実施形態のインパクトビーム(B5)の製造方法は、発泡体の接合工程(109)の代わりに接合一体化工程(109)を備えている。このインパクトビーム(B5)は次のように製作されている。
すなわち、ビーム本体の準備工程(100)において、図19に示すように、ビーム本体(1)として、該ビーム本体(1)をその軸方向中間部で2分割して形成された第1分割片(1A)及び第2分割片(1B)を準備する。
また、発泡体の準備工程(107)において、アルミニウム合金発泡体(10)として、上記第4実施形態の発泡体と同じく、外周面にフラックスを含有するろう材層(12)が形成されたものを準備する。
次いで、発泡体の配置工程(108)において、第1分割片(1A)の分割端部の中空部内に発泡体(10)の一端部を挿入するとともに、第2分割片(1B)の分割端部の中空部内に発泡体(10)の他端部を挿入する。さらに、第1分割片(1A)の分割端部と第2分割片(1B)の分割端部とを互いに突き合わせる。これにより、図20に示すように、発泡体(10)が第1分割片(1A)の分割端部の中空部(2)内と第2分割片(1B)の分割端部の中空部(2)内とに両分割片(1A)(1B)に跨って配置される。
[接合一体化工程(109)]
上記の発泡体の配置工程(108)の後で、同図に示すように、発泡体(10)を局所加熱装置としての高周波加熱装置(20)によって加熱し、ろう材層(12)を溶融することにより、第1分割片(1A)の分割端部と第2分割片(1B)の分割端部とをろう材層(12)中に含まれたろう材で互いにろう付接合するとともに、発泡体(10)を第1分割片(1A)の内周面と第2分割片(1B)の内周面とにろう材層(12)中に含まれたろう材でろう付接合する。これにより、第1分割片(1A)と第2分割片(1B)と発泡体(10)とは、ろう材層(12)中に含まれたろう材で互いにろう付接合一体化される。
このインパクトビーム(B5)では、ビーム本体(1)は、第1分割片(1A)と第2分割片(1B)との接合一体化物からなり、このビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部(2)内に発泡体(10)が配置されている。
本第5実施形態のインパクトビーム(B5)の他の工程は、上記第1実施形態と同じである。
このインパクトビーム(B5)では、ビーム本体(1)の内周面に発泡体(10)がろう付接合されているので、ビーム本体(1)の中空部(2)内における発泡体(10)の位置ずれを防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを確実に吸収することができる。
さらに、ビーム本体(1)はその軸方向中間部で2分割されていることから、発泡体(10)をビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部(2)内に配置させる場合において、該発泡体(10)のビーム本体(1)中空部(2)内への配置作業を容易に行うことができる。
図21及び図22は、本発明の第6実施形態に係るインパクトビーム(B6)の製造方法を説明するための図である。
本第6実施形態のインパクトビーム(B6)の製造方法は、発泡体の接合工程(109)の代わりに、ビーム本体の縮径加工工程(110)を備えている。このインパクトビーム(B6)は次のように製作されている。
すなわち、発泡体の準備工程(107)において、図21に示すように、発泡体(10)として、円柱状に形成されたものを準備する。この発泡体(10)の直径は、ビーム本体(1)の内径と同寸か僅かに大寸に設定されており、発泡体(10)はビーム本体(1)の中空部(2)内に圧入し得る大きさに設定されている。
この発泡体(10)は、アルミニウムろう粉末と発泡剤粉末とを所定割合で混合した混合粉末を加熱発泡させて形成されたものである。ただし、この発泡体(10)の外周面にはろう材層は形成されていない。
なお本発明では、発泡体(10)はろう材を全く有していないものであっても良い。
さらに、この発泡体(10)の軸方向中間部の外周面には、環状の凹部(13)が全周に亘って形成されている。
次いで、発泡体の配置工程(108)において、発泡体(10)をビーム本体(1)の中空部(2)内に圧入によって挿入して、該発泡体(10)をビーム本体(1)の軸方向中間部の中空部内に充填状態に配置する。
こうして発泡体(10)がビーム本体(1)の中空部(2)内に配置された状態において、発泡体(10)はビーム本体(1)の内周面に圧接されており、これにより該発泡体(10)はビーム本体(1)軸方向への移動阻止状態に保持されている。
[ビーム本体の縮径加工工程(110)]
次いで、図22に示すように、ビーム本体(1)の軸方向中間部に、縮径部(5)が発泡体(10)の環状凹部(13)内に嵌り込むように縮径加工を施す。これにより、発泡体(10)をビーム本体(1)の軸方向への移動阻止状態に保持する。
縮径加工としては、電磁力を利用した縮径加工(例:マグネフォーミング)や機械的カシメ等が挙げられる。
本第6実施形態のインパクトビーム(B6)の他の工程は、上記第1実施形態と同じである。
このインパクトビーム(B6)では、ビーム本体(1)の内周面に発泡体(10)が圧接されているので、発泡体(10)をビーム本体(1)の軸方向への移動阻止状態に保持することができる。その上、ビーム本体(1)の軸方向中間部に縮径加工により形成された縮径部(5)が発泡体(10)の環状凹部(13)内に嵌り込んでいるので、発泡体(10)をビーム本体(1)の軸方向への移動阻止状態に確実に保持することができる。そのため、ビーム本体(1)の中空部(2)内における発泡体(10)の位置ずれを更に確実に防止することができるし、衝突時の衝撃エネルギーを更に確実に吸収することができる。
以上で、本発明の幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
例えば、上記第1〜第3実施形態のインパクトビーム(B1)(B2)(B3)の製造方法における混合粉末の発泡工程(103)において、混合粉末(11)を高周波加熱装置(22)によって加熱発泡させるのではなく、ビーム本体(1)全体を真空加熱炉、窒素雰囲気加熱炉等の雰囲気加熱炉(図示せず)内に入れ、該雰囲気加熱炉によって混合粉末(11)を加熱発泡させても良い。
また、上記第4及び第5実施形態のインパクトビーム(B4)(B5)の製造方法における発泡体の接合工程(109)又は接合一体化工程(109)において、発泡体(10)を高周波加熱装置(22)によって加熱するのではなく、ビーム本体(1)全体を真空加熱炉、窒素雰囲気加熱炉等の雰囲気加熱炉(図示せず)内に入れ、該雰囲気加熱炉によって発泡体(10)を加熱しても良い。
また、本発明に係るインパクトビームは、鉄道車両の所定部位に取り付けられるものであっても良い。
本発明は、車両(自動車、鉄道車両等)のドア等に組み込まれるインパクトビーム、その製造方法及びこれを備えた車両に利用可能である。
本発明の第1実施形態に係るインパクトビームの斜視図である。 同インパクトビームの製造方法において混合粉末の配置工程前の状態を説明するため斜視図である。 同インパクトビームの製造方法において混合粉末の配置工程を説明するための断面図である。 同インパクトビームの製造方法において混合粉末の発泡工程を説明するための断面図である。 同インパクトビームの製造方法において混合粉末の発泡工程後の状態を説明するための断面図である。 同インパクトビームを備えた自動車の側面図である。 同インパクトビームの製造工程を示すブロック図である。 インパクトビームの固定用ブラケット部の第1変形例を示す斜視図である。 インパクトビームの固定用ブラケット部の第2変形例を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るインパクトビームの製造方法において混合粉末の配置工程前の状態を説明するための斜視図である。 同インパクトビームの製造方法において混合粉末の発泡工程を説明するための断面図である。 同インパクトビームの製造方法において混合粉末の発泡工程後の状態を説明するための断面図である。 本発明の第3実施形態に係るインパクトビームの製造方法において混合粉末の配置工程前の状態を説明するための斜視図である。 同インパクトビームの製造方法において混合粉末の発泡工程を説明するための断面図である。 同インパクトビームの製造方法において混合粉末の発泡工程後の状態を説明するための断面図である。 本発明の第4〜第6実施形態に係るインパクトビームの製造工程を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態のインパクトビームの製造方法において発泡体の配置工程前の状態を説明するための斜視図である。 同インパクトビームの製造方法において発泡体の接合工程を説明するための断面図である。 本発明の第5実施形態のインパクトビームの製造方法において発泡体の配置工程前の状態を説明するための斜視図である。 同インパクトビームの製造方法においては接合一体化工程を説明するための断面図である。 本発明の第6実施形態のインパクトビームの製造方法において発泡体の配置工程前の状態を説明するための斜視図である。 同インパクトビームの製造方法においてビーム本体の縮径加工工程後の状態を説明するための断面図である。
符号の説明
B1〜B6…インパクトビーム
1…ビーム本体
1A…第1分割片
1B…第2分割片
2…中空部
4…固定用ブラケット部
5…縮径部
6…蓋部材
8…継手部材
8a…連結用第1嵌合凸部
8b…連結用第2嵌合凸部
9…継手部材の中空部
10…アルミニウム合金発泡体
11…混合粉末
12…ろう材層
13…環状の凹部
20…高周波誘導加熱装置(局所加熱装置)
M…自動車(車両)

Claims (39)

  1. 棒状のアルミニウム合金押出中空材からなるビーム本体を備え、
    前記ビーム本体の中空部内にアルミニウム合金発泡体が配置されていることを特徴とするインパクトビーム。
  2. 前記発泡体が前記ビーム本体の内周面にろう付接合されている請求項1記載のインパクトビーム。
  3. 前記発泡体が前記ビーム本体の内周面に圧接されている請求項1記載のインパクトビーム。
  4. 前記ビーム本体の軸方向の少なくとも一部に縮径加工が施されることにより、前記発泡体が前記ビーム本体の軸方向への移動阻止状態に保持されている請求項1又は3記載のインパクトビーム。
  5. 前記発泡体の外周面には環状の凹部が設けられており、
    前記縮径加工は、前記ビーム本体の軸方向の前記少なくとも一部に、縮径部が前記発泡体の環状凹部内に嵌り込む態様にして施されている請求項4記載のインパクトビーム。
  6. 前記発泡体は、前記ビーム本体の軸方向中間部の中空部内に配置されている請求項1〜5のいずれか1項記載のインパクトビーム。
  7. 前記ビーム本体は、その軸方向中間部で第1分割片と第2分割片とに2分割されており、
    前記第1分割片の中空部内と前記第2分割片の中空部内とに前記発泡体が前記両分割片に跨って配置されるとともに、前記両分割片の分割端部同士が突き合わされ、
    この状態で、前記第1分割片と第2分割片と前記発泡体とが互いにろう付接合一体化されている請求項1記載のインパクトビーム。
  8. 前記ビーム本体は、その軸方向中間部で第1分割片と第2分割片とに2分割されるとともに、前記第1分割片の分割端部と前記第2分割片の分割端部との間に前記両分割片を連結する継手部材が介在されており、
    前記継手部材の軸方向両端部には、それぞれ連結用第1嵌合凸部及び第2嵌合凸部が設けられており、
    前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とに、それぞれ前記継手部材の第1嵌合凸部と第2嵌合凸部とが嵌合されるとともに、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とにそれぞれ前記発泡体が配置され、
    この状態で、前記第1分割片と前記継手部材と前記発泡体とが互いにろう付接合一体化され、且つ、前記第2分割片と前記継手部材と前記発泡体とが互いにろう付接合一体化されている請求項1記載のインパクトビーム。
  9. 前記継手部材は、その軸方向に貫通した中空部を有しており、
    前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記継手部材の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とに、前記発泡体が、前記第1分割片、前記継手部材及び前記第2分割片に跨って配置されている請求項8記載のインパクトビーム。
  10. 前記ビーム本体の軸方向両端部にそれぞれ固定用ブラケット部が設けられており、
    前記ブラケット部は、前記ビーム本体の軸方向端部に接合一体化されている請求項1〜9のいずれか1項記載のインパクトビーム。
  11. 前記ビーム本体の軸方向両端部にそれぞれ固定用ブラケット部が設けられており、
    前記ブラケット部は、前記ビーム本体の軸方向端部が扁平状に押し潰されることにより、前記ビーム本体の軸方向端部に形成された扁平状部からなる請求項1〜9のいずれか1項記載のインパクトビーム。
  12. 前記ビーム本体の軸方向両端部にそれぞれ固定用ブラケット部が設けられており、
    前記ブラケット部は、前記ビーム本体の軸方向端部がその軸方向に切断された切断部において開かれた状態で扁平状に押し潰されることにより、前記ビーム本体の軸方向端部に形成された扁平状部からなる請求項1〜9のいずれか1項記載のインパクトビーム。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項記載のインパクトビームを備えていることを特徴とする車両。
  14. 棒状のアルミニウム合金押出中空材からなるビーム本体を準備する、ビーム本体の準備工程と、
    アルミニウムろう粉末と発泡剤粉末とが混合され、且つフラックスが含有されたフラックス含有混合粉末を準備する、混合粉末の準備工程と、
    前記ビーム本体の中空部内に前記混合粉末を配置する、混合粉末の配置工程と、
    前記混合粉末の配置工程の後で、前記混合粉末を加熱発泡させることにより、前記ビーム本体の中空部内にアルミニウム合金発泡体を形成する、混合粉末の発泡工程と、
    を備えていることを特徴とするインパクトビームの製造方法。
  15. 前記混合粉末の配置工程において、前記ビーム本体の中空部内に前記混合粉末を配置するとともに、前記ビーム本体の中空部内における前記混合粉末の両側に、該混合粉末が前記ビーム本体の外側へ流出するのを防止する蓋部材をそれぞれ配置する請求項14記載のインパクトビームの製造方法。
  16. 前記混合粉末の配置工程において、前記ビーム本体の軸方向中間部の中空部内に前記混合粉末を配置する請求項14又は15記載のインパクトビームの製造方法。
  17. 前記ビーム本体の準備工程において、前記ビーム本体として、該ビーム本体がその軸方向中間部で2分割されて形成された第1分割片及び第2分割片と、前記第1分割片の分割端部と前記第2分割片の分割端部との間に介在され且つ前記両分割片を連結する継手部材と、を準備し、
    前記継手部材の軸方向両端部には、それぞれ連結用第1嵌合凸部及び第2嵌合凸部が設けられており、
    前記混合粉末の配置工程において、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とにそれぞれ前記混合粉末を配置するとともに、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とにそれぞれ前記継手部材の第1嵌合凸部と第2嵌合凸部とを嵌合させることにより、前記両分割片を前記継手部材を介して互いに連結し、
    前記混合粉末の発泡工程において、前記混合粉末を加熱発泡させることにより、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とにそれぞれ前記発泡体を形成するとともに、前記第1分割片と前記継手部材と前記発泡体とを前記混合粉末中のろう材で互いにろう付接合一体化し、且つ、前記第2分割片と前記継手部材と前記発泡体とを前記混合粉末中のろう材で互いにろう付接合一体化する請求項14又は15記載のインパクトビームの製造方法。
  18. 前記継手部材は、その軸方向に貫通した中空部を有しており、
    前記混合粉末の発泡工程において、前記混合粉末を加熱発泡させることにより、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記継手部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とに、前記発泡体を、前記第1分割片、前記継手部材及び前記第2分割片に跨って形成するとともに、前記第1分割片と前記継手部材と前記発泡体とを前記混合粉末中のろう材で互いにろう付接合一体化し、且つ、前記第2分割片と前記継手部材と前記発泡体とを前記混合粉末中のろう材で互いにろう付接合一体化する請求項17記載のインパクトビームの製造方法。
  19. 前記混合粉末は、固形化されている請求項14〜18のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
  20. 前記混合粉末の発泡工程において、局所加熱装置によって前記混合粉末を加熱発泡させる請求項14〜19のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
  21. 前記局所加熱装置は、高周波誘導加熱装置である請求項20記載のインパクトビームの製造方法。
  22. 前記混合粉体の発泡工程において、雰囲気加熱炉によって前記混合粉末を加熱発泡させる請求項14〜19のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
  23. 棒状のアルミニウム合金押出中空材からなるビーム本体を準備する、ビーム本体の準備工程と、
    アルミニウム合金発泡体を準備する、発泡体の準備工程と、
    前記ビーム本体の中空部内に前記発泡体を配置する、発泡体の配置工程と、
    を備えていることを特徴とするインパクトビームの製造方法。
  24. 前記発泡体はろう材とフラックスとを有しており、
    前記発泡体の配置工程の後で、前記発泡体を加熱することにより、前記ビーム本体の内周面に前記発泡体を前記ろう材でろう付接合する、発泡体の接合工程を備えている請求項23記載のインパクトビームの製造方法。
  25. 前記発泡体の接合工程において、局所加熱装置によって前記発泡体を加熱する請求項24記載のインパクトビームの製造方法。
  26. 前記局所加熱装置は、高周波誘導加熱装置である請求項25記載のインパクトビームの製造方法。
  27. 前記発泡体の接合工程において、雰囲気加熱炉によって前記発泡体を加熱する請求項24記載のインパクトビームの製造方法。
  28. 前記発泡体の配置工程において、前記ビーム本体の中空部内に前記発泡体を圧入によって挿入配置する請求項23記載のインパクトビームの製造方法。
  29. 前記発泡体の配置工程の後で、前記ビーム本体の軸方向の少なくとも一部に縮径加工を施すことにより、前記発泡体を前記ビーム本体の軸方向への移動阻止状態に保持する、ビーム本体の縮径加工工程を備えている請求項23又は28記載のインパクトビームの製造方法。
  30. 前記発泡体の外周面には環状の凹部が設けられており、
    前記ビーム本体の縮径加工において、前記ビーム本体の軸方向の前記少なくとも一部に、縮径部が前記発泡体の環状凹部内に嵌り込むように縮径加工を施す請求項29記載のインパクトビームの製造方法。
  31. 前記発泡体の配置工程において、前記ビーム本体の軸方向中間部の中空部内に前記発泡体を配置する請求項23〜30のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
  32. 前記ビーム本体の準備工程において、前記ビーム本体として、該ビーム本体がその軸方向中間部で2分割されて形成された第1分割片と第2分割片とを準備し、
    前記発泡体はろう材とフラックスとを有しており、
    前記発泡体の配置工程において、前記第1分割片の分割端部の中空部内と前記第2分割片の分割端部の中空部内とに前記発泡体が前記両分割片に跨って配置された状態に、前記両分割片の分割端部同士を突き合わせ、
    前記発泡体の配置工程の後で、前記発泡体を加熱することにより、前記第1分割片と前記第2分割片と前記発泡体とを前記ろう材で互いにろう付接合一体化する、接合一体化工程を備えている請求項23記載のインパクトビームの製造方法。
  33. 前記接合一体化工程において、局所加熱装置によって前記発泡体を加熱する請求項32記載のインパクトビームの製造方法。
  34. 前記局所加熱装置は、高周波誘導加熱装置である請求項33記載のインパクトビームの製造方法。
  35. 前記接合一体化工程において、雰囲気加熱炉によって前記発泡体を加熱する請求項32記載のインパクトビームの製造方法。
  36. 前記ビーム本体の軸方向端部に固定用ブラケット部を接合一体化する、ブラケット部の接合工程を備えている請求項14〜35のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
  37. 前記ビーム本体の軸方向端部を扁平状に押し潰すことにより、前記ビーム本体の軸方向端部に固定用ブラケット部を形成する、ブラケット部の形成工程を備えている請求項14〜35のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
  38. 前記ビーム本体の軸方向端部をその軸方向に切断するとともに、前記端部をこの切断部において開いた状態で扁平状に押し潰すことにより、前記ビーム本体の軸方向端部に固定用ブラケット部を形成する、ブラケット部の形成工程を備えている請求項14〜35のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法。
  39. 請求項14〜38のいずれか1項記載のインパクトビームの製造方法により得られたことを特徴とするインパクトビーム。
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