JP2005335140A - 液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDF

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博紀 池田
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Abstract

【課題】 本発明は、このような事情に鑑み、比較的厚さの薄い流路形成基板の表面を良好に洗浄でき、圧力発生室を高精度に形成することができる液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】 流路形成基板用ウェハの一方面に振動板を介して圧電素子を形成する工程と、保護基板用ウェハを流路形成基板用ウェハの一方面側に接合して接合体とする工程と、流路形成基板用ウェハを所定の厚さにする工程と、接合体の浮力を利用して接合体の流路形成基板用ウェハ側の一部のみを洗浄液に浸漬させて流路形成基板用ウェハの他方面を洗浄する工程と、流路形成基板用ウェハの他方面に保護膜を形成すると共に所定形状にパターニングする工程と、保護膜を介して流路形成基板用ウェハをウェットエッチングすることにより圧力発生室を形成する工程と、接合体を所定の大きさに分割する工程とを具備する。
【選択図】 なし

Description

液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法に関し、特に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法に関する。
液体噴射ヘッドの代表的な例であるインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、この流路形成基板の一方面側に形成される圧電素子と、流路形成基板の圧電素子側の面に接合されて圧電素子を封止する圧電素子保持部を有する封止基板を接合したものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、このようなインクジェット式記録ヘッドにおいては、近年、圧電素子を高密度に配列することで印刷品質の向上が図られている。このように圧電素子を高密度に配列する場合、流路形成基板には圧力発生室を高密度に形成されるため、流路形成基板の厚さを比較的薄くすることで、圧力発生室を区画する隔壁の剛性が確保する必要がある。
流路形成基板の厚さ薄くする方法としては、例えば、特許文献1に記載されているように、流路形成基板の表面を研削、あるいはエッチングする方法等がある。そして、このような方法で流路形成基板の厚さを薄く加工した後は、流路形成基板の表面に保護膜を形成し、この保護膜をマスクとして流路形成基板をエッチングすることにより複数の圧力発生室を形成する。
しかしながら、このような方法で流路形成基板を所定の厚みにした後、流路形成基板上に保護膜を形成すると、研磨、あるいはエッチングに起因して保護膜にピンホールが形成されてしまうという問題がある。そして、このようなピンホールが存在する保護膜は密着力が低いため、保護膜をマスクとしてエッチングすることにより圧力発生室を形成すると、保護膜のサイドエッチング量が大きくなり、圧力発生室を高精度に形成することができないという問題がある。
このような問題を解消するためには、流路形成基板上に保護膜を形成する前に、流路形成基板の表面を十分に洗浄する必要がある。流路形成基板(シリコンウェハ)の洗浄する方法としては、洗浄液にウェハ全体を浸漬させて洗浄する方法がある。しかしながら、このように基板全体を洗浄液に浸漬させて洗浄すると、製造不良の原因となるため好ましくない。例えば、封止基板上には、圧電素子を駆動するための駆動ICが接続される接続配線等が設けられている場合が多く、基板全体を洗浄液に浸漬させて洗浄すると、この接続配線が洗浄液によってエッチングされて断線するという問題がある。また、圧電素子保持部内等に洗浄液が侵入して圧電素子が破壊されてしまう虞もある。
また、基板全体の厚さは数百μmと薄く取扱いが難しく、流路形成基板の表面のみを洗浄するのは困難であった。なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法だけでなく、勿論、インク以外の液体を吐出する他の液体噴射ヘッドの製造方法においても、同様に存在する。
特開2004−82722号公報(第1図、第8図及び第9頁等参照)
本発明は、このような事情に鑑み、比較的厚さの薄い流路形成基板の表面を良好に洗浄でき、圧力発生室を高精度に形成することができる液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、シリコン基板からなり液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板が複数一体的に形成される流路形成基板用ウェハの一方面に振動板を介して圧電素子を形成する工程と、前記圧電素子を保護する圧電素子保持部を有する保護基板が複数一体的に形成される保護基板用ウェハを前記流路形成基板用ウェハの前記一方面側に接合して接合体とする工程と、前記流路形成基板用ウェハの他方面側を加工して当該流路形成基板用ウェハを所定の厚さにする工程と、前記接合体の浮力を利用して当該接合体の前記流路形成基板用ウェハ側の一部のみを洗浄液に浸漬させて当該流路形成基板用ウェハの他方面を洗浄する工程と、前記流路形成基板用ウェハの他方面に保護膜を形成すると共に所定形状にパターニングする工程と、該保護膜を介して前記流路形成基板用ウェハをウェットエッチングすることにより前記圧力発生室を形成する工程と、前記接合体を所定の大きさに分割する工程とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第1の態様では、流路形成基板用ウェハの表面を洗浄することで、保護膜の密着性が向上する。したがって、この保護膜を介して流路形成基板用ウェハをエッチングして圧力発生室を形成する際、保護膜のサイドエッチング量が大幅に低減される。よって、圧力発生室等を高精度に形成することができる。さらに、接合体全体を洗浄液に浸漬させることなく、流路形成基板用ウェハの表面のみを良好に洗浄することができるため、洗浄液に起因する製造不良の発生を防止することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記流路形成基板用ウェハの表面を洗浄する工程では、前記接合体の前記封止基板用ウェハ側表面の一部に支持部材を当接させて当該接合体を支持固定し当該接合体の移動を規制することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第2の態様では、接合体全体を洗浄液に浸漬することなく流路形成基板用ウェハの表面をより確実に洗浄することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記封止基板用ウェハには、各封止基板に対応して複数のリザーバ部が予め形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第3の態様では、接合体の浮力がさらに増加するため、接合体全体を洗浄液に浸漬することなく流路形成基板用ウェハの表面をさらに確実に洗浄することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記流路形成基板用ウェハの表面を洗浄する工程の前に、前記封止基板用ウェハの表面に保護フィルムを接着して当該封止基板用ウェハに形成された前記圧電素子保持部を含む空間を密封する工程をさらに有することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第4の態様では、封止基板用ウェハ上に洗浄液が飛散等した場合でも、洗浄液に起因する製造不良を確実に防止できる。また、封止基板用ウェハの空間が封止されていることで、接合体の浮力が確保される。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記封止基板用ウェハの表面には、前記圧電素子を駆動するための駆動ICが接続される接続配線が予め形成されており、前記保護フィルムは前記接続配線を完全に覆うように当該封止基板用ウェハに接着されることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第5の態様では、接続配線に洗浄液等が付着して、接続配線が断線する等の製造時の不良が確実に防止される。
本発明の第6の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記洗浄液が、アンモニア過酸化水素水混合液であることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第6の態様では、所定の洗浄液を用いることで、流路形成基板用ウェハの表面が良好に洗浄される。
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記保護膜が、窒化シリコンからなることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる第7の態様では、保護膜の流路形成基板用ウェハとの密着性が確実に向上する。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る製造方法によって製造されるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化によって二酸化シリコンからなる厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、隔壁11によって区画された複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。連通部13は、後述する保護基板30のリザーバ部32と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100の一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、圧力発生室12を形成する際のマスクとして用いられる保護膜52を介して、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
また、このような各圧電素子300の上電極膜80には、例えば、金(Au)等の金属層95からなるリード電極90がそれぞれ接続され、このリード電極90を介して各圧電素子300に選択的に電圧が印加されるようになっている。
さらに、このような流路形成基板10の圧電素子300側の面には、圧電素子300を保護するための圧電素子保持部31を有する保護基板30が接合されている。そして、圧電素子300は、この圧電素子保持部31内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。なお、圧電素子保持部31は、密封されていてもよいし密封されていなくてもよい。また、このような保護基板30には、圧電素子保持部31の外側にリザーバ部32が設けられている。このリザーバ部32は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、流路形成基板10の連通部13と連通されて、各圧力発生室12の列毎の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。また、このような保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30上には、所定パターンで形成された接続配線200が形成され、この接続配線200上には圧電素子300を駆動するための駆動IC210が実装されている。そして、各圧電素子300から圧電素子保持部31の外側まで引き出された各リード電極90の先端部と、駆動IC210とが駆動配線220を介して電気的に接続されている。
さらに、保護基板30のリザーバ部32に対応する領域上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC210からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、圧電素子300及び振動板をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインクが吐出する。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について、図3〜図6を参照して説明する。なお、図3〜図5は、圧力発生室12の長手方向の断面図であり、図6は、洗浄工程を模式的に示す図である。まず、図3(a)に示すように、シリコンウェハからなり流路形成基板10が複数一体的に形成される流路形成基板用ウェハ110を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に弾性膜50を構成する二酸化シリコン膜51を形成する。なお、本実施形態では、流路形成基板用ウェハ110として、膜厚が約625μmと比較的厚く剛性の高いシリコンウェハを用いている。
次に、図3(b)に示すように、弾性膜50(二酸化シリコン膜51)上に、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜55を形成する。具体的には、弾性膜50(二酸化シリコン膜51)上に、例えば、スパッタ法等によりジルコニウム(Zr)層を形成後、このジルコニウム層を、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化することにより酸化ジルコニウム(ZrO)からなる絶縁体膜55を形成する。
次いで、図3(c)に示すように、例えば、白金とイリジウムとを絶縁体膜55上に積層することにより下電極膜60を形成した後、この下電極膜60を所定形状にパターニングする。次に、図3(d)に示すように、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば、イリジウムからなる上電極膜80とを流路形成基板用ウェハ110の全面に形成し、これら圧電体層70及び上電極膜80を、各圧力発生室12に対向する領域にパターニングして圧電素子300を形成する。
なお、圧電素子300を構成する圧電体層70の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料や、これにニオブ、ニッケル、マグネシウム、ビスマス又はイッテルビウム等の金属を添加したリラクサ強誘電体等が用いられる。その組成は、圧電素子300の特性、用途等を考慮して適宜選択すればよいが、例えば、PbTiO(PT)、PbZrO(PZ)、Pb(ZrTi1−x)O(PZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO(PMN−PT)、Pb(Zn1/3Nb2/3)O−PbTiO(PZN−PT)、Pb(Ni1/3Nb2/3)O−PbTiO(PNN−PT)、Pb(In1/2Nb1/2)O−PbTiO(PIN−PT)、Pb(Sc1/3Ta1/2)O−PbTiO(PST−PT)、Pb(Sc1/3Nb1/2)O−PbTiO(PSN−PT)、BiScO−PbTiO(BS−PT)、BiYbO−PbTiO(BY−PT)等が挙げられる。
また、圧電体層70の形成方法は、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体層70を形成した。
次に、図4(a)に示すように、リード電極90を形成する。具体的には、まず流路形成基板用ウェハ110の全面に亘って、例えば、金(Au)等からなる金属層95を形成する。そして、この金属層95上に、例えば、レジスト等からなるマスクパターン(図示なし)を形成し、このマスクパターンを介して金属層95を圧電素子300毎にパターニングすることによりリード電極90を形成する。
次に、図4(b)に示すように、保護基板30が複数一体的に形成される保護基板用ウェハ130を、流路形成基板用ウェハ110上に接着剤35によって接着して接合体140を形成する。ここで、保護基板用ウェハ130には、リザーバ部32、圧電素子保持部31等が予め形成されており、保護基板用ウェハ130上には、上述した接続配線200が予め形成されている。また、保護基板用ウェハ130は、例えば、400μm程度の厚さを有するシリコンウェハであり、保護基板用ウェハ130を接合することで流路形成基板用ウェハ110の剛性は著しく向上することになる。
次いで、図4(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ110の保護基板用ウェハ130側とは反対側を加工して、流路形成基板用ウェハ110を所定の厚みにする。具体的には、まず、流路形成基板用ウェハ110をある程度の厚さとなるまで研削する。その後、更に弗化硝酸等のエッチング液を用いてウェットエッチングする。例えば、本実施形態では、接合体140を回転させながら、流路形成基板用ウェハ110の表面にエッチング液を吹き付ける、いわゆるスピンエッチングを行い、流路形成基板用ウェハ110の厚さが約70μmとなるようにした。
次に、図5(a)に示すように、保護基板用ウェハ130の表面に、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)等からなり、接続配線200を保護する保護フィルム150を接着する。このとき、保護基板用ウェハ130の略全面が保護フィルム150によって覆われるため、圧電素子保持部31、リザーバ部32等、保護基板用ウェハ130に形成されている空間はこの保護フィルム150によって封止される。
次に、接合体140の浮力を利用し、接合体140の流路形成基板用ウェハ110側の一部のみを所定の洗浄液に浸漬させて流路形成基板用ウェハ110の、上述した工程で加工された面を洗浄液によって洗浄する。すなわち、接合体140を構成する保護基板用ウェハ130には、複数の圧電素子保持部31及びリザーバ部32等の空間が形成されているため、接合体140は洗浄液中に沈まない程度の浮力を有する。そして、この接合体140の浮力を利用して流路形成基板用ウェハ110の表面を洗浄する。
具体的には、図6(a)に示すように、ウォーターバス160内に貯留されている洗浄液170、例えば、アンモニア過酸化水素水混合液(SC1)に、接合体140の流路形成基板用ウェハ110側の面を接液させる。このとき、接合体140は、洗浄液170中に沈むことはなく、その浮力によって洗浄液170表面に浮いた状態となる。そして、図6(b)に示すように、接合体140の保護基板用ウェハ130側の面に支持部材180を当接させて、接合体140を洗浄液170中に所定深さまで押し込み、接合体140の流路形成基板用ウェハ110側の一部を浸漬させた状態で保持する。そして、この状態で、例えば、洗浄液170を循環させて発生させた流れ等を利用して、流路形成基板用ウェハ110の表面を洗浄する。
なお、本実施形態では、一つの棒状の支持部材180を、接合体140の面方向の略中央部に当接させて、接合体140を支持するようにした。これにより、接合体140の上下方向及び水平方向の移動が規制されると共に、傾きも規制されている。なお、勿論、複数の支持部材で、接合体140を支持するようにしてもよく、各支持部材を当接する位置は、接合体140の中央部に限定されず、接合体140の移動を規制できるように適宜決定すればよい。
このように流路形成基板用ウェハ110の表面を洗浄した後は、図5(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110上に、例えば、窒化シリコン(SiN)からなる保護膜52を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、図5(c)に示すように、この保護膜52をマスクとして流路形成基板用ウェハ110を異方性エッチング(ウェットエッチング)することにより、流路形成基板用ウェハ110に圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成する。次いで、図5(d)に示すように、保護基板用ウェハ130上の保護フィルム150を除去すると共に、流路形成基板用ウェハ110の連通部13と、封止基板用ウェハのリザーバ部32との間の弾性膜50及び絶縁体膜55を除去して連通孔53を形成し、この連通孔53を介して連通部13とリザーバ部32とを連通させてリザーバ100を形成する。
このようにリザーバ100を形成した後は、図示しないが、保護基板用ウェハ130に形成されている接続配線200上に駆動IC210を実装すると共に、駆動IC210とリード電極90とを駆動配線220によって接続する。その後、流路形成基板用ウェハ110及び保護基板用ウェハ130の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハ110の保護基板用ウェハ130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハ130にコンプライアンス基板40を接合し、これら流路形成基板用ウェハ110等を図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって上述した構造のインクジェット式記録ヘッドが製造される。
以上説明したように、本実施形態では、流路形成基板用ウェハを研削等により所定厚さに加工した後、流路形成基板用ウェハ110の表面を洗浄するようにした。これにより、流路形成基板用ウェハ110に形成される保護膜52の密着力が、流路形成基板用ウェハ110の洗浄を行わない場合と比較して大幅に向上する。そして、このように保護膜52の密着力が向上することで、圧力発生室12等をエッチングにより形成する際の保護膜52のサイドエッチング量を小さく抑えることができる。すなわち、洗浄を行うことで、保護膜52にピンホールが形成されるのを防止することができ、保護膜52のサイドエッチング量を小さく抑えることができる。したがって、流路形成基板用ウェハ110に圧力発生室12等を極めて高精度に形成することができる。
また、流路形成基板用ウェハ110表面の洗浄する際、接合体140の浮力を利用して、接合体140を洗浄液に完全に浸漬させることなく、接合体140の一部のみを洗浄液170中に浸漬させるようにしたので、洗浄液170が接合体140の保護基板用ウェハ130側に流れ込むことがなく、保護基板用ウェハ130上の接続配線200が洗浄液170によってエッチングされる等、製造不良の発生を防止することができる。
なお、上述したように本実施形態では、洗浄時に、接続配線200を保護フィルム150により保護するようにしているが、接合体140を洗浄液170中に完全に浸漬させてしまうと、洗浄液170によって保護フィルム150が剥がれたり、保護基板用ウェハ130と保護フィルム150との隙間から洗浄液170が侵入するなどして接続配線200が断線する虞がある。
ここで、流路形成基板用ウェハ110の洗浄を行った場合と、行わなかった場合とで、保護膜52に形成されるピンホールの数、及びサイドエッチング量を比較した結果を下記表1に示す。また、図7には、洗浄を行った場合の保護膜の金属顕微鏡像を示し、図8には、洗浄を行わなかった場合の保護膜の金属顕微鏡像を示す。
なお、ピンホールが形成される要因としては、流路形成基板用ウェハ110の研削に起因するものと、ウェットエッチングに起因するものとがあり、各ピンホールが何れの要因で形成されたものかは、形状等から容易に判定することができる。
そして、下記表1の研削に起因するピンホールの数は、保護膜52をパターニングした状態において、下記の手順で計測したピンホールの数である。すなわち、複数のチップ(流路形成基板)が形成される1枚のウェハ(接合体)から、任意の5チップを選択し、さらに各チップから10セグメント(圧電素子)を選択する。そして、計50セグメントの隔壁11に対向する領域の保護膜52に存在するピンホールの数を視認により計測した。一方、エッチングに起因するピンホールの数は、1枚のウェハから任意の1チップを選択し、この1チップ領域内に存在するピンホールの数を視認により計測したものである。また、サイドエッチング量は、ピンホールの数を計測した保護膜52をマスクとして流路形成基板10をエッチングにより形成した後に、上記選択領域で測定した値(最大値)である。
Figure 2005335140
上記表1に示す結果からも明らかなように、流路形成基板用ウェハ110の洗浄を行うことで、保護膜52に形成されるピンホールの数を減少させることができる。また、サイドエッチング量も、洗浄を行わなかった場合よりも大幅に減少させることができる。さらに、このことは、図7及び図8に示す金属顕微鏡像からも明らかである。すなわち、洗浄を行った場合(図7)、保護膜のサイドエッチングは視認できない程度であったが、洗浄を行わなかった場合には(図8)、絶縁膜のサイドエッチングを容易に視認することができた(例えば、図中実線で囲まれた領域)。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、流路形成基板用ウェハ110を洗浄する際に、棒状の支持部材180によって接合体140を支持するようにしたが、支持部材180の構造は特に限定されるものではない。例えば、図9に示すようには、支持部材180Aは、接合体140の端面側から相対向するように張り出した複数の張り出し部181によって接合体140を支持するものであってもよい。このような支持部材180Aを用いる場合には、まず、図9(a)に示すように、支持部材180Aの張り出し部181a,181b間に接合体140を挿入する。これにより、接合体140は、張り出し部181aが流路形成基板用ウェハ110側の面に当接することで支持される。そして、図9(b)に示すように、この状態のまま支持部材180Aを下降させ、接合体140を洗浄液170中に浸漬させる。このとき、上述したように接合体140はその浮力によって洗浄液170上に浮くため、洗浄液170上では、接合体140は、接合基板用ウェハ側の面に張り出し部181bが当接することよって支持される。この状態で、流路形成基板用ウェハ110の表面を洗浄することにより、上述の実施形態と同様に、流路形成基板用ウェハ110の表面を良好に洗浄することができる。
また、上述した実施形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を模式的に示す図である。 実施形態1に係る保護膜を示す金属顕微鏡像である。 従来技術に係る保護膜を示す金属顕微鏡像である。 他の実施形態に係る記録ヘッドの製造工程を模式的に示す図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 35 接着剤、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 95 金属層、 100 リザーバ、 110 流路形成基板用ウェハ、 130 保護基板用ウェハ、 140 接合体、 150 保護フィルム、 180 支持部材、 200 接続配線、 210 駆動IC、 220 駆動配線、 300 圧電素子

Claims (7)

  1. シリコン基板からなり液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板が複数一体的に形成される流路形成基板用ウェハの一方面に振動板を介して圧電素子を形成する工程と、前記圧電素子を保護する圧電素子保持部を有する保護基板が複数一体的に形成される保護基板用ウェハを前記流路形成基板用ウェハの前記一方面側に接合して接合体とする工程と、前記流路形成基板用ウェハの他方面側を加工して当該流路形成基板用ウェハを所定の厚さにする工程と、前記接合体の浮力を利用して当該接合体の前記流路形成基板用ウェハ側の一部のみを洗浄液に浸漬させて当該流路形成基板用ウェハの他方面を洗浄する工程と、前記流路形成基板用ウェハの他方面に保護膜を形成すると共に所定形状にパターニングする工程と、該保護膜を介して前記流路形成基板用ウェハをウェットエッチングすることにより前記圧力発生室を形成する工程と、前記接合体を所定の大きさに分割する工程とを具備することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 請求項1において、前記流路形成基板用ウェハの表面を洗浄する工程では、前記接合体の前記封止基板用ウェハ側表面の一部に支持部材を当接させて当該接合体を支持固定し当該接合体の移動を規制することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 請求項1又は2において、前記封止基板用ウェハには、各封止基板に対応して複数のリザーバ部が予め形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記流路形成基板用ウェハの表面を洗浄する工程の前に、前記封止基板用ウェハの表面に保護フィルムを接着して当該封止基板用ウェハに形成された前記圧電素子保持部を含む空間を密封する工程をさらに有することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  5. 請求項4において、前記封止基板用ウェハの表面には、前記圧電素子を駆動するための駆動ICが接続される接続配線が予め形成されており、前記保護フィルムは前記接続配線を完全に覆うように当該封止基板用ウェハに接着されることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  6. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記洗浄液が、アンモニア過酸化水素水混合液であることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れかにおいて、前記保護膜が、窒化シリコンからなることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
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