JP2005334762A - 触媒液の再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 第8族金属触媒および腐食性金属生成物を含む触媒液から腐食性金属生成物含量の減少した触媒液を回収することを課題とする。
【解決手段】 第8族金属触媒および腐食性金属生成物を含む触媒液を強酸で処理した後、陽イオン交換体と接触して、腐食性金属生成物含量の減少した触媒液を回収することを特徴とする触媒液の再生方法である。特に、アルコールおよび/またはその反応性誘導体のカルボニル化によりカルボン酸を製造する際に使用する第8族金属含有触媒液及び、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガンおよびそれらの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属を含んでいるカルボニル化反応触媒液を強酸で処理した後、陽イオン交換体と接触させることで、腐食性金属生成物の除去率を高めることを特徴とする触媒液の再生方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は第8族金属触媒および腐食性金属生成物を含む触媒液の再生方法に関する。特に、第8族金属触媒を用いて、アルコールおよび/またはその反応性誘導体のカルボニル化によりカルボン酸を製造する方法における改良に関する。詳しくはカルボニル化に使用される第8族金属含有触媒液を再生するための改良法に関する。
ロジウム等の第8族金属触媒とアルカリ金属塩および/またはハロゲン成分を混合して形成される触媒液によって、アルコール及び/又はその反応性誘導体をカルボニル化する方法は既に知られており(例えば特許文献1参照)、前記カルボン酸の製造方法は商業的に最も有効な方法である。このロジウム含有触媒液は、反応器流出液より分離され反応器へとリサイクルされる。しかしながら、長時間の連続運転において、反応液中には装置材質の腐食により鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガンなどの腐食金属が装置より溶解、蓄積し、それらが副反応を促進させ、メタン、水素、二酸化炭素のような副生ガスが発生することが知られている(例えば特許文献2参照)。このような腐食性金属生成物の存在による副生ガスの発生促進は、原料となる一酸化炭素やアルコール及び/又はその反応性誘導体の使用率を悪化させるばかりでなく、反応中の全圧を高め、反応器に必要以上の耐圧をもたせる必要性が生じたり、あるいは生産性を犠牲にしてガス分圧を下げるなどの対策が必要になる。さらに、腐食性金属生成物は、イオン性のヨウ素と反応するため、ロジウムとイオン性ヨウ素との反応性を低下させ、触媒系を不安定にすると言われている。それ故、ロジウム含有触媒液を再生し、再利用するプロセスが求められている。ロジウム含有触媒液を再生する方法として、ロジウム含有触媒液をイオン交換体と接触させる方法は既に知られているが(例えば特許文献3,特許文献4参照)、一部の腐食性金属生成物、例えばクロムやモリブデンなどは除去率が高くなく、除去率を上げるためにイオン交換処理での温度を高くしており、イオン交換体の寿命が短くなる、熱処理のコストがかかっているなどの理由で、改良の余地が残っている。また、特許文献5には、腐食性金属生成物の除去を最適化するために、触媒溶液とイオン交換樹脂を接触する際に水を添加して触媒溶液中の水分濃度を高く(約50wt%)して処理する方法が開示されているが、除去効率はまだ十分なものではない。
特公昭47−3334号公報 特公平8−011199号公報 特公昭59−18099号公報 特願平9−516650号公報 特表平2000−511100号公報
本発明は、第8族金属触媒および腐食性金属生成物を含む触媒液から腐食性金属生成物含量の減少した触媒液を回収することを課題とする。特に、アルコールおよび/またはその反応性誘導体のカルボニル化によりカルボン酸を製造する際に使用する第8族金属含有触媒液中に含まれる腐食性金属生成物を除去することで、第8族金属含有触媒液の高い生産性を再生することを課題とする。詳しくは、イオン交換体を使用した第8族金属含有触媒液の再生方法を改良することを課題とする。
本発明者らは、第8族金属触媒および腐食性金属生成物を含む触媒液から腐食性金属生成物含量の減少した触媒液を回収する方法について鋭意研究を行なった結果、本発明を完成したものである。即ち、第8族金属触媒および腐食性金属生成物を含む触媒液を強酸で処理した後、陽イオン交換体と接触して、腐食性金属生成物含量の減少した触媒液を回収することを特徴とする触媒液の再生方法を提供するものである。特に、アルコールおよび/またはその反応性誘導体のカルボニル化によりカルボン酸を製造する際に使用する第8族金属含有触媒液及び、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガンおよびそれらの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属を含んでいるカルボニル化反応触媒液を強酸で処理した後、陽イオン交換体と接触させることで、腐食性金属生成物の除去率を高めることを特徴とする触媒液の再生方法を提供するものである。
本発明によれば、腐食性金属生成物を含む第8族金属含有触媒液を、ヨウ化水素酸,塩酸,硫酸,硝酸のような強酸で処理した後、陽イオン交換体に接触させることで腐食性金属生成物含量の減少した触媒液を回収することができる。特に、強酸処理を行わずにリチウム型のイオン交換樹脂と接触させた場合と比較して、クロム,モリブデンといった一部の腐食性金属生成物の除去率をイオン交換処理の温度を常温にしたままで高めることができる。また、触媒液の主成分である第8族金属は強酸処理を行っても除去されず、選択的にかつ効率的に腐食性金属生成物を除去することができる。
本発明の方法は、第8族金属触媒及び腐食性金属生成物、即ち、例えば鉄、ニッケル、クロムおよびモリブデン、タングステン、マンガンなどの装置材質の腐食により溶出、蓄積した金属及び金属生成物を含む触媒溶液の再生に使用できる。本発明の再生法が特に好ましく使用できる触媒溶液は、アルコールおよび/またはその反応性誘導体と一酸化炭素を反応させるカルボニル化によるカルボン酸の製造における触媒溶液である。
次に前記アルコールおよび/またはその反応性誘導体のカルボニル化によるカルボン酸の製造方法、及び触媒溶液について説明する。アルコールおよび/またはその反応性誘導体のカルボン酸へのカルボニル化反応に使用される触媒は第8族金属成分とハロゲン化助触媒が好適に用いられる。第8族金属成分としてはロジウム、イリジウム、パラジウム、ルテニウム等が挙げられるが、好ましくはロジウム、イリジウム、中でもロジウムが好ましく用いられる。一般にロジウム成分はロジウムの配位化合物の形で存在し、例えば、[Rh(CO)2Cl]2、Li[Rh(CO)2I2]、[Rh(CO)2I]2、[Rh(COD)Cl]2(CODとは、シクロオクタジエンを意味する。)等や、また、RhCl3、RhCl3・3H2O、RhBr3、RhI3、酢酸ロジウム(II)、ジカルボニルアセチルアセトナトロジウム、RhCl(CO)(PPh3)2などの形で用いられる。ロジウム成分を用いた場合、反応液中のロジウム化合物の濃度はロジウム濃度で、50〜5000ppm、好ましくは100〜1500ppm、さらに好ましくは400〜800ppmの範囲で用いられる。
ハロゲン助触媒としては有機ハロゲン化物、すなわちアルキル、アリール、置換アルキルまたはアリールハロゲン化物が使用できる。ハロゲン化助触媒は供給アルコールのアルキル基に対応するアルキルハロゲン化物が好ましく、例えばメタノールの酢酸へのカルボニル化反応のハロゲン化助触媒はメチルハロゲン化物、中でもヨウ化メチル、臭化メチル、塩化メチルが好ましいが、特にヨウ化メチルが好ましく用いられる。反応液中のアルキルハロゲン化物の濃度は、1〜20wt%、好ましくは2〜16wt%、より好ましくは5〜16wt%である。
触媒の安定化と副反応抑制等を目的として、特に低水分下(例えば、反応液中約0.1〜約5wt%)においてヨウ化物塩が好ましく用いられる。ヨウ化物塩は反応液中でヨウ素イオンを発生するものであればいかなるものであってもよく、例を挙げるならば、LiI、NaI、KI、RbI、CsIのようなアルカリ金属ヨウ化物塩、BeI2、MgI2、CaI2等のアルカリ土類金属ヨウ化物塩、BI3、AlI3等のアルミニウム金属ヨウ化物塩等がある。また金属ヨウ化物塩以外に有機ヨウ化物塩でもよく、例えば四級ホスホニウムヨウ化物塩(トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのヨウ化メチル付加物又はヨウ化水素付加物等)、四級アンモニウムヨウ化物塩(三級アミン、ピリジン類、イミダゾール類、イミド類などのヨウ化メチル付加物又はヨウ化水素付加物等)等が挙げられる。特にLiIなどのアルカリ金属ヨウ化物塩が好ましい。ヨウ化物塩の使用量は、反応液中いずれもヨウ化物イオンとして0.01〜35wt%であり、好ましくは0.05〜20wt%となるような量がよい。
カルボニル化反応に用いられる適当なアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノールなどのC1-10アルキルアルコール、シクロヘキサノール、シクロオクタノールなどのC3-10シクロアルキルアルコール、フェノールなどのフェノール類、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどのアラルキルアルコールなどが挙げられ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどのC1-10アルキルアルコールが好ましく、特にメタノールが好ましい。
アルコールの反応性誘導体としては、酢酸メチル、酢酸エチルなどのC2-6アルキルカルボン酸−C1-6アルキルエステルなどのエステル類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのC1-6アルキルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。
反応液中の水分濃度は15wt%以下、好ましくは10wt%以下、さらに好ましくは0.1〜5wt%であり、残りの主成分は、生成物であり反応溶媒でもあるカルボン酸である。尚、用いる原料や水分濃度によって、カルボン酸(例えば酢酸)と無水カルボン酸(例えば無水酢酸)の併産が可能となる。カルボニル化反応の典型的な温度は約150〜250℃、好ましくは約180〜220℃の範囲である。反応器中の一酸化炭素分圧は広範囲に変動し得るが、典型的には約2〜30気圧、好ましくは4〜15気圧である。また、水素分圧も広範囲に変動し得るが、2気圧以下、好ましくは1気圧以下に制御することが好適である。全反応器圧は、副生物と分圧と含まれる液体の蒸気圧のために約15〜40気圧の範囲内が好ましい。また、反応は連続反応でもバッチ反応でもよいが、好ましくは連続反応で実施される。上記反応条件下で得られた液体生成物は反応器から取り出され、フラッシャーに導入され、例えば、メタノールのカルボニル化による酢酸の製造の場合、主に、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル及び水からなる揮発性成分と主に触媒、ヨウ化物塩、そして少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、水からなる非揮発性成分とに分離され、揮発性成分はフラッシャー頂部から取り出され、ヨウ化メチル−酢酸スプリッタ−カラムを含むさらなる精製工程に送られる。非揮発性成分はフラッシャー底部から取り出され、反応器に戻される。
本発明の処理を受ける触媒溶液は、前記工程中、第8族金属触媒および腐食性金属生成物を含む液であればどの液でも適用され得るが、好適には、前記フラッシャー底部から取り出され、反応器に戻される非揮発性成分に適用される。
本発明において、第8族金属含有触媒液中に含まれる腐食性金属生成物を処理するための強酸としては酸解離定数の逆数の対数値(pKa)で4よりも小さい酸、例えば塩酸,硫酸,硝酸,過酸化水素水など、また、前記の酸と同等の酸化力を有する酸性ガス、例えば、オゾン、塩素、ヨウ素などが挙げられ、好ましくはヨウ化水素酸である。ヨウ化水素酸を酸性溶液として使用する場合には、ヨウ化水素酸中のヨウ化水素濃度が重量%で40重量%〜60重量%の濃度であり、好ましくは50重量%以上である。強酸処理を行うための温度は0℃〜120℃であるが、好ましくは100℃以上である。もし触媒溶液の沸点以上の温度で強酸処理するために、触媒溶液を液相として保持するための加圧状態下で操作することができるのであれば120℃以上で行うことも可能である。したがって、触媒液を再生するための強酸処理は、カルボニル化を行う反応器内、反応器流出液から触媒液を分離する容器内、もしくは触媒液を各容器へ輸送する配管内などプロセス液の熱を有効に利用できる箇所で実施可能であるし、あるいはもし望まれるのであれば、触媒液を外部へ取り出し、強酸処理およびイオン交換体への接触を実施して再生された触媒液を反応器に仕込むことも可能である。強酸処理のために使用する前記の酸性溶液の量は、触媒液中に含まれる全ての腐食性金属生成物の合計モル数に対して、少なくとも3モル倍量以上、好ましくは10モル倍量以上である。強酸処理に要する時間は、好ましくは1時間以上であるが、添加する酸性溶液の種類や量,反応温度によっては1時間以内であってもよい。
第8族金属触媒液の再生に使用する陽イオン交換体としては特に限定されず、有機質交換体、無機質交換体などが挙げられ、特に有機質交換体が好ましいが、なかでもイオン交換樹脂が好ましい。好適な樹脂は、強酸性または弱酸性の陽イオン交換樹脂である。強酸性陽イオン交換樹脂は例えばスルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーで、フェノール−ホルムアルデヒド縮合ポリマーが多く市販されている。弱酸性陽イオン交換樹脂はアクリル酸またはメタクリル酸またはエステルまたは対応するニトリルのコポリマーが挙げられ、フェノール系樹脂が多く市販されている。本発明では強酸性陽イオン交換樹脂が好ましく用いられる。また、ゲル型またはマクロレティキュラー型の樹脂が適しているが、好ましくはマクロレティキュラー型である。
触媒溶液中にヨウ化物塩が含まれているため、使用されるイオン交換体は、ヨウ化物塩の陽イオン部分に対応する型、例えばアルカリ金属ヨウ化物塩が含まれている場合、アルカリ金属型のイオン交換体を、アルカリ土類金属ヨウ化物塩が含まれている場合はアルカリ土類金属型のイオン交換体を、また、有機物ヨウ化物塩が含まれている場合は対応する有機物型のイオン交換体を用いることで、腐食性金属生成物のみを効率的に除去することができる。本明細書では、イオン交換体としてリチウム型のイオン交換樹脂を例示する。イオン交換処理を行う温度は室温(0℃〜30℃)でよく、従来の技術では高温で処理しなければ除去できなかったクロムも強酸処理後にイオン交換体へ接触、好ましくは透過することによって容易に除去することが可能である。腐食性金属生成物の除去において、イオン交換体を通る触媒溶液の流速は、イオン交換体自体のもつ性能を十分に引き出すことができる流速、すなわちイオン交換体の製造者の推奨する流速であり、通常、1時間あたり約1〜20床体積である。好ましくは、流速が1時間あたり約1〜12床体積である。ロジウム含有触媒液とイオン交換体とを接触させ、イオン交換体が吸尽した後は、有機物塩、好ましくは酢酸リチウムを約1重量%〜約20重量%の範囲の濃度で接触、好ましくは透過させることでイオン交換体を再生することができる。
本発明を以下実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。

以下、実施例1〜5及び比較例1〜5にカルボニル化反応触媒液の腐食金属除去による再生方法を示す。なお、ICP発光分析計の分析条件は以下の通りである。
<ICP分析条件(クロム、モリブデン、ロジウム、)>
ICP条件 ;高周波パワー 1.4kW
クーラントガス流量 20L/min
プラズマガス流量 1.4L/min
キャリアガス流量 1.0L/min
キャリアガス Ar
サンプル調整方法;サンプル希釈溶媒 DMF
サンプル調整 サンプル中の各金属濃度が10ppm以下に なるようにDMFにて希釈
検量線法 各金属の標準液をDMFにて希釈し、10pp m,5ppm,1ppmの3点で検量線を作成 した

<実施例1>
フラッシャー底部から取り出された腐食性金属生成物としてクロム、モリブテン,ロジウムを含む300gのロジウム含有触媒液(水分濃度8%)中に、ヨウ化水素酸(水 44重量%、ヨウ化水素 56重量%)を58.43g添加し(ロジウム含有触媒液中の腐食性金属生成物の合計モル量に対して85モル倍量)、ガラス製の500ml丸底フラスコ内に注入し、オイルバスでフラスコ内の反応温度を100℃に調節して,反応時間3時間の強酸処理を行った。その後、25℃に冷却した反応液50mlを、イオン交換樹脂に透過した。イオン交換樹脂は市販されているアンバーリスト15(スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー)を使用し、ガラス製のカラムに嵩密度0.62g/mlで33ml(充填高さ17cm)充填したものを用いた。イオン交換樹脂は予め、純水で洗浄した後、酢酸リチウム水溶液を透過させてリチウム形に置換した。強酸処理済液のイオン交換樹脂への透過は室温(25℃),常圧で行い、100ml/hrの流速で透過させた。強酸処理直後(イオン交換樹脂透過前)の反応液中のクロム,モリブデン,ロジウムの濃度、およびイオン交換樹脂との接触後の回収液中のクロム,モリブデン,ロジウムの濃度をICP発光分析計にて測定した。イオン交換樹脂透過前の反応液50ml中の金属量と、イオン交換樹脂透過後の回収液中の金属量について結果を以下に示す。
Figure 2005334762
<比較例1>
実施例1で使用したロジウム含有触媒液(水分濃度8%)について強酸処理を行わずに、実施例1と同じ条件にてイオン交換樹脂に透過を行い、透過前後の金属濃度をICP分析で定量した。その結果、クロム,モリブデン,ロジウムの除去率はいずれも1%未満であった。
<比較例2>
実施例1で使用したロジウム含有触媒液に純水を加えて水分濃度を50%に調整した触媒液について強酸処理を行わずに、実施例1と同じ条件にてイオン交換樹脂に透過を行い、透過前後の金属濃度をICP分析で定量した。その結果、クロムの除去率は最大で15%,モリブデンの除去率は最大で20%であったが、ロジウムの除去率も最大で17%であった。

Claims (9)

  1. 第8族金属触媒および腐食性金属生成物を含む触媒液を強酸で処理した後、陽イオン交換体と接触して、腐食性金属生成物含量の減少した触媒液を回収することを特徴とする触媒液の再生方法。
  2. 強酸が、酸解離定数の逆数の対数値(pKa)で4よりも小さい酸である請求項1記載の方法。
  3. 強酸処理が約0℃〜120℃の温度で行われる請求項1記載の方法。
  4. 陽イオン交換体が強酸性陽イオン交換樹脂である請求項1記載の方法。
  5. 反応触媒液にアルカリ金属塩および/またはハロゲン成分を含む請求項1記載の方法。
  6. 腐食性金属生成物が、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガンおよびそれらの混合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属を含んでいる請求項1記載の方法。
  7. 強酸が、ヨウ化水素酸である請求項1〜6何れかの項に記載の方法。
  8. ヨウ化水素酸中のヨウ化水素濃度が重量比で40 〜 60%である請求項7記載の方法。
  9. 強酸処理が、反応触媒液中の全ての金属性腐食生成物の含有モル量に対し、ヨウ化水素酸を少なくとも3モル倍量以上加えて行われる請求項1〜8何れかの項に記載の方法。
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