本発明を実施するための最良の一形態について説明する。
なお、以下の説明において、商品名または特定の画像データフォーマット等をあらわす単語、熟語、または、略語が含まれる場合、それらの単語、熟語、または、略語は、それぞれのメーカまたは団体もしくは個人等の登録商標または商標等である場合がある。これらの登録商標または商標等は、本発明が適用される技術分野において一般的または慣用的に使用されているものであって、以下の記載において当該注釈が省略される場合がある。また、表記の都合上、本来は半角英数記号で表記すべき内容を、全角英数記号で表記している部分もある。
本実施の形態は、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能及び入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆるデジタルカラー複合機に本発明を適用した例を示す。
図1は、本実施の形態のデジタルカラー複合機1を含むシステム構成図である。
図1に示すように、本実施の形態においては、情報処理システムとなるデジタルカラー複合機1に通信ネットワークであるローカルエリアネットワーク(Local Area Network)2を介し、各種の情報処理を実行するサーバコンピュータ3や複数台のクライアントコンピュータ4が接続されたシステムを想定する。サーバコンピュータ3は、例えばFTP,HTTPプロトコルをサポートしたり、WebサーバやDNS(Domain Name Service)サーバの機能を実現するものである。
すなわち、このシステムにおいては、デジタルカラー複合機1が備えている画像入力機能(スキャナ機能)、画像出力機能(プリント機能)及び画像蓄積機能等の画像処理機能を、ローカルエリアネットワーク2上でシェアし得る環境が構築されているものである。
このようなシステムは、通信制御ユニット5を介してインターネット網6に接続され、インターネット網6を介して外部環境とデータ通信可能に構築されている。また、インターネット網6には、周知のDNS(Domain Name Service)機能を提供するためのドメインネームサーバ装置6Aが設置されており、インターネット網6に接続する各端末(接続業者施設を介して接続されるデータ端末装置、あるいは、携帯電話等の移動体通信端末を含む)は、このドメインネームサーバ装置6Aに問い合わせて、ドメインネームに対応したIPアドレスを取得することができる。
通信制御ユニット5としては、ルータ、交換機、モデム、DSLモデム等が一般的であるが、最低限TCP/IP通信が可能であればよい。また、ローカルエリアネットワーク2は有線通信に限るものではなく、無線通信(赤外線や電波等)であってもよい。また、光ファイバーを用いたものであってもよい。
ここで、デジタルカラー複写機1は、電子メールを配信するためのSMTPサーバ機能を備えており、自端末より電子メールを送信することができるとともに、内部的に登録されたアカウント(後述)に対して外部より送信された電子メールを受信することができる。また、デジタルカラー複写機1は、ファイルをやりとりするためのWebサーバ機能や、FTPサーバ機能も備えている。
これらのSMTPサーバ機能、Webサーバ機能、および、FTPサーバ機能は、通信制御ユニット5を介して、インターネット網6に接続されている他の端末装置との間で通信することができる。
例えば、通信制御ユニット5がADSL回線に接続されるADSLモデム機能とルータ機能を備えている場合、ADSL回線業者の接続施設を介してインターネット網6へ接続される。
そして、外部のSMTPサーバ(図示略)からローカルエリアネットワーク2に接続されているデジタルカラー複合機1に向けて送信される電子メールのデータは、通信制御ユニット5に到達した後に、通信制御ユニット5の(IP)ポート転送機能により、デジタルカラー複写機1のSMTPサーバ機能へと転送され、デジタルカラー複写機1のSMTPサーバ機能で受信される。
次に、デジタルカラー複合機1について説明する。
ここで、図2はデジタルカラー複合機1を概略的に示す外観斜視図、図3はデジタルカラー複合機1の各部の電気的接続を示すブロック図である。
図2に示すように、デジタルカラー複合機1は、転写紙などの媒体に画像を形成する印刷装置7の上部に、原稿から画像を読み取る画像読み取り装置8を配設した構成とされている。
また、画像読み取り装置8の装置外面には、オペレータに対する表示とオペレータからの機能設定等の各種の入力を許容する操作パネルPが設けられている。
さらに、操作パネルPの下部には、光ディスク、フレキシブルディスクなどの記憶媒体M(図3参照)に記憶されているプログラムコードや画像データ等を読み取る、又は、記憶媒体Mに対してプログラムコードや画像データ等を書き込む装置である外部メディア入出力装置9が、記憶媒体Mの挿入を許容する挿入口を外部に露出させて設けられている。
このようなデジタルカラー複合機1のストラクチャとしては、図3に示すように、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとに大別されており、印刷装置7及び画像読み取り装置8は画像処理ユニット部Aに属し、操作パネルP及び外部メディア入出力装置9は、各種情報処理を行うコンピュータとなる情報処理ユニット部Bに属している。
まず、画像処理ユニット部Aについて説明する。
印刷装置7及び画像読み取り装置8を備える画像処理ユニット部Aは、画像処理ユニット部Aにおける画像処理全般の制御を行う画像処理制御ユニット10を備えており、この画像処理制御ユニット10には、印刷装置7を制御する印刷制御ユニット11と、画像読み取り装置8を制御する画像読み取り制御ユニット12とが接続されている。
印刷制御ユニット11は、画像処理制御ユニット10の制御に従って印刷装置7に対して画像データを含む印刷指示を出力し、印刷装置7に転写紙などの媒体に画像を形成して出力させる。印刷装置7はフルカラー印刷可能とされており、その印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、さまざまな方式を用いることができる。
画像読み取り制御ユニット12は、画像処理制御ユニット10の制御により画像読み取り装置8を駆動し、原稿の表面に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device))に集光して読み取り、A/D変換してRGB各8ビットのデジタル画像データを生成する。
このような画像処理制御ユニット10は、メインプロセッサであるCPU(Central Processing Unit;中央処理装置)13と、画像読み取り装置8から読み込んだ画像データを印刷装置7による作像に供すべく一旦格納しておくSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)14と、制御プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)15と、システムログ/システム設定/ログ情報等を記録しておく電源OFF時にもデータの保持が可能なNVRAM16と、をバス接続したマイクロコンピュータ構成とされている。
また、画像処理制御ユニット10には、多量の画像データの蓄積やジョブ履歴等の記憶装置となるHDD(磁気ディスク装置)17、装置内部に設けられた内部ローカルエリアネットワークの集線装置であるHUB19を介して画像処理ユニット部Aをローカルエリアネットワーク2に接続するためのローカルエリアネットワーク制御部18、FAX制御を行うFAX制御ユニット20が接続されている。
このFAX制御ユニット20は、公衆電話網21に通じる構内交換器(PBX)22に接続されており、デジタルカラー複合機1は、公衆電話網21を介して、遠隔のファクシミリ装置と交信することができる。
加えて、画像処理制御ユニット10には、表示制御ユニット23及び操作入力制御ユニット24が接続されている。表示制御ユニット23は、画像処理制御ユニット10のコントロールによって制御パネルインターフェース25に接続された通信ケーブル26を介して情報処理ユニット部Bに対して画像表示制御信号を出力し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPに対して画像表示の制御を行う。
また、操作入力制御ユニット24は、情報処理ユニット部Bの操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、画像処理制御ユニット10のコントロールによって制御パネルインターフェース25に接続された通信ケーブル26を介して入力する。
すなわち、画像処理ユニット部Aは、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを通信ケーブル26を介して直接モニタすることができる構成になっている。
したがって、画像処理ユニット部Aは、従来の画像処理装置が備える画像処理ユニットに対して通信ケーブル26を接続し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを利用するようにしたものである。
すなわち、画像処理ユニット部Aの表示制御ユニット23及び操作入力制御ユニット24は、操作パネルPに接続されているものとして動作している。
このような構成により、画像処理ユニット部Aは、外部(サーバコンピュータ3、クライアントコンピュータ4、ファクシミリ装置等)からの画像情報である印刷データ及びプリント指示するコマンドを解析し、印刷データを出力画像データとして印刷できる状態にビットマップ展開し、印刷モードをコマンドから解析し動作を決定している。その印刷データ及びコマンドをローカルエリアネットワーク制御部18あるいはFAX制御ユニット20を通じて受信し動作する。
また、画像処理ユニット部Aは、SDRAM14やHDD17に記憶されている印刷データ、原稿読み取りりデータ、これらを出力用に処理した出力画像データ、及び、それらを圧縮した圧縮データを外部装置(サーバコンピュータ3、クライアントコンピュータ4、ファクシミリ等)に転送することができる。
さらに、画像処理ユニット部Aは、画像読み取り装置8の読み取りり画像データを画像処理制御ユニット10に転送し、光学系及びデジタル信号への量子化に伴う信号劣化を補正し、該画像データをSDRAM14に書込む。このようにしてSDRAM14に格納された画像データは、印刷制御ユニット11で出力画像データに変換されて、印刷装置7に出力される。
次に、操作パネルPを備える情報処理ユニット部Bについて説明する。
情報処理ユニット部Bは、一般にパーソナルコンピュータといわれるような情報処理装置に用いられる汎用のOS(Operating System)によって制御されるマイクロコンピュータ構成とされている。情報処理ユニット部Bは、メインプロセッサであるCPU31を有しており、このCPU31には、CPU31の作業用領域となるRAMや起動プログラムなどを記憶した読出し専用メモリであるROMで構成されるメモリユニット32と、OSやアプリケーションプログラムを記憶するHDD等の記憶装置34に対するデータの入出力を制御する記憶装置制御ユニット35とが、バス接続されている。
また、CPU31には、情報処理ユニット部Bを、HUB19を介してローカルエリアネットワーク2に接続するための通信インターフェースであるローカルエリアネットワーク制御部33が接続されている。このローカルエリアネットワーク制御部33に割り当てられるネットワークアドレスであるIPアドレスは、前述した画像処理ユニット部Aのローカルエリアネットワーク制御部18に割り当てられるIPアドレスとは異なるものである。
すなわち、本実施の形態のデジタルカラー複合機1には、2つのIPアドレスが割り当てられていることになる。
つまり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとはそれぞれローカルエリアネットワーク2に接続されていることになり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとの間においてはデータ交換が可能な構成になっている。
なお、デジタルカラー複合機1はHUB19を介してローカルエリアネットワーク2に接続されていることから、見かけ上は、1つのIPアドレスのみが割り当てられているように見える。したがって、美観を損ねることはなく、結線等の取り扱いを容易にすることが可能になっている。
さらに、CPU31には、操作パネルPを制御する表示制御ユニット36及び操作入力制御ユニット37が接続されている。ここで、図4は操作パネルPの構成を示す平面図である。
図4に示すように、操作パネルPは、例えばLCD(液晶表示装置)である表示装置40と、操作入力装置41とで構成されている。操作入力装置41は、表示装置40の表面に積層された超音波弾性波方式等のタッチパネル41aと、複数のキーを有するキーボード41bとで構成されている。
キーボード41bには、画像読み取りの開始を宣言するためのスタートキー、数値入力を行うためのテンキー、読み取った画像データの送信先を設定する読み取り条件設定キー、クリアキー等が設けられている。
すなわち、表示制御ユニット36は、画像表示制御信号を制御パネルインターフェース38を介して表示装置40に出力し、画像表示制御信号に応じた所定事項を表示装置40に表示させる。一方、操作入力制御ユニット37は、操作入力装置41におけるオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、制御パネルインターフェース38を介して受信する。
加えて、CPU31には、画像処理ユニット部Aの制御パネルインターフェース25と通信ケーブル26を介して接続されている制御パネル通信ユニット39が接続されている。
制御パネル通信ユニット39は、画像処理ユニット部Aから出力された画像表示制御信号を受信し、また、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を画像処理ユニット部Aに転送する。
なお、詳細は後述するが、制御パネル通信ユニット39で受信した画像処理ユニット部Aからの画像表示制御信号は操作パネルPの表示装置40用にデータ変換処理されてから表示制御ユニット36に出力され、また、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号は画像処理ユニット部Aでの仕様に応じた形式にデータ変換処理されてから制御パネル通信ユニット39に入力される。
上述したように記憶装置34には、CPU31が実行するOSやアプリケーションプログラムが格納されている。この意味で、記憶装置34は、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体として機能する。
このデジタルカラー複合機1では、ユーザが電源を投入するとCPU31がメモリユニット32内の起動プログラムを起動させ、記憶装置34よりOSをメモリユニット32内のRAMに読み込み、このOSを起動させる。このようなOSは、ユーザの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。OSのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標(以下同様))系等が知られている。また、これらのOS上で走る動作プログラムは、アプリケーションプログラムと呼ばれる。情報処理ユニット部BのOSは、情報処理装置(サーバコンピュータ3やクライアントコンピュータ4等)と同種のOS、すなわち汎用のOS(例えば、Windows等)とされている。
なお、前述したように、本実施の形態のデジタルカラー複合機1には、OS、デバイスドライバや各種アプリケーションプログラム等の各種のプログラムコード(制御プログラム)や画像データ等を記憶した記憶媒体M、すなわち、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVDRAM,DVD−R,DVD+R,DVD−RW,DVD+RWなど)、光磁気ディスク
(MO)、半導体メディアなどの記憶媒体Mに記憶されているプログラムコードや画像データ等を読み取る、又は記憶媒体Mに対してプログラムコードや画像データ等を書き込む装置であるフレキシブルディスクドライブ装置、光ディスクドライブ装置、MOドライブ装置、メディアドライブ装置等の外部メディア入出力装置9が搭載されている。このような外部メディア入出力装置9は、CPU31にバス接続されている入出力デバイス制御ユニット42により制御される。
したがって、記憶装置34に記憶されているアプリケーションプログラムは、この記憶媒体Mに記録されたアプリケーションプログラムがインストールされたものであってもよい。
このため、記憶媒体Mも、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えばインターネット網6及びローカルエリアネットワーク2を介して外部から取り込まれ、記憶装置34にインストールされてもよい。
なお、入出力デバイス制御ユニット42には、USB,IEEE1394,SCSI等の各種インターフェース43も接続されており、各種インターフェース43を介して様々な機器(デジタルカメラ等)が接続可能とされている。
次に、デジタルカラー複合機1で実行する特徴的な処理について説明する。
デジタルカラー複合機1では、互いに異なる処理を行なう複数の装置、この例では画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bがそれぞれ独立して処理を行えるようになっているので、画像処理ユニット部Aで画像読み取りの処理が行われているときに、情報処理ユニット部Bでは電子メールの受信を行なうといった動作が可能である。そして、このような例では、お互いの処理の結果が相互に影響しないので、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとが独立に動作していても問題はない。
このデジタルカラー複合機1では、これとは別に、情報処理ユニット部Bで動作するプログラムにより画像処理ユニット部Aの各機能を利用し、その結果を処理の対象とすることができる。
たとえば、画像処理ユニット部Aの画像読み取り装置8により読み取った画像文書イメージデータを所定の文字認識ソフトで処理をしてテキスト文書を獲得するという処理を行う場合がある。このような処理を行うために、従来の複合機では、(ア)文字認識ソフトが搭載されている外部のコンピュータ(PCなど)へ処理対象となるデータを送信して当該コンピュータで処理を行うか、または、(イ)画像処理ユニット部Aにおいて、画像処理制御ユニット10で動作する文字認識ソフトを用意しておく必要がある。
この場合の問題点として、(ア)の場合だと、常に外部のコンピュータを用意しておかなければ必要なときに処理ができないということが挙げられる。また、(イ)の場合のように、画像処理制御ユニット10で動作するソフトを用意する場合は、(ウ)画像処理に特化したシステム内で、汎用的なアプリケーションソフトを動作させることは複合機本来の処理能力の低下を招く、(エ)画像処理に特化したシステムでは、ワープロや音声認識といった市販のソフトのほとんどが、オペレーティングシステムの関係で動作しないので、そのため専用にソフト開発が必要になる、といった点が問題となる。
そのような不具合に対して、本デジタルカラー複合機1は、情報処理ユニット部Bでいわゆる市販の汎用のオペレーティングシステム58(図5を参照。たとえば、Windows(登録商標)など)を動作させており、画像処理ユニット部Aの動作に影響されず、上記(ア)(イ)の問題が生じない。ただし、常に両者が互いに独立して動作するのであれば、情報処理ユニット部Bのプログラムにより画像処理ユニット部Aの各機能を利用し、その結果を処理の対象とするという目的は達成できない。そこで、本デジタルカラー複合機1は、図5に示すような処理モジュールの組み合わせによるプログラムを動作させることで、画像処理ユニット部Aの各機能を利用できるようにしている。
ここで、図5の処理モジュールについて説明する。
図5において、画像処理制御システム51のモジュールは複合機本来の機能をデジタルカラー複合機1で実行するための制御を行うプログラムから構成される。デジタルカラー複合機1は、情報処理ユニット部Bからのみネットワーク(ローカルエリアネットワーク2)を介してアクセス可能なネット対応機能モジュール52とのインターフェースを設けている。
ネット対応機能モジュール52は、たとえばスキャン機能、FAX受信機能などのように通常の複合機が標準で備えている機能(画像処理制御システム51で実行)をネットワーク(ローカルエリアネットワーク2)を介して使用可能にするものであり、画像処理ユニット部Aからも利用することはできない。
ネット対応機能モジュール52はネットワークからのアクセスを常時監視しているTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)53が、対応するポート番号の接続要求を検知したときに対応する機能の処理モジュールが起動するようになっている。
例えば、ポート番号1002の接続要求があったときは、FAX受信機能のモジュールが起動する。起動されたモジュールは、接続要求元の処理要求に協働して動作し、必要な応答を返す。
次に、情報処理ユニット部Bのプログラムの特徴について説明をする。例として、キーワード作成アプリケーション54について説明する。
キーワード作成アプリケーション54は、読み込まれた画像データに対して文字認識処理を行い、文字認識結果からキーワードを作成する。情報処理ユニット部Bの全体は、オペレーティングシステム58の管理下で各アプリケーションが動作している。
また、各アプリケーションはオペレーティングシステム58が提供する機能を利用することができる。つまりアプリケーションを実行するプログラムの中で、ソフトウェアの部品であるモジュールとして呼び出して必要な処理を行わせる形式で利用する。例として、TCP/IP制御モジュール59などがある。これはTCP/IP53で接続されている他の端末装置などと通信を行うためにオペレーティングシステム58が標準で有している機能を実行する。
また、他のアプリケーションに利用されるために組み込まれた独立したソフトウェアも利用可能である。たとえば、OCRエンジン57は、画像データから文字認識処理のみ行う。単独では動作しないで、他のソフトウェアの部品(モジュール)として利用される。
このように、情報処理ユニット部B全体ではオペレーティングシステム58の管理下で各アプリケーションが動作することができるので、これらの機能を単独または複数個組み合わせたアプリケーションを開発することができる。
ところが、既存の技術では画像処理ユニット部Aなどの機能をこのような手段で直接利用することはできない。
すなわち、上述したように、デジタルカラー複合機1では、複合機本来の機能を実現するための画像処理ユニット部Aとアプリケーションソフトを実行するための情報処理ユニット部Bを設け、デジタルカラー複合機1の内部でネットワークプロトコル(TCP/IP(符号53))によりネットワーク(ローカルエリアネットワーク2)を介して接続している。
しかしながら、これは物理的な接続が可能になっているだけであり、したがって、画像処理ユニットAと情報処理ユニットBとの間でデータを相互に通信することはできるが、既存の技術を利用しただけでは、情報処理ユニット部Bで動作するアプリケーションソフト内部から画像処理ユニット部Aの機能を利用可能にすることができない。
そこで、情報処理ユニット部Bで動作するアプリケーションソフト内部から画像処理ユニット部Aの機能を利用可能にする手段について説明する。
例えば、キーワード作成アプリケーション54において、文字認識の対象となる画像データは画像処理ユニット部Aで管理されている画像読み取り装置8から読み込まれた画像データである。
ここで、画像読み取り装置8に対して画像読み取りの動作を指示するためには、ポート番号1001番を指定してTCP/IPコネクション要求を画像処理ユニット部Aに対して行う必要がある。また、このときに、処理の内容を示したデータもデータストリームとして同時に送る。ポート番号1001番で指定された機能は、画像読み取り装置8が画像読み取りを行い、その読み取った画像データに任意のファイル名を付けて情報処理ユニット部B側へ転送するというものである。このような処理の内容は予め取り決めておき、それらの機能を個別に利用するためにポート番号を割り当てておく。
このようにしてキーワード作成アプリケーション54から画像処理ユニット部Aの機能を利用することが可能になる。
なお、通信プロトコルに関してはTCP/IPに限定するものではなく、他の方式で行ってもよい。
さて、デジタルカラー複合機1は、基本的には、スキャナ機能、メディアブラウザ機能、文書ブラウザ機能、ページブラウザ機能、画像処理機能、フォーム合成機能、送信/蓄積機能、印刷機能、OCR(Optical Character Recognition;光学的文字認識)機能、検索機能、ファクス(ファクシミリ)機能、メールサーバ機能、Webサーバ機能、定期実行機能、システム監視機能、セキュリティ機能、履歴/状態表示機能、個人設定機能、および、管理者用設定機能等を備えている。
ここで、スキャナ機能では、紙原稿を画像ファイルの形で読み取り、メールやファクス、ファイル送信(Windows共有フォルダー・FTP・Webフォルダー・外部サーバーなど)として送信を行う。また内部へ蓄積することもできる。
また、メディアブラウザ機能では、記憶媒体Mに保存されているファイルを閲覧することができる。また、個人設定でネットワーク上の共有/FTP/Webフォルダーなどを共有(仮想)メディアとして設定することにより、メディアと同様の操作により閲覧することもできる。
また、文書ブラウザ機能では、蓄積されている、一般文書蓄積(一時蓄積)、受信メール(受信メールに添付された画像の蓄積)、受信ファクス(ファクス画像の蓄積)などのファイルのまとまり(文書)を操作/閲覧することができる。また、文書管理の機能があり、文書名の変更、文書の削除などが行える。また、蓄積されている文書は、画像内OCR文字の検索、Webからのダウンロードなども可能とする。
また、ページブラウザ機能では、蓄積の文書内または送信・印刷の(読取・選択)画像確認内などに存在し本体内の画像を表示することができる。画像ファイル送信/蓄積、印刷するための選択機能や、ファイルの各種情報の閲覧や編集なども行える。
また、画像処理機能では、送信/蓄積・印刷前に画像操作を可能とする自動画像処理機能がある。画像の画質補正や回転、減色、切り抜き、白紙除去などを実施することを可能とする。
また、フォーム合成機能では、テキストや画像を貼り付ける背景付き位置情報(フォーム)を選択し、送信/蓄積・印刷前に合成し新たな画像を作成することができる。フォーム作成ツールと連携することで様々なレイアウトの送信画像・印刷物を作成可能とする。
また、送信/蓄積機能では、紙原稿(スキャン)・メディアブラウザ・文書ブラウザ(ページブラウザ)で選択された画像やファイルを、指定した相手先へメール送信やファクス送信・ネットワーク上の共有/FTP/Webフォルダー、外部サーバーへ送信することができる。また、蓄積を行うことにより、画像をOCRし文字列検索することや、Webからダウンロードすることが可能となる。
また、印刷機能では、メディアブラウザ、文書ブラウザ(ページブラウザ)で選択された画像やファイルを、様々なレイアウト(フォーム)を指定し印刷することができる。
また、OCR機能では、紙原稿(スキャン)した画像や受信したファクス画像などを、文字認識(OCR)によりテキストを抽出することができる。テキストを埋め込んだPDFファイル(画像PDF+OCR)を作成して送信/蓄積する機能と、蓄積時のOCRテキスト検索機能、OCRした文字列を宛先/文書名/件名/本文に利用するOCR宛先/文書名/件名/本文機能がある。OCR宛先は、指定領域のOCR文字列が登録宛先と一致するものを宛先とする。OCR文書名/件名/本文は、指定領域のOCR文字列を文書名/件名/本文とする。
また、検索機能では、蓄積されている、または、ネットワーク上に存在する画像/ファイルを、文書名/ファイル名や蓄積日時/変更日時、OCRテキストなどをキーワードとして、内容が一致したファイルを抽出して表示することができる。OCRテキスト検索の対象は、画像をOCRした文字列を対象とする。
また、ファクシミリ機能では、デジタルカラー複合機1が用意する(最高3つの)ファクスポート(ファクシミリ通信ポート;G3−1、G3−2、G4−1)から受信した受信画情報を画像ファイルにし、蓄積/振分け転送(メール転送/ファイル転送)を行う。受信したファクスは初期設定により発信元、受信ポートにより宛先の振分けが可能である。また、紙原稿、メディア、蓄積からの画像ファイルをファクシミリ送信することや受信したメールに添付されている画像を他のファクシミリ装置に転送することもできる。
また、メールサーバー機能では、メール送信する機能、ゲスト/各個人用のメールアドレスを内部に作成して保持(SMTP設定時)し、受信したメールの添付画像を自動印刷、ファクシミリ転送、あるいは、送信/蓄積ワンタッチ動作をし、動作結果メールを送信者に返信する機能を持つ。
ここで、受信メールアドレスはゲスト/個人毎にデフォルトでいくつかの動作組み合わせが用意されており、設定/変更は個人設定内にて行う。
また、1つの外部メールサーバーのメールアドレス(POP受信設定時)を、メールアドレス表示名で振り分けることにより、SMTP設定時と同様の動作をすることもできる。様々なメール環境に対応するために、メール送信については、SMTP認証、および、「POP befoe SMTP」モードに対応し、また、メール受信については、APOPにも対応する。
また、Webサーバー機能では、ゲスト/個人用にそれぞれURLを用意し、内部に蓄積している画像やファイルを閲覧、検索、ダウンロード、アップロード、送信/蓄積、印刷、動作結果の参照、個人/管理者設定の設定をすることができる。また、通信中におけるセキュリティにも考慮しSSLサーバー認証に対応する。
また、定期実行機能では、保存期間を過ぎた蓄積の消去、POPメールの受信、LDAP更新、履歴自動印刷/消去、自動再起動を行うことができる。
また、システム監視機能では、ディスクフル、装置内部に発生した異常やトレイ・ドアオープン情報、紙詰まりなどを検出し、メッセージを促す画面を表示する(サービスコール(SC画面)を含む)。また、ユーザーの使用を監視/制限する課金装置にも対応することができる。
また、セキュリティ機能では、通りがかりのユーザー(ゲストユーザ)や外部ネットワークからの不正な操作からデータを保護するために、操作部ユーザーに対するセキュリティ(個人認証機能・管理者パスワードなど)およびネットワークに対するセキュリティ(メール送信認証、APOP、WebのSSLサーバー認証、アクセス制限など)を行うことができる。
また、履歴/状態表示機能では、メール、ファクシミリ、ファイルの送受信や印刷などの結果が正常であるか、また、実行/終了した日時の確認及び、ジョブのキャンセル実行や実行時エラーの内容確認を行うことができる。
また、個人設定機能では、個人の利用者の利用環境(メールなど宛先登録、画面/操作カスタマイズ、受信メールアドレス設定など)を他人に見られることなく、個人ごとの環境設定を登録することを可能とする。また、設定可能な人数は、1000人である。
また、管理者用設定機能では、ゲストユーザに対する種々の設定機能、各機能を動作させる上で基本となる機能(ネットワーク設定/時間設定/自動再起動時刻)や管理する機能(ユーザ管理、メール環境設定、受信ファクス設定など)の設定を行うことができる。
このような種々の機能を実現するために、デジタルカラー複合機1の情報処理ユニットBには、図6に示すように、1000人分の個人設定情報を登録可能な個人設定情報領域と、ゲスト設定情報およびシステム設定情報を登録するための管理者用設定情報領域が設けられている。
次に、個人設定情報、ゲスト設定情報、および、システム設定情報の具体例について説明する。ここで、ゲスト設定情報の内容は、個人設定情報と基本的には同じなので、個人設定情報の内容と異なる部分のみ注釈的に説明し、それ以外の説明は省略する。なお、この説明における各情報要素の組み合わせ、および、各情報要素の具体的内容等は、一例であり、記載した内容に限られるものではない。また、各情報要素の内容説明において、括弧書きで示される内容は、当該情報要素が取り得る値の一例とその説明(一部)を示している。
個人設定情報は、例えば、図7(a)に示すように、それぞれの個人を識別するための個人情報、個人ごとにメール宛先などを登録するための登録情報、個人ごとに種々の条件設定情報を登録するためのプリセット情報、このデジタルカラー複合機1を使用する際の初期設定等を保存するための個人システム設定情報、および、セキュリティに関する情報を登録するためのセキュリティ情報からなる。
個人情報は、例えば、同図(c)に示すように、「ふりがな」、「名前」、所属部署等をあらわす「所属」、それぞれの個人を識別するための「ユーザID」、認証等で使用する「パスワード」、および、「送信者メールアドレス」からなる。
ここで、「名前」はデジタルカラー複合機1のシステムでユニークな名前のみ設定可能であり、例えば、個人メニューのタイトルなどに使用され、各ユーザーをあらわす文字列となる。
また、「ユーザID」は操作開始時にゲストメニュー(初期設定状態)から個人メニューへ移行する際や、Webの個人メニュー用URL(例:http://ホスト名/「ユーザーID」)や受信メールアドレス(例:print.「ユーザーID」@ホスト名.ドメイン名)などに使用する。
また、「送信者メールアドレス」は、メール送信時のFromフィールドに設定される文字列であり、デフォルトでは、管理者用設定のメール受信プロトコルの設定と連動して自動的に設定される。
例えば、メール受信プロトコルが POPまたはAPOPに設定されている場合には、「(個人情報の)「名前」[sender.ユーザーID]<POPメールアドレス>」がデフォルトの送信者メールアドレスとして設定される。
また、メール受信プロトコルがSMTPの場合には、「(個人情報の)「名前」sender.ユーザーID@ホスト名.ドメイン名」がデフォルトの送信者メールアドレスとして設定される。
ここで、「sender」は受信メールボックスの[01]エラーメールの受信メールアドレスのデフォルト値である(後述)。よってメール送信後、宛先不明でエラーメールが転送されてきた場合は、受信メールボックス内「エラーメール」に蓄積される。
登録情報は、例えば、図8(a)に示すように、電子メールの送信時の宛先として用いられるメール宛先(100件)、ファクシミリ送信時の宛先として用いられるファクス宛先(100件)、グループ宛先(100件)、ファイル送信時の宛先として用いられるファイル宛先(100件)、例えば、電子メールの送信時のSubjectフィールドにセットされる件名または電子メールの本文情報にセットされる内容である件名/本文(100件)、および、文書名またはユーザ名(100件)からなる。
メール宛先は、例えば、同図(b)に示すように、メール宛先を識別するための「名称」、「メールアドレス」、「所属」、および、「送信オプション指定(する、しない)」からなり、「送信オプション指定」が「する」に設定されている場合には、インターネットファクシミリ送信を行うか否かをあらわす「インターネットファクシミリ送信」、SMTPサーバを指定する際の「SMTPサーバアドレス」、メール送信時に認証を行うか否かをあらわす「メール送信認証(する、しない)」、および、「OCR宛先指定(する、しない)」が含まれる。
また、「メール送信認証」が「する」に設定されている場合には、「認証POPサーバアドレス」、「認証ユーザ名」、および、「認証パスワード」が含まれる。
また、「インターネットファクシミリ送信」が「する」に設定されているメール宛先に添付される全てのファイルは、ネットワークファクシミリ用画像(TIFF−F)に変換して送信される。
また、「OCR宛先指定」が「する」に設定されている場合には、OCR不良、またはヒットしない時は登録メールアドレスに送信する。
なお、このメール宛先は、メールサーバーから(LDAPにより)取得したメールアドレスからの登録を行うことも可能である(公開アドレス帳機能を利用)。
ファクス宛先は、例えば、同図(c)に示すように、ファクス宛先を識別するための「名称」、「ファクス番号」、「所属」、および、「送信オプション指定(する、しない)」からなる。
ここで、「名称(個人宛先)」は個人ファクス宛先内で重複した値を登録することができない。
また、「送信オプション指定」が「する」に設定されている場合には、「送信ポート名」および「OCR宛先指定(する、しない)」が含まれる。「OCR宛先指定」が「する」に設定されている場合には、OCR不良、またはヒットしない時は登録メールアドレスに送信する。
グループ宛先は、例えば、同図(d)に示すように、グループ宛先を識別するための「名称」、および、1つ以上のメール宛先名称が登録される「メール名称」からなる。
ここで、「名称(グループ)」は個人グループ宛先内で重複した値を登録することができない。また、1つのグループ内に同じメール宛先を重複して登録することができない。
ファイル宛先は、例えば、同図(e)に示すように、ファイル宛先を識別するための「名称」、ネットワーク上のWindows共有/FTP/HTTP(外部サーバ)フォルダーへファイル送信するような場合に使用するためのネットワークパスの値が登録される「ネットワークパス」、「ログインユーザ名」、「ログインパスワード」、ファイル宛先のホスト装置に作成するサブフォルダ名を登録するための「サブフォルダ名選択」、および、「通信オプション指定(する、しない)」からなる。
また、「通信オプション指定」が「する」に設定されている場合には、「FTP日本語モード(シフトJIS、EUC)」、「FTPデータ転送モード(PORTモード、PASVモード)」、および、「OCR宛先指定」が含まれる。
ここで、「ネットワークパス」は、図9(a)に示したようなネットワークパスの他に、同図(b)に示したようなローカルパスも含まれる。
なお、「外部サーバープラグイン」とは、各種外部サーバーに対して、file、ftp、http(s)のスキームと同様なイメージで、インターフェイスの差を感じる事無く外部サーバーへのファイル送信、共有メディア指定を可能とする機能である。また、「コンパクトフラッシュ」、「スマートメディア」、「SDメモリーカード」、および、「メモリースティック」は、それぞれの提供各社の登録商標等である。
件名/本文は、例えば、図9(c)に示すように、メール送信時の件名として用いる文字列を登録した「件名」、または、メール送信時の本文の文字列を登録した「本文」からなる。
文書名/ユーザ名は、例えば、同図(d)に示すように、蓄積時の文書名として用いる文字列を登録する「文書名」、「OCR(する、しない)」、および、ユーザー名(ファイル送信時は文書名)で使用する定型文字列を登録する「ユーザ名」からなる。
また、「OCR」が「する」に設定されている場合には、OCR不良時は登録文書名を用いる。
プリセット情報は、例えば、図10(a)に示したように、読み取り条件(12個)、画像処理条件(12個)、送信/蓄積条件ワンタッチ(20個)、印刷条件ワンタッチ(20個)、受信メールボックス(12個)、共有メディアアドレス(12個)、および、ファイル送信リンクアドレス(12個)からなる。
ここで、読み取り条件、画像処理条件、ファイル送信リンクアドレスについては操作画面上に表示されるプリセットボタンへの登録内容であり、送信/蓄積条件および印刷条件については操作画面上に表示されるワンタッチボタンへの登録内容であり、受信メールボックス、共有メディアアドレス、および、ファイル送信リンクアドレスは操作画面上に表示されるボタンアイコンへの登録内容である。
そして、それぞれのプリセットボタン、ワンタッチボタン、および、ボタンアイコンが操作されると、それらのプリセットボタン、ワンタッチボタン、および、ボタンアイコンに登録されている内容が、そのときの操作対象となっている動作等に適用されて、その動作等が実行される。
読み取り条件は、例えば、同図(b)に示すように、この読み取り条件をプリセットボタン上で識別するための「名称」、この読み取り条件をプリセットボタン上で簡略画像表示するためのアイコンを指定するための「アイコン」、この読み取り条件を表示する(表示する場合は、表示態様の指定を含む)か否かを指定するための「表示/非表示」、読み取り原稿の種類を指定するための「原稿種類(白黒文字、白黒写真、グレースケール、フルカラー)」、読み取り画質を指定するための「画質(圧縮優先から画質優先まで9段階から選択)」、読み取り解像度を指定するための「解像度(100dpi,200dpi,300dpi,400dpi,600dpi)」、読み取り濃度を指定するための「読み取り濃度(自動濃度または手動濃度7段階のいずれか)」、読み取り原稿上の読み取り範囲を指定するための「読み取りサイズ(自動サイズ検知、定型サイズ、不定形サイズ)」、読み取りサイズで指定された読み取り範囲の枠領域を消去する旨を指定するための「枠消去(する、しない)」、および、両面読み取りを行うか否かを指定するための「両面読み取り」からなる。
ここで、「読み取りサイズ」の値が、「自動サイズ検知」以外の場合には、次の「定型サイズ」または「不定形」にそれぞれ指定された値がセットされる。
画像処理条件は、例えば、図11(a),(b)に示すように、この画像処理条件をプリセットボタン上で識別するための「名称」、この画像処理条件をプリセットボタン上で簡略画像表示するためのアイコンを指定するための「アイコン」、この画像処理条件を表示する(表示する場合は、表示態様の指定を含む)か否かを指定するための「表示/非表示」、画質補正をするか否かを指定するための「画質補正(する、しない)」、画像の回転を行うか否かを指定するための「回転(する、しない)」、減色処理または白黒化処理を行うか否かを指定するための「減色/白黒化(する、しない)」、画像の切り抜き処理を行うか否かを指定するための「切り抜き(する、しない)」、および、白紙の画像を除去する白紙除去処理を行うか否かを指定するための「白紙除去」からなる。
ここで、「画質補正」が「する」に設定されている場合は、画質補正処理を適用するページ番号を指定するための「ページ番号指定」、および、画質補正の内容を設定するための「自動画質補正(自動、手動)」が含まれる。また、「自動画質補正」が「手動」にセットされている場合には、手動で設定された画質補正項目の「明るさ」、「コントラスト」、「あざやかさ」、および、「色合い」が含まれる。
また、「回転」が「する」に設定されている場合は、回転処理を適用するページ番号を指定するための「ページ番号指定」、および、回転方向を指定するための「回転方向」が含まれる。
また、「減色/白黒化」が「する」に設定されている場合は、減色処理または白黒化処理を適用するページ番号を指定するための「ページ番号指定」、減色後の色数を指定するための「色数」、ドロップアウトカラーを指定するための「ドロップアウトカラー(なし、赤、青、緑、有彩色)」、文字だけについて減色処理または白黒化処理を適用するか否かを指定するための「文字だけを減色」、および、減色後の画像の解像度を変更するか否かを指定するための「文字以外の解像度(そのまま、1/2、1/4)」が含まれる。
また、「切り抜き」が「する」に設定されている場合は、切り抜き処理を適用するページ番号を指定するための「ページ番号指定」、切り抜き処理する画像領域を指定するための「切り抜き領域(既存のフォームデータ、読み取り画像または選択画像を領域指定して保存したフォームデータから選択)」、元の画像をどうするかを指定するための「元の画像を(元の画像を残す/残さない、元画像の前に追加、元画像の後に追加)」、および、元の画像を残す場合に元の画像の解像度をどうするか指定するための「元画像の解像度(そのまま、1/2、1/4)」からなる。
また、「白紙除去」が「する」に設定されている場合は、白紙除去処理を適用するページ番号を指定するための「ページ番号指定」が含まれる。
送信/蓄積条件ワンタッチは、例えば、図12(a),(b)に示すように、この送信/蓄積条件をワンタッチボタン上で識別するための「名称」、ワンタッチボタン上に名称を表示する際に適用する文字サイズをしていするための「文字サイズ」、この送信/蓄積条件をワンタッチボタン上で簡略画像表示するためのアイコンを指定するための「アイコン」、この送信/蓄積条件ワンタッチを表示する(表示する場合は、表示態様の指定を含む)か否かを指定するための「表示/非表示」、メール送信時の1つ以上の宛先を登録した「宛先(100件まで)」、メール送信時の件名を登録した「件名」、メール送信時の本文の内容を登録した「本文」、当該文書を蓄積するか否かを指定するとともに当該蓄積文書を公開するか否かを指定する「蓄積(蓄積する/しない、公開する/しない)」、文書蓄積時の文書名を登録した「文書名」、当該蓄積文書を参照する際に適用する認証動作で要求するユーザ名を登録した「ユーザ名」、当該蓄積文書を参照する際に適用する認証動作で要求するパスワードを登録した「パスワード」、文書蓄積時に分割蓄積を行うか否かを指定する「分割蓄積(する(文書のページ数)、しない)」、当該蓄積文書についてサムネイル画像を作成するページ番号および画像の領域を指定するか否かを指定するための「サムネイル指定(する(ページ番号と領域指定)、しない)」、ファイル送信時の宛先を登録した「宛先」、ファイル送信時の文書名を登録した「文書名」、送信オプションを指定するか否かをあらわす「送信オプション指定(する、しない)」、画像作成時の読み取り条件を指定するための「読み取り条件」、画像作成時の画像処理条件を指定するための「画像処理条件」、および、送信/蓄積時のフォームを指定するか否かをあらわす「送信/蓄積フォーム指定(する(フォームデータから選択)、しない)」からなる。
また、「送信オプション指定」が「する」に設定されている場合は、ファイル形式を変更するか否かを指定するための「ファイル形式(変更しない,画像ファイル,画像PDF,画像PDF+OCR)」、および、リンク送信を適用するか否かをあらわす「リンク送信(する、しない)」が含まれる。
また、「リンク送信」が「する」に設定されている場合には、さらに、リンク形式の種別を指定するための「リンク形式(文書蓄積リンク、ファイル送信リンク(ファイル送信リンクアドレスから選択))」、サムネイル画像を送信するか否かをあらわす「サムネイル送信(する、しない)」、送信ファイルを集約するか否かをあらわす「ファイルを集約(する、しない)」が含まれる。なお、「ファイルを集約」が「する」に設定されている場合には、メール送信またはファイル送信時に、送信するファイルを所定の符号化圧縮方式を適用してすべて圧縮する。
また、「送信/蓄積フォーム指定」が「する」に設定されている場合には、ファイル名称をフォーム合成するか否かをあらわす「ファイル名称(する、しない)」、ファイル日付をフォーム合成するか否かをあらわす「ファイル日付(する、しない)」、および、個人名をフォーム合成するか否かをあらわす「個人名(する、しない)」が含まれる。
印刷条件ワンタッチは、例えば、図13に示すように、この印刷条件をワンタッチボタン上で識別するための「名称」、ワンタッチボタン上に名称を表示する際に適用する文字サイズをしていするための「文字サイズ」、この印刷条件をワンタッチボタン上で簡略画像表示するためのアイコンを指定するための「アイコン」、この印刷条件ワンタッチを表示する(表示する場合は、表示態様の指定を含む)か否かを指定するための「表示/非表示」、印刷形式を指定するための「印刷形式(レイアウト印刷、リピート印刷)」、カラー形式を指定するための「カラー形式(フルカラー、白黒、2色(黒マゼンダ、黒シアン))」、印刷時に画質優先とするか速度優先とするかを指定するための「画質優先/速度優先(画質優先、速度優先)」、両面印刷をするか否かを指定するための「両面印刷(する(左右ひらき、上下ひらき)、しない)」、印刷後の仕分け処理を指定するための「ソート/スタック(ソート、スタック)」、印刷後のパンチ処理を指定するための「パンチ(する(左2つ、上2つ、右2つ)、しない)」、印刷後のステープル処理を指定するための「ステープル(する(左上、右上、中央(中とじ)、左2つ、上2つ、右2つ)、しない)」、印刷用紙を指定するための「用紙選択(自動用紙選択、選択可能用紙サイズから選択)」、印刷時の画像処理条件を指定するための「画像処理条件」、および、印刷フォームを指定するための「フォーム指定(する(フォームデータから選択)、しない)」からなる。
また、「印刷フォーム指定」が「する」に設定されている場合には、ファイル名称をフォーム合成するか否かをあらわす「ファイル名称(する、しない)」、ファイル日付をフォーム合成するか否かをあらわす「ファイル日付(する、しない)」、および、個人名をフォーム合成するか否かをあらわす「個人名(する、しない)」が含まれる。
ここで、「印刷形式」が「リピート印刷」の場合には、フォームの差込画像に同一画像が使用される。また、「パンチ」については、フィニッシャー未装着時は「する」を選択することができず、また、穴の数はフィニッシャーに依存する。また、「ステープル」については、2枚以上時のみ有効で、フィニッシャ未装着時は選択することができず、また、中とじはフィニッシャに依存する。また、「用紙選択」については、印刷詳細設定画面で選択中の用紙サイズをワンタッチボタンに登録する。
受信メールボックスは、例えば、図14(a)に示すように、この受信メールボックスを識別するための「名称」、この受信メールボックスを簡略画像表示するためのアイコンを指定するための「アイコン」、この受信メールボックスを使うアカウント名を登録するための「アカウント名」、蓄積メールボックス(後述)についてのみ「する」が設定される「送信/蓄積」、ファクスメールボックス(後述)についてのみ「する」が設定される「ファクス送信」、印刷メールボックス(後述)についてのみ「する」が設定される「印刷」、エラーメールボックス(後述)には「しない」が固定的に設定され、ファクスメールボックスと印刷メールボックスについては「する」が設定され、他のメールボックスについては選択値が設定される「送付状フォーム指定(する、しない)」、エラーメールボックスについては「しない」が固定的に設定され、他のメールボックスについては選択値が設定される「結果メール返信(する、しない)」、および、蓄積メールボックスについてのみ「する」が設定され、他のメールボックスには「しない」が設定される「受信ファクス転送先に設定」からなる。
ここで、「名称」は、システムデフォルトで、[01]〜[04]の受信メールボックスには、それぞれ同図(b)に示すように、エラーメール(エラーメールボックス;電子メールの配送エラー通知等のエラーメールを受信するためのもの)、ファクスメール(ファクスメールボックス;このメールボックスの受信メールは、ファクス転送用メールとして取り扱われる)、印刷メール(印刷メールボックス;このメールボックスの受信メールは、印刷用メールとして取り扱われる。すなわち、受信メールの内容(添付ファイルを含む)が印刷出力される)、および、蓄積メール(蓄積メールボックス;このメールボックスの受信メールは、蓄積用メールとして取り扱われる。すなわち、受信メールの内容(添付ファイルを含む)は蓄積される)が設定されている。また、残りの[05]〜[12]の受信メールボックスについては、システムデフォルト値は「空」であり、ユーザが任意に設定することができる。
また、「アカウント名」は、システムデフォルトで、[01]〜[04]の受信メールボックスには、当該受信ボックスの機能が明確に分かるように、それぞれ同図(b)に示すように、「sender」、「fax」、「print」、および、「store」が設定されている。また、残りの[05]〜[12]の受信メールボックスについては、システムデフォルト値は「空」であり、ユーザが任意に設定することができる。
また、「アカウント名」は、個人設定毎に各受信メールボックスにユニークな文字列が必要である。そして、メールドレスは「”表示名”<アカウント名=パラメータ.ユーザID@識別名.ホスト名.ドメイン名>」となる。ここで、パラメータは、ファクス送信では電話番号、印刷では部数(省略すると1部)、ファイル送信では使用しない。実際に使用可能なSMTP/POP受信メールアドレスは、設定/蓄積画面ボタン上で表記される。
また、「送信/蓄積」については、送信/蓄積条件ワンタッチで送信/蓄積フォーム指定可能であり、この場合の蓄積は「一般文書」への蓄積となる。また、「受信メール」には非公開/文書名は件名/パスワードなしで常時蓄積する。
また、「ファクス送信」については、Toメールアドレスのパラメータから取り出したファクス宛先を、指定されている送信/蓄積条件プリセットのメール宛先の中に自動的に追加する。
また、「印刷」については、印刷条件ワンタッチボタンを用いて印刷フォーム指定することができる。
また、「送付状フォーム指定」については、メールヘッダ、メール本文差込可能フォームから選択する。「する」場合、メールヘッダ/本文だけにこのフォームを適用する。また、「しない」の場合、基本設定のテキストファイル書式に従う。メール添付のテキストファイルは常に基本設定に従う。
また、「結果メール返信」については、出力結果をメール返信するかどうかの設定である。ここで、本実施例の場合には、出力画像はWeb閲覧可能なので添付ファイルは常に無しとする。
また、「受信ファクス転送先に設定」は、12個の受信メールボックスの中で一つだけ「する」に設定可能である。そして、受信ファクス時に転送設定されているユーザーに画像が転送される。
共有メディアアドレスは、例えば、図14(d)に示すように、この共有メディアアドレスを識別するための「名称」、この共有メディアアドレスを簡略画像表示するためのアイコンを指定するための「アイコン」、この共有メディアアドレスを表示する(表示する場合は、表示態様の指定を含む)か否かを指定するための「表示/非表示」、登録情報の「ファイル宛先」から選択されるアドレス値が保存される「共有メディアアドレス」、および、表示する際のファイルの並び順を規定するための「ファイル並び順(選択なし、名称昇順、名称降順、日時昇順、日時降順、サイズ昇順、サイズ降順)」からなる。
また、「ファイル並び順」が「選択なし」の場合は、メディア側の物理的な並びで表示する。例えば、デジタルカメラの場合、通常は撮影した順番、ファイル名称の昇順となり、外部サーバーの場合はその外部サーバーの取り決めに従い、例えば、更新日時降順となる。この場合は、新しいファイルが上に表示される。
ファイル送信リンクアドレスは、例えば、図14(e)に示すように、このファイル送信リンクアドレスを識別するための「名称」、このファイル送信リンクアドレスを簡略画像表示するためのアイコンを指定するための「アイコン」、このファイル送信リンクアドレスを表示する(表示する場合は、表示態様の指定を含む)か否かを指定するための「表示/非表示」、ファイルの送信先アドレス(アップロード時アドレス)を指定するための「ファイル送信先」、当該送信したファイルを他のユーザが取得する際に指定するリンクアドレスを指定する「送信リンクアドレス」、および、自動的にファイルを消去する旨を指定する「自動消去設定(する(保管期間1日〜180日)、しない)」からなる。
個人システム設定情報は、例えば、図15(a)に示すように、基本設定、表示設定、読み取り設定、通信設定、蓄積設定、印刷設定、および、OCR設定の7つのカテゴリからなる。
基本設定は、例えば、図15(b)に示すように、無操作状態が継続した際に個人メニューを自動的に終了する設定を行うための「個人メニューを自動終了(する(10秒〜999秒)、しない)」(個人設定情報のみ)、無操作状態が継続した際にゲストメニューの入力値を自動的にクリアする設定を行うための「オートクリア時間設定(する(10秒〜999秒)、しない)」(ゲスト設定情報のみ)、ユーザの操作終了後にメイン画面に復帰するか否かを指定するための「操作終了後メイン画面に復帰(する、しない)」、キー入力または画面タッチ音を鳴動するか否かを指定する「キー入力/画面タッチ音設定(する、しない)」、メール送信時にメール件名を自動的に入力するか否かを指定するための「メール件名自動入力(する(登録件名から選択)、しない)」、メール送信時にメール本文を自動的に入力するか否かを指定するための「メール本文自動入力(する(登録件名から選択)、しない)」、画像データをTIFFフォーマットの画像へ変換する際の圧縮方式を指定するための「TIFF画像へ変換時の圧縮設定(無圧縮、MH、MR、MMR方式)」、画像データをJPEGフォーマットの画像へ変換する際の画質設定を指定するための「JPEG画像へ変換時の圧縮設定(9段階のいずれかの値)」、および、画像データをPNGフォーマットの画像へ変換する際の最大色数を指定するための「PNG画像へ変換時の最大色数(2/4/8/16/32/64/128/256色)」からなる。
表示設定は、例えば、図16に示すように、画面に表示するキーボードの表示色を設定するための「キー表示色設定」、画面に表示するキーボードのキー配列の優先値を指定するための「優先キーボード配列(QWERTY型、ABC型)」、日本語入力方式の優先値を指定するための「優先日本語入力(ローマ字、かな)」、画像選択時の表示態様の優先値を指定するための「優先画像選択表示形式(サムネイル、一覧表示)」、メイン画面に表示するテキストの種類を指定するための「メイン画面テキスト」、メイン画面に表示するテキストのサイズを指定するための「文字サイズ」、「紙文書」、「メディア文書」、および、「蓄積文書」の3つのメイン画面についての「文字サイズ」、「名称」、「アイコン」、「表示/非表示(する(並び順入れ換え)、しない)」、「背景色指定(する(Webセーフカラー216色から選択)、しない)」、「背景画像指定(する(画像選択)、しない)」、および、「表示方法(並べて表示、拡大して表示)」、送信/蓄積画面で優先的に表示する画面を指定するための「優先送信/蓄積画面(ワンタッチ画面、詳細設定画面)」、印刷画面で優先的に表示するための「優先印刷画面(ワンタッチ画面、詳細設定画面)」、「メール送信」、「文書蓄積」、および、「ファイル送信」の3つの送信/蓄積タブについての「表示/非表示(する(並び順入れ換え)、しない)」および「優先設定」、「メール宛先」、「ファクス宛先」、「グループ宛先」、および、「公開アドレス帳」の4つの宛先選択タブについての「表示/非表示(する(並び順入れ換え)、しない)」および「優先設定」、および、CALS−XML分類タグ名の「大分類」、「中分類」、および、「小分類」からなる。
読み取り設定は、例えば、図17(a)に示すように、白黒二値圧縮処理についての設定を示す「白黒二値圧縮設定(無圧縮、MR、MH、MMR方式)」、および、圧板原稿待ち時間の設定をあらわす「圧板原稿待ち時間設定(する(60秒〜999秒)、しない)」からなる。
また、通信設定は、例えば、図17(b)に示すように、優先送信オプションについての「ファイル形式(変更しない,画像ファイル ,PDF,画像PDF+OCR)」および「リンク送信(する(下記)、しない)」(メール宛先にのみ有効)、「ファイルを集約(する、しない)」、および、「優先送信/蓄積フォーム(既定フォーム)」からなる。
また、「リンク送信」の内容が「する」の場合、「リンク形式(文書蓄積リンク、ファイル送信リンク(ファイル送信リンクアドレスから選択))」、および、「サムネイル送信」(サムネイルは常に画像PDFで送信する)が含まれる。また、有線送信オプションについては、送信/蓄積条件プリセットで送信形式が指定されていない場合に有効となる。
また、「優先送信/蓄積フォーム」は、送信/蓄積条件ワンタッチボタンで送信/蓄積フォームが指定されていない場合に使用され、「ファイル名称(する、しない)」、「ファイル日付(する、しない)」、および、「個人名(する、しない)」が含まれる。
蓄積設定は、例えば、図17(c)に示すように、優先蓄積オプションとしての「分割蓄積(する(分割毎のページ数)、しない)」および「サムネイル指定(する(ページ番号と領域指定))」、「蓄積時OCR(する、しない)」、蓄積実行時に同時にコピーする場所を設定するバックアップ設定としての「ファイル送信先1(プライマリ送信先)」および「ファイル送信先2(セカンダリ送信先)」からなる。
ここで、「蓄積時OCR」が「する」に設定されている場合には、一般文書のみ蓄積時にOCRする。
印刷設定は、例えば、図18に示すように、「優先印刷形式(レイアウト印刷、リピート印刷)」、「優先印刷カラー(フルカラ-、白黒、黒・シアン、黒・マゼンダ)」、「優先給紙トレイ(自動用紙選択、トレイ1、トレイ2、トレイ3、大量給紙、手差し(用紙サイズ、用紙種類))」、「用紙サイズ(「優先給紙トレイ」が「手差し」の場合)」、「用紙種類(「優先給紙トレイ」が「手差し」の場合)」、「優先印刷フォーム(既定フォーム)」、カラー印刷調整としての「明るさ(−50%〜+50%)」、「コントラスト(−50%〜+50%)」、「あざやかさ(−50%〜+50%)」、「赤バランス(−50%〜+50%)」、「緑バランス(−50%〜+50%)」、および、「青バランス(−50%〜+50%)」からなる。
また、「優先印刷フォーム」でフォームデータが選択されている場合は、「ファイル名称(する、しない)」、「ファイル日付(する、しない)」、および、「個人名(する、しない)」が含まれる。
OCR設定は、例えば、図18(b)に示すように、「OCR認識方向(自動、横書き、縦書き、縦書き/横書き、横書き1段組、縦書き1段組)」、「OCR認識言語(自動、日本語、英語)」、「OCR認識原稿(自動、文章、表)」、および、「OCR認識最大文字サイズ(6pt(ポイント;文字サイズの単位)〜64pt)」からなる。
セキュリティは、例えば、図19(a)に示すように、ネットワークアクセス制限、メール送信認証、アクセス権設定からなる。
ネットワークアクセス制限は、図19(b)に示すように、20個の「HTTPアクセス制限(する(HTTPアクセス制限設定;IPアドレス)、しない)」、および、20個の「SMTP/POPアクセス制限(する(SMTP/POPアクセス制限設定)、しない)」からなる。
また、「HTTPアクセス制限」、および、「SMTP/POPアクセス制限」の内容がそれぞれ「しない」になっている場合には、「HTTPアクセス制限」、および、「SMTP/POPアクセス制限」については、管理者設定内容が適用される。
メール送信認証は、例えば、図19(c)に示すように、個人毎の認証情報を設定するか否かを指定するための「メール送信認証(する、しない)」と、この「メール送信認証」が「する」に設定されている場合には、「認証方式(SMTP認証、POP認証)」、「認証サーバアドレス(POP認証時のみ)」、「認証ユーザ名(SMTP/POP認証時のユーザ名)」、および、「認証パスワード(SMTP/POP認証時のパスワード)」を含む。
アクセス権設定は、例えば、図19(d)に示すように、「権限区分(管理者、 一般ユーザー)」、「機能制限(する、しない)」、「ファイル送信(許可、不許可)」、「フルカラー印刷(許可、不許可)」、および、「管理者用ユーザコード」からなる。
また、「機能制限」が「する」に設定されている場合には、「コピー(許可、不許可)」、「ドキュメントボックス(許可、不許可)」、「ファクス(許可、不許可)」、「プリンタ(許可、不許可)」、「スキャナ(許可、不許可)」、「メール送信」、「文書蓄積」、および、「自動消去設定(許可、不許可)」が含まれる。
また、「文書蓄積」が「許可」の場合、「個人あたりの容量指定(する(0.1GB〜99.9GB)、しない)」、および、「蓄積文書パスワード自動入力(する、しない)」が含まれる。
また、「自動消去設定」が「許可」の場合、「一般文書(する(保管期間1日〜180日)、しない)」、「受信メール(する(保管期間1日〜180日)、しない)」、および、「未送信トレイ(する(保管期間1日〜180日)、しない)」が含まれる。
システム設定情報は、例えば、図20(a)に示すように、ネットワーク設定、メール設定、ファクス設定、ファイル送受信設定、および、システム管理の5つのカテゴリからなる。
ネットワーク設定は、図20(b),(c)に示すように、「ホスト名」、「ドメイン名」、「IPアドレス」、「サブネットマスク」、「ゲートウェイアドレス」、「DNSサーバアドレス1(プライマリDNSサーバのIPアドレス)」、「DNSサーバアドレス2(セカンダリDNSサーバのIPアドレス)」、「プロキシサーバ設定(する、しない)」、「SSL(Secure Sockets Layer)暗号化(する、しない)」、「ポート番号設定(する、しない)」、「プリンタIPアドレス」、「LAN(イーサネット)速度(自動設定/10Mbps固定全二重 /100Mbps固定全二重/10Mbps半二重/100Mbps半二重)」、および、「物理アドレス(MACアドレス)」からなる。
また、「プロキシサーバ設定」が「する」の場合、「プロキシサーバアドレス」、「プロキシサーバポート番号」、「プロキシ未使用アドレス」、「ユーザ名」、および、「パスワード」が含まれる。
また、「SSL暗号化」が「する」の場合、「ISO国コード」、「都道府県名」、「市区町村」、「会社名/組織名」、「部署名/組織名 所属名」、「サーバ名(初期値は「ホスト名」)」、「管理者メールアドレス」、および、「有効期限」が含まれる。
また、「ポート番号設定」が「する」の場合、「SMTP送信(初期値は25)」、「SMTP受信(初期値は25;0〜65535)」、「POP(初期値は110;0〜65535)」、「FTP(初期値は21;0〜65535)」、「HTTP(初期値は80;0〜65535)」、「HTTPS(初期値は443;0〜65535)」、および、「LDAP(初期値は389;0〜65535)」が含まれる。
なお、「SMTP送信」のポート番号が「0」に設定された場合、SMTP送信機能を使うことができなくなる。
メール設定は、例えば、図21(a),(b)に示すように、「SMTPサーバIPアドレス」、「メール受信プロトコル(SMTP、POP3、APOP)」、「POPメールアドレス」、「POPサーバアドレス」、「POPアカウント名」、「POPパスワード」、「POPメール受信間隔」、「POPメール規定転送先(ゲスト設定情報の受信メールアドレス)」、「公開アドレス帳を使用(する、しない)」、「メール送信認証(する、しない)」、「送信サイズ制限(する、しない)」、「送信間隔(0〜99秒)」、「再送信間隔(1〜99分)」、および、「再送信回数(0〜99回)」からなる。
また、「公開アドレス帳を使用」が「する」の場合、「LDAPサーバアドレス1」、「識別名」、「LDAPサーバアドレス2」、「識別名」、および、「公開アドレス帳を自動更新(する(10分単位)、しない)」が含まれる。
また、「メール送信認証」が「する」の場合、「認証方式(SMTP認証、POP認証)」、「認証POPサーバアドレス」、「認証ユーザ名」、および「認証パスワード」が含まれる。
また、「送信サイズ制限」が「する」の場合、「最大サイズ(1〜20MB)」および「メール分割(する(分割数2〜99)、しない)」が含まれる。
ファクス設定は、受信時の転送振分け(メール/ファイル転送先)機能の設定に適用されるものであり、例えば、図22(a)に示すように、「受信ファクス転送(する、しない)」、1000件分の「発信元(CSI/RTI)転送(する、しない)」、「送信ファクス外線発信番号設定」、および、「送信ファクスポート設定」からなる。
また、「発信元(CSI/RTI)転送」の1件分の内容には、「発信元(CSI/RTI)」、「メール転送先(ゲスト設定情報の「メール/グループ宛先」「登録ユーザー」から選択)」、および、「ファイル転送先(ゲスト設定の「ファイル宛先」から選択)」が含まれる。
ここで、「メール転送先」には100件まで登録可能であり、「ファイル転送先」には4件まで登録可能である。
ファイル送受信設定は、図22(b)に示すように、「再送信間隔(60〜999秒)」、「再送信回数(0〜99回)」、「FTP日本語コード(シフトJIS、EUC)」、および、「FTPデータ転送モード(PORTモード、PASVモード)」からなる。
システム管理は、例えば、図23(a)に示すように、蓄積文書、履歴管理、セキュリティ、および、日時設定の4つのカテゴリからなる。
蓄積文書は、例えば、図23(b)に示すように、自動消去設定に関する「一般文書(する(保管期間1〜180日)、しない)」、「受信メール(保管期間1〜180日)、しない)」、「受信ファクス(保管期間1〜180日)、しない)」、および、「未送信トレイ(保管期間1〜180日)、しない)」、また、「自動消去時刻(消去時刻0:00〜23:50)」、および、「個人あたりの容量制限(する(0.1GB〜99.9GB)、しない)」からなる。
履歴管理は、例えば、図23(c)に示すように、「履歴を自動消去(する(消去時刻0:00〜23:50)、しない)」、「履歴保管期間(1〜180日)」、および、「管理レポートを自動印刷(する(印刷時刻0:00〜23:50)、しない)」からなる。
セキュリティは、図23(d)に示すように、「管理者用設定パスワード」、「自動再起動(する(再起動時刻0:00〜23:50)、しない)」、ゲストメニュー制限について「ゲストメニュー禁止(する、しない)」、「新規個人登録禁止(する、しない)」、「宛先直接入力禁止(する、しない)」、また、ゲストの蓄積文書パスワード保護について「一般文書(する、しない)」、「受信メール(する、しない)」、「受信ファクス(する、しない)」、および、「未送信トレイ(する、しない)」、また、ネットワークアクセス制限について「HTTPアクセス制限(する(HTTPアクセス制限設定)、しない)」、および、「SMTP/POPアクセス制限(する(SMTP/POPアクセス制限設定)、しない)」からなる。
ここで、ゲストの蓄積文書パスワード保護については、本体画面またはWebブラウザから入る場合に管理者用設定パスワードを使用する設定であり、Webブラウザのユーザー名はゲスト設定の識別名である。
日時設定は、例えば、図23(e)に示すように、「日付設定(現在日付;2003〜2099年、1〜12月、1〜31日)」および「日時設定(現在時刻;0〜23時、0〜59分、0〜59秒)」からなる。
また、認証を要求したい通信の場合、例えば、相手先がこのデジタルカラー複合機1と同機種であって、人間以外でない場合、電子メールを用いてファイル取得のためのURLをリンク情報として通知した場合に、デジタルカラー複合機1では、ファイル取得時にアクセスするFTPサーバ(ファイルサーバ)へログオンすることができずに、ファイル取得が失敗するという事態を生じる。
このような事態を回避するためには、電子メールを用いて通知するリンク情報に、対象のFTPサーバへログオンする際のユーザIDとパスワードを含ませればよいが、そのような電子メールは暗号化されていない状態で送信されるため、セキュリティ上好ましくない。
そこで、本実施例では、このような事態に対処することができるようにするために、親展リンクを導入する。
すなわち、デジタルカラー複合機1は、図24(a)に示すような複数の親展リンク情報を記憶した親展リンク情報テーブルを備えている。また、それぞれの親展リンク情報は、同図(b)に示すように、「宛先名称」、「ユーザID」、「パスワード」、「スキーマ」、および、「ネットワークアドレス」からなる。
通常、頻繁に親展リンクをやりとりする装置間では、共通する親展リンク情報を備え、送信側は、送信する電子メールの本文情報に、例えば、「ネットアークアドレス/ファイル名」を含ませることで、使用する親展リンク情報を指定する。
この場合、電子メールの受信側では、受信した電子メールに含まれる「ネットワークアドレス」をキーとして親展リンク情報テーブルを検索することで、目的の親展リンク情報を抽出することができる。
そして、受信側は、親展リンク情報に登録されている「スキーマ」および「ネットワークアドレス」を用いて、目的のファイルを取得するためにFTPサーバ(ファイルサーバ)へアクセスし、FTPサーバより認証要求された場合には、ユーザIDとパスワードを用いて、認証に応じる。
このようにして、当該FTPサーバへログインした後には、目的の「ファイル名」を検索し、当該検索して抽出したファイルを、FTPサーバより取得する。
さて、本実施例では、デジタルカラー複写機1は、図25(a)に示したような地図データベースを備える。この地図データベースは、地名等から当該地名等に対応した位置座標データ(緯度データおよび経度データ;以下同じ)を取得できるようにするための地名キーワードデータベースと、地図画像の表示データを保存する基本地図データベースからなる。
地名キーワードデータベースは、同図(b)に示すように、多数の駅名と当該駅名の駅の位置座標データを格納してなる駅名キーワード情報、多数の観光地名と当該観光地名の代表的な位置座標データを格納してなる観光地キーワード情報、多数の地名と当該地名の代表的な位置座標データを格納してなる地名キーワード情報、および、多数の公共施設名と当該公共施設名の位置座標データを格納してなる公共施設キーワード情報からなる。
また、地名キーワードデータベースの1つのレコードは、同図(c)に示すように、駅名、または、観光地名、または、地名、または、公共施設名と、経度データおよび緯度データを関連づけて登録したものである。
したがって、駅名キーワード情報は、同図(d)に示したような内容を備え、また、観光地機ワード情報は、同図(e)に示したような内容を備える。
また、基本地図データベースの1つのレコードは、図26(a)に示すように、当該基本地図を識別するためのID(蓄積時に付与される)、当該基本地図の中央の点の座標をあらわす緯度データおよび緯度データ、当該基本地図データのファイル名、および、当該基本地図データの縮尺度をあらわす縮尺度からなり、具体的には、同図(b)に示すような内容となる。
このような基本地図データとしては、日本全土をカバーするために、例えば、中心となる「緯度」「経度」を1000箇所と決めておき、それらに対応した地図画像データを日本全体に適度な間隔を空けて用意する。また、拡大縮小といった方法で表示できるように、尺度の異なる画像を1つの箇所に複数(本実施例では、5種類)用意しておく。
また、上述のように1000箇所と決めた場合でも、各地図画像データは隣接する地域と重なり合うように、その表示範囲が設定される。すなわち、隣接した地域の画像データ群は同じ地域の地図画像をそれぞれ一部重複して持っている。これは後で説明するように、使用者が表示装置上で表示の中心位置として決定する「緯度」「経度」は、地図画像データがその画像データの中心位置として決めた「緯度」「経度」とは必ずしも一致しないからである。このように重複した地図画像データを用意することで、連続したスクロール表示が可能になる。
例えば、図27に示すように、1つの地図画像の枠FLに対して、中心PMが定められ、この中心PMの座標が、当該地図画像に対応した地図画像データの座標値となる。
一方、地図画像を操作パネルPの表示画面に表示する際の表示枠VWと、この表示枠VWの中心PVを考えると、ユーザが指定した表示座標に中心PVを一致させて、表示枠VWで地図画像を切り取るように画像取得処理した場合、地図画像の内側に波線で示した範囲CLを超えた座標が指定されると、表示枠VWには、枠FLを超えた範囲が含まれることとなり、この範囲の情報がない場合には、表示枠VWには有効な画像が表示されない部分が生じることとなる。
このような不具合を生じることがないように、上述したように、隣接する各地図画像データがカバーする地図範囲が、互いに重複するように、地図画像データを製作するのである。
さて、例えば、ユーザが所望する地図を表示させようとする場合、まず、地図機能を呼び出して、図28に示したような操作画面FNを操作パネルPに表示させる。この操作画面FNには、地図画像を表示する表示領域ML、表示領域MLに表示させる地図を検索するための入力領域RB、表示領域MLに表示させた地図に対して処理を指令するための操作領域WBからなる。また、表示領域MLには、指定された座標位置をあらわすポインタPPも付加表示される。また、操作領域WBの「拡大」、「縮小」操作については、ポインタPPの表示位置を中心位置として処理される。
ここで、入力領域RBの入力欄に、地図を表示させたい場所の緯度データおよび経度データを入力して、入力領域RBの「検索」ボタンを操作すると、当該指定された緯度データおよび経度データに最も近い中心点座標を有する地図データが検索されて、表示領域MLに表示される。
また、駅名、観光地名、地名、あるいは、公共施設名の周辺の地図を表示させたい場合には、入力領域RBの入力欄に所望する駅名、観光地名、地名、あるいは、公共施設名を入力して、入力領域RBの「検索」ボタンを操作すると、当該指定された駅名、観光地名、地名、あるいは、公共施設名を検索キーとして、地名キーワードデータベースが検索されて、当該検索キーに対応したレコードが抽出され、緯度データおよび経度データが取得される。
そして、その取得された緯度データおよび経度データに最も近い中心点座標を有する地図データが検索されて、表示領域MLに表示される。
また、地図が表示されている状態で、操作領域WBの「拡大」ボタンを操作すると、より縮尺の小さな地図に表示内容が更新される。また、操作領域WBの「縮小」ボタンを操作すると、より縮尺の大きな地図に表示内容が更新される。また、操作領域WBの「印刷」ボタンを操作すると、そのときの表示領域MLに表示している内容が記録出力される。また、操作領域WBの「保存」ボタンを操作すると、そのときの表示領域MLに表示している内容が保存される。また、その保存については、任意のファイル名を指定することもできる。
図29は、緯度データおよび経度データから目的の地図画像を検索して表示する際の処理の一例を示している。
まず、緯度データと経度データを取得すると(処理101)、基本地図データベースについて緯度データと経度データをキーにして検索を行う(処理102)。データーベースの各レコードの緯度情報と経度情報は中心位置を表す代表位置なので、キーの情報とは一致しないことの方が多くなる。1つの地図データベースの大きさは統一されているので、地図データ内のどこかに見つかればよい。
次に、表示できる大きさも予め限定されているので、キーの情報で位置づけられた場所が表示可能か調べる(処理103)。表示可能であるかどうかを判断し(処理104)、判断104の結果がNOになるときには、処理102へ戻り、別のレコードを検索する。また、判断104の結果がYESになるときには、表示領域の中心近傍に指定された座標位置が配置されるかどうかを調べる(判断105)。判断105の結果がNOになるときには、処理102へ戻り、別のレコードを検索する。
判断105の結果がYESになるときには、表示位置の調整を行い(処理106)、表示領域MLに地図を表示する(処理107)。
このようにして、本実施例では、内部に保持されている地図データベースに基づいて、ユーザから指定した位置座標または地名の地図を表示することができるので、非常に便利である。
ところで、GPS受信機能付きの携帯電話を利用して、デジタルカラー複写機1の地図画像表示機能を利用することができると、便利である。
図30は、GPS受信機能付きの携帯電話70の一例を示している。
同図において、携帯電話70は、送受信用のアンテナ70a、種々の情報を表示する液晶表示器70b、電話番号等を操作入力するためのテンキー70c、送話のためのマイク70d、受話のためのスピーカ70e、電子メール作成機能を呼び出すためのメールキー70f、GPS受信機能を呼び出すためのGPSキー70g、および、液晶表示器70bの表示内容を操作するためのカーソルキー70hを有している。
また、テンキー70cは、電子メールの入力項目を操作入力するための、英数字や日本語等の入力手段としても用いられる。
図31は、携帯電話70の通信制御系の一例を示している。
同図において、制御ユニット71は、この携帯電話70の動作を制御するためのものであり、通信ユニット72は、通話や電子メールの送受信機能等を行うためのものであり、通話ユニット73は、マイク70dとスピーカ70eにより、通話機能を実現するためのものである。
また、表示制御ユニット74は、液晶表示器70bの表示機能を制御するためのものであり、操作制御ユニット75は、テンキー70c、メールキー70f、GPSキー70g、および、カーソルキー70hからなるキー群76の操作入力を制御するためのものであり、GPS受信ユニット77は、GPS受信機能を実現するためのものである。
また、GPS受信ユニット77は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信し、該複数のGPS信号に含まれる衛星位置や衛星受信機間距離情報および時計情報等を解析して位置情報を算出する。
このようにして得られた位置情報は、携帯電話70の電話番号および探索情報等のデータとともに、地図サービスセンターへ送られ、この地図サービスセンターからは、位置情報に対応した地図画像や、目的地までのルート情報および距離等のデータが、携帯電話70へ送り返されてくる。
一方、このように算出した位置情報を、電子メールを用いてデジタルカラー複写機1へ送信することで、送信した位置情報に対応した地図画像を、デジタルカラー複写機1から印刷出力させることができる。
この場合に、携帯電話70からデジタルカラー複写機1へ送信する電子メールの一例を図32(a)に示す。この場合、「mapdisplay」というアカウント名が、デジタルカラー複写機1において、「GPS情報を受信して対応する地図画像を記録出力する」という動作を自動的に実行する処理を起動するものに設定されている。
ここで、電子メールの本文情報に「/GPS 情報開始」と「/GPS 情報終了」という文字列で挟まれた「文字列」として、GPS情報が配置される。図32(a)の場合には、「東経:136度55分39秒 北緯:35度6分7秒」がGPS情報となる。なお、GPS情報を記述する際の規則は、このようなものに限ることはない。例えば、タグ「<GPS>」とタグ[</GPS>」で囲んだ文字列として定義することもできる。
一方、本文情報の「/名前 (改行) 桜井 真理恵」や「/コメント (改行) 東京都内 商品説明会 場所 栄光プラザ食品館」などは、任意に作成された付加情報である。
このような電子メールを受信すると、デジタルカラー複写機1は、電子メールの本文情報よりGPS情報を抽出し、その抽出したGPS情報に基づき、図29に示したような処理を実行して地図画像を取得し、それによって得た地図画像を、受信した電子メールの本文情報とともに、例えば、図32(b)に示したような形式に編集し、印刷出力する。
図33は、本実施例にかかる電子メールの受信処理の一例を示している。なお、この受信処理は、SMTPサーバ機能に追加された処理モジュールにより実現される。
まず、SMTP応答があることを監視しており(判断201のNOループ)、ポート25のパケットを受信し、SMTP応答を検出して、判断201の結果がYESになると、受信した電子メールのドメイン名が正しいか調べる(判断202)。なお、実際には、ドメイン名はドメインネームサーバ(群)で管理されているが、デジタルカラー複写機1に設定されているものと一致しない場合もあり得る。例えば、旧いドメイン名を廃止して新しいドメインに変わっているときは、通信制御ユニット5のグローバルなIPアドレスは変わらなくても、ドメイン名を変更している場合もありえる。したがって、通信制御ユニット5を通過してきた電子メールであっても、ここで再度チェックを行うようにしている。
判断202の結果がYESになるときには、受信した電子メールの宛先のアカウントが予め登録されているものであるかどうかを調べる(判断203)。判断203の結果がYESになるときには、対応するアカウントの電子メールボックスに格納する(判断204)。
そして、このときの処理対象の電子メールアカウントが電子地図表示用を指定しているかどうかを調べ(判断205)、判断205の結果がYESになるときには、その電子メールの本文情報を調べて、上述したようなGPS情報が含まれるかどうかを検査する(処理206、判断207)。
判断207の結果がYESになるときには、図29に示したような内容の地図印刷処理(処理208)を行って、図32(b)に示したような形式の地図レポートを記録出力する。次いで、SMTP処理を終了し(処理209)、判断201へ戻る。なお、処理209では、例えば、不正なドメイン名や未登録の電子メールアカウントなどが届いたときは、送り元のSMTPサーバーへ知らせる。つまり、通信制御ユニット5を通過して来た電子メールであっても、取り込むことが出来ない事情があるときはその旨の連絡をし、電子メールを返送する。また正常に処理が行れたときは、次の電子メール受信の待機状態になる。
また、判断207の結果がNOになるときには、処理208を実行しないで、処理209へ移行し、SMTP処理を終了して判断201へ戻る。また、判断205の結果がNOになるときには、処理209へ移行し、SMTP処理を終了して判断201へ戻る。また、判断203の結果がNOになるときには、SMTP処理を終了して判断201へ戻る。また、判断202の結果がNOになるときには、SMTP処理を終了して判断201へ戻る。
このようにして、電子地図データの表示・印刷出力機能を有するデジタルカラー複写機1は、SMTPサーバ機能により独自のドメイン名と予め登録されたアカウントによる電子メール受信機能を有しているので、GPS情報を含んだ電子メールを受信すると、そこからGPS情報を特定する処理を行い、電子地図データを表示したり印刷する機能を実行することができる。
また、他の使い方として、携帯電話70に、訪問先で取得しておいたGPS情報を複数個蓄積しておいて、後で集中して地図情報をプリントアウトさせるようにすることもできる。また、デジタルカラー複写機1がコンビニエンスストアなどで、コピーサービスの提供に用いられているような場合でも、GPS機能付きの携帯電話に取得しておいたGPS情報を所定の電子メールアドレスに送信して電子地図データの表示機能を行うことも可能である。この場合にプリントサービスに対して課金することも出来る。