JP2005330513A - 鉄骨構造部材用鋼材、その使用方法及び鉄骨構造物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】C:0.04〜0.18%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、sol.Al:0.06%以下、Ti:0.003〜0.030%、N:0.008%以下を含有し、2Nb+3Ti+Al:0.05%以上であり、さらに、溶接割れ感受性指数(Pcm)が0.12〜0.27%である鉄骨構造部材1の危険断面を含む端面に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する熱処理を部分的に行うことにより、この熱処理部4を、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与える、微細なベイナイトを主体とする組織とする。
【選択図】 図1
Description
[特性]鉄骨構造物を構築する鉄骨構造部材の危険断面を含む部分に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する熱処理を部分的に行った場合の該熱処理部が、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与える、微細なベイナイトを主体とする組織となること。
これらの本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材は、さらに、Cu:0.05〜1.5%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.03〜1.0%、Mo:0.03〜1.0%及びV:0.005〜0.1%のうちの1種又は2種以上を含有することが望ましい。
Cは、熱処理部の硬度及び靱性に大きな影響を与える元素である。C含有量が0.18%を越えると熱処理部である鋼板の端部の硬度上昇が過剰となり、靱性が劣化する。同様の観点からC含有量の上限は0.15%であることが望ましく、0.12%であることがさらに望ましい。逆に、C含有量が0.04%未満であると、熱処理部の強度上昇が不十分となる。同様の観点からC含有量の下限は0.06%であることが望ましい。
Siは、0.02%以上含有することにより脱酸作用及び強度上昇作用をともに奏する。逆にSi含有量が0.02%未満であると、脱酸が不十分となるため、Siは0.02%以上含有する。しかし、0.50%を越えて含有すると熱処理部の靱性が劣化する。特に鉄骨構造部材である鋼板の端部の強度上昇を目的とする場合にはSi含有量の下限は0.3%とすることが望ましく、0.2%とすることがさらに望ましい。
Mnは、強度の向上のために含有する。Mnは、高い焼入性向上効果を奏するので合金元素の中でも特に有効である。Mn含有量が0.5%未満であると強度上昇効果が不十分である。同様の観点からMn含有量の下限は1.0%であることが望ましく、1.2%であることがさらに望ましい。一方、Mn含有量が2.0%を越えると熱処理部の硬度が過剰に上昇し、靱性が低下する。同様の観点からMn含有量の上限は1.6%であることが望ましい。
Alは、特に連続鋳造等により素材となるスラブを製造する場合、欠陥のない鋼片を得るために必須な元素であり、その場合sol.Alとして約0.005%を越える量が残存する。しかし、熱処理部ではsol.AlはNと結合してAlNとなり、熱処理部のオーステナイト粒径を細粒化して靱性を向上させる。このため、sol.Alを0.01%以上含有することが望ましい。一方、sol.Alの含有量が0.06%を超えると熱処理部の靱性が劣化する。sol.Alの望ましい含有量の上限は0.04%であり、0.02%であることがさらに望ましい。
Tiは、Nと結合してTiNを析出させ、熱処理部のオーステナイト粒径を微細にすることにより靱性の劣化を防止する。Nとの結合効果を持たせるためにTiは0.003%以上添加する。同様の観点からTi含有量の下限は0.01%であることが望ましい。しかし、Tiを0.03%を越えて含有すると、熱処理部にTi炭化物が析出するため、逆に熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点からTi含有量の上限は0.017%であることが望ましい。
Nは、不純物として鋼中に含有されるが、NはTiと結合してTiNとなり、熱処理部の組織を微細にして靱性向上に有効である。しかし、N含有量が0.008%を越えて含有すると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点からN含有量の上限は0.006%であることが望ましく、0.004%であることがさらに望ましい。
鉄骨構造部材である鋼板の熱処理部の組織を微細にするためには、析出する炭化物や窒化物、さらには炭窒化物によるオーステナイト粒のピン止め効果を利用することが有効である。このためには、炭化物、窒化物あるいは炭窒化物を形成する元素であるNb、Ti、Alが、2Nb+3Ti+Al:0.05%以上の関係を満足することが有効である。
鉄骨構造部材である鋼板の熱処理部の硬度を低減するためには、Cをはじめとする添加元素の含有量を制限する必要がある。Pcm =C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5Bとして規定される溶接割れ感受性指数Pcmが0.27%を越えると熱処理部の硬度が過剰となって靱性が劣化する。同様の観点から上限は0.22%であることが望ましい。一方、溶接割れ感受性指数Pcmが0.12%未満であると熱処理部の硬度が不足し、本来の目的を達成できない。同様の観点から下限は0.16%であることが望ましい。
Bは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Bは、熱処理部の強度上昇に有効であるばかりでなく、BNとして析出することにより熱処理部の組織を微細にし、熱処理部の靱性向上に有効である。熱処理部の強度上昇のため添加する場合には0.0003%以上添加する。同様の観点から下限は0.0005%であることが望ましい。一方、B含有量が0.003%を越えても添加に見合うだけの強度上昇が得られない。同様の観点から上限は0.002%であることが望ましい。
Nbは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Nbは、0.003%以上含有することにより熱処理部の強度上昇に効果があるだけではなく、熱処理部のオーステナイト粒径を小さくすることにより熱処理部の靱性改善に有効である。しかし、0.05%超含有してもこのような効果は飽和しコストが嵩むだけとなる。同様の観点から、下限は0.01%であることが望ましく、上限は0.04%であることが望ましい。
Cuは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Cuは、0.05%以上含有することにより熱処理部の焼入性向上に効果があり、熱処理部の強度が上昇する。しかし、Cu含有量が1.5%を越えると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点からCu含有量の上限は0.8%であることが望ましく、0.3%であることがさらに望ましい。
Niは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Niは、0.05%以上含有することにより熱処理部の焼入性向上に効果があり、熱処理部の強度が上昇する。しかし、Ni含有量が2.0%を越えてもコスト上昇に見合うだけの強度上昇が期待できない。
Cuは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Cuは、0.05%以上含有することにより熱処理部の焼入性向上に効果があり、熱処理部の強度が上昇する。しかし、1.5%を越えて含有すると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点から上限は0.8%であることが望ましく、0.3%であることがさらに望ましい。
Crは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Crは、0.03%以上含有することにより熱処理部の焼入性向上に効果があり、熱処理部の強度が上昇する。しかし、1.0%を越えて添加すると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点から、下限は0.3%であることが望ましく、上限は0.6%であることが望ましい。
Moは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Moは、0.03%以上含有することにより熱処理部の焼入性向上に特に効果があり、熱処理部の強度が上昇する。しかし、1.0%を越えて添加すると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点から下限は0.2%であることが望ましく、上限は0.5%であることが望ましい。
Vは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Vは、強度上昇の観点から0.005%添加することが有効である。しかし、0.1%を越えて添加すると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点から下限は0.01%であることが望ましく、上限は0.05%であることが望ましい。
本発明に係る鉄骨構造部材としての鋼板は、建築物や橋梁等といった鉄骨構造物の構成部材として、高い信頼性を要求されるため、鋼の清浄度や中心偏析の程度は、この信頼性を確保するために重要な管理項目となる。そこで、本実施の形態の鉄骨構造部材としての鋼板の清浄度及び中心偏析について説明する。
本実施の形態の鉄骨構造部材としての鋼板は、例えば端部等の危険断面を含む部位を施工現場で熱処理した後に水冷後用いられる。このため、偏析による過剰な焼入性を奏する部位や過剰の介在物が存在する部位が存在すると、この鋼板の靱性が劣化する。そこで、鋼の清浄度は、JIS G 0555に規定された「鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法」の点算法による顕微鏡試験方法によって測定された鋼の清浄度が、dA60×400で0.040%以下、dB60×400で0.030%以下、又はdC60×400で0.030%以下であることが望ましい。
鉄骨構造部材の素材となる連続鋳造スラブ等の鋼片には不可避的に中心偏析を伴うが、この中心偏析は鉄骨構造部材である鋼板のフランジ及びウェブそれぞれの厚さ方向の中心に残存して、鋼板の靱性を著しく劣化させる。この偏析部におけるC濃度が0.29%超であると、熱処理後の偏析部の硬度が過剰に大きくなって靱性が劣化する。このため、偏析部のC濃度は0.29%以下であることが望ましい。同様に偏析部のP濃度が0.30%超、Mn濃度が3.5%超であると、熱処理後の偏析部の硬度が過剰に大きくなって靱性が劣化する。そこで、偏析部は、C:0.29%以下、P:0.30%以下、Mn:3.5%以下であることが望ましい。
処理方法:取鍋内溶鋼への不活性ガス吹き込み処理
プロセス:転炉→取鍋内溶鋼への不活性ガス吹き込み処理→連続鋳造
精錬処理時間:1〜15分
精錬処理雰囲気/真空度:大気圧
[連続鋳造条件]
鋳込速度:0.4〜2.0m/分
タンディッシュ内溶鋼温度:ΔT(計算液相線温度とタンディッシュ内溶鋼温度の差;2 0〜35℃)
比水量:0.2〜2.0リットル/溶鋼kg
なお、これらの条件以外に鋳込み時の吐出流量管理として連続鋳造鋳型の近傍に設けた電磁制動装置により1000〜5000ガウスで電磁ブレーキをかけたり、250〜1000ガウスで未凝固溶鋼に電磁攪拌処理を行ったり、あるいは、最終凝固部を1mm/m程度の勾配で圧下して濃厚偏析の溶鋼を最終凝固部から搾り出すこととしてもよい。
鋼片の加熱温度は950℃以上1200℃以下とすることが望ましく、熱間圧延の仕上げ温度は700℃以上とすることが望ましい。加熱温度が950℃未満であると、オーステナイトへの変態が十分でなく、圧延及び冷却後の強度及び靱性がともに劣化する。一方、加熱温度が1200℃を超えるとオーステナイト粒径が粗大になるために、熱処理を行われない部分の靱性が劣化する。
[特性]鉄骨構造部材としての危険断面を含む部分に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する熱処理を部分的に行った場合のこの熱処理部が、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与える、微細なベイナイトを主体とする組織となること。
加熱温度が800℃以下では、熱処理を加える領域における焼き入れ組織の分率が必要以下に少なくなり、熱処理による強度上昇が望めなくなる。一方、平均冷却速度が3℃/秒未満では、冷却速度が小さ過ぎて焼き入れが不十分となり、強度上昇が望めなくなる。望ましい範囲は、900℃以上の温度に2秒間以上加熱し、平均冷却速度を5℃/s以上とすることである。
図1(a)〜図1(c)は、いずれも、鉄骨構造物0に適用された本実施の形態の鉄骨構造部材1を示す説明図である。
図2は、鋼板部材又は角形鋼管部材の鉄骨構造部材1を全長(2L)の半分をキャンチレバー(全長L)に単純化して、熱処理を施した熱処理部4の降伏強度σyjと、熱処理部4を除いた非熱処理部9の降伏強度σyとの比(σyj/σy、以下「降伏強度比」という)と、熱処理部4の長さLjの関係を検討するための説明図である。
hMp/cMp>ν ・・・・・・・(1)
ここで、hMpは熱処理部4の全塑性モーメント(=σyj・Zp)を示し、cMpは非熱処理部9の全塑性モーメント(bMp=σy・Zp)を梁端モーメントに換算したもので、
cMyp=φ・bMp、φ=L/(L−Lj) ・・・・・・・(2)
として与えられる。(2)式においてLjは熱処理部4の長さを示し、Zpは塑性断面係数を示し、符号σyjは熱処理部4の降伏強度を示し、符号σyは非熱処理部9の降伏強度を示し、さらに、符号νは安全率であって1.0以上の値である。
hMp/bMp(1−Lj/L)>ν ・・・・・・・(3)
図3(a)は鋼板部材及び角形鋼管部材等の鉄骨構造部材1の全部の断面領域に熱処理を行う場合を示し、図3(b)は鋼板部材及び角形鋼管部材等の鉄骨構造部材の一部の断面領域に熱処理を行う場合を示す。
σyj/σy(1−Lj/L)>ν ・・・・・・・(4)
となる。
hMp/bMp=σyj/σy=1.40 ・・・・・・・(A)
となり、図3(b)に示すように一部の断面領域に対して行うときには
hMp/bMp=1.26 ・・・・・・・(B)
となる。図3(b)に示す場合に非熱処理部9を先行して降伏させるには、(4)式の安全率νを上記の(B)と(A)の比率(A/B、上記のケースでは1.40/1.26=1.11)以上の値に設定する必要がある。
σyj/σy(1−Lj/L)>1.2 ・・・・・・・(5)
と設定することが望ましく、(5)式によれば、熱処理部4の長さLjが小さいほど、降伏強度比(σyj/σy)は小さくてよいこととなる。
そこで、鋼板梁及びボックス柱を対象とした図2及び図3に示すモデルについて、合計178ケースの3次元有限要素解析(FEM解析)を行い、端部の歪値が最小となる最適な熱処理部4の長さLjoptを調べた。
Ljmin/D=0.0308(L/D)・(σyj/σy)+0.039 [下限値] ・・・・・・・・(7)
熱処理部4が最小長さLjminであるときに必要となる降伏強度比(σyj/σy)を求める。(7)式のLjminを(5)式のLjに代入して(8)式を得る。
L/D>0.039/[1−0.0308(σyj/σy)−1.2(σy/σyj)] ・・・・・・・(8)
(8)式を図示すると、図5のグラフが得られる。この図5に示すグラフから、降伏強度比(σyj/σy)は1.25以上とすることが望ましいことがわかる。なお、一般にL/Dの値は2以上である。
表1には本実施例で用いた試料の組成(質量%)、Pcm値及び板厚(mm)を示す。
図6の試験体は、全長4000mmの3点曲げH形断面梁で、両端を支点とし中央部の板厚25mmの仕切り板を載荷点とする。試験体には、横座屈を防止する目的で座屈止めが4箇所設置されている。本実験は、中央の仕切り板を挟んで右側部分(試験梁)を破壊させる実験である。左側部分のH形鋼断面梁(加力梁)は、断面を右側の梁よりも大きくするとともに、仕切り板近傍の梁フランジにはカバープレートが溶接され、左側部分が破壊しないように設計されている。右側の仕切り板からLjの範囲が実験パラメターとなる梁端補強部で、図7及び表5に示すような補強が施される。試験体には合計8個の変位計(δ1〜δ8)を取り付け、各部の鉛直方向の変位を測定した。
試験結果を表7にまとめて示す。なお、表7におけるeMpはgeneral yield法による全塑性耐力を示し、eMuは最大耐力(正負のいずれか大きいほう)を示し、Σθは破壊までの累積塑性回転角(正負の合計値)を示し、θは試験体中央部でのたわみを材長Lで除して得られる値であり、Σθは破壊時に耐力が最大耐力から5%低下した点をもって評価した。
2 鉄骨構造部材
3 溶接部
4 熱処理部
5 鉄骨構造部材
6 通しダイアフラム
7 内ダイアフラム形式の柱
8 パネルゾーン
9 非熱処理部
Claims (10)
- 質量%で、C:0.04〜0.18%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、sol.Al:0.06%以下、Ti:0.003〜0.030%、N:0.008%以下を含有し、2Nb+3Ti+Al:0.05%以上であり、下記(1)式により規定される溶接割れ感受性指数(Pcm)は0.12〜0.27%であり、さらに、下記特性を備えることを特徴とする鉄骨構造部材用鋼材。
Pcm =C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)
+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B
・ ・・・・・・(1)
[特性]鉄骨構造物を構築する鉄骨構造部材の危険断面を含む部分に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する熱処理を部分的に行った場合の該熱処理部が、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与える、微細なベイナイトを主体とする組織となること。 - 前記熱処理を行われる部分の長手方向の長さ(Lj)は、下記(2)式を満足する請求項1に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
Lj/D≧0.0308(L/D)・(σyj/σy)+0.039
・・・・・・・(2)
ただし、(2)式におけるLは前記鉄骨構造部材の全長の半分の長さを示し、Dはこの鉄骨構造部材の部材せいを示す。 - 前記熱処理を行われる部分の降伏強度(σyj)は、当該熱処理を行われる部分以外の部分の降伏強度(σy)の1.25倍以上である請求項1又は請求項2に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
- さらに、質量%で、B:0.0003〜0.003%及び/又はNb:0.003〜0.05%を含有する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
- さらに、質量%で、Cu:0.05〜1.5%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.03〜1.0%、Mo:0.03〜1.0%及びV:0.005〜0.1%のうちの1種又は2種以上を含有する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
- JIS G 0555により規定される清浄度が、dA60×400で0.040%以下、dB60×400で0.030%以下又はdC60×400で0.030%以下である請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
- 厚さ方向の中心に位置する偏析部は、質量%で、C:0.29%以下、P:0.30%及びMn:3.5%以下である鋼組成を有する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
- 質量%で、C:0.04〜0.18%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、sol.Al:0.06%以下、Ti:0.003〜0.030%、N:0.008%以下を含有し、2Nb+3Ti+Al:0.05%以上であり、さらに下記(1)式により規定される溶接割れ感受性指数(Pcm)は0.12〜0.27%である鉄骨構造部材の危険断面を含む部分に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の平均冷却速度で冷却を行う熱処理を部分的に行うことにより、当該熱処理部を、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与えることができる、微細なベイナイトを主体とする組織とすることを特徴とする鉄骨構造部材用鋼材の使用方法。
Pcm =C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)
+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B
・・・・・・・(1) - 前記熱処理を行われる部分の長手方向の長さ(Lj)は、下記(2)式を満足する請求項8に記載された鉄骨構造部材用鋼材の使用方法。
Lj/D≧0.0308(L/D)・(σyj/σy)+0.039
・・・・・・・(2)
ただし、(2)式におけるLは前記鉄骨構造部材の全長の半分の長さを示し、Dはこの鉄骨構造部材の部材せいを示す。 - 構成材料の少なくとも一つとして、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された鉄骨構造部材用鋼材を使用されてなることを特徴とする鉄骨構造物。
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