JP2005330513A - 鉄骨構造部材用鋼材、その使用方法及び鉄骨構造物 - Google Patents

鉄骨構造部材用鋼材、その使用方法及び鉄骨構造物 Download PDF

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Abstract

【課題】増厚工法のような特殊な加工を行うことなく、施工現場で鉄骨構造部材に部分的な熱処理を行うことにより、熱処理部の強度の上昇のみならず、熱処理部の靱性をも図ることができる鉄骨構造部材用鋼材と、この鉄骨構造部材用鋼材の使用方法と、この鉄骨構造部材用鋼材を用いた鉄骨構造物とを提供する。
【解決手段】C:0.04〜0.18%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、sol.Al:0.06%以下、Ti:0.003〜0.030%、N:0.008%以下を含有し、2Nb+3Ti+Al:0.05%以上であり、さらに、溶接割れ感受性指数(Pcm)が0.12〜0.27%である鉄骨構造部材1の危険断面を含む端面に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する熱処理を部分的に行うことにより、この熱処理部4を、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与える、微細なベイナイトを主体とする組織とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば建築物や橋梁等の鉄骨構造物を構成する鉄骨構造部材の素材として用いられる、例えば形鋼や鋼管あるいは厚板ビルドアップ材等の鉄骨構造部材用鋼材、その使用方法及び鉄骨構造物に関する。より具体的に説明すると、本発明は、部分的に熱処理を行うことにより、この熱処理を行われた部分の機械特性(主に強度)を他の部分の機械特性よりも向上させた鉄骨構造部材用鋼材、その使用方法及び鉄骨構造物に関する。
例えば建築物や橋梁等といった鉄骨構造物を構成する、柱や梁等といった鉄骨構造部材には、形鋼や鋼管あるいは厚板ビルドアップ材等を所定の長さに切断した部材が用いられる。鉄骨構造物に外力が作用した場合に柱や梁をなす鉄骨構造部材に生じる応力は、通常、長手方向に均一ではない。一般的には、この応力は、鉄骨構造部材の端部で最も大きくなるとともに中央部で最も小さくなる。これまで用いられてきた鉄骨構造部材は、長手方向に均一な強度を有するため、本来、鉄骨構造部材に生じる曲げ応力が最大となる危険断面を含む近傍領域だけが有していればよい高強度を、鉄骨構造部材の全長にわたって付与しており、鉄骨構造部材の大部分の領域で過剰なスペックを与えている。
そこで、鉄骨構造部材の危険断面を含む近傍領域のみに、建築構造物の施工現場で熱処理を行うことにより、危険断面を含む近傍領域の強度を部分的に上昇させ、鉄骨構造物の安全性を無駄なく確保することが提案されている。例えば特許文献1には、施工現場で、鉄骨構造部材の所定の長さの範囲に危険断面を含む近傍領域を高周波誘導加熱により部分的に加熱した後に急冷して焼きを入れる熱処理を行って高強度化することにより鉄骨構造物の安全性を高める発明が開示されている。
また、このような長手方向への応力の勾配を有さない通常の鉄骨構造部材であっても、ブレースの端部や柱及び梁で囲まれた部分であるパネルゾーンのように特定部分の強度を増加させた鉄骨構造部材を用いることも知られている。例えば特許文献2には、鉄骨構造部材の板厚を局部的に増加して補強することにより、部分的に熱処理されても熱処理部の靭性を低下させない最適な成分が開示されている。
特開平10−266340号公報 特開2002−212669号公報
特許文献1には、施工現場で焼入れ処理を行う旨開示されている。しかしながら、特許文献1には焼入れ処理を行う対象となる鋼の組成が何ら開示されていない。このため、焼入れ処理の対象である鋼の組成によっては、強度は上昇するものの靭性が著しく劣化してしまうおそれがある。例えば、溶接割れ感受性指数Pcmが高く、特に炭素量が高い鋼に焼入れ処理を行うと、マルテンサイト量が多くなり過ぎるために、強度上昇が著しく大きくなるとともに靱性も劣化する。逆に、溶接割れ感受性指数Pcmが低過ぎる鋼に焼入れ処理を行うとフェライト及びパーライト主体の混合組織となってしまい、所望の強度を得ることができない。場合によっては靱性も劣化してしまうおそれすらある。
一方、特許文献2により開示された発明を実施するには、板厚を部分的に増加させるために局部加熱装置だけではなく強力な圧縮装置が必要となる。このため、実際には、この発明は施行現場で確実に実施できるものではないとともに、また強力な圧縮装置に要する費用が嵩んでしまう。
本発明の目的は、増厚工法のような特殊な加工を必要とせず、鉄骨構造部材に部分的な熱処理を行うことにより、熱処理部の強度の上昇のみならず、熱処理部の靱性の確保をも充分に図ることができる鉄骨構造部材用鋼材、その使用方法及び鉄骨構造物を提供することである。
本発明は、C:0.04〜0.18%(本明細書では特にことわりがない限り「%」は「質量%」を意味するものとする)、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、sol.Al:0.06%以下、Ti:0.003〜0.030%、N:0.008%以下を含有し、2Nb+3Ti+Al:0.05%以上であり、Pcm =C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5Bにより規定される溶接割れ感受性指数(Pcm)が0.12〜0.27%であり、さらに、下記特性を備えることを特徴とする鉄骨構造部材用鋼材である。
[特性]鉄骨構造物を構築する鉄骨構造部材の危険断面を含む部分に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する熱処理を部分的に行った場合の該熱処理部が、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与える、微細なベイナイトを主体とする組織となること。
この本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材では、熱処理を行われる部分の長手方向の長さ(Lj)が、Lj/D≧0.0308(L/D)・(σyj/σy)+0.039を満足することが望ましい。ただし、この式におけるLは鉄骨構造部材の全長の半分の長さを示し、Dはこの鉄骨構造部材の部材せいを示す。
これらの本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材では、熱処理を行われる部分の降伏強度(σyj)が、熱処理を行われる部分以外の部分の降伏強度(σy)の1.25倍以上であることが望ましい。
これらの本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材は、さらに、B:0.0003〜0.003%又はNb:0.003〜0.05%の少なくとも一つを含有することが望ましい。
これらの本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材は、さらに、Cu:0.05〜1.5%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.03〜1.0%、Mo:0.03〜1.0%及びV:0.005〜0.1%のうちの1種又は2種以上を含有することが望ましい。
これらの本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材は、JIS G 0555により規定される清浄度が、dA60×400で0.040%以下、dB60×400で0.030%以下又はdC60×400で0.030%以下であることが望ましい。
さらに、これらの本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材では、厚さ方向の中心に位置する偏析部が、C:0.29%以下、P:0.30%及びMn:3.5%以下である鋼組成を有することが望ましい。
別の観点からは、本発明は、C:0.04〜0.18%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、sol.Al:0.06%以下、Ti:0.003〜0.030%、N:0.008%以下を含有し、2Nb+3Ti+Al:0.05%以上であり、さらに、Pcm =C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5Bにより規定される溶接割れ感受性指数(Pcm)が0.12〜0.27%である鉄骨構造部材の危険断面を含む部分に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の冷却速度で冷却する熱処理を部分的に行うことにより、この熱処理部を、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与える、微細なベイナイトを主体とする組織とすることを特徴とする鉄骨構造部材用鋼材の使用方法である。
この本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材の使用方法では、熱処理を行われる部分の長手方向の長さ(Lj)が、Lj/D≧0.0308(L/D)・(σyj/σy)+0.039を満足することが望ましい。ただし、この式におけるLは鉄骨構造部材の全長の半分の長さを示し、Dはこの鉄骨構造部材の部材せいを示す。
さらに別の観点からは、本発明は、構成材料の少なくとも一つとして、上記の本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材を使用されてなることを特徴とする鉄骨構造物である。
本発明により、増厚工法のような特殊な加工を行うことなく、鉄骨構造部材に部分的な熱処理を行うことにより、熱処理部の強度の上昇のみならず、熱処理部の靱性の向上をも図ることができる鉄骨構造部材用鋼材と、この鉄骨構造部材用鋼材の使用方法と、この鉄骨構造部材用鋼材を用いた鉄骨構造物とを提供することができる。
以下、本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材、その使用方法及び鉄骨構造物を実施するための最良の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では、本発明に係る鉄骨構造部材用鋼材が鋼板である場合を例にとるが、本発明は鋼板に限定されるものではなく、鋼板以外に形鋼や鋼管あるいは厚板ビルドアップ材等に対しても同様に適用可能である。
鉄骨構造物を構成する鉄骨構造部材に部分的な熱処理を施工現場で行うことにより、増厚工法のような特殊な加工を行わなくとも、熱処理部の強度の上昇を図りながら靱性を十分に確保するためには、この熱処理部の硬度を低減するとともに組織を微細化することが重要である。
鉄骨構造部材の熱処理部は、加熱後の冷却によりベイナイト又はマルテンサイトを主体とする組織となるため、(a)C含有量を低下して組織の硬度を下げること、(b)脆弱な炭素濃縮相が形成される場合は、C含有量を低下して炭素濃縮相の硬度及び量を低減すること、及び(c)Ti等のマイクロアロイを添加して熱処理部のオーステナイト粒径とベイナイトパケットの粗大化とをいずれも防止することに着目した。
そして、施工現場で部分的に熱処理を行われた鉄骨構造部材において、この熱処理部の機械特性、特に強度及び靱性を確保するためには、熱処理部を微細なベイナイトを主体とする組織とするとともに、熱処理部の硬度を低減することが有効である。しかし、熱処理部の硬度を低下し過ぎると熱処理部の強度が上昇しなくなり、本来の目的を達成できない。
本発明において、「ベイナイトを主体とする組織」とは、塊状のフェライト及びパーライトの面積率が20%以下であって残部がベイナイト、又は、ベイナイトと面積率で15%以下のマルテンサイト及び島状マルテンサイトとからなる組織を意味する。
このように現場で熱処理を行われた熱処理部の強度及び靱性を所望の値とするために、本実施の形態では、現場での熱処理の組織をベイナイト主体の組織とし、かつ組織の微細化を図ることが可能となるように、鉄骨構造部材の組成を調整しておく。そこで、次に、組成の限定理由を説明する。
C:0.04%以上0.18%以下
Cは、熱処理部の硬度及び靱性に大きな影響を与える元素である。C含有量が0.18%を越えると熱処理部である鋼板の端部の硬度上昇が過剰となり、靱性が劣化する。同様の観点からC含有量の上限は0.15%であることが望ましく、0.12%であることがさらに望ましい。逆に、C含有量が0.04%未満であると、熱処理部の強度上昇が不十分となる。同様の観点からC含有量の下限は0.06%であることが望ましい。
Si:0.02%以上0.50%以下
Siは、0.02%以上含有することにより脱酸作用及び強度上昇作用をともに奏する。逆にSi含有量が0.02%未満であると、脱酸が不十分となるため、Siは0.02%以上含有する。しかし、0.50%を越えて含有すると熱処理部の靱性が劣化する。特に鉄骨構造部材である鋼板の端部の強度上昇を目的とする場合にはSi含有量の下限は0.3%とすることが望ましく、0.2%とすることがさらに望ましい。
Mn:0.5%以上2.0%以下
Mnは、強度の向上のために含有する。Mnは、高い焼入性向上効果を奏するので合金元素の中でも特に有効である。Mn含有量が0.5%未満であると強度上昇効果が不十分である。同様の観点からMn含有量の下限は1.0%であることが望ましく、1.2%であることがさらに望ましい。一方、Mn含有量が2.0%を越えると熱処理部の硬度が過剰に上昇し、靱性が低下する。同様の観点からMn含有量の上限は1.6%であることが望ましい。
sol.Al:0.06%以下
Alは、特に連続鋳造等により素材となるスラブを製造する場合、欠陥のない鋼片を得るために必須な元素であり、その場合sol.Alとして約0.005%を越える量が残存する。しかし、熱処理部ではsol.AlはNと結合してAlNとなり、熱処理部のオーステナイト粒径を細粒化して靱性を向上させる。このため、sol.Alを0.01%以上含有することが望ましい。一方、sol.Alの含有量が0.06%を超えると熱処理部の靱性が劣化する。sol.Alの望ましい含有量の上限は0.04%であり、0.02%であることがさらに望ましい。
Ti:0.003%以上0.03%以下
Tiは、Nと結合してTiNを析出させ、熱処理部のオーステナイト粒径を微細にすることにより靱性の劣化を防止する。Nとの結合効果を持たせるためにTiは0.003%以上添加する。同様の観点からTi含有量の下限は0.01%であることが望ましい。しかし、Tiを0.03%を越えて含有すると、熱処理部にTi炭化物が析出するため、逆に熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点からTi含有量の上限は0.017%であることが望ましい。
N:0.008%以下
Nは、不純物として鋼中に含有されるが、NはTiと結合してTiNとなり、熱処理部の組織を微細にして靱性向上に有効である。しかし、N含有量が0.008%を越えて含有すると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点からN含有量の上限は0.006%であることが望ましく、0.004%であることがさらに望ましい。
2Nb+3Ti+Al:0.05%以上
鉄骨構造部材である鋼板の熱処理部の組織を微細にするためには、析出する炭化物や窒化物、さらには炭窒化物によるオーステナイト粒のピン止め効果を利用することが有効である。このためには、炭化物、窒化物あるいは炭窒化物を形成する元素であるNb、Ti、Alが、2Nb+3Ti+Al:0.05%以上の関係を満足することが有効である。
溶接割れ感受性指数Pcm:0.12%以上0.27%以下
鉄骨構造部材である鋼板の熱処理部の硬度を低減するためには、Cをはじめとする添加元素の含有量を制限する必要がある。Pcm =C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)+(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5Bとして規定される溶接割れ感受性指数Pcmが0.27%を越えると熱処理部の硬度が過剰となって靱性が劣化する。同様の観点から上限は0.22%であることが望ましい。一方、溶接割れ感受性指数Pcmが0.12%未満であると熱処理部の硬度が不足し、本来の目的を達成できない。同様の観点から下限は0.16%であることが望ましい。
B:0.0003%以上0.003%以下
Bは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Bは、熱処理部の強度上昇に有効であるばかりでなく、BNとして析出することにより熱処理部の組織を微細にし、熱処理部の靱性向上に有効である。熱処理部の強度上昇のため添加する場合には0.0003%以上添加する。同様の観点から下限は0.0005%であることが望ましい。一方、B含有量が0.003%を越えても添加に見合うだけの強度上昇が得られない。同様の観点から上限は0.002%であることが望ましい。
Nb:0.003%以上0.05%以下
Nbは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Nbは、0.003%以上含有することにより熱処理部の強度上昇に効果があるだけではなく、熱処理部のオーステナイト粒径を小さくすることにより熱処理部の靱性改善に有効である。しかし、0.05%超含有してもこのような効果は飽和しコストが嵩むだけとなる。同様の観点から、下限は0.01%であることが望ましく、上限は0.04%であることが望ましい。
Cu:0.05%以上1.5%以下
Cuは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Cuは、0.05%以上含有することにより熱処理部の焼入性向上に効果があり、熱処理部の強度が上昇する。しかし、Cu含有量が1.5%を越えると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点からCu含有量の上限は0.8%であることが望ましく、0.3%であることがさらに望ましい。
Ni:0.05%以上2.0%以下
Niは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Niは、0.05%以上含有することにより熱処理部の焼入性向上に効果があり、熱処理部の強度が上昇する。しかし、Ni含有量が2.0%を越えてもコスト上昇に見合うだけの強度上昇が期待できない。
Cu:0.05%以上1.5%以下
Cuは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Cuは、0.05%以上含有することにより熱処理部の焼入性向上に効果があり、熱処理部の強度が上昇する。しかし、1.5%を越えて含有すると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点から上限は0.8%であることが望ましく、0.3%であることがさらに望ましい。
Cr:0.03%以上1.0%以下
Crは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Crは、0.03%以上含有することにより熱処理部の焼入性向上に効果があり、熱処理部の強度が上昇する。しかし、1.0%を越えて添加すると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点から、下限は0.3%であることが望ましく、上限は0.6%であることが望ましい。
Mo:0.03%以上1.0%以下
Moは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Moは、0.03%以上含有することにより熱処理部の焼入性向上に特に効果があり、熱処理部の強度が上昇する。しかし、1.0%を越えて添加すると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点から下限は0.2%であることが望ましく、上限は0.5%であることが望ましい。
V:0.005%以上0.1%以下
Vは、必要に応じて添加される任意添加元素である。Vは、強度上昇の観点から0.005%添加することが有効である。しかし、0.1%を越えて添加すると熱処理部の靱性が劣化する。同様の観点から下限は0.01%であることが望ましく、上限は0.05%であることが望ましい。
上記以外はFe及び不可避的不純物である。
本発明に係る鉄骨構造部材としての鋼板は、建築物や橋梁等といった鉄骨構造物の構成部材として、高い信頼性を要求されるため、鋼の清浄度や中心偏析の程度は、この信頼性を確保するために重要な管理項目となる。そこで、本実施の形態の鉄骨構造部材としての鋼板の清浄度及び中心偏析について説明する。
清浄度
本実施の形態の鉄骨構造部材としての鋼板は、例えば端部等の危険断面を含む部位を施工現場で熱処理した後に水冷後用いられる。このため、偏析による過剰な焼入性を奏する部位や過剰の介在物が存在する部位が存在すると、この鋼板の靱性が劣化する。そこで、鋼の清浄度は、JIS G 0555に規定された「鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法」の点算法による顕微鏡試験方法によって測定された鋼の清浄度が、dA60×400で0.040%以下、dB60×400で0.030%以下、又はdC60×400で0.030%以下であることが望ましい。
なお、本実施の形態では、この清浄度を求める際に用いるは介在物の個数は、以下に説明する手段によって、測定した。鋼表面を縦横20本の格子線が入った接眼レンズを用いて400倍で60視野をランダムに観察し、介在物によって占めた格子点中心の数nをカウントし、清浄度d=(n/p×f)×100として算出した。ここで、p:視野内の総格子点数 f:視野数 n:f個の視野における介在物によって占められる格子点中心の数である。
偏析部の濃度
鉄骨構造部材の素材となる連続鋳造スラブ等の鋼片には不可避的に中心偏析を伴うが、この中心偏析は鉄骨構造部材である鋼板のフランジ及びウェブそれぞれの厚さ方向の中心に残存して、鋼板の靱性を著しく劣化させる。この偏析部におけるC濃度が0.29%超であると、熱処理後の偏析部の硬度が過剰に大きくなって靱性が劣化する。このため、偏析部のC濃度は0.29%以下であることが望ましい。同様に偏析部のP濃度が0.30%超、Mn濃度が3.5%超であると、熱処理後の偏析部の硬度が過剰に大きくなって靱性が劣化する。そこで、偏析部は、C:0.29%以下、P:0.30%以下、Mn:3.5%以下であることが望ましい。
以上のような組成、清浄度及び偏析部濃度を有する鉄骨構造部材を製造するためには、例えば精錬に際し、精錬初期にAl脱酸を大部分進行させることは避けることが望ましい。Al以外の組成の調整をMn及びSi等とともに行い、さらにTi等により脱酸が進行した後、出鋼直前にAlを微量溶鋼中に投入し、得られた溶鋼を鋳造することが望ましい。
また、鋳造に際して、連続鋳造又はインゴット鋳造を行うが、凝固速度の点から連続鋳造を行うほうが好ましい。また、インゴット鋳造の場合は、熱間圧延に先立って、分塊圧延により鋼片を製造する工程を余分に経なければならずコストが嵩むとともに、歩留まりも低下する。
上述した組成、清浄度及び偏析部濃度を有する鋼の連続鋳造は、溶製段階において介在物を減少させることを目的として、例えば、転炉→取鍋内溶鋼への不活性ガス吹き込み処理を行うことにより、実現できる。本実施の形態における精錬条件及び連続鋳造条件を、以下に列記してまとめて示す。
[精錬条件]
処理方法:取鍋内溶鋼への不活性ガス吹き込み処理
プロセス:転炉→取鍋内溶鋼への不活性ガス吹き込み処理→連続鋳造
精錬処理時間:1〜15分
精錬処理雰囲気/真空度:大気圧
[連続鋳造条件]
鋳込速度:0.4〜2.0m/分
タンディッシュ内溶鋼温度:ΔT(計算液相線温度とタンディッシュ内溶鋼温度の差;2 0〜35℃)
比水量:0.2〜2.0リットル/溶鋼kg
なお、これらの条件以外に鋳込み時の吐出流量管理として連続鋳造鋳型の近傍に設けた電磁制動装置により1000〜5000ガウスで電磁ブレーキをかけたり、250〜1000ガウスで未凝固溶鋼に電磁攪拌処理を行ったり、あるいは、最終凝固部を1mm/m程度の勾配で圧下して濃厚偏析の溶鋼を最終凝固部から搾り出すこととしてもよい。
本実施の形態では、このようにして製造された鋼片を所定の温度に加熱して、熱間圧延を行い、その後、水冷もしくは空冷を行うことにより、鋼板とする。
鋼片の加熱温度は950℃以上1200℃以下とすることが望ましく、熱間圧延の仕上げ温度は700℃以上とすることが望ましい。加熱温度が950℃未満であると、オーステナイトへの変態が十分でなく、圧延及び冷却後の強度及び靱性がともに劣化する。一方、加熱温度が1200℃を超えるとオーステナイト粒径が粗大になるために、熱処理を行われない部分の靱性が劣化する。
また、熱間圧延の仕上げ温度が700℃未満であると、フェライトとオーステナイトの二相域での圧下量が大きくなり、製造される鋼板の特性の異方性が顕著に生じるため、熱間圧延の仕上げ温度は700℃以上とすることが望ましい。また、900℃以下での圧下量は、組織を微細化するために10%以上とすることが望ましい。
熱間圧延後の冷却は、空冷又は水冷とする。水冷の場合には、鋼板の表面温度で450℃以下まで水冷することが望ましい。水冷した鋼板は、場合によってAc1点以下の温度域で焼き戻すことができる。Ac1点以下で焼き戻すことにより、強度は低下するものの靱性は向上する。
本実施の形態の鉄骨構造部材用鋼板は、以上のようにして製造される。この鉄骨構造部材は、下記特性を備えるものである。
[特性]鉄骨構造部材としての危険断面を含む部分に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する熱処理を部分的に行った場合のこの熱処理部が、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与える、微細なベイナイトを主体とする組織となること。
ここで「平均冷却速度」とは、鋼材の表面温度で800℃から500℃まで冷却する時の冷却時間をt(秒)とした場合に300/t(℃/秒)として算出される。なお、形鋼の場合には、フランジ先端からフランジ幅の1/4の個所の表面の温度を用いる。また、角形鋼管の場合には、外側又は外側及び内側から冷却するが、この「平均冷却速度」は外側の表面部の温度を用いる。
熱処理の条件を、強度上昇を図りたい部分を800℃以上に加熱し、その後800〜500℃間を3℃/秒以上の平均冷却速度と限定する理由を説明する。
加熱温度が800℃以下では、熱処理を加える領域における焼き入れ組織の分率が必要以下に少なくなり、熱処理による強度上昇が望めなくなる。一方、平均冷却速度が3℃/秒未満では、冷却速度が小さ過ぎて焼き入れが不十分となり、強度上昇が望めなくなる。望ましい範囲は、900℃以上の温度に2秒間以上加熱し、平均冷却速度を5℃/s以上とすることである。
次に、この鉄骨構造部材を鉄骨構造物に適用する場合を、添付図面を参照しながら説明する。
図1(a)〜図1(c)は、いずれも、鉄骨構造物0に適用された本実施の形態の鉄骨構造部材1を示す説明図である。
図1(a)及び図1(c)では、梁である本実施の形態の鉄骨構造部材1と、柱である鉄骨構造部材2とを溶接部3により溶接した状態であって、鉄骨構造部材1の端部を含む熱処理領域4を加熱及び水冷する熱処理を施した状況を示す。また、図1(b)では、梁である鉄骨構造部材5と、柱である鉄骨構造部材2と、ブレースである本実施の形態の鉄骨構造部材1とを溶接部3により溶接した状態であって、鉄骨構造部材1の端部を含む熱処理部4を加熱及び水冷する熱処理を施した状況を示す。なお、図1(a)〜図1(c)における符号6は通しダイアフラムを示し、符号7は内ダイアフラムを示し、符号8はパネルゾーンを示す。
鉄骨構造部材1には、鉄骨構造物0に外力が作用した際に、材軸方向(長手方向)へモーメント勾配(応力勾配)を生じる。その応力は一般に、端部において最大となるので、図1(a)〜図1(c)に示す例では、鉄骨構造部材1の端部を含む領域を熱処理部4として、この部分を熱処理により強度を高めて補強する。
ところで、図1(b)に示す、本発明を適用された鉄骨構造部材1であるブレースでは、鉄骨構造物0に外力が作用した際に発生する応力は基本的に材軸方向に一定である。しかし、ブレースが降伏した際に発生する塑性化領域を熱処理部4以外の領域とすることにより、端部の早期破壊(溶接部)を防止することができる。
また、図1(c)に示す、本発明をパネルゾーン8に適用した場合、鉄骨構造物0に外力が作用すると、柱や梁よりも先行してパネルゾーン8が破壊することを防止するために、部位に補強がなされる場合がある。図1(a)及び図1(b)に示すように、パネルゾーン8が溶接接合で構成される通しダイアフラム形式の柱である場合には、パネルゾーン8のみを高強度鋼材、又は板厚を増加した鋼材にすることにより、比較的容易に熱処理を行うことが可能である。しかし、図1(c)に示すように、内ダイアフラム形式の柱7である場合には、本工法によるパネルゾーン補強が合理的である。
すなわち、鉄骨構造部材1の耐力特性及び塑性変形能力を向上させるには、長手方向の端部(溶接部)に存在する危険断面を含む領域における早期の破壊を防ぐことが重要であり、このためには(i)危険断面を含む領域及びこれ以外の領域の靭性を確保し、脆性的な破断現象の発生を防止することが必要である。さらに、これに加えて、(ii)危険断面を含む領域よりも先にこれ以外の領域を降伏させることによって危険断面を含まない領域を主体に塑性化領域を進展させることが、望ましい。
本実施の形態では、この鉄骨構造部材1としての危険断面を含む端部を含む熱処理部4に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒の平均冷却速度で放冷する熱処理を部分的に行うことにより、この熱処理部4を、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与える、微細なベイナイトを主体とする組織とする。これにより上記(i)項を達成される。
次に、上記(ii)項を達成するために手段を説明する。
図2は、鋼板部材又は角形鋼管部材の鉄骨構造部材1を全長(2L)の半分をキャンチレバー(全長L)に単純化して、熱処理を施した熱処理部4の降伏強度σyjと、熱処理部4を除いた非熱処理部9の降伏強度σyとの比(σyj/σy、以下「降伏強度比」という)と、熱処理部4の長さLjの関係を検討するための説明図である。
非熱処理部9が熱処理部4よりも先に全塑性モーメントに到達する条件は、(1)式により与えられる。
hMp/cMp>ν ・・・・・・・(1)
ここで、hMpは熱処理部4の全塑性モーメント(=σyj・Zp)を示し、cMpは非熱処理部9の全塑性モーメント(bMp=σy・Zp)を梁端モーメントに換算したもので、
cMyp=φ・bMp、φ=L/(L−Lj) ・・・・・・・(2)
として与えられる。(2)式においてLjは熱処理部4の長さを示し、Zpは塑性断面係数を示し、符号σyjは熱処理部4の降伏強度を示し、符号σyは非熱処理部9の降伏強度を示し、さらに、符号νは安全率であって1.0以上の値である。
ここで、(1)式及び(2)式により(3)式が得られる。
hMp/bMp(1−Lj/L)>ν ・・・・・・・(3)
図3(a)は鋼板部材及び角形鋼管部材等の鉄骨構造部材1の全部の断面領域に熱処理を行う場合を示し、図3(b)は鋼板部材及び角形鋼管部材等の鉄骨構造部材の一部の断面領域に熱処理を行う場合を示す。
図3(a)に示すように、熱処理部4の断面全体に熱処理が施されるために全断面が均一に強度上昇するため、hMp/bMp=σyj/σyであるから、(3)式より、
σyj/σy(1−Lj/L)>ν ・・・・・・・(4)
となる。
しかし、図3(b)に示すように、熱処理部4の一部の断面に熱処理が施される場合には、hMp/bMp<σyj/σyとなるので、確実に非熱処理部9を先行して降伏させるには、図3(a)に示す場合よりも安全率νを大きく設定する必要がある。例えば、H900×B250×tw19×tf25の寸法を有する鋼板部材の端部に、σyj/σy=1.40となる熱処理部4を設ける場合には、図3(a)に示すように全部の断面領域に対して行うときには
hMp/bMp=σyj/σy=1.40 ・・・・・・・(A)
となり、図3(b)に示すように一部の断面領域に対して行うときには
hMp/bMp=1.26 ・・・・・・・(B)
となる。図3(b)に示す場合に非熱処理部9を先行して降伏させるには、(4)式の安全率νを上記の(B)と(A)の比率(A/B、上記のケースでは1.40/1.26=1.11)以上の値に設定する必要がある。
また、(4)式が成立している条件下で、端部の溶接部の先行破壊を防止するには、最大耐力の比率hMu/bMuを全塑性耐力の比率(hMp/bMp)以上とする必要がある。最大耐力の比率(hMu/bMu)は断面素材の引張強度(σuj/σu)の比率に概ね対応する。したがって、σuj/σu<σyj/σyの場合には、(4)式における安全率νを(σyj/σy)/(σuj/σu)を上回る値に設定することが望ましい。
以上の観点から、安全率νは、
σyj/σy(1−Lj/L)>1.2 ・・・・・・・(5)
と設定することが望ましく、(5)式によれば、熱処理部4の長さLjが小さいほど、降伏強度比(σyj/σy)は小さくてよいこととなる。
ところが、熱処理部4が小さいと、鉄骨構造部材1の端部に有害な歪集中が発生し、鉄骨構造部材1の端部の早期破壊を招いてしまう。
そこで、鋼板梁及びボックス柱を対象とした図2及び図3に示すモデルについて、合計178ケースの3次元有限要素解析(FEM解析)を行い、端部の歪値が最小となる最適な熱処理部4の長さLjoptを調べた。
図4(a)〜図4(d)は、いずれも、FEM解析により求めた最大耐力時の端部の材軸方向歪(hε,図4では降伏歪εyで基準化したhε/εyを縦軸にプロットした)と熱処理部4の長さLj(部材の高さDで基準化したLj/Dを横軸にプロットした)との関係例を示すグラフである。なお、特記されていない場合は、σyj/σy=1.26である。図4(a)〜図4(d)に示すグラフから、いずれのケースにおいても、端部の歪みが最小となる最適な補強長さLjoptが存在することが判る。
また、図4(e)は、図4(a)〜図4(d)に示す図から得られた最適な熱処理部4の長さLjoptと鉄骨構造部材1の長さと降伏強度比との積((L/D)*(σyj/σy))との関係を示すグラフである。これらの相関関係を回帰して(6)式が得られる。その誤差は±0.1D以内であることから、最小の熱処理部4の長さLjminとして(7)式が求められる。熱処理部4の長さLjは、(7)式により求められる最小補強長さLjmin以上となるよう設定することが望ましい。
Ljopt/D=0.0308(L/D)・(σyj/σy)+0.139 [中央値] ・・・・・・・・(6)
Ljmin/D=0.0308(L/D)・(σyj/σy)+0.039 [下限値] ・・・・・・・・(7)
熱処理部4が最小長さLjminであるときに必要となる降伏強度比(σyj/σy)を求める。(7)式のLjminを(5)式のLjに代入して(8)式を得る。
L/D>0.039/[1−0.0308(σyj/σy)−1.2(σy/σyj)] ・・・・・・・(8)
(8)式を図示すると、図5のグラフが得られる。この図5に示すグラフから、降伏強度比(σyj/σy)は1.25以上とすることが望ましいことがわかる。なお、一般にL/Dの値は2以上である。
このように、本実施の形態では、上述した鋼組成を有する鉄骨構造部材1を鉄骨構造物0に適用する場合には、(i)降伏強度比(σyj/σy):1.25以上、及び(ii)強長さLj:Ljmin/D=0.0308(L/D)・(σyj/σy)+0.039により計算される最小補強長さLjmin以上を満足することが、十分な補強効果を維持し、従来と同様に鉄骨構造部材1の端部に補強材を溶接する必要が生じたり、また鉄骨構造部材1の端部が早期に破壊することを、確実に防ぐことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、増厚工法のような特殊な加工を行うことなく、鉄骨構造部材に部分的な熱処理を行うことにより、熱処理部の強度の上昇のみならず、熱処理部の靱性をも図ることができる鉄骨構造部材用鋼材と、この鉄骨構造部材用鋼材の使用方法と、この鉄骨構造部材用鋼材を用いた鉄骨構造物とを提供することができる。
さらに本発明を実施例を参照しながら詳細に説明する。
表1には本実施例で用いた試料の組成(質量%)、Pcm値及び板厚(mm)を示す。
Figure 2005330513
これらの試料1〜X13はいずれも試作試験用の鋼板として溶解したものであり、試料1〜14についてはいずれも本発明が規定する範囲を満足するものである。これに対して、試料X1〜X13については、化学成分のうち少なくとも1つ以上が本発明の範囲ではないものである。
溶解は、実験溶製装置を用い、原料鉄を装入し、溶け落ち後15分間脱ガスを行った。この際、初装入炭素は存在していてもいなくともどちらでもよい。C、Si、Mn等の添加元素を添加し、さらに追加添加により添加成分量を微調整した後、攪拌及び均一化を行った。このあと、AlとTiを添加し、最終状態の溶鋼とした。溶鋼は鋳型に鋳込まれて鋳造された。
これらを、1150℃に加熱した後に900℃で仕上げる熱間圧延を行って、表1に示す板厚まで圧延した後、空冷して鋼板とした。この鋼板の偏析部のC、P、Mn濃度(%)及び介在物の個数を表2に示す。
Figure 2005330513
こうして得られた鋼板に対して局部的に熱処理を行う強化試験を行った。各鋼材を、高周波加熱装置で1000℃まで加熱し、30秒間保持した後、室温まで10℃〜15℃/秒の冷却速度で冷却した。熱処理した部分から試験片を採取し、引張試験及びシャルピー衝撃試験を行った。引張試験の結果(YS、TS(MPa))、及びシャルピー衝撃試験の結果(J、0℃)を表3に示す。なお、表2、3における熱処理条件A〜Eにおける加熱温度(℃)及び冷却速度(℃/s)を表4に示す。
Figure 2005330513
Figure 2005330513
表3に示すように、試料番号1〜14については、本発明例の鋼板を熱処理した場合の結果を示す。熱処理部以外の部分(母材部)でYS:350MPa以上、TS:450MPa以上、0℃でのシャルピー吸収エネルギー:70J以上の特性が得られている。
さらに、熱処理部(TQ部)では、YS:450MPa以上、TS:550MPa以上に強化されている上、0℃でのシャルピー吸収エネルギー:70J以上が付与されている。
これらに対し、比較例のX1〜X13では、強度又は靱性のいずれかを満足できていない。C量、Mn量が過少であるX1、X4では熱処理部以外の部分及び熱処理部の強度が不足する。逆に、それ以外の例では、成分量が不適切であったり、偏析や介在物量が過剰であるために母材や熱処理部の靱性が不足する。
なお、本例では、例えば表3のMark4(σy=449MPa、σu=518MPa、σyj=601MPa、σuj=606MPa)では、σuj/σu=1.17、σyj/σy=1.34となり、端部を母材部より先に破壊させないためには安全率νを(σyj/σy)/(σuj/σu)=1.14以上の値に設定する必要がある。
図1(a)に示すようにして使用される鉄骨構造部材1を想定し、3点曲げ試験を行った。試験体の形状を図6に、また、実験パラメターである補強部の詳細を図7に示す。
図6の試験体は、全長4000mmの3点曲げH形断面梁で、両端を支点とし中央部の板厚25mmの仕切り板を載荷点とする。試験体には、横座屈を防止する目的で座屈止めが4箇所設置されている。本実験は、中央の仕切り板を挟んで右側部分(試験梁)を破壊させる実験である。左側部分のH形鋼断面梁(加力梁)は、断面を右側の梁よりも大きくするとともに、仕切り板近傍の梁フランジにはカバープレートが溶接され、左側部分が破壊しないように設計されている。右側の仕切り板からLjの範囲が実験パラメターとなる梁端補強部で、図7及び表5に示すような補強が施される。試験体には合計8個の変位計(δ1〜δ8)を取り付け、各部の鉛直方向の変位を測定した。
試験体への載荷は、試験体中央部への繰り返し載荷とし、試験梁側の部材角(R=δc/L、δcは試験体中央部の鉛直変位、Lは1987.5mm)で制御した。その制御は、R=±1/400で1回繰り返した後、R=±1/60(約1.67δp)、R=±2/60(3.33δp)、R=±3/60(約5δp)、R=±4/60(約6.67δp)をそれぞれ2回ずつ繰り返した。
また、使用した鋼材及び断面寸法は表5に、使用した鋼材の機械的性質を表6に示す。
Figure 2005330513
Figure 2005330513
図7及び表5におけるBHH試験体が本発明例に対応する試験体であり、非熱処理に相当する部分(以下、「母材部」という)をSM490A鋼板のビルトHとし、熱処理部に相当する部分(以下、「補強部」という)についてはSA440鋼板のビルトHを母材部に溶接接合することにより熱処理による強度上昇を模擬した。
SA440鋼板は、母材部と同厚の鋼板を用い、組立て前の平板の段階で母材部であるSM490A材と溶接接合し、その後、表面を平滑に仕上げている。BHH1からBHH3は、図3(a)に対応する試験体で、Ljの値を125mm(BHH3)〜275mm(BHH1)まで変化させている。BHH4試験体は、図3(b)に対応する試験体で、補強部の梁フランジのみにSA440鋼板を溶接接合したものである(Ljは275mm)。一方、表5におけるSPH試験体は、比較のために行ったサイドプレート試験体であり、端部のフランジ幅を166mmから254mmに拡幅することにより端部を補強するものである。いずれの試験体も梁端と仕切り板との接合は、ノンスカラップ仕様とし、梁フランジ端部はR10で滑らかに仕上げた。
BHH試験体の降伏強度比(σyj/σy)は、フランジ部の強度で評価すると1.395であった。一方、BHH試験体の最適な補強部(熱処理部に相当)の長さLjopt及び最小の補強部(熱処理部に相当)の長さLjminは、以下のようであり、BHH試験体のLjはいずれもLjmin以上の値に設定されている。
L=1987.5mm及びD=440mmとして、Ljopt=(0.0308×(L/D)×(σyj/σy)+0.139)×440=(0.0308×(1987.5/440)×1.395+0.139)×440=147mm、Ljmin=(0.0308×(L/D)×(σyj/σy)+0.039)×440=(0.0308×1987.5×(1987.5/440)×1.395+0.039)×440=103mm
試験結果を表7にまとめて示す。なお、表7におけるeMpはgeneral yield法による全塑性耐力を示し、eMuは最大耐力(正負のいずれか大きいほう)を示し、Σθは破壊までの累積塑性回転角(正負の合計値)を示し、θは試験体中央部でのたわみを材長Lで除して得られる値であり、Σθは破壊時に耐力が最大耐力から5%低下した点をもって評価した。
Figure 2005330513
本発明例(BHH)では、試験体の端部はいずれも健全で、補強部近傍の母材部の破壊で最大耐力が決定した。BHH試験体は、いずれも母材部に局部座屈が発生して最大耐力に到達し、最大耐力以降も穏やかな荷重低下を起こしながら、依然エネルギー吸収能力を保持している。母材部の性能をフルに発揮した破壊モードといえる。
一方、比較例であるSPH試験体ではサイドプレートの起点部に延性亀裂が発生し急激な耐力低下を引き起こした。
図1(a)〜図1(c)は、いずれも、鉄骨構造物に適用された本実施の形態の鉄骨構造部材を示す説明図である。 鋼板部材又は角形鋼管部材の鉄骨構造部材を全長(2L)の半分をキャンチレバー(全長L)に単純化して、熱処理を施した熱処理部の降伏強度σyjと、熱処理部を除いた非熱処理部の降伏強度σyとの比と、熱処理部の長さLjの関係を検討するための説明図である。 図3(a)は鋼板部材及び角形鋼管部材等の鉄骨構造部材の全断面領域に熱処理を行う場合を示す説明図であり、図3(b)は鋼板部材及び角形鋼管部材等の鉄骨構造部材の一部の断面領域に熱処理を行う場合を示す説明図である。 図4(a)〜図4(d)は、いずれも、FEM解析により求めた最大耐力時の端部の材軸方向歪と熱処理部の長さLjとの関係例を示したグラフである。 (8)式を関係を図示するグラフである。 実施例2における試験体の形状を示す説明図ある。 試験体の補強部(実施例2における熱処理部に相当)の詳細を示す説明図である。
符号の説明
1 鉄骨構造部材
2 鉄骨構造部材
3 溶接部
4 熱処理部
5 鉄骨構造部材
6 通しダイアフラム
7 内ダイアフラム形式の柱
8 パネルゾーン
9 非熱処理部

Claims (10)

  1. 質量%で、C:0.04〜0.18%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、sol.Al:0.06%以下、Ti:0.003〜0.030%、N:0.008%以下を含有し、2Nb+3Ti+Al:0.05%以上であり、下記(1)式により規定される溶接割れ感受性指数(Pcm)は0.12〜0.27%であり、さらに、下記特性を備えることを特徴とする鉄骨構造部材用鋼材。
    Pcm =C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)
    +(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B
    ・ ・・・・・・(1)
    [特性]鉄骨構造物を構築する鉄骨構造部材の危険断面を含む部分に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する熱処理を部分的に行った場合の該熱処理部が、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与える、微細なベイナイトを主体とする組織となること。
  2. 前記熱処理を行われる部分の長手方向の長さ(Lj)は、下記(2)式を満足する請求項1に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
    Lj/D≧0.0308(L/D)・(σyj/σy)+0.039
    ・・・・・・・(2)
    ただし、(2)式におけるLは前記鉄骨構造部材の全長の半分の長さを示し、Dはこの鉄骨構造部材の部材せいを示す。
  3. 前記熱処理を行われる部分の降伏強度(σyj)は、当該熱処理を行われる部分以外の部分の降伏強度(σy)の1.25倍以上である請求項1又は請求項2に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
  4. さらに、質量%で、B:0.0003〜0.003%及び/又はNb:0.003〜0.05%を含有する請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
  5. さらに、質量%で、Cu:0.05〜1.5%、Ni:0.05〜2.0%、Cr:0.03〜1.0%、Mo:0.03〜1.0%及びV:0.005〜0.1%のうちの1種又は2種以上を含有する請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
  6. JIS G 0555により規定される清浄度が、dA60×400で0.040%以下、dB60×400で0.030%以下又はdC60×400で0.030%以下である請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
  7. 厚さ方向の中心に位置する偏析部は、質量%で、C:0.29%以下、P:0.30%及びMn:3.5%以下である鋼組成を有する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された鉄骨構造部材用鋼材。
  8. 質量%で、C:0.04〜0.18%、Si:0.02〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、sol.Al:0.06%以下、Ti:0.003〜0.030%、N:0.008%以下を含有し、2Nb+3Ti+Al:0.05%以上であり、さらに下記(1)式により規定される溶接割れ感受性指数(Pcm)は0.12〜0.27%である鉄骨構造部材の危険断面を含む部分に対して、800℃以上に加熱してから800℃から500℃までを3℃/秒以上の平均冷却速度で冷却を行う熱処理を部分的に行うことにより、当該熱処理部を、70J以上の0℃シャルピー吸収エネルギーを与えることができる、微細なベイナイトを主体とする組織とすることを特徴とする鉄骨構造部材用鋼材の使用方法。
    Pcm =C+(Si/30)+(Mn/20)+(Cu/20)+(Ni/60)
    +(Cr/20)+(Mo/15)+(V/10)+5B
    ・・・・・・・(1)
  9. 前記熱処理を行われる部分の長手方向の長さ(Lj)は、下記(2)式を満足する請求項8に記載された鉄骨構造部材用鋼材の使用方法。
    Lj/D≧0.0308(L/D)・(σyj/σy)+0.039
    ・・・・・・・(2)
    ただし、(2)式におけるLは前記鉄骨構造部材の全長の半分の長さを示し、Dはこの鉄骨構造部材の部材せいを示す。
  10. 構成材料の少なくとも一つとして、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された鉄骨構造部材用鋼材を使用されてなることを特徴とする鉄骨構造物。
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