JP2005329604A - 断熱性金型構造 - Google Patents

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【課題】樹脂製の芯材を埋設した自動車用ウェザーストリップの押出成形品の端部同士を型成形接続する際に、芯材が軟化してウェザーストリップが変形することを抑制する断熱性金型構造を提供する。
【解決手段】樹脂製の芯材13が埋設された断面U字状の取付基部12に中空シール部14が一体的に押出成形されてなる自動車用ウェザーストリップ10の端部同士を所定間隔をあけて対向させた状態で保持し、前記所定間隔に型成形材料を注入して型成形接続するための金型構造1であって、前記中空シール部14と取付基部12の内側部分を除く部分であって、前記芯材13が埋設された取付基部12を囲むようにして断熱材2を金型に設けてなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂製の芯材を埋設した自動車用ウェザーストリップの押出成形品の端部同士を型成形接続する断熱性金型構造に関するものである。
自動車用ウェザーストリップは、通常、金属製の芯材を配した押出成形品の端部同士を対向させた状態で金型内で保持し、その金型内に溶融ゴム材等の型成形材料を注入して前記端部同士を型成形接続している。
近年、ウェザーストリップの軽量化およびリサイクル化の要求が強まる中で、芯材を金属製から樹脂製に代えた押出成形品が多く使用されているが、従来の通常の金型によって、樹脂製の芯材を埋設した押出成形品の端部同士を型成形接続すると、芯材が金型の熱によって軟化してしまう。そのため、押出成形品が、金型内に注入されたゴム材等の圧力によって変形し、浮き上がることにより外観の見栄えが低下するといった問題が発生する。
これは、樹脂製の芯材の耐熱温度が約160℃であるため、金型をこの温度条件に対応させると型成形接続時間が大幅に長くなるので、金型温度をそれより高く設定して接続時間を短縮していることに起因するものである。
こうした変形の問題を解決するために金型に断熱材を設けることが考えられる。また、これまでに金型に断熱材を設けた技術は存在する(例えば、特許文献1参照)。
特公平7−20619号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、押出成形品であるゴム一次成形体(100)にコーナー部を形成すべく、切除部分(106)を形成し、金型内でこの切除部分(106)にゴム材を注入するものであり、断熱材15は、芯材(板金インサート104)に金型の熱が伝わるのを抑制するようには設けられていない。
従って、この従来技術において、板金インサート(104)に代えて、樹脂製の芯材を使用すると、当該芯材は軟化し、ウェザーストリップは変形してしまうため、冷却水等による金型冷却が必要となっている。
そこで、本発明の目的とするところは、樹脂製の芯材を埋設した自動車用ウェザーストリップの押出成形品の端部同士を型成形接続する際に、芯材が軟化してウェザーストリップが変形することを抑制する断熱性金型構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の断熱性金型構造は、少なくとも樹脂製の芯材(13,23,33)が埋設された取付基部(12,22,32)が押出成形されてなる自動車用ウェザーストリップ(10,20,30)の端部同士を所定間隔をあけて対向させた状態で保持し、前記所定間隔に型成形材料を注入して型成形接続するための金型構造(1)であって、前記芯材(13,23,33)が埋設された取付基部(12,22,32)を囲むようにして断熱材(2)を金型に設けてなることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、樹脂製の芯材(13,23)が埋設された断面U字状の取付基部(12,22)に中空シール部(14,24)が一体的に押出成形されてなる自動車用ウェザーストリップ(10,20)の端部同士を所定間隔をあけて対向させた状態で保持し、前記所定間隔に型成形材料を注入して型成形接続するための金型構造(1)であって、前記中空シール部(14,24)と取付基部(12,22)の内側部分を除く部分であって、前記芯材(13,23)が埋設された取付基部(12,22)を囲むようにして断熱材(2)を金型に設けてなることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記中空シール部(14)は、前記取付基部(12)の側面に一体成形されたものであることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記中空シール部(24)は、前記取付基部(22)の側面間を連結する底面に一体成形されたものであることを特徴とする。
さらに、請求項5に記載の発明は、前記取付基部(12,22,32)の内側部分にも更に断熱材(2)を設けてなることを特徴とする。
またさらに、請求項6に記載の発明は、前記断熱材(2)の前記所定間隔側の先端(2a)を、前記金型で保持された自動車用ウェザーストリップ(10)の端部(C)から、対向する端部側とは逆側に僅かに、例えば、1〜5mm程度後退させてなることを特徴とする。
なお、カッコ内の記号は、図面および後述する発明を実施するための最良の形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
本発明の請求項1に記載の断熱性金型構造によれば、芯材が埋設された取付基部を囲むようにして断熱材を金型に設けたので、金型の熱が芯材に伝わるのを抑制することができる。従って、芯材が熱によって軟化し、金型内に注入される型成形材料の圧力によってウェザーストリップが変形することがなく、外観性に優れる。
本発明の請求項2に記載の断熱性金型構造によれば、中空シール部と、取付基部の内側部分を除く部分であって、芯材が埋設された取付基部を囲むようにして断熱材を金型に設けたので、金型の熱が芯材に伝わるのを抑制することができる。従って、芯材が熱によって軟化し、金型内に注入される型成形材料の圧力によってウェザーストリップが変形することがなく、外観性に優れる。
また、請求項3や請求項4に記載の発明のように、種々のタイプの自動車用ウェザーストリップの型成形金型として適用することができる。
さらに、請求項5に記載の発明によれば、請求項2乃至4に記載の発明の作用効果に加えて、取付基部の内側部分にも断熱材を設けているので、芯材の軟化をより効果的に抑制することができ、ウェザーストリップの変形をさらに防止することができる。
またさらに、請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5に記載の発明の作用効果に加えて、断熱材の先端を、押出成形品の末端である接続位置から1〜5mm程度僅かに後退させたので、ウェザーストリップ型成形部の接続位置にバリが発生するのを防止することができる。
図1および図2を参照して、本発明の第一実施形態に係る断熱性金型構造1について説明する。図1は断熱性金型構造1を示す平面図であり(上型3を除いた状態)、図2は図1のA−A線断面図である。なお、図1のB−B線断面図もA−A線断面図と同様な形状をしている。
この断熱性金型構造1は、自動車用のドアウェザーストリップ10を形成する押出成形品11の端部同士を所定間隔をあけて対向させた状態で金型内に保持し、前記所定間隔に型成形材料を注入して、押出成形品11の端部同士を型成形接続するための金型構造である。この押出成形品11は、断面U字状で、例えば熱可塑性樹脂製等の樹脂製の芯材13が埋設された、同じく断面U字状の取付基部12と、その取付基部12の側面に一体的に押出成形された中空シール部14と、取付基部12の他方の側面から突設されたシール部15とで構成される。なお、シール部15は省いてもよい。
この金型構造1には、押出成形品11の中空シール部14と、断面U字状の取付基部12の内側部分を除く部分に、芯材13が埋設された取付基部12を囲むようにして断熱材2を金型に設けている。すなわち、この金型構造1は、上型3、下型4、第一割型5、第二割型6、第三割型7、第四割型8および第五割型9で構成し、第一割型5、第二割型6および第五割型9の上部にそれぞれ断熱材2をボルトで取付けている。第一割型5と第二割型6はこの順に上型3と下型4の間で、取付基部12の開口部とは逆側に設けられ、第三割型7、第四割型8および第五割型9はこの順に上型3と下型4の間で、取付基部12の開口部側に設けられている。
断熱材2を形成する物質としては、圧縮強度:400Mpa以上、熱伝導率:0.3W/mk以下、耐熱性:300℃以上で、機械加工が可能なものが望ましい。
また、この金型構造1における断熱材2は、その先端2aを、押出成形品11と型成形部17との接続位置Cから1〜5mm程度、僅かに後退させている。これにより接続位置Cにバリが発生することが防止される。1mm未満では、ウェザーストリップ型成形部にバリが発生する可能性が高くなり、5mmをこえると、樹脂等の芯材に熱が伝わり、変形しウェザーストリップの外観が悪化する。
なお、断熱材2を設ける代わりに、金型構造を短くして芯材13の軟化を抑制することも考えられるが、そうすると金型で押出成形品11の端部を保持することができないため、押出成形品11が注入した型成形材料の圧力で押され、ズレやオーバーラップが発生し、好ましくない。また、金型構造を部分的に冷却水等により冷却することも考えられるが、金型構造が複雑化し、冷却設備が必要となるので不利である。
この点、本実施形態に係る断熱性金型構造1は、所定箇所に断熱材2を設けたので、金型温度を下げることなく熱可塑性樹脂製の芯材13が軟化するのを防止することができる。ちなみに、断熱材2を設けない通常の金型で芯材13の軟化を防止しながら型成形接続するためには、金型の温度を160℃に設定し、15分の型成形接続時間を必要とするが、本実施形態に係る金型構造1では、金型温度を185℃に設定し、3分で型成形接続を行うことができる。
次に図3を参照して、本発明の第二実施形態に係る断熱性金型構造1について説明する。図3はその断熱性金型構造1の要部を示す断面図である。
この金型構造1は、図2で示した第四割型8に断熱材2をさらに取付け、取付基部12の内側部分にも断熱材2を設けている。これにより、金型の熱が芯材13に伝わるのをさらに抑制することができ、当該芯材13の軟化およびウェザーストリップ10の変形をより効果的に防止することができる。なお、本金型構造1で型成形接続するウェザーストリップ10には、リップ部16を設けているが限定されるものではない。
次に図4を参照して、本発明の第三実施形態に係る断熱性金型構造1について説明する。図4はその断熱性金型構造1の要部を示す断面図である。
第一,二実施形態に係る断熱性金型構造1では、取付基部12の一側面に中空シール部14を設けた自動車用ウェザーストリップ10の端部同士を型成形接続するものを示したが、樹脂製芯材23の埋設された取付基部22の両側面間を連結する底面に、中空シール部24を一体的に押出成形した、例えば、トランクリッド等に使用される自動車用ウェザーストリップ20においても適用可能である。この場合、中空シール部24を除くようにして、芯材23の埋設された取付基部22を囲むようにして断熱材2が金型に設けられている。
次に図5を参照して、本発明の第四実施形態に係る断熱性金型構造1について説明する。図5はその断熱性金型構造1の要部を示す断面図である。
第一,二,三実施形態に係る断熱性金型構造1では、取付基部12,22に中空シール部14,24を設けた自動車用ウェザーストリップ10,20の端部同士を型成形接続するものを示したが、中空シール部14,24が一体成形されておらず、樹脂製芯材33の埋設された取付基部32だけからなる自動車用ウェザーストリップ30においても適用可能である。この場合、芯材33の埋設された取付基部32の全体を囲むようにして断熱材2が金型に設けられている。
本発明の第一実施形態,第二実施形態および第三実施形態に係る断熱性金型構造では、5個の割型を設け、また第四実施形態に係る断熱性金型構造では3個の割型を設けて構成しているが、本発明の実施はこうした構成に限定されるものではなく、割型の数は適宜設定することができる。
また、本発明の実施形態では、断面U字状の芯材が埋設された、同じく断面U字状の取付基部を示したが、芯材が埋設された取付基部の部位を囲むように断熱材を設ければ効果があるので、芯材や取付基部の形状は、断面U字状に限定されるものではなく、断面L字状でも断面I字状でも適用可能である。
本発明の第一実施形態に係る断熱性金型構造を示す平面図である(上型を除いた状態)。 図1のA−A線断面図である。 本発明の第二実施形態に係る断熱性金型構造の要部を示す断面図である。 本発明の第三実施形態に係る断熱性金型構造の要部を示す断面図である。 本発明の第四実施形態に係る断熱性金型構造の要部を示す断面図である。
符号の説明
1 断熱性金型構造
2 断熱材
2a 先端
3 上型
4 下型
5 第一割型
6 第二割型
7 第三割型
8 第四割型
9 第五割型
10,20,30 ウェザーストリップ
11 押出成形品
12,22,32 取付基部
13,23,33 芯材
14,24 中空シール部
15 シール部
16,26,36 リップ部
17 型成形部
C 接続位置

Claims (6)

  1. 少なくとも樹脂製の芯材が埋設された取付基部が押出成形されてなる自動車用ウエザーストリップの端部同士を所定間隔をあけて対向させた状態で保持し、前記所定間隔に型成形材料を注入して型成形接続するための金型構造であって、
    前記芯材が埋設された取付基部を囲むようにして断熱材を金型に設けてなることを特徴とする断熱性金型構造。
  2. 樹脂製の芯材が埋設された断面U字状の取付基部に中空シール部が一体的に押出成形されてなる自動車用ウェザーストリップの端部同士を所定間隔をあけて対向させた状態で保持し、前記所定間隔に型成形材料を注入して型成形接続するための金型構造であって、
    前記中空シール部と取付基部の内側部分を除く部分であって、前記芯材が埋設された取付基部を囲むようにして断熱材を金型に設けてなることを特徴とする断熱性金型構造。
  3. 前記中空シール部は、前記取付基部の側面に一体成形されたものであることを特徴とする請求項2に記載の断熱性金型構造。
  4. 前記中空シール部は、前記取付基部の側面間を連結する底面に一体成形されたものであることを特徴とする請求項2に記載の断熱性金型構造。
  5. 前記取付基部の内側部分にも更に断熱材を設けてなることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか一つに記載の断熱性金型構造。
  6. 前記断熱材の前記所定間隔側の先端を、前記金型で保持された自動車用ウェザーストリップの端部から、対向する端部側とは逆側に僅かに後退させてなることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の断熱性金型構造。
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