JP2005329359A - 浄水場の凝集剤注入制御システム及びアルカリ剤注入制御システム - Google Patents

浄水場の凝集剤注入制御システム及びアルカリ剤注入制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】制御パラメータの補正やデータの学習等の煩雑な処理を不要にし、薬品注入率を最適に制御可能とする。
【解決手段】処理水濁度や混和池pH、浄水池pHが所定範囲になるように凝集剤・前アルカリ剤、後アルカリ剤注入率を演算制御する注入制御装置50が、水質データを時系列的に収集するデータ収集部502と、水質データ、各注入率等を記憶する記憶部505と、各注入率を目的変数とし水質データ等を説明変数とする重回帰分析により注入率演算式の制御パラメータを求める重回帰分析部506と、制御パラメータ、水質データ、注入率演算式を用いて各注入率を演算する薬品注入率演算部504とを備える。重回帰分析部506は、薬品注入点と濁度やpH計測点との距離に起因する流下遅れ時間を考慮して時間をずらした水質計測値が所定範囲内である時のデータを用いて重回帰分析を行う。
【選択図】図5

Description

本発明は、上水道の浄水プロセスにおいて、混和池、浄水池への凝集剤や前アルカリ剤・後アルカリ剤の注入率を最適に制御するための凝集剤注入制御システム及びアルカリ剤注入制御システムに関するものである。
図7は、一般的な浄水プロセスを概略的に示した構成図であり、11は原水が導入される着水井、12は凝集剤が注入される混和池、13は原水中の汚濁物質を凝集して形成されたフロックを固液分離する沈殿池、14は沈殿池を経た水をろ過するろ過池、15は残留塩素濃度を所定値に保つための浄水池、16は浄水池15を経た上水を供給するための配水池である。
なお、21,22,25は、着水井11、混和池12、及び浄水池15においてpHや濁度を初めとした種々の水質を測定する水質計である。
この種の浄水プロセスでは、混和池12にて凝集剤を注入、混和し、原水中に含まれる濁度成分を凝集、沈殿させて浄水を製造しており、浄水の濁度を低く保つことが求められている。上記凝集剤の量は、過剰であっても不足していても濁度成分が凝集しにくくなるので、濁度成分が凝集しやすくなるように適正値に制御する必要がある。
同時に、凝集剤の注入に伴って水のpHが変動するため、このpHを適正値に制御するためにアルカリ剤を注入することが行われている。凝集沈殿工程より前の工程でアルカリ剤を注入することを前アルカリ剤素注入制御といい、ろ過後の浄水のpHを適正値に制御するためにろ過工程以降に注入することを後アルカリ剤注入制御という。
図7に示すように、前アルカリ剤素注入制御は混和池12において、後アルカリ剤素注入制御は浄水池15においてそれぞれ行われることになる。
従来、凝集剤及び前アルカリ剤の注入率は、以下のような方法によって決定されている。
a)原水を複数のビーカーにサンプリングし、これらのサンプルに対して、凝集剤及び前アルカリ剤の注入率を変えた複数種類の試薬を注入し、その際の上澄み液が最もきれいになった時の試薬から凝集剤及び前アルカリ剤の注入率を決定する方法(ジャーテスト)
b)原水の濁度、アルカリ度、pH、水温を計測し、これらの水質計測値を用いて凝集剤及び前アルカリ剤の注入率を決定(補正)する方法(フィードフォワード制御)において、オペレータの経験に基づいて注入率を数式化したり、ファジィ制御やニューロ等を応用して注入率を決定する方法
c)原水に凝集剤及び前アルカリ剤を注入した後のフロックの状態とpHとを計測し、これらの値が最適になるように凝集剤及び前アルカリ剤の注入率を演算し制御する方法(フィードバック制御)
後アルカリ剤については、
d)後アルカリ剤注入後のpHを計測し、その値が最適になるようにPID(比例・積分・微分)制御等を行うフィードバック制御方法が知られている。
なお、凝集剤やアルカリ剤、塩素剤等の薬品の注入率を原水水質と共にニューラルネットワークに供給して水質を予測し、その予測値を目標値と比較して薬品注入率を制御するようにした薬品注入率制御方法及びその装置が、下記の特許文献1に記載されている。
また、上下水道その他の薬注処理用プロセスに利用される補完フィードバック制御方式の薬注制御装置において、原水流入流量の変化に応じて水質コントローラのパラメータを補正することにより、対象プロセスの伝達関数に変化が生じた場合にも制御特性の低下を補償するようにした薬注制御装置が、下記の特許文献2に記載されている。
特開2002−126721号公報(請求項1〜3、[0032]〜[0047]、図1等) 特開2000−93940号公報(請求項1,3、[0009],[0044]、図1、図10、図11等)
上述した従来技術において、前記a)ジャーテストによる方法では、テストに多くの時間がかかり、降雨時のように原水の水質が急変した場合には対応できないと共に、人手を要するため自動化ができないという問題がある。
また、前記b)の方法はフィードフォワード制御であるため、薬品注入後の水質の状態を見ておらず、オペレータの経験に基づいて注入率を数式化するとしても、オペレータによって数式が異なったり、そもそも数式化する具体的な方法も一様には定まっていない。
更に、特許文献1に記載されている従来技術のようにニューロを使用した制御や、ファジィ制御を利用する場合には、これらニューロまたはファジィ制御を行う制御装置が必要であり、その制御規則を作成するために適切かつ多数のデータを抽出して学習させなくてはならず、データの選別や学習処理に多くの時間を必要とする。
前記c)のフィードバック制御を用いる場合には、制御系設計ツール等を利用して制御パラメータを適切に設定する必要がある。しかし、薬品の注入制御は化学反応を伴い、水温等の条件によって化学反応の速度が異なったりセンサの反応速度が異なるため、制御パラメータを適宜調整しなくてはならず、その調整作業が煩雑になる。
特に、特許文献2に記載された従来技術では、対象プロセスの制御量測定系の特性(一次または二次遅れ等)に応じて、水質コントローラを構成する過渡項設定部のパラメータを一次または二次進みとなるように補正するといった補償動作が必要であり、水質コントローラの構成が複雑化するおそれがある。
そこで本発明の解決課題は、制御パラメータの補正やデータの学習等の煩雑な処理を不要にし、凝集剤及びアルカリ剤の注入率を短時間で最適に制御可能にすると共に、自動化を容易にした凝集剤及びアルカリ剤の注入制御システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、浄水プロセスにおける濁度を含む水質を計測する水質計と、前記水質計により計測した濁度が所定範囲になるように凝集剤注入率を制御する注入制御装置と、前記凝集剤注入率に従って凝集剤を注入する凝集剤注入装置と、を備えた浄水場の凝集剤注入制御システムであって、前記注入制御装置が、凝集剤注入点よりも下流の計測点の処理水濁度が所定範囲になるように、凝集剤注入点よりも上流の水質データを用いて凝集剤注入率を演算するようにした凝集剤注入制御システムにおいて、
前記注入制御装置は、
前記水質計により計測した水質データを時系列的に収集するデータ収集手段と、
このデータ収集手段により収集した水質データと、過去の運転データとしての水質データ及び凝集剤注入率を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶された運転データのうち、処理水濁度計測値が所定範囲内である時の凝集剤注入率を目的変数とし、かつ、水質データを説明変数として重回帰分析を行うことにより、凝集剤注入率演算式の制御パラメータを演算する重回帰分析手段と、
この重回帰分析手段により演算された制御パラメータを含む前記凝集剤注入率演算式により、前記水質計により計測した水質データを用いて凝集剤注入点の凝集剤注入率を演算する薬品注入率演算手段と、を備え、
前記重回帰分析手段は、凝集剤注入点と処理水濁度計測点との間の距離に起因する流下遅れ時間を考慮して時間をずらした処理水濁度計測値が所定範囲内である時のデータを用いて重回帰分析を行うものである。
なお、請求項2に記載するように、前記記憶手段は、重回帰分析手段により演算された制御パラメータをも記憶することにより、制御パラメータの妥当性の検証を任意のタイミングで行うことができる。
請求項3に記載した発明は、浄水プロセスにおけるpHを含む水質を計測する水質計と、前記水質計により計測したpHが所定範囲になるように前アルカリ剤注入率を制御する注入制御装置と、前記前アルカリ剤注入率に従って前アルカリ剤を注入する前アルカリ剤注入装置と、を備えた浄水場のアルカリ剤注入制御システムであって、前記注入制御装置が、前アルカリ剤注入点よりも下流の計測点のpHが所定範囲になるように、前アルカリ剤注入点よりも上流の水質データを用いて前アルカリ剤注入率を演算するようにしたアルカリ剤注入制御システムにおいて、
前記注入制御装置は、
前記水質計により計測した水質データを時系列的に収集するデータ収集手段と、
このデータ収集手段により収集した水質データと、過去の運転データとしての水質データ及び前アルカリ剤注入率を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶された運転データのうち、pH計測値が所定範囲内である時の前アルカリ剤注入率を目的変数とし、かつ、凝集剤注入率及び水質データを説明変数として重回帰分析を行うことにより、前アルカリ剤注入率演算式の制御パラメータを演算する重回帰分析手段と、
この重回帰分析手段により演算された制御パラメータを含む前記前アルカリ剤注入率演算式により、凝集剤注入率と前記水質計により計測した水質データとを用いて、前アルカリ剤注入点の前アルカリ剤注入率を演算する薬品注入率演算手段と、を備え、
前記重回帰分析手段は、前アルカリ剤注入点とpH計測点との間の距離に起因する流下遅れ時間を考慮して時間をずらしたpH計測値が所定範囲内である時のデータを用いて重回帰分析を行うものである。
請求項4に記載した発明は、浄水プロセスにおけるpHを含む水質を計測する水質計と、前記水質計により計測したpHが所定範囲になるように後アルカリ剤注入率を制御する注入制御装置と、前記後アルカリ注入率に従って後アルカリ剤を注入する後アルカリ剤注入装置と、を備えた浄水場のアルカリ剤注入制御システムであって、前記注入制御装置が、後アルカリ剤注入点よりも下流の計測点のpHが所定範囲になるように、後アルカリ剤注入点よりも上流の水質データを用いて後アルカリ剤注入率を演算するようにしたアルカリ剤注入制御システムにおいて、
前記注入制御装置は、
前記水質計により計測した水質データを時系列的に収集するデータ収集手段と、
このデータ収集手段により収集した水質データと、過去の運転データとしての水質データ及び後アルカリ剤注入率を記憶する記憶手段と、
この記憶手段に記憶された運転データのうち、pH計測値が所定範囲内である時の後アルカリ剤注入率を目的変数とし、かつ、pH偏差及び水質データを説明変数として重回帰分析を行うことにより、後アルカリ剤注入率演算式の制御パラメータを演算する重回帰分析手段と、
この重回帰分析手段により演算された制御パラメータを含む前記後アルカリ剤注入率演算式により、前記pH偏差と前記水質計により計測した水質データとを用いて、後アルカリ剤注入点の後アルカリ剤注入率を演算する薬品注入率演算手段と、を備え、
前記重回帰分析手段は、後アルカリ剤注入点とpH計測点との間の距離に起因する流下遅れ時間を考慮して時間をずらしたpH計測値が所定範囲内である時のデータを用いて重回帰分析を行うものである。
また、請求項5に記載するように、上記請求項3または4においても、前記記憶手段が、重回帰分析手段により演算された制御パラメータを記憶することにより、制御パラメータの妥当性の検証を任意のタイミングで行うことができる。
本発明によれば、浄水プロセスにおける凝集剤注入点から処理水濁度計測点までの流下遅れ時間や、アルカリ剤注入点からpH計測点までの流下遅れ時間を考慮して、凝集剤注入率やアルカリ剤注入率の評価に用いる処理水濁度やpH等のデータの時間軸を揃えるようにし、しかも、これらの水質データが所定範囲内にある時のデータのみを分析用データとして重回帰分析に使用することにより、注入率演算式における最適な制御パラメータを求めることができる。そして、この制御パラメータを含む注入率演算式により算出した各薬品の注入率に従って凝集剤やアルカリ剤を注入することにより、濁度やpH等の水質を目標値に保つことが可能になる。
また、本発明では、制御パラメータの補正や多数のデータの学習といった煩雑な処理が不要であり、比較的簡単な演算処理によって適切な凝集剤及びアルカリ剤の注入制御を実現することができると共に、ジャーテスト等に比べて自動化も容易である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態が適用される浄水プロセスの概略的構成図であり、図7と同一の構成要素には同一の参照符号を付して説明を省略し、以下では異なる部分を中心に説明する。
図1において、50は凝集剤・前アルカリ剤・後アルカリ剤注入制御装置であり、この注入制御装置50には、着水井11の水質計21、混和池12の水質計22、ろ過池14から浄水池15に至る配管上の水質計24、及び浄水池15の水質計25により測定された種々の水質計測値が入力されている。
そして、注入制御装置50は、後述する演算によって凝集剤注入率・前アルカリ剤注入率・後アルカリ剤注入率を求め、凝集剤注入率に従って凝集剤30を供給する注入装置としてのポンプ32を制御し、かつ、前アルカリ剤注入率・後アルカリ剤注入率に従ってアルカリ剤40を供給する注入装置としてのポンプ42,45を制御することにより、混和池12に所定量の凝集剤及び前アルカリ剤を注入し、浄水池15に所定量の後アルカリ剤を注入するように構成されている。
まず、凝集剤注入制御を行う場合の凝集剤注入率の演算方法について述べる。
凝集剤注入率は、注入制御装置50が、着水井11における原水の水質(水質計21による計測値)を用いて、数式1により演算する。
[数1]
y=a+a・x+……+a・x
y:凝集剤注入率
,……,x:原水濁度、原水pH、原水アルカリ度、原水水温等の原水水質
,a,……,a:制御パラメータ
上記のように凝集剤注入率を決定し、この注入率に従ってポンプ32を制御することにより所定量の凝集剤30を混和池12に注入すればよいのであるが、このとき、処理水濁度(浄水濁度)が適正値(例えば1[mg/L])に保たれることが必要である。
しかし、凝集剤注入点から処理水濁度の計測点までは数10分から1時間程度の流下遅れ時間があるので、処理水濁度の計測値をそのままフィードバック制御に使用して凝集剤注入率を制御することは困難である。
そこで、過去の運転データから、処理水濁度が適正範囲内にある時のデータ(凝集剤注入率及び原水水質データ)を抽出してこれらのデータを数式1の関係に当てはめ、凝集剤注入率yを目的変数、原水水質x,……,xを説明変数として重回帰分析を行えば、制御パラメータa,a,……,aを求めることができる。そして、これらの制御パラメータa,a,……,aと、着水井11の水質計21により測定した原水水質とを用いて数式1を演算することにより、処理水濁度が適正範囲内になるような凝集剤注入率を求めることができ、注入制御装置50では、この凝集剤注入率に従ってポンプ32を制御し、凝集剤30を混和池12に注入すれば良い。
ここで、図6は、ある1日の原水濁度及び処理水濁度の変化を示す図であり、例えば0時〜10時までの間は処理水濁度が1[mg/L]以下で比較的安定しているため、この間のデータ(凝集剤注入率及び原水水質データ)を分析用データとして使用することにより、制御パラメータa,a,……,aを求めると良い。
また、重回帰分析では、説明変数である原水水質x,……,xが目的変数を表すのに適切か否かも判定することができる。すなわち、数式1に示した注入率演算式(重回帰式)の偏回帰係数を各説明変数について求めれば、目的関数に対する寄与率が求まるので、例えば原水水質データのうち真に必要な(寄与率が大きい)種類のデータのみに絞り込んで凝集剤注入率の演算に用いることが可能になる。
次に、前アルカリ剤注入制御を行う場合の前アルカリ剤注入率の演算方法について述べる。
前アルカリ剤注入率は、一般に凝集剤注入率に比例させるものであり、また、原水水質にも影響されるものである。このため、注入制御装置50は、凝集剤注入率、及び着水井11の水質とを用いて、数式2により演算する。
[数2]
=c+c・y+b1,0+b1,1・x1,1+……+b1,n・x1,n
:前アルカリ剤注入率
,c:制御パラメータ
y:凝集剤注入率
1,1,……,x1,n:原水濁度、原水pH、原水アルカリ度、原水水温等の原水水質
1,0,b1,1,……,b1,n:制御パラメータ
なお、上記原水水質x1,1,……,x1,nは、実質的に数式1における原水水質x,……,xと同じものである。
この前アルカリ剤の注入制御では、凝集剤30が注入された混和池12のpHを適正値(例えばpH=7.0)に保つように注入率を制御することが必要である。
混和池12のpHを水質計22により計測して前アルカリ剤の注入率をフィードバック制御することも可能であるが、前アルカリ剤の注入点とpH計測点との距離による流下遅れ時間や、化学反応、あるいは、水質計の反応速度が水温等に影響されることに起因して、フィードバック制御の制御パラメータを一意的に決定することは難しい。
そこで、過去の運転データから、混和池12のpHが適正範囲(例えばpHが6.5から7.5の範囲)に保たれている時のデータ(前アルカリ剤注入率、凝集剤注入率及び原水水質データ)を抽出してこれらのデータを数式2の関係に当てはめ、前アルカリ剤注入率zを目的変数、凝集剤注入率y及び原水水質x1,1,……,x1,nを説明変数として重回帰分析を行えば、制御パラメータc,c,b1,0,b1,1,……,b1,nを求めることができる。重回帰分析では、説明変数である凝集剤注入率y及び原水水質x1,1,……,x1,nが目的変数を表すのに適切か否かの判定も可能である。
そして、これらの制御パラメータc,c,b1,0,b1,1,……,b1,nと、凝集剤注入率y、及び着水井11の水質計21により測定した原水水質とを用いて数式2を演算することにより、混和池12のpHが適正範囲内になるような前アルカリ剤注入率を求めることができ、注入制御装置50では、この前アルカリ剤注入率に従ってポンプ42を制御し、アルカリ剤40を混和池12に注入すれば良い。
なお、一般のプラントでは、混和池12のpHを計測していないことが多い。この場合には、水質計24により計測されるろ水のpHを適正値に制御する。従って、過去の運転データから、ろ水のpHが適正範囲内にある時のデータを抽出して重回帰分析により制御パラメータを決定すれば良い。
次いで、後アルカリ剤注入制御を行う場合の後アルカリ剤注入率の演算方法について述べる。
後アルカリ剤注入率は、一般に後アルカリ剤注入後のpHを計測し、その計測値が設定値に等しくなるようにフィードバック制御によって注入率が決定される。また、後アルカリ剤注入前のろ水水質にも影響されるものである。このため、注入制御装置50は、後アルカリ剤注入後の浄水池pHの設定値とその計測値(水質計25による計測値)、及びろ水の水質(水質計24による計測値)とを用いて、数式3により演算する。
[数3]
=d+d・(p−p)+b2,0+b2,1・x2,1+……+b2,n・x2,n
:後アルカリ剤注入率
,d:制御パラメータ
p:浄水池pH
:浄水池pH設定値
2,1,……,x2,n:ろ水濁度、ろ水pH、ろ水アルカリ度、ろ水水温等のろ水水質
2,0,b2,1,……,b2,n:制御パラメータ
ここで、数式3におけるd+d・(p−p)は、浄水池pHの設定値pと計測値pとの偏差(p−p)により影響されるフィードバック制御項であり、また、b2,0+b2,1・x2,1+……+b2,n・x2,nは、ろ水水質により影響されるフィードフォワード制御項である。
この後アルカリ剤の注入制御では、浄水池15のpHを適正値(例えばpH=7.0)に保つように注入率を制御することが必要である。
浄水池15のpHを水質計25により計測して後アルカリ剤の注入率をフィードバック制御することも可能であるが、後アルカリ剤の注入点とpH計測点との距離による流下遅れ時間や、化学反応、あるいは、水質計の反応速度が水温等に影響されることに起因して、フィードバック制御の制御パラメータを一意的に決定することは難しい。
そこで、前アルカリ剤注入制御の場合と同様の原理により、過去の運転データから、浄水池15のpHが適正範囲(例えばpHが6.5から7.5の範囲)に保たれている時のデータ(後アルカリ剤注入率、浄水池pHの設定値と計測値との偏差、及びろ水水質データ)を抽出してこれらのデータを数式3の関係に当てはめ、後アルカリ剤注入率zを目的変数、浄水池pH偏差(p−p)及びろ水水質x2,1,……,x2,nを説明変数として重回帰分析を行えば、制御パラメータd,d,b2,0,b2,1,……,b2,nを求めることができる。重回帰分析では、説明変数である浄水池pH偏差(p−p)及びろ水水質x2,1,……,x2,nが目的変数を表すのに適切か否かの判定も可能である。
上記制御パラメータd,d,b2,0,b2,1,……,b2,nと、浄水池pH偏差(p−p)及びろ水水質x2,1,……,x2,nを用いて数式3を演算することにより、浄水池15のpHが適正範囲内になるような後アルカリ剤注入率を求めることができ、注入制御装置50では、この後アルカリ剤注入率に従ってポンプ45を制御し、アルカリ剤40を浄水池15に注入すれば良い。
次に、本実施形態において、重回帰分析により制御パラメータを求めるためのデータの収集方法及び保存方法について説明する。
前述した方法によって凝集剤注入率・前アルカリ剤注入率・後アルカリ剤注入率を求めるための制御パラメータを決定するには、凝集剤注入後の処理水濁度や前アルカリ剤・後アルカリ剤注入後のpH等の変化が明確に分かるように、短い時間間隔で各種の水質データを収集する必要がある。このため、注入制御装置50では、各水質計21,22,24,25から、例えば1分程度の周期でデータを収集する。
また、重回帰分析により数式1〜3のような注入率演算式を作成する場合には、水質が安定している状態ばかりでなく様々な水質状態におけるデータを使用して、実際の水質変化を反映させた制御パラメータを決定することが必要である。
一般に天候が安定している時期には水質も安定しており、降雨等により水質が変動することは、それほど多くない。この場合、天候安定期のデータのみを使用して重回帰分析により制御パラメータを決定すると、制御パラメータが偏ったものになってしまい、最終的に注入率演算式によって演算される凝集剤注入率・前アルカリ剤注入率・後アルカリ剤注入率も実際の天候や水質にそぐわないものとなってしまう。
そこで、制御パラメータを決定するためのデータ(分析用データ)としては、注入制御装置50が収集した時系列データの中から、天候や水質の片寄りがないように満遍なく保存する必要がある。こうして保存した分析用データを用いて重回帰分析を行い、制御パラメータを決定する。
ここで、図2は、上述した分析用データの保存処理を示すフローチャートである。
図2において、1分程度の周期でデータを収集し、これらを時系列データとして記憶装置に格納しておき、1日分のデータ収集が完了した時点で上記時系列データを取り込む(ステップS1,S2)。
次に、取り込んだ時系列データが分析用データとしての保存条件を満たすか否かを判断する(ステップS3)。この保存条件とは、データが様々な天候や水質状態を反映したものであること(天候や水質データに適度のばらつきがあること)を意味し、例えば天候や水質状態が極めて安定していてほとんど変化がないような期間のデータであれば保存条件を満たさないと判断し、逆に様々な天候や水質状態を反映したデータであれば保存条件を満たすと判断する。この保存条件の存否は、天候や水質データを数値化して注入制御装置50が判断しても良いし、オペレータが人為的に判断しても良い。
そして、上記保存条件を満たす場合には、この時系列データを分析用データとして保存し(ステップS4)、重回帰分析による制御パラメータの決定に用いることとする。
また、上記保存条件を満たさない場合には、現在使用している分析用データ(旧データ)を破棄するか否かを判断する(ステップS5)。すなわち、旧データがだいぶ以前のデータであり、最近の天候や水質の変化傾向を反映しているとは思えないような場合には、この旧データを新データに置き換えた方がよい場合もあり得るので、旧データを破棄するか否かの判断を行う。
これらの新旧データを比較することにより、やはり旧データを使用し続けた方が妥当であると判断される場合(ステップS5 NO)には、新データを破棄して終了する(ステップS6)。また、新データに置き換えた方が妥当であると判断される場合(ステップS5 YES)には、旧データを破棄して新データを分析用データとして保存し、終了する(ステップS7)。
このようにして、制御パラメータの決定に用いる分析用データが保存されることになる。
なお、図2に示した処理は、注入率演算式を作成する際に必要に応じて実行されるもので、必ずしも定周期で繰り返し実行される性質の処理ではない。
次に、図3は、図2の処理により保存された分析用データを使用する制御パラメータの計算及び検証処理を示すフローチャートである。
注入制御装置50では、まず分析用データを取り込み(ステップS11)、次いで一部の分析用データを時間軸に沿って移動することにより、流下遅れ時間を考慮する(ステップS12)。
ここで、流下遅れ時間の考慮とは、以下のような内容である。
図4は、分析用データの一例を示す図であり、例えば後アルカリ剤注入制御に用いるデータの例である。この分析用データは、各時刻における後アルカリ剤注入率、ろ水濁度、ろ水アルカリ度、ろ水pH等のろ水水質データ、及び、浄水池pH偏差からなっており、過去の運転データを構成するものである。
後アルカリ剤注入制御において、後アルカリ剤注入後の評価に用いるデータは浄水池pH偏差であるが、この偏差を求めるための浄水池pHの計測値は、図1における浄水池15内の水質計25によって得られる。しかるに、浄水池15内では、後アルカリ剤注入点と水質計25による浄水池pHの計測点との間に距離があり、この間を水が移動するには一定の流下時間がかかる。
すなわち、図4において、時刻tの後アルカリ剤注入率zt21に基づく後アルカリ剤注入は、同時刻の浄水池pH偏差Δpt1には反映せず、後アルカリ剤注入点と計測点との間を水が流下する時間Δtだけ遅れた時刻の浄水池pH偏差に反映することになる。例えば、上記流下遅れ時間Δtが時刻t〜tの時間差に等しいとすると、時刻tの後アルカリ剤注入率zt21に基づく後アルカリ剤注入は、時刻tにおける浄水池pH偏差Δpt7として現れるはずである。
このため、流下遅れ時間Δtを予め求めておき、各時刻の浄水池pH偏差をΔtだけ前に移動する(時間軸を揃える)ことにより、各時刻の後アルカリ剤注入による評価を適切に行うことが可能になる。
図4は、時刻tの後アルカリ剤注入率zt21に基づく浄水池pH偏差として時刻tにおけるΔpt7を、時刻tの後アルカリ剤注入率zt22に基づく浄水池pH偏差として時刻tにおけるΔpt8を、(……以下同様)用いることを示している。
なお、上記流下遅れ時間Δtは、以下の数式4により算出可能である。
[数4]
Δt=V/Q
Q:処理水量
V:後アルカリ剤注入点から水質(浄水池pH)計測点までの容量
上述した流下遅れ時間Δtの考慮は、凝集剤注入制御における数式1の制御パラメータを決定する場合の分析用データにも適用可能である。すなわち、凝集剤注入制御では、過去の運転データから、処理水濁度が所定範囲内にある時の凝集剤注入率及び原水水質データを用いて重回帰分析により制御パラメータを決定するが、凝集剤注入点と処理水濁度の計測点との間にも、流下遅れ時間Δtがある。従って、処理水濁度を流下遅れ時間Δtだけ前に移動してその時刻の凝集剤注入率に対する評価に用いることにより、各時刻の凝集剤注入による評価を適切に行うことが可能になる。
この場合には、数式4におけるVが凝集剤注入点と処理水濁度の計測点までの容量となる。
同様にして、流下遅れ時間Δtの考慮は、前アルカリ剤注入制御における数式2の制御パラメータを決定する場合の分析用データにも適用可能である。前アルカリ剤注入制御では、過去の運転データから、混和池pHが所定範囲内にある時の前アルカリ剤注入率、凝集剤注入率、及び原水水質データを用いて重回帰分析により制御パラメータを決定するが、前アルカリ剤注入点と混和池pHの計測点との間にも、流下遅れ時間Δtがある。従って、混和池pHを流下遅れ時間Δtだけ前に移動してその時刻の、前アルカリ剤注入率に対する評価に用いることにより、各時刻の前アルカリ剤注入による評価を適切に行うことが可能になる。
この場合には、数式4におけるVが前アルカリ剤注入点と混和池pHの計測点までの容量となる。
再び図3に戻って、上述したステップS12の処理に続いて、図4の分析用データから水質が良好である時刻のデータ(浄水池pH偏差が所定範囲内である時刻のデータ)のみを抽出する(ステップS13)。例えば、時刻tにおける浄水池pH偏差(流下遅れ時間Δtを考慮して時間を前にずらしたデータであり、上述の例ではΔpt7)が所定範囲内であれば、この時刻tにおける後アルカリ剤注入率、ろ水濁度、ろ水アルカリ度、……等のデータを抽出する。
その後、重回帰分析により、前述した数式1,2,3の注入率演算式を用いて凝集剤・前アルカリ剤・後アルカリ剤注入制御における各制御パラメータを計算する(ステップS14)。
こうして求められた制御パラメータを用いて数式1,2,3により凝集剤注入率・前アルカリ剤注入率・後アルカリ剤注入率を計算し、これらの注入率に従って各薬品を注入すれば、各計測点における処理水濁度やpHが所定範囲内に収まることになる。
なお、制御パラメータや注入率の計算処理は、十分な数のデータが収集できたとき、あるいは、一旦決定した注入率では所望の処理水濁度やpHが得られなくなったとき、等の適当なタイミングで実行すればよい。
図3におけるステップS15は、重回帰分析によって求められた制御パラメータの妥当性を検証する処理である。
その具体的な処理内容は、求められた制御パラメータを含む注入率演算式に、注入制御装置50が保存している過去の時系列データ(説明変数としての種々の水質データ等)を代入し、凝集剤注入率・前アルカリ剤注入率・後アルカリ剤注入率を計算する。これらの注入率と実際の運転時の各注入率(実績値)とを比較して両者の誤差の大小を判定することにより、求められた制御パラメータが妥当であるか否かを検証することができる。
そして、上記誤差が小さく、求められた制御パラメータ、ひいてはこれらの制御パラメータを含む数式1,2,3の注入率演算式が妥当なものであると判断されれば、この注入率演算式を採用して各薬品の注入率を決定していくことになる。
次いで、図5は、本発明の実施形態にかかる注入制御装置50の構成を示す図である。
図5において、注入制御装置50は、例えばコンピュータシステムにより構成されている。この注入制御装置50は、前述した水質計21,22,24,25の計測データがインターフェース501を介して入力されるデータ収集保存部502を備えており、このデータ収集保存部502では、図2の処理に従って時系列データの収集、重回帰分析のための分析用データの保存等を行う。
データ収集保存部502から出力される時系列データは、トレンド表示制御部503及び薬品注入率演算部504に入力されている。
トレンド表示制御部503は、必要に応じて時系列データをインターフェース507を介してディスプレイ装置等の表示部508に表示させるためのものであり、また、薬品注入率演算部504は、後述する重回帰分析部506により演算された制御パラメータ(重回帰係数)及び種々の水質データ等を用いて凝集剤注入率・前アルカリ剤注入率・後アルカリ剤注入率を演算する。これらの注入率は、必要に応じて前記表示部508により表示しても良い。
一方、記憶部505はハードディスク、MOディスク、CD−R/RW等の記憶装置であり、データ収集保存部502から送られる時系列データ、分析用データ、重回帰分析部506により演算された制御パラメータ、薬品注入率演算部504により演算された各注入率等が記憶される。
重回帰分析部506は、前述の数式1〜3を用いた制御パラメータの演算を行い、求めた制御パラメータを薬品注入率演算部504に出力する。
前述した数式4による流下遅れ時間Δtを用いたデータの移動や、制御パラメータ(注入率演算式)の妥当性の検証は、重回帰分析部506及び薬品注入率演算部504により実行される。
薬品注入率演算部504から出力される各注入率は注入制御部509に入力されており、この注入制御部509では各注入率に応じた操作量を生成してインターフェース510を介し凝集剤注入装置及び前アルカリ剤・後アルカリ剤注入装置としての前記ポンプ32,42,45に送ることにより、混和池12及び浄水池15に所定量の凝集剤、前アルカリ剤、後アルカリ剤をそれぞれ注入する。
上記のように本実施形態によれば、凝集剤注入率・前アルカリ剤注入率・後アルカリ剤注入率の最適値を演算することができ、これらの注入率に基づいて実際に凝集剤やアルカリ剤の注入量を制御することが可能である。
なお、浄水プロセスにおいて薬品注入率の計算に重回帰分析を適用することは、例えば特開平7−319509号公報の段落[0120]等に記載されているように一般に行われている。しかし、本発明のごとく、凝集剤や前アルカリ剤・後アルカリ剤の注入点と濁度やpHの計測点までの流下遅れ時間を考慮したデータを対象とし、更に、これらの計測値が適正範囲になるようなデータのみを分析用データとして重回帰分析に使用する方法によれば、目標とする水質を達成するために、より一層、正確かつ適切に薬品の注入率を算出することができる。
本発明の実施形態が適用される浄水プロセスの概略的構成図である。 本発明の実施形態において、重回帰分析により制御パラメータを求めるための分析用データの保存処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における制御パラメータの計算及び検証処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における分析用データの一例を示す図である。 本発明の実施形態における注入制御装置の構成図である。 本発明の実施形態における原水濁度及び処理水濁度の変化の一例を示す図である。 一般的な浄水プロセスの概略的構成図である。
符号の説明
11:着水井
12:混和池
13:沈殿池
14:ろ過池
15:浄水池
16:配水池
21,22,24,25:水質計
30:凝集剤
32:ポンプ
40:アルカリ剤
42,45:ポンプ
50:注入制御装置
501,507,510:インターフェース
502:データ収集保存部
503:トレンド表示制御部
504:薬品注入率演算部
505:記憶部
506:重回帰分析部
508:表示部
509:注入制御部

Claims (5)

  1. 浄水プロセスにおける濁度を含む水質を計測する水質計と、前記水質計により計測した濁度が所定範囲になるように凝集剤注入率を制御する注入制御装置と、前記凝集剤注入率に従って凝集剤を注入する凝集剤注入装置と、を備えた浄水場の凝集剤注入制御システムであって、
    前記注入制御装置が、凝集剤注入点よりも下流の計測点の処理水濁度が所定範囲になるように、凝集剤注入点よりも上流の水質データを用いて凝集剤注入率を演算するようにした凝集剤注入制御システムにおいて、
    前記注入制御装置は、
    前記水質計により計測した水質データを時系列的に収集するデータ収集手段と、
    このデータ収集手段により収集した水質データと、過去の運転データとしての水質データ及び凝集剤注入率を記憶する記憶手段と、
    この記憶手段に記憶された運転データのうち、処理水濁度計測値が所定範囲内である時の凝集剤注入率を目的変数とし、かつ、水質データを説明変数として重回帰分析を行うことにより、凝集剤注入率演算式の制御パラメータを演算する重回帰分析手段と、
    この重回帰分析手段により演算された制御パラメータを含む前記凝集剤注入率演算式により、前記水質計により計測した水質データを用いて凝集剤注入点の凝集剤注入率を演算する薬品注入率演算手段と、を備え、
    前記重回帰分析手段は、凝集剤注入点と処理水濁度計測点との間の距離に起因する流下遅れ時間を考慮して時間をずらした処理水濁度計測値が所定範囲内である時のデータを用いて重回帰分析を行うことを特徴とする浄水場の凝集剤注入制御システム。
  2. 請求項1に記載した浄水場の凝集剤注入制御システムにおいて、
    前記記憶手段は、前記重回帰分析手段により演算された制御パラメータを記憶することを特徴とする浄水場の凝集剤注入制御システム。
  3. 浄水プロセスにおけるpHを含む水質を計測する水質計と、前記水質計により計測したpHが所定範囲になるように前アルカリ剤注入率を制御する注入制御装置と、前記前アルカリ剤注入率に従って前アルカリ剤を注入する前アルカリ剤注入装置と、を備えた浄水場のアルカリ剤注入制御システムであって、
    前記注入制御装置が、前アルカリ剤注入点よりも下流の計測点のpHが所定範囲になるように、前アルカリ剤注入点よりも上流の水質データを用いて前アルカリ剤注入率を演算するようにしたアルカリ剤注入制御システムにおいて、
    前記注入制御装置は、
    前記水質計により計測した水質データを時系列的に収集するデータ収集手段と、
    このデータ収集手段により収集した水質データと、過去の運転データとしての水質データ及び前アルカリ剤注入率を記憶する記憶手段と、
    この記憶手段に記憶された運転データのうち、pH計測値が所定範囲内である時の前アルカリ剤注入率を目的変数とし、かつ、凝集剤注入率及び水質データを説明変数として重回帰分析を行うことにより、前アルカリ剤注入率演算式の制御パラメータを演算する重回帰分析手段と、
    この重回帰分析手段により演算された制御パラメータを含む前記前アルカリ剤注入率演算式により、凝集剤注入率と前記水質計により計測した水質データとを用いて、前アルカリ剤注入点の前アルカリ剤注入率を演算する薬品注入率演算手段と、を備え、
    前記重回帰分析手段は、前アルカリ剤注入点とpH計測点との間の距離に起因する流下遅れ時間を考慮して時間をずらしたpH計測値が所定範囲内である時のデータを用いて重回帰分析を行うことを特徴とする浄水場のアルカリ剤注入制御システム。
  4. 浄水プロセスにおけるpHを含む水質を計測する水質計と、前記水質計により計測したpHが所定範囲になるように後アルカリ剤注入率を制御する注入制御装置と、前記後アルカリ注入率に従って後アルカリ剤を注入する後アルカリ剤注入装置と、を備えた浄水場のアルカリ剤注入制御システムであって、
    前記注入制御装置が、後アルカリ剤注入点よりも下流の計測点のpHが所定範囲になるように、後アルカリ剤注入点よりも上流の水質データを用いて後アルカリ剤注入率を演算するようにしたアルカリ剤注入制御システムにおいて、
    前記注入制御装置は、
    前記水質計により計測した水質データを時系列的に収集するデータ収集手段と、
    このデータ収集手段により収集した水質データと、過去の運転データとしての水質データ及び後アルカリ剤注入率を記憶する記憶手段と、
    この記憶手段に記憶された運転データのうち、pH計測値が所定範囲内である時の後アルカリ剤注入率を目的変数とし、かつ、pH偏差及び水質データを説明変数として重回帰分析を行うことにより、後アルカリ剤注入率演算式の制御パラメータを演算する重回帰分析手段と、
    この重回帰分析手段により演算された制御パラメータを含む前記後アルカリ剤注入率演算式により、前記pH偏差と前記水質計により計測した水質データとを用いて、後アルカリ剤注入点の後アルカリ剤注入率を演算する薬品注入率演算手段と、を備え、
    前記重回帰分析手段は、後アルカリ剤注入点とpH計測点との間の距離に起因する流下遅れ時間を考慮して時間をずらしたpH計測値が所定範囲内である時のデータを用いて重回帰分析を行うことを特徴とする浄水場のアルカリ剤注入制御システム。
  5. 請求項3または4に記載した浄水場のアルカリ剤注入制御システムにおいて、
    前記記憶手段は、前記重回帰分析手段により演算された制御パラメータを記憶することを特徴とする浄水場のアルカリ剤注入制御システム。
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