JP2005327575A - 回転コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】1種類の規制部材で回転ケースと固定ケースの仮止めと固定を達成することができ、製造コストの低減が可能な回転コネクタを提供すること。
【解決手段】互いに回転自在に組み付けられ、内部に環状の空間Sを形成する回転ケース2及び固定ケース3と、帯状伝送線6と、両ケースの相対回転を規制する規制部材7とを有する回転コネクタ1。規制部材7は、一方のケースに設けた挿通部4bに抜き差し自在に挿通される挿通片7aと、挿通部に装着可能で、中間に薄肉部7cが形成されると共に、薄肉部と先端との間に、挿通部に設けた係合部4cと係合するロック部7dが設けられた固定片7bと、挿通片を挿通部に挿通したときに、他方のケースに設けた係止部2cと係合して両ケースの相対回転を規制する第1の規制部7eと、固定片を挿通部に装着したときに、係止部と係合して両ケースの相対回転を規制する第2の規制部7gとを備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、回転コネクタに関する。
従来、回転コネクタは、限定された回転回数の範囲内で相対的に回転する回転部材と固定部材との間で電気信号、光信号或いは電力等を伝送するためのコネクタ装置として使用されている。この回転コネクタは、互いに回転自在に組み付けられる回転ケースと固定ケース内に形成される環状の空間内に渦巻状に巻回した可撓性を有するフラットケーブルを収容したもので、フラットケーブルの巻き締まりや巻き緩みによって回転ケースの固定ケースに対する回転を許容している。
この回転コネクタは、製造後、左右方向へ同一回数の回転が確保されるように、フラットケーブルを巻き締まり、巻き緩みの中立位置に調整し、回転ケースと固定ケースとが回転しないように固定している(例えば、特許文献1,2参照)。
実開平3−39284号公報 実開平5−45977号公報
ところで、回転コネクタは複数の客先を介して納入されることがあり、このような場合、回転ケースと固定ケースとの回転を規制する際、従来は、例えば、仮止めピンで仮止めし、第一次客先に回転コネクタを出荷する。第一次客先は、入荷した回転コネクタから仮止めピンを外して回転機能検査を行った後、再び中立位置に調整し、回転ケースと固定ケースとを仮止めピンとは異なる別の固定ピンで固定し、第二次客先に出荷している。このため、従来の回転コネクタは、回転ケースと固定ケースとの仮止めと固定に仮止めピンと固定ピンの2種類を使用しなければならず、部品管理に手間が掛かるうえ、仮止めピンと固定ピンとの使い分けに伴って作業性が悪くなるという問題があり、2種類のピンを用いる分、回転コネクタの製造コストが増加するという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、1種類の規制部材で回転ケースと固定ケースの仮止めと固定を達成することができ、製造コストの低減が可能な回転コネクタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の回転コネクタは、互いに回転自在に組み付けられ、内部に環状の空間を形成する回転ケース及び固定ケースと、渦巻き状に巻回されて前記環状の空間に収容される可撓性を有する帯状伝送線と、前記両ケース間に跨って取り付けられ、両ケースの相対回転を規制する規制部材と、を有し、前記帯状伝送線の巻き締まり、巻き緩みによって前記回転ケースの固定ケースに対する回転を許容する回転コネクタにおいて、前記規制部材は、前記一方のケースに設けた挿通部に抜き差し自在に挿通される挿通片と、前記挿通部に装着可能で、中間に薄肉部が形成されると共に、前記薄肉部と先端との間に、前記挿通部に設けた係合部と係合するロック部が設けられた固定片と、前記挿通片を前記挿通部に挿通したときに、前記他方のケースに設けた係止部と係合して前記両ケースの相対回転を規制する第1の規制部と、前記固定片を前記挿通部に装着したときに、前記係止部と係合して前記両ケースの相対回転を規制する第2の規制部と、を備え、前記挿通部に前記挿通片を挿通或いは前記固定片を装着することにより、前記第1の規制部或いは前記第2の規制部が前記係止部と係合し、前記回転ケースと前記固定ケースとの相対回転を仮止め或いは固定することを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の回転コネクタは、互いに回転自在に組み付けられ、内部に環状の空間を形成する回転ケース及び固定ケースと、渦巻き状に巻回されて前記環状の空間に収容される可撓性を有する帯状伝送線と、前記両ケース間に跨って取り付けられ、両ケースの相対回転を規制する規制部材と、を有し、前記帯状伝送線の巻き締まり、巻き緩みによって前記回転ケースの固定ケースに対する回転を許容する回転コネクタにおいて、前記規制部材は、規制ピンと、前記規制ピンと着脱自在に組み付けられる中間部材とを有し、前記規制ピンは、前記一方のケースに設けた挿通部に装着可能で、中間に薄肉部が形成されると共に、前記薄肉部と先端との間に、前記挿通部に設けた係合部と係合するロック部が設けられた固定片と、前記固定片を前記挿通部に装着したときに、前記他方のケースに設けた前記係止部と係合して前記両ケースの相対回転を規制する規制部と、を備え、前記中間部材は、前記係止部と係合する第1係合部と、前記規制部が係合する第2係合部とを有し、前記規制ピンと前記中間部材とを組み付けて前記固定片を前記挿通部に装着すると、前記ロック部が前記挿通部に設けた係合部と係合することなく前記第1係合部が前記他方のケースに設けた前記係止部と係合して前記両ケースの相対回転が仮止めされ、前記規制ピンと前記中間部材との組み付けを解除して前記固定片を前記挿通部に直接装着すると、前記挿通部に設けた前記係合部と前記ロック部とが係合すると共に、前記規制部が前記他方のケースに設けた前記係止部と係合して前記両ケースの相対回転が固定されることを特徴とする。
請求項1及び請求項3の発明によれば、1種類の規制部材によって回転ケースと固定ケースの仮止めと固定を達成し、製造コストを低減した回転コネクタが提供される。
また、請求項2に係る回転コネクタは、上記の発明において、更に、前記規制部材は、前記挿通片と前記固定片との間に引き抜き操作用の指を係止して引き抜き操作を行う指掛け係止部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に係る回転コネクタは、上記の発明において、前記規制部は、前記固定片の端部に設けられ、引き抜き操作用の指を係止して引き抜き操作を行う指掛け係止部に設けられていることを特徴とする。
また、請求項5に係る回転コネクタは、上記の発明において、前記中間部材は、連結部によって前記規制部材と連結されていることを特徴とする。
本発明の回転コネクタは、回転ケースと固定ケースの仮止めと固定を1種類の規制部材で達成することができ、製造コストを低減することができるという効果を奏する。
以下に、本発明の回転コネクタに係る実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る回転コネクタの実施の形態1を示す斜視図である。図2は、図1に示す回転コネクタの挿通部と係止部とを通る線で切断した断面図である。図3は、回転コネクタに回転ケースと固定ケースとの回転を規制する規制ピンを挿通する様子を示す斜視図である。
回転コネクタ1は、図1及び図2に示すように、互いに回転自在に組み付けられ、内部に環状の空間を形成する回転ケース2と固定ケース3、可撓性を有し、渦巻き状に巻回されて前記環状の空間に収容されるフラットケーブル6を有している。回転コネクタ1は、ケース2,3に跨って取り付けられる規制ピン7(図3参照)によって両ケース2,3の相対回転が規制され、例えば、中立位置を維持することができる。
回転ケース2は、図1及び図2に示すように、内筒軸部2aと上フランジ2bを有している。上フランジ2bは、外周に係止凹部2cが形成され、係止凹部2cと直径方向に対向する位置には、外部機器のコネクタと接続される接続部2dが設けられている。
固定ケース3は、図1及び図2に示すように、外筒4とベース5を有し、回転ケース2と回転自在に組み付けられて内部に環状の空間Sを形成する。外筒4は、上フランジ2bの外縁と係合する筒状の部材であり、外面には外部機器のコネクタと接続される接続部4aが設けられている。接続部4aは、凹部2cと対向する位置に挿通孔4bが設けられている。挿通孔4bは、図2に示すように、内部に係合部4cが形成されている。ベース5は、外筒4と係合されて回転ケース2及び外筒4の下部に配置されている。
フラットケーブル6は、電気信号、光信号或いは電力等を伝送する可撓性を有する帯状伝送線で、例えば、並行に配列した平角状の複数の電気導体が絶縁体で被覆されている。フラットケーブル6は、渦巻き状に巻回して両ケース2,3によって形成される環状の空間Sに収容され、巻回した内端が回転ケース2に、外端が固定ケース3に、それぞれ固定されている。ここで、フラットケーブル6は、電気導体と光ファイバとを複数並行に配列し、絶縁体で被覆したものを使用してもよい。また、フラットケーブル6は、中間部に略U字状の折返し部を形成して渦巻き状に巻回して環状の空間Sに収容するようにしてもよい。
規制ピン7は、互いに回転自在に組み付けられる回転ケース2と固定ケース3の相対回転を規制する合成樹脂製の部材であり、図3〜図4−3に示すように、挿通片7aと、固定片7bと、係止リング7fを有している。挿通片7aは、板状に成形され、挿通孔4bに抜き差し自在に挿通される。固定片7bは、挿通片7aに対して直交させて配置され、中間に薄肉部7cが形成されると共に、薄肉部7cと先端との間に、挿通孔4bに設けた係合部4cと係合する凹溝状のロック部7dが設けられている。また、固定片7bは、挿通片7a側に、係止凹部2cと係合し、第1の規制部となる規制突起7eが設けられている。係止リング7fは、挿通片7aと固定片7bとの間の交差部に設けられ、固定片7b側には、係止凹部2cと係合し、第2の規制部となる規制突起7gが設けられている。
回転コネクタ1は、内端を回転ケース2に、外端を固定ケース3に、それぞれ固定して渦巻き状に巻回したフラットケーブル6を回転ケース2と固定ケース3とによって形成される環状の空間Sに収容し、両ケース2,3を組み付けて製造される。このとき、回転コネクタ1は、回転ケース2が固定ケース3に対して左右方向へ同じ回数だけ回転することができるように、フラットケーブル6を巻き締まりと巻き緩みの中立位置に調整する。そして、この調整した中立位置が維持されるように、回転コネクタ1は、図3に示すように、挿通孔4bに規制ピン7の挿通片7aを挿通する。これにより、回転コネクタ1は、挿通片7aが挿通孔4bに挿通されるのに伴って、図5に示すように、規制突起7eが回転ケース2の係止凹部2cに係合し、中立位置が保持された状態で回転ケース2と固定ケース3との相対回転が規制される。
但し、規制ピン7は、係止リング7fに指を掛けたり、係止リング7fを持ったりして引っ張ることにより、挿通片7aは挿通孔4bから簡単に引き抜かれ、規制突起7eと係止凹部2cとの係合が解除される。このため、回転コネクタ1は、挿通片7aを挿通孔4bに挿通することによって、回転ケース2と固定ケース3とが仮止めされた状態となる。回転コネクタ1は、この仮止め状態で第一次客先に出荷される。
このようにして出荷された回転コネクタ1は、第一次客先において挿通片7aを挿通孔4bから引き抜いて、回転機能検査を含む所定の検査が行われた後、再び中立位置に調整される。そして、回転コネクタ1は、図6に示すように、挿通孔4bに規制ピン7の固定片7bが装着される。これにより、回転コネクタ1は、図7に示すように、ロック部7dが係合部4cと係合すると共に、規制突起7gが係止凹部2cに係合し、中立位置が保持された状態で回転ケース2と固定ケース3との相対回転が固定される。このように、回転コネクタ1は、中立位置に再調整し、挿通孔4bに固定片7bを装着した固定状態にして、第二次客先に出荷される。そして、第二次客先は、係止リング7fに指を掛けて引っ張ることによって、図8に示すように、固定片7bを薄肉部7cで破断して回転ケース2と固定ケース3の固定を解除した後、例えば自動車等に回転コネクタ1を組み付ける。これにより、回転コネクタ1は、フラットケーブル6が中立位置に保持された状態で自動車等に組み付けることができる。このとき、薄肉部7cで破断された規制ピン7の係止リング7f側は廃棄される。
ここで、回転コネクタ1は、挿通孔4bに固定片7bが装着されると、ロック部7dと係合部4cとの係合は解除できない。このため、回転コネクタ1は、通常の取り扱いをする限り、固定片7bが挿通孔4bから外れることはない。但し、無理に固定片7bを挿通孔4bから引き抜こうとすると、図8に示すように、固定片7bが薄肉部7cで破断され、ロック部7dが係合部4cと係合している固定片7bの先端側が挿通孔4bに残留してしまう。このため、第二次客先は、挿通孔4bに固定片7bの断片が残留しているか否かで、回転コネクタ1の組立て後における故意による固定解除の有無や、両ケース2,3が相対回転されてフラットケーブル6の中立位置が故意にずらされてしまうような、回転コネクタ1に対するいたずら等の不正行為が行われたか否かを外観から簡単に判断することができる。
従って、回転コネクタ1は、流通段階における不正行為の有無を車両等への組付時等を含め、事前に外観に基づいて簡単に判断することができるので、信頼性が高まる。また、本発明の回転コネクタ1は、回転ケース2と固定ケース3の仮止めと固定を1種類の規制ピン7によって達成することができ、製造コストを低減することができる。
また、規制ピンは、挿通片,固定片及び第1及び第2の規制部を有していれば、規制ピン7に限定されるものではない。例えば、図9−1及び図9−2に示す規制ピン8のように、互いに直交配置される挿通片8aと固定片8bが、係止リング8fを介して連結され、係止リング8fの外周に挿通片8a及び固定片8bに対して平行に突出する規制突起8e,8gが設けられているように構成してもよい。このとき、固定片8bは、中間に薄肉部8cが形成されると共に、薄肉部8cと先端との間に、挿通孔4bに設けた係合部4cと係合する凹溝状のロック部8dが設けられている。これにより、規制ピン8は、規制ピン7と同様に、回転ケース2と固定ケース3とを仮止めしたり、固定したりすることができるうえ、固定片7bが薄肉部7cで破断されているか否かによって、回転コネクタ1に対するいたずら等の不正行為が行われたか否かを外観で判断することができる。
また、図10に示す規制ピン9のように、挿通片9aと固定片9bとを直線上に配置すると共に、挿通片9aと固定片9bとの間に係止リング9fを直交する方向に突設し、係止リング9fに挿通片9a及び固定片9bに対して平行に突出する規制突起9e,9gを設ける。そして、固定片9bは、中間に薄肉部9cを形成し、薄肉部9cと先端との間に、挿通孔4bに設けた係合部4cと係合する凹溝状のロック部9dを設ける。これにより、規制ピン9は、挿通片9aと固定片9bを使い分けることによって、規制ピン7,8と同様の機能を発揮することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明に係る回転コネクタの実施の形態2を説明する。実施の形態1の回転コネクタは、挿通片と固定片とを有する規制ピンを用いて回転ケース2と固定ケース3との相対回転を規制した。これに対して、実施の形態2の回転コネクタは、挿通片を有さず、固定片のみを有する規制ピンと中間部材とを用いた規制部材によって回転ケース2と固定ケース3の仮止めと固定を行い、中立位置を保持している。図11は、実施の形態2で用いる規制ピンと中間部材の側面図である。図12は、図11に示す規制ピンと中間部材の組み付け方を示す斜視図である。
実施の形態2の回転コネクタは、規制部材10として規制ピン11と、規制ピン11と着脱自在に組み付けられる中間部材12とを有し、共に合成樹脂製から成形されている。
規制ピン11は、図11及び図12に示すように、固定片11aと、係止リング11bを有している。固定片11aは、中間に薄肉部11cが形成されると共に、薄肉部11cと先端との間に、挿通孔4bに設けた係合部4cと係合する凹溝状のロック部11dが設けられている。また、係止リング11bは、固定片11aと直交する直交片11eに固定片11aと並行に突出する規制突起11fが設けられている。
中間部材12は、規制ピン11と着脱自在に組み付けて規制部材10を構成し、図11及び図12に示すように、本体12aと、本体12aの側部から立ち上がり本体12aの上部を覆うカバー片12bとを有している。本体12aは、規制ピン11と中間部材12とを組み付けた状態で固定片11aを挿通孔4bに挿通したときに、ロック部11dと係合部4cとの係合を阻害する厚さに設定されている。そして、本体12aは、下面に回転ケース2の係止凹部2cに係合する係合突起12cが設けられ、上面には規制ピン11の規制突起11fが係合する係合凹部12dが幅方向に形成されている。中間部材12は、図12に示すように、本体12aとカバー片12bとの間に規制ピン11の直交片11eを挿着して規制ピン11と着脱自在に組み付けられる。
規制部材10を用いて回転コネクタ1を仮止めするときは、規制ピン11と中間部材12とを組み付けた状態で、固定片11aを外筒4の挿通孔4bに挿通する。すると、回転コネクタ1は、図13に示すように、中間部材12の係合突起12cが回転ケース2に設けた係止凹部2cと係合し、両ケース2,3の相対回転が仮止めされる。このとき、回転コネクタ1は、図13に示すように、固定片11aの先端が係合部4cに乗り上げてロック部11dが挿通孔4bに設けた係合部4cと係合しないので、両ケース2,3の相対回転が固定されずに仮止めされる。
一方、回転コネクタ1を固定するときは、規制部材10から中間部材12を外して規制ピン11単独とし、固定片11aを挿通孔4bに直接装着する。すると、回転コネクタ1は、図14に示すように、ロック部11dが挿通孔4bに設けた係合部4cと係合すると共に、規制突起11fが回転ケース2に設けた係止凹部2cと係合し、両ケース2,3の相対回転が固定される。
そして、回転コネクタ1は、自動車等に組み付けるときに、係止リング11bに指を掛けて引っ張ることにより、図15に示すように、規制ピン11を薄肉部11cで破断すればよい。このとき、規制部材10から外した中間部材12は、規制ピン11と異なって何ら破断等による損傷を受けていないので、再利用することができ、回転コネクタ1のコストを低減することができる。
このように、実施の形態2の回転コネクタ1は、1種類の規制部材で回転ケースと固定ケースの仮止めと固定を達成することができ、製造コストが低減されるという実施の形態1の回転コネクタにおける効果に加え、中間部材12を再利用することによって更にコストダウンが図れるという効果を奏する。
ここで、中間部材は、図16及び図17に示す中間部材14のように、本体14aの長手方向一側に規制ピン11の固定片11aを挿通する挿通溝14bを設けると共に、本体14aの下面に回転ケース2の係止凹部2cに係合する係合突起14cを設け、上面に規制ピン11の規制突起11fが係合する係合凹部14dを設けてもよい。このとき、本体14aは、中間部材12と同様に、規制ピン11と中間部材14とを組み付けた状態で固定片11aを挿通孔4bに挿通したときに、ロック部11dと係合部4cとの係合を阻害する厚さに設定する。そして、中間部材14は、図17に示すように、固定片11aを挿通溝14bに挿通する共に、規制突起11fを係合凹部14dに係合させて規制ピン11と着脱自在に組み付けられ、規制部材10を構成する。
このようにして規制ピン11と中間部材14とを組み付けられた規制部材10を用いて回転コネクタ1を仮止めするときは、固定片11aを挿通孔4bに挿通する。すると、回転コネクタ1は、図18に示すように、ロック部11dが挿通孔4bに設けた係合部4cと係合することなく中間部材14の係合突起14cが回転ケース2に設けた係止凹部2cと係合し、両ケース2,3の相対回転が仮止めされる。
一方、回転コネクタ1を固定するときは、規制ピン11から中間部材14を外し、固定片11aを挿通孔4bに直接装着する。すると、回転コネクタ1は、図14に示したように、ロック部11dが挿通孔4bに設けた係合部4cと係合すると共に、規制突起11fが回転ケース2に設けた係止凹部2cと係合し、両ケース2,3の相対回転が固定される。そして、自動車等に組み付けるとき、回転コネクタ1は、係止リング11bに指を掛けて引っ張り、規制ピン11を薄肉部11cで破断すればよい。
また、中間部材は、図19及び図20に示す中間部材16のように、連結部16dによって規制ピン11と連結し、本体16aの下面に回転ケース2の係止凹部2cに係合する係合突起16bを設け、上面に規制ピン11の規制突起11fが係合する段状の係合凹部16cを設けた構成としてもよい。このとき、本体16aは、中間部材14の本体14aと同様の機能を発揮する厚さに設定する。
そして、規制突起11fを係合凹部16cに係合させて規制ピン11と中間部材16とを組み付けた規制部材10を用いて回転コネクタ1を仮止めするときは、固定片11aを挿通孔4bに挿通する。すると、回転コネクタ1は、図21に示すように、ロック部11dが挿通孔4bに設けた係合部4cと係合することなく中間部材14の係合突起14cが回転ケース2に設けた係止凹部2cと係合し、両ケース2,3の相対回転が仮止めされる。
一方、回転コネクタ1を固定するときは、規制ピン11から中間部材16を外し、固定片11aを挿通孔4bに直接装着する。すると、回転コネクタ1は、ロック部11dが挿通孔4bに設けた係合部4cと係合すると共に、規制突起11fが回転ケース2に設けた係止凹部2cと係合し、両ケース2,3の相対回転が固定される。そして、自動車等に組み付けるとき、回転コネクタ1は、係止リング11bに指を掛けて引っ張り、規制ピン11を薄肉部11cで破断すればよい。
このように、規制ピン11と中間部材16とを連結部16dによって連結した規制部材10にすると、中間部材16が紛失することがなくなり、規制部材10の部品管理が容易になる。
尚、上記実施の形態においては、回転コネクタ1は、回転ケース2に係止部となる係止凹部2cを、固定ケース3を構成する外筒4に挿通部となる挿通孔4bを、それぞれ設けた。しかし、本発明の回転コネクタは、回転ケース2に挿通部を、固定ケース3に係止部を設けてもよい。
また、互いに係合して両ケースの相対回転を規制する規制部及び係止部として上記実施の形態においては、規制突起と係止凹部を使用した。しかし、規制部及び係止部としては、回転ケース2の上フランジ2bに周方向に所定間隔を2つの突起を設け、2つの突起間に固定片7bや係止リング7f或いは直交片11eを配置することによって回転ケース2と固定ケース3との相対回転を規制するようにしてもよい。
以上のように、本発明にかかる回転コネクタは、1種類の規制部材で回転ケースと固定ケースの仮止めと固定を達成し、回転コネクタの信頼性を高めるのに有用である。
本発明に係る回転コネクタの実施の形態1を示す斜視図である。 図1に示す回転コネクタの挿通部と形止部とを通る線で切断した断面図である。 回転コネクタに回転ケースと固定ケースとの回転を規制する規制ピンを挿通する様子を示す斜視図である。 規制ピンを第1の方向から見た斜視図である。 規制ピンを第2の方向から見た斜視図である。 規制ピンの正面図である。 規制ピンの挿通片を挿通孔に挿通し、回転ケースと固定ケースとを仮止めした状態の図2に対応した断面図である。 規制ピンの固定片を挿通孔に装着する際の図2に対応した断面図である。 規制ピンの固定片を挿通孔に装着し、回転ケースと固定ケースとを固定した状態の図2に対応した断面図である。 固定片を挿通孔から引き抜こうとして規制ピンが薄肉部で破断された状態を示す図2に対応した断面図である。 規制ピンの第1の変形例を示す斜視図である。 図9−1に示す規制ピンの正面図である。 規制ピンの第2の変形例を示す正面図である。 実施の形態2で用いる規制部材を構成する規制ピンと中間部材の側面図である。 図11に示す規制ピンと中間部材の組み付け方を示す斜視図である。 図11に示す規制ピンと中間部材とを組み付け、規制ピンの固定片を挿通孔に挿通すると共に、中間部材の規制突起が回転ケースの係止凹部に係合し、回転ケースと固定ケースとが仮止めされた状態の図2に対応した断面図である。 中間部材を外し、規制ピンの固定片を挿通孔に装着し、回転ケースと固定ケースとを固定した状態の図2に対応した断面図である。 固定片を挿通孔から引き抜こうとして規制ピンが薄肉部で破断された状態を示す図2に対応した断面図である。 中間部材の第1の変形例を規制ピンと共に示した斜視図である。 図16に示す中間部材と規制ピンの側面図である。 図16に示す規制ピンと中間部材とを組み付け、規制ピンの固定片を挿通孔に挿通すると共に、中間部材の規制突起が回転ケースの係止凹部に係合し、回転ケースと固定ケースとが仮止めされた状態の図2に対応した断面図である。 規制ピンと連結された中間部材の第2の変形例を示す側面図である。 図19に示す中間部材と規制ピンの斜視図である。 中間部材と連結された規制ピンの固定片を挿通孔に挿通すると共に、中間部材の規制突起が回転ケースの係止凹部に係合し、回転ケースと固定ケースとが仮止めされた状態の図2に対応した断面図である。
符号の説明
1 回転コネクタ
2 回転ケース
2a 内筒軸部
2b 上フランジ
2c 係止凹部
3 固定ケース
4 外筒
4b 挿通孔
5 ベース
6 フラットケーブル
7 規制ピン
7a 挿通片
7b 固定片
7f 係止リング
7c 薄肉部
7d ロック部
7e 規制突起
7f 係止リング
7g 規制突起
8,9 規制ピン
8a,9a 挿通片
8b,9b 固定片
8c,9c 薄肉部
8d,9d ロック部
8e,9e 規制突起
8f,9f 係止リング
8g,9g 規制突起
10 規制部材
11 規制ピン
11a 固定片
11b 係止リング
11c 薄肉部
11d ロック部
11e 直交片
11f 規制突起
12 中間部材
12a 本体
12b カバー片
12c 係合突起
12d 係合凹部
14 中間部材
14a 本体
14b 挿通溝
14c 係合突起
14d 係合凹部
16 中間部材
16d 連結部
16a 本体
16b 係合突起
16c 係合凹部
S 環状の空間

Claims (5)

  1. 互いに回転自在に組み付けられ、内部に環状の空間を形成する回転ケース及び固定ケースと、
    渦巻き状に巻回されて前記環状の空間に収容される可撓性を有する帯状伝送線と、
    前記両ケース間に跨って取り付けられ、両ケースの相対回転を規制する規制部材と、
    を有し、前記帯状伝送線の巻き締まり、巻き緩みによって前記回転ケースの固定ケースに対する回転を許容する回転コネクタにおいて、
    前記規制部材は、
    前記一方のケースに設けた挿通部に抜き差し自在に挿通される挿通片と、
    前記挿通部に装着可能で、中間に薄肉部が形成されると共に、前記薄肉部と先端との間に、前記挿通部に設けた係合部と係合するロック部が設けられた固定片と、
    前記挿通片を前記挿通部に挿通したときに、前記他方のケースに設けた係止部と係合して前記両ケースの相対回転を規制する第1の規制部と、
    前記固定片を前記挿通部に装着したときに、前記係止部と係合して前記両ケースの相対回転を規制する第2の規制部と、
    を備え、前記挿通部に前記挿通片を挿通或いは前記固定片を装着することにより、前記第1の規制部或いは前記第2の規制部が前記係止部と係合し、前記回転ケースと前記固定ケースとの相対回転を仮止め或いは固定することを特徴とする回転コネクタ。
  2. 更に、前記規制部材は、前記挿通片と前記固定片との間に引き抜き操作用の指を係止して引き抜き操作を行う指掛け係止部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転コネクタ。
  3. 互いに回転自在に組み付けられ、内部に環状の空間を形成する回転ケース及び固定ケースと、
    渦巻き状に巻回されて前記環状の空間に収容される可撓性を有する帯状伝送線と、
    前記両ケース間に跨って取り付けられ、両ケースの相対回転を規制する規制部材と、
    を有し、前記帯状伝送線の巻き締まり、巻き緩みによって前記回転ケースの固定ケースに対する回転を許容する回転コネクタにおいて、
    前記規制部材は、規制ピンと、前記規制ピンと着脱自在に組み付けられる中間部材とを有し、
    前記規制ピンは、
    前記一方のケースに設けた挿通部に装着可能で、中間に薄肉部が形成されると共に、前記薄肉部と先端との間に、前記挿通部に設けた係合部と係合するロック部が設けられた固定片と、
    前記固定片を前記挿通部に装着したときに、前記他方のケースに設けた前記係止部と係合して前記両ケースの相対回転を規制する規制部と、
    を備え、
    前記中間部材は、前記係止部と係合する第1係合部と、前記規制部が係合する第2係合部とを有し、
    前記規制ピンと前記中間部材とを組み付けて前記固定片を前記挿通部に装着すると、前記ロック部が前記挿通部に設けた係合部と係合することなく前記第1係合部が前記他方のケースに設けた前記係止部と係合して前記両ケースの相対回転が仮止めされ、
    前記規制ピンと前記中間部材との組み付けを解除して前記固定片を前記挿通部に直接装着すると、前記挿通部に設けた前記係合部と前記ロック部とが係合すると共に、前記規制部が前記他方のケースに設けた前記係止部と係合して前記両ケースの相対回転が固定されることを特徴とする回転コネクタ。
  4. 前記規制部は、前記固定片の端部に設けられ、引き抜き操作用の指を係止して引き抜き操作を行う指掛け係止部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の回転コネクタ。
  5. 前記中間部材は、連結部によって前記規制部材と連結されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の回転コネクタ。
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