JP2005325283A - 接着性樹脂フィルム及びその使用方法並びに半導体装置 - Google Patents

接着性樹脂フィルム及びその使用方法並びに半導体装置 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 プラスチック多孔質膜の空孔内部に接着性オルガノポリシロキサン組成物が含浸されていると共に、上記プラスチック多孔質膜の両面にそれぞれ上記接着性オルガノポリシロキサン組成物の接着層が形成された感圧性かつ熱硬化性の接着性樹脂フィルムであって、上記接着性オルガノポリシロキサン組成物が、
(A)分子鎖両末端が水酸基で封鎖されているジオルガノポリシロキサン、
(B)R1 3SiO1/2(R1は一価炭化水素基)で表される単位とSiO2で表される単位とを、R1 3SiO1/2単位/SiO2単位のモル比が0.6〜1.7となる割合で含むオルガノポリシロキサンレジン、
(C)硬化剤、
(D)接着助剤
を含有するものである接着性樹脂フィルム。
【効果】 本発明の接着性樹脂フィルムは、粘着性に優れた感圧性接着剤かつ強固な接着力を示す熱硬化性接着シートとして、優れた効果を奏する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体チップと各種基材との接着に有効に用いられ、ダイシング・ダイボンド用フィルムとして適した感圧性かつ熱硬化性の接着性樹脂フィルム、及びその使用方法、並びにこれを用いて半導体チップと各種基材とが接合された半導体装置に関するものである。
シリコーン系感圧性接着剤は、シリコーンオイル及びシリコーンゴムと同様に、そのポリシロキサン構造に由来する耐熱性、耐寒性、電気絶縁性、耐候性、耐水性、無毒性等の特性から、更に、他の有機系ポリマーを接着成分とする感圧性接着剤では粘着し難いフッ素樹脂、シリコーンゴム等に対しても粘着性に優れていることから、種々の基材に適応され、広範囲の用途に使用されている。特に、高純度、高耐熱性、低Tg、低弾性率、高電気抵抗、低誘電率等の特性に優れているため、電子部品の製造に好適に用いられている。
従来のシリコーン系感圧性接着剤は、主として、保護用テープ、固定用テープ、マスキングテープ等として、また、基材同士の貼り合わせ等の用途で用いられ、これらの用途においては、特に大きな粘着力を必要としないものであった。しかし、最近では、各種基材に対し、良好な感圧接着性(粘着性)を示すのみならず、更に、強固に永久接着するという性能が要求されてきている。例えば、ポリシロキサン構造に由来する上記諸特性についての信頼性の面から、特に、後記の通り、半導体装置の製造過程で用いられるダイシングテープ兼ダイボンドテープとして適応可能な前記性能を有するシリコーン系接着剤が要望されている。
半導体装置は、通常、ウェハダイシング用のダイシングマウントに大径のシリコンウェハをダイシングテープを用いて圧着し、粘着させて固定する工程、固定された前記シリコンウェハを縦及び横方向に切断して、半導体チップに加工するダイシング工程、前記半導体チップを前記ダイシングテープより剥離して分離する工程、及び硬化性の液状接着剤(通常、ダイボンド剤と称される)等を用いて、前記半導体チップをリードフレームに接着固定する工程、即ち、ダイボンド工程を経て製造される。
最近では、工程の簡略化を図るため、かつ、液状接着剤を使用した際の液状成分による半導体部品の汚染等の問題を回避するために、シリコンウェハ粘着固定用のダイシングテープの機能と、半導体チップをリードフレームに接着固定するダイボンド剤としての機能とを兼ね備えた、特にフィルム状の材料が要望されている。
前記フィルム状材料は、例えば、ダイシング工程においてはウェハ切断時の応力に耐えて、シリコンウェハが前記ダイシングマウントから剥離することのないように確実に粘着・保持できるものである必要がある。そして、前記フィルム状材料は、シリコンウェハに対する粘着力が、前記ダイシングマウントに対する粘着力よりも大きいものであって、ダイシング工程を経て個々の半導体チップを分離する際に、半導体チップと一体となって、前記ダイシングマウントから分離される必要がある。次に、ダイボンド工程において、前記フィルム状材料には、リードフレーム上に半導体チップを圧着固定するために十分な粘着力を保持していることが必要であり、更に、最終的には半導体チップをリードフレームに強固に接着固定させる性能を有する必要がある。
ダイシング・ダイボンド用シートとして、特開平9−67558号公報(特許文献1)にポリイミド系樹脂を含む接着剤組成物が提案されているが、ポリイミド系樹脂はTgが高く、高弾性率であるため、半導体部品と接着基材間の熱的な応力を緩和することが不十分であり、信頼性に欠けるものであった。よって、応力緩和可能な低Tg、低弾性率を有するシリコーン系樹脂からなるダイシング・ダイボンド用フィルムが要求されてきている。
また、最近では、半導体チップを搭載するリードフレームとして、ソルダーレジストインクを塗布した有機基材を用いる場合が多くなってきている。前記基材に対して、従来のダイボンド剤は十分な接着性能を発揮することが困難であった。
特開平9−67558号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、伸び、破れが起こり難く、かつボイドの発生が可及的に防止され、安定した膜厚を有し、特に半導体チップをリードフレームに接着固定する場合に好適で、ダイシング・ダイボンド用として有効に用いられる、感圧性かつ熱硬化性の接着性樹脂フィルム、その使用方法並びにこの接着性樹脂フィルムを用いて半導体チップを基材に接着固定してなる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、ポリイミド多孔質膜等のプラスチック多孔質膜にBステージ状(半硬化状態)の接着性オルガノポリシロキサン組成物溶液を含浸させ、多孔質膜内部を接着性オルガノポリシロキサン組成物で充填し、更に多孔質膜の両面に同様の接着性オルガノポリシロキサン組成物の接着層を設けることで、該接着層の伸びや破れが起こらず、多孔質膜内部の空孔がBステージ状のオルガノポリシロキサン組成物で充填されているためボイドが発生せず、安定した膜厚の接着性樹脂フィルムを得ることができることを知見した。
即ち、本出願人は、先に特願2003−206100号において、ソルダーレジストインクを塗布した基材に対しても十分な粘着力及び接着強度を与えるシリコーン系のダイシング用兼ダイボンド用フィルムを提案した。しかし、シリコーン樹脂単層では樹脂層が柔らかく、容易に変形してしまう場合があった。例えば、移送時に局所的に圧力がかかることなどによってフィルム厚みに狂いが生じ、これにより粘着力に変化が生じた場合、ダイシング工程時のチップ飛びの原因となり、またダイボンディング工程時に半導体チップをピックアップする際に樹脂シートの伸びや破れの原因となり、作業性、製品の安定性の更なる改善が求められていた。
このため、本発明者らは、更に検討を進め、プラスチック多孔質膜の空孔内部に接着性オルガノポリシロキサン組成物を含浸すると共に、上記多孔質膜の両面にそれぞれ上記接着性オルガノポリシロキサン組成物の接着層を形成することにより、上記問題を解決し得、特に、短時間の加熱処理により半導体チップをリードフレームに強固に接着固定し、かつエポキシ樹脂で封止した時の接着性に優れ、更にボイドが発生せず、安定で、作業性に優れた、半導体装置の作製に好適な接着性樹脂フィルムが得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、プラスチック多孔質膜の空孔内部に接着性オルガノポリシロキサン組成物が含浸されていると共に、上記プラスチック多孔質膜の両面にそれぞれ上記接着性オルガノポリシロキサン組成物の接着層が形成された感圧性かつ熱硬化性の接着性樹脂フィルムであって、上記接着性オルガノポリシロキサン組成物が、
(A)分子鎖両末端が水酸基で封鎖されているジオルガノポリシロキサン、
(B)R1 3SiO1/2(R1は独立に炭素原子数1〜10の一価炭化水素基である。)で表される単位とSiO2で表される単位とを、R1 3SiO1/2単位/SiO2単位のモル比が0.6〜1.7となる割合で含むオルガノポリシロキサンレジン、
(C)硬化剤、
(D)接着助剤
を含有するものであることを特徴とする接着性樹脂フィルムを提供する。
また、本発明は、上記接着性樹脂フィルムの接着性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を介して、基材に半導体チップを接合してなる半導体装置、及び上記接着性樹脂フィルムを粘着すべき対象物に1〜30MPaの圧力で1〜60秒間圧着することを特徴とする接着性樹脂フィルムの使用方法を提供する。
本発明の接着性樹脂フィルムは、粘着性に優れた感圧性接着剤かつ強固な接着力を示す熱硬化性接着シートとして、優れた効果を奏する。特に、半導体装置の製造において、シリコンウェハ等の基材を圧着・固定して、基材の切断(ダイシング)工程が確実に実施できる。また、半導体チップ等の基材への強固な接着も可能とする。特にソルダーレジストインクを塗布した基材に対しても、強固に接着でき、更に、硬化・成形時にボイドを発生させることがない。また、フィルムとして供給できるため、取り扱いが容易で、更に液状接着剤のように流動成分による周辺部品等への汚染を発生させることがない。しかも、半導体素子を接着した際の素子とリードフレーム間あるいは素子間の厚みを容易に制御することが可能である。よって、本発明の組成物を含む感圧性で熱硬化性の熱硬化性接着シートは、半導体装置製造工程において、ダイシング兼ダイボンド用テープに好適に用いることができる。
本発明に係る接着性樹脂フィルムは、(I)接着性オルガノポリシロキサン組成物を(II)プラスチック多孔質膜の空孔内に含浸させた後、該多孔質膜の両面に塗工した感圧性かつ熱硬化性の接着性樹脂フィルムである。
(I)接着性オルガノポリシロキサン組成物
接着性オルガノポリシロキサン組成物は、それ自体又はBステージ状(半硬化状態)において感圧粘着性を有すると共に、熱硬化して接着性を与えるものであれば、いずれのものでもよいが、特には、
(A)分子鎖両末端が水酸基で封鎖されているジオルガノポリシロキサン、
(B)オルガノポリシロキサンレジン、
(C)硬化剤、
(D)接着助剤
を含有するものが好適に用いられる。
〔(A)成分〕
オルガノポリシロキサン組成物の(A)成分は、分子鎖両末端に水酸基を有するジオルガノポリシロキサンである。このジオルガノポリシロキサンは、例えば、下記一般式:
Figure 2005325283
(式中、R3及びR4は、独立に、非置換又は置換の一価炭化水素基であり、mは後記条件を満足する繰り返し単位数を表す。)
で表されるものである。
上記R3、R4としては、例えば、炭素原子数1〜8のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、クロロメチル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテル基等のアルケニル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、ビニル基及びフェニル基が好ましい。
この(A)成分としては、オイル状でも生ゴム状であってもよい。オイル状である場合、(A)成分の25℃における粘度が、回転粘度計による測定法で、通常、50mPa・s以上、好ましくは100mPa・s以上のものがよい。前記粘度が低すぎると、本組成物の粘着性が低下する場合がある。生ゴム状である場合、回転粘度計による測定法で、(A)成分の30質量%トルエン溶液の25℃における粘度が、100,000mPa・s以下、好ましくは75,000mPa・s以下のものがよい。前記溶液粘度が高すぎると、本組成物が高粘度のものとなりすぎて、製造時の撹拌、混合等の作業が困難となり、また、フィルム状に形成することが困難となる場合がある。なお、この(A)成分としては、本組成物が粘着性に富んだものとするために、生ゴム状のものが好ましい。
この(A)成分のジオルガノポリシロキサンの好適な具体例としては、下記構造式で表されるものが挙げられる。
Figure 2005325283
(式中、Meはメチル基、Viはビニル基を示し、pは100以上の数であり、qは0以上の数であり、かつ、p+qの和は、このジオルガノポリシロキサンの30質量%トルエン溶液の25℃における粘度が1,000〜100,000mPa・s、例えば42,000mPa・sとなる数であり、好ましくはqはこのジオルガノポリシロキサン100gに対するViの量が0.0001〜0.2モル、例えば0.002モルとなる数である。)
なお、この(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
〔(B)成分〕
本組成物の(B)成分は、式:R1 3SiO1/2(式中、R1は独立に、非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10、より好ましくは1〜6の一価炭化水素基である。)で表される単位、即ち、単官能性シロキサン単位(以下、「M単位」という)と、SiO2単位、即ち、4官能性シロキサン単位(以下、「Q単位」という)とを含み、かつ、M単位/Q単位のモル比が0.6〜1.7、好ましくは0.6〜1.0となる割合で前記両単位を含むオルガノポリシロキサンレジンである。
上記両単位の構成割合のモル比が、0.6未満であると、本組成物における感圧性接着剤としての粘着力やタック性が低下することがあり、逆に1.7を超えるとやはり粘着力が乏しくなり、粘着固定物を保持する力が低下することがある。
上記R1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基のアルケニル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基が好ましい。
この(B)成分のオルガノポリシロキサンレジンは、ケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)を有するものであってもよい。前記オルガノポリシロキサンレジン100gに対して水酸基の含有量は、0〜4.0質量%程度である。前記含有量が4.0質量%を超えると、本組成物の熱硬化性が低下することがある。更に、この(B)成分は、本発明の目的及び効果を損ねない範囲において、式:R1SiO3/2で表される3官能性単位、及び/又は式:R1 2SiOで表される2官能性単位(前記各式中、R1は前記と同じである。)の比較的少量を有するものであってもよい。
この(B)成分の好適な具体例としては、SiO2単位と(CH33SiO1/2単位とを0.6〜1.7モル対1モル、例えば0.75モル対1モルの割合で含み、かつオルガノポリシロキサンレジン100gに対して水酸基を0〜4.0質量%、例えば1.0質量%含有するオルガノポリシロキサンレジンが挙げられる。
この(B)成分のオルガノポリシロキサンレジンは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記(A)成分と(B)成分とを使用する場合、両成分を単に本組成物に配合してもよいし、また、上記(B)成分が水酸基を有している場合には、両成分を公知の方法により縮合反応させて、部分縮合物として配合しても差し支えない。前記縮合反応を行う場合には、両成分が可溶なトルエン等の溶剤中に両成分を溶解して混合し、アンモニア等の塩基性触媒もしくはアルカリ性触媒を用いて、室温〜還流温度の条件下で反応させればよい。
上記(A)成分と(B)成分との使用割合は、本組成物が粘着性のものとなるように、(A)成分/(B)成分の質量比が、通常、30〜70/70〜30、好ましくは40/60〜60/40の範囲の割合とするのがよい。
〔(C)成分〕
(C)成分の硬化剤は、本組成物を所望の形状に成形した後に、加熱処理を加えて架橋反応により硬化させるために配合される成分である。
本発明では、(C)成分として、有機過酸化物を用いることが好ましい。この場合、有機過酸化物の熱分解によって生じるフリーラジカルによって、上記(A)及び(B)成分中のケイ素原子に結合した炭化水素基同士、又は上記(A)及び(B)成分中のビニル基、アリル基等のアルケニル基同士の結合反応が生じて架橋硬化物とすることができる。
有機過酸化物としては、ラジカル重合反応等に用いられる公知のものを全て用いることができ、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ビス(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。この有機過酸化物の配合量は、上記(A)及び(B)成分の合計量100質量部に対して、通常、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
また、上記(A)成分が、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する場合には、(C)成分として、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金系触媒との組み合わせである付加反応型の硬化剤を用いることもできる。この場合、前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用し、白金系触媒の存在下で、上記(A)及び(B)成分中のビニル基、アリル基等のアルケニル基と、前記ケイ素原子に結合した水素原子とがヒドロシリル化反応によって付加し、架橋結合が形成され、硬化物を与える。
前記ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造としては、直鎖状、環状又は分岐状のいずれのものでもよい。具体的には、下記構造式で表されものが挙げられる。
Figure 2005325283
(上記各式中、R8は水素原子、又はアルケニル基以外の、好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3の一価炭化水素基であり、R9、R10及びR11は、独立に、アルケニル基以外の、好ましくは炭素原子数1〜6、より好ましくは炭素原子数1〜3の一価炭化水素基であり、uは0〜500、vは2〜500、wは0〜4、xは2〜6、yは0〜300、bは0〜2の整数である。)
上記R8〜R11に係る一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基及びフェニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしてより具体的には、例えば、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、本発明の上記(A)及び(B)成分中に含まれるビニル基、アリル基等のアルケニル基の合計量1モルに対して、本成分中のケイ素原子に結合した水素原子が、通常、0.2〜30モル、好ましくは0.5〜10モルとなる量である。
また、白金系触媒としては、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、白金のオレフィン錯体、白金のビニルシロキサンとの錯体、白金黒、及びアルミナ、シリカなどの担体に固体白金を担時させたもの等が挙げられる。この白金系触媒の配合量は、上記(A)成分、上記(B)成分がアルケニル基を有する場合には前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとの合計質量に対して、白金系触媒中の白金金属原子として、通常、0.1〜1,000ppm、好ましくは1〜500ppmである。
また、本発明では、(C)成分の硬化剤として、上記有機過酸化物と、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金系触媒とを、更に組み合わせて使用することができる。この場合には、フリーラジカルによる架橋反応と、ビニル基、アリル基等のアルケニル基と上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子との付加反応とが、並行して進行して硬化物を与える。
この(C)成分の硬化剤として、ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白金系触媒との組み合わせを用いる場合、保管、輸送時等の温度条件下におけるヒドロシリル化反応の進行を抑制し、かつ、作業性の点から十分な可使期間を確保するために、反応抑制剤を適量添加することが有効である。前記反応抑制剤としては、具体的には、3−メチル−1−ブチン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレンアルコール化合物、窒素含有化合物、硫黄含有化合物、リン含有化合物等が挙げられる。
〔(D)成分〕
(D)成分の接着助剤は、本組成物の粘着性及び加熱処理後に得られる硬化物の接着性を向上させるため、各種の接着助剤を添加することができる。
この接着助剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のシラン化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、公知の接着助剤を用いることができる。
この接着助剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
接着助剤を使用する場合、その配合量は、使用する硬化剤の種類等によって異なるが、上記(A)〜(C)成分、及び場合により用いる上記反応抑制剤の全量100質量部に対して、通常、0.2〜20質量部、好ましくは1〜10質量部程度である。
〔他の配合成分〕
オルガノポリシロキサン組成物には、上記(A)〜(D)成分、及び場合により用いる上記反応抑制剤に加えて、本発明の目的及び効果を損ねないことを条件として、必要に応じて他の成分を配合してもよい。
本組成物を接着剤として適用するに際し、塗布、成形等の作業を容易にするために、希釈剤として有機溶剤を配合することができる。前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。この有機溶剤を使用する場合、その使用量は、得られる希釈物の所望の粘度等に応じて調整すればよいが、上記(A)〜(D)成分、及び場合により用いる上記反応抑制剤の全量100質量部に対して、通常、20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部程度である。
その他、種々の目的に応じ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末、酸化チタン、カーボンブラック、導電性粒子等の充填剤、無機系又は有機系の顔料、染料等の着色剤、塗れ向上剤等の添加剤を適宜配合してもよい。
その他に用いることのできる接着剤成分として、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、BT樹脂(ビスマレイミドトリアジン樹脂)等を用いることができるが、Bステージ状(半硬化状)の接着性樹脂であることが好ましい。また、これら接着剤成分は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
(II)プラスチック多孔質膜
プラスチック多孔質膜の材料としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂又はこれらの共重合体などが挙げられるが、耐熱性を有し、エポキシ樹脂との接着性が良好なものが好ましい。
これらの中では、ポリイミド樹脂の多孔質膜が好ましく、ポリイミド樹脂を用いた多孔質膜は、化学的安定性、低誘電率、耐熱性、更に、エポキシ樹脂との接着性に優れることから、接着剤成分の支持体として好適である。
プラスチック多孔質膜として、空孔率10〜90%のものを用いることができる。材料の強度、接着性オルガノポリシロキサン組成物の含浸量の関係から、空孔率20〜85%程度のものがより好ましい。空孔率が10%未満であると、空孔がBステージ状シリコーン樹脂(接着性オルガノポリシロキサン組成物)で充填されにくくなり、ボイド発生の原因となるおそれがある。また、90%を超えるとシリコーン樹脂の支持体としての強度が得にくくなる。多孔質膜としては、その膜厚が通常5μm〜1mmのものを用いることができるが、薄い膜厚の多孔質膜は接着性オルガノポリシロキサン成分を塗工する際の作業性が悪く、厚い膜厚のものは最終製品である半導体装置の仕上がりの厚みが大きくなるため、10〜100μmの膜厚のものがより好ましい。
〔接着性樹脂フィルムの作成方法〕
本発明の接着性樹脂フィルムの作成方法としては、含浸法、コーティング法が挙げられる。含浸法においては、対象となる接着性オルガノポリシロキサン組成物(以下、接着剤という)を多孔質膜の両面に十分に含浸させ、多孔質膜空孔内部を接着剤で充填する。その後、接着剤を均一に塗工することでこの接着剤による接着層を設ける。接着剤の塗工量として、硬化したあとの接着層の厚みとして5〜200μm、特に10〜200μmが好ましい。十分な接着力を得るために10μm以上の厚みがより好ましい。また、最終製品である半導体装置の形状から100μm以下の厚みとすることがより好ましい。
また、公知のコーティング法のみを用いて接着剤層を設けてもよい。コンマコーター、リップコーター、ロールコーター、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、キスコーター、グラビアコーター、スクリーン塗工、浸漬塗工、キャスト塗工などである。
この場合、いずれの方法においても、多孔質膜の空孔内に、接着剤がしっかりと浸透していることが好ましく、ボイドの発生をなくすため、多孔質膜の空孔の90%以上に接着剤が充填されていることが望ましい。より好ましくは99%以上に接着剤が充填されていることが好ましい。
接着層を形成する場合に、溶剤で希釈された組成物を用いる場合、その乾燥・除去条件は、接着層の所定の厚さによって異なるが、通常、室温で2時間以上、40〜130℃で1〜20分間が好適である。但し、可能な限り穏和な条件が好ましく、特に好ましくは50〜120℃×1〜20分間とするのがよい。これは、加熱後であっても粘着を残存させるためであり、多少架橋した状態でとめておくことが好ましい(Bステージ状態)。溶剤で希釈しない組成物を用いる場合のBステージ化条件もこれと同様である。但し、Bステージ化とする条件は、組成物の反応性に依存するため、予め温度と時間で半硬化状態となる条件を設定した上で行うことが好ましい。
また、本発明の接着剤の加熱硬化工程で、硬化物にボイド(空孔)を発生させることがないように、上記接着層に含まれる揮発性成分の量は、1質量%未満であることが好ましい。
(III)保護フィルム
本発明の接着性樹脂フィルムを成形する場合には、多孔質膜の両面に存在する接着層を保護するために、副資材として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン等のフィルム、紙類、金属箔等のフィルムを用いることが好ましく、特にこれらのフィルムにフッ素離型剤などを塗工し、剥離性フィルムとしたものが好ましい。
保護フィルムの使用方法として、例えば、まず、上記コーティング法に記載したようにして、多孔質膜の両面に本発明の接着剤を塗布し、該接着剤が揮発性の溶剤等を含有する場合は、乾燥して前記溶剤等を除去し、所定の厚さになるよう接着層を形成させることにより、支持された3層構造(接着層/多孔質膜/接着層)のフィルム状の接着性樹脂フィルムを得る。必要に応じて、前記接着層上に更に剥離性フィルムを保護フィルムとして圧着して、片面を保護した4層構造、あるいは両面を保護した5層構造の形態のものとしても差し支えない。更に、このフィルム状接着剤は、長尺テープ状の形態であってもよく、このような形態とすることで、ロール状に巻き取ることができ、また、このフィルム状接着剤を用いる工程における作業性を向上させることができる。
〔接着性樹脂フィルムの使用方法〕
この接着性樹脂フィルムの使用に際しては、片面に保護フィルムを有する4層構造のものの場合、接着剤面を対象基材に圧着した後に、保護フィルムを除去し、新たに現れた接着層に他の基材を圧着して、粘着固定する。また、両面に保護フィルムを有する5層構造のものの場合には、片面の保護フィルムを除去し、接着剤面を対象基材に圧着した後に、他の面の保護フィルムを除去し、更に他の基材(半導体チップ)を圧着して、粘着固定する。このときの圧着条件として、0.01〜30MPa、特に0.1〜20MPaで1〜60秒程度加圧することが好ましい。加える圧力が0.01MPa未満であると、対象基材(半導体チップではない方)の表面の凹凸をBステージ状のオルガノポリシロキサン組成物(接着剤)で十分に埋めることができず、ボイド発生の原因となるおそれがある。また、30MPaを超えると、半導体装置を破壊するおそれがある。
本発明に係る接着性オルガノポリシロキサン組成物(接着剤)の硬化層を介して、ある基材と該基材と同一又は異なる材質の他の基材とが強固に接着され、半永久的に接合された構造物を得る際の、加熱接着条件としては、上記(D)成分の硬化剤が有効に硬化性能を発揮する条件であって、通常、100〜250℃で10〜60分間、特に好ましくは120〜230℃で10〜60分間である。
〔感圧性かつ熱硬化性の接着性樹脂シート〕
本発明に係る接着性オルガノポリシロキサン組成物は、未硬化状態では感圧性接着フィルムとして用いることができ、各種基材に対して良好な粘着性を示す。従って、例えば、半導体装置を製造する際のダイシング工程において、ダイシングマウントに本発明樹脂シートを適用し、シリコンウェハを固定するための仮止め用粘着材料として、有効に利用することができる。
また、本発明に係る接着性オルガノポリシロキサン組成物は、加熱処理を施すことによって、強固な接着力を示す硬化物を与えるダイボンドシートとして使用することができる。従って、例えば、半導体装置を製造する際のダイボンド工程において、未硬化の接着性樹脂シートを一体的に有してなる半導体チップを、リードフレームに圧着した後に、加熱処理を施すことにより、本発明に係る接着性オルガノポリシロキサン組成物の硬化層を介して、基材と半導体チップとが強固に接合されている半導体装置を製造することができる。また、本発明の接着性樹脂シートは、半導体装置を積層する際の接着剤としても好適に用いることができ、更にこの場合、装置間の厚みを容易に制御することができる。
本発明の接着性樹脂シートが、粘着性及び加熱硬化による接着性に優れた性能を発揮できる基材としては、Fe、Al、Cr、Ni、Si、Cu、Ag、Au等の金属製;ガラス、窒化ケイ素、炭化ケイ素等の無機物もしくはセラミックス製;エポキシ樹脂、ベークライト、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、シリコーン樹脂等の有機物製等の基材が挙げられる。
〔半導体装置〕
本発明の接着性樹脂シートをダイシング工程及びダイボンド工程に適用して、信頼性の高い半導体装置を生産性よく製造することができる。その製造工程の例を以下に示す。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、接着性樹脂シートをダイシングマウントに圧着し、次いで接着性樹脂シート上に、シリコンウェハを重ねて圧着し、粘着させて固定する。その後、シリコンウェハをダイシングして、シリコンウェハから個々に分離された半導体チップが得られるように切断・加工する。
ダイシング終了後、得られた半導体チップを個々に分離して取り出す。この際、前記接着性樹脂シートは、ダイシングマウント面上の剥離性フィルムから容易に剥離し、かつ前記半導体チップと一体となって取り出される。このようにして、片面に接着性樹脂シートを有する半導体チップを得ることができる。
引き続いて、用意されたリードフレームに、前記接着性樹脂シートを介して前記半導体チップを圧着し、粘着させて加圧固定する。最後に、前記半導体チップ、接着性樹脂シート及びリードフレームからなる構造体に、所要の加熱処理を施し、接着性樹脂シートを硬化させて、半導体チップをリードフレームに接着させる。
このようにして、本発明に係る接着性オルガノポリシロキサン組成物の接着剤の硬化層を介して、基材と半導体チップとが強固に接合されている半導体装置を、生産性よく製造することができる。
以下、本発明について調製例、実施例及び比較例を示して具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記において「部」及び「%」は、それぞれ質量部、質量%を意味する。
[調製例1]
分子鎖両末端が水酸基で封鎖された生ゴム状のジメチルポリシロキサンであって、その30%トルエン溶液の25℃における粘度が42,000mPa・sであるジメチルポリシロキサン50部と、(CH3)SiO1/2単位0.75モルとSiO2単位1モルの割合からなり、かつ1.0%の水酸基を含むメチルポリシロキサンレジン50部とを、トルエン100部に溶解した。得られた溶液に、28%のアンモニア水を0.5部添加し、室温で16時間撹拌して縮合反応させた。次いで、120〜130℃に加熱し、共沸脱水によりトルエンと共に縮合水を除去させて、部分縮合物を得た。
上記で得られた部分縮合物100部に、再びトルエン100部を加えて、溶解させた。このトルエン溶液を100部、接着助剤として下記構造式(1)で表される化合物0.8部及びビス(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド0.8部を混合し、接着剤塗布液1を調製した。
Figure 2005325283
[調製例2]
分子鎖両末端が水酸基で封鎖された生ゴム状のジメチルポリシロキサンであって、その30%トルエン溶液の25℃における粘度が42,000mPa・sであり、かつ100g当り0.002モルのビニル基を有するジメチルポリシロキサン50部と、(CH3)SiO1/2単位0.75モルとSiO2単位1モルの割合からなるメチルポリシロキサンレジン50部とを、トルエン100部に溶解させた。このトルエン溶液を100部、接着助剤として上記構造式(1)で表される化合物0.8部、下記構造式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン1.29部と、塩化白金酸の2−エチルヘキサノール変性溶液(白金金属原子の量が、前記ジメチルポリシロキサン、前記メチルポリシロキサンレジン、及び前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計質量に対して、10ppmとなる量)との組み合わせ、3−メチル−1−ブチン−3−オール0.05部、及びビス(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド0.8部を混合し、接着剤塗布液2を調製した。
Figure 2005325283
[実施例1]
ポリイミド多孔質フィルムとして、UPILEX−PT(膜厚30μm、空孔率50%、宇部興産(株)製)を用い、これを調製例1で調製された接着剤塗布液に浸し、十分に塗布液を含浸させた後、更に接着剤層を塗工した。その後、室温で10分間放置し、次いで80℃で10分間加熱処理することで、多孔質膜の片面にそれぞれ25μmの接着剤層をもつ(合計の接着剤層の厚さ50μm、接着性樹脂シートとしての厚さ80μm)接着性樹脂シートを得た。この接着性樹脂シートの両面をフッ素系離型材を塗工した厚さ50μmのPETフィルム(保護シート)で保護し、得られた接着性樹脂シートを縦25mm×横10mmの形状になるように切断して、試料片を得た。
[実施例2]
ポリイミド多孔質フィルムとして、UPILEX−PT(膜厚30μm、空孔率50%、宇部興産(株)製)を用い、これを調製例2で調製された接着剤塗布液に浸し、十分に塗布液を含浸させた後、更に接着剤層を塗工した。その後、室温で10分間放置し、次いで80℃で10分間加熱処理することで、多孔質膜の片面にそれぞれ25μmの接着剤層をもつ(合計の接着剤層の厚さ50μm、接着性樹脂シートとしての厚さ80μm)接着性樹脂シートを得た。この接着性樹脂シートの両面をフッ素系離型材を塗工した厚さ50μmのPETフィルム(保護シート)で保護し、得られた接着性樹脂シートを縦25mm×横10mmの形状になるように切断して、試料片を得た。
[実施例3]
ポリイミド多孔質フィルムとして、UPILEX−PT(膜厚30μm、空孔率50%、宇部興産(株)製)を用い、これに調製例1で調製された接着剤塗布液をスクリーン塗工し、室温で10分間放置し、次いで80℃で10分間加熱処理することで、多孔質膜の片面に25μmの接着剤層を形成させ、この面をフッ素系離型材を塗工した厚さ50μmのPETフィルム(保護シート)で保護した。その後、もう一方の面に調製例1で調製された接着剤塗布液をスクリーン塗工し、室温で10分間放置し、次いで80℃で10分間加熱処理することで、多孔質膜の片面にそれぞれ25μmの接着剤層をもつ(合計の接着剤層の厚さ50μm、接着性樹脂シートとしての厚さ80μm)接着性樹脂シートを得た。この接着剤樹脂シートの両面をフッ素系離型材を塗工した厚さ50μmのPETフィルム(保護シート)で保護し、得られた接着性樹脂シートを縦25mm×横10mmの形状になるように切断して、試料片を得た。
[比較例1]
調製例1で調製された接着剤塗布液を、含フッ素シリコーン系離型剤で被覆された厚さ50μmのPETフィルム上に塗布し、室温で10分間放置し、次いで80℃で10分間加熱処理して、厚さ50μmの接着剤層を形成させた(多孔質膜を設けない)。この接着剤樹脂シートのもう一方の面をフッ素系離型材を塗工した厚さ50μmのPETフィルム(保護シート)で保護し、得られた接着性樹脂シートを縦25mm×横10mmの形状になるように切断して、試料片を得た。
[比較例2]
調製例2で調製された接着剤塗布液を、含フッ素シリコーン系離型剤で被覆された厚さ50μmのPETフィルム上に塗布し、室温で10分間放置し、次いで80℃で10分間加熱処理して、厚さ50μmの接着剤層を形成させた(多孔質膜を設けない)。この接着剤樹脂シートのもう一方の面をフッ素系離型材を塗工した厚さ50μmのPETフィルム(保護シート)で保護し、得られた接着性樹脂シートを縦25mm×横10mmの形状になるように切断して、試料片を得た。
〔フィルムの伸び測定〕
成型したフィルムに打痕をつけ、打痕部に10mm角にダイシングされたシリコンウェハをラミネートした。その後、真空チャックにて引き剥がす際に樹脂フィルムに伸びや破れが発生しないか確認した。
〔剪断接着力の測定〕
各実施例及び比較例で作成したそれぞれの試料片を、図1に示すように、接着剤層側を幅25mmのSUS製テストピースの端部に貼り付けた。次いで、PETフィルムを剥離して除去した。PETフィルムの除去によって暴露された接着剤層面に、UV硬化型ソルダーレジスト(商品名:PSR4000 AUS308、太陽インク製造(株)製)がBTレジンに塗布されている幅25mmのユニット基板の端部を重ねて挟み、前記SUS製テストピース端部、接着剤層及びユニット基板が積層されている部位に、表1記載の所定の加重をかけて1分間圧着し試験体を得た。
次いで、試験体を加熱炉中に配置し、150℃で60分間加熱して、接着剤層を硬化させた。その後、試験体を剪断接着力測定装置を用いて、図1中の矢印で示す両方向に加重をかけて引っ張って、剪断接着力(MPa/s)を測定した。また、前期測定後の接着剤層の状態を目視で観察した。測定結果及び観察結果を表1に示す。
ポリイミド多孔質膜に十分シリコーン樹脂を含浸させることで、シートの伸びがなく、接着性に優れ、かつボイドの発生しない接着性樹脂シートを得ることができた。一方、多孔質膜を支持体に持たないもの(比較例1,2)はシートに伸びが発生し作業性が悪かった。
Figure 2005325283
*1:接着剤層のみの厚さ(多孔質膜を支持体として持たない)
各実施例、比較例の試片の接着力測定方法を示す説明図である。

Claims (7)

  1. プラスチック多孔質膜の空孔内部に接着性オルガノポリシロキサン組成物が含浸されていると共に、上記プラスチック多孔質膜の両面にそれぞれ上記接着性オルガノポリシロキサン組成物の接着層が形成された感圧性かつ熱硬化性の接着性樹脂フィルムであって、上記接着性オルガノポリシロキサン組成物が、
    (A)分子鎖両末端が水酸基で封鎖されているジオルガノポリシロキサン、
    (B)R1 3SiO1/2(R1は独立に炭素原子数1〜10の一価炭化水素基である。)で表される単位とSiO2で表される単位とを、R1 3SiO1/2単位/SiO2単位のモル比が0.6〜1.7となる割合で含むオルガノポリシロキサンレジン、
    (C)硬化剤、
    (D)接着助剤
    を含有するものであることを特徴とする接着性樹脂フィルム。
  2. プラスチック多孔質膜がポリイミド多孔質膜である請求項1記載の接着性樹脂フィルム。
  3. 上記接着層の厚さが10〜200μmである請求項1又は2記載の接着性樹脂フィルム。
  4. 半導体チップの接着用である請求項1,2又は3記載の接着性樹脂フィルム。
  5. ダイシング・ダイボンド用である請求項4記載の接着性樹脂フィルム。
  6. 請求項1,2又は3記載の接着性樹脂フィルムの接着性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を介して、基材に半導体チップを接合してなる半導体装置。
  7. 請求項1,2又は3記載の接着性樹脂フィルムを粘着すべき対象物に0.01〜30MPaの圧力で1〜60秒間圧着することを特徴とする接着性樹脂フィルムの使用方法。
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