JP2005325095A - 歯垢染色用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キシリトール、香料、界面活性剤及び歯垢染色用色素を含有することを特徴とする歯垢染色用組成物;界面活性剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である上記の歯垢染色用組成物;歯垢染色用色素がタール系キサンテン色素から選ばれる上記の歯垢染色用組成物;液体状である上記の歯垢染色用組成物。
Description
しかしながら、従来の染料やヨウ素などの染色剤を用いた歯垢染色用組成物は、歯垢を染色するのみならず、歯肉及び唇などにも長時間、強く染色するために、使用する際に不快感がある。また特に、ヨウ素を用いた歯垢染色用組成物の場合は、使用時の不快味や粘膜刺激性が強く、使用に際して問題があった。
歯垢染色用組成物は、歯科検診、歯科診療などにおいて大人のみならず子供にも適用され、その染色性能だけでなく、子供にも使いやすい味覚的に不快感のないものが求められている。
しかしながら、従来技術では、歯垢への選択的染色性が高く、且つ使用感の好ましい歯垢染色用組成物が充分に提供されていなかった。
従って本発明は、キシリトール、香料、界面活性剤及び歯垢染色用色素を含有することを特徴とする歯垢染色用組成物である。
本発明の歯垢染色用組成物にはキシリトールを配合する。本発明で使用するキシリトールは食用、化粧品あるいは医薬品の分野で使用するキシリトールであってよい。キシリトールは歯垢染色用組成物において、適度な湿潤性及び歯垢に対する選択的染色性に寄与すると考えられ、また、適当な甘味を付与できるものである。
歯垢染色用組成物においてキシリトールの配合量は、組成物全量に基づいて0.05〜50質量%が適当であって、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは0.5〜15質量%、及び最も好ましくは1〜10質量%である。
である。
本発明で使用する香料は、通常知られたものの中から対象者によって適宜選んで配合することができ、天然物エキスを主成分とするものが好ましい。特に子供向けの場合は使い易くするために香料の選択は重要であり、中でもフルーツ味が好ましく、イチゴ風味、バナナ風味、ブドウ風味、オレンジ風味、リンゴ味などが好ましく挙げられる。また大人向けには、上記のほかにミント味、スパイシー味などを好みに合わせて各種の風味を付与することができる。
歯垢染色用組成物において香料の配合量は、組成物全量に基づいて0.01〜10質量%が適当であって、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。
本発明で使用する界面活性剤としては口腔内での使用が許容されるものであればよく、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、モノステアリン酸エチレングリコール・ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテルなどのノニオン界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルが好適に用いられる。さらに好適にはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が用いられる。
歯垢染色用組成物において界面活性剤の配合量は、組成物全量に基づいて0.05〜10質量%が適当であって、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
歯垢染色用組成物における歯垢染色用色素の配合量は、歯垢が充分に識別でき且つ経済性を考慮すると、組成物全量に基づいて0.01〜5質量%が適当であって、好ましくは0.05〜3質量%、より好ましくは0.1〜2質量%である。
湿潤剤として例えばグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコールなどがある。中でもグリセリンが好ましく使用される。湿潤剤の配合量としては0.5〜50質量%が適当であり、好ましくは1.0〜30質量%であり、より好ましくは3.0〜20質量%である。
防腐剤として通常使用されるものの中から適宜選択して配合することができるが、色素と組合せて経時的安定性が良いものが望まれる。例えばパラベン、サリチル酸、安息香酸塩、フェノキシエタノールなどから選ぶことができる。
甘味料として通常使用されるものの中から適宜選択して配合することができるが、歯垢への染着性を損なわないものが好ましい。具体的には、サッカリンナトリウムやアスパルテームなどの合成甘味料類、ステビアエキスなどの天然エキス類などを挙げることができる。
本発明の歯垢染色用組成物にはまた、ソルビット、マンニット、マルチトール、エリスリトールなどの糖アルコール類を添加することができ、これらは湿潤剤及び甘味料として効果を発揮できる。
本発明の歯垢染色用組成物はまた、かみ砕き錠などの錠剤、カプセル封入型、練歯磨剤などの歯磨剤、及び洗口剤の使用形態にすることができる。
液体状、ゲル状又はペースト状の形態の歯垢染色用組成物は、例えば、小綿球に付けて患者の歯牙に塗布することができ、また、歯牙に直接滴下することもできる。また、グミ状、ゼリー状、錠剤、カプセル封入型など形態であれば口中に含んで噛んだり潰したりすることで適用することができる。
本発明の歯垢染色用組成物は上記のように種々の剤形を採ることができ、中でも液体状及びペースト状の剤形が一般的である。一方、グミ状やゼリー状の剤形、錠剤、カプセル封入型にすることによって、液だれを防止したり個包装などができるという利点がある。
歯磨剤の形態とするときは、上記の成分の他に例えば粘結剤、研磨剤、薬用成分などを配合することができる。粘結剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、アルギン酸塩、カラギーナン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、トラガントガム、デンプン、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。研磨剤としてリン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、含水ケイ酸、無水ケイ酸などが挙げられる。また、薬用成分としてゼオライト、クロルヘキシジン塩類、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ビサボロール、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、酢酸トコフェロール、トラネキサム酸、ジヒドロコレステロール、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸塩類、銅クロロフィリン塩、塩化ナトリウム、グァイアズレンスルホン酸塩、塩酸ピリドキシンなどを1種又は2種以上配合することができる。
ペースト状の剤形とするときに、上記のグミ状やゼリー状の剤形を製造するときと同様の粘結剤を使用することができ、その使用量は剤形がペースト状となるように適宜変動させればよい。
グミ状やゼリー状の歯垢染色用組成物の製法としては、例えば上記のような粘結剤あるいはゲル化剤を水により膨潤させ、加熱溶解させたところへ、他の成分を加えて作ることができる。
本発明の歯垢染色用組成物をカプセル封入型とするには、本発明に従った例えば液体状、ゲル状又はペースト状の歯垢染色用組成物をカプセルに封入することができる。カプセル材料としては人体に害のない水溶性高分子材料を用いることが適当であり、例えばゼラチン、寒天、プルラン、アルギン酸塩、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどを使用することができる。カプセルは、ソフトカプセルでもハードカプセルでもよく、カプセルの形状は特に限定されないが、フットボール型、長楕円型、球形、三角などにすることができる。カプセル皮膜の厚さは一般的に0.6mm以下が適当である。カプセルの製法、及び液体状、ゲル状又はペースト状の歯垢染色用組成物の充填方法などは、公知の方法を採用することができる。ハードカプセルであれば、例えばカプセルボディーとカプセルキャップを予め成形しておき、そこへ歯垢染色用組成物を充填して封鎖する方法が採用できる。また、ソフトカプセルであれば、例えばソフトカプセルを任意の形状に成形してから歯垢染色用組成物を充填して封鎖する方法などが採用できる。
[試験]
以下の表1に示す各種の液体状歯垢染色用組成物(実施例1〜3及び比較例1及び2)を調製した。表1中、単位は質量%であり、水を適量加えて合計100質量%とした。
該歯垢染色用組成物の歯垢への選択的染色性を、以下に述べるモデル実験にて評価した。
まず、歯垢を想定したモデルとしてデキストラン架橋体粉末を用いた。デキストラン架橋体粉末(商品名:Sephadex G-10)0.1gを、適当な容器に採取した上記の各歯垢染色用組成物20gに添加し、約1分間60rpmで攪拌した。攪拌後、この試料溶液に純水200mlを加えて染色を停止させ、この溶液を直ちに濾過し、デキストランの染色の度合いを視覚にて、下記に示す基準により評価した。
次に、歯肉を想定したモデルとしてコラーゲン膜を用いた。1cm×1cmのコラーゲン膜(商品名:Nippi Cassing #200)を、適当な容器に採取した上記の各歯垢染色用組成物20gに約1分間浸した後、該コラーゲン膜を200mlの純水が入ったビーカー中で5〜10秒間、良くすすぎ、風乾後、コラーゲン膜の染色の度合いを上記と同様に評価した。
5:極めて鮮明に染色される、4:鮮明に染色される、3:やや不鮮明である、2:極めて不鮮明である、1:染色されない
この試験では、歯垢を想定したモデルに対してより高い数値の評価がされ、且つ歯肉を想定したモデルに対してより低い数値の評価がされることが、歯垢染色用組成物として歯垢への選択的染色性が高く性能が良いことになる。そこで、歯垢を想定したモデルに対しての評価と、歯肉を想定したモデルに対しての評価とを鑑みて、下記の基準でさらに総合評価を行った。
<総合評価基準>
◎:たいへん良好、○:良好、△:劣る、×かなり劣る
これらの試験結果を表1に併せて示す。
以下の組成(単位:質量%)にて、液体状の歯垢染色用組成物を調製した。水を適量加えて合計100質量%とした。
キシリトール 5.0
香料(メロン味) 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0
赤色3号 0.5
パラベン 0.1
グリセリン 5.0
水 適量
以下の組成(単位:質量%)にて、液体状の歯垢染色用組成物を調製した。水を適量加えて合計100質量%とした。
キシリトール 2.0
香料(リンゴ味) 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3.0
赤色105号 1.0
塩化セチルピリジニウム 0.05
グリセリン 3.0
水 適量
以下の組成(単位:質量%)にて、液体状の歯垢染色用組成物を調製した。水を適量加えて合計100質量%とした。
キシリトール 3.0
香料(オレンジ味) 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 4.0
赤色104号 2.0
安息香酸ナトリウム 1.0
グリセリン 2.0
水 適量
以下の組成(単位:質量%)にて、グミ状の歯垢染色用組成物を調製した。水を適量加えて合計100質量%とした。
ゼラチン 7.0
キシリトール 5.0
赤色3号 0.5
パラベン 0.1
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3.0
塩化セチルピリジニウム 0.01
香料(イチゴ味) 1.0
水 適量
調製法:ゼラチンを予め水で膨潤させ、50〜60℃にて加熱溶解する。溶解した後に他の成分を加え、水を適量加えて合計100質量%とする。
以下の組成(単位:質量%)にて、ゼリー状の歯垢染色用組成物を調製した。水を適量加えて合計100質量%とした。
寒天 3.0
キサンタンガム 0.5
キシリトール 3.0
赤色3号 0.5
パラベン 0.1
グリセリン 3.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0
塩化セチルピリジニウム 0.01
香料(リンゴ味) 0.5
水 適量
調製法:寒天を予め水に浸漬させ、80℃以上に加熱して溶解する。溶解した後に他の成分を加え、水を適量加えて合計100質量%とする。
以下の組成にて、カプセル封入型歯垢染色用組成物を調製した。
歯垢染色液(単位:質量%)
キシリトール 5.0
香料(イチゴ味) 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5.0
赤色3号 0.5
安息香酸ナトリウム 0.5
グリセリン 25.0
水 適量
計 100.0
被膜材(単位:質量%)
ゼラチン 75.0
グリセリン 12.3
ソルビット液(70%) 4.0
スクラロース 0.5
アセスルファムカリウム 0.2
水 8.0
計 100.0
調製法:被膜材の成分であるゼラチン、グリセリン及びソルビット液の混合液に水を加えて、65〜75℃の温度条件下にて溶解混合する。こうして得られた被膜原体にスクラロース及びアセスルファムカリウムを加えて攪拌し、被膜材とした。歯垢染色液及び被膜材をカプセル成形機に適用してカプセル封入型歯垢染色用組成物を得る。
Claims (4)
- キシリトール、香料、界面活性剤及び歯垢染色用色素を含有することを特徴とする歯垢染色用組成物。
- 界面活性剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である請求項1記載の歯垢染色用組成物。
- 歯垢染色用色素がタール系キサンテン色素から選ばれる請求項1又は2記載の歯垢染色用組成物。
- 液体状である請求項1〜3のいずれか1項記載の歯垢染色用組成物。
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