JP2005324780A - 車体側部構造 - Google Patents

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知巳 齋藤
Takashi Morimoto
尚 森本
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Abstract

【課題】 自動車の車体側部構造であって、ドアの開閉状態に拘わらず、かつ簡単な構造で、車体側方から車室内に向かって入力された荷重を適切に分散させる。
【解決手段】 自動車車体10の略上下方向に延びたセンターピラー20の上端部が、車体10の略前後方向に延びたルーフレール30に連結され、センターピラー20の下端部が、車体10の前後方向に延びたサイドシル40に連結されており、ルーフレール30、センターピラー20の内部およびサイドシル40に亘って、ルーフレール30の長手方向(車体10の略前後方向)、センターピラー20の長手方向(車体10の略上下方向)およびサイドシル40の長手方向(車体10の略前後方向)に沿って延びるワイヤ51,52を張架する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車車体の車体側部構造に関し、詳細には、車体側方から車室内方向へ入力される荷重を分散させる構造の改良に関する。
従来より、自動車の車体側方から車室内に向かって入力された荷重を、車体の骨格部材に伝達、分散させる車体構造が提案されている。
例えば、ドアの内部に、張力によってドアを補強するワイヤ(可撓性長尺部材)を張設し、ドアの開閉状態に応じて、このワイヤの端部を、センターピラーやサイドシル等の車体骨格部材に断接させる構造が知られている(特許文献1)。
特許第3144093号公報
しかし、特許文献1による技術は、開閉動するドアの内部にワイヤを配索した構造であるため、ワイヤの配索状態が、ドアの開閉状態による影響を受けないようにする必要があり、ドアの開閉状態に応じてワイヤを断接させるために、ワイヤと骨格部材との連結構造が複雑であるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、簡単な構造でありながら、ドアの開閉状態に拘わらず、自動車の車体側方から車室内に向かって入力された荷重を適切に分散させることができる車体側部構造を提供することを目的とするものである。
本発明に係る車体の車体側部構造は、自動車車体の略上下方向に延びた車体構造部材の上部および下部が、それぞれ対応する前記車体の他の車体構造部材に連結されてなる車体側部構造であって、前記略上下方向に延びた車体構造物と、前記他の車体構造部材のうち少なくとも一つとに亘って、それぞれの長手方向に沿って延びるワイヤが張架されたことを特徴とする。
そのような車体の車体側部構造としては例えば第1に、センターピラーの内部に、このセンターピラーの長手方向に沿ってワイヤが配索され、このワイヤの上部側はルーフレールの長手方向に沿って配索され、かつ、このワイヤの下部側はサイドシルに沿って配索されて、車体側方から車室内方向に向かってセンターピラーに入力された荷重を、ルーフレールおよびサイドシルをそれぞれ長手方向に圧縮する荷重として分散させるものである。
すなわち、自動車車体の略上下方向に延びたセンターピラー(車体構造部材)の上端部が、前記車体の略前後方向に延びたルーフレール(他の車体構造部材)に連結され、前記センターピラーの下端部が、前記車体の略前後方向に延びたサイドシル(他の車体構造部材)に連結されてなる車体側部構造であって、前記ルーフレール、前記センターピラーの内部および前記サイドシルに亘って、前記ルーフレールの長手方向、前記センターピラーの長手方向および前記サイドシルの長手方向に沿って延びるワイヤが張架されたことを特徴とする。
また、そのような車体の車体側部構造としては例えば第2に、センターピラーの内部に、このセンターピラーの長手方向に沿ってワイヤが配索され、このワイヤの下部側は車幅方向に延びるフレーム(クロスメンバ等)に沿って配索されて、車体の一方の側方から車室内方向に向かってセンターピラーに入力された荷重を、フレームを長手方向に圧縮する荷重として分散させるものである。
すなわち、自動車車体の略上下方向に延びたセンターピラー(車体構造部材)の上端部が、前記車体の所定の車体構造部材(他の車体構造部材)に連結され、前記センターピラーの下端部が、前記車体の略幅方向に延びたフレーム(他の車体構造部材)に連結されてなる車体側部構造であって、前記センターピラーおよび前記フレームに亘って、前記センターピラーの長手方向および前記フレームの長手方向に沿って延びるワイヤが張架されたことを特徴とする。
なお、センターピラーの下端部とフレームとの連結は、直接的な連結であってもよいし、例えばサイドシル等の近接する部材を介して間接的に連結されているものであってもよい。
また、センターピラーの上端部が連結される所定の車体構造部材としては、例えば代表的にはルーフレールであるが、このルーフレールに限定されるものではない。
本発明に係る車体側部構造によれば、車体の略上下方向に延びた車体構造部材に、車体側方から車幅方向の中心に向かう荷重が入力されると、この車体構造部材および車幅方向に延びた他の車体構造部材に亘って配索されたワイヤの張力が増大し、この増大した張力は、車幅方向に延びた他の車体構造部材を長手方向(車幅方向)に圧縮する荷重として作用する。
ここで、他の車体構造部材の長手方向に圧縮荷重が作用すると、圧縮荷重によるエネルギは、当該他の車体構造部材の長手方向についての弾性変形領域では弾性エネルギとして消費され、弾性変形領域を超えると当該他の車体構造部材が長手方向に圧潰変形するエネルギとして消費される。
したがって、車体構造部材に入力された荷重は、当該他の車体構造部材に、効率よく分散される。
しかも、他の車体構造部材は、車体の幅方向に延設されているため、車体の両側部のうち、一方の側部に配設された車体構造部材(車体の略上下方向に延びた車体構造部材)に、上述した荷重が入力された場合に、この入力荷重のエネルギは、他の車体構造部材を圧縮変形、圧潰変形させるエネルギとして消費されるだけにとどまらず、当該他の車体構造部材の塑性変形に伴って、当該他の車体構造部材に接続された、荷重入力側とは反対側の側部を形作っている構造部材、の変形エネルギとしても消費されることになり、入力荷重を、より多くの構造部材に分散させることができ、そのように荷重の分散により、個々の構造部材に作用する荷重が低減されて、各構造部材の変形量を大幅に抑制することができる。
なお、入力荷重の効率的な分散によって、荷重が入力されたセンターピラーの変形量も低減することができる。
また、例示した第1の車体の車体側部構造によれば、センターピラーに、車体側方から車室内方向に向かう荷重が入力されると、ルーフレール、センターピラー内およびサイドシルに亘って配索されたワイヤの張力が増大し、この増大した張力は、ルーフレールおよびサイドシルを、それぞれ長手方向に圧縮する荷重として作用する。
ここで、ルーフレールおよびサイドシルの長手方向に圧縮荷重が作用すると、圧縮荷重によるエネルギは、これらルーフレール、サイドシルの長手方向についての弾性変形領域では弾性エネルギとして消費され、弾性変形領域を超えるとルーフレール、サイドシルが長手方向に圧潰変形するエネルギとして消費される。
したがって、センターピラーに入力された荷重は、ルーフレールやサイドシルに、効率よく分散される。
なお、入力荷重の効率的な分散によって、荷重が入力されたセンターピラーの変形量を低減することができる。
また、例示した第2の車体の車体側部構造によれば、センターピラーに、車体側方から車室内方向に向かう荷重が入力されると、センターピラー内およびフレームに亘って配索されたワイヤの張力が増大し、この増大した張力は、フレームを長手方向(車幅方向)に圧縮する荷重として作用する。
ここで、フレームの長手方向に圧縮荷重が作用すると、圧縮荷重によるエネルギは、フレームの長手方向についての弾性変形領域では弾性エネルギとして消費され、弾性変形領域を超えるとフレームが長手方向に圧潰変形するエネルギとして消費される。
したがって、センターピラーに入力された荷重は、フレームに効率よく分散される。
なお、入力荷重の効率的な分散によって、荷重が入力されたセンターピラーの変形量を低減することができる。
以下、本発明の車体側部構造に係る最良の実施形態について、図面を用いて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明が適用された実施形態1である車体側部の要部構造を示す概略斜視図であり、図2は、図1の矢視Aによる車体左側面の模式図である。
図示の車体側部構造は、自動車車体10の略上下方向に延びたセンターピラー20の上端部が、車体10の略前後方向に延びたルーフレール30に連結され、センターピラー20の下端部が、車体10の前後方向に延びたサイドシル40に連結されており、ルーフレール30、センターピラー20の内部およびサイドシル40に亘って、ルーフレール30の長手方向(車体10の略前後方向)、センターピラー20の長手方向(車体10の略上下方向)およびサイドシル40の長手方向(車体10の略前後方向)に沿って延びるワイヤ51,52が張架された構造である。
ここで、ワイヤ51,52は、例えば、スチールワイヤやデベグラスワイヤなどであり、図3の概略図に示すように、各端部にそれぞれリング状の掛け部51a(52a),51b(52b)が形成されており、その直径は、所望の強度(引張り強度;直径が太くなるにしたがって大きくなる。)の確保と、配索作業性(曲げ剛性(直径が太くなるにしたがって大きくなる。)が低いほど、配索作業性は向上する。)の向上とを両立する観点から好ましいφ8mm程度のものが用いられる。
ワイヤ51は、図1の矢視Aによる車体左側面図である図2に示すように、ルーフレール30の、センターピラー20との連結部分V1よりも車体前方F部分(以下、単にルーフレール30の前部30f(図10参照)という。)、センターピラー20、およびサイドシル40の、センターピラー20との連結部分V2よりも車体前方F部分(以下、単にサイドシル40の前部40f(図10参照)という。)に亘って配索され、ワイヤ52は、ルーフレール30の、センターピラー20との連結部分V1よりも車体後方R部分(以下、単にルーフレール30の後部30r(図10参照)という。)、センターピラー20、およびサイドシル40の、センターピラー20との連結部分V2よりも車体後方R部分(以下、単にサイドシル40の後部40r(図10参照)という。)に亘って配索されている。
そして、ルーフレール30とセンターピラー20との連結部分V1、およびサイドシル40とセンターピラー20との連結部分V2には、それぞれ二重滑車60,70が配設されている。
この二重滑車60は、図4の斜視図に示すように、センターピラー20の長手方向に沿って張架され、かつルーフレール30の前部30fに沿って延びたワイヤ51が掛け回される第一滑車61と、センターピラー20の長手方向に沿って張架され、かつルーフレール30の後部30rに沿って延びたワイヤ52が掛け回される第二滑車62とが、軸63により同心に、かつ回転自在に支持され、二重滑車70は、センターピラー20の長手方向に沿って張架され、かつサイドシル40の前部40fに沿ってに延びたワイヤ51が掛け回される第三滑車71と、センターピラー20の長手方向に沿って張架され、かつサイドシル40の後部40rに沿って延びたワイヤ52が掛け回される第四滑車72とが、軸73により同心に、かつ回転自在に支持されて構成されている。
ここで、軸63,73の直径は、その曲げ強度を確保する観点から、それぞれφ10mm程度であることが好ましい。
なお、第一滑車61と第二滑車62とは、軸63回りに、互いに独立して回転可能であり、互いに反対方向に回転し得る。同様に、第三滑車71と第四滑車72とは、軸73回りに、互いに独立して回転可能であり、互いに反対方向に回転し得る。
また、ワイヤ51の一方の掛け部51aは、ルーフレール30の前端部V3に固定され、他方の掛け部51bは、サイドシル40の前端部V5に固定されている。一方、ワイヤ52の一方の掛け部52aは、ルーフレール30の後端部V4に固定され、他方の掛け部52bは、サイドシル40の後端部V6に固定されている。
ここで、ルーフレール30の前端部V3および後端部V4には、ワイヤ固定部材80がそれぞれ設けられ、サイドシル40の前端部V5および後端部V6には、ワイヤ固定部材80と同様のワイヤ固定部材90がそれぞれ設けられる。
このワイヤ固定部材80は、例えばルーフレール30の前端部V3に設けられるものは図6(a)に示すように、一方の軸部がワイヤ51の掛け部51aであるリングに通されるUボルト81(U字状フック)と、ルーフレール30を構成するルーフレールインナ31(板厚3.0mm程度)に溶接によって固定され、Uボルト81の2本の軸が通される固定板82と、固定板82の表面側とこの固定板82が溶着固定されたルーフレールインナ31の背面側とからそれぞれUボルト81の各軸に螺合し、Uボルト81をルーフレール30に止着するナット83,84とを備えた構成である。なお、ルーフレール30の後端部V4に設けられるワイヤ固定部材80も同様の構成である。
一方、ワイヤ固定部材90は、例えばサイドシル40の前端部V5に設けられるものは図6(b)に示すように、一方の軸部がワイヤ51の掛け部51bであるリングに通されるUボルト91(U字状フック)と、サイドシル40を構成するシルアウタ42(板厚3.0mm程度)に溶接によって固定され、Uボルト91の2本の軸が通される固定板92と、固定板92の表面側とこの固定板92が溶着固定されたシルアウタ42の背面側とからそれぞれUボルト91の各軸に螺合し、Uボルト91をサイドシル40に止着するナット93,94とを備えた構成である。なお、サイドシル40の後端部V6に設けられるワイヤ固定部材90も同様の構成である。
なお、図2における二重滑車60(連結部分V1)近傍のB−B線に沿った断面を表す断面図を図5(a)に、二重滑車70(連結部分V2)近傍のC−C線に沿った断面を表す断面図を図5(b)に、ルーフレール30の前端部V3を含むD−D線に沿った断面を表す断面図を図7(a)に、ルーフレール30の後端部V4を含むD′−D′線に沿った断面を表す断面図を図7(b)に、サイドシル40の前端部V5を含むE−E線に沿った断面を表す断面図を図8(a)に、サイドシル40の後端部V6を含むE′−E′線に沿った断面を表す断面図を図8(b)に、連結部分V2とサイドシル40の前部V5との間の部分であるG−G線に沿った断面を表す断面図を図9に、それぞれ示す。
図5(a)に示すように、前述した二重滑車60は、ルーフレールインナ31に溶着される補強部材である滑車用レインフォース64を介して、ボルト65およびナット66により、ルーフレールインナ31に止着されており、二重滑車60は、ルーフレールインナ31とルーフレールレインフォース33(板厚3.0mm程度)とによって仕切られた閉断面の内部に配置されている。なお、ルーフレールレーンフォース33の車体外側には、ルーフレールアウタ32が配置されている。
そして、この二重滑車60の第一滑車61に掛け回されたワイヤ51は、図5(a)の紙面手前方向に延びて、ルーフレール30の前端部V3に設けられたワイヤ固定部材80によって、図6(a),図7(a)に示すようにルーフレールインナ31に固定され、ワイヤ51の第一滑車61を介してセンターピラー20側の部分は、センターピラーインナ22とセンターピラーレインフォース23、センターピラーアウタ21とによって袋状に形成されたセンターピラー20の内部を通って下方へ延びている。
一方、この二重滑車60の第二滑車62に掛け回されたワイヤ52は、図5(a)の紙面奥行き方向に延びて、ルーフレール30の後端部V4に設けられたワイヤ固定部材80によって、図7(b)に示すようにルーフレールインナ31に固定され、ワイヤ52の第二滑車62を介してセンターピラー20側の部分は、ワイヤ51と同様に、センターピラー20の内部を通って下方へ延びている。なお、図5(a)において、符号34は、ルーフレールインナ31に溶着され、車幅方向に延びたルーフボウである。
また、図5(b)に示すように、二重滑車70は、ボルト75およびナット76により、シルアウタ42に止着されており、二重滑車70は、シルアウタ42とセンターピラーアウタ21とによって仕切られた閉断面の内部に配置されている。なお、センターピラーインナ22を挟んで、シルアウタ42の反対側には、シルインナ41が配設されている。
そして、この二重滑車70の第三滑車71には、第一滑車61から下方に延びたワイヤ51が掛け回され、図5(b)の紙面手前方向に延びて、サイドシル40の前端部V5に設けられたワイヤ固定部材90によって、図6(b),図8(a)に示すように、シルアウタ42に固定されている。なお、符号21′はフロントピラーアウタ、符号22′はフロントピラーインナである。
一方、この二重滑車70第四滑車72には、第二滑車62から下方に延びたワイヤ52が掛け回され、図5(b)の紙面奥行き方向に延びて、サイドシル40の後端部V6に設けられたワイヤ固定部材90によって、図8(b)に示すようにシルアウタ42に固定されている。なお、符号21″はリヤピラーアウタ、符号22″はリヤピラーインナである。
また、 第三滑車71からサイドシル40の前端部V5に延びたワイヤ51は、図9に示すように、シルアウタ42とセンターピラーアウタ21との間に形成された筒状空間の内部を通過するように配索されている。図示は省略しているが、第四滑車72からサイドシル40の後端部V6に延びたワイヤ52についても同様に、シルアウタ42とセンターピラーアウタ21との間に形成された筒状空間の内部を通過するように配索されている。
なお、上述したように、各ワイヤ51,52、各ワイヤ固定部材80,80,90,90、および各二重滑車60,70は、いずれも閉断面空間内に配設されているため、車体10の表面には露出していない。
次に、本実施形態1に係る車体側部構造の作用について、車体側部構造の模式図である図10を用いて説明する。
まず、センターピラー20に対して車体側方の車体外部Oから車室内Iに向かう荷重fが入力されると、実線で初期状態を示したセンターピラー20は、二点鎖線で示す変形状態になる。このとき、センターピラー20の内部に張架されたワイヤ51、52には、初期状態よりも大きな張力が発生する。
そして、このワイヤ51の、センターピラー20に沿った部分に生じた張力は、ルーフレール30との連結部分V1に支持された第一滑車61およびサイドシル40との連結部分V2に支持された第三滑車71を介して、ルーフレール30の前部30fに沿って延びたワイヤ51の部分およびサイドシル40の前部40fに沿って延びたワイヤ51の部分にも、略均一に作用する。
このワイヤ51に作用した張力は、このワイヤ51を固定するワイヤ固定部材80,90並びに第一滑車61および第三滑車71により、ルーフレール30の前部30fおよびサイドシル40の前部40fに対して、それぞれ長手方向に圧縮する圧縮荷重として作用する。
したがって、実際に、センターピラー20を二点鎖線で示す変形状態に至らせるには、ルーフレール30の前部30fおよびサイドシル40の前部40fをワイヤ51の張力による圧縮荷重によって圧潰変形させる必要がある。
すなわち、ワイヤ51のうち、センターピラー20に沿って張架された部分は、センターピラー20が二点鎖線で示した変形状態に至るのに伴って、張力の増大とともに、センターピラー20に沿って張架された部分の長さが僅かながら増大する必要がある。そして、このセンターピラー20に沿って張架された部分の長さが増大するためには、ルーフレール30の前部30fに沿ったワイヤ51の部分またはサイドシル40の前部40fに沿ったワイヤ51の部分から、ワイヤ51が繰り入れられる必要があり、このことは、ルーフレール30の前部30fまたはサイドシル40の前部40fの長さが初期状態よりも短くなることを意味する。
そして、ルーフレール30の前部30fまたはサイドシル40の前部40fの長さが初期状態よりも短くなることは、ルーフレール30の前部30fおよびサイドシル40の前部40fのうち少なくとも一方が長手方向に圧潰変形することを意味する。
したがって、センターピラー20が二点鎖線で示した変形状態に至るには、ルーフレール30の前部30fおよびサイドシル40の前部40fのうち少なくとも一方の圧潰変形を伴う必要がある。
よって、センターピラーに20に入力された荷重fは、ルーフレール30の長手方向やサイドシル40の長手方向に、効果的に分散され、この荷重fによる入力エネルギは、ルーフレール30やサイドシル40を長手方向に圧潰変形させるためにも消費され、センターピラー20を変形させるために寄与するエネルギを低下させることができる。
また、ワイヤ52の、センターピラー20に沿った部分に生じた張力は、ルーフレール30との連結部分V1に支持された第二滑車62およびサイドシル40との連結部分V2に支持された第四滑車72を介して、ルーフレール30の後部30rに沿って延びたワイヤ52の部分およびサイドシル40の後部40rに沿って延びたワイヤ52の部分にも、略均一に作用する。
このワイヤ52に作用した張力は、このワイヤ52を固定するワイヤ固定部材80,90並びに第二滑車62および第四滑車72により、ルーフレール30の後部30rおよびサイドシル40の後部40rに対して、それぞれ長手方向に圧縮する圧縮荷重として作用する。
したがって、実際に、センターピラー20を二点鎖線で示す変形状態に至らせるには、ルーフレール30の後部30rおよびサイドシル40の後部40rをワイヤ52の張力による圧縮荷重によって圧潰変形させる必要がある。
よって、センターピラーに20に入力された荷重fは、ルーフレール30の長手方向やサイドシル40の長手方向に、効果的に分散され、この荷重fによる入力エネルギは、ルーフレール30やサイドシル40を長手方向に圧潰変形させるためにも消費され、センターピラー20を変形させるために寄与するエネルギを低下させることができる。
なお、本実施形態1に係る車体側部構造は、車体の左側部についてのみ説明したが、右側部についても、左側部の構造と左右対称の構造を有していることはいうまでもない。
以上のように、本実施形態1に係る車体側部構造によれば、センターピラー20に入力された荷重fを、ルーフレール30やサイドシル40に、効率よく分散することができる。したがって、入力荷重fの効率的な分散により、荷重fが入力されたセンターピラー20の変形量を低減することができる。
なお、このセンターピラー20の車室内I方向への変形量(ストローク量S)と入力荷重fとの関係を表すグラフを図11に示す。
このグラフに示すように、特に、入力荷重fがf1までの範囲においては、ストローク量Sを低減する効果が大きく(最大ストローク量S1)、荷重fがf1を超えた領域においても、ストローク量Sに対する入力荷重fの割合を、センターピラー20のみで入力荷重を受ける従来の構造よりも、増大させることができる。
また、第一滑車61には、ルーフレール30に沿って車体前方Fに延びたワイヤ51が掛け回されるため、車両前方Fに向かう引張り力が作用し、第二滑車62には、ルーフレール30に沿って車体後方Rに延びたワイヤ52が掛け回されるため、車両後方Rに向かう引張り力が作用するところ、第一滑車61と第二滑車62とは同心に支持されているため、これら2つの滑車61,62を同心に支持している車体部分(ルーフレール30とセンターピラー20との連結部分V1)に作用する荷重の車両前後方向に沿った成分は、両滑車61,62に各別に作用する2つの引張り力の合力に対応したものとなる。
ここで、これら2つの引張り力の向きは互いに反対向きであるため、合力の大きさは、これら2つの引張り力が相殺されるような大きさとなり、2つの滑車61,62を同心に支持している車体部分(V1)に作用する荷重の車両前後方向に沿った成分を低減することができる。したがって、第一滑車61と第二滑車62とを別異の車体部分に独立して配置する構造に比べて、車体部分(V1)の強度(板厚等)を抑制することができる。
そして、この滑車61,62が支持されている車体部分(V1)に作用する荷重の車両前後方向に沿った成分の低減効果は、静的な状態においてのみ奏されるものではなく、センターピラー20に荷重fが入力して、各ワイヤ51,52の張力が増大していく動的な状態においても同様に奏されるため、荷重fの入力の際に一層効果的に作用する。
第三滑車71および第四滑車72を同心に支持している車体部分(サイドシル40とセンターピラー20との連結部分V2)についても、第一滑車61と第二滑車62とを同心に支持している車体部分(V2)と同様の作用によって、車両前後方向に沿った引張り力を低減することができる。したがって、第三滑車71と第四滑車72とを別異の車体部分に独立して配置する構造に比べて、車体部分(V2)の強度(板厚等)を抑制することができる。
なお、各ワイヤ51,52は、その両端部にそれぞれ形成されたリング状の掛け部51a,51b,52a,52bが、ルーフレール30の前端部V3および後端部V4、並びにサイドシル40の前端部V5および後端部V6に配設されたワイヤ固定部材80,80,90,90にそれぞれ掛けられた簡単な構造によって、ルーフレール30の前端部V3およびサイドシル40の前端部40f、並びにルーフレール30の後端部30rおよびサイドシル40の後端部40rにそれぞれ固定されているため、ワイヤ51,52の固定構造を簡単化するとともに、ワイヤ51,52をルーフレール30やサイドシル40に固定する固定作業を容易化することができる。
(実施形態2)
図12は、本発明が適用された実施形態2である車体の要部構造を示す概略斜視図であり、図13は、図12の矢視Aによる車体左側面の模式図である。
図示の車体側部構造は、自動車車体110の略上下方向に延びたセンターピラー120の上端部が、車体110の略前後方向に延びたルーフレール130に連結され、センターピラー120の下端部が、車体110の幅方向に延びた第3クロスメンバ128に、サイドシル140を介して連結されており、センターピラー120の内部、サイドシル140および第3クロスメンバ128に亘って、センターピラー120の長手方向(車体110の略上下方向)および第3クロスメンバ128の長手方向(車体110の幅方向)に沿って延びるワイヤ151が張架された構造である。
なお、符号126は第1クロスメンバ、符号127は第2クロスメンバである。
ここで、車体110の右側は左側と対称であって、右側のセンターピラー120′の上端部は、車体110の略前後方向に延びた右側のルーフレール130′に連結され、センターピラー120′の下端部が、車体110の幅方向に延びた第3クロスメンバ128に、右側のサイドシル140′を介して連結されており、車体110の前方Fから後方Rを視たときの要部正面図である図14に示すように、センターピラー120′の内部、サイドシル140′および第3クロスメンバ128に亘って、センターピラー120′の長手方向(車体110の略上下方向)および第3クロスメンバ128の長手方向(車体110の幅方向)に沿って延びるワイヤ152が張架されている。
なお、図14において、符号129はフロアパネルであり、このフロアパネル129と第3クロスメンバ128とは、溶接によって、フロアアッセンブリとして一体的に形成されている。
ワイヤ151,152は、実施形態1に示したワイヤ51,52と同様の構成であり、図3の概略図に示すように、各端部にそれぞれリング状の掛け部151a(152a),151b(152b)が形成されており、その直径は、所望の強度(引張り強度;直径が太くなるにしたがって大きくなる。)の確保と、配索作業性(曲げ剛性(直径が太くなるにしたがって大きくなる。)が低いほど、配索作業性は向上する。)の向上とを両立する観点から好ましいφ8mm程度のものが用いられる。
また、第3クロスメンバ128(サイドシル140)とセンターピラー120との連結部分V8、および第3クロスメンバ128(サイドシル140′)とセンターピラー120′との各連結部分V8,V8′には、それぞれ滑車160,160′が配設されている。
この滑車160(160′)は、図15の斜視図に示すように、回転自在に支持された滑車本体161(161′)に、センターピラー120(120′)の長手方向に沿って張架されかつ第3クロスメンバ128の長手方向に沿って延びたワイヤ151(152)が掛け回される。
また、ワイヤ151の一方の掛け部151aは、ルーフレール130とセンターピラー120との連結部V7に固定され、他方の掛け部151bは、一方の掛け部151aが固定された左側とは反対側である右側の、第3クロスメンバ128(サイドシル140′)とセンターピラー120′との連結部V8′に固定されている。
一方、ワイヤ152の一方の掛け部152aは、ルーフレール130′とセンターピラー120′との連結部V7′に固定され、他方の掛け部152bは、一方の掛け部152aが固定された右側とは反対側である左側の、第3クロスメンバ128(サイドシル140)とセンターピラー120との連結部V8に固定されている。
ここで、図14に示すように、連結部V7,V8′にはそれぞれ、ワイヤ151の掛け部151a,151bが掛けられて、ワイヤ151を固定する固定部材180,190が設けられ、連結部V7′,V8にはそれぞれ、ワイヤ152の掛け部152a,152bが掛けられて、ワイヤ152を固定する固定部材180′,190′が設けられている。
図16(a),(b)は、これら固定部材180,180′,190,190′をそれぞれ示す斜視図であり、図17は、図13における連結部分V7のJ−J線に沿った断面を表す断面図を、図18は、連結部分V8のうち滑車160近傍のK−K線に沿った断面を表す断面図を、図19は、連結部分V8のうち固定部材190′近傍のL−L線に沿った断面を表す断面図を、それぞれ示す。なお、図19に示した断面図は、図18に示した断面図と左右略対称である。
なお、図17において、ルーフボウ134は、ルーフレールインナ131に溶着されている。また、図18,19において、センターピラーインナ122,122′を挟んで、シルアウタ142,142′の反対側には、シルインナ141,141′が配設されており、各シルインナ141,141′に、フロアアッセンブリが溶接により連結されている。
固定部材180は、図16(a),17に示すように、一方の軸部がワイヤ151の掛け部151aであるリングに通されるUボルト181(U字状フック)と、Uボルト181の2本の軸が通される固定板182と、固定板182側から固定板182とルーフレール130を構成するルーフレールインナ131(板厚3.0mm程度)に溶着される補強部材であるレインフォース164とに通されたUボルト181の各軸に螺合し、Uボルト181をルーフレール130に止着するナット183,184とを備えた構成である。
なお、右側に設けられる固定部材180′も、固定部材180と同様の構成である。
一方、固定部材190は、図16(b),18に示すように、一方の軸部がワイヤ151の掛け部151bであるリングに通されるUボルト191(U字状フック)と、サイドシル140を構成するシルアウタ142(板厚3.0mm程度)に溶接によって固定され、Uボルト191の2本の軸が通される固定板192と、固定板192側から固定板192とシルアウタ142とに通されたUボルト191の各軸に螺合し、Uボルト191を連結部V8′に止着するナット193,194とを備えた構成である。
なお、左側に設けられる固定部材190′も、固定部材190と同様の構成である。
前述した各滑車160,160′はそれぞれ、図18,19に示すように、連結部分V8′,V8に設けられているが、直接的にはシルアウタ142′,142の各袋状の内側部分に、ボルトおよびナットにより固定支持されている。
そして、滑車160に掛け回されたワイヤ151は、図14,18に示すように、一方の掛け部151aが固定部材180に固定され、他方の掛け部151bが固定部材190に固定されて、センターピラー120の長手方向および第3クロスメンバ128の長手方向にそれぞれ沿って張架される。
一方、滑車160′に掛け回されたワイヤ152は、図14,19に示すように、一方の掛け部152aが固定部材180′に固定され、他方の掛け部152bが固定部材190′に固定されて、センターピラー120′の長手方向および第3クロスメンバ128の長手方向にそれぞれ沿って張架される。
なお、各ワイヤ151,152、各ワイヤ固定部材180,180′,190,190′および各滑車160,160′は、いずれも閉断面空間内に配設されているため、車体110の表面には露出していない。
次に、本実施形態2に係る車体側部構造の作用について、車体側部構造の模式図である図20を用いて説明する。
まず、センターピラー120に対して車体左側の車体外部Oから車室内Iに向かう荷重fが入力されると、実線で初期状態を示したセンターピラー120は、二点鎖線で示す変形状態になる。このとき、センターピラー120の内部に張架されたワイヤ151には、初期状態よりも大きな張力が発生する。
そして、このワイヤ151の、センターピラー120に沿った部分に生じた張力は、連結部分V8に支持された滑車160を介して、第3クロスメンバ128に沿って延びたワイヤ151の部分にも、略均一に作用する。
このワイヤ151に作用した張力は、このワイヤ151を固定する固定部材190および滑車160により、第3クロスメンバ128に対して、その長手方向に圧縮する圧縮荷重として作用する。
したがって、実際に、センターピラー120を二点鎖線で示す変形状態に至らせるには、第3クロスメンバ128をワイヤ151の張力による圧縮荷重によって圧潰変形させる必要がある。
すなわち、ワイヤ151のうち、センターピラー120に沿って張架された部分は、センターピラー120が二点鎖線で示した変形状態に至るのに伴って、張力の増大とともに、センターピラー120に沿って張架された部分の長さが僅かながら増大する必要がある。
そして、このセンターピラー120に沿って張架された部分の長さが増大するためには、第3クロスメンバ128に沿ったワイヤ151の部分から、ワイヤ151が繰り入れられる必要があり、このことは、第3クロスメンバ128の長さが初期状態よりも短くなることを意味する。
そして、第3クロスメンバ128の長さが初期状態よりも短くなることは、第3クロスメンバ128が長手方向に圧潰変形することを意味する。
したがって、センターピラー120が二点鎖線で示した変形状態に至るには、第3クロスメンバ128の圧潰変形を伴う必要がある。
よって、センターピラーに120に入力された荷重fは、第3クロスメンバ128の長手方向に効果的に分散され、この荷重fによる入力エネルギは、第3クロスメンバ128を長手方向に圧潰変形させるためにも消費され、センターピラー120を変形させるために寄与するエネルギを低下させることができ、車室内Iへのセンターピラー120の変形量を低減することができる。
なお、センターピラー120′に対して車体右側の車体外部Oから車室内Iに向かう荷重fが入力されたときは、ワイヤ151と左右略対称に、センターピラー120′の長手方向および第3クロスメンバ128の長手方向に亘って配索されたワイヤ152によって、上述したワイヤ151並びに固定部材180,190および滑車160による第3クロスメンバ128への荷重分散作用と同様の作用により、車室内Iへのセンターピラー120′の変形量を低減することができる。
以上のように、本実施形態2に係る車体側部構造によれば、センターピラー120,120′に入力された荷重fを、第3クロスメンバ128に効率よく分散することができる。したがって、入力荷重fの効率的な分散により、荷重fが入力されたセンターピラー120,120′の変形量を低減することができる。
なお、このセンターピラー120,120′の車室内I方向への変形量(ストローク量S)と入力荷重fとの関係を表すグラフを図21に示す。
このグラフに示すように、特に、入力荷重fがf1までの範囲においては、ストローク量Sを低減する効果が大きく(最大ストローク量S1)、荷重fがf1を超えた領域においても、ストローク量Sに対する入力荷重fの割合を、センターピラー120,120′のみで入力荷重を受ける従来の構造よりも、増大させることができる。
具体的には、センターピラー120,120′への荷重入力時の入力荷重は、全荷重の約1/2であり、センターピラー120,120′への入力荷重の約30%を、本実施形態の構造によって分担している。
なお、各ワイヤ151,152は、その両端部にそれぞれ形成されたリング状の掛け部151a,151b,152a,152bが、連結部分V7,V8′,V7′,V8にそれぞれ配設された固定部材180,190,180′,190にそれぞれ掛けられた簡単な構造によって、連結部分V7,V8′,V7′,V8にそれぞれ固定されているため、ワイヤ151,152の固定構造を簡単化するとともに、ワイヤ151,152を連結部分V7,V8′,V7′,V8に固定する固定作業を容易化することができる。
なお、上述した各実施形態1,2は、自動車車体の略上下方向に延びた車体構造部材としてセンターピラーを適用した例であり、また、実施形態1は、このセンターピラーの上部および下部が連結される他の車体構造部材として、ルーフレールとサイドシルとを適用した例、一方、実施形態2は、センターピラーの上部および下部が連結される他の車体構造部材として、ルーフレールと第3クロスメンバ(サイドシル)とを適用した例であるが、本発明の車体側部構造は、このような形態のものに限定されるものではない。
本発明が適用された一実施形態(実施形態1)である車体側部の要部構造を示す概略斜視図である。 図1の矢視Aによる車体左側面の模式図である。 図1,2に示した車体側部構造を構成するワイヤを示す概略図である。 二重滑車を示す斜視図である。 (a)は図2におけるB−B線に沿った断面を表す断面図、(b)は図2におけるC−C線に沿った断面を表す断面図である。 ワイヤ固定部材を示す分解斜視図であり、(a)はルーフレールに固定されるもの、(b)はサイドシルに固定されるもの、をそれぞれ示す。 (a)は図2におけるD−D線に沿った断面を表す断面図、(b)は図2におけるD′−D′線に沿った断面を表す断面図である。 (a)は図2におけるE−E線に沿った断面を表す断面図、(b)は図2におけるE′−E′線に沿った断面を表す断面図である。 図2におけるG−G線に沿った断面を表す断面図である。 図1に示した車体側部構造の作用を説明するための模式図である。 センターピラーの車室内方向への変形量(ストローク量S)と入力荷重fとの関係を表すグラフである。 本発明が適用された一実施形態(実施形態2)である車体の要部構造を示す概略斜視図である。 図12の矢視Aによる車体左側面の模式図である。 車体の前方から後方を視たときの要部正面図である。 滑車を示す斜視図である。 ワイヤ固定部材を示す分解斜視図であり、(a)はルーフレールに固定されるもの、(b)はサイドシルに固定されるもの、をそれぞれ示す。 図13におけるJ−J線に沿った断面を表す断面図である。 図13におけるK−K線に沿った断面を表す断面図である。 図13におけるL−L線に沿った断面を表す断面図である。 図12に示した車体側部構造の作用を説明するための模式図である。 センターピラーの車室内方向への変形量(ストローク量S)と入力荷重fとの関係を表すグラフである。
符号の説明
10 車体
20 センターピラー(車体構造部材)
30 ルーフレール(他の車体構造部材)
40 サイドシル(他の車体構造部材)
51,52 ワイヤ
60,70 二重滑車
80,90 ワイヤ固定部材(U字状フック)
V1,V2 連結部分
V3,V5 前端部
V4,V6 後端部
F 車体前方
R 車体後方
O 車体外部
I 車室内

Claims (10)

  1. 自動車車体の略上下方向に延びた車体構造部材の上部および下部が、それぞれ対応する前記車体の他の車体構造部材に連結されてなる車体側部構造であって、
    前記略上下方向に延びた車体構造物と、前記他の車体構造部材のうち少なくとも一つとに亘って、それぞれの長手方向に沿って延びるワイヤが張架されたことを特徴とする車体側部構造。
  2. 自動車車体の略上下方向に延びたセンターピラーの上端部が、前記車体の略前後方向に延びたルーフレールに連結され、前記センターピラーの下端部が、前記車体の略前後方向に延びたサイドシルに連結されてなる車体側部構造であって、
    前記ルーフレール、前記センターピラーの内部および前記サイドシルに亘って、前記ルーフレールの長手方向、前記センターピラーの長手方向および前記サイドシルの長手方向に沿って延びるワイヤが張架されたことを特徴とする車体側部構造。
  3. 前記ルーフレールと前記センターピラーとの連結部分に、前記センターピラーの長手方向に沿って張架され、かつ前記ルーフレールに沿って車体前方に延びた前記ワイヤが掛け回される第一滑車と、前記センターピラーの長手方向に沿って張架され、かつ前記ルーフレールに沿って車体後方に延びた前記ワイヤが掛け回される第二滑車とが、同心に支持され、
    前記サイドシルと前記センターピラーとの連結部分に、前記センターピラーの長手方向に沿って張架され、かつ前記サイドシルに沿って車体前方に延びた前記ワイヤが掛け回される第三滑車と、前記センターピラーの長手方向に沿って張架され、かつ前記サイドシルに沿って車体後方に延びた前記ワイヤが掛け回される第四滑車とが、同心に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の車体側部構造。
  4. 前記サイドシルに沿って車体前方に延びた前記ワイヤは、前記サイドシルの前端部に固定され、前記サイドシルに沿って車体後方に延びた前記ワイヤは、前記サイドシルの後端部に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の車体側部構造。
  5. 前記ルーフレールに沿って車体前方に延びた前記ワイヤは、前記ルーフレールの前端部に固定され、前記ルーフレールに沿って車体後方に延びた前記ワイヤは、前記ルーフレールの後端部に固定されていることを特徴とする請求項3または4に記載の車体側部構造。
  6. 前記各ワイヤの両端部にそれぞれリング状の掛け部が設けられ、前記サイドシルの前端部および後端部、並びに前記ルーフレールの前端部および後端部に、対応する前記各ワイヤの掛け部が掛けられて、前記ワイヤを、前記ルーフレールの前端部および前記サイドシルの前端部、並びに前記ルーフレールの後端部および前記サイドシルの後端部に、それぞれ固定するU字状フックが配設されていることを特徴とする請求項4または5に記載の車体側部構造。
  7. 自動車車体の略上下方向に延びたセンターピラーの上端部が、前記車体の所定の車体構造部材に連結され、前記センターピラーの下端部が、前記車体の略幅方向に延びたフレームに連結されてなる車体側部構造であって、
    前記センターピラーおよび前記フレームに亘って、前記センターピラーの長手方向および前記フレームの長手方向に沿って延びるワイヤが張架されたことを特徴とする車体側部構造。
  8. 前記フレームと前記センターピラーとの連結部分に、前記センターピラーの長手方向に沿って張架され、かつ前記フレームに沿って車体幅方向に延びたワイヤが掛け回される滑車が支持されていることを特徴とする請求項7に記載の車体側部構造。
  9. 前記ワイヤの一端は、前記センターピラーの上端側で前記所定の車体構造部材に固定され、該ワイヤの他端は、前記車体の両側部のうち、該ワイヤの一端が固定された側とは反対の側部において固定されていることを特徴とする請求項8に記載の車体側部構造。
  10. 前記ワイヤの両端部にそれぞれリング状の掛け部が設けられ、前記所定の車体構造部材および前記車体の側部に、対応する前記各ワイヤの掛け部が掛けられて、前記ワイヤを固定するU字状フックが配設されていることを特徴とする請求項9に記載の車体側部構造。


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JP2014069746A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Fuji Heavy Ind Ltd 車両

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