JP2005324429A - 発泡射出成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一な大きの球状の発泡セルを設けて成形品の剛性を高め、かつ外観の品質を向上させた発泡射出発泡成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】発泡樹脂材料を成形品より小さい容積の充填量で射出し、充填完了後に型締力を解放し、発泡圧によって可動型を容積が大きくなる方向へ後退させて発泡成形する発泡射出成形品の製造方法にある。
【選択図】なし

Description

本発明は発泡射出成形品の製造方法に係り、詳しくは高耐衝撃性及び緻密で均一な大きさの球状発泡セルを形成する発泡射出成形品の製造方法に関する。
従来、ポリオレフィン発泡体の製造方法として、ポリエチレンにアゾジカルボンアミドのような発泡剤、パーオキサイドのような架橋剤等を添加して金型内に発泡成形する方法が知られている。しかし、ポリエチレン発泡体は耐熱性に劣るため、ポリプロピレン発泡体が注目されている。
ポリプロピレン発泡体はポリエチレン発泡体に比べて、耐熱性や強度に優れており、110℃以上の耐熱性が要求される自動車内装品のクッション材料に使用されている。しかし、ポリプロピレン樹脂は溶融粘度が低い性質のために、溶融発泡時に発泡ガス圧に抗しきれず、気泡が粗くなり極端な場合には発泡ガスが逃散して均一なセルをもつ発泡体を得られないことがあった。
また、特許文献1には、ポリプロピレン樹脂単独の発泡体の欠点である発泡性を改善し、均一な気泡分布をもたせ、成形肌に良好なポリプロピレン樹脂発泡体を得るために、ポリプロピレン樹脂に1−ブテン重合体、ラジカル発生剤、架橋助剤、発泡剤を添加したポリプロピレン架橋発泡体組成物も提案されている。しかし、このポリプロピレン樹脂発泡体は気泡が粗大になり、発泡倍率も低くてクッション性が悪かった。
更に、発泡成形方法の一つとして、コアバック法と称される方法が提案されている。この方法は、一方を固定型として他方を油圧シリンダーに連結した可動型とする一対の型によってキャビティを形成し、型締め状態において予め可塑化された発泡剤入りの樹脂材料を所定圧力で射出する。このとき、可動型はキャビティの容積が正規の製品容積よりも小さ目になるように位置設定される。そして、射出完了後に、可動型を油圧シリンダーによって強制的に後退させて発泡を促進させるものである。
しかし、この方法では、発泡倍率を高めた成形品を成形する場合には、成形品の表面にフローマークが発生しやすくなり、射出速度を高める必要があった。これを改善したものとして、特許文献2に示すように、キャビティに発泡樹脂材料を射出しながら可動型を前進させ、再度可動型を正規の製品形状画成位置まで後退させ発泡成形する方法が提案されている。
特公平5−62617号公報 特開平8−332648号公報
しかしながら、可動型を油圧シリンダーで強制的に移動させた場合には、発泡セルが移動方向に楕円形状に変形する可能性があり、成形品の剛性が損なわれる可能性があった。
従って、本発明はこのような問題点を改善するものであり、均一な大きの球状の発泡セルを設けて成形品の剛性を高め、かつ外観の品質を向上させた発泡射出発泡成形品の製造方法を提供する。
本願請求項1記載の発明は、発泡樹脂材料を成形品より小さい容積の充填量で射出し、充填完了後に型締力を解放し、発泡圧によって可動型を容積が大きくなる方向へ後退させて発泡成形する発泡射出成形品の製造方法にある。
本願請求項2記載の発明は、発泡樹脂材料が、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)100質量部に対し、無機充填材(B)3〜60質量部と、ビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックXと、水素添加されたブタジエン単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックYから構成され、重合体ブロックYの水素添加率が90%以上であり、かつビニル芳香族炭化水素化合物の水素添加ブロック共重合体中に占める割合が5質量%を超え25質量%未満であり、そして水素添加前における重合体ブロックYの1,2結合量の平均が62モル%以上である水素添加ブロック共重合体(C)1〜80質量部と、化学発泡剤(D)0.1〜2.0質量部を、少なくとも配合した発泡用熱可塑性エラストマーである。
本願請求項3記載の発明は、発泡樹脂材料が、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)100質量部に対し、無機充填材3〜60(B)質量部と、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(E)1〜80質量部と、化学発泡剤(D)0.1〜2.0質量部を、少なくとも配合した発泡用熱可塑性エラストマーである。
本願発明では、発泡樹脂材料を、成形品より小さい容積の充填量で射出した後、型締力を解放し、発泡圧によって可動型を容積が大きくなる方向へ非強制的に後退させて発泡成形するものであって、発泡セルの大きさ、形状が均一なる成形品を得ることができ、剛性の異方性をなくし、かつ外観の品質を向上させた発泡射出成形品を得ることができる。
また、発泡樹脂材料として無機充填材を含む発泡用熱可塑性エラストマー組成物を用いて射出成形により得られた発泡射出成形品においては、発泡によるシルバー発生がほとんど無く、外観が良好なものとなる。
本発明の発泡射出成形品の製造方法では、射出成形機に固定型と可動型かる型間にキャビティを形成する金型を装着し、金型には型締力を解放できる装置を付加している。可動型はガイド棒に沿って固定型から後退あるいは前進できるようになっている。まず、原料である発泡樹脂材料を射出成形機の150〜250℃に温度調節した加熱シリンダー内に投入して熱可塑化し、最終成形品より50〜85%小さい容積のキャビティをもつように可動型を固定型に設置設定して締め付けた後、金型を40〜80℃に温度調節して射出成形する。射出した発泡樹脂材料中の化学発泡剤が熱分解してガスを発散し始めて内圧が20〜50kg/cmになった段階で型締力を解放し、発泡圧によって可動型を正の製品形状画成位置まで後退させて、発泡を促進して成形品を得るものである。
本発明では、強制的でなく発泡圧によって可動型を後退させるために、発泡セルの大きさ、形状が均一で、剛性において異方性の少ない、かつ外観の品質を向上させた射出発泡成形品を得ることができる。
本発明で使用する発泡樹脂材料としては、発泡用熱可塑性エラストマーや発泡用熱可塑性樹脂が使用される。
このうち、発泡用熱可塑性エラストマーはプロピレン・エチレンブロック共重合体(A)100質量部に対し、無機充填材(B)3〜60質量部と、ビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックXと、水素添加されたブタジエン単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックYから構成され、重合体ブロックYの水素添加率が90%以上であり、かつビニル芳香族炭化水素化合物の水素添加ブロック共重合体中に占める割合が5質量%を超え25質量%未満であり、そして水素添加前における重合体ブロックYの1,2結合量の平均が62モル%以上である水素添加ブロック共重合体(C)1〜80質量部と、化学発泡剤(D)0.1〜2.0質量部を、少なくとも配合したものがある。また、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)100質量部に対し、無機充填材3〜60(B)質量部と、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(E)1〜80質量部と、化学発泡剤(D)0.1〜2.0質量部を、少なくとも配合したものがある。上記発泡用熱可塑性エラストマーを使用すると、発泡によるシルバー発生がほとんど無く、外観が良好なものとなる。
プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)は、プロピレン重合体のブロックとエチレン・αオレフィン共重合体のブロックから成り立っている。エチレン・αオレフィン共重合体において、エチレンと共重合させるα−オレフィンはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、その他直鎖モノオレフィン類、4−メチル−ペンテン−1、2−メチル−ペンテン−1、3−メチル−ブテン−1等の分枝状モノオレフィン類、スチレン等があり、これらは単独もしくは2種類以上混合していても良い。これらの中で、プロピレンがより好ましい。
また、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)において、プロピレン重合体のMFRを(1)とし、エチレン・αオレフィン共重合体のMFRを(2)とした時、MFR(2)が0.001g/10分以下でかつ、4≦Log(MFR(1)/MFR(2)≦7であることが必要である。MFR(2)が0.001g/10分を超えると、発泡成形時に発泡セルが破泡しやすくなり、発泡性能が劣るようになる。また、Log(MFR(1)/MFR(2)が3より小さいもしくは7より大きくなると、プロピレン・エチレンブロック共重合体の耐衝撃性や引張伸度が低下するようになる。
本発明で使用する水素添加ブロック共重合体(B)は、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)との相溶性に優れており、混合した組成物の発泡成形品において、発泡セルへの悪影響が見られない。また、この水素添加ブロック共重合体(B)を添加することにより、耐衝撃性が向上し、無機充填材を添加する際に発生するシルバー等の外観不良が抑制される。無機充填材はプロピレン・エチレンブロック共重合体(A)との相溶性が無いため、成形時に金型面でプロピレン・エチレンブロック共重合体(A)が冷却・固化しながら流動するため、無機充填材が金型表面に分離し、外観が悪化する。しかし、水素添加ブロック共重合体(B)を添加していると、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)中に分散した成分が冷却されながらも流動が止まるまで固化しないために、無機充填材の分離を抑制し樹脂中で保持されるため、外観が良好になると考えられる。
上記水素添加ブロック共重合体(B)は、ビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックXと水素添加されたブタジエン単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックYから構成され、重合体ブロックYの水素添加率が90%以上であり、末端にある重合体ブロックの少なくとも1個が重合体ブロックYであり、好ましい構造としてはX−Y、X−Y―X―Y、Y−X−Y−X−Y、(Y−X−Y)n−Z(ここでnは2以上の整数、Zはカップリング剤残基を示す)。
また、ビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ターシャルブチルスチレン等のアルキルスチレン、パラメトキシスチレン、ビニルナフタレン等のうちから1種、または2種以上から選ばれ、中でもスチレンが好ましい。上記ビニル芳香族炭化水素化合物の水素添加ブロック共重合体(B)中に占める割合は5質量%を超え25質量%未満であり、柔軟性に富む表皮体を得るためには5〜15質量%が適当である。
そして、水素添加前のブタジエン単量体単位を主体とするブロックの1,2結合量の平均が62モル%以上であり、62モル%未満の場合には、シートを折り曲げたときに白化しやすくなる。このような水素添加ブロック共重合体の代表的なものとして、国際公開番号WO00/15681に開示されており、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)である旭化成社製の商品「タフテックH1221」がある。
上記のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)は、水素添加前のブタジエン単量体単位を主体とするブロックの1,2結合量の平均が62モル%以上で、他方後述する旭化成社製の「タフテックH1062、H1052」のようなスチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)では、水素添加前のブタジエン単量体単位を主体とするブロックとして1,4結合が主体になっている。
プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)と水素添加ブロック共重合体(B)との混合量は、水素添加ブロック共重合体(B)がプロピレン・エチレンブロック共重合体(A)100質量部に対して1〜80質量部であり、水素添加ブロック共重合体(B)が1質量部未満であると耐衝撃性や外観の向上効果が無く、一方水素添加ブロック共重合体(B)が80質量部を超えると無機充填材での剛性向上効果が無くなる。
本発明で使用するエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(E)は、エチレン・α−オレフィン共重合体と非結晶性のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体とから選択される少なくとも1種類である。エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(E)はプロピレン・エチレンブロック共重合体(A)との相溶性に優れており、混合した組成物の発泡成形品において、発泡セルへの悪影響が見られない。また、このエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(E)を添加することにより、耐衝撃性が向上し、無機充填材を添加する際に発生するシルバー等の外観不良が抑制される。無機充填材はプロピレン・エチレンブロック共重合体(A)との相溶性が無いため、成形時に金型面でプロピレン・エチレンブロック共重合体(A)が冷却・固化しながら流動するため、無機充填材が金型表面に分離し、外観が悪化する。しかし、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(E)を添加していると、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)中に分散した成分が冷却されながらも流動が止まるまで固化しないために、無機充填材の分離を抑制し樹脂中で保持されるため、外観が良好になると考えられる。
好ましいα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン等の炭素原子数が3〜10のα−オレフィンが挙げられる。特に、エチレン・オクテン共重合体(EOR)が好ましい。
プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)とエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(E)との混合量は、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(E)がプロピレン・エチレンブロック共重合体(A)100質量部に対して1〜80質量部であり、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム(E)が1質量部未満であると耐衝撃性や外観の向上効果が無く、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムが80質量部を超えると無機充填材での剛性向上効果が無くなる。
本発明で使用される無機充填材(B)は剛性を向上させるために用いられる。この無機充填材(B)としては、タルク、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウイスカー、マイカ、ガラス繊維、硫酸マグネシウム、層状の粘土鉱物であるクレイ等がある。特にタルクが好ましく、平均一次粒径が5μm以下、好ましくは2μm以下である。
プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)と無機充填材(B)との混合量は、無機充填材(B)がプロピレン・エチレンブロック共重合体(A)100質量部に対して3〜60質量部であり、無機充填材が3質量部未満であると剛性向上効果が無く、60質量部を超えると外観が著しく悪化し、また発泡成形品自体が非常に脆くなる。
本発明で使用する化学発泡剤(D)は有機系発泡剤、無機系発泡剤のどちらでも良い。無機系発泡剤には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等があり、有機系発泡剤にはN−ニトロソ化合物であるN,N’−ジニトロソテレフタルアミド等やアゾ化合物であるアゾジカルボンアミド等やスルフォニルヒドラジド化合物であるベンゼンスルフォニルヒドラジド等やアジド化合物である4,4’−ジフェニルジスルフォニルアジド等がある。この中でも、重炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩もしくは炭酸水素塩が好ましい。
また、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で、熱安定剤、紫外線吸収剤、耐候剤、酸化防止剤、可塑剤、離型剤、着色剤、造核剤等が1種類以上添加しても構わない。
これら配合物の混合は、タンブラー等でドライブレンドを行って、射出成形に用いても良いが、以下の2つの方法で溶融混練してペレット化してから用いても良い。
(a)化学発泡剤以外の配合物を150〜250℃の温度でニーダー、2軸もしくは1軸押出機等で溶融混練した後、得られた組成物のペレットと化学発泡剤をタンブラーにてドライブレンドして用いる。
(b)化学発泡剤も含めた配合物を150〜200℃、好ましくは150〜180の温度でニーダー、2軸もしくは1軸押出機等で溶融混練した後、ペレット化してから用いる。
発泡用熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン樹脂100質量部に対して上記の化学発泡剤(D)0.1〜2.0質量部を、少なくとも配合したものである。また、必要に応じて熱安定剤、紫外線吸収剤、耐候剤、酸化防止剤、可塑剤、離型剤、着色剤、造核剤等が1種類以上添加しても構わない。
次に、本発明を具体的な実施例により更に詳細に説明する。
実施例1〜4、比較例1〜3
表1に示すプロピレン・エチレンブロック共重合体、水素添加ブロック共重合体、EOR、タルクをタンブラーでドライブレンドしたものを、二軸押出機(日本製鋼所社製、TEX44α2‐52.5AW‐5V)の原料供給ホッパーより供給し、190〜230°C、300rpmで混練して押出しペレット化した。得られたペレットと発泡剤をタンブラーでドライブレンドし、発泡樹脂材料とした。
上記で得られた材料を射出成形にて発泡成形品を作製した。射出成形機(住友重工業社製 SH75)は180〜230℃で、金型温度は60℃にセットした。金型は100mm×200mm×2mmの容積で準備しておき、材料を充填完了後、1.0秒以内に型締めを開放して発泡圧により可動型を2mm移動させ、100mm×200mm×4mmの2倍発泡成形品を作製した。
尚、比較例では、材料を充填完了後、1.0秒以内に型締めを開放して強制的に可動型を2mm移動させ、100mm×200mm×4mmの2倍発泡成形品を作製した。
上記発泡成形品について、外観、剛性、耐衝撃性、セルの形状の評価を下記方法で行った。評価結果は表1に併記した。外観はシルバーに着目し、目視にて下のように評価した。
○: 全く無いもしくはほとんどわからない。
×: 明らかに確認できる。
剛性はJIS−K7171に準拠して曲げ試験を行い求めた。尚、剛性値は変形量と荷重のグラフの初期勾配より求めた。
衝撃性はJIS−K7110に準拠してIZOD衝撃試験を行い求めた。
セルの形状は、発泡成形品をカッターで切断してセルの形状を肉眼で観察した。
Figure 2005324429
表1に示す所定量の材料を配合し、射出成形にて作製した発泡成形品である実施例1〜4では、外観にシルバーがほとんど発生せず、判定は○となった。剛性及び耐衝撃性も良好で、セルの形状も均一な球状であった。
それに対し比較例1〜3は、全て外観に明らかなシルバーが発生していた。具体的に、比較例1ではH1221、EORが添加されていないため、外観と耐衝撃性が劣っていた。比較例2ではタルク添加量が多過ぎるために、H1221の添加効果が現れておらず、外観と耐衝撃性が劣っていた。比較例3ではタルク、EOR添加量が多すぎるため、外観(タルクの影響)と剛性(H1221の影響)が劣っていた。しかも、比較例1〜3では、セルの形状も楕円に延びた形状であった。
実施例5、比較例4
ポリプロピレン樹脂ペレット(チッソPP)100質量部に炭酸水素ナトリウム系の化学発泡剤3質量部(永和化成社製:ポリフレンPEMB30S)をタンブラーでドライブレンドして発泡樹脂材料とした。射出成形機(住友重工業社製 SH75)は160〜200℃で、金型温度は60℃にセットした。金型は100mm×200mm×2mmの容積で準備しておき、材料を充填完了後、1.0秒以内に型締めを開放して発泡圧により可動型を2mm移動させて100mm×200mm×4mmの2倍発泡成形品を作製した場合と、強制的に移動させて成形した場合を比較した。
この結果、発泡圧により可動型を移動させて成形した発泡成形品のセルの形状は、ほぼ均一な球状であったが、強制的に移動させて成形した場合には、セルの形状は楕円に延びた形状でになっていた。
本発明の発泡射出成形品の製造方法で得られた発泡成形品は、高耐衝撃性及び緻密で均一な球状の発泡セルを形成し、特に自動車部品等として好適に使用される。

Claims (3)

  1. 発泡樹脂材料を成形品より小さい容積の充填量で射出し、充填完了後に型締力を解放し、発泡圧によって可動型を容積が大きくなる方向へ後退させて発泡成形することを特徴する発泡射出成形品の製造方法。
  2. 発泡樹脂材料が、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)100質量部に対し、無機充填材(B)3〜60質量部と、ビニル芳香族炭化水素化合物単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックXと、水素添加されたブタジエン単量体単位を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックYから構成され、重合体ブロックYの水素添加率が90%以上であり、かつビニル芳香族炭化水素化合物の水素添加ブロック共重合体中に占める割合が5質量%を超え25質量%未満であり、そして水素添加前における重合体ブロックYの1,2結合量の平均が62モル%以上である水素添加ブロック共重合体(C)1〜80質量部と、化学発泡剤(D)0.1〜2.0質量部を、少なくとも配合した発泡用熱可塑性エラストマーである請求項1記載の発泡射出成形品の製造方法。
  3. 発泡樹脂材料が、プロピレン・エチレンブロック共重合体(A)100質量部に対し、無機充填材3〜60(B)質量部と、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム(E)1〜80質量部と、化学発泡剤(D)0.1〜2.0質量部を、少なくとも配合した発泡用熱可塑性エラストマーである請求項1記載の発泡射出成形品の製造方法。
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