以下、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図7(A)を参照して説明する。図1は本実施の形態の医療器具の挿入装置である内視鏡挿入装置1を示すものである。内視鏡挿入装置1は、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に着脱可能に装着される挿入補助具4を有する。
大腸内視鏡2は、図5に示すように体内に挿入される細長い軸状の挿入部3の基端部に太径の操作部5を有する。図2に示すように挿入部3は、細長い可撓管部6と、例えば上下、左右の4方向に湾曲可能な湾曲部7と、先端硬性部8とを有する。そして、可撓管部6の基端部が操作部5に連結されている。湾曲部7には図示しない湾曲操作ワイヤの先端部が連結されている。
図25に示すように先端硬性部8の先端面は少なくとも1つの観察窓9と、2つの照明窓10,11とを有する。観察窓9にはカバーガラスの後方に、対物レンズが配設されている。この対物レンズの結像位置にはCCDなどの撮像素子が配設されている。この撮像素子には信号ケーブルの一端部が接続されている。照明窓10,11には、カバーガラスの後方に、ライトガイドファイバ束の先端部が配設されている。
また、撮像素子の信号ケーブルや、ライトガイドファイバ束や、湾曲操作ワイヤなどは挿入部3の内部を通して操作部5側に延出されている。そして、撮像素子の信号ケーブルや、ライトガイドファイバ束や、湾曲操作ワイヤなどは挿入部3の内部に内蔵物として内装されている。
操作部5には湾曲部7を操作する湾曲操作ノブ12が配設されている。湾曲操作ノブ12の中心軸は操作部5に内蔵された湾曲操作機構に連結されている。この湾曲操作機構には湾曲操作ワイヤの基端部が連結されている。そして、湾曲操作ノブ12の回転操作によって湾曲操作機構を介して湾曲操作ワイヤが牽引操作され、湾曲部7が湾曲操作ノブ12の操作方向に遠隔操作されるようになっている。
また、操作部5には、ユニバーサルコード13の一端部が連結されている。このユニバーサルコード13の他端部には光用コネクタと、電気信号用コネクタとが設けられている。光用コネクタは光源装置と、電気信号用コネクタはビデオプロセッサとそれぞれ接続されている。ここで、信号ケーブルや、ライトガイドファイバ束は、操作部5からユニバーサルコード13内に挿通されている。そして、信号ケーブルは電気信号用コネクタに接続されている。
さらに、ライトガイドファイバ束の他端部は光用コネクタに接続されている。そして、光源装置の光源ランプから放射される照明光がライトガイドファイバ束を経て挿入部3の先端硬性部8側に導光され、照明窓10,11から外部に照射されるようになっている。また、観察窓9から入射された観察像は、対物レンズの結像位置の撮像素子で電気信号に変換される。そして、信号ケーブルを介してビデオプロセッサに入力され、信号処理された後、図示しないモニタにビデオ信号が供給されてモニタの画面に表示されるようになっている。
また、挿入補助具4は、大腸内視鏡2の挿入部3の挿入方向に伸長可能な柔軟な袋状の外被シース(変形部)14と、この外被シース14の基端部に連結されるベースユニット15と、外被シース14の先端部に連結される先端ユニット16とを有する。
ベースユニット15は、ほぼ円筒状の口金部材17を有する。この口金部材17の筒内には大腸内視鏡2の挿入部3が挿入できるようになっている。口金部材17の基端部側には最も大径な大径部17aが設けられている。口金部材17の先端部側には他の部分よりも小径で、大腸内視鏡2の挿入部3が挿入できる程度の径の先端円筒部17bが設けられている。さらに、口金部材17の大径部17aと、先端円筒部17bとの間には外径寸法が異なる2段の段部17c、17dが形成されている。大径な大径段部17cは、口金部材17の基端部側に配置され、大径段部17cよりも小径な小径段部17dは、この大径段部17cよりも先端側に配置されている。
また、外被シース14は、外シース18と、内シース19とを有する。外シース18の基端部には口金部材17の小径段部17dに固定される後ろ側固定リング18aが形成されている。さらに、外シース18の先端側は先端ユニット16側に向けて延出されている。そして、この延出部側に折り畳まれた第1のベローズ部18bが形成されている。
内シース19には折り畳まれた第2のベローズ部19aが形成されている。この第2のベローズ部19aは口金部材17の先端円筒部17b上に配設されている。そして、この第2のベローズ部19aの基端部には先端円筒部17bの基端部に固定される後ろ側固定リング19bが形成されている。
先端ユニット16は、外被シース固定部材20と、硬質な先端部材21と、柔軟な連結チューブ22とを有する。外被シース固定部材20は、口金部材17の先端円筒部17bとほぼ同径の内側円筒部20aと、この内側円筒部20aよりも大径な外側円筒部20bとを有する。外側円筒部20bの外径は、口金部材17の大径段部17cとほぼ同径に設定されている。
外側円筒部20bの先端部には内方向に屈曲された屈曲部20cが形成されている。この屈曲部20cの内端部は内側円筒部20aの外周面に固定されている。さらに、外側円筒部20bの外周面には基端部側に大径なリング状の第1フランジ部23が突設されている。
内側円筒部20aの外周面には基端部側に大径なリング状の第2フランジ部24が突設されている。さらに、内側円筒部20aと外側円筒部20bとの間には第2フランジ部24の前方に外シース収容空間25が形成されている。この外シース収容空間25内には外シース18の第1のベローズ部18bが収容されている。この第1のベローズ部18bの先端部には内側円筒部20aの先端部に固定される前側固定リング18cが形成されている。また、内シース19には第2のベローズ部19aの先端部に内側円筒部20aの外周面に固定される前側固定リング19cが形成されている。この前側固定リング19cは内側円筒部20aの第2フランジ部24よりも後方側に配置されている。
また、口金部材17には外被シース14の外シース18と内シース19との間に圧力エアーなどの作動流体を供給する流体通路26が形成されている。この流体通路26の内端部は口金部材17の外シース18と内シース19との間に連通されている。さらに、流体通路26の外端部は図5に示すように口金部材17の外周面に配置された送気口金27に連結されている。この送気口金27には送気管28の一端部が連結されている。この送気管28の他端部は図示しない送気ポンプに連結されている。そして、挿入補助具4の外被シース14の伸長時にはこの送気管28から圧力エアーなどの作動流体が送気口金27、流体通路26を介して外シース18と内シース19との間に供給され、外被シース14が挿入部3の挿入方向に伸長されるようになっている。
また、外被シース14の外側には円筒状の硬質のカバー部材(筒状部材)29が配置されている。このカバー部材29の基端部は口金部材17の大径段部17cに固定されている。このカバー部材29の先端部は先端ユニット16側に向けて延出されている。そして、外被シース14が収縮されている場合には、カバー部材29の先端部は先端ユニット16の第1フランジ部23に突き当てられた状態で保持されている。この状態で、カバー部材29によって外被シース14を覆う状態で保持されている。カバー部材29の長さは、挿入補助具4を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する際に、カバー部材29の先端部が肛門H1を越えて大腸(直腸)H2内に入る位の長さ、例えば3cm以上程度に設定されている。
さらに、挿入補助具4にはカバー部材29の先端部を先端ユニット16の第1フランジ部23に突き当てた状態で保持する粘着テープ(係合手段)30が設けられている。この粘着テープ30は、先端部側が先端ユニット16、基端部側がカバー部材29にそれぞれ接着されて固定されている。これにより、外被シース14が収縮されている場合には、この粘着テープ30によってカバー部材29の先端部と先端ユニット16との間が係脱可能に係合された係合状態で保持されている。
また、先端部材21は、ほぼ軸心部に内視鏡取り付け穴31を有する。この内視鏡取り付け穴31の前面は透明なカバーガラス32によって密閉されている。そして、先端部材21の内視鏡取り付け穴31には大腸内視鏡2の挿入部3の先端硬性部8が嵌合状態で連結されるようになっている。
柔軟な連結チューブ22は、先端部材21と外被シース固定部材20の外側円筒部20bとの間に架設されている。この連結チューブ22は、大腸内視鏡2の湾曲部7と対応する位置に配置されている。そのため、大腸内視鏡2の湾曲部7の湾曲動作に追従して連結チューブ22が自由に変形可能になっている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡挿入装置1は、大腸内視鏡2の挿入部3を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する作業時に、挿入前に予め大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着した状態で使用される。図1は挿入補助具4に大腸内視鏡2の挿入部3を挿入する前の状態を示す。このとき、挿入補助具4は、予め、外被シース14が収縮され、外被シース14を覆う状態で外被シース14の外側に硬質のカバー部材29が配置されている状態で保持されている。ここで、外被シース14は、内シース19の第2のベローズ部19aが折り畳まれた状態で口金部材17の先端円筒部17b上に配置され、さらに、外シース18の第1のベローズ部18bが折り畳まれた状態で外被シース固定部材20の内側円筒部20aと外側円筒部20bとの間の外シース収容空間25内に収容された状態で保持されている。さらに、粘着テープ30によってカバー部材29の先端部と先端ユニット16との間が係脱可能に係合された係合状態で保持されている。この状態で、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着する(挿入補助具装着工程)作業が行なわれる。
この挿入補助具装着作業時には挿入補助具4の口金部材17の基端面の開口部17eから口金部材17の筒内に大腸内視鏡2の挿入部3が先端側から挿入される。そして、図2に示すように先端部材21の内視鏡取り付け穴31に挿入部3の先端硬性部8が嵌合状態で連結され、図3(A)に示すように大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けた組み付けユニット33がセットされる。
その挿入補助具4の装着後、組み付けユニット33を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する(第1の挿入工程)。この挿入作業時には、挿入補助具4の先端部材21側から挿入補助具4を患者Hの肛門H1に挿入する。このとき、患者Hの肛門H1は括約筋で閉められているのが普通なので、この肛門H1の括約筋を押し広げながら組み付けユニット33を患者Hの肛門H1に押し込む作業が行なわれる。
また、組み付けユニット33の挿入作業中、粘着テープ30の先端部が肛門H1に接近した時点で、粘着テープ30を挿入補助具4から剥がす。これにより、カバー部材29の先端部と先端ユニット16との間の係合が解除される。
その後、組み付けユニット33を患者Hの肛門H1に押し込む作業が続行される。このとき、カバー部材29の先端部は先端ユニット16の第1フランジ部23に突き当てられているので、カバー部材29のからの押圧力は第1フランジ部23を介して先端ユニット16に伝達される。そのため、大腸内視鏡2の挿入部3と一緒に挿入補助具4が組み付けられた組み付けユニット33の挿入作業は粘着テープ30を剥がす前と同様に継続される。
そして、図3(B)に示すように挿入補助具4のカバー部材29の先端部が肛門H1を通過する位置まで挿入する。この状態で、挿入補助具4のカバー部材29は肛門H1の括約筋の締付け力によって肛門H1内で固定される。
また、挿入補助具4のカバー部材29が肛門H1内で固定されたのち、送気管28から圧力エアーなどの作動流体が送気口金27、流体通路26を介して外シース18と内シース19との間に供給される。このとき、作動流体の供給により、外被シース14の外シース18と内シース19との間の空間が膨張する。そのため、図4に示すように外被シース14全体が大腸内視鏡2の挿入部3の挿入方向に伸長される。これにより、挿入補助具4は、ベースユニット15に対して先端ユニット16が前方に押し出される状態で前進移動する。このとき、先端ユニット16と一緒に大腸内視鏡2の挿入部3が挿入部3の挿入方向に前進される(第2の挿入工程)。
また、図6は大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を組み付けた組み付けユニット33をベッド34上の患者Hに挿入した状態を示す。ここで、ベッド34上には医療器具の支持用の架台35が設けられている。この架台35の上端部には図7(A)に示すようにほぼU字状の支持枠36が設けられている。そして、挿入補助具4の口金部材17が架台35の支持枠36に係脱可能に係合された状態で支持されている。なお、図7(B)に示す変形例のように架台35の支持枠36は、弾性を持たせて開口端部側に抜け止め用の折り返し部36aを設けてもよい。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡挿入装置1では、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着することにより、大腸内視鏡2の挿入部3の挿入時に挿入補助具4の柔軟な外被シース14を挿入部3の挿入方向に伸長させて、大腸内視鏡2の挿入部3の挿入動作を補助することができる。そのため、大腸内視鏡2の挿入部3を患者Hの大腸(直腸)H2内に挿入する作業を容易に行なうことができる。
さらに、挿入補助具4の外被シース14が収縮されている場合には外被シース14の外側の硬質のカバー部材29によって外被シース14を覆う状態で保持される。そのため、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着する作業時には硬質のカバー部材29を把持した状態でその作業を行なうことができる。これにより、挿入補助具4の装着作業時に外被シース14に力が直接掛かることがないので、外被シース14が不必要に伸長するおそれがない。その結果、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着する作業を容易に行なうことができる。
また、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けた組み付けユニット33を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する作業時に、肛門H1の括約筋による締付け力を挿入補助具4のカバー部材29によって受けることができる。そのため、組み付けユニット33を患者Hの肛門H1に挿入する作業時に肛門H1の括約筋による締付け力によって軟らかい外被シース14が押し潰されたり、折れ曲がることがない。その結果、円滑に、かつ確実に組み付けユニット33を患者Hの肛門H1に挿入する作業を行なうことができる。さらに、挿入補助具4の外被シース14が収縮されている状態では軟らかい外被シース14が露出されることがないので、使用前に外被シース14が破損するおそれもない。
また、本実施の形態では、挿入補助具4にカバー部材29の先端部を先端ユニット16の第1フランジ部23に突き当てた状態で保持する粘着テープ30を設けている。そのため、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着する作業時に外被シース14が不必要に伸長するおそれがないので、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着する作業を一層、容易に行なうことができる。
また、図8および図9は本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図7(A)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、第1の実施の形態では、カバー部材29の先端部を先端ユニット16の第1フランジ部23に突き当てた状態で保持する係合手段として粘着テープ30を使用した構成を示したが、本実施の形態の挿入補助具4では、この粘着テープ30に代えて固定糸41を使用する構成にしたものである。この固定糸41の先端部は、先端ユニット16の外被シース固定部材20の外側円筒部20bに固定されている。この固定糸41の基端部は口金部材17、またはカバー部材29の後端部に固定されている。この固定糸41の取付け時にはカバー部材29の先端部を先端ユニット16の第1フランジ部23に突き当てた状態で固定糸41を引張り、固定する。これにより、固定糸41が伸びきった状態でもカバー部材29と先端ユニット16とが離れることがない。
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態では、挿入補助具4は、使用前は予め、外被シース14が収縮され、外被シース14を覆う状態で外被シース14の外側に硬質のカバー部材29が配置されている状態で保持されている。このとき、固定糸41によってカバー部材29の先端部と先端ユニット16との間が係脱可能に係合された係合状態で保持されている。この状態で、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着する(挿入補助具装着工程)作業と、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けた組み付けユニット33を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する(第1の挿入工程)作業とが行なわれる。
また、組み付けユニット33の挿入作業中、図9に示すようにカバー部材29の先端部が肛門H1内に挿入され、固定糸41の基端部が肛門H1に接近した時点で、固定糸41を切断する。これにより、カバー部材29の先端部と先端ユニット16との間の係合が解除される。
この時点以後は、外被シース14の外シース18と内シース19との間の空間に圧力エアーなどの作動流体を供給することにより、外被シース14全体を大腸内視鏡2の挿入部3の挿入方向に伸長させることができる。これにより、挿入補助具4は、ベースユニット15に対して先端ユニット16が前方に押し出される状態で前進移動する。このとき、先端ユニット16と一緒に大腸内視鏡2の挿入部3が挿入部3の挿入方向に前進される(第2の挿入工程)。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡挿入装置1では、カバー部材29の先端部を先端ユニット16の第1フランジ部23に突き当てた状態で保持する係合手段として固定糸41を使用している。そのため、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着する作業時に外被シース14が不必要に伸長するおそれがないので、第1の実施の形態と同様に大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着する作業と、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けた組み付けユニット33を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する(第1の挿入工程)作業とを容易に行なうことができる。
さらに、挿入補助具4の外被シース14が収縮されている状態では軟らかい外被シース14が露出されることがないので、使用前に外被シース14が破損するおそれもない。
また、図10は本発明の第3の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図7(A)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では、挿入補助具4のカバー部材29の先端部内周面に内方向に突出するリング状の係合突起51を設けている。また、先端ユニット16の外側円筒部20bの基端部外周面には第1フランジ部23の後方にリング状の係止凹部52が形成されている。さらに、この係止凹部52の後方には係止凹部52よりも大径の後端フランジ部53が突設されている。
そして、挿入補助具4のカバー部材29の係合突起51は、先端ユニット16の外側円筒部20bの係止凹部52と凹凸嵌合され、凹凸嵌合部54が形成されている。この凹凸嵌合部54によって、カバー部材29の先端部を先端ユニット16の第1フランジ部23に突き当てた状態で保持する係合手段が形成されている。
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態では、挿入補助具4は、使用前は予め、外被シース14が収縮され、外被シース14を覆う状態で外被シース14の外側に硬質のカバー部材29が配置されている状態で保持されている。このとき、挿入補助具4のカバー部材29の係合突起51は、先端ユニット16の外側円筒部20bの後端フランジ部53を乗り越えて係止凹部52と凹凸嵌合され、この凹凸嵌合部54によってカバー部材29の先端部と先端ユニット16との間が係脱可能に係合された係合状態で保持されている。この状態で、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着する(挿入補助具装着工程)作業と、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けた組み付けユニット33を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する(第1の挿入工程)作業とが行なわれる。
また、カバー部材29の係合突起51と、先端ユニット16の外側円筒部20bの係止凹部52との凹凸嵌合部54の係合強度は、流体通路26から圧力エアーなどの作動流体が外被シース14の外シース18と内シース19との間に供給される送気の圧力以下に設定することが好ましい。この場合には、流体通路26から圧力エアーなどの作動流体の供給による外被シース14の伸長動作の開始により、カバー部材29の先端部と先端ユニット16との間の係合が解除される。
この時点以後は、外被シース14の外シース18と内シース19との間の空間に圧力エアーなどの作動流体を供給することにより、外被シース14全体を大腸内視鏡2の挿入部3の挿入方向に伸長させることができる。これにより、挿入補助具4は、ベースユニット15に対して先端ユニット16が前方に押し出される状態で前進移動する。このとき、先端ユニット16と一緒に大腸内視鏡2の挿入部3が挿入部3の挿入方向に前進される(第2の挿入工程)。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡挿入装置1では、挿入補助具4のカバー部材29の係合突起51を、先端ユニット16の外側円筒部20bの後端フランジ部53を乗り越えて係止凹部52と凹凸嵌合させることにより、カバー部材29の先端部と先端ユニット16との間を係合させることができる。そのため、カバー部材29の先端部を先端ユニット16の第1フランジ部23に突き当てた状態で保持する係合操作を簡単に行なうことができる。
また、図11は本発明の第4の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図7(A)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態は、挿入補助具4のカバー部材29の先端部にカバー部材29の他の部分よりも太径のかえし部61を設けたものである。このかえし部61は、カバー部材29の先端部を滑らかに太径化したものである。このかえし部61の基端部は挿入補助具4の軸方向に対してほぼ直交する方向に屈曲された屈曲部62が形成されている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けた組み付けユニット33を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する(第1の挿入工程)作業時には、カバー部材29のかえし部61が患者Hの肛門H1を乗り越えるまで組み付けユニット33を押し込み操作する。このとき、カバー部材29のかえし部61が患者Hの肛門H1を通過すると押し込み操作力が急激に小さくなる状態で変化する。そのため、組み付けユニット33を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する作業時には組み付けユニット33を押し込み操作する押し込み操作力の変化によってカバー部材29のかえし部61が患者Hの肛門H1を通過した感触を作業者の操作感覚によって比較的簡単に確認することができる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡挿入装置1では、組み付けユニット33を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する作業時にカバー部材29のかえし部61が患者Hの肛門H1を通過した感触を確認することにより、挿入補助具4を正しい挿入位置まで確実に挿入することができる。そのため、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けた組み付けユニット33を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する(第1の挿入工程)作業を一層、容易に行なうことができる。
また、挿入補助具4を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入した際に、図11に示すようにかえし部61の屈曲部62とカバー部材29の外周面との間の段差部を大腸(直腸)H2内から肛門H1との間の壁面に突き当てることができる。そのため、大腸内視鏡2の挿入部3の挿入作業中に大腸(直腸)H2内に挿入された挿入補助具4が大腸(直腸)H2内から簡単に引き抜かれることを防止することができる。
また、図12および図13は本発明の第5の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図7(A)参照)の内視鏡挿入装置1の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態は、図12に示すように挿入補助具4の本体の挿入前に予め患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入されて先込め状態で装着される保護部材71を設けたものである。この保護部材71は、硬質な材料で形成された円筒部材72と、この円筒部材72の基端部に連結される大径な樹脂製の口金部材73とを有する。
図13に示すように口金部材73には、基端部側の周壁面に口金係合溝74が形成されている。この口金係合溝74は、挿入補助具4の口金部材17の送気口金27と係合可能な形状に形成されている。
口金係合溝74の開口端部(図13中で左側端部)には、両側に口金係合溝74の内部側に向けて突出された係合突起75がそれぞれ突設されている。これらの両側の係合突起75間には口金係合溝74の溝幅よりも狭い幅の狭幅部76が形成されている。
そして、本実施の形態の内視鏡挿入装置1の使用時には保護部材71の内部に第1の実施の形態の大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けた組み付けユニット33が挿入されるようになっている。
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態では、大腸内視鏡2の使用時には、予め保護部材71の円筒部材72が患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入されて先込め状態で装着される。その後、第1の実施の形態の大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けた組み付けユニット33が保護部材71の内部に挿入される。この挿入補助具4の挿入時には図13中に矢印で示すように口金部材17の送気口金27が口金係合溝74の開口端部から狭幅部76を乗り越えて口金係合溝74に係合される。これにより、保護部材71に対する挿入補助具4の軸回り方向の回転や、挿入補助具4の抜けが防止されている。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡挿入装置1では、挿入補助具4とは別体の保護部材71を設け、挿入補助具4の本体の挿入前に予め保護部材71の円筒部材72が患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入されて先込め状態で装着されるようにしている。そのため、この先込め状態の保護部材71によって挿入補助具4の本体を保護することができるので、挿入補助具4のカバー部材29の長さを短くすることができる。その結果、挿入補助具4の大きさを比較的小さく、コンパクトにすることができるので、取り扱い性や、大腸内視鏡2への装着性をよくすることができる。
また、挿入補助具4の本体は保護部材71の円筒部材72内に挿入する簡単な作業だけで患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入することができるので、挿入補助具4を患者Hの肛門H1から大腸(直腸)H2内に挿入する作業を容易に行なうことができる。
また、図14乃至図16は本発明の第6の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図7(A)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では、図15に示すように挿入補助具4を梱包する梱包材81を設けたものである。この梱包材81は、図14に示す台座ユニット82と、図15に示す梱包袋83とを有する。台座ユニット82は、平板状の台座84と、この台座84の上に立脚された一対(第1および第2)の支持脚部85,86とを有する。第1の支持脚部85にはほぼU字状の第1の係合溝85aが形成されている。同様に、第2の支持脚部86にはほぼU字状の第2の係合溝86aが形成されている。
また、本実施の形態の挿入補助具4にはベースユニット15の口金部材17の外周面に第1のリング状溝87、先端ユニット16の先端部材21の外周面に第2のリング状溝88がそれぞれ形成されている。口金部材17の第1のリング状溝87は台座84の第1の支持脚部85の第1の係合溝85a、先端部材21の第2のリング状溝88は第2の支持脚部86の第2の係合溝86aにそれぞれ係脱可能に係合されるようになっている。そして、台座84の上の挿入補助具4は、第1および第2の支持脚部85,86との係合によって前後間の長さが一定の設定長さ、形状に規制されている。これにより、挿入補助具4は、外被シース14が収縮され、カバー部材29が外被シース14を覆う状態で保持されるようになっている。
梱包袋83は、台座84の上に挿入補助具4を保持させた状態で、台座ユニット82と挿入補助具4との組み付けユニット全体を一緒に収納する滅菌袋によって形成されている。この梱包袋83の一端部には開封部89が形成されている。そして、挿入補助具4は開封部89側にベースユニット15の口金部材17を配置した状態で収納されている。
次に、上記構成の本実施の形態の作用について説明する。本実施の形態の内視鏡挿入装置1では梱包袋83に台座ユニット82と挿入補助具4との組み付けユニット全体が一緒に収納されたままの状態で挿入補助具4に大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分を組み付ける作業が行われる。この作業時には、図16に示すように梱包袋83の開封部89を開封する。このとき、開封された梱包袋83の開封部89から挿入補助具4の口金部材17が露出される。そのため、梱包袋83の中に挿入補助具4が収納されたままの状態で、挿入補助具4の口金部材17から大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分を挿入することができる。このとき、挿入補助具4は台座84の上に固定されているので、挿入補助具4は動かない。そのため、作業者が挿入補助具4に直接手を触れることなく、梱包袋83の袋ごしに挿入補助具4の口金部材17から大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分を挿入し、挿入補助具4に大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分を組み付ける作業を行うことができる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では挿入補助具4を梱包する梱包材81を設け、台座84の上に挿入補助具4を保持させた状態で、台座ユニット82と挿入補助具4との組み付けユニット全体を一緒に収納する滅菌袋によって梱包袋83を形成している。台座84の上の挿入補助具4は、第1および第2の支持脚部85,86との係合によって前後間の長さが一定の設定長さ、形状に規制されている。これにより、挿入補助具4は、外被シース14が収縮され、カバー部材29が外被シース14を覆う状態で保持されるので、輸送中に挿入補助具4の外被シース14が自然に伸びることを防止することができる。そのため、挿入補助具4の使用前の不具合を防止することができる。
さらに、作業者が挿入補助具4に直接手を触れることなく、梱包袋83の袋ごしに挿入補助具4に大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分を組み付ける作業を行うことができる。これにより、挿入補助具4の取り出し時や、装着時に外被シース14が伸び、装着できなくなるおそれがなく、挿入補助具4の取り扱い性を向上させることができる。そのため、挿入補助具4に大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分を組み付ける組立作業の作業性の向上を図ることができる。
また、図17は第6の実施の形態(図14乃至図16参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の梱包袋83の第1の変形例を示すものである。本変形例の梱包袋91は上面が開口された箱型の梱包袋本体92と、この梱包袋本体92の上面開口部を覆う封止フィルム93とを有する。
さらに、梱包袋本体92の一部には細幅部94が形成されている。この細幅部94は挿入補助具4の口金部材17と対応する位置に設けられている。また、梱包袋本体92の上面開口部の周縁部位には全周に亙り封止フィルム93の封止部95が形成されている。この封止部95の一部には封止力が弱い開封部96が設けられている。この開封部96は梱包袋本体92の細幅部94の部分に配置されている。なお、挿入補助具4の台座84の空スペースには例えば梱包袋本体92の中に収納されている挿入補助具4の製品名などを示すラベルなどの表示部97が設けられている。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本変形例では梱包袋本体92の細幅部94の開封部96から封止フィルム93を剥がすことにより、挿入補助具4の口金部材17を露出させることができる。そのため、梱包袋83の中に挿入補助具4が収納されたままの状態で、挿入補助具4の口金部材17から大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分を挿入することができる。このとき、挿入補助具4の台座84は幅広になっているので、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分を挿入する作業時の押さえが行いやすい。
さらに、本変形例では梱包袋本体92の中の挿入補助具4は口金部材17以外の部分が露出されないので、使用時までの保管が行いやすく、汚染などのリスクを軽減することができる。
また、図18は第6の実施の形態(図14乃至図16参照)の挿入補助具4の梱包袋83の第2の変形例を示すものである。本変形例の梱包袋101は第1の変形例(図17参照)の梱包袋91の梱包袋本体92の両端部に細幅部94が形成されている。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本変形例の梱包袋101では第1の変形例の梱包袋91と同様に梱包袋本体92の中の挿入補助具4に大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分を組み付け後、挿入補助具4の先端側を露出させて大腸内視鏡2の挿入部3の保持固定を行うことができる。そのため、大腸内視鏡2の挿入部3の保持固定を確実に行うことができる。
また、図19は第6の実施の形態(図14乃至図16参照)の挿入補助具4の梱包袋83の第3の変形例を示すものである。本変形例の梱包袋111は第6の実施の形態の台座ユニット82の上を封止フィルム93で覆うとともに、台座84の外周部位に封止フィルム93の周縁部位を溶着して固定した封止部112を設けたものである。そして、本変形例の梱包袋111ではリサイクルが容易となる効果がある。
なお、本変形例の梱包袋111では台座84と、その上の第1および第2の支持脚部85,86とは例えば厚紙で一体成形してもよい。さらに、封止フィルム93を透明フィルムで形成してもよい。この場合には梱包袋111の中を透明な封止フィルム93を介して直視できる効果がある。
また、図20(A),(B)は第6の実施の形態(図14乃至図16参照)の挿入補助具4の梱包袋83の第4の変形例を示すものである。本変形例の梱包袋121は図20(B)に示すように透明な樹脂材料で形成されたブリスターパック122の凹部123に挿入補助具4を収容するようになっている。さらに、ブリスターパック122の凹部123の周縁部位にはフランジ部124が形成されている。このフランジ部124にはブリスターパック122の凹部123の上面開口部を閉塞する封止シート125の周縁部位が貼り付けられている。
ブリスターパック122の凹部123の寸法は挿入補助具4とほぼ同じである。さらに、ブリスターパック122の凹部123の深さは挿入補助具4全体が収容できる程度がよい。また、封止シート125の一端部側にはブリスターパック122のフランジ部124から剥がしやすい剥がし開始部126が形成されている。この剥がし開始部126には挿入補助具4の口金部材17が露出する位置を指示する表示部127が設けられている。
そして、本変形例の梱包袋121ではブリスターパック122が透明なので、凹部123内に収容された挿入補助具4が目視できる。さらに、使用時には封止シート125の一端部側の剥がし開始部126を剥がすことにより、挿入補助具4の口金部材17のみを露出させることができる。そのため、汚染しにくい効果がある。
また、本変形例の梱包袋121ではブリスターパック122の凹部123に挿入補助具4全体を収容する構成なので、挿入補助具4の形状を保持することができるとともに、取出しが容易となる。
さらに、封止シート125の一端部側に挿入補助具4の口金部材17が露出する目安となる位置を指示する表示部127を設けたので、不必要に封止シート125を大きく剥がすことがない。そのため、汚染のリスクが少ない。
また、図21(A),(B)は第6の実施の形態(図14乃至図16参照)の挿入補助具4の梱包袋93の第5の変形例を示すものである。本変形例の梱包袋131は第4の変形例(図20(A),(B)参照)の梱包袋121を次の通り変更したものである。
すなわち、本変形例の梱包袋131では図21(A)に示すようにブリスターパック122の凹部123の一端部に薄肉部132が形成されている。そして、図21(B)に示すように第4の変形例の梱包袋121と同様に封止シート125の一端部側の剥がし開始部126を剥がすことにより、挿入補助具4の口金部材17のみを露出させた状態で、薄肉部132を挟み込んで押圧する。これにより、挿入補助具4の口金部材17がブリスターパック122の凹部123の上面開口部から外部側に露出する。そのため、挿入補助具4の口金部材17に大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分を挿入する作業が容易になる。
また、図22乃至図27(A),(B)は本発明の第7の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図7(A)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の構成を次の通り変更したものである。なお、図22乃至図27(A),(B)中で、図1乃至図7(A)と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図23に示すように本実施の形態の挿入補助具4の先端ユニット16の先端部材21は、内視鏡装着部141と、吸引用の先端開口部142と、送気・送水用のノズル143とを有する。図24に示すように先端開口部142には吸引チューブ145の先端部が連結されている。送気・送水用のノズル143には送気・送水チューブ144の先端部が連結されている。送気・送水用のノズル143は内視鏡装着部141のカバーガラス32に向けて流体を噴出する状態で固定されている。さらに、先端部材21の内視鏡取り付け穴31には周方向の一部にキー溝152が形成されている。このキー溝152は大腸内視鏡2の挿入部3の挿入方向に延設されている。
また、図25に示すように大腸内視鏡2の先端硬性部8にはキー溝152と係脱可能に係合するキー153が突設されている。さらに、先端硬性部8の外周面にはゴムリング154が装着されている。そして、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着する作業時には先端硬性部8のキー153と、先端部材21のキー溝152とを位置合わせして係合される。これにより、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入補助具4を装着した際に先端硬性部8のキー153と、先端部材21のキー溝152との係合によって先端部材21の内視鏡取り付け穴31内における先端硬性部8の周方向の位置決めが行なわれる。そのため、図23に示すように送気・送水用のノズル143からの噴出流体(洗滌水)を先端硬性部8の観察窓9に向けて正しく噴出させることができる。さらに、先端部材21の内視鏡取り付け穴31に先端硬性部8が挿入される際に、先端硬性部8のゴムリング154によって先端部材21の内視鏡取り付け穴31に先端硬性部8との間が締まり嵌めの状態となり、両者は容易には係合が外れないようになっている。
また、図26に示すように挿入補助具4の口金部材17には後端開口部を上下に仕切る平板状の支持部材146が配設されている。図26中で、この支持部材146の上側に第1の室内空間146a、下側に第2の室内空間146bがそれぞれ形成されている。そして、第1の室内空間146aには吸引チューブ145と、送気・送水チューブ144とが挿入されている。第2の室内空間146bには大腸内視鏡2の挿入部3が挿入されている。
さらに、第2の室内空間146b側の周壁部は内視鏡押え部147を有する。この内視鏡押え部147は図27(B)に示すように操作ボタン148を有する。この操作ボタン148の外端部は口金部材17の外側に突出されている。さらに、操作ボタン148の軸部148aは口金部材17の内部側に向けて突出されている。この軸部148aの内端部には押圧部材149が固定されている。この押圧部材149は図27(A)に示すように大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6と対応する円弧形状に成形されている。さらに、押圧部材149の内面にはゴム部材の滑り止め部材150が固定されている。
また、操作ボタン148の軸部148aにはコイルばねによって形成されるリターンスプリング151が装着されている。このリターンスプリング151によって操作ボタン148は口金部材17の外側に突出される方向に向けて付勢されている。そして、図27(B)中に矢印で示すように操作ボタン148をリターンスプリング151の付勢力に抗して押し込み操作することにより、押圧部材149と支持部材146との間に大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6が挟まれ、摩擦力が発生するようになっている。これにより、ベースユニット15に大腸内視鏡2の挿入部3を係脱可能に係合固定することができる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では操作ボタン148をリターンスプリング151の付勢力に抗して押し込み操作しながら、挿入補助具4のベースユニット15を手元側(大腸内視鏡2の挿入部3の挿入方向とは反対方向)に引っ張ることにより、大腸内視鏡2の挿入部3の後退操作を行なうことができる。このとき、挿入補助具4のベースユニット15と先端部材21との間の長さが一定に固定された状態で上記大腸内視鏡2の挿入部3の後退操作を行なうことができる。そのため、大腸内視鏡2の挿入部3の後退操作時に挿入補助具4の外被シース14の外シース18と、内シース19とが乱雑に畳まれたり、既に畳まれている部分がほどけることがない。
さらに、挿入補助具4の口金部材17は平板状の支持部材146によって第1の室内空間146aと、第2の室内空間146bとに仕切られている。そして、第1の室内空間146aには吸引チューブ145と、送気・送水チューブ144とが挿入され、第2の室内空間146bには大腸内視鏡2の挿入部3が挿入されているので、挿入補助具4内の吸引チューブ145や、送気・送水チューブ144などが支持部材146によって保護されている。これにより、大腸内視鏡2の挿入部3の後退操作時に挿入補助具4内の吸引チューブ145や、送気・送水チューブ144などが破損しない。
本実施の形態の内視鏡押え部147は、操作ボタン148を押し込み操作する力が直接、大腸内視鏡2の挿入部3の押圧力、すなわち押圧部材149と支持部材146との間に大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6を挟んで係止する際の係止力として伝わる構成になっている。そのため、コンパクトな機構で大きな摩擦力を発生させることができる。
さらに、押圧部材149の内面にゴム部材の滑り止め部材150を固定したので、一層、大きな摩擦力を発生させることができ、大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6を挟んで係止する確実な操作を行なうことができる。ここで、押圧部材149は図27(A)に示すように大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6と対応する円弧形状に成形されているので、さらに大きな摩擦力を発生させることができる。
また、図28および図29は第7の実施の形態(図22乃至図27(A),(B)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の内視鏡押え部147の第1の変形例を示す。本変形例の内視鏡押え部161では、操作ボタン148の軸部148aのリターンスプリング151は押圧部材149を口金部材17の内側に押圧する方向に向けて付勢力が作用する状態に設けられている。なお、図28は操作ボタン148の押し込み状態、図29は操作ボタン148の押し込み解除状態を示す。
また、操作ボタン148の頭部には内視鏡押え部161による大腸内視鏡2の挿入部3のロックを解除する操作レバー162の一端部が回動可能に連結されている。図29に示すようにこの操作レバー162を口金部材17の突起状の受け部(支点)163側に倒すことにより、押圧部材149が大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6から離れる。これにより、大腸内視鏡2の挿入部3の進退操作が可能となる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本変形例の内視鏡押え部161では操作レバー162を口金部材17の突起状の受け部163側に倒すことにより、押圧部材149が大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6から離れる機構にしている。そのため、口金部材17を手で把持した際に、操作ボタン148が押し込み操作されて内視鏡押え部161が動作してしまうことを防止することができる。
また、図30(A)は第7の実施の形態(図22乃至図27(A),(B)参照)の挿入補助具4の内視鏡押え部147の第2の変形例を示す。本変形例の内視鏡押え部171は、口金部材17の支持部材146を大腸内視鏡2の挿入部3の外形に沿わせて湾曲させ、その湾曲形状の支持部材146の内周面にゴム部材の滑り止め172を設けたものである。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本変形例の内視鏡押え部171では湾曲形状の支持部材146と大腸内視鏡2の挿入部3との接触面積が大きいので、大きな摩擦力が得られる。
また、図30(B)は第7の実施の形態(図22乃至図27(A),(B)参照)の挿入補助具4の内視鏡押え部147の第3の変形例を示す。本変形例の内視鏡押え部181は、口金部材17の支持部材146を適度に変形可能な硬さの材料で形成したものである。ここで、支持部材146の適度に変形可能な硬さは、操作ボタン148が押し込み操作され、押圧部材149が大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6を押圧した際に、第1の室内空間146a内の吸引チューブ145や、送気・送水チューブ144を損傷させない程度に変形する硬さである。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本変形例の内視鏡押え部181では操作ボタン148が押し込み操作された際に、支持部材146が大腸内視鏡2の挿入部3の外形形状に合わせて適度に変形する。そのため、支持部材146の湾曲形状の変形部182と大腸内視鏡2の挿入部3との接触面積が大きいので、大きな摩擦力が得られる。
また、図31(A),(B)は本発明の第8の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第7の実施の形態(図22乃至図27(A),(B)参照)の挿入補助具4の内視鏡押え部147の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態の内視鏡押え部191は、第7の実施の形態の操作ボタン148の押圧部材149に代えて図31(A)に示すように膨張可能なバルーン192を設けたものである。このバルーン192は、送気チューブ193の一端部が接続されている。この送気チューブ193の他端部は図示しないコンプレッサなどの送気源に接続されている。そして、バルーン192にエアなどが供給された場合には図31(B)に示すようにバルーン192が膨張する。このとき、バルーン192と支持部材146との間に大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6を挟んで係止する。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡押え部191では第7の実施の形態の操作ボタン148の押圧部材149に代えてバルーン192を設けたので、構成がコンパクトで軽量である。そのため、挿入補助具4全体を小型、軽量化することができ、内視鏡検査時の疲労低減を図ることができる。
また、図32は本発明の第9の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第7の実施の形態(図22乃至図27(A),(B)参照)の挿入補助具4の内視鏡押え部147の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態の内視鏡押え部201は、第8の実施の形態(図31(A),(B)参照)のバルーン192に代えてドーナツ型のバルーン202を設けたものである。このバルーン202には送気チューブ203の一端部が接続されている。この送気チューブ203の他端部は図示しないコンプレッサなどの送気源に接続されている。そして、バルーン202にエアなどが供給された場合には図32中に点線で示すようにバルーン202が膨張する。このとき、バルーン202の全周から大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6を圧迫して係止する。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態の内視鏡押え部201ではドーナツ型のバルーン202を設けたので、バルーン202の全周から大腸内視鏡2の挿入部3の可撓管部6を圧迫して係止することができる。そのため、大きな摩擦力が得られる。
また、図33は本発明の第10の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第7の実施の形態(図22乃至図27(A),(B)参照)の挿入補助具4の内視鏡押え部147の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では、第7の実施の形態の第1の変形例(図28および図29参照)の内視鏡押え部161における操作レバー162の受け部(支点)163の位置に例えば、挿入補助具4の外被シース14に流体を供給するコンプレッサの駆動スイッチ(またはコンプレッサからのエアを制御する弁のスイッチ)211が設けられている。
そして、本実施の形態では内視鏡押え部161の操作レバー162を受け部163側に倒すと操作ボタン148の押圧部材149のロックが外れると同時に、駆動スイッチ211がオン操作され、外被シース14に流体が供給される。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では内視鏡押え部161の操作レバー162を受け部163側に倒す1つの操作によって操作ボタン148の押圧部材149のロックを外す操作と同時に、外被シース14に流体を供給する操作の2つの操作を行なうことができる。
また、図34は本発明の第11の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第7の実施の形態(図22乃至図27(A),(B)参照)の内視鏡挿入装置1の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では大腸内視鏡2の挿入部3の横断面形状を楕円形状にしている。さらに、支持部材146の第2の室内空間146bの横断面形状は、大腸内視鏡2の挿入部3の楕円形状と対応する楕円形状に形成されている。これにより、第2の室内空間146bの内部に大腸内視鏡2の挿入部3が挿入された状態で、大腸内視鏡2の挿入部3または挿入補助具4の口金部材17を軸回り方向に捩じった際に、大腸内視鏡2の挿入部3と、挿入補助具4の両者が自由に回転しないようにすることができる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では大腸内視鏡2の挿入部3または挿入補助具4の口金部材17を軸回り方向に捩じった際に、回転に対する追従性がよく、処置が良好に行なえる。
また、図35(A)〜(E)は本発明の第12の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図7(A)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の要部の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では図35(A)に示すように挿入補助具4の口金部材17の後端面にフランジ部211を設けている。図35(B)に示すようにこのフランジ部211は、口金部材17に一体成形されている。そして、図35(C)に示すように挿入補助具4を肛門内に挿入した際に、口金部材17のフランジ部211を粘着テープ212などによって患者のお尻などの体壁に固定するようにしている。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では挿入補助具4を肛門内に挿入した際に、口金部材17のフランジ部211を粘着テープ212などによって患者のお尻などの体壁に固定することができる。そのため、例えば図35(D)に示すように挿入補助具4の先端が大腸H2内の屈曲部に突き当たった状態で、伸長する力が前ではなく後ろに掛かる場合に、挿入補助具4が肛門から出てくることを防止することができる。逆に、患者が動いた場合などで、肛門内に挿入補助具4が引き込まれる場合に、挿入補助具4の動きを抑えることができる。その結果、挿入補助具4の操作中に術者や、介助者が口金部材17を保持する必要が無く、省力化が可能となる。
また、図36(A),(B)は第12の実施の形態(図35(A)〜(E)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4のフランジ部211の変形例を示すものである。本変形例では図36(A)に示すように挿入補助具4の口金部材17の後端部外周面にフランジ取り付け溝221を設けている。このフランジ取り付け溝221には口金部材17とは別体のフランジ構成部材222を着脱可能に取付けている。図36(B)に示すようにこのフランジ構成部材222は弾性部材で形成され、軸心部には円形の嵌合穴222aが形成されている。そして、フランジ構成部材222を弾性変形させて嵌合穴222aを口金部材17のフランジ取り付け溝221に嵌着させることができる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本変形例では口金部材17のフランジ取り付け溝221にフランジ構成部材222を着脱可能に取付けているので、不要時には口金部材17のフランジ取り付け溝221からフランジ構成部材222を簡単に取外すことができる。そのため、輸送時や、廃棄時などに口金部材17のフランジ構成部材222が邪魔にならない。
また、図37は本発明の第13の実施の形態の挿入補助具4を示す。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図7(A)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の要部の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では挿入補助具4の口金部材17の送気口金27を側方に長く延出している。そして、挿入補助具4を肛門内に挿入した際に、送気口金27を粘着テープ231によって患者のお尻などの体壁に固定するようにしている。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では送気口金27を第12の実施の形態(図35(A)〜(E)参照)の挿入補助具4のフランジ部211の代りに使用することができる。そのため、部品数が増えることが無く、効率的である。
図38(A),(B)は本発明の第14の実施の形態の挿入補助具4を示す。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図7(A)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の要部の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では挿入補助具4の口金部材17の外周面にベルト巻き付け溝241を設けている。そして、挿入補助具4を肛門内に挿入した際に、図38(A)に示すように口金部材17のベルト巻き付け溝241と患者Hの足との間に固定ベルト242を巻きつけることによって挿入補助具4を患者Hに固定するようにしている。固定ベルト242は例えば、バックルタイプのもの、マジックテープ(登録商標)、ゴムバンドなどを使用できる。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では口金部材17のベルト巻き付け溝241と患者Hの足との間に固定ベルト242を巻きつけているので、挿入補助具4の固定が確実になる。
また、図39乃至図41(A)〜(C)は本発明の第15の実施の形態を示す。本実施の形態は第1の実施の形態(図1乃至図7(A)参照)の内視鏡挿入装置1の挿入補助具4の要部の構成を次の通り変更したものである。
本実施の形態の挿入補助具4は、図39に示すように先端部材21に内視鏡取り付け穴31と、鉗子チャンネル251とを有する。さらに、図40に示すように大腸内視鏡2の挿入部3にはベースユニット15の口金部材17と位置合わせするための位置決め指標252が設けられている。
次に、上記構成の作用について説明する。本実施の形態では、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付ける作業時には大腸内視鏡2の挿入部3の位置決め指標252をベースユニット15の口金部材17と位置合わせする。これにより、挿入補助具4に対して大腸内視鏡2の挿入部3を軸回り方向の回転位置を正しく位置決めした状態で、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けることができる。そのため、大腸内視鏡2の観察画像に対する鉗子チャンネル251の位置を一定の関係に設定することができる。その結果、大腸内視鏡2の観察画像上に表示される処置具が出てくる方向を一定に固定することができる。
なお、図41(A)〜(C)は大腸内視鏡2の観察像上の処置具255の表示状態を示すものである。例えば、図41(A)は処置具255が画面254の下から出ている状態、図41(B)は処置具255が画面254の上から出ている状態、図41(C)は処置具255が画面254の左側から出ている状態をそれぞれ示す。
そこで、上記構成のものにあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施の形態では大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付ける作業時に大腸内視鏡2の挿入部3の位置決め指標252をベースユニット15の口金部材17と位置合わせする。これにより、挿入補助具4に対して大腸内視鏡2の挿入部3を軸回り方向の回転位置を正しく位置決めした状態で、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けることができる。その結果、大腸内視鏡2の観察像上の処置具255の表示状態を使用者が作業しやすい状態、例えば、図41(A)〜(C)のいずれかに設定することができる。このとき、大腸内視鏡2の観察像上のどの方向に鉗子チャンネル251が配置されているか確実に認識することができるので、鉗子チャンネル251を通して吸引する作業を行ないやすくすることができる。
また、図42は本発明の第16の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第15の実施の形態(図39乃至図41(A)〜(C)参照)の内視鏡挿入装置1の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では、挿入補助具4の口金部材17に位置決め指標256が設けられている。そして、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付ける作業時には大腸内視鏡2の挿入部3の挿入長さ指標257を口金部材17の位置決め指標256と位置合わせする。
そこで、上記構成のものにあっても第15の実施の形態と同様に挿入補助具4に対して大腸内視鏡2の挿入部3を軸回り方向の回転位置を正しく位置決めした状態で、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けることができる。その結果、大腸内視鏡2の観察像上の処置具255の表示状態を使用者が作業しやすい状態、例えば、図41(A)〜(C)のいずれかに設定することができる。
また、図43は本発明の第17の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第15の実施の形態(図39乃至図41(A)〜(C)参照)の内視鏡挿入装置1の構成を次の通り変更したものである。
すなわち、本実施の形態では、挿入補助具4の口金部材17に位置決め指標258が設けられている。さらに、大腸内視鏡2の挿入部3にも同様に位置決め指標259が設けられている。そして、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付ける作業時には大腸内視鏡2の挿入部3の位置決め指標259を口金部材17の位置決め指標258と位置合わせする。
そこで、上記構成のものにあっても第15の実施の形態と同様に挿入補助具4に対して大腸内視鏡2の挿入部3を軸回り方向の回転位置を正しく位置決めした状態で、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けることができる。その結果、大腸内視鏡2の観察像上の処置具255の表示状態を使用者が作業しやすい状態、例えば、図41(A)〜(C)のいずれかに設定することができる。
また、図44は本発明の第18の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第17の実施の形態(図43参照)の内視鏡挿入装置1の構成を次の通り変更したものである。すなわち、本実施の形態では、挿入補助具4の口金部材17から先端部材21まで直線状に延出された位置決め指標260が設けられている。そして、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付ける作業時には大腸内視鏡2の挿入部3の位置決め指標259を挿入補助具4の位置決め指標260と位置合わせする。
ここで、挿入補助具4の口金部材17と先端部材21との間に捩れが発生した場合には挿入補助具4の口金部材17の位置で位置決め指標260と、大腸内視鏡2の挿入部3の位置決め指標259とで位置合わせしても大腸内視鏡2の観察像上の鉗子チャンネル251の位置がずれてしまう。そこで、上記構成のものにあっては挿入補助具4の先端部材21の位置で大腸内視鏡2の挿入部3の位置決め指標259との位置関係を確認することができるので、挿入補助具4に対して大腸内視鏡2の挿入部3を軸回り方向の回転位置を正しく位置決めした状態で、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付けることができる。その結果、大腸内視鏡2の観察像上の処置具255の表示状態を使用者が作業しやすい状態、例えば、図41(A)〜(C)のいずれかに設定することができる。
また、図45および図46(A),(B)は本発明の第19の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第17の実施の形態(図43参照)の内視鏡挿入装置1の構成を次の通り変更したものである。すなわち、本実施の形態では、大腸内視鏡2の挿入部3に挿入部3の有効長全体に亙り直線状に延出された位置決め指標263が設けられている。そして、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付ける作業時には大腸内視鏡2の挿入部3の位置決め指標263を挿入補助具4の位置決め指標258と位置合わせする。
ここで、挿入補助具4の外被シース14を伸長させている作業中に図46(A),(B)に示すように挿入補助具4の口金部材17と先端部材21との間に捩れが発生した場合には捩れた部分で外被シース14が潰れ、外被シース14を伸長させるエアーを送気しにくくなる。そこで、上記構成のものにあっては大腸内視鏡2の挿入部3の位置決め指標263と、挿入補助具4の位置決め指標258とを位置合わせしながら外被シース14を伸長させることで、外被シース14を伸長させている作業中の外被シース14の捩れによる伸長不良が防止される。
また、図47は本発明の第20の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第18の実施の形態(図44参照)の内視鏡挿入装置1の構成を次の通り変更したものである。すなわち、本実施の形態では、挿入補助具4の口金部材17から先端部材21まで直線状に延出された位置決め指標260が設けられている。また、大腸内視鏡2の挿入部3には短縮状態の挿入補助具4によって覆われる長さよりも長い長さの直線状の位置決め指標272が設けられている。
そして、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付ける作業時には挿入補助具4の位置決め指標260で外被シース14に捩れが無い状態を確認する。さらに、大腸内視鏡2の挿入部3の位置決め指標272の先端で挿入補助具4の位置決め指標260と位置合わせし、合わせた位置をずらさないように挿入して装着する。
そこで、上記構成のものにあっては大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付ける作業時には外被シース14に捩れが無い状態で装着できる。さらに、組み付ける作業中も外被シース14を捩らないで作業を行なうことができる。
また、図48は本発明の第21の実施の形態を示すものである。本実施の形態は第17の実施の形態(図43参照)の内視鏡挿入装置1の構成を次の通り変更したものである。すなわち、本実施の形態では、大腸内視鏡2の挿入部3には短縮状態の挿入補助具4によって覆われる長さよりも長い長さの直線状の位置決め指標272が設けられている。
そして、大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付ける作業時には大腸内視鏡2の挿入部3の位置決め指標272の先端で挿入補助具4の位置決め指標258と位置合わせし、合わせた位置をずらさないように挿入して装着する。
そこで、上記構成のものにあっては大腸内視鏡2の挿入部3の先端部分に挿入補助具4を組み付ける作業時には外被シース14を捩らないで作業を行なうことができる。
さらに、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
記
(付記項1) 補助具全体が硬質の筒状部材となるように伸長部と基端部を連設可能に形成した挿入補助具。
(付記項2) 伸長部と基端部を連設状態で保持する保持部材を設けた付記項1の挿入補助具。
(付記項3) 保持部材は梱包材である付記項2の挿入補助具。
(付記項4) 基端部の硬性部は、肛門部よりも長い付記項1の挿入補助具。
(付記項5) 肛門部に先込めする保護部材と、補助具全体が硬質の筒状部材となるように伸長部と基端部を連設可能に形成した挿入補助具とからなるシステム。
(付記項6) 細長の挿入部を有する内視鏡本体と、上記挿入部と互いの先端部で係合し挿入部を外被する袋状の外被シースとからなり、上記外被シースの袋内に流体を供給・伸張することで、内視鏡を管腔内に導く内視鏡システムにおいて、上記外被シースの基端部に設けられ、挿入部の進退を任意に規制可能な進退規制部材を有したことを特徴とする内視鏡システム。
(付記項7) 付記項6において、進退規制部材は外被シースの基端部に設けられ、挿入部を押圧する押圧部材と、挿入部を挟んで押圧部材と対向する位置に設けられた支持部材とかならる内視鏡システム。
(付記項8) 付記項7において、少なくとも押圧部材、支持部材の何れかに摩擦抵抗の大きい滑り止めを設けた内視鏡システム。
(付記項9) 付記項7において、押圧部材は操作装置を挿入部側に押し込んだ際に、挿入部の進退が規制される内視鏡システム。
(付記項10) 付記項7において、押圧部材は、操作装置を挿入剖側に押し込んだ際に、挿入部の進退規制が解除される内視鏡システム。
(付記項11) 付記項6において進退規制部材は空気圧で膨らむバルーンと、挿入部を挟んで押圧部材と対向する位置に設けられた支持部材とからなる内視鏡システム。
(付記項12) 付記項6において、進退制御部材は、内部に挿入部を挿通する円筒状のバルーンで形成されている内視鏡システム。
(付記項13) 付記項7において、押圧部材は、挿入部外形に沿って湾曲している内視鏡システム。
(付記項14) 付記項7において、支持部材は、挿入部外形に沿って湾曲している内視鏡システム。
(付記項15) 付記項7において、支持部材は押圧時に挿入部外形に沿って変形する柔軟性を有している内視鏡システム。
(付記項16) 付記項6において、進退規制部材を操作すると、連動して外被シース内に流体が供給される内視鏡システム。
(付記項17) 細長の挿入部を有する内視鏡本体と、上記挿入部と互いの先端部で係合し挿入部を外被する袋状の外被シースとからなり、上記外被シースの袋内に流体を供給・伸張することで、内視鏡を管腔内に導く内視鏡システムにおいて、上記係合部に、外被シースと挿入部がその軸に対し回転することを規制する回転防止部材を設けた内視鏡システム。
(付記項18) 付記項17において、外被シースの基端部側に、挿入部と外被シースがその軸に対して回転することを規制する第2の回転防止部材を設けた内視鏡システム。
(付記項19) 付記項18において、第2の回転防止部材は外被シースと一体に設けられ、シース長手方向に延出する楕円孔で構成され、前記楕円孔内部に、断面が楕円形状の挿入部を挿通することで、回転規制を行なうことを特徴とする内視鏡システム。
(付記項20) 肛門外に露出した部分を体壁に固定する手段を設けた挿入補助具。
(付記項21) 固定手段は、被固定部と固定部材とから構成される付記項20の挿入補助具。
(付記項22) 内視鏡挿入補助具または内視鏡の少なくともいずれか一方に回転方向の位置決め指標を設けた内視鏡挿入補助具。
(付記項1〜5の従来技術) 自身が伸長する補助具は伸長する部分が折り畳まれていることもあり、柔軟性が必要である。また、伸長しやすい必要がある。
(付記項1〜5が解決しようとする課題) スコープを取付けたり、補助具を取り扱いしているときに自然に伸びてしまう。伸長部を肛門に挿入する際に折れ曲がって入っていかない。破損する。肛門に締め付けられて伸長部が機能しない。
(付記項6〜16の従来技術) W02/19886に示す例のように、挿入部の外部に折りたたんだ袋状の外被シースを装着し、そのシースの袋内に気体を注入することでシースを伸長させ、内視鏡を大腸内に誘導する内視鏡が示されている。
(付記項6〜16が解決しようとする課題) ところが、上記先行例では、例えば挿入の際、観察窓が粘膜に近接しすぎて、次の管腔が見つからないなど、内視鏡を後退させる必要が生じた際に、その操作が困難であるという問題があった。すなわち、内視鏡を後退させる際に本体の挿入部を把持して行なうと、引き抜きに伴なって外被シースが乱雑に折りたたまれ、そのため、再度挿入する際にスムーズな挿入の障害になるだけでなく、場合によっては狭い管腔に引っかかった場合、抜去不能になる虞などもあった。一方、外被シースの基端部を持って抜去しようとすると、まだ折りたたまれた状態のシース部分が、ばらばらと解けるだけで十分な抜去ができないという課題があった。
(付記項17〜19の従来技術) W02/19886に示す例のように、挿入部の外部に折りたたんだ袋状の外被シースを装着し、そのシースの袋内に気体を注入することでシースを伸長させ、内視鏡を大腸内に誘導する内視鏡が示されている。
(付記項17〜19が解決しようとする課題) ところが上記先行例で開示されている構成では、例えば、挿入部に捻り操作を加えると、外被シースに対し内部の挿入部が回転してしまいやすい。消化管検査用の内視鏡には、汚物・血液などが観察窓に付着した際、それを洗浄する洗滌ノズルが設けられることが一般的であるが、このように捻れが生じてしまうと、洗滌ノズルから噴出される水が正しく観察窓方向に噴出されず、十分な洗滌ができなくなる。また捻り操作が先端部に上手く伝わらないと、生検などの処置を行なう際、処置具を狙った位置に突出させるのが難しく、操作性を著しく下げる原因となっていた。
(付記項20、21が解決しようとする課題) 先端が突き当たると伸長する力が前ではなく後ろに掛かる場合があり、挿入補助具が肛門から出てくることがあった。逆に、患者が動いた場合などで、肛門内に引き込まれるおそれがあった。
(付記項22が解決しようとする課題) 流体圧で伸長し、内視鏡を体腔内に引き込む内視鏡挿入補助具では、内視鏡取り付け時の回転方向の位置合わせをしづらく、挿入補助具側に設けられた機能(チャンネル、照明)の内視鏡画像上での位置を一定にできないため使い勝手が悪かった。