(第1の実施例)
図1は実施の形態における撮像装置であるところの電子カメラの構成を示すブロック図である。図において、100は画像処理装置である。12は撮像素子14の露光量を制御するシャッターである。14は光学像を電気信号に変換する撮像素子であり、本実施例上は撮像素子14としてCMOS型エリアセンサを使用している。
レンズユニット300内の撮影レンズ310に入射した光線は、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130およびシャッター12を通じて一眼レフ方式により導かれた撮像素子14上に光学像として結像する。
16は撮像素子14から出力されるアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器である。18は撮像素子14、A/D変換器16およびD/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22およびシステム制御回路50によって制御される。
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータあるいはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。画像処理回路20は必要に応じて撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づき、システム制御回路50が露光(シャッター)制御部40および測距制御部42を制御するためのTTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理およびEF(フラッシュ調光)処理を行う。また、画像処理回路20は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
尚、本実施形態では、測距制御部42および測光制御部46を専用に備えているので、システム制御回路50は、測距制御部42および測光制御部46を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行い、画像処理回路20を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行わない構成としてもよい。
また、測距制御部42および測光制御部46を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行い、さらに、画像処理回路20を用いてAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュ調光)処理の各処理を行う構成としてもよい。
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30および圧縮・伸長回路32を制御する。
A/D変換器16からのデータは、画像処理回路20およびメモリ制御回路22を介して、あるいは直接、メモリ制御回路22を介して画像表示メモリ24あるいはメモリ30に書き込まれる。
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器である。28はTFT方式のLCDからなる画像表示部である。画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28に表示される。撮像された画像データを画像表示部28で逐次表示する場合、電子ファインダ機能を実現することが可能である。また、画像表示部28はシステム制御回路50の指示にしたがって表示のON/OFFを任意に行うことが可能であり、表示をOFFにした場合、画像処理装置100の電力消費を大幅に低減することができる。
30は撮影された静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を有している。したがって、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能である。また、メモリ30はシステム制御回路50の作業領域としても使用することが可能である。
32は適応離散コサイン変換(ADCT)などにより画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長回路であり、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理あるいは伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む。
40は測光制御部46からの測光情報に基づいて絞り312を制御する絞り制御部340と連携しながらシャッター12を制御するシャッター制御部である。
42はAF(オートフォーカス)処理を行うための測距手段であるところの測距制御部であり、レンズユニット300内の撮影レンズ310に入射した光線を絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130および測距用サブミラー(図示せず)を介して一眼レフ方式で入射することにより、光学像として結像された画像の合焦状態を測定する。
44は温度計であり、撮影環境における周囲温度を検出する。
46はAE(自動露出)処理を行うための測光手段であるところの測光制御部であり、レンズユニット300内の撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130および測光用サブミラー(図示せず)を介して一眼レフ方式で入射することにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定する。
該測光制御部46はフラッシュ部48と連携することにより、EF(フラッシュ調光)処理機能も有する。
また、本実施例における測光制御部46は、複数の測光エリアを備える周知の分割測光方式であり、撮影シーン内の複数ポイント(例えば35ポイント)を測光し、その結果に応じて露出を決定するものとする。
48はフラッシュ部であり、AF補助光の投光機能およびフラッシュ調光機能を有する。
尚、前述したように、撮像素子14によって撮像された画像データを用いて画像処理回路20により演算された演算結果に基づき、システム制御回路50が露光(シャッター)制御部40、絞り制御部340、測距制御部342に対し、ビデオTTL方式を用いた露出制御およびAF(オートフォーカス)制御を行うことが可能である。
また、測距制御部42による測定結果と、撮像素子14によって撮像された画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを用いて、AF(オートフォーカス)制御を行うようにしてもよい。さらに、測光制御部46による測定結果と、撮像素子14によって撮像された画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを用いて露出制御を行うようにしてもよい。
50は画像処理装置100全体を制御するシステム制御回路であり、周知のCPUなどを内蔵する。52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラムなどを記憶するメモリである。54はシステム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声などで動作状態やメッセージなどを表示する液晶表示装置、スピーカなどを有する表示部であり、画像処理装置100の操作部近辺の視認し易い単数あるいは複数箇所に設置されている。表示部54は、LCD、LED、発音素子などの組み合わせにより構成されている。また、表示部54の一部の機能は光学ファインダ104内に設けられている。
表示部54の表示内容のうち、LCDなどに表示するものとしては、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマ表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200、210の着脱状態表示、レンズユニット300の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示などがある。
また、表示部54の表示内容のうち、光学ファインダ104内に表示するものとしては、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示などがある。
さらに、表示部54の表示内容のうち、LED等に表示するものとしては、例えば、合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、記録媒体書き込み動作表示、マクロ撮影設定通知表示、二次電池充電表示などがある。
また、表示部54の表示内容のうち、ランプ等に表示するものとしては、例えば、セルフタイマ通知ランプ等がある。このセルフタイマ通知ランプはAF補助光と共用してもよい。
56は後述するプログラムなどが格納された電気的に消去・記録可能な記憶手段であるところの不揮発性メモリであり、不揮発性メモリとしてEEPROMなどが用いられる。この不揮発性メモリ56には、各種パラメータやISO感度などの設定値、設定モード、およびシェーディング補正を行う際に用いる1次元補正データ等が格納される。この1次元補正データは、生産工程において、調整時に作成されて書き込まれる。この1次元補正データの作成方法としては、例えばダーク撮影を行って得られた画像を射影演算することにより、水平1ライン分のデータとする方法等が考えられる。
尚、補正データとしては、生産工程において撮像されたダーク画像をそのまま2次元データとして記憶したものでもよい。
60、62、64、66、68および70はシステム制御回路50の各種動作指示を入力するための操作部であり、スイッチ、ダイヤル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置などの単数あるいは複数の組み合わせで構成される。これら操作部の詳細を以下に示す。
60はモードダイアルスイッチであり、自動撮影モード、プログラム撮影モード、シャッター速度優先撮影モード、絞り優先撮影モード、マニュアル撮影モード、焦点深度優先(デプス)撮影モード、ポートレート撮影モード、風景撮影モード、接写撮影モード、スポーツ撮影モード、夜景撮影モード、パノラマ撮影モードなどの各機能撮影モードを切り替えて設定可能である。
62はシャッタースイッチ(SW1)であり、シャッターボタン(図示せず)の操作途中でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュ調光)処理などの動作開始を指示する。
64はシャッタースイッチ(SW2)であり、シャッターボタン(図示せず)の操作完了でONとなる。このシャッタースイッチ(SW2)64は、撮像素子12から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介してメモリ30に画像データを書き込む露光処理、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体200、201に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。
66は再生スイッチであり、撮影モード状態で撮影した画像をメモリ30あるいは記録媒体200、210から読み出して画像表示部28に表示する再生動作の開始を指示する。
68は単写/連写スイッチであり、シャッタースイッチSW2を押した場合、1コマの撮影を行って待機状態とする単写モードと、シャッタースイッチSW2を押している間、連続して撮影を行い続ける連写モードとを設定可能である。本実施例では、該連写モードも高速連写モード(例えば3駒/秒 等)および低速連写モード(例えば1駒/秒 等)の2種類あるものとし、該単写モード・低速連写モード・高速連写モードは該単写/連写スイッチ68を一回押す毎に循環的にモードを切り替えていくものとする。
69はISO感度設定スイッチであり、撮像素子14あるいは画像処理回路20におけるゲインの設定を変更することによりISO感度を設定できる。
70は各種ボタンやタッチパネルなどからなる操作部であり、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマ切替ボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン、パノラマモード等の撮影および再生を実行する際に各種機能の選択および切り替えを設定する選択/切り替えボタン、パノラマモード等の撮影および再生を実行する際に各種機能の決定および実行を設定する決定/実行ボタン、画像表示部28のON/OFFを設定する画像表示ON/OFFスイッチ、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するクイックレビューON/OFFスイッチ、JPEG圧縮の圧縮率を選択するため、あるいは撮像素子の信号をそのままディジタル化して記録媒体に記録するCCDRAWモードを選択するためのスイッチである圧縮モードスイッチ、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを設定可能な再生スイッチ、シャッタースイッチSW1を押した際にオートフォーカス動作を開始し、一旦合焦した場合、その合焦状態を保ち続けるワンショットAFモードとシャッタースイッチSW1を押している間、連続してオートフォーカス動作を続けるサーボAFモードとを設定可能なAFモード設定スイッチなどがある。
また、上記プラスボタンおよびマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
72は電源スイッチであり、画像処理装置100の電源オン、電源オフの各モードを切り替え設定可能である。また、画像処理装置100に接続されたレンズユニット300、外部ストロボ、記録媒体200、210等の各種付属装置の電源オン、電源オフの設定も合わせて切り替え設定可能である。
80は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路などから構成されており、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、その検出結果およびシステム制御回路50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部に供給する。
82および84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池などの一次電池、NiCd電池、NiMH電池、Li電池などの二次電池、ACアダプタなどからなる電源部である。
90および94はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインターフェース、92および96はメモリカードやハードディスクなどの記録媒体との接続を行うコネクタ、98はコネクタ92、96に記録媒体200、210が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知部である。
尚、本実施形態では、記録媒体を取り付けるインターフェースおよびコネクタが2系統装備されているが、記録媒体を取り付けるインターフェースおよびコネクタは単数あるいは任意の数の系統数装備されていてもよい。また、異なる規格のインターフェースおよびコネクタとして、PCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カードなどの規格に準拠したものを用いてもよい。
さらに、インターフェース90、94、コネクタ92、96をPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カードなどの規格に準拠したものを用いて構成した場合、LANカード、モデムカード、USBカード、IEEE1394カード、P1284カード、SCSIカード、PHSなどの通信カードなどの各種通信カードを接続することより、他のコンピュータやプリンタなどの周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を相互に転送することが可能である。
104は光学ファインダであり、撮影レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、132を介して導き、光学像として結像させて表示することが可能である。これにより、画像表示部28による電子ファインダ機能を使用することなく、光学ファインダ104だけを用いて撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダ104内には、表示部54の一部の機能、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などが設けられている。
110は通信部であり、RS232C、USB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信などの各種通信機能を有する。112は通信部110により画像処理装置100を他の機器と接続するコネクタ、もしくは無線通信を行う場合のアンテナである。
120はレンズマウント106内で画像処理装置100をレンズユニット300と接続するためのインターフェースである。122は画像処理装置100をレンズユニット300と電気的に接続するコネクタである。また、レンズマウント106および/またはコネクタ122にレンズユニット300が装着されているか否かは、不図示のレンズ着脱検知部により検知される。
コネクタ122は画像処理装置100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号などを伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給する機能も備えている。また、コネクタ122は電気通信だけでなく、光通信、音声通信などを伝達する構成としてもよい。
130、132はミラーであり、撮影レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって光学ファインダ104に導く。ミラー132はクイックリターンミラーの構成にしてもハーフミラーの構成にしてもどちらでもよい。
200はメモリカードやハードディスクなどの記録媒体である。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスクなどから構成される記録部202、画像処理装置100とのインターフェース204、および画像処理装置100との接続を行うコネクタ206を有している。210は、記録媒体200と同様、メモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体210は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部212、画像処理装置100とのインターフェース214、および画像処理装置100との接続を行うコネクタ216を有している。
300は交換レンズタイプのレンズユニットである。306はレンズユニット300を画像処理装置100と機械的に結合するレンズマウントである。レンズマウント306内には、レンズユニット300を画像処理装置100と電気的に接続する各種機能が含まれている。
310は撮影レンズ、312は絞りである。320はレンズマウント306内でレンズユニット300を画像処理装置100と接続するためのインターフェースである。322はレンズユニット300を画像処理装置100と電気的に接続するコネクタである。
コネクタ322は画像処理装置100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号などを伝え合うと共に、各種電流が供給され、あるいは電流を供給する機能を備えている。また、コネクタ322は電気信号だけでなく、光信号、音声信号などを伝達する構成としてもよい。
340は測光制御部46からの測光情報に基づいて、シャッター12を制御するシャッター制御部40と連携しながら、絞り312を制御する絞り制御部である。342は撮影レンズ310のフォーカシングを制御する測距制御部である。344は撮影レンズ310のズーミングを制御するズーム制御部である。350はレンズユニット300全体を制御するレンズシステム制御回路である。レンズシステム制御回路350は、動作用の定数、変数、プログラムなどを記憶するメモリやレンズユニット300固有の番号などの識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離等の機能情報、現在や過去の各設定値などを保持する不揮発メモリの機能も備えている。
360は手ブレ緩和用の振動検知手段(加速度センサ、角速度センサ等)の出力は検出回路(フィルタ回路・積分回路等)と該手ブレ緩和用に備えてある上記撮影レンズ310のユニット内にシフトレンズ(不図示)と呼ばれる稼動式のレンズを駆動する制御回路を含む手ブレ検知・制御部である。該手ブレ検知・制御部は、振動検知手段(加速度センサ、角速度センサ等)によりブレを電気信号として出力し、検出回路(フィルタ回路・積分回路等)等によりブレ量を算出、該算出結果に基づき該シフトレンズを移動させ、結像面の移動(ブレ)を低減するものである。該手ブレ緩和機能の中にはブレの大きさ・速度等により手ブレかパンニングかを分離して補正するか否かを判定する機能、いわゆるパンニング検知手段としても用いられる。(該手ブレ緩和機能に関しては、特開平6−197262等で周知であるため詳細の説明は割愛する。)
なお、手ブレ緩和機能に関しては、撮影動作中(露光動作含む)に補正を行なうものであるため、撮影動作中は常に並行して作動しているものである。
図2は該撮像素子14であるところのCMOS型エリアセンサの画素部回路である。
同図において、画素内にはフォトダイオード(PD)1、転送スイッチ(TX)2、リセットスイッチ(TRES)3、画素アンプであるところのソースフォロア(SF)10、行選択スイッチ(TSEL)6が設けてあり、転送スイッチ(TX)2のゲートは垂直走査回路14からのφTX(n,n+1)に接続され、リセットスイッチ3のゲートは垂直走査回路14からのφRES(n,n+1)に接続され、行選択スイッチ6のゲートは垂直走査回路14からのφSEL(n,n+1)に接続されている。
光電変換は該フォトダイオード1でおこなわれ、光量電荷の蓄積期間中は転送スイッチ2はオフ状態であり、画素アンプを構成するソースフォロア10のゲートにはこのフォトダイオード1で光電変換された電荷は転送されない。該画素アンプを構成するソースフォロア10のゲート11は、蓄積開始前に該リセットスイッチ3がオンし、適当な電圧に初期化されている。すなわちこれがダークレベルとなる。次に又は同時に行選択スイッチ6がオンになると、負荷電流源7と該画素アンプ10で構成されるソース・フォロア回路が動作状態になり、ここで該転送スイッチ2をオンさせることで該フォトダイオード1に蓄積されていた電荷は、該画素アンプを構成するソースフォロア10のゲートに転送される。ここで4はリセット電源、5はソースフォロア10を駆動する電源である。
ここで、選択行の出力が垂直出力線13上に発生する。この出力は転送ゲート15a,15bを介して、信号蓄積部15に蓄積される。信号蓄積部15に一時記憶された出力は水平走査回路16によって順次出力アンプ部へ読み出される。
図3が図2のCMOS型エリアセンサの動作タイミング図である。全画素リセット期間T1のタイミングで、φTX(n),φTX(n+1)がアクティブになり、全画素の該フォトダイオード1の電荷は、該転送スイッチ2を介して該ソースフォロア10のゲートに転送され、該フォトダイオード1はリセットされる。この状態はフォトダイオード1のカソード電荷がソースフォロア10のゲートに移って平均化された状態であるが、ソースフォロア10のゲートのキャパシタ9の容量成分を大きくすることで、フォトダイオード1のカソードをリセットしたレベルと同様になる。
この時、対象画像の光量を導光する不図示のメカシャッターは開いており時間T1の終了と同時に、全画素同時に蓄積を開始する。該メカシャッターはT3の期間を開いたままで、この間がフォトダイオード1の蓄積期間となる。
T3時間経過後、T4のタイミングでメカシャッターは閉じ、該フォトダイオード1の光電荷の蓄積が終了する。この状態では該フォトダイオード1に電荷が蓄積されている。次に各ライン毎に読み出しがスタートする。すなわち、n−1行目を読み出してからN行目を読み出す。
時間T5の期間ΦSEL(n)がアクティブになり該行選択スイッチ6がオンし、n行目につながっている全ての画素の該画素アンプ10で構成されるソース・フォロア回路が動作状態になる。
ここで、該画素アンプ10で構成されるソース・フォロアのゲートはT2期間でφRES(n)がアクティブになり、リセットスイッチ3がオンとなり、該ソースフォロア10のゲート11は初期化される。すなわち、該垂直出力線13にはこのダークレベルの信号が出力される。
次にφTN(n)がアクティブになり、転送ゲート15bはT2’期間オンし、該信号蓄積部15に保持される。この動作は、n行につながっている全ての画素に対して同時並列に実行される。
該ダークレベルの信号出力を該信号蓄積部15に保持するT2からT2’までの期間を『N読み』という。
ダークレベルの該信号蓄積部15の転送(N読み)が終了した時点で、該フォトダイオード1に蓄積されていた信号電荷をφTX(n)をT6期間アクティブとし、転送スイッチ2をオンすることで、該画素アンプ10で構成されるソース・フォロアのゲート11に転送する。この時、該画素アンプ10で構成されるソース・フォロアのゲート11は転送されてきた信号電荷に見合う分だけリセットレベルから電位が変動し信号レベルが確定する。
ここで、φTSがT6’期間だけアクティブになり、転送ゲート15aがオンし、信号レベルが該信号蓄積部15に保持される。この動作は、n行につながっている全ての画素に対して同時並列に実行される。
該信号レベルの信号出力を該信号蓄積部15に保持するT6からT6’までの期間を『S読み』という。
該『N読み』『S読み』の期間を合わせて『水平ブランキング時間』(HBLK)と称している。
(実際には各動作への移行待ち時間等も含むことになる。)
なお、後述する『水平ブランキング時間の変更』は、本実施例においては上記T6’の時間の変更(例えば4μsecと8μsecの切り替え)を行うものとする。
該水平ブランキング時間の動作を終了した時点で、該信号蓄積部15には、n行につながっている全ての画素のダークレベルと信号レベルを保持しており、各画素間でのダークレベルと信号レベルの差をとることでソース・フォロアのスレッシュホールド電圧(しきい値電圧)Vthバラツキによる固定パターンノイズ(FPN)や該リセットスイッチ3がリセット時に発生するKTCノイズをキャンセルし、S/Nの高いノイズ成分を除去された信号が得られる。
この信号を該水平走査回路16によって、該信号蓄積部15に蓄積されたダークレベルと信号レベルの差信号を水平走査し、時系列的に、T7のタイミングで出力される。これでN行の出力は終了である。同様に、φSEL(n+1),φRES(n+1),φTX(n+1),φTN,φTSを図2に示す様にN行目と同様に駆動することで、N+1行目の信号を読み出すことができる。
図4および図5は画像処理装置100の撮影動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは不揮発メモリ56などの記憶媒体に格納されており、メモリ52にロードされてシステム制御回路50内のCPUによって実行される。
S101は、電池交換などの電源投入により、システム制御回路50はフラグや制御変数等を初期化し、画像処理装置100の各部に対して必要な所定の初期設定を行う。
S102は、システム制御部50は、電源スイッチ72の設定位置を判別し、電源スイッチ72が電源OFFに設定されているか否かを判別する。
ステップS103は、電源スイッチ72が電源OFFに設定されている場合、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数などを含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録し、電源制御部80により画像表示部28を含む画像処理装置100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後、ステップS102の処理に戻る。
ステップS104は、既に設定されているISO感度等の設定情報の読み出しを行なう。
ステップS105は、ステップS102で電源スイッチ72が電源ONに設定されていた場合、システム制御回路50は電源制御部80により電池などの電源86の残容量や動作状況が画像処理装置100の動作に問題があるか否かを判別し、問題があると判別された場合はステップS106へ、問題がないと判別された場合はステップS107へ移行する。
ステップS106は、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後、ステップS102の処理に戻る。
ステップS107は、モードダイアルスイッチ60の設定位置を判断し、モードダイアルスイッチ60が撮影モードに設定されているか否かを判別し、モードダイアルスイッチ60がその他のモードに設定されている場合は、ステップS108へ、モードダイアルスイッチ60が撮影モードに設定されている場合はステップS109へ移行する。
ステップS108は、選択されたモードに応じた処理を実行し、実行後にステップS102の処理に戻る。
ステップS109は、記録媒体200、201が装着されているか否かの判断、記録媒体200、201に記録された画像データの管理情報の取得、および記録媒体200、201の動作状態が画像処理装置100の動作、特に記録媒体に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否かを判別し、問題があると判別された場合は既に説明済みであるステップS106へ、問題がないと判別された場合はステップS110へ移行する。
ステップS110は、単写撮影/連写撮影を選択する単写/連写スイッチ68の選択状態を調べる。
本ステップS110では、単写撮影が選択されている場合はステップS111へ、低速連写撮影が選択されている場合はステップS112へ、高速連写撮影が選択されている場合はステップS113へ移行する。
ステップS111は、単写/連写フラグを『単写』(本実施例では第二の撮影モード)に設定するとともに、水平ブランキング時間設定を第2の水平ブランキング時間HBLK2に設定(例えば、図3におけるT6’を16μsecに設定)する。
ステップS112は、単写/連写フラグを『低速連写』(本実施例では第二の撮影モードに含む)に設定するとともに、水平ブランキング時間設定を第2の水平ブランキング時間HBLK2に設定(例えば、図3におけるT6’を16μsecに設定)する。
ステップS113は、単写/連写フラグを『高速連写』(本実施例では第一の撮影モード)に設定するとともに、水平ブランキング時間設定を第1の水平ブランキング時間HBLK1に設定(例えば、図3におけるT6’を4μsecに設定)する。
上記ステップS111乃至S113における単写/連写フラグおよび水平ブランキング時間の設定状態は、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶される。
また、上記ステップS111乃至S113における第1の水平ブランキング時間HBLK1と第2の水平ブランキング時間HBLK2の関係は“HBLK1<HBLK2”である。
なお、本実施例では水平ブランキング期間の内、図2に示す『S読み』のT6’期間を変化させる方式を取るが、本発明はこれに制限されることではなく、電源の影響を受けると想定されるタイミングでの安定時間待ちを変化させること、例えば、“『N読み』T2’時間を変化させる”等の手法で安定時間をもつこと、また複数の時間(T2’およびT6’等)を撮像装置の動作条件(連写、単写等のモード切り替えやISO感度設定、パンニング動作等)によって変化することも同様の効果を得られることを明示しておく。
また、本実施例は、単写および低速連写を同一の水平ブランキング時間に設定し、高速連写時のみ長めの水平ブランキング時間を設定しているが、本発明はそれに限られたものではなく、例えば、3つのモードが各々別の水平ブランキング時間を設定可能であったり、単写だけ水平ブランキング時間が異なったり、モードの種類が三段階でない場合等も含まれるものであることを明示しておく。
ステップS114は、表示部54を用いて画像や音声により画像処理装置100の各種設定状態の表示を行う。ここで、画像表示部28の画像表示スイッチがONである場合、画像表示部28を用いて画像や音声により画像処理装置100の各種設定状態を表示するようにしてもよい。
ステップS115は、シャッタースイッチSW1が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が押されていない場合、ステップS102の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が押されている場合は、ステップS116へ移行する。
ステップS116は、測距処理を行って撮影レンズ310の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値およびシャッター速度を決定する測距・測光処理を行う。
測光処理では、必要であればフラッシュの設定を行う。この測距・測光処理の詳細については、後述する。
ステップS117では、該ステップS111乃至S113で設定された水平ブランキング時間の情報(HBLK1乃至HBLK2)をメモリ30の所定領域に展開する。また、本ステップS117では、水平ダークシェーディング補正に用いられる1次元補正データも不揮発性メモリ56から読み出し、メモリ30の所定領域に展開する。この補正データの展開終了後、ステップS118の処理に移行する。
ステップS118は、シャッタースイッチSW2が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW2が押されていない場合はステップS119へ、シャッタースイッチSW2が押されている場合はステップS120へ移行する。
ステップS119は、シャッタースイッチSW1が離されたか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が離されていない場合ステップS118へ戻り、シャッタースイッチSW1が離されるとステップS102へ移行する。
ステップS120は、システム制御回路50は、撮影した画像データの記憶可能な画像記憶バッファ領域がメモリ30にあるか否かを判別し、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に新たな画像データの記憶可能な領域がないと判別された場合はステップS121へ、新たな画像データの記憶可能な領域があると判別された場合はステップS122へ移行する。
ステップS121は、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後、ステップS102の処理に戻る。
例えば、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に記憶可能な最大枚数の連写撮影を行った直後であり、メモリ30から読み出して記憶媒体200、210に書き込むべき最初の画像がまだ記憶媒体200、210に未記録な状態であり、まだ1枚の空き領域もメモリ30の画像記憶バッファ領域上に確保できない状態である場合などである。
尚、撮影した画像データを圧縮処理してからメモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶する場合、圧縮した後の画像データ量が圧縮モードの設定に応じて異なることを考慮して、記憶可能な領域がメモリ30の画像記憶バッファ領域上にあるか否かをステップS119の処理で判断することになる。
ステップS122は、システム制御回路50は、撮像して所定時間蓄積した撮像信号を撮像素子14から読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20およびメモリ制御回路22を介して、あるいはA/D変換器16から直接、メモリ制御回路22を介して、メモリ30の所定領域に撮影した画像データを書き込む撮影処理を実行する。
なお、本ステップで図2で説明済みの撮像素子の動作をステップS111乃至ステップS113で設定された水平ブランキング時間に即して行っている。
ステップS123は、システム制御回路50は、メモリ30に書き込まれた画像データのうち、撮像素子14のダーク出力レベル(以降DL)検出領域に相当するデータからDLを算出する。
ステップS124は、該ステップS122で取得したDLを所定値DLtと比較し、DLがDLt未満である場合には直ちにステップS126の処理に移行する。従って、この場合にはダーク取り込み処理がなされず、ステップS126の現像処理において、ステップS122で取り込まれた画像データは予め記憶されている水平ダークシェーディング補正データにより補正されることになる。DLが小さい場合は暗電流が小さく、固定パターンノイズ等、暗電流以外のノイズ成分が支配的であり、水平ダークシェーディング補正データで充分な補正が可能である。
ステップS125は、該ステップS123で取得したDLが大きな場合は暗電流が大きく、微小なキズによる画素欠損や暗電流ムラ等の暗電流に起因するノイズ成分が無視できなくなり、水平ダークシェーディング補正データでは充分な補正が不可能となるため、ステップS124でDLが所定値以上である場合、システム制御回路50はシャッター12を閉じた状態で撮像素子14の暗電流によるノイズ成分を本撮影と同じ時間蓄積し、蓄積を終えたノイズ画像信号を読み出すダーク取り込み処理を行う。
ステップS126は、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データの一部をメモリ制御回路22を介して読み出して現像処理を行うために必要なWB(ホワイトバランス)積分演算処理、OB(オプティカルブラック)積分演算処理を行い、演算結果をシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶し、システム制御回路50は、メモリ制御回路22、必要に応じて画像処理回路20を用いて、メモリ30の所定領域に書き込まれた撮影画像データを読み出し、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶した演算結果を用いて、AWB(オートホワイトバランス)処理、ガンマ変換処理、色変換処理を含む各種現像処理を行う。
現像処理では、ダーク取り込み処理(ステップS125)を行った場合にはそのダーク画像データを用いて、逆にダーク取り込み処理を行わなかった場合にはステップS117で展開した水平ダークシェーディング補正データを用いて減算処理を行うことにより、撮像素子14の固定パターンノイズや暗電流ノイズ等を打ち消すダーク補正演算処理を併せて行う。
このように、水平ダークシェーディング補正データを用いて補正演算処理を行う場合には、撮像素子14で発生する水平方向の固定パターンノイズによる画質劣化に対して、撮影時のダーク取り込み処理を行うことなく補正ができる。また、ダーク取り込み処理で取り込んだダーク画像データを用いて補正演算処理を行う場合、撮像素子14で発生する水平方向の固定パターンノイズは勿論、撮像素子14固有の微小なキズによる画素欠損、暗電流ムラ等の暗電流に起因するノイズによる画質劣化に対し、撮影した画像データを補正することができる。
ステップS127は、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データを読み出して、設定されたモードに応じた画像圧縮処理を圧縮・伸長回路32により行い、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みを行う。
ステップS128は、システム制御回路50は、メモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶された画像データを読み出し、インターフェース90、94、コネクタ92、96を介して、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体200、210に読み出した画像データを書き込む記録処理を開始する。
この記録開始処理は、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。
尚、記録媒体200、201に画像データの書き込みを行っている間、書き込み動作中であることを示すために、表示部54に例えばLEDを点滅させる等の記録媒体書き込み動作表示を行う。
ステップS129では、システム制御回路50は、シャッタースイッチSW1が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が離された状態である場合はステップS102の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が押された状態である場合はステップS130へ移行する。
ステップS130は、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶された単写/連写フラグの状態を判別し、単写が設定されていた場合はステップS129の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が離されるまで現在の処理を繰り返す。一方、連写(高速連写および低速連写)が設定されていた場合は、ステップS118の処理に戻り、次の撮影に備える。これにより、撮影に関する一連の処理が終了する。
図6はステップS116における測距・測光処理手順を示すフローチャートである。測距・測光処理では、システム制御回路50と、絞り制御部340あるいは測距制御部342との間の各種信号のやり取りは、インターフェース120、コネクタ122、コネクタ322、インターフェース320およびレンズシステム制御回路350を介して行われる。
ステップS201は、撮像素子14、測距制御部42および測距制御部342を用いて、AF(オートフォーカス)処理を開始する。
ステップS202乃至S203は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、測距用サブミラー(不図示)を介して、測距制御部42に入射させることにより、光学像として結像された画像の合焦状態を判断し、測距(AF)が合焦と判断されるまで、測距制御部342を用いて撮影レンズ310を駆動しながら、測距制御部42を用いて合焦状態を検出するAF制御を実行し、測距(AF)が合焦と判断されたらステップS204へ移行する。
ステップS204は、該ステップS203で測距(AF)が合焦と判断された場合、システム制御回路50は、撮影画面内の複数の測距点から合焦した測距点を決定し、決定した測距点データと共に測距データおよび/または設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶する。
ステップS205は、測光制御部46を用いてAE(自動露出)処理を開始する。
ステップS206乃至S207は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、132および測光用レンズ(不図示)を介して、測光制御部46に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定し、露出(AE)が適正と判断されるまで露光(シャッター)制御部40を用いて測光処理を行う。
ステップS208は、該ステップS207で露出(AE)が適正であると判断された場合、システム制御回路50は、撮影画面内の複数の測光ポイントから測光データを決定し、測光データおよび/または設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶する。
ちなみに、露出(AE)は複数の測光ポイントの全ての測光情報を平均化した情報を用いて適正か否かの判定をするのが一般的であるが、モードに応じては、複数のうちの一部(例えば、中央一点,中央部数点,測距点連動等)を用いて適正判断する場合もある。
該測光適正判定の手法については、本発明に直接的には影響しないため、周知の手法で行われるものとする。
尚、ステップS206の測光処理で検出した露出(AE)結果と、モードダイアルスイッチ60によって設定された撮影モードと、ISO感度設定スイッチ69によって設定されたISO感度に応じて、システム制御回路50では絞り値(Av値)およびシャッター速度(Tv値)が決定される。
ここで、決定されたシャッター速度(Tv値)に応じて、システム制御回路50は、撮像素子14の電荷蓄積時間を決定し、この決定された同じ電荷蓄積時間で撮影処理およびダーク取り込み処理をそれぞれ行う。
ステップS209は、該ステップS206乃至S208の測光処理で得られた測定データにより、システム制御回路50はフラッシュが必要であるか否かを判別する。
ステップS210乃至S211は、該ステップS209でフラッシュが必要であると判断した場合、フラッシュフラグをセットし、充電が完了するまでフラッシュ部48を充電する。そして、フラッシュ部48の充電が完了すると、本処理を終了してメインの処理に復帰する。
図7はステップS122における撮影処理手順を示すフローチャートである。この撮影処理では、システム制御回路50と、絞り制御部340あるいは測距制御部342との間の各種信号のやり取りは、インターフェース120、コネクタ122、コネクタ322、インターフェース320およびレンズシステム制御回路350を介して行われる。
ステップS301は、システム制御回路50は、ミラー130をミラー駆動部(図示せず)によってミラーアップ位置に移動させる。
ステップS302は、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶された測光データに従い、絞り制御部340によって絞り312を所定の絞り値まで駆動する。
ステップS303は、撮像素子14の電荷クリア動作を行う。
ステップS304乃至306は、撮像素子14の電荷蓄積を開始し、シャッター制御部40によってシャッター12を開き、撮像素子14の露光を開始する。
ステップS307乃至S308は、フラッシュフラグによりフラッシュ部48が必要であるか否かを判別し、必要である場合、フラッシュ部48を発光させる。
ステップS309乃至S310は、測光データにしたがって撮像素子14の露光終了を待ち、露光が終了すると、シャッター制御部40によってシャッター12を閉じ、撮像素子14の露光を終了する。
ステップS311乃至S312は、システム制御回路50は、絞り制御部340によって絞り312を開放の絞り値まで駆動し、ミラー130をミラー駆動部(不図示)によってミラーダウン位置に移動させる。
ステップS313乃至S315は、設定した電荷蓄積時間が経過したか否かを判別し、設定した電荷蓄積時間が経過した場合、システム制御回路50は撮像素子14の電荷蓄積を終了した後、撮像素子14から電荷信号を読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、あるいはA/D変換器16から直接、メモリ制御回路22を介してメモリ30の所定領域に撮影画像データを書き込む。
一連の処理を終了すると、本処理を終了してメインの処理に復帰する。
該ステップS313乃至S315の動作は、既に説明済みの撮像素子の動作を該図4のステップS111乃至ステップS113で設定された水平ブランキング時間に即して行っている。
図8は該図5のステップS125におけるダーク取り込み処理手順を示すフローチャートである。
ステップS401は、撮像素子14の電荷クリア動作を行う。
ステップS402は、シャッター12が閉じた状態で撮像素子14の電荷蓄積を開始する。
ステップS403は、設定した所定の電荷蓄積時間が経過したか否かを判別し、電荷蓄積時間が経過したらステップS404へ移行する。
ステップS404は、システム制御回路50は、撮像素子14の電荷蓄積を終了する。
ステップS405は、撮像素子14から電荷信号を読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、あるいはA/D変換器16から直接、メモリ制御回路22を介して、メモリ30の所定領域に画像データ(ダーク画像データ)を書き込み、本処理を終了してメインの処理に復帰する。
このダーク画像データは、先に撮影処理が実行され、撮影された画像データを撮像素子14から読み出してメモリ30に書き込んである状態で、現像処理を行う際に用いられる。
(第2の実施例)
本発明の第1の実施例では、高速連写モードにおいては常に水平ブランキング時間を短く(第1の水平ブランキング時間を設定)するようになっている。
しかしながら、実際の露光設定で、連写速度が明らかに最高速に追従できない場合がある。
本発明の第2の実施例は、第一の撮影モード(高速連写モード)を設定された場合においても露光条件に応じて水平ブランキング時間を変化させるものである。
本実施例は先に説明した本発明第1の実施例と重複する点が多い為、異なる部分のみを説明する。
図9は画像処理装置100の撮影動作処理手順を示すフローチャートであり、図4のステップS114に引き続いた動作である。(図4の動作に関しては、本発明の第1の実施例で説明済みのため、ここでの説明は割愛する。また、本フローチャートは本発明の第1の実施例における該図5に変わるものである。)
ステップS514は、シャッタースイッチSW1が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が押されていない場合、該図4のステップS102の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が押されている場合は、ステップS515へ移行する。
ステップS515は、測距処理を行って撮影レンズ310の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値およびシャッター速度を決定する測距・測光処理を行う。測光処理では、必要であればフラッシュの設定を行う。(図6参照)
ステップS516は、該図4のステップS111乃至S113で設定された単写/連写フラグをチェックし、『高速連写』が設定されていればステップS517へ、『高速連写』が設定されていなければステップS519へ移行する。
ステップS517は、該ステップS515で決定されたシャッター速度(Tv値)が、所定のシャッター速度(Tvf)より早いか否かを判定し、シャッター速度が所定の速度より速い(Tv<Tvf)場合はステップS519へ、シャッター速度が所定の速度より遅い(Tv≧Tvf)場合はステップS518へ移行する。
該所定値は、例えば、高速連写の設定仕様より遅いか否かの判定基準(高速連写が3駒/秒なら、Tv値1/3秒を判定値)としてもよい。
本実施例では上記判定を所定値以下としているが、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば、所定値未満の判定を行っても何ら問題ないものである。
ステップS518は、該ステップS113で設定した第一の水平ブランキング時間HBLK1を、第一のブランキング時間HBLK1より長い第三の水平ブランキング時間HBLK3に変更する。
なお、本実施例では第一の水平ブランキング時間を第三の水平ブランキング時間に変更したが、本発明はそれに限られたものではなく、第ニの水平ブランキング時間HBLK2を設定しても何ら問題ない。
ステップS519では、該ステップS111乃至S113もしくは該ステップS518で設定された水平ブランキング時間の情報(HBLK1、HBLK2、HBLK3)をメモリ30の所定領域に展開する。また、本ステップS519では、水平ダークシェーディング補正に用いられる1次元補正データも不揮発性メモリ56から読み出し、メモリ30の所定領域に展開する。この補正データの展開終了後、ステップS520の処理に移行する。
ステップS520は、シャッタースイッチSW2が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW2が押されていない場合はステップS521へ、シャッタースイッチSW2が押されている場合はステップS522へ移行する。
ステップS521は、シャッタースイッチSW1が離されたか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が離されていない場合ステップS520へ戻り、シャッタースイッチSW1が離されると該図4のステップS102へ移行する。
ステップS522は、システム制御回路50は、撮影した画像データの記憶可能な画像記憶バッファ領域がメモリ30にあるか否かを判別し、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に新たな画像データの記憶可能な領域がないと判別された場合はステップS523へ、新たな画像データの記憶可能な領域があると判別された場合はステップS524へ移行する。
ステップS523は、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後、該図4のステップS102の処理に戻る。
例えば、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に記憶可能な最大枚数の連写撮影を行った直後であり、メモリ30から読み出して記憶媒体200、210に書き込むべき最初の画像がまだ記憶媒体200、210に未記録な状態であり、まだ1枚の空き領域もメモリ30の画像記憶バッファ領域上に確保できない状態である場合などである。
尚、撮影した画像データを圧縮処理してからメモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶する場合、圧縮した後の画像データ量が圧縮モードの設定に応じて異なることを考慮して、記憶可能な領域がメモリ30の画像記憶バッファ領域上にあるか否かをステップS522の処理で判断することになる。
ステップS524は、システム制御回路50は、撮像して所定時間蓄積した撮像信号を撮像素子14から読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20およびメモリ制御回路22を介して、あるいはA/D変換器16から直接、メモリ制御回路22を介して、メモリ30の所定領域に撮影した画像データを書き込む撮影処理を実行する。
なお、本ステップで図2で説明済みの撮像素子の動作を該図4のステップS111乃至ステップS113もしくはステップS518で設定された水平ブランキング時間に即して行っている。
ステップS525は、システム制御回路50は、メモリ30に書き込まれた画像データのうち、撮像素子14のダーク出力レベル(以降DL)検出領域に相当するデータからDLを算出する。
ステップS526は、該ステップS525で取得したDLを所定値DLtと比較し、DLがDLt未満である場合には直ちにステップS526の処理に移行する。従って、この場合にはダーク取り込み処理がなされず、ステップS528の現像処理において、ステップS524で取り込まれた画像データは予め記憶されている水平ダークシェーディング補正データにより補正されることになる。DLが小さい場合は暗電流が小さく、固定パターンノイズ等、暗電流以外のノイズ成分が支配的であり、水平ダークシェーディング補正データで充分な補正が可能である。
ステップS527は、該ステップS525で取得したDLが大きな場合は暗電流が大きく、微小なキズによる画素欠損や暗電流ムラ等の暗電流に起因するノイズ成分が無視できなくなり、水平ダークシェーディング補正データでは充分な補正が不可能となるため、ステップS526でDLが所定値以上である場合、システム制御回路50はシャッター12を閉じた状態で撮像素子14の暗電流によるノイズ成分を本撮影と同じ時間蓄積し、蓄積を終えたノイズ画像信号を読み出すダーク取り込み処理を行う。
ステップS528は、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データの一部をメモリ制御回路22を介して読み出して現像処理を行うために必要なWB(ホワイトバランス)積分演算処理、OB(オプティカルブラック)積分演算処理を行い、演算結果をシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶し、システム制御回路50は、メモリ制御回路22、必要に応じて画像処理回路20を用いて、メモリ30の所定領域に書き込まれた撮影画像データを読み出し、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶した演算結果を用いて、AWB(オートホワイトバランス)処理、ガンマ変換処理、色変換処理を含む各種現像処理を行う。
現像処理では、ダーク取り込み処理(ステップS527)を行った場合にはそのダーク画像データを用いて、逆にダーク取り込み処理を行わなかった場合にはステップS519で展開した水平ダークシェーディング補正データを用いて減算処理を行うことにより、撮像素子14の固定パターンノイズや暗電流ノイズ等を打ち消すダーク補正演算処理を併せて行う。
このように、水平ダークシェーディング補正データを用いて補正演算処理を行う場合には、撮像素子14で発生する水平方向の固定パターンノイズによる画質劣化に対して、撮影時のダーク取り込み処理を行うことなく補正ができる。また、ダーク取り込み処理で取り込んだダーク画像データを用いて補正演算処理を行う場合、撮像素子14で発生する水平方向の固定パターンノイズは勿論、撮像素子14固有の微小なキズによる画素欠損、暗電流ムラ等の暗電流に起因するノイズによる画質劣化に対し、撮影した画像データを補正することができる。
ステップS529は、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データを読み出して、設定されたモードに応じた画像圧縮処理を圧縮・伸長回路32により行い、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みを行う。
ステップS530は、システム制御回路50は、メモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶された画像データを読み出し、インターフェース90、94、コネクタ92、96を介して、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体200、210に読み出した画像データを書き込む記録処理を開始する。
この記録開始処理は、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。
尚、記録媒体200、201に画像データの書き込みを行っている間、書き込み動作中であることを示すために、表示部54に例えばLEDを点滅させる等の記録媒体書き込み動作表示を行う。
ステップS531では、システム制御回路50は、シャッタースイッチSW1が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が離された状態である場合は該図4のステップS102の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が押された状態である場合はステップS532へ移行する。
ステップS532は、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶された単写/連写フラグの状態を判別し、単写が設定されていた場合はステップS531の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が離されるまで現在の処理を繰り返す。一方、連写(高速連写および低速連写)が設定されていた場合は、ステップS520の処理に戻り、次の撮影に備える。これにより、撮影に関する一連の処理が終了する。
なお、本発明の実施例では、シャッター速度(Tv値)が測光結果に応じて、自動的に決定される例を挙げているが、本発明はそれに限られたものではなく、例えば、シャッター速度を任意設定できるモードでの撮影においても、設定されているシャッター速度および撮影モードに応じて水平ブランキング時間を変化させることも本発明の主旨に即したものである。
(第3の実施例)
本発明の第3の実施例は、(撮影モードによらず)測光結果から求められる想定露光量に応じて、水平ブランキング時間を変化させるものである。
本実施例は先に説明した本発明第1の実施例と重複する点が多い為、異なる部分のみを説明する。
本実施例では、図1乃至図3は本発明の第1の実施例と同様である為、ここでの説明を割愛する。
また、図4および図5の画像処理装置100の撮影動作処理手順を示すフローチャートも本発明の第1の実施例と同様である。
但し、図4のステップS111乃至S113における水平ブランキング時間設定動作は行わず、該ステップS111乃至S113時点の水平ブランキング時間は、初期状態ならば第一の水平ブランキング時間が設定されており、連写モードによる連続撮影中ならば事前に設定されている水平ブランキング時間が設定されているものとする。
図10は本実施例においての該図5のステップS116における測距・測光処理手順を示すフローチャートである。該フローチャートは、図6と同様に、測距・測光処理では、システム制御回路50と、絞り制御部340あるいは測距制御部342との間の各種信号のやり取りは、インターフェース120、コネクタ122、コネクタ322、インターフェース320およびレンズシステム制御回路350を介して行われる。
ステップS1201は、撮像素子14、測距制御部42および測距制御部342を用いて、AF(オートフォーカス)処理を開始する。
ステップS1202乃至S1203は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、測距用サブミラー(不図示)を介して、測距制御部42に入射させることにより、光学像として結像された画像の合焦状態を判断し、測距(AF)が合焦と判断されるまで、測距制御部342を用いて撮影レンズ310を駆動しながら、測距制御部42を用いて合焦状態を検出するAF制御を実行し、測距(AF)が合焦と判断されたらステップS1204へ移行する。
ステップS1204は、該ステップS1203で測距(AF)が合焦と判断された場合、システム制御回路50は、撮影画面内の複数の測距点から合焦した測距点を決定し、決定した測距点データと共に測距データおよび/または設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶する。
ステップS1205は、測光制御部46を用いてAE(自動露出)処理を開始する。
ステップS1206乃至S1207は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、132および測光用レンズ(不図示)を介して、測光制御部46に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定し、露出(AE)が適正と判断されるまで露光(シャッター)制御部40を用いて測光処理を行う。
ステップS1208は、該ステップS1207で露出(AE)が適正であると判断された場合、システム制御回路50は、撮影画面内の複数の測光ポイントから測光データを決定し、測光データおよび/または設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶する。
ちなみに、露出(AE)は複数の測光ポイントの全ての測光情報を平均化した情報を用いて適正か否かの判定をするのが一般的であるが、モードに応じては、複数のうちの一部(例えば、中央一点,中央部数点,測距点連動等)を用いて適正判断する場合もある。
尚、ステップS1206乃至S1207の測光処理で検出した露出(AE)結果と、モードダイアルスイッチ60によって設定された撮影モードと、ISO感度設定スイッチ69によって設定されたISO感度に応じて、システム制御回路50では絞り値(Av値)およびシャッター速度(Tv値)が決定される。
ここで、決定されたシャッター速度(Tv値)に応じて、システム制御回路50は、撮像素子14の電荷蓄積時間を決定し、この決定された同じ電荷蓄積時間で撮影処理およびダーク取り込み処理をそれぞれ行う。
ステップS1209は、該ステップS1208で決定された絞り値(Av値)およびシャッター速度(Tv値)の条件において、該ステップS1206乃至S1207で観測した複数の測光ポイントの露光量Evを想定し、あらかじめ記憶されている所定値Evx以上の露光量Evのポイントがあるか否かを判定する。Ev≧Evxがある場合ステップS1210へ、Ev≧Evxがない場合ステップS1211へ移行する。
尚、本実施例ではあらかじめ記憶されている所定値Evxに対する各測光ポイントの露光量を比較する手法をとっているが、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば、ステップS1206乃至S1207で求めた測光結果を所定値と定めたり、各測光ポイント(例えば、最明部と最暗部の差量を求めて所定値以上の差があるか否か、中心部と周辺部の差量を求めて所定値以上の差があるか否か等)の比較をしたりして、他のポイントとの差が所定以上あるかの判定手法で比較判定しても本発明の主旨に何ら反するものではない。
ステップS1210は、所定光量以上の露光個所があるとして、長めの水平ブランキング時間(第ニの水平ブランキング時間)HBLK2を設定する。
ステップS1211は、所定光量以上の露光個所がないとして、短めの水平ブランキング時間(第一の水平ブランキング時間)HBLK1を設定する。
ステップS1212は、該ステップS1206乃至S1208の測光処理で得られた測定データにより、システム制御回路50はフラッシュが必要であるか否かを判別する。
ステップS1213乃至S1214は、該ステップS1212でフラッシュが必要であると判断した場合、フラッシュフラグをセットし、充電が完了するまでフラッシュ部48を充電する。そして、フラッシュ部48の充電が完了すると、本処理を終了してメインの処理に復帰する。
上述のように、露光量(撮像素子から入力される信号量)に応じて、水平ブランキング時間を変化させることにより、撮影シーンの変化に対応した画質を提供するとともに、撮像の際の速度低下を防止することができる。
(第4の実施例)
本発明の第4の実施例は、上記第3の実施例に対し、複数の撮影モード(連続撮影モードと一齣撮影モード)がある場合の例を示す。
なお、本実施例は先に説明した本発明第3の実施例と同様に、本発明第1の実施例と重複する点が多い為、異なる部分のみの説明とする。
本実施例では、図1乃至図3は本発明の第1の実施例と同様である為、ここでの説明を割愛する。
また、図4および図5の画像処理装置100の撮影動作処理手順を示すフローチャートも本発明の第1の実施例と同様である。
但し、図4についても本発明第3の実施例と同様に、ステップS111乃至S113における水平ブランキング時間設定動作は行わず、該ステップS111乃至S113時点の水平ブランキング時間は、初期状態ならば第一の水平ブランキング時間が設定されており、連写モードによる連続撮影中ならば事前に設定されている水平ブランキング時間が設定されているものとする。
図11は本実施例においての該図5のステップS116における測距・測光処理手順を示すフローチャートである。該フローチャートは、図6と同様に、測距・測光処理では、システム制御回路50と、絞り制御部340あるいは測距制御部342との間の各種信号のやり取りは、インターフェース120、コネクタ122、コネクタ322、インターフェース320およびレンズシステム制御回路350を介して行われる。
ステップS1301は、撮像素子14、測距制御部42および測距制御部342を用いて、AF(オートフォーカス)処理を開始する。
ステップS1302乃至S1303は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、測距用サブミラー(不図示)を介して、測距制御部42に入射させることにより、光学像として結像された画像の合焦状態を判断し、測距(AF)が合焦と判断されるまで、測距制御部342を用いて撮影レンズ310を駆動しながら、測距制御部42を用いて合焦状態を検出するAF制御を実行し、測距(AF)が合焦と判断されたらステップS1304へ移行する。
ステップS1304は、該ステップS1303で測距(AF)が合焦と判断された場合、システム制御回路50は、撮影画面内の複数の測距点から合焦した測距点を決定し、決定した測距点データと共に測距データおよび/または設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶する。
ステップS1305は、測光制御部46を用いてAE(自動露出)処理を開始する。
ステップS1306乃至S1307は、撮影レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、132および測光用レンズ(不図示)を介して、測光制御部46に入射させることにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定し、露出(AE)が適正と判断されるまで露光(シャッター)制御部40を用いて測光処理を行う。
ステップS1308は、該ステップS1307で露出(AE)が適正であると判断された場合、システム制御回路50は、撮影画面内の複数の測光ポイントから測光データを決定し、測光データおよび/または設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶する。
ちなみに、露出(AE)は複数の測光ポイントの全ての測光情報を平均化した情報を用いて適正か否かの判定をするのが一般的であるが、モードに応じては、複数のうちの一部(例えば、中央一点,中央部数点,測距点連動等)を用いて適正判断する場合もある。
尚、ステップS1306乃至S1307の測光処理で検出した露出(AE)結果と、モードダイアルスイッチ60によって設定された撮影モードと、ISO感度設定スイッチ69によって設定されたISO感度に応じて、システム制御回路50では絞り値(Av値)およびシャッター速度(Tv値)が決定される。
ここで、決定されたシャッター速度(Tv値)に応じて、システム制御回路50は、撮像素子14の電荷蓄積時間を決定し、この決定された同じ電荷蓄積時間で撮影処理およびダーク取り込み処理をそれぞれ行う。
ステップS1309は、図4におけるステップS111乃至S113で設定された単写/連写フラグが『単写』に設定されているか否かを判定し、『単写』モードが設定されていた場合はステップS1311に、『単写』モードが設定されていなければステップS1310へ移行する。
ステップS1310は、該ステップS1308で決定された絞り値(Av値)およびシャッター速度(Tv値)の条件において、該ステップS1306乃至S1307で観測した複数の測光ポイントの露光量Evを想定し、あらかじめ記憶されている所定値Evx以上の露光量Evのポイントがあるか否かを判定する。Ev≧Evxがある場合ステップS1311へ、Ev≧Evxがない場合ステップS1312へ移行する。
尚、本実施例ではあらかじめ記憶されている所定値Evxに対する各測光ポイントの露光量を比較する手法をとっているが、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば、ステップS1306乃至S1307で求めた測光結果を所定値と定めたり、各測光ポイント(例えば、最明部と最暗部の差量を求めて所定値以上の差があるか否か、中心部と周辺部の差量を求めて所定値以上の差があるか否か等)の比較をしたりして、他のポイントとの差が所定以上あるかの判定手法で比較判定しても、本発明の主旨に何ら反するものではない。
ステップS1311は、『単写』モード設定である、もしくは、『連写(高速もしくは低速)』モード設定であっても所定光量以上の露光個所があるとして、長めの水平ブランキング時間(第ニの水平ブランキング時間)HBLK2を設定する。
ステップS1312は、『連写(高速もしくは低速)』モード設定であっても所定光量以上の露光個所がないとして、短めの水平ブランキング時間(第一の水平ブランキング時間)HBLK1を設定する。
ステップS1313は、該ステップS1306乃至S1308の測光処理で得られた測定データにより、システム制御回路50はフラッシュが必要であるか否かを判別する。
ステップS1314乃至S1315は、該ステップS1313でフラッシュが必要であると判断した場合、フラッシュフラグをセットし、充電が完了するまでフラッシュ部48を充電する。そして、フラッシュ部48の充電が完了すると、本処理を終了してメインの処理に復帰する。
上記シーケンスを行うことで、撮影モードが『連写』モードか『単写』モードかによって水平ブランキング時間を設定することが出来、所望のモード設定の中でより良い画質を得ることができる水平ブランキング時間を設定することが可能となる。
また、本シーケンスは図4乃至図5の撮影シーケンスに含まれるものであり、すなわち『連写』モード時において、該図11のシーケンスは一齣目のみに実行されるものであり、その後の連続撮影中には一齣目に決定した条件(想定露光量)での水平ブランキング時間を使用するものとなる。
該本発明第4の実施例の実施例の変形例として、図5のステップS130で『連写(高速連写および低速連写)』が設定されている場合に、ステップS118ではなく、ステップS116(測距・測光シーケンス〔該図11〕)に移行するように変更することで、各齣の撮影毎に測光を行い、該測光結果からの想定露光量に応じた水平ブランキング時間を設定することができる。
なお、上記第4の実施例(変形例含む)のシーケンスでは『単写』モードと『連写』モードで水平ブランキング時間の設定を切り替えているが、本発明はそれに限られたものではなく、例えば、『単写』と『低速連写』を同一の撮影モードとして条件設定して水平ブランキング時間を変更したり、複数のモードを各々個別のモードとして水平ブランキング時間の変更条件のひとつと判断したりしても何ら本発明の主旨に反するものではない。
(第5の実施例)
上記本発明の第1乃至第4の実施例では、複数の撮影モード(連続撮影モードと一齣撮影モード)のうち、第一の撮影モード(連続撮影モード)の場合に他の条件によらず水平ブランキング時間を変化させる例を挙げてきたが、本発明の第5の実施例は、第一の撮影モードにおいても条件(例えば撮影中のパンニング、撮影感度設定等)によって該水平ブランキング時間を変更しない若しくは通常変更する水平ブランキング時間と異なる時間を設定する例を示す。
また、本実施例では、使用状況により強制的にリサイクルタイムを早くしたい等の使用者の使用状況に応じた要望に答えられるよう、水平ブランキング時間任意設定手段(不図示)を設けているものとする。
なお、本実施例は先に説明した本発明第2の実施例乃至第4の実施例と同様に、本発明第1の実施例と重複する点が多い為、異なる部分のみ説明とする。
本実施例では、図1乃至図3は本発明の第1の実施例と同様である為、ここでの説明を割愛する。
また、図4の画像処理装置100の撮影動作処理手順を示すフローチャートも本発明の第1の実施例と同様である。
図12は本発明の第5の実施例における撮影動作処理手順を示すフローチャートであり、図4(第1の実施例で説明済み)のステップS114に引き続いての動作となる。
ステップS2115は、シャッタースイッチSW1が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が押されていない場合、図4のステップS102の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が押されている場合は、ステップS2116へ移行する。
ステップS2116は、ISO感度設定スイッチ69によって設定されているISO感度をチェックする。
ステップS2117は、該ステップS2116でチェックしたISO感度が予め定めてある所定のISO感度ISOx(例えばISO800)以上の高い感度であるか否かを判定し、チェックしたISO感度がISOx以上ならステップS2118へ、ISOx未満ならステップS2121へ以降する。
ステップS2118は、不図示の水平ブランキング時間任意設定手段(スイッチ)あるHBLKスイッチがONされているか否かを判定する。該ステップS2118でHBLKスイッチがONされていなければステップS2120へ、HBLKスイッチがONされていればステップS2120へ以降する。
ステップS2119は、図4のステップS111乃至S113で設定した水平ブランキング時間に関わらず、第3の水平ブランキング時間HBLK3に設定する。該水平ブランキング時間は、高感度の方が画質低下の可能性が高い為、長めの時間設定としており、HBLK1<HBLK2<HBLK3という設定とする。
ステップS2120は、図4のステップS111乃至S113で設定した水平ブランキング時間に関わらず、第4の水平ブランキング時間HBLK4に設定する。本実施例では、該水平ブランキング時間任意設定手段により設定される水平ブランキング時間HBLK4は、画質許容範囲内と判断される水平ブランキング時間内の最短時間(≒HBLK1)に設定する。但し、本発明はそれに限定したものではなく、例えば、時間を任意設定するモードを備え、事前に設定された時間に切り替え、該設定時間をHBLK4として使用することも何ら本発明の意図に反するものではない。
なお、本実施例では『HBLK1≒HBLK4<HBLK2<HBLK3』と説明しているが、HBLK3は画質優先で設定されている第2の水平ブランキング時間と同等でも何ら問題なく『HBLK1≒HBLK4<HBLK2=HBLK3』であっても構わない。
また、予め設定されている水平ブランキング時間がHBLK2なら変更せず、HBLK1ならばHBLK3に変更することも同等の効果を得られるものと考える。
さらに、『HBLK1≒HBLK4<HBLK3<HBLK2』でも本発明の主旨に反するものではない。
また、上述したとおり、HBLK4は任意に設定されることも何ら問題ない。
ステップS2121は、測距処理を行って撮影レンズ310の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値およびシャッター速度を決定する測距・測光処理を行う。
測光処理では、必要であればフラッシュの設定を行う。この測距・測光処理の詳細については、図6で説明済みである。
ステップS2122では、該ステップS111乃至S113もしくはステップS2119乃至S2120で設定された水平ブランキング時間の情報(HBLK1乃至HBLK4)をメモリ30の所定領域に展開する。また、本ステップS2122では、水平ダークシェーディング補正に用いられる1次元補正データも不揮発性メモリ56から読み出し、メモリ30の所定領域に展開する。この補正データの展開終了後、ステップS2123の処理に移行する。
ステップS2123は、シャッタースイッチSW2が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW2が押されていない場合はステップS2124へ、シャッタースイッチSW2が押されている場合はステップS2125へ移行する。
ステップS2124は、シャッタースイッチSW1が離されたか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が離されていない場合ステップS2123へ戻り、シャッタースイッチSW1が離されると図4のステップS102へ移行する。
ステップS2125は、システム制御回路50は、撮影した画像データの記憶可能な画像記憶バッファ領域がメモリ30にあるか否かを判別し、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に新たな画像データの記憶可能な領域がないと判別された場合はステップS2126へ、新たな画像データの記憶可能な領域があると判別された場合はステップS2127へ移行する。
ステップS2126は、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後、図4のステップS102の処理に戻る。
例えば、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に記憶可能な最大枚数の連写撮影を行った直後であり、メモリ30から読み出して記憶媒体200、210に書き込むべき最初の画像がまだ記憶媒体200、210に未記録な状態であり、まだ1枚の空き領域もメモリ30の画像記憶バッファ領域上に確保できない状態である場合などである。
尚、撮影した画像データを圧縮処理してからメモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶する場合、圧縮した後の画像データ量が圧縮モードの設定に応じて異なることを考慮して、記憶可能な領域がメモリ30の画像記憶バッファ領域上にあるか否かをステップS2125の処理で判断することになる。
ステップS2127は、手ブレ検知・制御部360の出力からパンニングが行なわれているか否かを判断し、パンニングが行なわれていればステップS2128へ、パンニングが行なわれていなければステップS2131へ移行する。
なお、パンニング検知に関しては撮影シーケンスとは並行に制御されている周知の手ブレ検知動作であるため、詳細の説明は割愛する。
ステップS2128は、上記ステップS2118と同様に、不図示の水平ブランキング時間任意設定手段(スイッチ)あるHBLKスイッチがONされているか否かを判定する。該ステップS2128でHBLKスイッチがONされていなければステップS2129へ、HBLKスイッチがONされていればステップS2130へ以降する。
ステップS2129は、上記ステップS2119と同様に、図4のステップS111乃至S113で設定した水平ブランキング時間に関わらず、第3の水平ブランキング時間HBLK3に設定する。(ステップS2119でHBLK3が設定されている場合、変更せずに次ステップへ移行する。)該水平ブランキング時間は、高感度の方が画質低下の可能性が高い為、長めの時間設定としており、HBLK1<HBLK2<HBLK3という設定とする。
ステップS2130は、上記ステップS2120と同様に、図4のステップS111乃至S113で設定した水平ブランキング時間に関わらず、第4の水平ブランキング時間HBLK4に設定する。(ステップS2120でHBLK4が設定されている場合、変更せずに次ステップへ移行する。)本実施例では、該水平ブランキング時間任意設定手段により設定される水平ブランキング時間HBLK4は、画質許容範囲内と判断される水平ブランキング時間内の最短時間(≒HBLK1)に設定する。但し、本発明はそれに限定したものではなく、例えば、時間を任意設定するモードを備え、事前に設定された時間に切り替え、該設定時間をHBLK4として使用することも何ら本発明の意図に反するものではない。
なお、本実施例では『HBLK1≒HBLK4<HBLK2<HBLK3』と説明しているが、HBLK3は画質優先で設定されている第2の水平ブランキング時間と同等でも何ら問題なく『HBLK1≒HBLK4<HBLK2=HBLK3』であっても構わない。
また、予め設定されている水平ブランキング時間がHBLK2なら変更せず、HBLK1ならばHBLK3に変更することも同等の効果を得られるものと考える。
さらに、『HBLK1≒HBLK4<HBLK3<HBLK2』でも本発明の主旨に反するものではない。
また、上述したとおり、HBLK4は任意に設定されることも何ら問題ない。
ちなみに、本実施例ではステップS2119で変更する水平ブランキング時間と、該ステップS2129で変更する水平ブランキング時間を同様の設定にしているが、個別の時間を設定しても何ら問題はない。
ステップS2131は、システム制御回路50は、撮像して所定時間蓄積した撮像信号を撮像素子14から読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20およびメモリ制御回路22を介して、あるいはA/D変換器16から直接、メモリ制御回路22を介して、メモリ30の所定領域に撮影した画像データを書き込む撮影処理を実行する。
なお、本ステップで、図2で説明済みの撮像素子の動作をステップS111乃至ステップS113もしくはステップS2119乃至ステップS2120もしくはステップS2129乃至ステップS2130で設定された水平ブランキング時間に即して、行っている。
ステップS2132は、システム制御回路50は、メモリ30に書き込まれた画像データのうち、撮像素子14のダーク出力レベル(以降DL)検出領域に相当するデータからDLを算出する。
ステップS2133は、該ステップS2132で取得したDLを所定値DLtと比較し、DLがDLt未満である場合には直ちにステップS2136の処理に移行する。従って、この場合にはダーク取り込み処理がなされず、ステップS2135の現像処理において、ステップS2131で取り込まれた画像データは予め記憶されている水平ダークシェーディング補正データにより補正されることになる。DLが小さい場合は暗電流が小さく、固定パターンノイズ等、暗電流以外のノイズ成分が支配的であり、水平ダークシェーディング補正データで充分な補正が可能である。
ステップS2134は、該ステップS2132で取得したDLが大きな場合は暗電流が大きく、微小なキズによる画素欠損や暗電流ムラ等の暗電流に起因するノイズ成分が無視できなくなり、水平ダークシェーディング補正データでは充分な補正が不可能となるため、ステップS2133でDLが所定値以上である場合、システム制御回路50はシャッター12を閉じた状態で撮像素子14の暗電流によるノイズ成分を本撮影と同じ時間蓄積し、蓄積を終えたノイズ画像信号を読み出すダーク取り込み処理を行う。
ステップS2135は、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データの一部を、メモリ制御回路22を介して読み出して現像処理を行うために必要なWB(ホワイトバランス)積分演算処理、OB(オプティカルブラック)積分演算処理を行い、演算結果をシステム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶し、システム制御回路50は、メモリ制御回路22、必要に応じて画像処理回路20を用いて、メモリ30の所定領域に書き込まれた撮影画像データを読み出し、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶した演算結果を用いて、AWB(オートホワイトバランス)処理、ガンマ変換処理、色変換処理を含む各種現像処理を行う。
現像処理では、ダーク取り込み処理(ステップS125)を行った場合にはそのダーク画像データを用いて、逆にダーク取り込み処理を行わなかった場合にはステップS117で展開した水平ダークシェーディング補正データを用いて減算処理を行うことにより、撮像素子14の固定パターンノイズや暗電流ノイズ等を打ち消すダーク補正演算処理を併せて行う。
このように、水平ダークシェーディング補正データを用いて補正演算処理を行う場合には、撮像素子14で発生する水平方向の固定パターンノイズによる画質劣化に対して、撮影時のダーク取り込み処理を行うことなく補正ができる。また、ダーク取り込み処理で取り込んだダーク画像データを用いて補正演算処理を行う場合、撮像素子14で発生する水平方向の固定パターンノイズは勿論、撮像素子14固有の微小なキズによる画素欠損、暗電流ムラ等の暗電流に起因するノイズによる画質劣化に対し、撮影した画像データを補正することができる。
ステップS2136は、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データを読み出して、設定されたモードに応じた画像圧縮処理を圧縮・伸長回路32により行い、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みを行う。
ステップS2137は、システム制御回路50は、メモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶された画像データを読み出し、インターフェース90、94、コネクタ92、96を介して、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体200、210に読み出した画像データを書き込む記録処理を開始する。
この記録開始処理は、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。
尚、記録媒体200、201に画像データの書き込みを行っている間、書き込み動作中であることを示すために、表示部54に例えばLEDを点滅させる等の記録媒体書き込み動作表示を行う。
ステップS2138では、システム制御回路50は、シャッタースイッチSW1が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が離された状態である場合は図4のステップS102の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が押された状態である場合はステップS2139へ移行する。
ステップS2139は、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶された単写/連写フラグの状態を判別し、単写が設定されていた場合はステップS2138の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が離されるまで現在の処理を繰り返す。一方、連写(高速連写および低速連写)が設定されていた場合は、ステップS2123の処理に戻り、次の撮影に備える。これにより、撮影に関する一連の処理が終了する。
なお、前記本発明の第1乃至第5の実施例では、撮影条件によって画質と使用感(リサイクルタイム等)のバランスを保てるよう、自動的に水平ブランキング時間を変更しているが、あくまで使用感を優先して使用したい状況等があるため、個別に水平ブランキング時間の任意設定手段を備えておき、ユーザーが設定(選択含む)した任意時間に決めることを可能にしたり、速写性を重視したいときに画質許容範囲内での最短時間を選択することが可能な選択手段を設けたりすることも、本発明の使用感の向上につながるものである。
また、前記本発明の第1の実施例乃至第5の実施例は、温度に関係なく撮影モードのみで水平ブランキング時間を決定しているが、当然、温度を測定し、該温度の測定結果によって水平ブランキング時間の変更や補正をかけても何ら本発明の意図に反するものではない。上記のように、被写体条件(温度や被写体の輝度等)に応じて、水平ブランキング時間を変化させることによって、撮像シーンに適した水平ブランキング時間に設定することが可能となり、撮影シーンの変化に対応した画質を提供するとともに、撮像の際の速度低下を防止することができる。
(第6の実施例)
撮像装置による撮影画像にはシェーディング(ムラ)が発生するため、該シェーディングに対して補正データを予め記憶しておき、現像時点で該シェーディング補正データを用いて撮影画像の補正を行なうのが一般的である。
しかしながら、上記第1乃至第5の実施例のように水平ブランキング時間が変化する場合、該水平ブランキング時間に応じてシェーディングの形が変化してしまう問題があるため、本実施例は、水平ブランキング時間に応じて変更するものである。
なお、本実施例は先に説明した本発明第2の実施例乃至第5の実施例と同様に、本発明第1の実施例と重複する点が多い為、異なる部分のみを説明する。
本実施例では、図1乃至図3は本発明の第1の実施例と同様である為、ここでの説明を割愛する。
図13および図14は本発明の第6の実施例における画像処理装置100の撮影動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは不揮発メモリ56などの記憶媒体に格納されており、メモリ52にロードされてシステム制御回路50内のCPUによって実行される。
S3101は、電池交換などの電源投入により、システム制御回路50はフラグや制御変数等を初期化し、画像処理装置100の各部に対して必要な所定の初期設定を行う。
S3102は、システム制御部50は、電源スイッチ72の設定位置を判別し、電源スイッチ72が電源OFFに設定されているか否かを判別する。
ステップS3103は、電源スイッチ72が電源OFFに設定されている場合、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数などを含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録し、電源制御部80により画像表示部28を含む画像処理装置100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後、ステップS3102の処理に戻る。
ステップS3104は、既に設定されているISO感度等の設定情報の読み出しを行う。
ステップS3105は、ステップS3102で電源スイッチ72が電源ONに設定されていた場合、システム制御回路50は電源制御部80により電池などの電源86の残容量や動作状況が画像処理装置100の動作に問題があるか否かを判別し、問題があると判別された場合はステップS3106へ、問題がないと判別された場合はステップS3107へ移行する。
ステップS3106は、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後、ステップS3102の処理に戻る。
ステップS3107は、モードダイアルスイッチ60の設定位置を判断し、モードダイアルスイッチ60が撮影モードに設定されているか否かを判別し、モードダイアルスイッチ60がその他のモードに設定されている場合は、ステップS3108へ、モードダイアルスイッチ60が撮影モードに設定されている場合はステップS3109へ移行する。
ステップS3108は、選択されたモードに応じた処理を実行し、実行後にステップS3102の処理に戻る。
ステップS3109は、記録媒体200、201が装着されているか否かの判断、記録媒体200、201に記録された画像データの管理情報の取得、および記録媒体200、201の動作状態が画像処理装置100の動作、特に記録媒体に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否かを判別し、問題があると判別された場合は既に説明済みであるステップS3106へ、問題がないと判別された場合はステップS3110へ移行する。
ステップS3110は、単写撮影/連写撮影を選択する単写/連写スイッチ68の選択状態を調べる。
本ステップS3110では、単写撮影が選択されている場合はステップS3111へ、低速連写撮影が選択されている場合はステップS3112へ、高速連写撮影が選択されている場合はステップS3113へ移行する。
ステップS3111は、単写/連写フラグを『単写』(本実施例では第二の撮影モード)に設定するとともに、水平ブランキング時間設定を第2の水平ブランキング時間HBLK2に設定(例えば、図3におけるT6’を16μsecに設定)する。
ステップS3112は、単写/連写フラグを『低速連写』(本実施例では第二の撮影モードに含む)に設定するとともに、水平ブランキング時間設定を第2の水平ブランキング時間HBLK2に設定(例えば、図3におけるT6’を16μsecに設定)する。
ステップS3113は、単写/連写フラグを『高速連写』(本実施例では第一の撮影モード)に設定するとともに、水平ブランキング時間設定を第1の水平ブランキング時間HBLK1に設定(例えば、図3におけるT6’を4μsecに設定)する。
上記ステップS3111乃至S3113における単写/連写フラグおよび水平ブランキング時間の設定状態は、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶される。
また、上記ステップS3111乃至S3113における第1の水平ブランキング時間HBLK1と第2の水平ブランキング時間HBLK2の関係は“HBLK1<HBLK2”である。
なお、本実施例では水平ブランキング期間の内、図2に示す『S読み』のT6’期間を変化させる方式を取るが、本発明はこれに制限されることではなく、電源の影響を受けると想定されるタイミングでの安定時間待ちを変化させること、例えば、“『N読み』T2’時間を変化させる”等の手法で安定時間をもつこと、また複数の時間(T2’およびT6’等)を条件によって変化することも同様の効果を得られることを明示しておく。
また、本実施例は、単写および低速連写を同一の水平ブランキング時間に設定し、高速連写時のみ長めの水平ブランキング時間を設定しているが、本発明はそれに限られたものではなく、例えば、3つのモードが各々別の水平ブランキング時間を設定可能であったり、単写だけ水平ブランキング時間が異なったり、モードの種類が三段階でない場合等も含まれるものであることを明示しておく。
ステップS3114は、予め不揮発性メモリ56内に記憶されているシェーディング補正データのうち、第2の水平ブランキング時間HBLK2に対応した第2のシェーディング補正データData(shd)02を使用するデータとしてメモリ30の所定領域に設定・展開する。
ステップS3115も、該ステップS3114と同様に、予め不揮発性メモリ56内に記憶されているシェーディング補正データのうち、第2の水平ブランキング時間HBLK2に対応した第2のシェーディング補正データData(shd)02を使用するデータとしてメモリ30の所定領域に設定・展開する。
ステップS3115は、予め不揮発性メモリ56内に記憶されているシェーディング補正データのうち、第1の水平ブランキング時間HBLK1に対応した第1のシェーディング補正データData(shd)01を使用するデータとしてメモリ30の所定領域に設定・展開する。
なお、本実施例は、単写および低速連写が設定された場合に、同様の水平ブランキング時間および同様のシェーディング補正データを使用するよう説明しているが、本発明はそれに限定するものではなく、例えば、単写と低速連写で別々の水平ブランキング時間およびシェーディング補正データを使用しても、何ら本発明の意図に反するものではない。
ステップS3117は、表示部54を用いて画像や音声により画像処理装置100の各種設定状態の表示を行う。ここで、画像表示部28の画像表示スイッチがONである場合、画像表示部28を用いて画像や音声により画像処理装置100の各種設定状態を表示するようにしてもよい。
ステップS3118は、シャッタースイッチSW1が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が押されていない場合、ステップS3102の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が押されている場合は、ステップS3119へ移行する。
ステップS3119は、測距処理を行って撮影レンズ310の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値およびシャッター速度を決定する測距・測光処理を行う。
測光処理では、必要であればフラッシュの設定を行う。この測距・測光処理の詳細については、既に図6で説明済みである。
ステップS3120では、該ステップS3111乃至S3116で設定された水平ブランキング時間の情報(HBLK1乃至HBLK2)をメモリ30の所定領域に展開する。この補正データの展開終了後、ステップS3121の処理に移行する。
ステップS3121は、シャッタースイッチSW2が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW2が押されていない場合はステップS3122へ、シャッタースイッチSW2が押されている場合はステップS3123へ移行する。
ステップS3122は、シャッタースイッチSW1が離されたか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が離されていない場合ステップS3121へ戻り、シャッタースイッチSW1が離されるとステップS3102へ移行する。
ステップS3123は、システム制御回路50は、撮影した画像データの記憶可能な画像記憶バッファ領域がメモリ30にあるか否かを判別し、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に新たな画像データの記憶可能な領域がないと判別された場合はステップS3124へ、新たな画像データの記憶可能な領域があると判別された場合はステップS3125へ移行する。
ステップS3124は、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後、ステップS3102の処理に戻る。
例えば、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に記憶可能な最大枚数の連写撮影を行った直後であり、メモリ30から読み出して記憶媒体200、210に書き込むべき最初の画像がまだ記憶媒体200、210に未記録な状態であり、まだ1枚の空き領域もメモリ30の画像記憶バッファ領域上に確保できない状態である場合などである。
尚、撮影した画像データを圧縮処理してからメモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶する場合、圧縮した後の画像データ量が圧縮モードの設定に応じて異なることを考慮して、記憶可能な領域がメモリ30の画像記憶バッファ領域上にあるか否かをステップS119の処理で判断することになる。
ステップS3125は、システム制御回路50は、撮像して所定時間蓄積した撮像信号を撮像素子14から読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20およびメモリ制御回路22を介して、あるいはA/D変換器16から直接、メモリ制御回路22を介して、メモリ30の所定領域に撮影した画像データを書き込む撮影処理を実行する。
なお、本ステップでは図2で説明済みの撮像素子の動作をステップS3111乃至ステップS3113で設定された水平ブランキング時間に即して行っている。
ステップS3126は、現像処理であり、ステップS3114乃至S3116で展開した水平ダークシェーディング補正データを用いて減算処理を行う。
該現像処理に用いる水平ダークシェーディング補正データを設定された水平ブランキング時間に応じた補正データを用いることで撮影条件に応じた画像補正をすることができる。
ステップS3127は、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データを読み出して、設定されたモードに応じた画像圧縮処理を圧縮・伸長回路32により行い、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みを行う。
ステップS3128は、システム制御回路50は、メモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶された画像データを読み出し、インターフェース90、94、コネクタ92、96を介して、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体200、210に読み出した画像データを書き込む記録処理を開始する。
この記録開始処理は、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。
尚、記録媒体200、201に画像データの書き込みを行っている間、書き込み動作中であることを示すために、表示部54に例えばLEDを点滅させる等の記録媒体書き込み動作表示を行う。
ステップS3129では、システム制御回路50は、シャッタースイッチSW1が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が離された状態である場合はステップS3102の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が押された状態である場合はステップS3130へ移行する。
ステップS3130は、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶された単写/連写フラグの状態を判別し、単写が設定されていた場合はステップS3129の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が離されるまで現在の処理を繰り返す。一方、連写(高速連写および低速連写)が設定されていた場合は、ステップS3121の処理に戻り、次の撮影に備える。これにより、撮影に関する一連の処理が終了する。
(第7の実施例)
本発明の第7の実施例は、上記第6の実施例の変形例である。
なお、本実施例は先に説明した本発明第2の実施例乃至第6の実施例と同様に、本発明第1の実施例と重複する点が多い為、異なる部分のみを説明する。
本実施例では、図1乃至図3は本発明の第1の実施例と同様である為、ここでの説明を割愛する。
図15および図16は本発明の第7の実施例における画像処理装置100の撮影動作処理手順を示すフローチャートである。この処理プログラムは不揮発メモリ56などの記憶媒体に格納されており、メモリ52にロードされてシステム制御回路50内のCPUによって実行される。
S4101は、電池交換などの電源投入により、システム制御回路50はフラグや制御変数等を初期化し、画像処理装置100の各部に対して必要な所定の初期設定を行う。
S4102は、システム制御部50は、電源スイッチ72の設定位置を判別し、電源スイッチ72が電源OFFに設定されているか否かを判別する。
ステップS4103は、電源スイッチ72が電源OFFに設定されている場合、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数などを含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録し、電源制御部80により画像表示部28を含む画像処理装置100各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後、ステップS3102の処理に戻る。
ステップS4104は、電源スイッチ72が電源ONになった際、いわゆる撮像装置の起動時に、システム制御回路50はシャッター12を閉じた状態で所定時間の蓄積を行い、蓄積を終えたノイズ画像信号を読み出すダーク取り込み処理を行い、且つ、取り込んだ該ノイズ画像から第1のシェーディング補正データData(shd)01を作成し、不揮発性メモリ56に記録する。
本実施例では、該ステップS4104でのノイズ画像の取り込みは第1の撮影モードである高速連写時と同等の水平ブランキング時間HBLK1で行うものとする。
ステップS4105は、既に設定されているISO感度等の設定情報の読み出しを行う。
ステップS4106は、ステップS4102で電源スイッチ72が電源ONに設定されていた場合、システム制御回路50は電源制御部80により電池などの電源86の残容量や動作状況が画像処理装置100の動作に問題があるか否かを判別し、問題があると判別された場合はステップS4107へ、問題がないと判別された場合はステップS4108へ移行する。
ステップS4107は、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後、ステップS4102の処理に戻る。
ステップS4108は、モードダイアルスイッチ60の設定位置を判断し、モードダイアルスイッチ60が撮影モードに設定されているか否かを判別し、モードダイアルスイッチ60がその他のモードに設定されている場合は、ステップS4109へ、モードダイアルスイッチ60が撮影モードに設定されている場合はステップS4110へ移行する。
ステップS4109は、選択されたモードに応じた処理を実行し、実行後にステップS4102の処理に戻る。
ステップS4110は、記録媒体200、201が装着されているか否かの判断、記録媒体200、201に記録された画像データの管理情報の取得、および記録媒体200、201の動作状態が画像処理装置100の動作、特に記録媒体に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否かを判別し、問題があると判別された場合は既に説明済みであるステップS4107へ、問題がないと判別された場合はステップS4111へ移行する。
ステップS4111は、単写撮影/連写撮影を選択する単写/連写スイッチ68の選択状態を調べる。
本ステップS4111では、単写撮影が選択されている場合はステップS4112へ、低速連写撮影が選択されている場合はステップS4113へ、高速連写撮影が選択されている場合はステップS4114へ移行する。
ステップS4112は、単写/連写フラグを『単写』(本実施例では第二の撮影モード)に設定するとともに、水平ブランキング時間設定を第2の水平ブランキング時間HBLK2に設定(例えば、図3におけるT6’を16μsecに設定)する。
ステップS4113は、単写/連写フラグを『低速連写』(本実施例では第二の撮影モードに含む)に設定するとともに、水平ブランキング時間設定を第2の水平ブランキング時間HBLK2に設定(例えば、図3におけるT6’を16μsecに設定)する。
ステップS4114は、単写/連写フラグを『高速連写』(本実施例では第一の撮影モード)に設定するとともに、水平ブランキング時間設定を第1の水平ブランキング時間HBLK1に設定(例えば、図3におけるT6’を4μsecに設定)する。
上記ステップS4112乃至S4114における単写/連写フラグおよび水平ブランキング時間の設定状態は、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶される。
また、上記ステップS4112乃至S4114における第1の水平ブランキング時間HBLK1と第2の水平ブランキング時間HBLK2の関係は“HBLK1<HBLK2”である。
なお、本実施例では水平ブランキング期間の内、図2に示す『S読み』のT6’期間を変化させる方式を取るが、本発明はこれに制限されることではなく、電源の影響を受けると想定されるタイミングでの安定時間待ちを変化させること、例えば、“『N読み』T2’時間を変化させる”等の手法で安定時間をもつこと、また複数の時間(T2’およびT6’等)を条件によって変化することも同様の効果を得られることを明示しておく。
また、本実施例は、単写および低速連写を同一の水平ブランキング時間に設定し、高速連写時のみ長めの水平ブランキング時間を設定しているが、本発明はそれに限られたものではなく、例えば、3つのモードが各々別の水平ブランキング時間を設定可能であったり、単写だけ水平ブランキング時間が異なったり、モードの種類が三段階でない場合等も含まれるものであることを明示しておく。
ステップS4115は、表示部54を用いて画像や音声により画像処理装置100の各種設定状態の表示を行う。ここで、画像表示部28の画像表示スイッチがONである場合、画像表示部28を用いて画像や音声により画像処理装置100の各種設定状態を表示するようにしてもよい。
ステップS4116は、シャッタースイッチSW1が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が押されていない場合、ステップS3102の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が押されている場合は、ステップS3119へ移行する。
ステップS4117は、測距処理を行って撮影レンズ310の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値およびシャッター速度を決定する測距・測光処理を行う。
測光処理では、必要であればフラッシュの設定を行う。この測距・測光処理の詳細については、既に図6で説明済みである。
ステップS4118では、該ステップS4112乃至S4114で設定された水平ブランキング時間の情報(HBLK1乃至HBLK2)をメモリ30の所定領域に展開する。この補正データの展開終了後、ステップS3121の処理に移行する。また、本ステップS4118では、該ステップS4104で取得した水平ダークシェーディング補正データData(shd)01も不揮発性メモリ56から読み出し、メモリ30の所定領域に展開する。この補正データの展開終了後、ステップS4119の処理に移行する。
ステップS4119は、シャッタースイッチSW2が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW2が押されていない場合はステップS4120へ、シャッタースイッチSW2が押されている場合はステップS4121へ移行する。
ステップS4120は、シャッタースイッチSW1が離されたか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が離されていない場合ステップS4119へ戻り、シャッタースイッチSW1が離されるとステップS4102へ移行する。
ステップS4121は、システム制御回路50は、撮影した画像データの記憶可能な画像記憶バッファ領域がメモリ30にあるか否かを判別し、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に新たな画像データの記憶可能な領域がないと判別された場合はステップS4122へ、新たな画像データの記憶可能な領域があると判別された場合はステップS4123へ移行する。
ステップS4122は、表示部54に画像の表示や音声の出力により所定の警告を行った後、ステップS4102の処理に戻る。
例えば、メモリ30の画像記憶バッファ領域内に記憶可能な最大枚数の連写撮影を行った直後であり、メモリ30から読み出して記憶媒体200、210に書き込むべき最初の画像がまだ記憶媒体200、210に未記録な状態であり、まだ1枚の空き領域もメモリ30の画像記憶バッファ領域上に確保できない状態である場合などである。
尚、撮影した画像データを圧縮処理してからメモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶する場合、圧縮した後の画像データ量が圧縮モードの設定に応じて異なることを考慮して、記憶可能な領域がメモリ30の画像記憶バッファ領域上にあるか否かをステップS119の処理で判断することになる。
ステップS4123は、システム制御回路50は、撮像して所定時間蓄積した撮像信号を撮像素子14から読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20およびメモリ制御回路22を介して、あるいはA/D変換器16から直接、メモリ制御回路22を介して、メモリ30の所定領域に撮影した画像データを書き込む撮影処理を実行する。
なお、本ステップでは図2で説明済みの撮像素子の動作をステップS4112乃至ステップS4114で設定された水平ブランキング時間に即して行っている。
ステップS4124は、単写撮影/連写撮影を選択する単写/連写スイッチ68の選択状態を調べる。
本ステップS4124では、第1の撮影モードである高速連写撮影が選択されていた場合はステップS4125へ、高速連写撮影が選択されていない(第2の撮影モードが選択されている)場合はステップS4126へ移行する。
ステップS4125は、該ステップS4104と同様に、システム制御回路50はシャッター12を閉じた状態で所定時間(もしくは本撮影と同じ時間)の蓄積を行い、蓄積を終えたノイズ画像信号を読み出すダーク取り込み処理を行い、且つ、取り込んだ該ノイズ画像から第2のシェーディング補正データData(shd)02を作成し、不揮発性メモリ56に記録し、且つ、メモリ52に使用するシェーディング補正データとして展開・設定する。
本実施例では、該ステップS4125でのノイズ画像の取り込みは第2の撮影モードである高速連写時と同等の水平ブランキング時間HBLK2で行うものとする。
ステップS4126は、現像処理であり、ステップS4104もしくはS4125で展開した水平ダークシェーディング補正データを用いて減算処理を行う。
該現像処理に用いる水平ダークシェーディング補正データを設定された水平ブランキング時間に応じた補正データを用いることで撮影条件に応じた画像補正をすることができる。
ステップS4127は、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれた画像データを読み出して、設定されたモードに応じた画像圧縮処理を圧縮・伸長回路32により行い、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みを行う。
ステップS4128は、システム制御回路50は、メモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶された画像データを読み出し、インターフェース90、94、コネクタ92、96を介して、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体200、210に読み出した画像データを書き込む記録処理を開始する。
この記録開始処理は、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。
尚、記録媒体200、201に画像データの書き込みを行っている間、書き込み動作中であることを示すために、表示部54に例えばLEDを点滅させる等の記録媒体書き込み動作表示を行う。
ステップS4129では、システム制御回路50は、シャッタースイッチSW1が押されているか否かを判別し、シャッタースイッチSW1が離された状態である場合はステップS4102の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が押された状態である場合はステップS4130へ移行する。
ステップS4130は、システム制御回路50の内部メモリあるいはメモリ52に記憶された単写/連写フラグの状態を判別し、単写が設定されていた場合はステップS4129の処理に戻り、シャッタースイッチSW1が離されるまで現在の処理を繰り返す。一方、連写(高速連写および低速連写)が設定されていた場合は、ステップS4119の処理に戻り、次の撮影に備える。これにより、撮影に関する一連の処理が終了する。
前記本発明の第6の実施例乃至第7の実施例は予め記憶されたシェーディング補正データは温度に関係なく撮影モードのみで決定しているが、当然、温度を測定し、該温度の測定結果によってシェーディング補正データの変更や補正をかけても何ら本発明の意図に反するものではない。
また、例えば、温度が基準(例えば常温)の場合は第6の実施例のように予め記憶されたシェーディング補正データを用い、温度が基準でない(例えば高温や低温)場合に第7の実施例のように起動時や撮影時にシェーディング補正データを取得するシーケンスの使い分けをすることで、本発明をより効果的にすることが可能となる。
なお、本発明の実施例では全てCMOS型エリアセンサを例にとって説明しているが、CCD型エリアセンサ等どのようなエリアセンサであってもかまわない。