JP2005321930A - 非接触型データ受送信体並びにそのキャパシタンス調整方法及びそのキャパシタンス調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アンテナ体からなる導電回路のキャパシタンス調整として、受理層上に導電部を形成して導電回路に導電部を増設する際、導電部から受理層へ移行して欲しい成分の受理層への移行が容易であり、設計通りの導電部の形成が可能な非接触型データ受送信体並びにそのキャパシタンス調整方法及びそのキャパシタンス調整装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る非接触型データ受送信体10は、基材11上のICチップ13とアンテナ体14からなる導電回路のキャパシタンスを、検査装置を用いて測定し、設計値との差分を評価し、前記導電回路に対してインクジェット法により受理層17を形成した後、受理層17上に連続して導電部15を形成することによって、導電部15から不要成分の受理層17への移行が容易になり、設計度通りの導電部15が形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外部からのデータの読み書きや電力の供給を電磁波等によって非接触で行う非接触型データ受送信体と、この非接触型データ受送信体におけるキャパシタンス調整方法及びそのキャパシタンス調整装置に関する。
本発明に係る非接触型データ受送信体は、ICを搭載したカードやタグなどに好適に用いられる。
近年、非接触ICタグやRF−ID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電磁波を媒体として外部から情報を受信し、また外部に情報を送信できるようにした非接触型データ受送信体が提案されている。
図3は、従来の非接触型データ受送信体の一例を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C´における断面図、(c)は(a)のD−D´における断面図をそれぞれ表す。従来の非接触型データ受送信体100は、基材111の一方の面112上にループ状としたアンテナ体114を配置し、このアンテナ体114にICチップ113を実装した構造を備えている。また、非接触型データ受送信体100には、外部の読み取り書き込み装置との間で所定の周波数からなる電磁波を介在させてデータのやり取りを行うために、予め共振周波数が定められている。
この特定の共振周波数が得られるようにするため、従来の非接触型データ受送信体100を構成するアンテナ体114は、予めその内側(114aの内側を指す)あるいは外側(114cの外側を指す)にコンデンサとして機能する導電部(不図示)を連続したパターンにして比較的広く配置し、所望のコンデンサ容量となるようにその導電部(不図示)を一部で分断することによって、アンテナ体114が全体として有する静電容量を調整し、これにより所定の共振周波数が得られるようにする方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1の方法では静電容量の調整が容易である反面、基材111の一方の面112上にアンテナ体114を作製する際に、後に切断する導電部(不図示)を予め作製しておく必要がある。非接触型データ受送信体100に電磁誘導効果で電圧を生じさせて通信機能が作動する場合、上記導電部(不図示)はアンテナ体114の周回部すなわちコイルの内側領域に配置され、多大な面積を専有しているので、この導電部(不図示)は電磁波を遮蔽することとなり、その結果、通信機能が劣化するという問題が内在することが分かった。
また、上述した導電部(不図示)は、アンテナ体114を作製する際に予め作製しておく必要があるので、おのずとキャパシタンスの調整範囲や調整間隔が限られることから、上記導電部(不図示)を全て切断しても所定の共振周波数に調整できない恐れもあった。
そこで、発明者は、図4に示したように、インクジェット法によってアンテナ体214に導電部215を増設してキャパシタンスを調整する方法を別途提案している。
図4は、発明者が別途提案している非接触型データ受送信体の一例を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のE−E´における断面図、(c)は(a)のF−F´における断面図をそれぞれ表す。図4に示した非接触型データ受送信体は、アンテナ体の一箇所に導電部を増設した場合を示している。
図4(a)に示すように、非接触型データ受送信体200は、第一の絶縁部材からなる基材211と、基材211の一方の面212上に配置され、データの記憶、処理および通信の制御を行うICチップ213と、ICチップ213に両端部が接続され導電部材からなるアンテナ体214とを予め備えており、ICチップ213とアンテナ体214は導電回路を構成している。また、この導電回路をなすアンテナ体214に対して、後付でインクジェット法により導電部形成用インクを用いて増設された導電部215を備えている。
ここで、後工程において導電部215を導電部形成用インクで形成するために、少なくとも導電部215を設ける領域にあたる基材211の一方の面112上には、予め受理層(不図示)が設置されている。
図4(b)及び図4(c)に示すように、非接触型データ受送信体200を構成するアンテナ体214の一箇所に電気的に接続された導電部215は線状の形態をなし、一方の端部がアンテナ体214の内周部と接触し、一方の端部以外はアンテナ体214を構成する内周部とは離して設けられ、他方の端部が開放された状態にある。
一方の端部以外は必要に応じてその面積や厚さ、形状を調整することにより、キャパシタンスの調整範囲を自由に変えることができる。図4には導電部215がアンテナ体214を構成する内周部に接続された例を示したが、中周部214bや外周部214cに接続してもよく、その場合には、後工程で導電部215を設ける領域にあたる基材211の一方の面212上に、導電部215形成前に予め受理層(不図示)を設けておくことは、内周部に導電部215を設ける場合と同様である。
しかしながら、この方法では、受理層(不図示)を予め前工程で設けておくため、受理層(不図示)の表面には酸化皮膜が生じ易く、この酸化皮膜は、導電性インクから受理層へ浸透して欲しい成分の移動を阻むように働くため、導電部215の中に、受理層(不図示)へ浸透して欲しい成分が残存した状態になり易く、ゆえに設計通りの導電性を持つ導電部215を形成することが困難であることが分かった。
また、受理層(不図示)表面の酸化皮膜は、保管雰囲気や保管時間により酸化皮膜の発生状況が異なるため、安定した導電部215の形成を阻害する要因となっていた。
特開平11−353440号公報(図1)
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、導電性インクから受理層へ浸透して欲しい成分の移動を促す受理層上にキャパシタンス調整用の導電部を設けることにより、安定したキャパシタンスの調整を可能にする非接触型データ受送信体並びにそのキャパシタンス調整方法及びそのキャパシタンス調整装置を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するために、請求項1にかかる発明は、基材上に予め導電回路が配設されている非接触型データ受送信体であって、前記導電回路に少なくとも一部が接するように前記基材上に配してなる受理層と、該受理層に対応して、前記導電回路に少なくとも一部が接するように前記受理層上に配してなる導電部とを具備していることを特徴とする非接触型データ受送信体である。
上記非接触型データ受送信体は、かかる構成を有することにより、導電部を形成する導電性インクから受理層へ浸透して欲しい成分の移動を促す受理層を、導電部ごとに選択して設けることができる。従って、導電部が所望の導電特性を安定してもつので、精度の高いキャパシタンスの調整が可能となる。
また、予め基材上に配設されているアンテナ体として機能する導電回路に、後付で受理層を配設し、さらにその上に連続的に受理層に対応させて導電部を形成する構成をなしているので、追加される導電部が必要最小限になるように設けることが可能となり、従来のように、キャパシタンスを調整するために導電部を予め基材上に設けておく必要がないので、残存する導電部が電磁波を遮蔽し、通信機能を劣化させるという問題を必要最小限に抑えることができる。
本発明に係る非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法は、基材上に予め導電回路が配設されている非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法であって、前記導電回路のキャパシタンスを測定し、設計値との差分を評価する第一工程と、前記差分に基づき、前記基材上において導電部を増設する領域に対してインクジェット法により受理層形成用インクで受理層を形成する第二工程と、前記受理層上にインクジェット法により導電部形成用インクを用いて導電部を増設する第三工程と、を具備したことを特徴としている。
かかる構成によれば、第一工程において、アンテナ体の共振周波数を評価して所望の設計仕様との差分を把握し、第二工程では、前記差分に基づき、前記基材上において導電部を増設する領域に受理層を形成し、第三工程では、前記受理層上に前記第一工程で求まった差分を補正すべく、大気中でインクジェット法によりアンテナ体をなす導電回路に導電部を増設する。この3つの工程を経るか、あるいはこの3つの工程を繰り返すことにより、アンテナ体の共振周波数を所望の共振周波数に近づけることができる。この調整方法では、導電部は大気中で動作するインクジェット法により形成されるので、減圧雰囲気で成膜する装置が不要になり低コスト化も図れる。
かかる構成からなる非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法においては、前記導電部形成用インクとして、(a)導電性微粒子コロイド、(b)炭素数6以下のケトン類、(c)多価アルコール、および(d)水を含む、金属微粒子コロイド含有インクが好適に用いられる。
また、かかる構成からなる非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法においては、課題を解決するために、前記受理層形成用インクとして、分散安定物質含有溶剤またはバインダに分散されたコロイダルシリカを含有するインクが望ましい。
本発明に係る非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整装置は、基材上に予め配設されている導電回路のキャパシタンスを測定し、設計値との差分を評価する第一手段と、前記第一手段により求められた差分に基づき、前記基材上において導電部を増設する領域に対してインクジェット法により受理層を形成する第二手段と、前記受理層上に前記第一工程で求まった差分を補正すべく、インクジェット法によりアンテナ体をなす導電回路に導電部を増設する第三手段とを、具備したことを特徴としている。
かかる構成によれば、第一手段により導電回路が設計値通りのキャパシタンスを備えているか否かを把握し、第二手段により必要箇所に受理層を形成し、第三手段により第一手段により求めた設計値との差分を埋めるために導電部を付け加えることができる。
かかる構成からなる非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整装置において、前記第三手段は、異なる導電特性を有する導電インクを個別に収納する部位を備えていることが好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、予め基材上に設けられているアンテナ体の共振周波数を評価し、必要に応じて受理層を設けた後、連続して速やかに導電部を設ける構成を採用したことにより、予め受理層が形成されていない基材への適用も可能であり、さらに、受理層上の酸化皮膜の形成が抑えられるため、導電部から受理層へ移行して欲しい成分の受理層への移行が容易であり、設計通りの導電部が形成でき、外部との通信機能の信頼性の高い非接触型データ受送信体を提供できる。
また、本発明に係る非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法は、アンテナ体のキャパシタンスの調整範囲や調整間隔を、インクジェット法により受理層を設けた後、該受理層上に同じくインクジェット法により導電部を形成するので、導電部の導電性等を設計通りに形成することが容易であり、信頼性の高い導電部の形成が可能である。
さらに、受理層の形成は、導電部形成部の下地のみに直前に形成されるため、受理層形成用インクの使用量も最小限に抑えられ、受理層の劣化による性能低下も無く、高感度で、高品質な通信機能を備えるとともに、大量生産した際に、良品率を向上させることが可能な非接触型データ受送信体を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図を用いて詳しく説明する。
図1は、本発明に係る非接触型データ受送信体の一例を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A´における断面図、(c)は(a)のB−B´における断面図をそれぞれ表す。図1に示した非接触型データ受送信体は、アンテナ体の一箇所に接するように、下地に受理層を形成し、その受理層上に導電部を形成して、導電部の一端をアンテナ体に電気接続した場合を示している。
図1(a)に示すように、非接触型データ受送信体10は、第一の絶縁部材からなる基材11と、基材11の一方の面12上に配置され、データの記憶、処理および通信の制御を行うICチップ13と、ICチップ13に両端部が接続され導電材からなるアンテナ体14とを予め備えおり、ICチップ13とアンテナ体14は導電回路を構成している。
また、この導電回路をなすアンテナ体14に対して、後付で受理層形成用インクを用いてインクジェット法により形成された受理層17上に、同じくインクジェット法により導電部形成用インクを用いて増設された導電部15を備えている。
ここで、アンテナ体14を構成する外周部の端部は、アンテナ体14の上方に設けた第二の絶縁部材16上を通してICチップ13に接続してあり、アンテナ体14を構成する内周部の端部は直接ICチップ13に接続されている。
図1(b)および図1(c)に示すように、非接触型データ受送信体10を構成するアンテナ体14の一箇所に電気的に接続された導電部15は受理層17上に形成されており、導電部15の一方の端部がアンテナ体の内周部14aに接続され、一方の端部以外はアンテナ体を構成する内周部14aとは離して設けられ、他方の端部が開放された状態にある。
導電部15の一方の端部以外は必要に応じてその面積や厚さ、形状を調整することができ、これにより、キャパシタンスの調整範囲を自由に変えることが可能となる。
図1(b)および図1(c)では、下層の受理層17と上層の導電部15の形状、面積がほぼ同一になっているが、下層の受理層17を少し大きく形成しておいても良い。
また、図1には導電部15がアンテナ体を構成する内周部14aに接続された例を示したが、中周部14bや外周部14cに接続されてもよく、その場合には、後工程で導電部15を設ける領域にあたる基材11の一方の面12上に導電部15形成の直前に受理層17を設けることは、内周部に導電部15を設ける場合と同様である。
図2は、本発明に係る非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法の一例を示す図であり、上述した非接触型データ受送信体10の構成例に適用した場合である。
図2(a)は、基材21の一方の面22上にICチップ23と、ICチップ23に両端部が接続されたアンテナ体24とが予め配され、ICチップ23とアンテナ体24が導電回路を構成している状態を表している。
図2(b)は、検査装置(R/Wと表記)28を用いて、予め基材21上に配した導電回路のキャパシタンスを測定し、設計値との差分を評価する第一工程を表している。
図2(c)は、第一工程で求まった差分に基づき、前記基材21上の導電部25を形成する領域に対してインクジェット法により受理層形成用インクを用いて受理層22を形成する第二工程を表している。第二工程では、ヘッド29Aから受理層形成用インクを噴射させて、後の導電部25形成位置に対応する部分に受理層22を形成する。
図2(d)は、受理層22を形成後、受理層22上に連続して導電性インクを用いて導電部25を形成する第三工程を表している。第三工程では、第一工程で求められた設計値との差分に基づいて、必要とされる導電部25を求め、その分をヘッド29Bから導電部形成用インクを噴射させて、導電部25の一方の端部をアンテナ体24の一端に接続させ、他の端部をアンテナ体24から離して形成する。
その後、図2(b)、図2(c)および図2(d)を必要に応じて繰り返すことにより、設計値との差分をさらに縮めることが可能であり、所望の共振数波数を有する非接触型データ受送信体20を得ることができる。
本発明で用いる受理層形成用インクは、後工程で導電部25が形成される直前に、導電部25を形成する領域に対応する部分に噴射されるが、シリカが必須成分であり、ナノオーダーのシリカ粒子を、適当な分散安定物質を配合した溶剤あるいはバインダに分散させたコロイダルシリカなどを用いることができる。
本発明で用いる導電部形成用インクは、熱硬化型、光硬化型、あるいは電子線硬化型のバインダと導電性微粒子を必須成分とする導電性インク、導電性微粒子の表面にバインダをコーティングした導電性微粒子、ナノオーダーの金属微粒子を適当な分散安定物質により溶剤あるいはバインダに分散させたコロイドペ−ストなどの公知のものを用いることができるが、金属ナノコロイドがより好ましい。金属種は公知のものを用いることができ、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなどから選択することができる。
本発明のインクの成分としては、上記のシリカ粒子コロイド、導電性微粒子コロイド、ケトン類、多価アルコール、水などが挙げられる。
シリカ粒子および導電性微粒子の粒径は、1nm以上かつ50nm以下であることを特徴とするが、導電性微粒子の方がシリカ粒子よりも粒径が大きい方が望ましい。また、シリカ粒子、導電性微粒子の、それぞれのインク全量に対する含有量は、好ましくは5質量%以上かつ25質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上かつ20質量%以下である。
ケトン類は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられ、特に導電性微粒子コロイド含有インクジェット用インクに配合されるケトン類は、全炭素数が6以下であることを特徴とする。また、ケトン類のインク全量に対する含有量は、好ましくは0.5質量%以上かつ2.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以上かつ2.0質量%以下である。
多価アルコール類は、エチルグリコール、グリセリンおよびこれらの誘導体(モノエーテルなど)が挙げられる。また、多価アルコールのインク全量に対する含有量は、好ましくは5質量%以上かつ25質量%以下、より好ましくは10質量%以上かつ20質量%以下である。
基材は、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の無機または有機繊維からなる織布、不織布、マット、または紙あるいはこれらを組み合わせたもの、あるいはこれらに樹脂ワニスを含浸させて形成した複合基材、ポリアミド系樹脂基材、ポリエステル系樹脂基材、ポリオレフィン系樹脂基材、ポリイミド系樹脂基材、エチレン・ビニルアルコール共重合体基材、ポリビニルアルコール系樹脂基材、ポリ塩化ビニル系樹脂基材、ポリ塩化ビニリデン系樹脂基材、ポリスチレン系樹脂基材、ポリカーボネート系樹脂基材、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系樹脂基材、ポリエーテルスルホン系樹脂基材などのプラスチック基材、あるいはこれらにマット処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、フレームプラズマ処理およびオゾン処理、公知のインクジェット受理層塗工、あるいは各種易接着剤などの表面処理を施したもの、などの公知のものから選択して用いることができる。
必要に応じて、導電材を固定化するためには、熱、光を含む電磁波、電子線を用いることができ、これらの方法を混成して行っても良い。加熱法は公知の方法を用いても良く、赤外線や高周波などを併用しても良い。赤外から紫外光の波長範囲の一般的な光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極放電ランプ、エキシマランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、各種レーザー、半導体レーザーなど公知のものを使用することが出来る。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(受理層形成用シリカコロイドの調整)
コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスシリーズ(日産化学工業(株))を主成分(50質量部)とし、トリエチレングリコールモノメチルエーテル30質量部、1,5−ペンタンジオール2質量部、n−プロパノール5質量部、蒸留水13質量部を加えて調整した。
[導電部形成用銀微粒子コロイドの調製]
硝酸酸性の100mM硝酸銀水溶液100mlに保護コロイド(商品名:ディスパービック180、ビックケミー社製)を5g溶解させ、保護コロイドが完全に溶解してから、トリエタノールアミンを5ml加え、鮮やかで濃厚な黄色の銀微粒子コロイド溶液を得た。得られた銀微粒子コロイド溶液を濃縮して固形分30質量%の銀微粒子コロイドを調製した。この銀微粒子コロイドは、1ヶ月程度の長期貯蔵しても、色の変化や沈殿の生成がなく、極めて安定であった。
調製した銀微粒子コロイド(固形分:30質量%)50質量部、メチルエチルケトン1.5質量部、グリセリン16.5質量部、それに蒸留水32質量部を混合攪拌して、導電部形成用導電性微粒子コロイド含有インクを得た。
(受理層および導電部の形成)
導電回路のキャパシタンス、インピーダンスを測定後、受理層と導電部は以下のようにして形成した。
受理層形成用シリカコロイド含有インクを、キヤノン製インクカートリッジ型番:BCI21(バブルジェット(登録商標)方式のインクジェットプリンタ 型番:BJC−430用)に充填し、インクジェットノズルから噴射して受理層を形成したのち、前述の導電性微粒子コロイド含有インクを、キヤノン製インクカートリッジ型番:BCI21(バブルジェット(登録商標)方式のインクジェットプリンタ 型番:BJC−430用)に充填し、インクジェットノズルから噴射して導電部を形成した。
〔実施例2〕
本例に係る導電性微粒子コロイド含有インクは、実施例1で使用した銀微粒子コロイドに代えて金微粒子コロイドを用いた点のみが異なる。
(導電部形成用金微粒子コロイドの調製)
50mMの塩化金酸水溶液100mlに、分散剤(ソルスペース27000、ゼネカ社製)を6.0g溶解させ、分散剤を完全に溶解させてから、ジメチルアミノエタノールを2ml加え、鮮やかで濃厚な赤色の金コロイド溶液を得た。得られた金微粒子コロイド溶液を濃縮して固形分30質量%の金微粒子コロイドを調整した。この金微粒子コロイドは、1ヶ月程度の長期貯蔵をしても、色の変化や沈殿の生成が殆ど無く、極めて安定であった。
調整した金微粒子コロイド(固形分:30質量%)50質量部、メチルエチルケトン1.5質量部およびエチレングリコールモノエチルエーテル15.5質量部に、蒸留水33質量部を混合攪拌して、本発明の金属微粒子コロイド含有インクを得た。
(導電部の形成とキャパシタンスの調整)
この金属微粒子コロイド含有インクを、キヤノン製インクカートリッジ 型番:BCI21(バブルジェット(登録商標)方式のインクジェットプリンタ 型番:BJC−430用)に充填し、受理層上に噴射して、例えば、膜厚や面積を調整し、導電部を形成し、キャパシタンスの微調整を図った。
上述した実施例1、2より、予め基材上に設けてある導電回路の一端に、受理層を配設した後、受理層上に金属種をAg、Auとした導電性微粒子コロイド含有インクを用いて、連続的に導電部(例えば図1の導電部15)を後付で増設することにより、設計通りの導電部が形成されてキャパシタンスの調整が容易な非接触型データ受送信体が得られることが明らかとなった。
以上説明したように、本発明に係る非接触型データ受送信体は、予め基材上に設けてあるアンテナ体の共振周波数を評価し、必要に応じて受理層を配設した後、連続して導電部を付け加える構成を採用することにより、導電部から受理層への不要成分の移行が容易になり、設計性能に近い導電部を形成でき、キャパシタンスの調整が容易である。
よって、本発明は、外部との通信能の高い非接触型データ受送信体、すなわち従来よりも長い通信距離や高い通信感度を備えた非接触型データ受送信体の提供を可能とする。
また、本発明は、安価で簡便なインクジェット法を用いて、後付で設ける導電部によって、導電回路のキャパシタンスを適宜かつ自由に調整できるので、低コストで良品率の高い非接触型データ受送信体の提供に寄与する。
さらに、インクジェット法で用いる導電性インクとして、異なる導電特性のものを選択することにより、上記の調整範囲をより広くできるので、調整の自由度を向上できることから、例えば同一の製造ラインにて、異なる通信距離や通信感度を有する非接触型データ受送信体のフレキシブルな生産を可能とするので、さらなるコスト削減をもたらす。
本発明に係る非接触型データ受送信体の一例を示す模式図である。 本発明に係る非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法の一例を示す図である。 従来の非接触型データ受送信体の一例を示す模式図である。 本発明者が先に提案した非接触型データ受送信体の一例を示す模式図である。
符号の説明
10 非接触型データ受送信体、11 基材、12 基材の一方の面、13 ICチップ、14、14a、14b、14c アンテナ体、15 導電部、16 第二の絶縁体、17 受理層。

Claims (9)

  1. 基材上に予め導電回路が配設されている非接触型データ受送信体であって、
    前記導電回路に少なくとも一部が接するように前記基材上に配してなる受理層と、該受理層に対応して、前記導電回路に少なくとも一部が接するように前記受理層上に配してなる導電部とを具備していることを特徴とする非接触型データ受送信体。
  2. 前記受理層はシリカ粒子を含有してなり、前記シリカ粒子の平均粒径は、前記導電部を形成する導電性微粒子よりも小さいことを特徴とする請求項1記載の非接触型データ受送信体。
  3. 基材上に予め導電回路が配設されている非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法であって、
    前記導電回路のキャパシタンスを測定し、設計値との差分を評価する第一工程と、
    前記差分に基づき、前記基材上において導電部を増設する領域に対してインクジェット法により受理層形成用インクで受理層を形成する第二工程と、
    前記受理層上にインクジェット法により導電部形成用インクを用いて導電部を増設する第三工程と、
    を具備したことを特徴とする非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法。
  4. 前記導電部形成用インクとして、(a)導電性微粒子コロイド、(b)炭素数6以下のケトン類、(c)多価アルコール、および(d)水を含む、導電性微粒子コロイド含有インクを用いることを特徴とする請求項3記載の非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法。
  5. 前記受理層形成用インクとして、分散安定物質含有溶剤またはバインダに分散されたコロイダルシリカを含有するインクを用いることを特徴とする請求項3記載の非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法。
  6. 前記コロイダルシリカの粒径が1〜50nmであることを特徴とする請求項5記載の非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法。
  7. 前記導電性微粒子コロイドの粒径が1〜50nmであることを特徴とする請求項4記載の非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整方法。
  8. 基材上に予め導電回路が配設されている非接触型データ受送信体のキャパシタンスを調整する装置であって、
    前記導電回路のキャパシタンスを測定し、設計値との差分を評価する第一手段と、
    前記差分に基づき、前記基材上において導電部を増設する領域に対してインクジェット法により受理層形成用インクで受理層を形成する第二手段と、
    前記受理層上にインクジェット法により導電部形成用インクを用いて導電部を増設する第三手段と、
    を具備したことを特徴とする非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整装置。
  9. 前記第三手段は、異なる導電特性を有する導電部形成用インクを個別に収納する部位を備えていることを特徴とする請求項8記載の非接触型データ受送信体のキャパシタンス調整装置。

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