JP2005321599A - 面積階調画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、網点濃度を変更可能なプルーフ画像の形成方法において、特色等の網%が変化した時に起こる色調の不安定化を防止することができる面積階調画像形成方法を提供する。
【解決手段】 網点濃度とドットゲインを独立に制御する手段を有する面積階調画像形成方法において、画像形成で用いられる少なくともイエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像を形成するハロゲン化銀カラー感光材料が黒色コロイド銀を含有し、各色画像の濃度変化に対する網%が30%におけるドットゲインの変化が、マゼンタ画像<シアン画像<イエロー画像の順であることを特徴とする面積階調画像形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、印刷物の仕上がりを事前に確認するカラープルーフに関するものであり、詳しくは、網点濃度を変更可能なプルーフ画像の形成方法において、中間調ベタを用いた特色等の網%が変化しても見た目の色相を安定して再現することのできる面積階調画像形成方法に関する。
ハロゲン化銀カラー感光材料は、高感度であること、色再現性に優れていること、連続処理に適していることから今日盛んに用いられている。こうした特徴からハロゲン化銀カラー感光材料は、写真の分野のみではなく、印刷の分野でも、印刷の途中の段階で仕上がりの印刷物の状態をチェックするためのいわゆるカラープルーフの分野で広く用いられるようになってきている。
カラープルーフの分野では、コンピュータ上で編集された画像を印刷用フィルムに出力し、現像済みのフィルムを適宜交換しつつ分解露光することによってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各画像を形成させ、最終印刷物の画像をカラー印画紙上に形成させることにより、最終印刷物のレイアウトや色の適否を判断することが行われていた。
最近では、コンピュータ上で編集された画像を直接印刷版に出力する方式が徐々に普及してきており、このような場合にはコンピュータ上のデータからフィルムを介することなく直接カラー画像を得ることが望まれていた。
このような目的には、昇華型・溶融熱転写方式や電子写真方式、インクジェット方式等種々の方式の応用が試みられてきたが、高画質な画像が得られる方式では費用がかかり生産性が劣るという欠点があり、費用が少なくてすみ生産性に優れた方式では画質が劣るという欠点があった。ハロゲン化銀カラー感光材料を用いたシステムでは、優れた鮮鋭性等から、正確な網点画像が形成できるなど高画質な画像形成が可能であり、一方で上述したように連続した処理が可能であることや、複数の色画像形成ユニットに同時に画像を書き込む事ができることから高い生産性を実現することが可能であった。
近年、印刷の分野でいわゆるデジタル化が進みコンピュータ内のデータから直接画像を得る要求が強まっているが前記したような理由によって、ハロゲン化銀カラー感光材料がこの分野で有利に使われ始めている。
面積階調画像は、網点の濃度とヌケ(非網点部)の2値で表現することが基本となるが、プルーフ画像の形成にあたっては、濃度を変更できるように設計することにより非常に有用なプルーフシステムを提供することができる。この様なシステムとして、ハロゲン化銀カラー感光材料を用いた場合には、1回の露光、現像で画像形成が終了でき、何ら付加的な材料を必要としないことから非常に有用なシステムを構築することが可能であり、最も好ましい実施態様である。このため、以下の説明は、ハロゲン化銀カラー感光材料を用いたシステムを中心に説明する。
印刷においては、通常のプロセスカラーのみではなく、所望の仕上りに応じて特色と呼ばれるプロセスカラー以外の色のインキを使用することがある。この場合、特色は一つの版として扱われるが、従来のプロセスカラーのみの再現を行うプルーフシステムでは、本来一つの版であるべき特色をプロセスカラーの版に分解して再現するため、正確に検版できない。プルーフ画像形成方法において、網点部の濃度を変更できるようにしておくことにより、擬似的に特色に似せたを再現することができ、非常に有用なシステムを作ることが可能である。プルーフ画像の作製装置として、ハロゲン化銀カラー感光材料を用いる装置が提案されており、網点の濃度を可変にできることが開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。また、AOM(音響光学変調器)に印加するON、OFF電圧値を調整することにより透過する光量を調整することにより発色濃度を調整する、ハロゲン化銀カラー感光材料を用いるカラー画像校正装置について開示されており(例えば、特許文献1参照。)、これにより発色濃度、ヌケ部の濃度が可変となり印刷と近似した画像を形成することができ、特色印刷の校正が可能となることを開示している。しかし、これらは、網点部の濃度を変更可能とした面積階調画像形成方法において生じる、墨網等の網%が変化した場合に生じる色調の不安定化については述べられていないし、これを解決する手段につても何ら示唆もしていない。
デジタルデータに基づき面積階調画像を形成するシステムでは、網点をさらに小さな単位(ここではこれを画素と表現した)に分割し、この画素を適切な露光量で露光することによってその集合体として網点を再現することが可能である。例えとして簡単な例を挙げれば、1つの網点が100個の画素で構成されるのであれば、50個の画素を現像可能なように露光することにより50%の画素が発色した網点を形成することができる。画像データがもつ網%と再現された面積階調画像の網%の差をドットゲインと呼ぶが、露光する画素の数を調整することで任意にドットゲインを調整することが可能である。一方、直接変調したLEDを光源とする濃度とドットゲインを独立に調整する画像形成方法が開示されており(例えば、特許文献2参照。)、印刷画像との差異の小さいプルーフ画像が容易に得られることを開示している。しかし、このようなシステムにおいて、墨網等の網%が変化した場合に生じる色調の不安定化については何ら述べられていない。このようなシステムにおいて、連続出力した場合に起こる3色墨の網点部の色調が不安定化する現象が、光源を直接変調されたLEDとすることで改良されることを示しており(例えば、特許文献3参照。)、上記現象が直接的には露光装置の光源、光学系の特性に起因して起きる現象であることを示唆している。従って、本願の課題とは本質的に異なる現象であることがわかる。
反射支持体上の樹脂被覆層とハロゲン化銀乳剤層の間に、少なくとも一層の白色顔料を含有する親水性コロイド層を有し、かつハロゲン化銀乳剤層を有する側の樹脂被覆層が凹凸を有しており、該ハロゲン化銀カラー感光材料のウイナー・スペクトル特定の条件を満たすハロゲン化銀カラー感光材料により、適度な光沢性をもち、画像のディテールの描写、視感的な鮮鋭さに優れた写真プリントを得ることが可能な方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。また、前記特許文献3の実施例には、白色顔料層を有するハロゲン化銀カラー感光材料をデジタルカラープルーフに用いた例が開示されている。しかし、いずれも特色等の網%が変化した場合に生じる色相の不安定化に関しては何ら記載がなされてはおらず、また、解決の方法も示唆されていない。
特開平5−66557号公報 (特許請求の範囲) 特開2001−305701号公報 (特許請求の範囲) 特開2001−305701号公報 (特許請求の範囲、実施例) 特開平7−104592号公報 (特許請求の範囲) デジタルコンセンサスプロ パンフレット、コニカミノルタグラフィックイメージング(株)(2002)
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、網点濃度を変更可能なプルーフ画像の形成方法において、特色等の網%が変化した時に起こる色調の不安定化を防止することができる面積階調画像形成方法を提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
網点濃度とドットゲインを独立に制御する手段を有する面積階調画像形成方法において、画像形成で用いられる少なくともイエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像を形成するハロゲン化銀カラー感光材料が黒色コロイド銀を含有し、各色画像の濃度変化に対する網%が30%におけるドットゲインの変化が、マゼンタ画像<シアン画像<イエロー画像の順であることを特徴とする面積階調画像形成方法。
(請求項2)
前記シアン画像の網%が30%におけるドットゲインの変化が、前記マゼンタ画像の網%が30%におけるドットゲインの変化の1.1〜1.5倍であり、かつ前記イエロー画像の網%が30%におけるドットゲインの変化が、前記マゼンタ画像の網%が30%におけるドットゲインの変化の1.3〜1.8倍であることを特徴とする請求項1に記載の面積階調画像形成方法。
本発明によれば、網点濃度を変更可能なプルーフ画像の形成方法において、特色等の網%が変化した時に起こる色調の不安定化を防止することができる面積階調画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明を更に詳しく説明する。本発明の特徴の一つは、網点濃度とドットゲインを独立に制御する手段を有する面積階調画像形成方法にある。この画像形成方法の有用性等については既に述べたが、本発明者らは引き続き鋭意検討を行った結果、このようなシステムにおいて、画像形成で用いられる少なくともイエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像を形成するハロゲン化銀カラー感光材料が黒色コロイド銀を含有し、各色画像の濃度変化に対する網%が30%におけるドットゲインの変化が、マゼンタ画像<シアン画像<イエロー画像の順である面積階調画像形成方法により、網点濃度を変更可能なプルーフ画像の形成方法において、特色等の網%が変化した時に起こる色調の不安定化を防止することができることを見出し、本発明に至った次第である。
ハロゲン化銀カラー感光材料(以下、単に感光材料ともいう)の場合、露光量変化によって濃度を変化させうる領域を用いる必要があり、光源のダイナミックレンジとの兼ね合いから、露光量(自明でなければ、特に断らない場合は露光量の常用対数、logHを表す)と濃度の比が有意に変化する領域を用いる必要がある。この場合、濃度変化と露光量変化の比率として、2〜3の領域が用いられることがある。また、場合によっては4ないしそれ以上の領域が用いられることもある。このような系では、画素を露光した光は、周辺部で拡散により光量が低下するため、画素の周辺の濃度が低下することになる。また、2色以上の色を発色させた墨、特色等の場合、各色の画素の大きさが微妙に異なってくる。原因は解明し切れていないが、恐らくこのようなことが原因となって、墨、特色の網%が変化したときに色調が変動するという現象が見られるものと思われる。
網点を構成する画素の内、30%の数の画素を、露光量を変化させて露光し、濃度を測定する。同時に同じ露光量で全ての画素を露光した試料を作製し、これも濃度を測定する。これらのデータから、例えば、マレー・デービスの式から再現された網%を求めることができ、ドットゲインを計算することができる。ベタの濃度を横軸にとり、縦軸にドットゲインをとると、面積階調画像の形成に用いられる領域では、濃度が大きくなるに従いドットゲインも大きくなるほぼ直線に近い曲線が得られることが多い。網点部の濃度における上記曲線の接線の勾配が、前記の濃度変化に対するドットゲインの変化である。
露光量により網点濃度を調整し、露光する画素の数を制御することによりドットゲインを調整することが可能である。しかし、前記のように露光量により、露光する画素の数と画像のドットゲインの間に特定の関係が成立する。この効果は余り大きなものではないが、2色以上の色を重ねた網点、特に墨網のようにニュートラルグレーに近い色では、目立ちやすく得られる画像の品位を損なう物であった。
この時、露光する画素の数を種々変更することにより、任意の網%について前記関係を求めることができる。これらは独立ではなく、網%の差が小さければ強く相関するため30%のデータで代表することができるものである。露光する画素数が少ないと、濃度変化に対するドットゲインの変化は小さくなり網%の変化による色調の変化と対応づけることが困難となり、網%が30%の条件で規定することが代表的な特性を表すことが確かめられた。
本発明者らは、面積階調画像形成方法における網点部の色調ずれ(色相変化)の改良について検討を行った結果、特に墨網の色調の場合、マゼンタ画像の特性の影響が大きいことがわかり、各色画像の濃度変化に対する網%が30%におけるドットゲインの変化を、マゼンタ画像<シアン画像<イエロー画像の順とすることにより、本発明の目的を達成できることを見出し、更に、シアン画像の網%が30%におけるドットゲインの変化を、マゼンタ画像の網%が30%におけるドットゲインの変化の1.1〜1.5倍とし、イエロー画像の網%が30%におけるドットゲインの変化を、マゼンタ画像の網%が30%におけるドットゲインの変化の1.3〜1.8倍とすることが好ましいことを見出した。
すなわち、一般には、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像において、これら3つの色画像の関係として、それらの全ての変動(濃度とドットゲインの傾き)が同一であれば安定した画像が得られ、好ましいと考えられるが、本発明者が検討を進めた結果、色調の安定した画像を得るためには、3色のカラー画像の濃度変化に対する網%が30%におけるドットゲインの変化の関係が、本発明で規定する条件であることが極めて重要であることが判明した。
通常、露光量により網点濃度を調整し、露光する画素の数を制御することによりドットゲインを調整することが可能であるが、本発明でいう「網点濃度とドットゲインを独立に制御する手段」とは、そのようなドットゲインをそれぞれ独立に制御を行うということを意図するものではなく、システム全体として画像転送時に網点面積率を調整して出力が可能なシステムをいう。
「濃度」は、分光条件としてステータスTであっても、ステータスAであっても何であってもよいが、印刷の分野で使われることなどからステータスTであることが好ましい。幾何条件も0−45、45−0、またはd−0、D−0のいずれであってもよい(JIS Z 8722−1982 4.3.1照明及び受光の幾何学的条件に規定)が、幾何条件は0−45または45−0が好ましい。
本発明において、色画像の濃度変化に対する網%が30%におけるドットゲインの変化を、マゼンタ画像<シアン画像<イエロー画像の順に規定する方法としては、特に限定はないが、例えば、各層のイラジエーション防止染料の添加量を適宜調整すること、ハレーション防止染料を用いること、コロイド銀の使用によりハレーションを防止すること等が挙げられるが、その中でも、本発明では少なくともコロイド銀の使用によりハレーション防止効果を用いる。
本発明の面積階調画像形成方法において、上述のようにハロゲン化銀カラー感光材料が黒色コロイド銀を含有することを1つの特徴とするが、本発明において、黒色コロイド銀を含有することにより、上記の効果が得られると共に、特に小点での色相変化を効果的に押さえることができる。
本発明で用いることのできる黒色コロイド銀は、例えば、硝酸銀をゼラチン中でハイドロキノン、フェニドン、アスコルビン酸、ピロガロール又はデキストリンのような還元剤の存在下にアルカリ性に保って還元し、その後、中和、冷却してゼラチンをセットさせてから、ヌードル水洗法によって還元剤や不要な塩類を除去することによって得られる。アルカリ性で還元する際、アザインデン化合物、メルカプト化合物の存在下でコロイド銀粒子を作ると、均一な粒子のコロイド銀分散液を得ることができる。コロイド銀の付量としては、最も波長の長い分光感度領域を持つハロゲン化銀乳剤に対する露光領域内の少なくとも一つの波長で測定した現像処理前の生試料反射濃度が0.8以上となるように量を選択して添加できる。黒色コロイド銀の塗布付量は、好ましくは0.01〜1.5g/m2の範囲であり、更に好ましくは0.03〜1.2g/m2の範囲である。
以下、本発明の詳細について説明する。
はじめに、本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料の構成について説明する。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤としては、95モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀乳剤が好ましく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩沃化銀等任意のハロゲン組成を有するものが用いられる。中でも、塩化銀を95モル%以上含有する塩臭化銀、中でも臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤が好ましく用いられ、また、表面近傍に沃化銀を0.05〜0.5モル%含有する塩沃化銀も好ましく用いられる。臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲン化銀乳剤の、高濃度に臭化銀を含有する部分は、いわゆるコア・シェル乳剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成の異なる領域が存在するだけのいわゆるエピタキシー接合した領域を形成していてもよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の表面の結晶粒子の頂点に形成される事が特に好ましい。また、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよい。
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤には重金属イオンを含有させるのが有利である。これによっていわゆる相反則不軌が改良され、高照度露光での減感が防止されたりシャドー側での軟調化が防止されることが期待される。このような目的に用いることの出来る重金属イオンとしては、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、クロムの各イオンを挙げることができる。中でも鉄、イリジウム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミウムの金属イオンが好ましい。これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形でハロゲン化銀乳剤に添加することが出来る。前記重金属イオンが錯体を形成する場合には、その配位子としてシアン化物イオン、チオシアン酸イオン、シアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、カルボニル、ニトロシル、アンモニア、水、ピリジン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、チアゾール、1,2,4−トリアゾール、2,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビピリジンまたは2,2′:6′,2″−ターピリジン化合物が好ましく用いられる。中でも、シアン化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、水、ニトロシル、5−メチルチアゾール、1,2,4−トリアゾール等が好ましい。ハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有させるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すればよい。前述の条件を満たすハロゲン化銀乳剤を得るには、重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加することができる。また、あらかじめこれらの重金属化合物を含有するハロゲン化銀微粒子を形成しておいて、これを添加することによって調製することもできる。前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に添加するときの量はハロゲン化銀1モル当り1×10-9モル以上、1×10-2モル以下がより好ましく、特に1×10-8モル以上5×10-5モル以下が好ましい。
本発明に用いられる粒子の形状は任意のものを用いることが出来る。好ましい一つの例は、(100)面を結晶表面として有する立方体である。また、米国特許第4,183,756号、同第4,225,666号、特開昭55−26589号、特公昭55−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)21号、39ページ(1973)等の文献に記載された方法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつくり、これを用いることもできる。さらに、双晶面を有する粒子を用いてもよい。
本発明に用いられる粒子は、単一の形状からなる粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳剤を二種以上同一層に添加することが特に好ましい。
本発明に用いられる粒子の粒径は特に制限はないが、迅速処理性及び、感度など、他の写真性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2μm、更に好ましくは、0.2〜1.0μmの範囲である。
この粒径は、粒子の投影面積か直径近似値を使ってこれを測定することができる。粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布は直径か投影面積としてかなり正確にこれを表すことができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であり、特に好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤を2種以上同一層に添加することである。ここで変動係数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
変動係数=S/R
(ここに、Sは粒径分布の標準偏差、Rは平均粒径を表す。)
ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法としては、当業界において公知の種々の方法を用いることができる。
本発明に用いられる乳剤は、酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒子を作る方法と成長させる方法は同じであっても、異なってもよい。
また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式として特開昭54−48521号等に記載されているpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
また、特開昭57−92523号、同57−92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ドイツ公開特許2921164号等に記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置などを用いてもよい。
更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有する化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のような化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形成終了の後に添加して用いてもよい。
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて用いることが出来る。カルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いることが出来るが、イオウ増感剤が好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、トリエチルチオ尿素、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。
イオウ増感剤の添加量としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより変える事が好ましいが、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲が好ましい。
金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加することができる。用いられる配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-4モル〜1×10-8モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-5モル〜1×10-8モルである。
本発明に用いられるネガ型ハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、還元増感法を用いてもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀カラー感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤を用いることが出来る。こうした目的に用いることのできる好ましい化合物の例として、特開平2−146036号7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される化合物を挙げることができ、さらに好ましい具体的な化合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物や、特開2000−267,235号8ページ右欄32〜36行目に記載の化合物、特開平9−152674号の一般式(I)で表されるメルカプトピリミジン化合物、一般式(II)で表されるハロゲン化銀への吸着促進基と置換、未置換のヒドロキシル基またはアミノ基を有する化合物、具体的には、(I−1)、(I−2)、(I−7)、(I−9)、(II−1)、(II−3)で表される化合物を挙げることができる。また、特開平10−31279号の(A)〜(D)で示されたスルフィド、ポリスルフィド基を有する化合物を挙げることができ、具体的には、(C−1)、(C−9)、(C−14)、(C−15)、(C−16)、(D−1)、(D−6)、α−イオウ、特開2000−122204号の(I−4)、(I−6)を挙げることができる。
これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加される。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-5モル〜5×10-4モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜1×10-2モルがより好ましい。またハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布被膜中の量が、1m2当り1×10-9モル〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
本発明に用いられる感光材料には、イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。この目的で、公知の化合物をいずれも用いることが出来るが、特に、可視域に吸収を有する染料としては、特開平3−251840号308ページに記載のAI−1〜11の染料および特開平6−3770号記載の染料が好ましく用いられる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層のうち最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層より支持体に近い側に少なくとも1層の耐拡散性化合物で着色された親水性コロイド層を有することが好ましい。着色物質としては染料またはそれ以外の有機、無機の着色物質を用いることができる。
本発明の感光材料においては、支持体と最も支持体に近いハロゲン化銀乳剤層の間に、少なくとも一層の35質量%以上の白色顔料を含有する層を有することが好ましい。白色顔料としては、例えばルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、硫酸バリウム、ステアリン酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、カオリン等を用いることができるが、種々の理由から、中でも二酸化チタン、特にルチル型二酸化チタンが好ましい。白色顔料は処理液が浸透できるような例えばゼラチン等の親水性コロイドの水溶液バインダー中に分散される。白色顔料の含有量としては40質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましいがこれ以上となると、脆弱性、塗布性の面で支障がでてくる。白色顔料層には、前記着色物質を含有していてもよい。
白色顔料の塗布付量は好ましくは0.1g/m2〜50g/m2の範囲であり、更に好ましくは0.2g/m2〜5g/m2の範囲である。
支持体と、支持体から最も近いハロゲン化銀乳剤層との間には、白色顔料含有層の他に必要に応じて下塗り層、あるいは任意の位置に中間層等の非感光性親水性コロイド層を設けることができる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料中に、蛍光増白剤を添加することで白地性をより改良でき好ましい。蛍光増白剤は、紫外線を吸収して可視光の蛍光を発することのできる化合物であれば特に制限はないが、分子中に少なくとも1個以上のスルホン酸基を有するジアミノスチルベン系化合物であり、これらの化合物には増感色素の感光材料外への溶出を促進する効果もあり好ましい。他の好ましい一つの形態は、蛍光増白効果を有する固体微粒子化合物である。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料には、400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に用いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用いることができるが、青感光性増感色素としては、特開平3−251840号28ページに記載のBS−1〜8を単独でまたは組み合わせて好ましく用いることができる。緑感光性増感色素としては、同公報28ページに記載のGS−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素としては同公報29ページに記載のRS−1〜8が好ましく用いられる。
これらの増感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期でよい。また、これらの色素の添加方法としては、水またはメタノール、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水と混和性の有機溶媒に溶解して溶液として添加してもよいし、増感色素を密度が1.0g/mlより大きい、水混和性溶媒の溶液または、乳化物、懸濁液として添加してもよい。
増感色素の分散方法としては、高速撹拌型分散機を用いて水系中に機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法以外に、特開昭58−105141号に記載のようにpH6〜8、60〜80℃の条件下で水系中において機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分散する方法、特公昭60−6496号に記載の表面張力を3.8×10-2N/m以下に抑える界面活性剤の存在下に分散する方法、特開昭50−80826号に記載の実質的に水を含まず、pKaが5を上回らない酸に溶解し、該溶解液を水性液に添加分散し、この分散物をハロゲン化銀乳剤に添加する方法等を用いることができる。
分散に用いる分散媒としては水が好ましいが、少量の有機溶媒を含ませて溶解性を調整したり、ゼラチン等の親水性コロイドを添加して分散液の安定性を高めることもできる。
分散液を調製するのに用いることのできる分散装置としては、例えば、特開平4−125631号公報第1図に記載の高速撹拌型分散機の他、ボールミル、サンドミル、超音波分散機等を挙げることができる。
また、これらの分散装置を用いるに当たって、特開平4−125632号に記載のように、あらかじめ乾式粉砕などの前処理を施した後、湿式分散を行う等の方法をとってもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有してもよい。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有するカップリング生成物を形成し得るいかなる化合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物としては、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエロー色素形成カプラー、波長域500〜600nmに分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン色素形成カプラーとして知られているものが代表的である。
本発明に係る感光材料に用いられるマゼンタカプラーとしては特開平6−95283号7ページ右欄記載の一般式[M−1]で示される化合物が発色色素の分光吸収特性がよく好ましい。好ましい化合物の具体例としては、同号8ページ〜11ページに記載の化合物M−1〜M−19を挙げる事ができる。更に他の具体例としては欧州公開特許0273712号6〜21頁に記載されている化合物M−1〜M−61及び同0235913号36〜92頁に記載されている化合物1〜223の中の上述の代表的具体例以外のものがある。
該マゼンタカプラーは他の種類のマゼンタカプラーと併用することもでき、通常ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
本発明に係る感光材料において形成されるマゼンタ画像の分光吸収のλmaxは530〜560nmであることが好ましく、またλL0.2は、580〜635nmであることが好ましい。λL0.2とは、マゼンタ画像の分光吸光度曲線上において、最大吸光度が1.0を示す波長よりも長波で、吸光度が0.2を示す波長をいう。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料のマゼンタ画像形成層には、マゼンタカプラーに加えてイエローカプラーが含有される事が好ましい。これらのカプラーのpKaの差は2以内であることが好ましく、更に好ましくは1.5以内である。本発明のマゼンタ画像形成性層に含有させる好ましいイエローカプラーは特開平6−95283号12ページ右欄に記載の一般記載一般式[Y−Ia]で表されるカプラーである。同公報の一般式[Y−1]で表されるカプラーのうち特に好ましいものは、一般式[M−1]で表されるマゼンタカプラーと組み合わせる場合、組み合わせる[M−1]で表されるカプラーのpKaより3以上低くないpKa値より3以上低くないpKa値を有するカプラーである。
該イエローカプラーとして具体的な化合物例は、特開平6−95283号12〜13ページ記載の化合物Y−1及びY−2の他、特開平2−139542号の13ページから17ページ記載の化合物(Y−1)〜(Y−58)を好ましく使用することができるがもちろんこれらに限定されることはない。
本発明の感光材料においては、シアン画像形成ハロゲン化銀乳剤層が、下記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。このカプラーは、シアン及び緑の再現において優れた特性を示すことが知られているが、墨網等の網%が変化した場合に生じる色調の不安定化に関してはむしろ変動が大きいということが分かった。色再現性が優れているという効果を得る上で、本発明で規定する構成が有効であり、これらのカプラーの使用は本発明の好ましい実施態様である。
一般式(1)または一般式(2)で表される化合物について説明する。
Figure 2005321599
式中、R1は水素原子又は置換基を表し、R2は置換基を表す。mは置換基R2の数を示す。mが0の時、R1はハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸引性基を表し、mが1又は2以上の時、R1及びR2の少なくとも一つはハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸引性基を表す。Z1はベンゼン環等が縮合していてもよい含窒素複素5員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R3及びR4はハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸引性基を表す。ただし、R3とR4のσp値の和は0.65以上である。Z2は、含窒素複素5員環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、該5員環は置換基を有していてもよい。X1及びX2は、各々、水素原子又は発色現像主薬の酸化体とのカップリング反応により離脱する基を表す。
本発明のシアンカプラーに係るHammettによって定義された置換基定数σpが+0.20以上の置換基は、具体的にはスルホニル、スルフィニル、スルホニルオキシ、スルファモイル、ホスホリル、カルバモイル、アシル、アシルオキシ、オキシカルボニル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン置換アルコキシ、ハロゲン置換アリールオキシ、ピロリル、テトラゾリル等の各基及びハロゲン原子等が挙げられる。
スルホニル基としては、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ハロゲン置換アルキルスルホニル、ハロゲン置換アリールスルホニル等;スルフィニル基としては、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル等;スルホニルオキシ基としては、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ等;スルファモイル基としては、N,N−ジアルキルスルファモイル、N,N−ジアリールスルファモイル、N−アルキル−N−アリールスルファモイル等;ホスホリル基としては、アルコキシホスホリル、アリールオキシホスホリル、アルキルホスホリル、アリールホスホリル等;カルバモイル基としては、N,N−ジアルキルカルバモイル、N,N−ジアリールカルバモイル、N−アルキル−N−アリールカルバモイル等;アシル基としては、アルキルカルボニル、アリールカルボニル等;アシルオキシ基としては、アルキルカルボニルオキシ等;オキシカルボニル基としては、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル等;ハロゲン置換アルコキシ基としては、α−ハロゲン置換アルコキシ等;ハロゲン置換アリールオキシ基としては、テトラフルオロアリールオキシ、ペンタフルオロアリールオキシ等;ピロリル基としては1−ピロリル等;テトラゾリル基としては、1−テトラゾリル等の各基が挙げられる。
上記置換基の他に、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ノニルフルオロ−t−ブチル基や、テトラフルオロアリール基、ペンタフルオロアリール基なども好ましく用いられる。
一般式(1)において、R1又はR2が表す置換基のうち、電子吸引性基以外の置換基としては、種々のものが挙げられ特に制限はないが、代表的なものとして、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキニル、複素環、アルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素環チオ、チオウレイド、ヒドロキシル及びメルカプトの各基、並びにスピロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等が挙げられる。
上記アルキル基としては炭素数1〜32のものが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。アリール基としてはフェニル基が好ましい。
アシルアミノ基としてはアルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基;スルホンアミド基としてはアルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基;アルキルチオ基、アリールチオ基におけるアルキル成分、アリール成分は上記のアルキル基、アリール基が挙げられる。
アルケニル基としては炭素数2〜32のもの、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐でもよい。シクロアルケニル基としては炭素数3〜12、特に5〜7のものが好ましい。
ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリールウレイド基等;スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモイルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等;複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的には2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等;複素環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するものが好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル−2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基等;複素環チオ基としては5〜7員の複素環チオ基が好ましく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾリルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ基等;シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等;イミド基としては琥珀酸イミド基、3−ヘプタデシル琥珀酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド基等;スピロ化合物残基としてはスピロ[3.3]ヘプタン−1−イル等;有橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル、トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン−1−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−イル等が挙げられる。
これらの基は、更に長鎖炭化水素基やポリマー残基等の耐拡散性基などの置換基を含んでいてもよい。
一般式(1)において、X1の表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱しうる基としては、例えばハロゲン原子(塩酸、臭素、弗素等)及びアルコキシ、アリールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルコキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、カルボキシル等の各基が挙げられるが、これらのうち好ましいものは、水素原子及びアルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、N原子で結合した含窒素複素環基である。
一般式(1)において、Z1により形成される含窒素5員複素環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、ベンズイミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物を更に具体的に記すと下記一般式(1)−1、(1)−2により表される。
Figure 2005321599
上記一般式において、(1)−1中のR1及びR11の内の少なくとも一つ、(1)−2中のR1及びR12の内の少なくとも一つはσpが0.20以上の電子吸引性基である。
1は一般式(1)におけるX1と同義であり、又、一般式(1)−1、(1)−2において、R1及びR11〜R12の内、σpが0.20以上の電子吸引性基でないものは、水素原子又は置換基を表す。
一般式(2)において、R3及びR4はハメットの置換基定数σpが0.20以上の電子吸引性基を表し、これらの電子吸引性基としては、一般式(1)におけるR1及びR2の電子吸引性基と同様の基を挙げることができる。ただし、R3とR4のσp値の和は0.65以上である。
2により形成される含窒素5員複素環としては、ピラゾール環、イミダゾール環又はテトラゾール環等が挙げられる。これらの含窒素5員複素環は置換基を有していてもよい。
一般式(2)で表される化合物を更に具体的に記すと、下記一般式(2)−1、(2)−2により表される。
Figure 2005321599
式中、R3、R4及びX2は、一般式(2)におけるそれぞれと同義である。R21は水素原子又は置換基を表す。
下記に一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の具体例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2005321599
Figure 2005321599
Figure 2005321599
Figure 2005321599
本発明に係る感光材料において、シアンカプラーとしては、公知のフェノール系、ナフトール系又はイミダゾール系、カプラーを用いることができる。例えば、アルキル基、アシルアミノ基、或いはウレイド基などを置換したフェノール系カプラー、5−アミノナフトール骨格から形成されるナフトール系カプラー、離脱基として酸素原子を導入した2当量型ナフトール系カプラーなどが代表される。このうち好ましい化合物としては特開平6−95283号13ページ記載の一般式[C−I]、[C−II]が挙げられる。
該シアンカプラーは通常ハロゲン化銀乳剤層において、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
本発明に係る感光材料においてイエロー画像形成層中に含有されるイエローカプラーとしては、公知のアシルアセトアニリド系カプラー等を好ましく用いることができる。
該イエローカプラーの具体例としては、例えば特開平3−241345号の5頁〜9頁に記載の化合物、Y−I−1〜Y−I−55で示される化合物、もしくは特開平3−209466号の11〜14頁に記載の化合物、Y−1〜Y−30で示される化合物も好ましく使用することができる。更に特開平6−95283号21ページ記載の一般式〔Y−I〕で表されるカプラー、特開2002−351023号に記載の一般式(I)、(II)の化合物等も挙げることができる。
本発明に係る感光材料により形成されるイエロー画像の分光吸収のλmaxは425nm以上であることが好ましく、λL0.2は515nm以下であることが好ましい。
該イエロー色画像の分光吸収のλL0.2とは、特開平6−95283号21ページ右欄1行〜24行に記載の内容で定義される値であり、イエロー色素画像の分光吸収特性で長波側の不要吸収の大きさを表す。
該イエローカプラーは通常ハロゲン化銀乳剤層において、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
該マゼンタ色画像、シアン色画像、及びイエロー色画像の分光吸収特性を調整するために、色調調整作用を有する化合物を添加することが好ましい。このための化合物としては、特開平6−95283号22ページ記載の一般式[HBS−I]に記載されるリン酸エステル系化合物、[HBS−II]で示されるホスフィンオキサイド系化合物が好ましく、より好ましくは同号22ページ記載の一般式[HBS−II]で示される化合物である。また、特開平4−265,975号5ページ記載の(a−i)〜(a−x)を代表とする高級アルコール系化合物を上げることができる。
本発明に係る感光材料においてハロゲン化銀乳剤層は支持体上に積層塗布されるが支持体からの順番はどのような順番でもよい。この他に必要に応じ中間層、フィルター層、保護層等を配置することができる。
前記マゼンタ、シアン、イエローの各カプラーには、形成された色素画像の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤を併用することができる。好ましい化合物としては、特開平2−66541号3ページ記載の一般式IおよびIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3−174150号記載の一般式IIIBで示されるフェノール系化合物、特開平64−90445号記載の一般式Aで示されるアミン系化合物、特開昭62−182741号記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで示される金属錯体が特にマゼンタ色素用として好ましい。また特開平1−196049号記載の一般式I′で示される化合物および特開平5−11417号記載の一般式IIで示される化合物が特にイエロー、シアン色素用として好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料に用いられるステイン防止剤やその他の有機化合物を添加するのに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いることができる。分散後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工程を入れてもよい。ステイン防止剤等を溶解して分散するために用いることの出来る高沸点有機溶媒としては、トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル類、トリオクチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類が好ましく用いられる。また高沸点有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0である事が好ましい。また二種以上の高沸点有機溶媒を併用することもできる。
本発明に係る感光材料に用いられる写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体的には特開昭64−26854号記載のA−1〜A−11が挙げられる。またアルキル基に弗素原子を置換した界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は通常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、分散後塗布液に添加されるまでの時間、および塗布液に添加後塗布までの時間は短いほうがよく各々10時間以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料には、現像主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色濁りを防止したりまたハロゲン化銀乳剤層に添加してカブリ等を改良することが好ましい。このための化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、さらに好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのようなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化合物は特開平4−133056号記載の一般式IIで示される化合物であり、同号13〜14ページ記載の化合物II−1〜II−14および17ページ記載の化合物1が挙げられる。
本発明に係る感光材料中には紫外線吸収剤を添加してスタチックカブリを防止したり色素画像の耐光性を改良することが好ましい。好ましい紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合物としては特開平1−250944号記載の一般式III−3で示される化合物、特開昭64−66646号記載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−187240号記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−1633号記載の一般式Iで示される化合物、特開平5−165144号記載の一般式(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
本発明に係る感光材料には、油溶性染料や顔料を含有すると白地性が改良され好ましい。油溶性染料の代表的具体例は、特開平2−842号8ページ〜9ページに記載の化合物1〜27が挙げられる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料には、バインダーとしてゼラチンを用いることが有利であるが、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外のタンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるいは共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
これらバインダーの硬膜剤としてはビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。特開昭61−249054号、同61−245153号記載の化合物を使用することが好ましい。また写真性能や画像保存性に悪影響するカビや細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特開平3−157646号記載のような防腐剤および抗カビ剤を添加することが好ましい。また感光材料または処理後の試料の表面の物性を改良するため保護層に特開平6−118543号や特開平2−73250号記載の滑り剤やマット剤を添加することが好ましい。
本発明に係る感光材料に用いる支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙などを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂としてはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまたはそれらのコポリマーが好ましい。
紙の表面に耐水性樹脂被覆層を有する支持体は、通常、50〜300g/m2の質量を有する表面の平滑なものが用いられるが、プルーフ画像を得る目的に対しては、取り扱いの感覚を印刷用紙に近づけるため、130g/m2以下の原紙が好ましく用いられ、さらに70〜120g/m2の原紙が好ましく用いられる。
本発明に用いられる支持体としては、ランダムな凹凸を有するものであっても平滑なものであっても好ましく用いることができる。
支持体に用いられる白色顔料としては、無機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化チタンである。
支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有される白色顔料の量は、鮮鋭性を改良するうえで13質量%以上が好ましく、さらには15質量%が好ましい。
本発明に係る紙支持体の耐水性樹脂層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号に記載の方法で測定することができる。この方法で測定したときに、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変動係数として0.20以下であることが好ましく、0.15以下であることがより好ましい。
本発明に用いられる両面に耐水性樹脂層を有する紙支持体の樹脂層は、1層であってもよいし、複数層からなってもよい。複数層とし、乳剤層と接する方に白色顔料を高濃度で含有させると鮮鋭性の向上が大きく、プルーフ用画像を形成するのに好ましい。
また支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値が0.15μm以下、さらには0.12μm以下であるほうが光沢性がよいという効果が得られより好ましい。
本発明に用いられる写真感光材料は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布されていてもよい。
ハロゲン化銀乳剤を用いた写真感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布することの出来るエクストルージョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有用である。
感光材料の幅としては用途に応じて任意の幅の物を用いることができるが、プルーフの用途では400mm以上の幅が好ましく用いられる。800mmあるいはそれ以上の幅の感光材料も好ましく用いられる。
次いで、本発明の面積階調画像形成方法(以下、単に画像形成方法ともいう)について説明する。
本発明の画像形成方法に用いられる露光装置の露光光源は、公知のものをいずれも好ましく用いることが出来るが、レーザーまたは発光ダイオード(以下LEDと表す)がより好ましく用いられる。
レーザーとしては半導体レーザー(以下、LDと表す)がコンパクトであること、光源の寿命が長いことから好ましく用いられる。また、LDはDVD、音楽用CDの光ピックアップ、POSシステム用バーコードスキャナ等の用途や光通信等の用途に用いられており、安価であり、かつ比較的高出力のものが得られるという長所を有している。LDの具体的な例としては、アルミニウム・ガリウム・インジウム・ヒ素(650nm)、インジウム・ガリウム・リン(〜700nm)、ガリウム・ヒ素・リン(610〜900nm)、ガリウム・アルミニウム・ヒ素(760〜850nm)等を挙げることができる。最近では、青光を発振するレーザーも開発されているが、現状では、610nmよりも長波の光源としてLDを用いるのが有利である。
SHG素子を有するレーザー光源としては、LD、YAGレーザーから発振される光をSHG素子により半分の波長の光に変換して放出させるものであり、可視光が得られることから適当な光源がない緑〜青の領域の光源として用いられる。この種の光源の例としては、YAGレーザーにSHG素子を組み合わせたもの(532nm)等がある。
ガスレーザーとしては、ヘリウム・カドミウムレーザー(約442nm)、アルゴンイオンレーザー(約514nm)、ヘリウムネオンレーザー(約544nm、633nm)等が挙げられる。
LEDとしては、LDと同様の組成をもつものが知られているが、青〜赤外まで種々のものが実用化されている。特開2002−72367号に記載のような微小面積発光ダイオードの1種である端面発光型ダイオードを、好ましく用いることができる。
本発明に用いられる露光光源としては、各レーザーを単独で用いてもよいし、これらを組合せ、マルチビームとして用いてもよい。LDの場合には、例えば10個のLDを並べることにより10本の光束からなるビームが得られる。一方、ヘリウムネオンレーザーのような場合、レーザーから発した光をビームセパレーターで例えば10本の光束に分割する。
露光用光源の強度変化は、LD、LEDのような場合には、個々の素子に流れる電流値を変化させる直接変調を行うことができる。直接変調の場合には、電流値の調整により発光光量を変化させてもよいし、パルス状に発光させ、パルスの幅(発光時間)を変化させるパルス幅変調方式を用いてもよいし、パルス数を変化させるパルス数変調方式をとってもよい。LDの場合には、AOM(音響光学変調子)のような素子を用いて強度を変化させてもよい。ガスレーザーの場合には、AOM、EOM(電気光学変調子)等のデバイスを用いるのが一般である。
光源にLEDを用いる場合には、光量が弱ければ、複数の素子で同一の画素を重複して露光する方法を用いてもよい。
光源の発光波長は、感光材料が十分な感度を有している波長領域であれば好ましく用いることができるが、色濁りを防止する意味で他の感光層と十分な感度差を有する波長領域を用いることが好ましい。感光材料のコントラストにも依存するが露光量の常用対数として0.6以上、好ましくは1.0以上の感度差があることが好ましい。この他に、光源の置かれた環境条件、動作条件などにより発光波長が変動するような場合には、分光感度のピーク波長に合わせることが理論上好ましく、これに関わってくる着色物質の分光吸収との関係も考慮して波長を選択することが好ましい。そのような例としては、特開平6−75342号、特開2001−83663号などが上げられる。また、発光波長だけでなく発光強度が変動する場合にも、分光感度との関係で発光波長を選択することが好ましく、その例としては、特開2002−72367号、及び日経ニューマテリアル1987年9月14日号54ページ等に記載されている。
画像形成方法に用いる装置としては、複数の感光材料を予めセットしておき、適宜感光材料を選択して使用する方式を好ましく用いることができる。この場合、2種類の感光材料は、例えば幅の違う感光材料であったり、面質(支持体の凹凸)が異なる感光材料であったりすることができる。感光材料の選択は、画像形成装置のスイッチなどで設定する方式であっても、画像データとともに設定情報を送信し、それに基づいて選択されるのでもよい。また画像データのサイズに応じて最適な感光材料のサイズを自動的に選択することも有利に用いることができる。特別な場合には、同じ種類の感光材料を装填しておき、一方の感光材料が使い終わったとき、自動的に他方の感光材料を使うようにすることもでき、連続無人運転が可能となり有利に用いることができる。
本発明において面積階調画像という言葉を用いているが、これは画像上の濃淡を個々の画素の色の濃淡で表現するのではなく、特定の濃度に発色した部分の面積の大小で表現するものであり、網点と同義と考えてよい。
通常、面積階調露光であれば、Y、M、C、墨の発色をさせることで目的を達することもできる。より好ましくは、墨に加えてM、C等の単色が発色したことを識別するには、3値以上の露光量を使い分けて露光することが好ましい。印刷においては、特別な色の版を用いることがあるが、これを再現するためには、4値以上の露光量を使い分けて露光することが好ましい。
レーザー光源の場合には、ビーム径は25μm以下であることが好ましく、6〜22μmがより好ましい。6μmより小さいと画質的には好ましいが、調整が困難であったり、処理速度が低下したりする。一方、25μmより大きいとムラが大きくなり、画像の鮮鋭性も劣化する。ビーム径を最適化することによってムラのない高精細の画像の書き込みを高速で行うことができる。
このような光で画像を描くには、ハロゲン化銀カラー感光材料上を光束が走査する必要があるが、感光材料を円筒状のドラムに巻き付けこれを高速に回転しながら回転方向に直角な方向に光束を動かす円筒外面走査方式をとってもよく、円筒状の窪みにハロゲン化銀カラー感光材料を密着させて露光する円筒内面走査方式も好ましく用いることができる。多面体ミラーを高速で回転させこれによって搬送されるハロゲン化銀カラー感光材料を搬送方向に対して直角に光束を移動して露光する平面走査方式をとってもよい。高画質であり、かつ大きな画像を得るには円筒外面走査方式がより好ましく用いられる。
円筒外面走査方式での露光を行うには、ハロゲン化銀カラー感光材料は正確に円筒状のドラムに密着されなければならない。これが的確に行われるためには、正確に位置合わせされて搬送される必要がある。本発明に用いられるハロゲン化銀カラー感光材料は露光する側の面が外側に巻かれたものがより的確に位置合わせでき、好ましく用いることができる。同様な観点から、本発明に用いられるハロゲン化銀カラー感光材料に用いられる支持体は適正な剛度があり、テーバー剛度で0.8〜4.0が好ましい。
ドラム径は、露光するハロゲン化銀カラー感光材料の大きさに適合させて任意に設定することができる。ドラムの回転数も任意に設定できるがレーザー光のビーム径、エネルギー強度、書き込みパターンや感光材料の感度などにより適当な回転数を選択することができる。生産性の観点からは、より高速な回転で走査露光できる方が好ましいが、具体的には1分間に200〜3000回転が好ましく用いられる。
ドラムへのハロゲン化銀カラー感光材料の固定方法は、機械的な手段によって固定させてもよいし、ドラム表面に吸引できる微小な穴を感光材料の大きさに応じて多数設けておき、感光材料を吸引して密着させることもできる。感光材料をドラムにできるだけ密着させることが画像ムラ等のトラブルを防ぐには重要である。
本発明において用いられる芳香族一級アミン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができる。これらの化合物の例として下記の化合物を上げることができる。
CD−1)N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン
CD−2)2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン
CD−3)2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリルアミノ)トルエン
CD−4)4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン
CD−5)2−メチル−4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ) アニリン
CD−6)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−(メタンスルホンアミド)エチル)−アニリン
CD−7)N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフェニルエチル)メタンスルホンアミド
CD−8)N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン
CD−9)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−メトキシエチルアニリン
CD−10)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−エトキシエチル)アニリン
CD−11)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン
本発明においては、上記は発色現像主薬を任意のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用いられる。
本発明に係る発色現像の処理温度は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で処理することが好ましい。
発色現像時間は、従来一般には3分30秒程度で行われているが、本発明では40秒以内が好ましく、さらに25秒以内の範囲で行うことがさらに好ましい。
発色現像液には、前記の発色現像主薬に加えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イオン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、キレート剤などが用いられる。
本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料は、発色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行なわれる。また、水洗処理の代替として、安定化処理を行なってもよい。本発明に係るハロゲン化銀カラー感光材料の現像処理に用いる現像処理装置としては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさんで搬送するローラートランスポートタイプであっても、ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができる。大量に処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理されるのが、通常だがこの際、補充液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであり、公開技報94−16935に記載の方法が最も好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《ハロゲン化銀カラー感光材料》
〔試料101の作製〕
片面に高密度ポリエチレンを、もう一方の面にアナターゼ型酸化チタンを15質量%の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンをラミネートした、平米当たりの質量が115gのポリエチレンラミネート紙反射支持体(テーバー剛度=3.5、PY値=2.7μm)上に、下記表1、2に示す層構成の各層を酸化チタンを含有するポリエチレン層の側に塗設し、更に裏面側にはゼラチン6.00g/m2、シリカマット剤0.65g/m2を塗設した多層ハロゲン化銀感光材料である試料101を作製した。
カプラーは高沸点溶媒に溶解して超音波分散し、分散物として添加したが、この時、界面活性剤として(SU−1)を用いた。又、硬膜剤として(H−1)、(H−2)を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。また各層に(F−1)を全量が0.04g/m2となるように添加した。
Figure 2005321599
SU−1:トリ−i−プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナトリウム塩
SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩
H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン
H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン
HQ−2:2,5−ジ((1,1−ジメチル−4−ヘキシルオキシカルボニル)ブチル)ハイドロキノン
HQ−3:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノンと2,5−ジ−secテトラデシルハイドロキノンと2−sec−ドデシル−5−sec−テトラデシルハイドロキノンの質量比1:1:2の混合物
HQ−4:2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン
PVP :ポリビニルピロリドン
Figure 2005321599
Figure 2005321599
Figure 2005321599
上記試料101の作製に用いたハロゲン化銀乳剤は、下記の方法に従って調製した。
(青感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
〈A液〉
塩化ナトリウム 3.42g
臭化カリウム 0.03g
水を加えて 200ml
〈B液〉
硝酸銀 10g
水を加えて 200ml
〈C液〉
塩化ナトリウム 102.7g
ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 4×10-8モル
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 2×10-5モル
臭化カリウム 1.0g
水を加えて 600ml
〈D液〉
硝酸銀 300g
水を加えて 600ml
添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−101を得た。
上記(EMP−101)に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、青感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−B101)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX
塩化金酸 0.5mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−1 4×10-4モル/モルAgX
増感色素:BS−2 1×10-4モル/モルAgX
臭化カリウム 0.2g/モルAgX
次いでEMP−101の調製において、(A液)と(B液)の添加時間および(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外はEMP−101と同様にして平均粒径0.64μm、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−102を得た。Em−B101の調製においてEMP−101に代えてEMP−102を用いた以外同様にしてEm−B102を得、Em−B101と102の1:1の混合物を青感光性乳剤として使用した。
STAB−1:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール
STAB−2:1−(4−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
STAB−3:1−(3−アセトアミドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール
Figure 2005321599
(緑感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
EMP−101の調製において(A液)及び(B液)、(C液)及び(D液)の添加時間を変更した以外は同様にして平均粒径0.40μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤(EMP−103)を得た。
上記EMP−102に対し、下記化合物を用い55℃にて最適に化学増感を行い、緑感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−G101)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX
塩化金酸 1.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 3×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 3×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−1 2×10-4モル/モルAgX
増感色素:GS−2 2×10-4モル/モルAgX
塩化ナトリウム 0.5g/モルAgX
次いでEMP−103の調製において、(A液)と(B液)の添加時間および(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外はEMP−103と同様にして平均粒径0.50μm、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EMP−104を得た。Em−G101の調製においてEMP−103に代えてEMP−104を用いた以外同様にしてEm−G102を得、Em−G101と102の1:1の混合物を緑感光性乳剤として使用した。
Figure 2005321599
(赤感光性ハロゲン化銀乳剤の調製)
前記EMP−103に対し、下記化合物を用い60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−R101)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−4 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 1×10-4モル/モルAgX
強色増感剤:SS−1 2×10-4モル/モルAgX
次に(Em−R101)の調製において下記化合物を用いて60℃にて最適に化学増感を行い、赤感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−R102)を得た。
チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX
塩化金酸 2.0mg/モルAgX
安定剤:STAB−1 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−2 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−3 2×10-4モル/モルAgX
安定剤:STAB−4 1×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−1 2×10-4モル/モルAgX
増感色素:RS−2 2×10-4モル/モルAgX
強色増感剤:SS−1 2×10-4モル/モルAgX
Em−R101とEm−R102の1:1の混合物を赤感光性乳剤として使用した。
STAB−4:p−トルエンチオスルホン酸
Figure 2005321599
〔試料102〜107の作製〕
上記試料101の作製において、第5層のAI−1の添加量、第3層のAI−2の添加量、第1層のAI−3の添加量を、それぞれ表3に記載の量に変更した以外は同様にして、試料102〜107を作製した。
〔試料201の作製〕
上記試料101の作製において、表1に記載の構成を、表2に記載の構成に変更した以外は同様にして、試料102を作製した。
Figure 2005321599
〔試料202〜207の作製〕
上記試料201の作製において、第6層のAI−1の添加量、第4層のAI−2の添加量、第2層のAI−3の添加量を、それぞれ表3に記載の量に変更した以外は同様にして、試料102〜107を作製した。
Figure 2005321599
《露光》
光源としてブルー(B)のLEDを主走査方向に10個並べ露光のタイミングを少しづつ遅延させることによって同じ場所を10個のLEDで露光出来るように調整した。また、副走査方向にも10個のLEDを並べ隣接する10画素分の露光が1度に出来る露光ヘッドを準備した。グリーン(G)、レッド(R)も同様にLEDを組み合わせて露光ヘッドを準備した。各ビームの径は約10μmで、この間隔でビームを配列し、副走査のピッチは約100μmとした。1画素当たりの露光時間は約100ナノ秒であった。
《現像処理》
最初に予め設定した露光量で、レッド光の光量を変化させたベタ露光を施した試料を作製するとともに、網%の30%で同様にレッド光の光量を変化した試料を作製した。露光後、下記の現像処理を行い色素画像を得た。B、G、R濃度を測定した。
処理工程 処理温度 時間 補充量
発色現像 38.0±0.3℃ 120秒 80ml/m2
漂白定着 38.0±0.5℃ 90秒 120ml/m2
安定化 30〜34℃ 60秒 150ml/m2
乾燥 60〜80℃ 30秒
〔発色現像液タンク液及び補充液〕
タンク液 補充液
純水 800ml 800ml
トリエチレンジアミン 2g 3g
ジエチレングリコール 10g 10g
臭化カリウム 0.01g −
塩化カリウム 3.5g −
亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g
N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)−4−アミノアニリン硫酸塩
2.9g 4.8g
N,N−ジスルホエチルヒドロキシルアミン 20.4g 18.0g
トリエタノールアミン 10.0g 10.0g
ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g
蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体)
2.0g 2.5g
炭酸カリウム 30g 30g
水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=10.0に、補充液はpH=10.6に調整する。
〔漂白定着液タンク液及び補充液〕
ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g
ジエチレントリアミン五酢酸 3g
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml
2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g
亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml
水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷酢酸でpHを5.0に調整した。
〔安定化液タンク液及び補充液〕
o−フェニルフェノール 1.0g
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g
ジエチレングリコール 1.0g
蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g
硫酸亜鉛 0.5g
硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g
PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g
アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g
ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g
水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア水でpH=7.5に調整する。
《ドットゲインの傾きの測定》
得られたイエロー、マゼンタ、シアンの各色画像濃度の測定データから、横軸にベタ試料の濃度値をとり、縦軸にはマレー・デービスの式により計算して求めたドットゲインをとり、それぞれの測定値をプロットすることにより、最小二乗法を用いてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各濃度に対するドットゲインの変化と、ドットゲインの変化比(Y/M、C/M)を求め、得られた結果を表4に示す。
Figure 2005321599
《中間色画像の形成》
次に、各試料のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各ベタ濃度が表5の組み合わせからなる中間色になるように露光量を適宜調整しながら、ベタ画像、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%のパッチをそれぞれ連続した画像として作成した。
Figure 2005321599
《中間色画像の評価》
以上のようにして作成した各中間色画像について、評価者10人による主観評価を行い、下記の基準に従って中間色画像の評価を行って10人の平均値を求め、得られた結果を表6に示す。
5:全ての色において、色相の変化が全く認められない
4:少なくとも1色で色相の変化が認められる
3:2〜3色で色相の変化が認められる
2:4〜5色で色相の変化が認められる
1:6色以上で色相の変化が認められる
Figure 2005321599
表6に記載の結果より明らかなように、画像濃度と30%網点のドットゲインの変化の勾配をマゼンタ<シアン<イエローの順になるようにした本発明は、比較例に対し、様々な特色を利用した場合においても、網点中間調での色相の変化を感じることが少ない画像を形成することができることが分かる。更に、シアンの勾配をマゼンタの勾配の1.1〜1.5倍にし、かつ、イエローの勾配をマゼンタの勾配の1.3〜1.8倍とすることで、より効果が大きく、様々な特色を利用した場合においても網点中間調での色相の変化を感じることがほとんど無い良好な画像を形成することができることが分かる。しかしながら、試料101〜107による結果より明らかなように、ドットゲインの変化に関しては本発明で規定する要件を満たしていても、コロイド銀を使用していない場合には評価点としては低くなっており、評価としては、特に10%以下の網点での色相変化が認められた。

Claims (2)

  1. 網点濃度とドットゲインを独立に制御する手段を有する面積階調画像形成方法において、画像形成で用いられる少なくともイエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像を形成するハロゲン化銀カラー感光材料が黒色コロイド銀を含有し、各色画像の濃度変化に対する網%が30%におけるドットゲインの変化が、マゼンタ画像<シアン画像<イエロー画像の順であることを特徴とする面積階調画像形成方法。
  2. 前記シアン画像の網%が30%におけるドットゲインの変化が、前記マゼンタ画像の網%が30%におけるドットゲインの変化の1.1〜1.5倍であり、かつ前記イエロー画像の網%が30%におけるドットゲインの変化が、前記マゼンタ画像の網%が30%におけるドットゲインの変化の1.3〜1.8倍であることを特徴とする請求項1に記載の面積階調画像形成方法。
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