JP2005320011A - 内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズル及びそれを備えた液体容器 - Google Patents

内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズル及びそれを備えた液体容器 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的な構造によらずとも逆流防止機能を発揮できるとともに、常時開口状態で内容物及び空気の逆流を制限する画期的な吐出ノズル及びそれを備えた液体容器の提供。
【解決手段】外圧によって変形せしめて内容物を排出させる柔軟性容器の排出口に設ける排出ノズルにおいて、当該ノズル内液体通路は容器本体側から排出口までの間が貫通しているとともに、その一部が一対の面で挟まれた隙間で構成された隙間通路であり、当該隙間通路は内容物液体の粘性または表面張力により常圧下では滞留して容易に流通しない程度の寸法とすることにより、内容物の排出時には容器本体を押圧することによって排出可能であるが、当該押圧力を排除した際には当該排出ノズルの液体通路内の内容物及び外気が容器本体内に逆流することを防止した。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、容器本体から内容物(流体)を排出させるにあたり、特にクリーム状やジェル状の液体のように水よりも粘度が高いいわゆる半流動体を排出させた際に、容器本体内に内容物及び空気が逆流しないようにした容器開口部の逆流防止機構を備えた排出ノズル及びそれを備えた容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、チューブ等の容器から内容物を排出させた後に、その内容物が容器内に逆流したり、空気を吸い込むことを防止するために様々な技術が提案されていた。それらはいずれも何らかの逆流防止弁(以下逆止弁)を用いたものであった。
【0003】
例えば、特開2001―301779号公報に記載のもののようにフラップ状の逆止弁を備えたもの、特開2001―278297号公報に記載のもののようにラッパ状の逆止弁を備えたもの、特開2001―240089号公報に記載のもののように駒状の弁部材(以下弁駒)をバネ力で押し付けるタイプの逆止弁を備えたもの及び特開2000―289756号公報に記載のもののように自由移動式の弁駒を逆止弁として構成したものなどが代表的なものであり、多種多様な形式の逆止弁が提案されている。
【0004】
これらはいずれも弁機構としては比較的単純な機構のものが多く、コスト的には有効な技術であったと言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記いずれの先行技術も全て弁部材を備え機械的に開口部に蓋をするという形式のものばかりであった。
【0006】
上記先行技術例のうち、フラップ状の弁部材を備えたものはヒンジ部の可動性が弁機能に大きく影響するものであり、その他の弁駒が移動するタイプのものはまさに弁駒の移動具合が弁機能そのものを左右するものである。またこれらはいずれも低粘度の液体においては比較的問題なく作動して弁機能も高いと言えるが、クリーム状やジェル状の高粘度液体になると、液体自体が作動部材のダンパーとして働いてしまい、著しく弁性能が低下するものであった。そのような場合においては、上記中唯一バネ力で弁駒を開口に押し当てるタイプのものが比較的弁機能が期待できそうなものではあるが、粘度が上がるほどバネ力を強くする必要があり、それに伴って排出性も悪くなり、戻り難くなるとともに出し難くなることが自明である。
【0007】
このように従来はもっぱら開口部に蓋をすることによって逆流防止を図っていたので、高粘度液体に適用することができるものはほとんどないと言っても過言ではない。
【0008】
また、特にチューブ型容器にあっては、従来から水に近い低粘度液体を充填することは、漏洩するおそれがあることから困難とされていたが、高粘度液体はもちろん比較的低粘度の液体まで幅広く利用できれば容器としての汎用性、高度利用性が図れることがわかっていた。
【0009】
そこでこの発明の内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型吐出ノズル及びそれを備えた液体容器は、上記従来技術の問題点を解決するものであるとともに、従来技術のような機械的な構造によらずとも逆流防止機能を発揮できるとともに、常時開口状態で内容物及び空気の逆流を制限する画期的な排出ノズル及びそれを備えた液体容器を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわちこの発明の内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズルは、以下の特徴を有するものである。
(1)外圧によって変形せしめて内容物を排出させる柔軟性容器の排出口に設ける排出ノズルにおいて、当該ノズル内液体通路は容器本体側の入り口から排出口までの間が貫通しているとともに、その一部が複数の面で挟まれた隙間で構成されてなあり、当該隙間通路は内容物液体の粘性または表面張力により常圧下では滞留して容易に流通しない程度の寸法とすることにより、内容物の排出時には容器本体を押圧することによって排出可能であるが、当該押圧力を排除した際には当該排出ノズルの液体通路内の内容物及び外気が容器本体内に逆流することを防止するものであること。
(2)隙間を構成する一対の面が湾曲した面であること。
(3)隙間を構成する一対の面が平面であること。
(4)隙間を構成する一対の面が球面であること。
【0011】
さらにこの発明の内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズルを備えた容器は、上記(1)乃至(4)のいずれかの内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズルを備えたことを特徴とすること。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズル(以下この発明のノズル)及びそれを備えた液体容器(以下この発明の容器)の実施例について詳述する。
【0013】
【実施例1】
図1乃至13はこの発明のノズル及びこの発明の容器の第1の実施例を示すものである。
【0014】
図1はキャップを取り外した状態の全体斜視図である。図において、この発明の容器1は容器本体2の上部に筒状部3を一体に設け、その先端(上端)は平面部4を備えるとともにその中央には後述するこの発明のノズルの排出口12が突出する開口部5を備えている。筒状部3の外周には雄ねじ6が形成されていて、このねじ6でキャップ7が螺合されて固定される。この実施例においては容器本体2はチューブ容器となっている。
【0015】
図2はこの発明の容器の開口部付近の要部中央縦断面図である。
【0016】
容器本体2及び筒状部3はポリエチレンや複合素材から常法により一体に形成されている。容器本体としては手で握るなどして加えられる外圧によって変形し、内容物を排出口から押し出すような柔軟性の容器であればよく、図1に示すようなごく一般的なチューブの他、袋状容器なども好適である。図2に示すように筒状部3の内側にはこの発明のノズル8が嵌め込まれている。この発明のノズル8は筒状部材9の内側に円柱状部材10が嵌め込まれる形で構成されている。図3は図2におけるAA横断面図である。図4に示すように、筒状部材9は上端に平面部11を設け、その中央部に排出口12を設けていて、下端の開口部13から排出口12までの排出通路にはこれを塞ぐ部材は存在せず、貫通している。また、筒状部材9下端の開口部13はその一部が上方に向かってすぼまるテーパ形状に形成されているとともに、円柱状部材10の下端も下すぼまりのテーパー形状にしておくことにより、図2に示すように、断面がロート状になるため容器本体2からの内容物が隙間に流入し易いようになっている。このテーパ形状がないと排出時の流入抵抗が大きくなり、排出し難くなる。
【0017】
筒状部材9の内径は円柱状部材10の外径より若干大きく、円柱状部材10を筒状部材9に嵌め込んだ際に、両者の間には図2及び図3に示すように円柱状部材10の側面と上端においてそれぞれ縦方向の周面隙間14と横方向の平面隙間15が形成されるようになっている。これらの隙間を形成するにあたっては、図4に示すように円柱状部材10の側面の長手方向(紙面では上下方向)に数本(図では4本)の突条16が形成されていて、この突条16の高さが隙間の高さとなるように設計される。また、この突条16は円柱状部材10の上端18にも延長されており、筒状部材9の内面下端17と円柱状部材10の上端18との間の隙間形成をしている。このように、一定高さの突条16を設けることにより、両者を組み付けた状態のBB横断面(図5)において、両者で形成される周面隙間14及び図2に示す上端隙間15の隙間寸法が一定に確保される。なお、この突条16は突起に代えても良いことはもちろんである。また、周面隙間14はこのように筒状体と棒状態とで構成することが最も簡便であるが、いわゆる湾曲した面同士を平行に配することで構成することとしてもよいことはもちろんである。
【0018】
この周面隙間14は、ここを流通する内容物(液体)が一定の圧力以下では、自らの粘性または表面張力で通路を塞いでしまい、流通することができない程度の寸法に形成されている。つまり内容物の粘度が低いほど隙間は狭く、逆に粘度が高いと隙間は広めで良いこととなる。そしてここで言う一定圧力とは、主に容器本体2を手で押圧等して内容物を押し出した後に、容器本体2の弾性復元力等で容器本体内に生ずる内容物を容器本体内に引き戻そうとする力(負圧)の大きさを言う。平面隙間15は周面隙間14から流れ出た内容物が排出口12に向かって流れの方向を変える際の踊り場ともなっている。
【0019】
なお、この隙間寸法の確保手段に関しては、上記方法によるものとは限らない。すなわち、図6に示すように、突条16を筒状部材9の内面に設けることとしてもよいし、図8に示すように円柱状部材10の外周上の上端付近19に筒状部材9の内径に適合する直径の嵌合部20を設け、嵌め合わせることとしてもよい。後者の場合、嵌合部20の所望位置に切り欠き21を設けて内容物の通路としている。また、嵌合部20は筒状部材9側に設けてもよいし、円柱状部材10の下端側に設けてもよいことはもちろんである。図7及び図9はそれぞれ図6と図8におけるCC横断面図及びDD横断面図である。
【0020】
以上のように、隙間通路は筒状部材の内周面と円柱状部材の外周面という一対の面で構成される他、図11の(a)及び(b)に示すように周形状が多角形であると3以上の面で構成される場合もある。
【0021】
なお、以下全ての実施例において、隙間の形成方法は本実施例に示した手法のいずれかまたは、その他確実に隙間が均一になおかつ安定して確保される手法が適用される。
【0022】
以上のように形成したこの発明のノズル及びそれを備えたこの容器の使用に際しては以下の通りである。
【0023】
図10に矢印で示すように、内容物は容器本体2の外部を手などで押圧されることによる内圧上昇で排口側に押し出され、この発明のノズル8の下端の隙間入り口13に入り込む。入口が狭いので弱い押圧力では内容物が周面隙間14に入り込むことはできないが、一定の押圧力を超える押圧力が容器本体2にかけられると、内容物は周面隙間14に進入して排出口まで流れて排出される。
【0024】
そして所望量の内容物を排出後に容器本体2の押圧を止めた際には、本来的に容器本体2は自身の弾性によって容器本体2の表面が受ける大気圧に抗して復元しようとするので、容器本体内には負圧が生じ、図12に示すように周面隙間14、平面隙間15及び排出通路内の内容物には容器本体内に引き込まれる方向に力が作用する。しかしその負圧程度では内容物はそれ自体の粘度や表面張力及び通路内抵抗によって流通が制限され、通路内の抵抗に抗して流れることができないので、自らが隙間を塞ぐ形となり通路内に留まったままとなる。より具体的には、この発明のノズル8を境に、排出口12にはその開口面積に大気圧がかかり、一方容器本体内には容器本体2の表面が受ける大気圧と容器本体2の復元力の差分の力により負圧が生じることとなるが、常圧下ではこの発明のノズル8が減圧オリフィスとして機能することにより両者をバランスさせてしまうので、圧力差による内容物の移動が制限される。つまり容器本体内に引き戻される(逆流する)ことがないのである。
【0025】
したがって、再度内容物を排出させようとする際には、容器本体2を、内容物が通路内抵抗に抗して排出されるに必要な力で押圧すると直ぐに排出口12から排出される。従来の容器のように容器本体内に引き込まれた空気をまず最初に排出した後に内容物を押し出すというプロセスがないので、外圧に対して非常に反応が良い容器を提供することができる。
【0026】
さらに、容器本体内に空気が引き込まれないので、酸化を嫌う内容物には好適である。
【0027】
また、排出口12の先端においては、内容物はごく僅かに引き込まれは有り得るが、キャップ7の内側にキャップ7を閉めた際にこの排出口12に当接するシールを設けたり、あるいは排出口内径に適合する図示しない突起を設けるなどして最前線にある内容物が空気に触れないようにすることで、内容物と空気との接触を限りなく皆無に近づけることができる。
【0028】
しかも、これらの作用はこの発明のノズル1が可動部品を一切使わずに構成しているので、故障することはなく永久的に機能及び性能を持続する。
【0029】
内容物の排出し易さ(流れ易さ)及び逆流防止機能(流れ難さ)のバランスは図13に示すように、内容物の流路となる各隙間等すなわち、筒状部材10においてその側面の周面隙間14の寸法W1、上端の平面隙間15の寸法W2及び排出口12の内径W3の各寸法を適宜調整すればよい。
【0030】
【実施例2】
図14乃至16はこの発明のノズル及びこの発明の容器の第2の実施例を示すものである。
【0031】
図14は開口部付近の要部中央縦断面図であり、図に示すように、本実施例は前記実施例1と同様に構成されたこの発明の容器1の筒状部3の内側に、この発明のノズル8が嵌め込まれている。本実施例においては周面隙間14及び平面隙間15のそれぞれが複数の構成となっているのが特徴である。
【0032】
また実施例1と同様にこの発明のノズル8は筒状部材9の内側に円柱状部材10が嵌め込まれる形で構成されている。図15は図14におけるEE横断面図である。図14に示すように、筒状部材9は上端に平面部11を設け、その中央部に排出口12を設けているとともにその内側にも排出口12とほぼ同様の管状部22が垂設せられていて、下端の開口部13から排出口12までの排出通路にはこれを塞ぐ部材は存在せず、貫通している。
【0033】
円柱状部材10にはその上端に、上記筒状部材9の管状部22が、その側面に隙間14Bを、その下端に隙間15Bをもって挿入されるように凹部23が設けらている。凹部23の底部は球面状になっており、隙間15Bが大きな空間となって図16に示すように隙間14Bからの流れ出しがよりスムーズになる。しかしながら、逆流時にはこの大きい空間から隙間14Bへの入口が急激に小さくなるので、減圧効果が得られて逆流防止効果を高めている。筒状部材9の内径は円柱状部材10の外径より若干大きく、円柱状部材10を筒状部材9に嵌め込んだ際に、両者の間には円柱状部材10の側面と上端において所望周面隙間14及び平面隙間15Aが形成されるようになっている。さらに、円柱状部材10の内径は筒状部材9の管状部22の外径よりも若干大きく、円柱状部材10の上端と筒状部材9において所望隙間14B,15Bが形成されるようになっている。
【0034】
この周面隙間14A及び14Bは、実施例1に示した手法と同様にここを流通する内容物(液体)が一定の圧力以下では、自らの粘性または表面張力で通路を塞いでしまい、流通することができない程度の寸法に形成されている。
【0035】
この実施例では、上記管状部22と凹部23とにより、複数の隙間が形成されている。平面隙間15に関しては、15Aが周面隙間14Aから14Bへの流れのUターン部となり、周面隙間15Bは平面隙間14Bから排出口12への流れ方向を変える踊り場となるものである。
【0036】
以上のように形成したこの発明のノズル及びそれを備えたこの容器の使用に際しては以下の通りである。
【0037】
図16に矢印で示すように、内容物は容器本体2の外部からの押圧による内圧上昇で排口側に押し出され、このノズル8の下端の隙間入口13に入り込む。入口が狭いので弱い押圧力では内容物が周面隙間14Aに入り込むことはできないが、一定の押圧力を超える押圧力が容器本体にかけられると、内容物は周面隙間14Aに進入して一旦平面隙間15Aまで流れ、そこでUターンして本来の流れ方向とは逆の方向に流れてさらに周面隙間14Bに流れ込む。そして周面隙間14Bから平面隙間15Bを通って排出口12まで流れて排出される。
【0038】
そして所望量の内容物を排出後に容器本体2の押圧を止めた際には実施例1と同様の作用により、内容物及び外気は容器本体内に引き戻される(逆流する)ことがないのである。
【0039】
本実施例では、周面隙間14及び平面隙間15が複数備わっていることと流れの反転により、流路抵抗が実施例1よりも大きくなるので、より低粘度液体に利用することが可能となる。また、内容物の排出し易さ(流れ易さ)及び逆流防止機能(流れ難さ)のバランスは、上記実施例1と同様に内容物の流路を構成する各隙間の寸法を適宜調整すればよい。
【0040】
図17及び図18は上記構成において、円柱状部材10の上端凹部23の底部を平面形状にした場合を示している。こうすることによって狭い通路が直角に曲がりくねることによって戻りの流路抵抗はより大きくなり、逆流防止性能は上がる。
【0041】
【実施例3】
図19乃至22はこの発明のノズル及びこの発明の容器の第3の実施例を示すものである。
【0042】
図19は開口部付近の要部中央縦断面図であり、図に示すように、本実施例は前記実施例1と同様に構成されたこの発明の容器1の筒状部3の内側にこの発明のノズル8が嵌め込まれている。本実施例では周面隙間14及び平面隙間15のそれぞれが複数の構成となっているとともに、上記実施例2と比較してもさらに平面隙間15が一つ多い構成となっている。
【0043】
この発明のノズル8は筒状部材9の内側にキャップ状部材24が嵌め込まれ、さらにその内部に筒状部材25が嵌め込まれる形で構成されている。図21は図19におけるFF横断面図である。図20に示すように、筒状部材9は上端に平面部11を設け、その中央部に排出口12を設けていて、下端の開口部13から排出口12までの排出通路にはこれを塞ぐ部材は存在せず、貫通している。
【0044】
筒状部材9に嵌り合うキャップ状部材24は筒状形状の上端に平面部を備えた形状をしており、開口部を下に向けて筒状部材9の内部に嵌め込まれる。さらにこのキャップ状部材24の内部に嵌り合う筒状部材25は、筒状部26の下端に上記筒状部材9の下端開口部13を塞ぐためのフランジ27を備えた縦断面が逆T字状を呈している。フランジ27の中心には開口28を備えて筒状部26が貫通している。そして、各部材9,24,25はそれぞれに隙間を形成するように前記実施例1と同様の手法により寸法が決められて、嵌め込まれ一体化される。そして図19に示すように、周方向の隙間は14A、14Bと二つの隙間が、また、横方向の隙間は15A、15B及び15Cと三つの隙間がそれぞれ形成される。
【0045】
以上のように形成したこの発明のノズル及びそれを備えたこの容器の使用に際しては以下の通りである。
【0046】
図22に矢印で示すように、内容物は容器本体2の外部からの押圧による内圧上昇で排口側に押し出され、この筒状部材25の下端入口(開口)28に入り込む。入口となる筒状部材25の筒状部26の内部通路は比較的太く内容物は入り込みやすいが、平面隙間15Aでいきなり方向転換を強いられた上、周面隙間14Aの入口が狭いので弱い押圧力では内容物が周面隙間14Aに入り込むことはできないが、一定の押圧力を超える押圧力が容器本体2にかけられると、内容物は平面隙間15AでUターンして本来の流れ方向とは逆の方向に流れて周面隙間14Aに進入し平面隙間15Bまで流れ、そこでさらにUターンして周面隙間14Bに流れ込む。そして平面隙間15Cを経て排出口12まで流れて排出される。
【0047】
そして所望量の内容物を排出後に容器本体2の押圧を止めた際には実施例1と同様の作用により、内容物及び外気は容器本体内に引き戻される(逆流する)ことがないのである。
【0048】
本実施例では、周面隙間14及び平面隙間15が複数備わっていることに加え、2度のきつい反転により、通路抵抗が実施例2よりも大きくなるので、より低粘度液体に利用することが可能となる。また、内容物の排出し易さ(流れ易さ)及び逆流防止機能(流れ難さ)のバランスは、内容物の流路を構成する各隙間14及び15の寸法を適宜調整すればよい。
【0049】
【実施例4】
図23乃至図32はこの発明のノズル及びこの発明の容器の第4の実施例を示すものである。
【0050】
図23はキャップを取り外した状態の全体斜視図であり、また図24はこの発明の容器の開口部付近の要部中央縦断面図である。図23及び図24において、この発明の容器1は前記実施例1と同様に容器本体2の上部に筒状部3を一体に設け、その内部にこの発明のノズル8を備えるとともに、筒状部3には外周に雄ねじ6が設けられて中央に排出口12を突設せしめたノズルキャップ29が螺合され(図24においては破線で図示。)、当該ノズル8のフランジ32を挟み込んで筒状体3の上端に固定している。ノズルキャップ29の先端排出口12の外周には雄ねじ6が形成されていて、このねじ6でキャップ7が螺合される。この実施例においても容器本体2はチューブ容器となっている。
【0051】
この発明のノズル8は筒状部3の内側に円柱状部材30と筒状部材31とが嵌め込まれる形で構成されている。図25に示すように上端にフランジ32を備えた円柱状部材30には、フランジ32の直下に円周方向に条溝33が設けられ、また、フランジ32の中央には、深さがこの条溝位置と同じになるように排出通路34が設けられ、さらにこの排出通路34の底部と条溝33の底部とを連通する通路35が半径方向に放射状に設けられている。この通路35は、図25においては断面が円の管状通路であるが、排出通路34と条溝33とが連通すればどのような断面形状でも構わない。そしてさらに条溝33より下側は下端に向かってストレート部36となっている。
【0052】
筒状部材31はほぼ単純な管状体であり、その上端は内径が円柱状部材31のフランジ32と条溝33との間の外径とで嵌め合いになるように構成されている。そして、筒状部材31の内周面と、円柱状部材30のストレート部36の外周面との間に前記実施例1と同様の手法により周面隙間14を形成する。
【0053】
図26及び図27はそれぞれ図24におけるGG横断面図及びHH横断面図である。
【0054】
以上のように形成したこの発明のノズル及びそれを備えたこの容器の使用に際しては以下の通りである。
【0055】
図28に矢印で示すように、内容物は容器本体2の外部からの押圧による内圧上昇で排口側に押し出され、このノズル8の下端の筒上部材31下端の開口部37から周面隙間14の入口に入り込む。入口が狭いので弱い押圧力では内容物が周面隙間14に入り込むことはできないが、一定の押圧力を超える押圧力が容器本体2にかけられると、内容物は周面隙間14に進入して一旦条溝33まで流れ、そこで直角に流れの方向を変え、通路35を通って排出通路34に抜け、ノズルキャップ29の排出口12まで流れて排出される。
【0056】
そして所望量の内容物を排出後に容器本体2の押圧を止めた際には、前記実施例1と同様の作用によって内容物と外気は容器本体内に引き戻される(逆流する)ことがない。
【0057】
内容物の排出し易さ(流れ易さ)及び逆流防止機能(流れ難さ)のバランスは図30に示すように、内容物の流路を構成する各隙間等すなわち、筒状部材30においてその側面の周面隙間14の寸法W1、横通路35の寸法W2、排出通路34の内径W3及び排出口12の内径W4の各寸法を適宜調整すればよい。
【0058】
図31は上記構成において、筒状部材31の下端に底部38を設けるとともに、開口部37をより小さな径の穴とすることにより、円柱状部材30の下端と筒状部材31の底面内側との間にも横方向の隙間15を形成した場合を示している。さらに図32はこの場合において、筒状部材30の下端に凹部39を設けることにより、開口部37からの流れ込みと横方向への方向転換がよりスムーズになるようにしたものである。
【0059】
【実施例5】
図33乃至39はこの発明のノズル及びこの発明の容器の第3の実施例を示すものである。
【0060】
図33は開口部付近の要部中央縦断面図であり、図に示すように、本実施例は前記実施例1と同様に構成されたこの発明の容器1の筒状部3の内側にこの発明のノズル8が嵌め込まれている。ほぼ実施例1と同様の隙間構成であるが、内容物のこの発明のノズル8への流入口をより排出口12に近い位置に配置した構成としたものである。
【0061】
図34に示すこの発明のノズル8は、図35に示すように上方に開口部40を備えたカップ状部材41に筒状部材31が嵌め込まれる形で構成されている。図35に示すように、カップ状部材41は上端にフランジ32を設けるとともにその円周部をさらに上方に立ち上げて段差42を形成している。筒状部材31も上端にフランジ32を設けるとともに、そのフランジ32から幾分下がった位置に円周方向の条溝33が形成され、さらに、下端にも円周上に段差42が設けられている。筒状部材31のフランジ32はその直径がカップ状部材41のフランジ32の段差42の内径に適合する寸法となっていて、筒状部材31のフランジ32がカップ状部材41の段差42に嵌り合って一体化される。カップ状部材41にはフランジ32の下位置に内部とを連通させる通路35が設けられており、その位置は内部に挿入された筒状部材31の条溝33と適合する位置となっている。
【0062】
筒状部材31の条溝下のストレート部分43はその直径がカップ状部材の筒状部44の内径よりも幾分小さいものとなっており、図33に示すように両者で周面隙間14を、また、筒状部材31の下端とカップ状部材41の内底との間で平面隙間15を、前記実施例1と同様の手法により形成する。
【0063】
図36は図34におけるJJ横断面図である。
【0064】
以上のように形成したこの発明のノズル及びそれを備えたこの容器の使用に際しては以下の通りである。
【0065】
図37に矢印で示すように内容物は容器本体2の外部からの押圧による内圧上昇で吐口側に押し出され、この筒状部3とこの発明のノズル8との隙間を容器開口部方向に流れ、通路35の入口に入り込む。通路35から入り込んだ内容物は、その奥に条溝33によって形成された空間に入り込み、一旦滞留しつつ流れの方向を周面隙間14の方向に変える。周面隙間14の入口が狭いので弱い押圧力では内容物が周面隙間14に入り込むことはできないが、一定の押圧力を超える押圧力が容器本体2にかけられると、内容物は条溝内で方向転換し、本来の流れ方向とは逆の容器本体方向に流れて筒状部材31の下端に設けた段差42で形成される空間に入る。この空間は上記条溝33と同様に内容物が方向転換をし易くするためのいわば踊り場であり、一旦ここで蓄圧されて平面隙間15に流れるようになっている。そして平面隙間15を経て管状部材31内の排出通路34を通って排出口12まで流れて排出される。
【0066】
そして所望量の内容物を排出後に容器本体2の押圧を止めた際には、図38に示すように通路内に滞留している内容物に容器本体内に引き戻そうとする力が作用するものの前記実施例1と同様の作用により、内容物及び外気は容器本体内に引き戻される(逆流する)ことがない。
【0067】
内容物の排出し易さ(流れ易さ)及び逆流防止機能(流れ難さ)のバランスは図39に示すように、内容物の流路を構成する各隙間すなわち、筒状部材31においてその側面の周面隙間14の寸法W1、下端部の平面隙間15の寸法W2、排出通路34の内径W3及び排出口12の内W4の各寸法を適宜調整すればよい。
【0068】
図40及び図41はそれぞれ筒状部材31の条溝33及び下端部の段差42の形状のバリエーションを示すものである。このように、流れの方向転換のためのいわば踊り場として隙間通路の所望位置に一定の空間を形成するために、条溝33及び段差42の形状は矩形型に限定されない。
【0069】
【実施例6】
図42乃至48はこの発明のノズル及びこの発明の容器の第6の実施例を示すものであり、前記実施例4の簡素型といえるものである。
【0070】
図42はこの発明の容器の開口部付近の要部中央縦断面図である。
【0071】
本実施例においては、この発明のノズル8は前記実施例1と同様に構成されたこの発明の容器1の筒状部3の内側に、円柱状部材30が直接嵌め込まれる形で構成されている。図42及び図43に示すように、上端にフランジ32を備えた円柱状部材30には、フランジ32の直下に円周方向に条溝33が設けられ、また、フランジ32の中央には、深さがこの条溝位置と同じになるように排出通路34が設けられ、さらにこの排出通路34の底部と条溝33の底部とを連通する通路35が半径方向に放射状に設けられている。この通路35は、図においては断面が円の管状通路であるが、排出通路34と条溝33とが連通すればどのような断面形状でも構わない。そしてさらに条溝33より下側部分は下端に向かってストレート部36となっている。
【0072】
筒状部3は円柱状部材30のストレート部36と平行に形成され、その内径と、円柱状部材30のストレート部36との間に前記実施例1と同様の手法によって周面隙間14を形成する。本実施例においては、筒状部3の内側に円柱状部材30が直接適合せしめられるため、隙間の精度と均一性を確保するためには筒状部3の内側の成形には相応の精度(平行度)が求められることとなる。
【0073】
そして筒状部3には外周に雄ねじ6が設けられて中央に排出口12を突設せしめたノズルキャップ29(図42において破線で図示)が螺合され、当該円柱状部材30のフランジ32を挟み込んで筒状体上端に固定している。
【0074】
図44及び図45はそれぞれ図42におけるKK横断面図及びLL横断面図である。
【0075】
以上のように形成したこの発明のノズル及びそれを備えたこの容器の使用に際しては以下の通りである。
【0076】
図46に矢印で示すように内容物は容器本体2の外部からの押圧による内圧上昇で排口側に押し出され、この発明のノズル8の周面隙間14の入口に入り込む。入口が狭いので弱い押圧力では内容物が周面隙間14に入り込むことはできないが、一定の押圧力を超える押圧力が容器本体にかけられると、内容物は周面隙間14に進入して一旦条溝33まで流れ、そこで直角に流れの方向を変え、通路35を通って排出通路34に抜け、ノズルキャップ29の排出口12まで流れて排出される。
【0077】
そして所望量の内容物を排出後に容器本体2の押圧を止めた際には、図47に示すように通路内に滞留している内容物に容器本体内に引き戻そうとする力が作用するものの前記実施例1と同様の作用により、内容物及び外気は容器本体内に引き戻される(逆流する)ことがない。
【0078】
内容物の排出し易さ(流れ易さ)及び逆流防止機能(流れ難さ)のバランスは図48に示すように、内容物の流路を構成する各隙間等すなわち、円柱状部材30においてその側面の周面隙間14の寸法W1、横通路35の寸法W2、排出通路34の内径W3及び排出口12の内径W4の各寸法を適宜調整すればよい。
【0079】
【実施例7】
図49乃至55はこの発明のノズル及びこの発明の容器の第7の実施例を示すものである。
【0080】
本実施例においては、この発明のノズル8は前記実施例1と同様に構成されたこの発明の容器1の筒状部3の内側に、ノズルピース46が直接嵌め込まれる形で構成されている。このノズルピース46はほぼH字形状に形成されていて、外周には2本の条溝33A、33Bが円周方向に上下に並列に設けられていて、さらに高さ方向の上下端にそれぞれ排出通路34と入口通路47が形成されている。そして図49のNN横断面図である図51に示すようにそれぞれ排出通路34と入口通路47は両通路と直径方向に設けた通路35Aによって上記条溝33Aと連通している。通路35Bと条溝33Bとの関係も同様である。
【0081】
図50に示すように、ノズルピース46の外周面は2本の条溝33A、33Bを備えることによって、この2本の条溝33A、33Bに分断されるようにして3本の突条が形成されているような形状となっている。そして3本の突条のうち最上部はフランジ32を形成するとともに、フランジ32と上の条溝33Bとの間には段差42がある。真中の突条部はストレート部36として上下の突条よりも直径が若干小さくなっている。また、最下部の突条48は上記段差42と同じ筒状部3の内径に適合する直径となっている。このノズルピース46を容器本体2の筒状部3に装着する場合は、ノズルピース46をフランジ32が筒状部3の端面45に当接するまで筒状部3内に押し込み、段差42と最下部の突条48を筒状部3の内径に嵌め合わせる。すると中央のストレート部36と筒状部3の内径との間に周面隙間14が生じ、上下2つの条溝33A、33Bがこの周面隙間14によって連通することとなる。この周面隙間14を形成するにあたっては、実施例1に開示した手法が適用される。また、前実施例6と同様に筒状部3の内側にノズルピース46が直接適合せしめられるため、隙間の精度と均一性を確保するためには筒状部3の内側の成形には相応の精度(平行度)が求められることとなる。
【0082】
そして筒状部3には外周に雄ねじ6が設けられて中央に排出口12を突設せしめたノズルキャップ29が螺合され、当該ノズルピース46のフランジ32を挟み込んで筒状体上端45に固定している。
【0083】
図51及び図52はそれぞれ図49におけるMM横断面図及びNN横断面図である。
【0084】
以上のように形成したこの発明のノズル及びそれを備えたこの容器の使用に際しては以下の通りである。
【0085】
図53に矢印で示すように、内容物は容器本体2の外部からの押圧による内圧上昇で排口側に押し出され、このノズルピース46の入口通路47の入口に入り込む。奥まで行き当たると横方向の通路35Aの入口に向かって方向転換する。通路35Aを抜けて条溝33Aに入り一旦滞留しながら上方に向かって方向転換する。周面隙間14の入口が狭いので弱い押圧力では隙間14に入り込むことはできないが、一定の押圧力を超える押圧力が容器本体2にかけられると、内容物は周面隙間14に進入して一旦条溝33Bまで流れ、そこで直角に流れの方向を変え、通路35Bを通って排出通路34に抜け、ノズルキャップ29の排出口12まで流れて排出される。
【0086】
そして所望量の内容物を排出後に容器本体2の押圧を止めた際には、図54に示すように通路内に滞留している内容物に容器本体内に引き戻そうとする力が作用するものの前記実施例1と同様の作用により、内容物及び外気は容器本体内に引き戻される(逆流する)ことがない。
【0087】
内容物の排出し易さ(流れ易さ)及び逆流防止機能(流れ難さ)のバランスは図55に示すように、内容物の流路を構成する各隙間等すなわち、入口通路の直径W1、横通路35Aの直径W2、周面隙間14の寸法W3、横通路35Bの寸法W4、排出通路34の内径W5及び排出口12の内径W6の各寸法を適宜調整すればよい。
【0088】
図56及び図57はそれぞれノズルピース46の条溝33A、33Bの断面形状のバリエーションを示すものである。このように、流れの方向転換のためのいわば踊り場として隙間通路の所望位置に一定の空間を形成するために、条溝の形状は矩形型に限定されない。
【0089】
【実施例8】
図58乃至図67はこの発明のノズル及びこの発明の容器の第8の実施例を示すものである。
【0090】
図58はこの発明の容器の開口部付近の要部中央縦断面図である。
【0091】
図58に示すように、本実施例は前記実施例1と同様に構成されたこの発明の容器1の筒状部3の内側にこの発明のノズル8が嵌め込まれている。この発明のノズル8は筒状部材9の内側に複数の平面隙間15を並設した隙間ピース49が嵌め込まれる形で構成されている。図59に示すように、筒状部材9は上端に平面部11を設け、その中央部に排出口12を設けていて、下端の開口部13から排出口12までが貫通している。また、筒状部材9下端の開口部13はその一部が上方に向かってすぼまるテーパ形状に形成しておくことにより、容器本体2からの内容物が平面隙間15に流入し易いようにしてある。
【0092】
筒状部材9の内径及び隙間ピース49の外径は相互に嵌り合う寸法とし、筒状部材9の外径は筒状部3の内径と嵌り合う寸法になっている。なお、この隙間ピース49を筒状部内に嵌入するには、容器本体2の下端を溶着する前に下端開口から挿入した後に下端を溶着することとすればよい。図60は図2におけるPP横断面図である。
【0093】
隙間ピース49は図59及び図61乃至図63に示すように、内部に複数の平面隙間15を併設した筒状部材で、その上端は筒状部材9の内側下端面との間に隙間を確保するために所望寸法窪んだ凹部50を形成している。また、中央部の平面隙間15を通ってきた内容物がそのままの勢いで排出口12から排出されないように、凹部50の中央には排出口12とほぼ同径の障害板51が設けられている。
【0094】
図61及び62はそれぞれ隙間ピース43の平面図及び底面図であり、図63はRR横断面図である。
【0095】
この隙間14は、前記各実施例と同様に内容物の粘度に応じた寸法に形成されている。
【0096】
以上のように形成したこの発明のノズル及びそれを備えたこの容器の使用に際しては以下の通りである。
【0097】
図64に矢印で示すように、内容物は容器本体2の外部からの押圧による内圧上昇で吐口側に押し出され、このノズル8の下端の隙間入口13に入り込む。直ぐに平面隙間15の入口に到達するものの、入口が狭いので弱い押圧力では内容物が平面隙間15に入り込むことはできないが、一定の押圧力を超える押圧力が容器本体2にかけられると、内容物は平面隙間15に進入して排出口12まで流れて排出される。図64は図63におけるPP断面図であるが、この際に、隙間ピース43の中央付近の平面隙間15に進入した内容物は、図65に示すように障害板51の背面に当たって排出口12に向かって直線的に流れることができず、障害板51を迂回して排出口12に流れる。
【0098】
そして所望量の内容物を排出後に容器本体2の押圧を止めた際には、図66に示すように通路内に滞留している内容物に容器本体内に引き戻そうとする力が作用するものの前記実施例1と同様の作用により、内容物及び外気は容器本体内に引き戻される(逆流する)ことがない。
【0099】
内容物の排出し易さ(流れ易さ)及び逆流防止機能(流れ難さ)のバランスは図67に示すように、内容物の流路を構成する各隙間等すなわち、平面隙間15の寸法W1及び排出口12の内径W2の各寸法を適宜調整すればよい。
【0100】
【実施例9】
図68乃至図74はこの発明のノズル及びこの発明の容器の第9の実施例を示すものである。
【0101】
図68はこの発明の容器の開口部付近の要部中央縦断面図である。
【0102】
図に示すように、本実施例は前記実施例1と同様に構成されたこの発明の容器1の筒状部3の内側にこの発明のノズル8が嵌め込まれている。この発明のノズル8は相互に球面型の凹凸部を備えた上下二つのピースが相互に嵌め込まれる形で構成されている。図68及び図69に示すように、上ピース52はその中央部に排出口12を突設していて上下に貫通している。また、下端は球面上の凹部52を、また外周下部には下ピースが嵌り合う段差42が形成されている。下ピース53は浅いカップ状に形成されているもので、中央部に上記上ピース52の球面凹部54に所望球面隙間14をもって適合する球状突起56が形成されている。また、球状突起56の周囲には、下ピース53の下面55と連通する通路35が所望数設けられている。この通路35は図に示すように、必ずしも円形断面である必要はなく、容器本体内から上記球面凹部54と球面突起56とで形成される球面隙間14に内容物が流入するように開口していればどのような形状であっても良い。図70及び図71はそれぞれ図68におけるSS横断面図及びTT横断面図である。なお、本実施例においてもこの球面隙間14を形成するにあたっては、実施例1に開示した手法が適用される。また、この発明のノズル8を筒状部内に嵌入するには、前記実施例8の隙間ピース49と同様に容器本体2の下端を溶着する前に下端開口から挿入した後に下端を溶着することとすればよい。
【0103】
以上のように形成したこの発明のノズル及びそれを備えたこの容器の使用に際しては以下の通りである。
【0104】
図72に矢印で示すように、内容物は容器本体2の外部からの押圧による内圧上昇で排口側に押し出され、このノズル8の下端の通路35の入口に入り込む。通路35を通過した内容物は直ぐに球面隙間14の入口に到達するものの、入口が狭いので弱い押圧力では内容物が球面隙間14に入り込むことはできないが、一定の押圧力を超える押圧力が容器本体2にかけられると、内容物は球面隙間14に進入して排出通路34を通って排出口12まで流れて排出される。
【0105】
そして所望量の内容物を排出後に容器本体2の押圧を止めた際には、図66に示すように通路内に滞留している内容物に容器本体内に引き戻そうとする力が作用するものの前記実施例1と同様の作用により、内容物及び外気は容器本体内に引き戻される(逆流する)ことがない。
【0106】
内容物の排出し易さ(流れ易さ)及び逆流防止機能(流れ難さ)のバランスは図74に示すように、内容物の流路を構成する各隙間等の寸法すなわち、通路35の内径寸法W1、隙間14の寸法W2及び排出口12(排出通路34)の内径W3の各寸法を適宜調整すればよい。
【0107】
【発明の効果】
以上のように構成したこの発明の内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズル及びそれを備えた液体容器によれば、従来の技術では成し得なかった以下のような優れた効果を発揮することができる。
【0108】
すなわち、チューブのような外圧で変形することによって内容物を排出させる柔軟性液体容器において、所望量の内容物を排出後に容器本体の押圧を止めた際には、本来的に容器本体は自身の弾性によって復元しようとするので、容器本体内には負圧が生じ、隙間通路及び吐出通路内の内容物には容器本体内に引き込まれる方向に力が作用する。しかしその負圧程度では内容物はそれ自体の粘度や表面張力及び通路内抵抗によって流通が制限され、通路内の抵抗に抗して流れることができないので隙間を塞ぐ形となり通路内に留まったままとなる。より具体的には、この発明のノズル8を境に排出口12にはその開口面積に大気圧がかかり、一方容器本体内には容器本体2の表面が受ける大気圧と容器本体2の復元力の差分の負圧が生じることとなるが、常圧下ではこの発明のノズル8が減圧オリフィスとして機能することにより両者をバランスさせてしまうので、圧力差による内容物の移動が制限される。つまり容器本体内に引き戻される(逆流する)ことがないのである。
【0109】
したがって、再度内容物を排出させようとする際には、容器本体を、内容物が通路内抵抗に抗して排出されるに必要な力で押圧すると直ぐに吐出口から排出される。従来の容器のように容器本体内に引き込まれた空気をまず最初に排出した後に内容物を押し出すというプロセスがないので、外圧に対して非常に反応が良い容器を提供することができる。
【0110】
さらに、容器本体内に空気が引き込まれないので、酸化を嫌う内容物には好適である。
【0111】
また、吐出口先端においては、内容物はほんの僅かな引き込まれは有り得るが、キャップの内側にキャップを閉めた際にこの吐出口先端に当接するパッキンを設けたり、あるいは吐出口内径に適合する図示しない突起を設けるなどして最前線にある内容物が空気に触れないようにすることで、内容物と空気との接触を限りなく皆無に近づけることができる。
【0112】
しかも、これらの作用はこの発明のノズルが可動部品を一切使わずに構成しているので、故障することはなく永久的に機能を持続する。
【0113】
このような作用は、従来は通路内を流通する液体の流れを止める場合には、可動式の弁を用いることが常識であったところ、この発明の内容物の逆流防止機能を備えたノズルは従来のような可動式弁を備えず、常時開口型であるにも関わらず実現することができたことはきわめて画期的である。
【0114】
内容物は高粘度液体はもとより、水のような低粘度液体においても優れた作用を示すため、従来困難とされていたチューブ容器の低粘度液体への使用が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す全体斜視図である。
【図2】要部縦断面図である。
【図3】AA断面図である。
【図4】ノズルの組立図である。
【図5】BB断面図である。
【図6】ノズルの組立図である。
【図7】CC断面図である。
【図8】ノズルの組立図である。
【図9】DD断面図である。
【図10】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図11】(a)及び(b)は隙間の他の構成例を示す要部横断面図である。
【図12】内容物にかかる負圧を示す概念図である。
【図13】各部の寸法を示す概念図である。
【図14】この発明の第2の実施例を示す要部縦断面図である。
【図15】EE断面図である。
【図16】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図17】他の構成例を示す要部縦断面図である。
【図18】内容物にかかる負圧を示す概念図である。
【図19】この発明の第3の実施例を示す要部縦断面図である。
【図20】ノズルの組立図である。
【図21】FF断面図である。
【図22】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図23】この発明の第4の実施例を示す全体斜視図である。
【図24】要部縦断面図である。
【図25】ノズルの組立図である。
【図26】GG断面図である。
【図27】HH断面図である。
【図28】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図29】内容物にかかる負圧を示す概念図である。
【図30】各部の寸法を示す概念図である。
【図31】他の構成例を示す要部縦断面図である。
【図32】他の構成例を示す要部縦断面図である。
【図33】この発明の第5の実施例を示す要部縦断面図である。
【図34】ノズルの斜視図である。
【図35】ノズルの組立図である。
【図36】JJ断面図である。
【図37】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図38】内容物にかかる負圧を示す概念図である。
【図39】各部の寸法を示す概念図である。
【図40】他の構成例を示す要部縦断面図である。
【図41】他の構成例を示す要部縦断面図である。
【図42】この発明の第6の実施例を示す要部縦断面図である。
【図43】ノズルの組立図である。
【図44】KK断面図である。
【図45】LL断面図である。
【図46】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図47】内容物にかかる負圧を示す概念図である。
【図48】各部の寸法を示す概念図である。
【図49】この発明の第7の実施例を示す要部縦断面図である。
【図50】ノズルの組立図である。
【図51】MM断面図である。
【図52】NN断面図である。
【図53】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図54】内容物にかかる負圧を示す概念図である。
【図55】各部の寸法を示す概念図である。
【図56】他の構成例を示す要部縦断面図である。
【図57】他の構成例を示す要部縦断面図である。
【図58】この発明の第8の実施例を示す要部縦断面図である。
【図59】ノズルの組立図である。
【図60】PP断面図である。
【図61】隙間ピースの平面図である。
【図62】その底面図である。
【図63】RR断面図である。
【図64】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図65】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図66】内容物にかかる負圧を示す概念図である。
【図67】各部の寸法を示す概念図である。
【図68】この発明の第9の実施例を示す要部縦断面図である。
【図69】ノズルの組立図である。
【図70】SS断面図である。
【図71】TT断面図である。
【図72】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図73】内容物の排出時の流れを示す概念図である。
【図74】各部の寸法を示す概念図である。
【符号の説明】
1 容器
2 容器本体
3 筒状部
4 平面部
5 開口部
6 雄ねじ
7 キャップ
8 ノズル
9 筒状部材
10 円柱状部材
11 平面部
12 排出口
13 開口部
14 周面隙間
15 平面隙間
16 突条
17 内面下端
18 上端
19 上端付近
20 嵌合部
21 切り欠き
22 管状部
23 凹部
24 キャップ状部材
25 筒状部材
26 フランジ
27 条溝
28 開口
29 ノズルキャップ
30 円柱状部材
31 筒状部材
32 フランジ
33 条溝
34 排出通路
35 連通路
36 ストレート部
37 開口部
38 低部
39 凹部
40 立ち上がり部
41 カップ状部材
42 段差
46 ノズルピース
47 入口通路
48 突条
49 隙間ピース
50 凹部
51 障害板
52 上ピース
53 下ピース
54 球面凹部
55 下面
56 球面突起

Claims (5)

  1. 外圧によって変形せしめて内容物を排出させる柔軟性容器の排出口に設ける排出ノズルにおいて、当該ノズル内の液体通路は容器本体側の入口から排出口までの間が常時貫通しているとともに、その一部が複数の面で挟まれた隙間通路で構成されてなり、当該隙間通路は内容物液体の粘性または表面張力により常圧下では滞留して容易に流通しない程度の寸法とすることにより、内容物の排出時には容器本体を押圧することによって排出可能であるが、当該押圧力を排除した際には当該排出ノズルの液体通路内の内容物及び外気が容器本体内に逆流することを防止する内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズル。
  2. 隙間を構成する複数の面が湾曲した面である請求項1に記載の内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズル。
  3. 隙間を構成する複数の面が平面である請求項1に記載の内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズル。
  4. 隙間を構成する複数の面が球面である請求項1に記載の内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズル。
  5. 上記請求項1乃至4のいずれかの内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズルを備えたことを特徴とする液体容器。
JP2002132983A 2002-05-08 2002-05-08 内容物の逆流防止機能を備えた常時開口型排出ノズル及びそれを備えた液体容器 Abandoned JP2005320011A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013107685A (ja) * 2011-11-22 2013-06-06 Orihiro Kk 口栓および、これを備えた柔軟な容れ物

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