JP2005319689A - 顔料インク印刷用シート、顔料インクを用いた印刷方法および印刷物 - Google Patents

顔料インク印刷用シート、顔料インクを用いた印刷方法および印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】
顔料インクを用いたインクジェットプリンタにてインク受容性に優れた良好な印刷性を示す顔料インク印刷用シートを提供する。
【解決手段】
微細孔を有する熱可塑性樹脂製多孔性フィルムを印刷記録層として少なくとも1層含む印刷用シートであって、前記多孔性フィルムは、バブルポイント法(ASTM F316−86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μm)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求めた前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが、下記式:
1.2≦2r/d
を満たすことを特徴とする顔料インク印刷用シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、印刷用シートに関し、詳しくは、顔料インクの印刷性に優れた熱可塑性樹脂製印刷用シートに関する。
従来より、印刷等により情報を記録する材料として紙が使用されてきたが、近年になり紙の主原料である木材の大量消費による環境への影響を懸念する声が高まってきている。また、木材パルプ製の紙は、耐水性に乏しく、表面の引掻強度や層内の剥離または凝集強度に劣るという欠点があり、それらの欠点を改良した紙の代替品が求められてきている。そのようなパルプ紙に代わるものとして、樹脂製の合成紙が広く検討されている。その例として、熱可塑性樹脂にフィラーを充填したものを製膜し、その後延伸することで膜に微多孔を生成させ、紙の特徴をもたせるもの(例えば特許文献1参照)や、熱可塑性樹脂フィルムの表面に乾燥時にインクや鉛筆等の受容性を持つ無機充填剤含有樹脂組成物を塗布したもの(例えば特許文献2参照)などがある。
特公平2−20417号公報 特開平11−309821号公報
しかしながら、これらの合成紙は通常染料インク印刷用であり、近年において耐候性・耐水性の観点から用途が拡大している顔料インクを用いたインクジェット印刷を行なった場合には、インクの受容性(吸収性および乾燥性)においてより一層の改良が要求されるものであった。
そこで、本発明の目的は、顔料インクを用いたインクジェットプリンタにてインク受容性に優れた良好な印刷性を示す顔料インク印刷用シートを提供することにある。また、本発明の目的は、顔料インクを用いたインクジェットプリンタによって良好に印刷を行うことができる印刷方法を提供することであり、さらに本発明の目的は、顔料インク印刷用シートに顔料インクを用いたインクジェットプリンタを用いて印刷することにより得られる良好な印刷物を提供することにある。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の孔径の微細孔を有する多孔性フィルムを印刷記録層として使用することにより所期の目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の顔料インク印刷用シートは、微細孔を有する熱可塑性樹脂製多孔性フィルムを印刷記録層として少なくとも1層含む印刷用シートであって、前記多孔性フィルムは、バブルポイント法(ASTM F316−86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μm)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求めた前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが、下記式:
1.2≦2r/d
を満たすことを特徴とするものである。
また、本発明は、上記顔料インク印刷用シートに、顔料インクを用いたインクジェットプリンタにて印刷する印刷方法である。さらに本発明は、上記顔料インク印刷用シートに、顔料インクを用いたインクジェットプリンタにて印刷することにより得られた印刷物である。
本発明の顔料インク印刷用シートは、顔料インクを用いたインクジェットプリンタにて良好な印刷性を示す。
また本発明の印刷方法によって、顔料インク印刷用シートに顔料インクを用いたインクジェットプリンタによって良好に印刷を行なうことができる。
また本発明の印刷物は、顔料インク印刷用シートに顔料インクを用いたインクジェットプリンタにて良好に印刷された印刷物である。
本発明の顔料インク印刷用シートは、微細孔を有する熱可塑性樹脂製多孔性フィルムを印刷記録層として少なくとも1層含む。該多孔性フィルムは、バブルポイント法(ASTM F316−86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μm)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求めた前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが、下記式
1.2≦2r/d
を満たす。
これにより本発明の顔料インク印刷用シートは、顔料インクを用いたインクジェットプリンタの印刷性に優れるものとなっている。またこのような本発明の顔料インク印刷用シートは、表面の引掻強度にも優れるものである。
また本発明の顔料インク印刷用シートは、前記微細孔の平均細孔直径d(μm)と、前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが、下記式
1.2≦2r/d≦1.7
を満たすことが好ましい。2r/dの値が前記範囲内にあると、顔料インク印刷用シートの印刷記録層は、強度およびインク受容性とのバランスに特に優れたものとなる。
印刷用シートの印刷記録層に用いる多孔性フィルムは、平均細孔直径dが0.05〜10μmであることが好ましく、より好ましくは平均細孔直径dが0.1〜5μmである。また、印刷に用いる顔料インクの顔料の平均粒径より平均細孔直径が小さいことが、インクの発色性の観点から好ましい。
本発明の印刷用シートの印刷記録層を構成する多孔性フィルムの主原料である熱可塑性樹脂は、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィン(長分子鎖長ポリオレフィン)を10重量%以上含有することがシートの強度や印刷記録層内の剥離強度の観点から好ましい。前記熱可塑性樹脂は、長分子鎖長ポリオレフィンを10重量%以上含有していることが好ましく、20重量%以上含有することがより好ましく、30重量%以上含有することが一層好ましい。前記長分子鎖長ポリオレフィンには、オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等)の単独重合体、2種類以上のオレフィンの共重合体、および1種以上のオレフィンと他の1種類以上の重合性単量体との共重合体であって、分子鎖長が2850nm以上のものが該当し、より具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのプロピレン系樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)またはエチレン−酢酸ビニル共重合体で、分子鎖長が2850nm以上のものが挙げられる。前記熱可塑性樹脂は、1種類の長分子鎖長ポリオレフィンを含有してもよく、また、2種類以上の長分子鎖長ポリオレフィンを含有してもよい。
本発明において、前記長分子鎖長ポリオレフィンは、他の1種類以上の熱可塑性樹脂と併用することができる。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、分子鎖長が2850nm未満のポリオレフィン、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体などのスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、熱可塑性エラストマーやこれらの架橋物などが挙げられる。
本発明の印刷用シートの印刷記録層を構成する熱可塑性樹脂は、その50重量%を超える部分がポリオレフィン樹脂であることが好ましく、熱可塑性樹脂全部がポリオレフィン樹脂であることも好ましい。ポリオレフィン樹脂は、機械的強度および化学的安定性に優れるからである。すなわち、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。また、該ポリオレフィン樹脂は、前記長分子鎖長ポリオレフィンを10重量%以上含有することが好ましく、20重量%以上含有することが特に好ましく、30重量%以上含有することがとりわけ好ましい。
ポリオレフィンの分子鎖長、重量平均分子鎖長、分子量および重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し、特定分子鎖長範囲または特定分子量範囲のポリオレフィンの混合比率(重量%)はGPC測定により得られる分子量分布曲線の積分により求めることができる。
ここに、ポリオレフィンの分子鎖長は、後述するGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の分子鎖長であり、より具体的には以下の手順で求められるパラメータである。
すなわち、GPC測定の移動相としては、測定する未知試料も分子量既知の標準ポリスチレンも溶解することができる溶媒を使用する。まず、分子量が異なる複数種の標準ポリスチレンのGPC測定を行い、各標準ポリスチレンの保持時間を求める。ポリスチレンのQファクターを用いて各標準ポリスチレンの分子鎖長を求め、これにより、各標準ポリスチレンの分子鎖長とそれに対応する保持時間を知る。尚、標準ポリスチレンの分子量、分子鎖長およびQファクターは下記の関係にある。
分子量=分子鎖長×Qファクター
次に、未知試料のGPC測定を行い、保持時間−溶出成分量曲線を得る。標準ポリスチレンのGPC測定において、保持時間Tであった標準ポリスチレンの分子鎖長をLとするとき、未知試料のGPC測定において保持時間Tであった成分の「ポリスチレン換算の分子鎖長」をLとする。この関係を用いて、当該未知試料の前記保持時間−溶出成分量曲線から、当該未知試料のポリスチレン換算の分子鎖長分布(ポリスチレン換算の分子鎖長と溶出成分量との関係)が求められる。
前記印刷用シートに用いる多孔性フィルムは、無機充填剤または有機充填剤などの充填剤を含有していてもよく、本発明の効果を妨げない範囲で脂肪酸エステルや低分子量ポリオレフィン樹脂などの延伸助剤、安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの添加剤を含有してもよい。
前記印刷用シートに用いる多孔性フィルムが、例えば分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを含有するポリオレフィン樹脂を原料とする場合、樹脂原料と無機充填剤および/または樹脂の微粉末とを、強混練できるようセグメント設計した2軸混練機を使用して混練した後、ロール圧延法によりフィルム化し、得られた原反フィルムを延伸機により延伸することによって、目的とするフィルムを製造することができる。延伸に使用する装置としては、公知の延伸装置が限定なく使用可能であり、クリップテンターが好適な手段として例示される。
上述の充填剤としては、平均粒子径が0.1〜1μmの酸化アルミニウムや水酸化アルミニウム、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、天然または合成シリカなどの無機系充填剤や、架橋PSビーズや架橋MMAビーズ、メラミン樹脂ビーズなどの有機系充填剤が例示される。
本発明の顔料インク印刷用シートの印刷記録層である多孔性フィルムは、上記のような方法で得られる充填剤を含む多孔性フィルムであってもよく、延伸後に充填剤を除去した多孔性フィルムであってもよい。インクの吸収性やシートの光沢、解像度などの観点から、充填剤を含まない多孔性フィルムであることが好ましい。
充填剤を除去した多孔性フィルムを印刷用シートとして用いる場合には、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムのような、酸洗浄によって溶解除去できる充填剤を用いて多孔性フィルムを製造する。
強度の観点から、本発明の顔料インク印刷用シートは、厚み30〜200μm程度であることが好ましい。
印刷記録層である多孔性フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、放射線の照射により架橋されていてもよい。熱可塑性樹脂が架橋されている多孔性フィルムは、非架橋の熱可塑性樹脂からなる多孔性フィルムよりも耐熱性や強度において優れる。
本発明の印刷用シートの印刷記録層であって熱可塑性樹脂が架橋されている多孔性フィルムは、非架橋の熱可塑性樹脂を用いて製造した多孔性フィルムに対して、更に放射線を照射することにより得ることができる。
架橋のために非架橋の多孔性フィルムに照射する放射線の種類は特に限定されないが、ガンマー線、アルファー線、電子線などが好ましく用いられ、生産速度や安全性の面から電子線の使用が特に好ましい。
放射線源としては、加速電圧が100〜3000kVの電子線加速器が好ましく用いられる。加速電圧が100kVより小さいと電子線の透過深さが充分でなく、3000kVより大きいと装置が大掛かりとなって、コスト的に好ましくない。放射線照射装置の例としては、バンデグラーフ型などの電子線走査型装置やエレクトロンカーテン型などの電子線固定・コンベア移動型装置などが挙げられる。
放射線の吸収線量は0.1〜100Mradであることが好ましく、0.5〜50Mradであることがより好ましい。吸収線量が0.1Mradより小さい場合には樹脂を架橋させる効果が充分でなく、100Mradより大きい場合は強度が著しく低下するため好ましくない。
放射線を照射するときの照射雰囲気は、空気中としてもよいが、窒素など不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
このようにして製造された多孔性フィルムは、印刷記録層とし、単独で顔料インク印刷用シートとして使用することができる。また前記多孔性フィルムの片面に基材層を設けてもよく、2枚の多孔性フィルムの間に基材層をはさんだ構成としてもよい。基材層としては、印刷用シートに厚みや弾力性をもたせるため、インクの吸
収や乾燥を補完するためなどの目的に応じて、適宜公知のものを用いることができる。
例えば、基材層としてポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を使用する場合、前記多孔性フィルムのロール圧延と同時に圧延して2層または3層のシートとすることができる。あるいは、印刷記録層と基材層を構成するフィルムを別々に成形した後、公知の方法により接着させることもできる。
また、多孔性フィルムの片面に基材層を積層し、他面に粘着剤層を積層し、さらに該粘着剤層に剥離紙を積層することで粘着性を付与した印刷用シートとすることができる。
本発明の印刷用シートは、顔料インクを用いたインクジェットプリンタによる印刷性に優れており、顔料インク印刷用シートとして用いられる。
一般にインクは溶剤と色材とからなり、色材によって染料インクと顔料インクに分類することができる。色材が溶剤に溶解しているものを染料インク、溶剤に色材の粒子が分散しているものを顔料インクという。顔料インクは耐水性・耐候性に優れる。
顔料インクはさらにその溶剤によって水性顔料インクと非水性顔料インクに分類することができる。インクについては「インクジェットプリンターの応用と材料」(高橋恭介監修、シーエムシー出版、2002年9月30日)に詳しい。
本発明の顔料インク印刷用シートは、水性顔料インク、非水性顔料インクのいずれの顔料インクを用いた場合にも印刷性に優れる。
印刷に用いられる顔料インクに含まれる顔料については特に制限はなく、公知の顔料を用いることができる。例えばマゼンタ用顔料としてキナクリドン系顔料(Pigment Red 128、Pigment Violet 19)などが、イエロー用顔料としてモノアゾ系顔料(Pigment Yellow 74など)、ジスアゾ系顔料(Pigment Yellow 128など)、イソインドリノン系顔料(Pigment Yellow 109、Pigment Yellow 110など)などが、シアン用原料として銅フタロシアニン系顔料(Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4など)、アルミニウムフタロシアニン系顔料などが、ブラック用顔料としてカーボンブラック(Pigment Black 7)などが用いられる。
また、インク中の顔料の分散性を向上させる目的で、顔料の表面を修飾したものであっても構わない。特に、顔料をポリマーにて包含したような形態のインクは、色再現性がよく、また、多孔性フィルムに対しての適性が良好であるため、好ましく用いられる。
以下、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例および比較例に示す印刷用シートの物性は、下記の評価方法により測定した。
[評価方法]
(1)耐水性評価
フィルムの耐水圧(単位:mm水柱)をJIS L1092に規定されている静水圧A法(低水圧法)に準じて測定した。耐水圧が高いほど、耐水圧性は優れる。
(2)透湿性評価
フィルムの透湿度(単位:g/m2 ・day)をJIS Z0208に規定されているカップ法に準じて測定した。透湿度が高いほど、透湿性は優れる。
(3)通気性評価
フィルムのガーレー値(秒/100cm3 )は、JIS P8117に準じて、B型デンソメーター(東洋精機製)にて測定した。ガーレー値が小さいほど、通気性は優れる。
(4)フィルム厚み測定
フィルムの厚みは、山文電気社製、オフラインシート厚み計(TOF2 Var3.22)を用いて、幅方向、長さ方向にわたり、10点でフィルムの厚みを測定し、全測定値の平均値を算出した。その平均値をフィルムの厚みとした。
(5)平均細孔直径
ASTM F316−86に準拠し、バブルポイント法により、Perm−Porometer(PMI社製)にて平均細孔直径d(μm)を測定した。
(6)平均細孔半径
JIS K1150に準拠し、水銀圧入法により、オートポア III9420(MICROMERITICS社製)にて平均細孔半径r(μm)を測定した。尚、平均細孔半径を求めるにあたり、0.0032〜7.4μmの範囲の細孔半径分布を測定した。
(7)突刺強度
直径12mmのワッシャーにて固定したフィルムに、直径1mm、針先曲率半径0.5mmの金属製の針を、200mm/分の速さで突き刺した際に、孔が開口する最大荷重を測定し、突刺強度とした。
(8)空孔率
フィルムを5cm角の大きさのサンプルとし、水中置換式の比重計によってフィルムの見掛け比重(d1)を測定する。これとは別に、このフィルムを熱プレスによって熱融解して圧縮し、完全に空孔を排除したシートを作製してその見掛け比重(d2)を測定する。フィルムの空孔率は下記によって求める。
空孔率=(1−d1/d2)×100。
(実施例1)
炭酸カルシウム(商品名:スターピゴット15A、白石カルシウム社製、平均粒子径0.15μm)30vol%と、ポリエチレン粉末(ハイゼックスミリオン340M、三井化学製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万、融点136℃)70重量%とポリエチレンワックス(ハイワックス110P、三井化学製、重量平均分子量1000、融点110℃)30重量%の混合ポリエチレン樹脂70vol%に、添加剤としてイルガノックス1010(チバ・ガイギー製)、イルガフォス168(チバ・ガイギー製)およびステアリン酸カルシウム(日本油脂製)を、ポリエチレン粉末とポリエチレンワックスの合計100重量部に対してそれぞれ5000ppm、10000ppm、200ppm添加したものを強混練できるようセグメント設計した2軸混練機(プラスチック工学研究所製)を使用して混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物中の分子鎖長2850nm以上のポリエチレンの含有率は、27重量%であった。この樹脂組成物をロール圧延(ロール温度150℃)することにより、150μmの膜厚の原反フィルムを作製した。
得られた原反フィルムをテンター延伸機により延伸温度110℃で約5倍に延伸し、印刷用シートを得た。
この実施例1にて得られた印刷用シートの耐水圧性、透湿性、通気度、膜厚、平均細孔直径d、平均細孔半径rおよび2r/d、突刺強度ならびに空孔率の測定結果を表1に示す。
(実施例2)
炭酸カルシウム(商品名:ピゴット10、白石カルシウム社製、平均粒子径0.1μm)30vol%と、ポリエチレン粉末(ハイゼックスミリオン340M、三井化学製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万、融点136℃)70重量%とポリエチレンワックス(ハイワックス110P、三井化学製、重量平均分子量1000、融点110℃)30重量%の混合ポリエチレン樹脂70vol%に、添加剤としてイルガノックス1010(チバ・ガイギー製)、イルガフォス168(チバ・ガイギー製)およびステアリン酸カルシウム(日本油脂製)を、ポリエチレン粉末とポリエチレンワックスの合計100重量部に対してそれぞれ5000ppm、10000ppm、200ppm添加したものを強混練できるようセグメント設計した2軸混練機を使用して混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をロール圧延(ロール温度150℃)することにより、150μmの膜厚の原反フィルムを作製した。
得られた原反フィルムをテンター延伸機により延伸温度110℃で約5倍に延伸し、印刷用シートを得た。得られた印刷用シートの物性等を表1に示す。
(比較例1)
市販の通気性フィルム(多孔性フィルム)を印刷用シートとして使用したときの耐水性、通気度、膜厚、平均細孔直径d、平均細孔半径rおよび2r/d、突刺強度ならびに空孔率の測定結果を表1に示す。この通気性フィルムの2r/dの値は、0.68であり、1.2≦2r/dの式を満たさないものである。
(比較例2)
下記の印刷評価試験の対照とするため、市販のインクジェット用紙(表面がマット調でPET基材)を使用した。
(印刷評価試験)
実施例および比較例の印刷用シートを、セイコーエプソン製インクジェットプリンタPX−V600(インクカートリッジ1C4CL31、水性顔料インク)を用いて印字を行った。
(1)インク吸収性
ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色をベタ印字し、その部分の吸収性および乾燥性を評価した。
○:印刷直後のインク浮きが全くなく、指で触れても汚れない。
△:印刷直後に指で触れると若干汚れるが、実用上問題のないレベルである。
×:印刷直後に指で触れると汚れる。また、印刷中にインクヘッド等との擦れにより印刷面が乱れる。
(2)剥離強度
上記の方法によりインクジェット印刷を施して乾燥させた印刷面に対し、セロハンテープを貼付したのち剥がすセロハンテープ剥離試験を行なった。
○:基材内部で剥離が起こらず、またインクもセロハンテープ側に移行しない。
△:基材内部で剥離が僅かに見られる。
×:基材内部で剥離が発生し、セロハンテープ側にインクとともに基材の破片が取られる。
(3)引掻強度
上記の方法によりインクジェット印刷を施して乾燥させた印刷面を、番手120の紙ヤスリで擦過してその引掻耐性を測定した。
○:擦過されるものの印刷面は良好な状態を保ち、紙ヤスリ側に基材粉やインク粉が移行しない。
△:基材表面がやや欠落し不鮮明となり、紙ヤスリ側に基材粉やインク粉がやや移行する。
×:基材表面が完全に欠落し印刷が不明となり、紙ヤスリ側に基材粉やインク粉が大量に移行する。
(4)インク発色性
上記の方法によりインクジェット印刷を施して乾燥させた印刷面の各色の鮮やかさを目視で観測し、発色性を測定した。
○:良好な発色であり、インク本来の色とほとんど変わらない水準である。
△:発色はやや劣っており、インク本来の色と比較してやや鮮やかさに欠ける。
×:発色が悪く、インク本来の色より明らかに劣る。
Figure 2005319689
表1よりわかるように、実施例1および実施例2は、比較例1に比べて印刷面の剥離強度、インク吸収性およびインク発色性が優れる。また実施例1および実施例2は、比較例2に比べて印刷面の剥離強度および印刷面の引掻強度に優れる。これらのことより、実施例の顔料インク印刷用シートは印刷用シートに求められる特性をバランスよく保持していることが明らかである。
(実施例3)
実施例1で得られた印刷用シートを用いて、ミマキエンジニアリング製インクジェットプリンタJV3−130S(専用6色ソルベントインク使用、遅乾性溶剤系顔料インク)を用いて、印字を行った。実施例1と同様の方法で、剥離強度、引掻強度、インク吸収性、インク発色性を評価したが、全て実施例1と同様の良好な評価結果であった。
(比較例3)
実施例1で得られた印刷用シートを用いて、セイコーエプソン製インクジェットプリンタPM−920C(インクカートリッジIC6CL10およびIC6BK10、水性染料インク)を用いて、印字を行った。実施例1と同様の方法で、剥離強度、引掻強度、インク吸収性、インク発色性を評価したところ、剥離強度、引掻強度、インク吸収性については実施例1と同様の良好な評価結果であったが、インク発色性についてはやや劣っており、インク本来の色と比較してやや鮮やかさに欠けるという結果であった。

Claims (6)

  1. 微細孔を有する熱可塑性樹脂製多孔性フィルムを印刷記録層として少なくとも1層含む印刷用シートであって、前記多孔性フィルムは、バブルポイント法(ASTM F316−86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μm)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求めた前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが、下記式:
    1.2≦2r/d
    を満たすことを特徴とする顔料インク印刷用シート。
  2. バブルポイント法(ASTM F316−86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μm)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求めた前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが、下記式:
    1.2≦2r/d≦1.7
    を満たすものである請求項1に記載の顔料インク印刷用シート。
  3. 前記微細孔は、平均細孔直径dが0.05〜10μmである請求項1または2に記載の顔料インク印刷用シート。
  4. 前記多孔性フィルムは、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含む請求項1ないし3のいずれか一つに記載の顔料インク印刷用シート。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の顔料インク印刷用シートに、顔料インクを用いたインクジェットプリンタにて印刷する印刷方法。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の顔料インク印刷用シートに、顔料インクを用いたインクジェットプリンタにて印刷することにより得られる印刷物。

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