JP2005317304A - 電子放出素子の製造方法、および画像表示装置の製造方法、ならびに映像受信表示装置 - Google Patents

電子放出素子の製造方法、および画像表示装置の製造方法、ならびに映像受信表示装置 Download PDF

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【課題】 簡便な方法で効率が良く、かつ放電などの不具合の少ない電子放出素子及び画像表示装置の製造方法ならびに映像受信表示装置を提供する。
【解決手段】 基体上に複数の炭素繊維3を化学気相成長法または電気泳動法により形成する工程と、予め決められた凸状パターンを表面に有する押し当て部材5を用意する工程と、前記押し当て部材5の凸状パターンを、前記複数の炭素繊維3の一部分に押し付けて前記複数の炭素繊維3の一部分を圧縮することにより、前記複数の炭素繊維3の他の部分で構成された凸部を形成する工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭素繊維を用いた電子放出素子の製造方法、およびそれを用いた画像表示装置の製造方法、ならびに映像受信表示装置に関する。
近年、カーボンナノチューブ(CNT)などの、炭素を含む微細な繊維状物質(以下、炭素繊維)が電子放出材料として注目されている。また、上記炭素繊維を電子放出材料として備える電子放出素子や、このような電子放出素子を多数配列すると共に、電子放出素子に対向するように発光体を配置した、フラットパネルディスプレイなどの画像表示装置について、現在活発に研究されている。炭素繊維を電子放出材料として備える電子放出素子を用いた画像表示装置においては、より低い駆動電圧でより高い電子放出量を実現する電子放出素子が望まれている。電子放出特性を改善することを目的として、特許文献1には電子放出材料の表面を鋭利な物体でけがく方法が開示されている。また、特許文献2には炭素繊維を含有するペーストに型を押圧する方法が開示されている。
特開2002−279886号公報 特開2003−16911号公報
しかしながら、特許文献1に開示される、電子放出材料の表面をけがく方法では、けがいた後に異物が生じやすい。このような異物は、画像表示装置内の電極間のリーク電流や、電子放出素子とアノード電極との間における真空放電などの原因になるおそれがある。
また、特許文献2に開示される、炭素繊維を含有するペーストに型を押圧する方法では、型を押圧した後であっても炭素繊維の多くがペーストに埋もれてしまう場合があった。炭素繊維がペーストに埋もれている部分が多いと、電子放出可能な炭素繊維数が少なくなり、良好な電子放出特性を得ることが難しい。
本発明は、上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、異物の発生を抑え、かつ、簡便な方法で良好な電子放出特性を有する電子放出素子の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明の電子放出素子の製造方法は、複数の炭素繊維で構成された凸部を備える電子放出素子の製造方法であって、基体上に複数の炭素繊維を化学気相成長法または電気泳動法により形成する工程と、予め決められた凸状パターンを表面に有する押し当て部材を用意する工程と、前記押し当て部材の凸状パターンを、前記複数の炭素繊維の一部分に押し付けて前記複数の炭素繊維の一部分を圧縮することにより、前記複数の炭素繊維の他の部分で構成された凸部を形成する工程と、を有することを特徴とする。
また、上記本発明の電子放出素子の製造方法は、前記押し当て部材を前記複数の炭素繊維の一部分に押し付ける前に、前記凸状パターンをクリーニングする工程を更に有することをも特徴とする。
また、上記本発明は、複数の電子放出素子を配列した電子源の製造方法、電子源と蛍光体等の発光体とを具備する画像表示装置の製造方法、および画像表示装置と画像信号を形成する回路とを有する映像受信表示装置における各電子放出素子の製造方法に簡易に適用することができる。
本発明の電子放出素子の製造方法によれば、化学気相成長法または電気泳動法で形成した複数の炭素繊維の表面に所望のパターンの凹部を簡易に形成することができる。その結果、凹部が形成されることにより相対的に形成される凸部に電界が効果的に印加されることになり、電子放出量を高めることができる。
また、本発明の製造方法は、あらかじめ決められた凸状パターンが表面に形成された押し当て部材を複数の炭素繊維に押し付け、押し付けた箇所の炭素繊維を圧縮する(潰す)ものである。そのため、簡易な製造方法であることに加え、従来の製造方法で発生する可能性が高かった異物を抑えることができる。その結果、本発明の製造方法を画像表示装置の電子放出素子に適用すれば、放電が生じにくく、高輝度な画像を長期に渡って表示することができる画像表示装置を得ることができる。
また、あらかじめ決められたパターンが形成された物体の表面を、複数の炭素繊維に押し付ける前にクリーニングすることで、処理の際に発生する異物の拡散や予期しない場所への付着を抑えることができるため、さらに、上記放電を抑制することができる。
本発明の電子放出素子および画像表示装置の製造方法について、それぞれの例を図面を参照して、以下に説明する。
本発明の製造方法においては、以下の(工程1)〜(工程3)を含むものである。
(工程1)
まず、基板1上に、複数の炭素繊維3を用意する(図1(a))。
(工程2)
次に、予め決められたパターンの凸部を有する押し当て部材5を、複数の炭素繊維3に押し当て、当該押し当て部分における炭素繊維を凸部で押し潰す(図1(b))。
(工程3)
最後に、予め決められたパターンの凸部を有する押し当て部材5を外し、凸状のパターンを表面に有する複数の炭素繊維3aを得る(図1(c))。
以下、更に詳細に上記各工程について説明する。
(工程1)
図1では、基板1と複数の炭素繊維3との間に、電子を供給するための電極2を配置した例を示している。基板1が導電性であれば、電極2を省くことも可能である。従って、本発明の工程1では、表面において導電性を有する基板上に、複数の炭素繊維3を用意すればよい。
基板1の材料としては、半導体、導電体、及び絶縁体を用いることができ、具体的には、シリコン、石英、ガラス、及びアルミナ等のセラミックスなどから選択して用いることができる。
電極2の材料としては、形成した炭素繊維との導電性や固着強度、基板との密着性を考慮して選択する。また、電極2としては、単一の材料で構成しても、複数の異なる材料を積層して構成しても良い。炭素繊維を形成する手法として化学気相成長法を用いる場合には、電極2を触媒として電極2から直接炭素繊維を成長させる手法と、電極2上に触媒を塗布して炭素繊維を成長させる手法とがある。電極2を触媒とする場合、電極2の材料としては触媒金属を含む金属が好ましく、具体的にはFe、Ni、Co等から選択して用いることができる。電極2上に触媒を塗布する場合、電極2の材料としては金属や金属窒化物等が好ましく、具体的には、Ti、Pt、Si、TiN等から選択して用いることができる。また、炭素繊維を形成する手法として電気泳動法を用いる場合には、金属や金属窒化物等が好ましく、具体的には、Ti、Zr、Hf、Ta、Mo、W、Al、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Pd、TiN、ZrN、HfN等から選択して用いることができる。
電極2を形成する手法としては、スパッタリング、化学気相成長(CVD)法、真空蒸着法等を用いることができる。そして、電極2の厚さとしては、5nm〜5μmの範囲であることが好ましい。
また、複数の炭素繊維3は、図1(a)に示すような、基板面に対して垂直方向に複数の炭素繊維の各々が配向するように配置する形態に限られない。各々の炭素繊維が曲がっていたり、縮れていたり、複数の炭素繊維同士が絡まって配置していても良い。
尚、本発明における炭素繊維は、炭素を含む繊維状の物質を指し、カーボンナノチューブ(CNT)、グラファイトナノファイバー(GNF)、などの炭素を主成分とする繊維状の物質も含む。ここで、カーボンナノチューブとは、グラフェンが円筒形状(円筒形が多重構造になっているものはマルチウォールナノチューブと呼ばれる)の形態をとるものを云う。グラファイトナノファイバーは、その長手方向(ファイバーの軸方向)にグラフェンが積層されたファイバー状の物質、あるいは、グラフェンがファイバーの軸に対して非平行に配置されたファイバー状の物質を云う。この場合、グラフェンが、ファイバーの軸方向に対して実質的に垂直なものであってもよい。そして、炭素繊維の直径としては、5nm〜100nmの範囲が好ましく、長さは1μm〜10μmの範囲であることが、電子放出特性の観点から好ましい。
複数の炭素繊維3を用意する方法としては、複数の炭素繊維を化学気相成長させる手法を用いることができる。化学気相成長法で形成することにより、炭素繊維がペーストに埋もれることがないため、ペーストを用いる製造方法に比べ、電子放出可能な炭素繊維がより多くなる。従って、化学気相成長法で形成した炭素繊維では、良好な電子放出特性を得ることができる。化学気相成長法としては、例えば、熱CVD法、プラズマCVD法、レーザCVD法等が挙げられる。具体的な方法としては、基板1(電極2)上に触媒層を配置した後に、炭素繊維の原料となる炭素を含むガスを有する雰囲気中で基板1(電極2)を加熱することで、複数の炭素繊維が基板1(電極2)上に形成することができる。複数の炭素繊維で構成される巨視的な層の平均的な厚さは、1μm〜10μmの範囲であることが好ましい。
炭素繊維の材料ガスとしては、CO、COといった炭素含有ガスを用いることができる。とくにエチレン、アセチレンといった炭化水素ガスが好適である。さらに、必要に応じてアルゴン、ヘリウムといった不活性ガスや、水素ガスなどで材料ガスを希釈することもおこなわれる。材料ガス中で基板を例えば500〜600度に加熱すると、触媒を起点に炭素繊維が成長する。成長条件を適宜制御して、所望の形状の複数の炭素繊維を基板1(電極2)上に形成する。
触媒材料としては、遷移金属が適しており、具体的には、Fe,Co,Ni、Pdやこれらの合金が好ましく用いられる。また、触媒粒子の直径を制御することで、成長する炭素繊維の直径を制御することができるので、触媒層は、複数の触媒粒子から構成されることが好ましい。触媒粒子の形成には、触媒粒子を含む溶液を基板1(電極2)上に塗布する方法や、触媒機能を有する材料の薄膜を形成後、水素ガスによる還元凝集を施すことによって微粒子化する方法などを用いることができる。
複数の炭素繊維3を用意する別の方法としては、複数の炭素繊維を電気泳動法で配置する手法を用いることができる。この方法によれば、化学気相成長法と同様に、炭素繊維がペーストに埋もれることがないため、ペーストを用いる製造方法に比べ、電子放出可能な炭素繊維がより多くなる。従って、電気泳動法で形成した炭素繊維でも、良好な電子放出特性を得ることができる。具体的な方法としては、予め、アーク放電法等により形成しておいた複数の炭素繊維を溶液中に分散させ、この溶液中に基板1(電極2)と対向する電極(不図示)とを浸漬し、基板1(電極2)と対向する電極間に電圧を印加して基板1(電極2)上に複数の炭素繊維を配置する。
溶液としては、水、アルコール、エステルを主成分とするものなどを用いることができる。
(工程2)
工程2における押し当て部材の形態の一例を、図2を用いて説明する。図2(a)は治具圧縮部の、複数の炭素繊維に押し当てる面、図2(b)は、そのB−B’断面を模式的に示したものである。21は炭素繊維を圧縮しない部分に相当する凹部、22は炭素繊維に押し当て、圧縮する部分に相当する凸部である。また、w1は隣接する凸部22同士の間隔、w2は凸部22の幅、dは凸部22の高さである。凸部22の幅w2は、2μm以上20μm以下であることが好ましい。また、凸部の高さdは、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
前述の治具圧縮部表面の凹凸、即ち凸状パターンは、既知のフォトリソグラフィー、電鋳、母型からの転写といった方法で形成することができる。凸状パターンは、本発明の一連の工程を経て得られる、複数の炭素繊維3aの形状に反映される。柱状の電子放出体の電子放出特性は、隣り合う柱状の電子放出体間の間隔が柱状の電子放出体の高さの2倍より狭くなると悪くなる。そのため、複数の炭素繊維を含む電子放出部の表面に形成される凸状パターンの間隔に相当する前述のw2は、凸状パターンの高さに相当する前述のdの2倍より広いことが好ましい。従って、治具表面の凸状パターンの形状は、w2>2dの関係であることが好適である。
次に、図3を用いて、押し当て部材の形態の別の一例を説明する。図3(a)は治具圧縮部の、複数の炭素繊維に押し当てる面、図3(b)、(c)、(d)は、そのC−C’断面を模式的に図示したものである。31は炭素繊維を整形するための微細構造体、32は微細構造体の基部にあたる支持部材である。治具圧縮部の表面のパターンは前述のエッチングなどの手法で形成することもできるが、もともと微細構造を有する物質の表面を利用しても良い。
図3(b)は治具圧縮部に陽極酸化アルミナを使用した場合の断面図である。アルミニウムを陽極酸化法で処理すると、ナノスケールの微細な空孔が酸化アルミニウム膜の表面に規則正しく形成することができる。空孔の径は、陽極酸化時の条件によりある程度制御できるので、所望の大きさとなるよう適宜処理を行う。空孔33が形成された酸化アルミニウム膜34を微細構造体31aとして支持部材32の表面に固定することにより、押し当て部材を容易に得ることができる。
図3(c)は治具圧縮部にファイバの束を使用した場合の断面図である。治具圧縮部の、複数の炭素繊維に押し当てる面の凸状パターンとして、形状や寸法のそろった微細な物質を集積した微細構造も用いることができる。例えば、多数本束ねたファイバを切断したものを、微細構造体31bとして支持部材32に固定する。この場合はファイバ同士の隙間が炭素繊維を整形するための凹部となる。
図3(d)は治具圧縮部に球状物質を使用した場合の断面図である。治具圧縮部の、複数の炭素繊維に押し当てる面の凸状パターンとして、樹脂製のビーズ等の球状物質を使用することも好適である。例えば、複数のビーズを基板上で互いに接触する様に寄せ集め、互いを接着し、これを微細構造体31cとして支持部材32に固定する。この場合は、ビーズ同士の隙間が炭素繊維を整形するための凹部となる。ファイバを束ねるよりは凹部が広い。
前述したように異物の発生は極力排除しなければならない。したがって、パターンが形成された治具圧縮部5の表面は清浄に保つことが望ましい。そこで、治具を複数の炭素繊維3に押し付ける前に、治具圧縮部5の表面をクリーニングすることが好適である。
連続して治具を複数の炭素繊維に押し付ける場合は、治具表面を清浄に保つために、押し付ける度に治具圧縮部5の表面を、新しい清浄な治具圧縮部5の表面に取り替えることが望ましい。同様の効果は、治具を複数の炭素繊維3に押し付ける前に治具圧縮部5の表面をクリーニングすることによっても得られる。
クリーニング方法としては、例えば、大気中で治具圧縮部5の表面を500〜600度に加熱する手法を採用することができる。このように加熱すれば、押し当て部材表面に付着した炭素繊維をはじめとする煤状の物質は焼失させることができる。或いは、治具圧縮部を一度押し付けて剥がした後に、乾燥した窒素ガスなどの不活性ガスを押し当て部材表面に吹き付けて異物を吹き飛ばす方法も、簡便かつ効果がある。また、治具圧縮部5の表面を洗浄してもよい。陽極酸化膜のような多孔質の膜に対しては、超音波をかけながらの洗浄も効果的である。また、前述した種々のクリーニング法を適宜組み合わせることにより、治具圧縮部5の表面のクリーニングを行うこともできる。
前述の製造方法は、一つの電子放出素子における、複数の炭素繊維に圧縮処理をするものである。画像表示装置や電子源において、複数の炭素繊維を含む電子放出部を備える電子放出素子は、図6を用いて後述するように、基板上に多数配列される。従って、同一基板上に配置された複数の電子放出素子の各々における複数の炭素繊維を含む電子放出部を同時に圧縮処理することが簡便であり望ましい。
図4を用いて、複数の電子放出素子における、複数の炭素繊維を同時に圧縮処理できる治具の形態の一例を説明する。
図4(a)は、複数の治具圧縮部を備える治具の模式的な断面図である。41は複数の炭素繊維に押し付ける治具圧縮部を固定する治具母材である。5はその表面に形成された治具圧縮部であり、治具を押し付ける際に炭素繊維に接する部分でもある。複数の治具圧縮部の形成位置は、基板上における各々の電子放出素子の位置に対応しており、一度の圧縮処理で、複数の電子放出素子の各々を構成する、複数の炭素繊維を一括して処理できるように形成される。治具母材41や治具圧縮部5の材質は、精度や耐久性、加工性を考慮すると金属であることが望ましいが、ガラスや炭素、樹脂などをもちいても良い。
図4(b)は、また別の形態をとる治具の断面図である。画像表示装置や電子源においては、複数の電子放出素子だけでなく、これらを共通に接続するための配線も基板上に形成される。尚、配線は、複数の炭素繊維を形成する前に形成される場合が多い。そのため、治具母材41には、治部圧縮部5のほかに、配線が治具母材41に触れないようにするための配線用空隙42が形成されることが好ましい。
基板上の配線はしばしば印刷法で形成される。特に、各電子放出素子に接続される配線が、行方向配線と、列方向配線とから構成される場合においては、行配線と列配線が交差する部分が形成される。その結果、交差部においては、基板表面からミクロンオーダーの盛り上がりが生じることも少なくない。
複数の炭素繊維を圧縮する際に、これらの配線に治具母材41が触れると、異物が発生するばかりか配線へダメージを与えるおそれがある。そこで、あらかじめ配線用空隙42を治具母材41に形成しておき、治具母材41が配線に触れない状態で、複数の炭素繊維のみを圧縮することが好ましい。
次に、図2に示す治具圧縮部5を押し付けた後に得られる、複数の炭素繊維を含む電子放出部の表面を図1(d)に模式的に示す。図1(d)のA−A’断面が図1(c)に対応する。図1(d)の斜線部は押し潰された炭素繊維を示し、斑点部は圧縮されなかった炭素繊維を示す。押し付けた治具圧縮部表面の凸状パターンに対応して、複数の炭素繊維を含む電子放出部の表面に凹部が形成される。
また、図3(b)、(c)、(d)に示す微細構造体31を複数の炭素繊維に押し付けた後に得られる、複数の炭素繊維を含む電子放出部の表面を、それぞれ図5(a)、(c)、(e)に模式的に示す。図5(a)のD−D’断面が、図4(b)に対応する。また、図5(c)のE−E’断面が、図4(d)に対応する。また、図5(e)のF−F’断面が、図4(f)に対応する。押し付けた微細構造体31の凸状パターンに対応して、複数の炭素繊維の表面に凹部が形成される。従って、予め微細構造体を選択し加工することで、複数の炭素繊維の表面に所望の間隔や周期で凹凸形状を形成することができる。
以上説明した本発明により得られた電子放出素子においては、複数の炭素繊維を押し潰すものであるので、無用な異物が生じることを抑制できる。また、ペーストを用いる方法に依らずに、所望のパターンで複数の凸部を形成することができるので、炭素繊維同士、或いは複数の炭素繊維からなる束同士の先端部分の間隔を簡便に制御することができる。その結果、複数の炭素繊維を含む電子放出部に、電界を効果的に印加することができ、大きな電子放出量を低い駆動電圧で得ることができる。
以下に上記本発明の製造方法で得た電子放出素子を用いた画像表示装置の形態の一例を示す。
図6(a)、(b)は、本発明の電子放出素子を用いた画像表示装置の一部を模式的に示す図である。図6(a)は画像表示装置の断面図、(b)は複数の電子放出素子と配線とを含む背面基板の上面図である。
図6(a)において、61は背面基板、62は電子放出素子を構成するカソード電極(陰極)、63は電子放出素子を構成するゲート電極、64は蛍光体、65は上面基板、66はスペーサである。また、67は本発明の製造方法で形成された複数の炭素繊維で、カソード電極62の上にゲート電極63と向かい合うように形成されている。69は列配線、71はアノード電極(陽極)である。
電子放出素子を表面に形成した背面基板61と、蛍光体64およびアノード電極71を形成した画像形成部材としての上面基板65は、電子放出素子と蛍光体64とが向かい合うように、対向して配置される。両者の間隔はスペーサ66で規定されており、背面基板61と上面基板65の周囲は密封されている。
画像表示装置として使用する際は、背面基板61と上面基板65との間を真空排気したうえでアノード電極71に10kV以上の電圧を印加する。そして、不図示の駆動手段によって各電子放出素子のカソード電極62とゲート電極63との間に電圧を印加することで、複数の炭素繊維の凸部から電子を放出させ、放出させた電子を蛍光体64に照射して発光させることで画像を表示する。
図6(b)において、68は行配線であって、各素子のカソード電極62に行配線68が、ゲート電極63に列配線69が接続されている。70は層間絶縁層であり、行配線68と列配線69の交差部に、両者を絶縁するようにはさまれて配置される。
この結果、単に炭素繊維を形成しただけの場合よりも低い電圧で電子を引き出すことが可能となる。
以下に上記本発明の製造方法で得た画像表示装置を用いた映像受信表示装置の形態の一例を示す。
図7は、本発明の画像表示装置を用いた映像受信表示装置の概略構成を示す図である。図7において、72は映像情報受信装置、73は画像信号生成回路、74は駆動回路、75は本発明の製造方法で得られる画像表示装置を示す。まず、映像情報受信装置72で受信された映像情報を画像信号生成回路73に入力し、画像信号を生成する。映像情報受信装置72としては、例えば、無線放送、有線放送、インターネットを介した映像放送等を選局し受信できるチューナーのような受信機を挙げることが出来る。また、映像情報受信装置72に音響装置等を接続し、更に画像信号生成回路73、駆動回路74、および画像表示装置75を含めてテレビセットを構成することが出来る。画像信号生成回路73では、映像情報から画像表示装置75の各画素に対応した画像信号を生成し、駆動回路74に入力する。そして、入力された画像信号に基づいて駆動回路74で画像表示装置75に印加する電圧を制御し、画像表示装置75に画像を表示させる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、本発明の目的を達成するものであれば、各構成要素が代替物や均等物に置換されたものであってもよい。
本発明の電子放出素子の製造方法を説明するための模式図である。 本発明に係る電子放出素子の製造方法で用いる押し付け部材を説明するための模式図である。 本発明に係る電子放出素子の製造方法で用いる押し付け部材を説明するための模式図である。 本発明に係る電子放出素子の製造方法で用いる治具を説明するための模式図である。 本発明に係る電子放出素子の製造方法で得られる電子放出部を説明するための模式図である。 本発明の電子放出素子を用いた画像表示装置を説明するための模式図である。 本発明の電子放出素子を用いた映像受信表示装置の概略構成を説明するための図である。
符号の説明
1、61 基板
2 電極
3、3a、3b、3c、3d 炭素繊維
4、4a、4b、4c 圧縮された炭素繊維
5 治具圧縮部
21 治具圧縮部凹部
22 治具圧縮部凸部
31、31a、31b、31c 微細構造体
32 支持部材
33 空孔
34 酸化アルミニウム膜
41 治具母材
42 配線用空隙
62 カソード電極
63 ゲート電極
64 蛍光体
65 フェースプレート
66 スペーサ
67 凸部が形成された複数の炭素繊維
68 行配線
69 列配線
70 層間絶縁層
71 アノード電極
72 映像情報受信装置
73 画像信号変調回路
74 駆動回路
75 画像表示装置

Claims (4)

  1. 複数の炭素繊維で構成された凸部を備える電子放出素子の製造方法であって、
    基体上に複数の炭素繊維を化学気相成長法又は電気泳動法により形成する工程と、
    予め決められた凸状パターンを表面に有する押し当て部材を用意する工程と、
    前記押し当て部材の凸状パターンを、前記複数の炭素繊維の一部分に押し付けて前記複数の炭素繊維の一部分を圧縮することにより、凸部を前記複数の炭素繊維の他の部分で形成する工程と、
    を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 前記押し当て部材を前記複数の炭素繊維の一部分に押し付ける前に、前記凸状パターンをクリーニングする工程を更に有する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子の製造方法。
  3. 画像表示装置の製造方法であって、
    請求項1または2に記載の製造方法で製造された複数の電子放出素子と、前記複数の電子放出素子から放出された電子を受けて画像を形成する画像形成部材とを具備することを特徴とする画像表示装置の製造方法。
  4. 映像受信表示装置において、
    請求項3に記載された製造方法で製造された画像表示装置と、映像信号を受信して前記画像表示装置に出力する画像信号を生成する回路と、を有することを特徴とする映像受信表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2269948A4 (en) * 2008-02-29 2015-08-05 Fujitsu Ltd SHEET STRUCTURE, SEMICONDUCTOR DEVICE, AND METHOD FOR GROWING CARBON STRUCTURE

Cited By (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2269948A4 (en) * 2008-02-29 2015-08-05 Fujitsu Ltd SHEET STRUCTURE, SEMICONDUCTOR DEVICE, AND METHOD FOR GROWING CARBON STRUCTURE

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