以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
図1は、この発明の想定する近距離無線通信システムの一般的な概念図である。
情報処理装置11と情報処理装置12は、bluetoothに代表される近距離無線通信手段を備えている。
互いの距離が一定以上(たとえば10m程度)離れている場合には、電波等が届かないため通信ができない(図1(A))が、距離が一定以内に近付くと互いの電波等が届き、通信が可能となる(図1(B))。情報処理装置11と情報処理装置12のうち、少なくとも一方が移動可能である場合、情報処理装置11と情報処理装置12との相対距離は変化し、通信が可能となったり、通信ができなくなったりすることが、頻繁に発生する。
情報処理装置11から発する電波は情報処理装置11を中心とする半径r11の範囲で一定以上の電界強度をもち、同じく、情報処理装置11から発する電波は情報処理装置12を中心とする半径r12の範囲で一定以上の電界強度をもつものとする。
このとき、情報処理装置11から情報処理装置12へ放送等の一方向のデータ送信を行なう場合には両者間の距離がr11以下であれば通信可能である。
また、情報処理装置11と情報処理装置12との間で双方向のデータ通信を行なう場合には両者間の距離がr11とr12の小さい方の値以下であれば通信可能となる。便宜的にr11とr12を同じ値とみなすと、図2のように、情報処理装置11は情報処理装置11を中心とする半径r11の円内に存在する情報処理装置13に対して通信が可能で、円外に存在する情報処理装置14に対しては通信できないことになる。
以下に、近距離無線通信を利用した情報交換システムの実施例をいくつか詳述する。
なお、情報提供局と端末という用語は、情報提供局が固定位置にあり端末のみが移動しかつ情報提供局が端末に比して大規模であるかの印象を与えるが、この印象は本発明の意図するところではない。
情報提供局と端末は、少なくとも一方が移動可能であればよい。移動可能な場合は、両者はノートパソコン、PDA、携帯電話などによって構成され、移動しない場合は固定の情報提供/収集局やデスクトップパソコンなどによって構成される。
以下の実施例では、情報提供局と端末のいずれもが移動可能である場合、端末のみが移動する場合、情報提供局のみが移動する場合、の3つを想定している。なお、情報提供局と端末がともに移動しない場合であっても、少なくとも一方の電源が入ったり入らなかったりすることによって、時間によって通信可能になったり通信できなくなったりするような場合は、広義の移動と考えてよいため、この発明の範疇に含まれる。
「情報コンテンツ」とは、文書、画像、映像、音楽、音声、プログラム等の情報処理機器間で可能なあらゆるデジタル情報を意図している。
また、情報コンテンツやその要求の送信に関しては、少なくとも放送を用いて行なう場合には、1単位のデジタル情報を間欠的に送信し、かつその1単位のデジタル情報が受信側にとって意味のあるデータであるとする。
例えば、FM放送を利用したミニ放送局が情報を放送する場合には、放送されるデータがアナログであるため、受信側にとって放送データの1断片は意味のあるものではなく、本発明の要素とは異なる。
<装置の概略構成>
図19、図20に、この発明の実施例に好適な情報提供局および端末の概略構成図を示す。なお概略構成図の中には、位置情報取得部など、特定の実施例では使用しない部位も含まれる場合がある。
また、図19、図20に示した各構成要素は、近距離無線通信手段の詳細な構成を示したものであり、情報提供局および端末のすべての構成要素を示したものではない。情報提供局および端末のどちらも、この近距離無線通信手段以外に、その他の構成要素を備えていてもよい。たとえば、利用者とのマンマシンインタフェースとなる部分、いわゆる入力部、出力部等を通常備えている。入力部としては、キーボード、マウス、ペン、マイクなどが用いられ、出力部としては、LCD,EL,LEDなどの視覚表示、スピーカによる聴覚表示などが用いられる。
<情報提供局の構成>
図19は、この発明の情報提供局の一実施例の概略構成図である。情報提供局100は、情報処理部130、通信部110、位置情報検出部120により構成されている。
通信部110は、情報提供局外とデータ通信を行なうための部位である。情報提供局100は常に端末と接続されていない状況を想定しているため、電波、赤外線、携帯電話、PHSなどの無線通信などの通信装置によって構成されることが望ましく、bluetoothなどの無指向性の近距離無線通信装置が最適である。なお、通信部110をモデム、LAN、接続ケーブルなどの有線通信を行なう通信装置によって構成し、ネットワーク内から端末を発見したり、端末に情報コンテンツを送信することによって実現しても問題ない。
位置情報検出部120は、情報提供局100の位置を求めるための装置であり、広く用いられているGPSシステムや、PHSを利用した位置検出システムなどを利用することができる。
情報処理部130は、受信処理部131、送信処理部132、位置情報取得部133、位置情報処理部134、タイマ処理部135、端末探索処理部136、相手端末特定部137、情報コンテンツ送信処理部138により構成される。
受信処理部131および送信処理部132は通信部110に接続され、情報提供局外とのデータ通信の際にそれぞれ受信処理、送信処理を行なうための部位である。
タイマ処理部135は、送信処理部132に接続され、一定間隔で送信を行なう場合などの制御を行なう。また、受信処理部131に接続され、送信情報に対するレスポンスが一定時間以内に返ってくるかを監視するために用いられる。
位置情報処理部134は、位置情報取得部133に接続され、情報提供局100の現在位置を測定する。
現在位置情報は位置情報処理部134において過去の履歴とともに保持され、一定の距離以上移動した場合に送信処理部132に作用して送信処理を行なったり、一定の距離以上移動したりしなかった場合にタイマ処理部135に作用して送信間隔を変更する、などの動作を行なう。
端末探索処理部136は、受信処理部131および送信処理部132に接続され、通信可能な端末の探索を行なう。探索結果によって決められた情報コンテンツを送信する相手端末の情報は相手端末特定部137に保持され、情報コンテンツ送信処理部において利用される。情報コンテンツ送信処理部138は、受信処理部131および送信処理部132に接続され、端末に情報コンテンツを送信するために用いられる。
端末探索処理部136は、詳細には、特定端末探索情報送信部144と特定端末探索結果受信部141と探索対象端末情報蓄積部145、任意端末探索情報送信部146と任意端末探索結果受信部142、情報提供局探索情報受信部143と情報提供局探索レスポンス送信部147により構成されている。
特定端末探索情報送信部144と特定端末探索結果受信部143と探索対象端末情報蓄積部145は、あらかじめ定められた端末が情報提供局と通信可能な範囲に存在するかを探索するために用いられる。あらかじめ定められた端末に関する情報は対象端末情報蓄積部145に保持されており、特定端末探索情報送信部146において該端末に対する探索情報を送信する。
探索に対するレスポンスを受信した場合には特定端末探索結果受信部143において処理され、レスポンスを受けとった相手端末に関する情報を相手端末特定部137に保持する。
任意端末探索情報送信部146と任意端末探索結果受信部142は、あらかじめ定められていない任意の端末が情報提供局と通信可能な範囲に存在するかを探索するために用いられる。
任意端末探索情報送信部146において任意の端末に対する探索情報を放送する。探索に対するレスポンスを受信した場合には任意端末探索結果受信部141において処理され、レスポンスを受けとった相手端末に関する情報を相手端末特定部137に保持する。
情報提供局探索情報受信部143と情報提供局探索レスポンス送信部147は、端末から情報探索を受けた場合に用いられる。端末から受信した探索情報は情報提供局探索情報受信部143において処理され、情報提供局探索レスポンス送信部147において相手端末にレスポンスを返すと同時に、情報提供局探索を行なった相手端末に関する情報を相手端末特定部137に保持する。
情報コンテンツ送信処理部138は、詳細には、情報コンテンツ保持部152、情報コンテンツ送信部153、情報コンテンツ放送部154、情報コンテンツ送信要求受信部151により構成される。
情報コンテンツ保持部152に保持された情報コンテンツは、情報コンテンツ送信部153または情報コンテンツ放送部154より端末に向けて送信される。情報コンテンツ送信部153より送信する場合には、相手端末特定部137で特定された端末に対して情報コンテンツを送信する。
この場合、情報コンテンツ送信要求において特定の情報コンテンツが要求された場合には、要求された情報コンテンツを送信する。また、情報コンテンツ放送部154より送信する場合には、送信相手の端末を特に定めずに情報コンテンツを放送する。
情報コンテンツ送信要求受信部151は、端末から受け取った情報コンテンツ送信要求を処理し情報コンテンツ送信部153に対して情報コンテンツの送信を指示する。
なお、情報コンテンツ保持部152は情報提供局100の内部にあるごとく図示しているが、ネットワークと接続されて必要に応じて送信する情報コンテンツを情報提供局の外部から取得するような位置に実装されても構わない。
図19に示す情報提供局100において、送信処理部132は、前記した第1放送部、第2放送部、第1送信部、第2送信部、第4送信部に対応する。
また、情報コンテンツ放送部154は、第1及び第2放送部に対応し、情報コンテンツ送信部153は、第1送信部及び第2送信部に対応し、情報提供局探索レスポンス送信部147は第4送信部に対応する。
また、特定端末探索結果受信部141及び任意端末探索結果受信部142は第2受信部に対応し、情報提供局探索情報受信部143は、第4受信部に対応する。
位置情報検出部120は、第1位置情報検出部に対応し、位置情報処理部134は第1位置保持部として機能する。特定端末探索情報送信部144及び任意端末探索情報送信部146は、第1及び第2探索放送部に対応し、情報コンテンツ送信要求受信部151は要求受信部に対応する。
<端末の構成>
図20は、端末200の実施例の概略構成図である。端末200は、情報処理部230、通信部210、位置情報検出部220により構成されている。
通信部210は、情報提供局外とデータ通信を行なうための部位である。端末200は常に情報提供局と接続されていない状況を想定しているため、電波、赤外線、携帯電話、PHSなどの無線通信などの通信装置によって構成されることが望ましく、bluetoothなどの無指向性の近距離無線通信装置が最適である。なお、通信部をモデム、LAN、接続ケーブルなどの有線通信を行なう通信装置によって構成し、ネットワーク内から情報提供局を発見したり、情報提供局100から情報コンテンツを受信することによって実現しても問題ない。
位置情報検出部220は、端末の位置を求めるための装置であり、広く用いられているGPSシステムや、PHSを利用した位置検出システムなどを利用することができる。
情報処理部230は、受信処理部231、送信処理部232、位置情報取得部233、位置情報処理部234、タイマ処理部235、情報提供局探索処理部236、相手情報提供局特定部237、情報コンテンツ受信処理部238により構成される。
受信処理部231および送信処理部232は通信部210に接続され、端末外とのデータ通信の際にそれぞれ受信処理、送信処理を行なうための部位である。
タイマ処理部235は、送信処理部232に接続され、一定間隔で送信を行なう場合などの制御を行なう。また、受信処理部231に接続され、送信情報に対するレスポンスが一定時間以内に返ってくるかを監視するために用いられる。
位置情報処理部234は、位置情報検出部220に接続され、端末の現在位置を測定する。現在位置情報は位置情報処理部234において過去の履歴とともに保持され、一定の距離以上移動した場合に送信処理部232に作用して送信処理を行なったり、一定の距離以上移動したりしなかった場合にタイマ処理部235に作用して送信間隔を変更する、などの動作を行なう。
情報提供局探索処理部236は、受信処理部231および送信処理部232に接続され、通信可能な情報提供局100の探索を行なう。探索結果によって決められた、情報コンテンツ送信要求を送信する相手情報提供局の情報は相手情報提供局特定部237に保持され、情報コンテンツ受信処理部238において利用される。情報コンテンツ受信処理部238は、受信処理部231および送信処理部232に接続され、情報提供局100から情報コンテンツを受信するために用いられる。
情報提供局探索処理部236は、詳細には、特定情報提供局探索情報送信部244と特定情報提供局探索結果受信部241と探索対象情報提供局情報蓄積部245、任意情報提供局探索情報送信部246と任意情報提供局探索結果受信部242、端末探索情報受信部243と端末探索レスポンス送信部247により構成されている。
特定情報提供局探索情報送信部244と特定情報提供局探索結果受信部241と探索対象情報提供局情報蓄積部245は、あらかじめ定められた情報提供局が端末と通信可能な範囲に存在するかを探索するために用いられる。あらかじめ定められた情報提供局に関する情報は対象情報提供局情報蓄積部245に保持されており、特定情報提供局探索情報送信部244において該情報提供局に対する探索情報を送信する。
探索に対するレスポンスを受信した場合には特定情報提供局探索結果受信部241において処理され、レスポンスを受けとった相手情報提供局に関する情報を相手情報提供局特定部237に保持する。
任意情報提供局探索情報送信部246と任意情報提供局探索結果受信部242は、あらかじめ定められていない任意の情報提供局が端末と通信可能な範囲に存在するかを探索するために用いられる。任意情報提供局探索情報送信部246において任意の情報提供局に対する探索情報を放送する。探索に対するレスポンスを受信した場合には任意情報提供局探索結果受信部242において処理され、レスポンスを受けとった相手情報提供局に関する情報を相手情報提供局特定部237に保持する。
端末探索情報受信部243と端末探索レスポンス送信部247は、情報提供局100から情報探索を受けた場合に用いられる。情報提供局から受信した探索情報は端末探索情報受信部243において処理され、端末探索レスポンス送信部247において相手情報提供局にレスポンスを返すと同時に、端末探索を行なった相手情報提供局に関する情報を相手情報提供局特定部237に保持する。
情報コンテンツ受信処理部238は、詳細には、情報コンテンツ受信部251、情報コンテンツ蓄積部252、情報コンテンツ送信要求送信部253、情報コンテンツ送信要求放送部254により構成される。
情報コンテンツ受信部251で受信された情報コンテンツは、情報コンテンツ蓄積部252に蓄積される。また、情報提供局に対して情報コンテンツ送信要求を送る場合、情報コンテンツ送信要求送信部253または情報コンテンツ送信要求放送部254より情報提供局に向けて送信する。情報コンテンツ送信要求送信部253より送信する場合には、相手情報提供局特定部237で特定された情報提供局に対して情報コンテンツ送信要求を送信する。また、情報コンテンツ送信要求放送部254より送信する場合には、送信相手の情報提供局を特に定めずに情報コンテンツ送信要求を放送する。
なお、情報コンテンツ蓄積部252は端末の内部にあるごとく図示しているが、ネットワークと接続されて必要に応じて受信した情報コンテンツを端末の外部へ送り出す実装であっても構わないし、情報コンテンツを画面表示や音声出力などの手段をもって利用者に出力する実装であってもよく、その際に情報コンテンツを端末の内部に蓄積しない実装でもよい。
図20に示す端末200において、情報コンテンツ蓄積部252は、前記した蓄積部に対応し、受信処理部231は、第1受信部、第3受信部、第5受信部に対応する。情報コンテンツ送信要求放送部254は、第1及び第2要求放送部に対応する。
位置情報検出部220は、第2位置情報検出部に対応し、位置情報処理部234は、第2位置保持部として機能する。端末探索レスポンス送信部247は、第3送信部に対応し、情報コンテンツ送信要求送信部253は、第5送信部に対応する。また、特定情報提供局探索情報送信部244と任意情報提供局探索情報送信部246とは、第3探索放送部と第4探索放送部に対応する。
また、図示した構成要素の他に、端末200の情報処理部230は、情報コンテンツの同一性を判別する判別部、情報コンテンツを削除する削除部、破棄処理部、商品販売価格を設定する設定部をさらに備える場合もある。
ところで、位置情報検出部120,220において、情報提供局100及び端末200の位置を求める方法としては、次のようなものがある。
まず、位置決定システムとして既に広く用いられているGPSシステムなどを利用する方法が考えられる。情報処理装置100は、3個の人工衛星S1,S2,S3からの電波を受信し、その情報をもとに位置を決定する。受信した電波情報の強度、衛星から電波が発射された時刻と受信機が電波を受信した時刻との差から電波の到達所要時間を求め、それをもとに位置を測定する。
次に、PHSまたは携帯電話(セルラーホン)で実施されているように、複数の基地局からの電波強度を測定し、最も近い基地局と通信を行なう方法がある。これを利用して、PHSまたは携帯電話がどの基地局の近くにいるかを知ることができる。携帯電話よりもPHSの方が1つの基地局の通信範囲が狭いため、より正確に位置が特定できる。
また、複数(3つ)の基地局で、PHSまたは携帯電話から発信された電波強度を測定し、それによって位置を知ることもできる。上記と同様に、携帯電話よりもPHSの方が1つの基地局の通信範囲が狭いため、より正確に位置が特定できる。
ところで、この発明の実施例での位置検出は、必ずしも正確に位置を知る必要はなく、移動したことを知ればよい。また、実際に移動していない状態で通信を行ったとしても、余分な通信が発生したり、異なる相手との通信機会が減少するのみであって、移動しないことによる直接のデメリットは発生しない。移動したことを検知する方法としては、以下のような方法が考えられる。
(a)自動車の走行キロ数のように、移動距離を測定する装置を用いる。
(b)速度センサ/加速度センサを用いて移動が実行されたことを知る。
(c)特定の電波発信源からの電波強度を測定し、測定した電波強度が変化した場合に移動したとみなす。
なお、この他に、端末は、受信した情報コンテンツを利用者に知らせるための出力部を備えていることが好ましい。出力部としては、たとえば、LCD表示、スピーカ等を用いることができる。また、LCD表示の場合は、文字情報で情報コンテンツが受信されたことを知らせてもよいが、商店の位置がわかっている場合は、その位置を示した地図の上に重ねて受信したことを示すマーク等を表示させてもよい。また、情報提供局においても、このような出力部を備えてもよい。
次に、この発明の情報交換システムにおいて、情報提供局と端末間で送信されるデータのフォーマットの実施例について説明する。図42に、この発明の情報交換システムで用いられるデータの一般的なフォーマットの一実施例を示す。
図42において、送信先アドレスd1は、特定の機器に送る場合には相手機器アドレスを、放送として送信する場合にはブロードキャストを、それぞれ指定する。発信元アドレスd2は、自機器のアドレスを指定する。
データ種別d3は、送信されるデータの種別を指定する。指定されたデータ種別に応じて、以降のデータフォーマット(分割時の分割順序以降のフォーマット)を変えてもよい。
データを分割して送信する場合に、分割時の分割順序d4と分割総数d5で、何個送るうちの何番目のデータかを指定する。例えば5個のデータに分割して送信したうちの2番目のデータであれば、分割順序には2が、分割総数には5がそれぞれ指定される。なお、分割を行わない場合には、分割順序d4と分割総数d5には1が設定される。データ長d6は、その後ろに続くデータの長さを表す。データd7は、各データ種別に応じたデータたとえば情報コンテンツの内容が入る。
<第1実施例>
図3に、この発明の情報交換システムの第1実施例の概念説明図を示す。
この実施例では、情報提供局が情報コンテンツを放送し、所定の範囲内に存在する端末が、この情報コンテンツを受信する場合を示す。
この場合、情報提供局が、通信可能な相手端末を検出するステップなしに、情報コンテンツを端末に対して送信することが可能である。
情報提供局21は、情報コンテンツを放送しており、情報提供局21を中心とする半径r21以内に存在する端末31は情報提供局21が放送した情報コンテンツを受信することができる。この場合、情報提供局21は情報コンテンツを放送しているのみで、端末31から情報提供局21へ送るデータはないものとする。半径r21は情報提供局21が発信する電波強度を端末31が受信したときに一定以上の電界強度をもつ範囲を示す円の半径である。
また、情報提供局21を中心とする半径r21以内に存在しない端末32は情報提供局21が放送した情報コンテンツを受信することができない。
この場合、情報提供局21は放送した情報コンテンツをどの端末が受信したかを知ることはできず、またどの端末が半径r21の円内にいるかを知ることもできない。さらに、情報提供局21や端末が移動することにより、例えば半径r21の円外にいた端末32が半径r21の円内に相対的に移動することも考えられる。そのため、情報提供局21は同一内容の情報コンテンツを繰り返し放送することにより、ある時点では情報コンテンツを受信できなかった端末であっても、異なる時点では情報コンテンツを受信することが可能となる。
同一内容の情報コンテンツを繰り返し放送する1つの方法としては、一定の時間間隔で繰り返し放送を行なうことが考えられる。これは、情報提供局21が移動せず端末31のみが移動する場合、情報提供局21のみが移動し端末31のみが移動しない場合、情報提供局21と端末31がともに移動する場合の、いずれにおいても有効である。
同一内容の情報コンテンツを繰り返し放送する別の方法としては、情報提供局21が一定の距離(たとえば距離D)以上移動するごとに放送を行なうことが考えられる。これは、情報提供局21のみが移動し端末31のみが移動しない場合に特に有効である。
図30はこの第1実施例の変形例を表わす概念図である。情報提供局21が位置P1で放送を行なうとすると、距離Dを移動した位置P2において次の放送を行ない、さらに距離Dを移動した位置P3において次の放送を行なう。
また、一定の時間間隔で繰り返し放送を行なうことと、情報提供局21が一定の距離以上移動するごとに放送を行なうことを組み合わせて用いてもよい。これは、情報提供局21と端末31がともに移動する場合に特に有効である。
次に第1実施例における放送データの送信の説明図を図7に示す。ここでは情報提供局21は、情報コンテンツを含むデータDB11,DB12,DB13,DB14,DB15を一定時間間隔で放送する場合を示している。DB11,DB12,DB13,DB14,DB15は放送データであるので、端末へ到達するかどうかは保証されていない。図7では、放送データDB13,DB14が端末31に到達し、放送データDB11,DB12,DB15は端末31に到達しないことを示している。端末31は、到達した放送データから情報コンテンツを取り出し、蓄積する。
図43に、この発明の第1実施例において用いられるデータDB(図7参照)のフォーマットを示す。ここで、送信元アドレスには、ブロードキャストを用いる。したがってネットワークレベルでの再送ができないので、再送を利用するためのデータ分割はできない。ただし、再送は行わず、データの消失を認めることを前提とすれば、分割を使用することもできる。
図11は、この発明の第1実施例における図7の情報提供局21(100)の動作を説明するフローチャートである。
情報提供局21の送信処理部132はS111において終了するかどうかを判断し、終了しない場合はS112,S113をループする構造になっている。S112において、送信処理部132は、情報コンテンツ放送部154を操作し、情報コンテンツ保持部152から取り出した情報を端末に向けて放送する。
S113において送信処理部132がタイマー処理部135を用いて一定時間ウェイトした後S111に戻り、終了しない場合には再びS112の動作を行なう。なお、一定時間ウェイトをS113の位置においたのは説明のためであり、S112の後終了を選択する場合には、S113におけるウェイトを行なわずにS111へ戻ってもよい。
図12は、この発明の第1実施例における図7の端末31(200)の動作
を説明するフローチャートである。
端末31の情報処理部230の受信処理部231はS121において終了するかどうかを判断し、終了しない場合はS122,S123をループする構造になっている。
S122において受信処理部231が通信部210を監視することによって放送された情報コンテンツを受信したかを判断する。受信した場合にはS123において、受信処理部231が、情報コンテンツ受信部251を操作し、情報コンテンツ蓄積部252に、受信した情報コンテンツを蓄積する。
S122において放送された情報コンテンツを受信しなかった場合、およびS123において受信した情報コンテンツを蓄積した後は、S121へ戻り、終了しない場合には再びS122の動作を行なう。なお、終了しない場合のループは説明のためのものであり、例えば再びS121へ戻る前に一定時間のウェイトを行ない電力消費を節約する等の処理を加えてもよい。
図31は、図30を用いて説明した第1実施例の変形例における情報提供局21の動作を説明するフローチャートである。
情報提供局21の情報処理部130はS311において終了するかどうかを判断し、終了しない場合はS312−S315をループする構造になっている。S312において位置情報取得部133が、位置情報検出部120を用いて現在位置を取得し、S313において位置情報処理部134が前回放送を行なった位置と在位置との距離が一定の値以上であるかを調べる。一定の値以上であればS314へ進み、一定の値に達していなければS311へ戻る。
S314において、送信処理部132が、情報コンテンツ保持部152に保持された情報を、情報コンテンツ放送部154を通して取出し、通信部110を経由して、端末200に向けて情報コンテンツを放送する。S315にて位置情報処理部134は、放送した地点を記憶した後S311に戻り、終了しない場合には再びS312の動作を行なう。なお、終了しない場合のループは説明のためのものであり、例えば再びS311へ戻る前に一定時間のウェイトを行ない電力消費を節約する等の処理を加えてもよい。
この発明の第1実施例によれば、複雑な通信手順を介することなく、効率的に情報コンテンツの提供及び収集が可能である。また、同一の情報コンテンツを一定時間間隔で繰り返し放送すれば、ある時点で通信が到達しなかった端末に対しても、別の時点では通信が到達し情報コンテンツを送信することができる。また、同一の情報コンテンツを移動するたびに放送する場合には、ある位置で放送したときに通信が到達しなかった端末に対しても、別の位置で放送した場合には通信が到達し情報コンテンツを送信することができ、放送時間間隔の管理は必要ない。さらに、重複して同一の情報コンテンツを収集することが少なくなる。
<第2実施例>
図4に、この発明の情報交換システムの第2実施例の概念説明図を示す。
この実施例では、端末側が情報提供局を探索することと、情報コンテンツ送信要求を送信することを特徴とする。端末31は通信可能な情報提供局を探索し、通信可能な情報提供局21を発見した場合には、情報提供局21に情報コンテンツ送信要求を送る。そして、端末31から情報コンテンツ送信要求を受けた情報提供局21は、端末31に要求された情報コンテンツを送る。
情報提供局21を中心とする半径r21以内に存在する端末31は、情報提供局21に情報コンテンツ送信要求を送ることができ、かつ情報提供局21が送信する情報コンテンツを受信することができる。この場合、情報提供局21と端末31は双方向に通信を行なう必要があるため、半径r21は、情報提供局21が発信する電波強度を端末31が受信したときに一定以上の電界強度をもつ範囲を示す円の半径と、端末31が発信する電波強度を情報提供局21が受信したときに一定以上の電界強度をもつ範囲を示す円の半径との、小さい方の値である。
なお、情報提供局21を中心とする半径r21以内に存在しない端末32は、情報提供局21と双方向の通信を行なうことができないため、情報提供局21から情報コンテンツを受けとることができない。
端末31が通信可能な情報提供局を探索する1つの手段としては、特定の情報提供局21に宛てて双方向通信を試み、相手情報提供局21からのレスポンスを待つ方法が考えられる。この場合、レスポンスが返ってくれば情報提供局の探索は成功し、レスポンスが返ってこなければ情報提供局の探索は失敗する。なお、この情報提供局31の探索手順は情報コンテンツ送信手順と独立に行なってもよいし、また、特定の情報提供局21に宛てて情報コンテンツ送信要求を送ることで双方向通信を試み、レスポンスとして情報コンテンツが返ってくることによって探索手順と情報コンテンツ送信手順を同時に実現してもよい。
端末31が通信可能な情報提供局を探索する他の手段としては、情報提供局を特定せずに探索のための放送を行ない、情報提供局からのレスポンスを待つ方法が考えられる。この場合、レスポンスが返ってくれば情報提供局の探索は成功し、レスポンスが返ってこなければ情報提供局の探索は失敗する。
この場合、複数の情報提供局からレスポンスが返ってくる場合もある。なお、この情報提供局の探索手順は情報コンテンツ送信手順と独立に行なってもよいし、また、情報コンテンツ送信要求を放送し、レスポンスとして情報コンテンツが返ってくることによって探索手順と情報コンテンツ送信手順を同時に実現してもよい。
また、情報提供局の探索を行なう方法としては、一定の時間間隔で繰り返し探索を行なうことが考えられる。これは、情報提供局21が移動せず端末31のみが移動する場合、情報提供局21のみが移動し端末31のみが移動しない場合、情報提供局21と端末31がともに移動する場合の、いずれにおいても有効である。
情報提供局の探索を行なう別の方法としては、端末31が一定の距離以上移動するごとに情報提供局の探索を行なうことが考えられる。これは、端末31のみが移動し情報提供局21が移動しない場合に特に有効である。
図32はこの第2実施例の変形例を表わす概念図である。端末31が位置P1で情報提供局の探索を行なうとすると、距離Dを移動した位置P2において次の探索を行ない、さらに距離Dを移動した位置P3において次の探索を行なう。
また、一定の時間間隔で繰り返し探索を行なうことと、端末31が一定の距離以上移動するごとに情報提供局の探索を行なうことを組み合わせて用いてもよい。これは、情報提供局21と端末31がともに移動する場合に特に有効である。
端末31が情報提供局の探索に失敗した場合には端末31は情報コンテンツを得られないため再度情報提供局の探索を行なう必要性がある。それに対して、情報提供局の探索に成功した場合には、一旦情報コンテンツを得ているので、再度の探索の必要性は、前記の場合に比して低くなる。また、等時間間隔で再度情報提供局の探索を行なっても、同一の情報提供局を探索し同一の情報コンテンツしか得られない可能性が高い。
したがって、情報提供局の探索に一旦成功した場合には、次回の情報提供局の探索までの時間を長くした方が、情報提供局の更新された情報コンテンツを得る可能性が高く、新たな情報提供局が探索範囲内に位置する可能性が高くなる。
そのため、情報提供局の探索を一定の時間間隔で繰り返し行なうようにした場合でも、前回の情報提供局の探索に成功した場合に次回探索を行なうまでの時間T1は、前回の情報提供局の探索に失敗した場合に次回探索を行なうまでの時間T2よりも長くすることが好ましい。
また、端末31が移動することにより、探索範囲内に新たな情報提供局が位置する可能性は高くなる。そのため、情報提供局の探索を一定の時間間隔で繰り返し行なう場合に、前回の情報提供局探索の際の端末31の位置からの移動距離が少ない場合には前回の情報提供局の探索から次回探索を行なうまでの時間を長くし、前回の情報提供局探索の際の端末31の位置からの移動距離が多い場合には前回の情報提供局の探索からに次回探索を行なうまでの時間を短くすることが好ましい。
次に第2実施例におけるデータの流れの説明図を図8に示す。
図8において、端末31は、情報提供局の探索SB21,SB22,SB23,SB24,SB25を一定時間間隔で行なう場合を示している。探索は、SB21,SB22,SB23,SB24,SB25を特定の情報提供局21に向けて発信する形で行なってもよいし、特定の情報提供局を定めずに任意の情報提供局に対して発信してもよい。
図8では、情報提供局の探索SB23,SB24は成功して情報提供局21を発見し、レスポンスSR23,SR24がそれぞれ端末31に返される。一方、情報提供局の探索SB21,SB22,SB25は成功せず、情報提供局を発見できない。
情報提供局21を発見した場合、端末31は情報提供局21に対して情報コンテンツ送信要求DR23,DR24を送信する。情報コンテンツ送信要求DR23,DR24を受けた情報提供局21は端末31に情報コンテンツを含むデータDT23,DT24を送信し、端末31は、送られてきたデータDT23,DT24から情報コンテンツを取り出し、蓄積する。
図8においては、情報提供局の探索SB21,SB22,SB23,SB24,SB25を一定時間間隔で行なっているが、例えば、情報提供局の探索SB23は成功しているために、次回の情報提供局の探索SB24までの間隔を長くするといった変形例が考えられる。また、前記したように端末31の移動距離に応じて、情報提供局の探索の間隔を変更することもできる。
次に、この発明の第2実施例において用いられるデータSB,SR,DR及びDT(図8参照)のフォーマットについて説明する。図44に、情報提供局の探索データSBのデータフォーマットを示す。ここで、送信先のアドレスd1は、特定の情報提供局21を入れるのではなく、「いずれかの情報提供局」といった指定をしてもよい(マルチキャスト)。マルチキャストの場合には、いずれの情報提供局であってもSBを受信することができる。なお、データd7として、要求する情報コンテンツを指定するパラメタを追加してもよい。
図45に、情報提供局探索データSBに対するレスポンスSRのデータフォーマットを示す。また、図46に、端末からの情報コンテンツ送信要求DRのデータフォーマットを示す。ここで、データd7として、要求する情報コンテンツを指定するパラメタを追加してもよい。
図47に、情報提供局から送信される「情報コンテンツを含むデータ」DTのデータフォーマットを示す。ここで、このDTデータは、第1実施例のDBと異なり、送信先が単一のアドレスで表されるため、ネットワークレベルでの再送が可能である。ネットワークレベルでの再送とは、例えば分割総数5で分割順序1、2、3、5を示すデータが届いた場合に、分割順序4を示すデータが失われたと判断し、送信先から発信元に4の再送要求を行ない、発信元から送信先へ当該データが再送されるような手順をいう。
図13は、この発明の第2実施例における図8の情報提供局21(100)の動作を説明するフローチャートである。
情報提供局21の情報処理部130の受信処理部131はS131において終了するかどうかを判断し、終了しない場合はS132−S134をループする構造になっている。
S132において受信処理部130が通信部110を監視することにより、端末31からの情報提供局探索を受信したかを判断する。S132において受信した場合には、受信処理部131は、情報提供局探索情報受信部143を経由して、相手端末31の情報を、相手端末特定部137へ蓄積する。そしてS134において、情報提供局探索情報受信部143は、情報提供局探索レスポンス送信部147、送信処理部132及び通信部110を介して、探索に対するレスポンスを端末31へ返す。その後S131へ戻る。
S132において受信しなかった場合には、S133において情報コンテンツ送信要求受信部151が端末からの情報コンテンツ送信要求を受信したかを相手端末特定部137を用いて判断する。S133において受信した場合には、S135において情報コンテンツ送信要求受信部151が、情報コンテンツ送信部153を用いて、送信処理部132及び通信部110を介して情報コンテンツを端末31に送信しS131に戻る。S133において受信しなかった場合には何もせずS131に戻る。なお、終了しない場合のループは説明のためのものであり、例えば再びS131へ戻る前に一定時間のウェイトを行ない電力消費を節約する等の処理を加えてもよい。
図14は、この発明の第2実施例における図8の端末31(200)の動作を説明するフローチャートである。
端末31の情報処理部230の送信処理部232はS141において終了するかどうかを判断し、終了しない場合はS142−S147をループする構造になっている。
S142では情報提供局の探索を行なう。具体的には、情報処理部230が、特定情報提供局探索情報送信部244を用いて、探索対象情報提供局情報蓄積部245に蓄積された対象とする情報提供局の情報を取出し、通信部210を経由してこの情報を送信する。次に、S143で受信処理部231が通信部210を監視し情報提供局からレスポンスがあったかを判断する。レスポンスがなかった場合にはS147へ戻り一定時間ウェイトする。
情報提供局21からのレスポンスがあった場合、特定情報提供局探索結果受信部241が受信されたデータがレスポンスであることを調べて、そのレスポンスの内容を相手情報提供局特定部237へ蓄積する。そして、S144において情報コンテンツ送信要求を情報提供局21に送る。ここでは、送信処理部232が、情報コンテンツ送信要求送信部253を操作し、相手情報提供局特定部237に蓄積された対象となる情報提供局に、情報コンテンツ送信要求を通信部210を介して送信する。
その後、S145において受信処理部231が通信部210を監視し情報提供局21から情報コンテンツが送られてきたかを判断する。情報コンテンツを受信した場合には、S146において受信処理部231が、情報コンテンツ受信部238を操作して、情報コンテンツ蓄積部252に、受信した情報コンテンツを蓄積する。
S145において情報コンテンツを受信しなかった場合、およびS146において受信した情報コンテンツを蓄積した後は、S147へ戻り送信処理部232は一定時間ウェイトし、終了しない場合には再びS141の動作を行なう。なお、一定時間ウェイトをS147の位置においたのは説明のためであり、S143,S145,S146の後に終了を選択する場合には、S146におけるウェイトを行なわずにS141へ戻ってもよい。
図32を用いて説明したこの第2実施例の変形例においては、端末31の動作として、次のような変更を行えばよい。図14におけるS147の代わりに、前回探索を行なった後に一定距離以上移動したかを判断するステップと、一定距離以上移動した場合にのみS142以下のループを行なうステップとを設ければよい。
この発明の第2実施例によれば、端末側で、端末からの放送データによる情報提供局の探索後に情報コンテンツを得るようにしているので、より信頼性が高く、効率的に情報コンテンツの提供及び収集が可能である。また、情報提供局の探索を繰り返し行っているので、ある時点で通信が到達しなかった情報提供局に対しても、別の時点では通信が到達し情報コンテンツを得ることができる。また、情報提供局の探索を一定時間間隔で行うのではなく前記したような事態に応じて間隔を長短することにより、柔軟な探索が可能となり、情報提供局の早期発見や情報コンテンツの重複受信の防止等の点でより効率的な情報収集が可能である。
<第3実施例>
図5は、この発明の情報交換システムの第3実施例を示す概念図である。
ここでは、情報提供局21から行われた端末探索後に、探索で発見された端末のみに情報コンテンツを送信する場合を示す。
情報提供局21は通信可能な端末を探索し、通信可能な端末31を発見した場合には端末31に情報コンテンツを送る。情報提供局21を中心とする半径r21以内に存在する端末31は、情報提供局21に探索された際のレスポンスを返すことができ、かつ情報提供局21が送信する情報コンテンツを受信することができる。
この場合、情報提供局21と端末31は双方向に通信を行なう必要があるため、半径r21は、情報提供局21が発信する電波強度を端末31が受信したときに一定以上の電界強度をもつ範囲を示す円の半径と、端末31が発信する電波強度を情報提供局21が受信したときに一定以上の電界強度をもつ範囲を示す円の半径との、小さい方の値である。なお、情報提供局21を中心とする半径r21以内に存在しない端末32は、情報提供局21と双方向の通信を行なうことができないため、情報提供局21から情報コンテンツを受けとることができない。
情報提供局21が通信可能な端末を探索する1つの手段としては、例えば特定の端末31に宛てて双方向通信を試み、相手端末31からのレスポンスを待つ方法が考えられる。
この場合、レスポンスが返ってくれば端末の探索は成功し、レスポンスが返ってこなければ端末の探索は失敗する。なお、この端末31の探索手順は情報コンテンツ送信手順と独立に行なってもよいし、また、特定の端末31に宛てて情報コンテンツを送ることで探索手順と情報コンテンツ送信手順を同時に実現してもよい。
情報提供局21が通信可能な端末を探索する1つの手段としては、例えば端末を特定せずに探索のための放送を行ない、端末からのレスポンスを待つ方法が考えられる。この場合、レスポンスが返ってくれば端末の探索は成功し、レスポンスが返ってこなければ端末の探索は失敗する。この場合、複数の端末からレスポンスが返ってくる場合もある。なお、この端末の探索手順は情報コンテンツ送信手順と独立に行なってもよいし、また、情報コンテンツを放送し、レスポンスが返ってくることによって探索手順と情報コンテンツ送信手順を同時に実現してもよい。この場合第1実施例との違いは、通信手順が双方向通信であり、レスポンスが情報提供局21に返ることにある。
端末の探索を行なう1つの方法としては、一定の時間間隔で繰り返し探索を行なうことが考えられる。これは、情報提供局21が移動せず端末31のみが移動する場合、情報提供局21のみが移動し端末31のみが移動しない場合、情報提供局21と端末31がともに移動する場合の、いずれにおいても有効である。
端末の探索を行なう別の方法としては、情報提供局21が一定の距離以上移動するごとに端末の探索を行なうことが考えられる。これは、情報提供局21のみが移動し端末31が移動しない場合に特に有効である。
図33はこの第3実施例の変形例を表わす概念図である。情報提供局21が位置P1で端末の探索を行なうとすると、距離Dを移動した位置P2において次の探索を行ない、さらに距離Dを移動した位置P3において次の探索を行なう。
また、一定の時間間隔で繰り返し探索を行なうことと、情報提供局21が一定の距離以上移動するごとに端末の探索を行なうことを組み合わせて用いてもよい。これは、情報提供局21と端末31がともに移動する場合に特に有効である。
情報提供局21が端末の探索に失敗した場合には端末に情報コンテンツを渡せないため再度端末の探索を行なう必要性がある。それに対して、端末の探索に成功した場合には、一旦情報コンテンツを渡しているので、再度の探索の必要性は、前記の場合に比して低くなる。また、再度端末の探索を行なっても、同一の端末を探索し同一の情報コンテンツしか渡せない可能性が高い。
端末の探索に一旦成功した場合には、次回の端末の探索までの時間を長くすることにより、情報提供局の情報コンテンツが更新されていたり、端末の側で情報コンテンツを消去してしまっていたり、新たな端末が探索範囲内に位置する可能性が高くなる。
そのため、端末の探索を一定の時間間隔で繰り返し行なうようにした場合でも、前回の端末の探索に成功した場合に次回探索を行なうまでの時間T1は、前回の端末の探索に失敗した場合に次回探索を行なうまでの時間T2よりも長くすることが好ましい。
また、情報提供局21が移動することにより、探索範囲内に新たな端末が位置する可能性は高くなる。そのため、端末の探索を一定の時間間隔で繰り返し行なう場合に、前回の端末探索の際の情報提供局21の位置からの移動距離が少ない場合には前回の端末の探索から次回探索を行なうまでの時間を長くし、前回の端末探索の際の情報提供局21の位置からの移動距離が多い場合には前回の端末の探索からに次回探索を行なうまでの時間を短くすることが好ましい。
次にこの第3実施例におけるデータの流れの説明図を図9に示す。
図9において、情報提供局21は、端末の探索SB31,SB32,SB33,SB34,SB35を一定時間間隔で行なう場合を示している。
探索は、SB31,SB32,SB33,SB34,SB35を特定の端末31に向けて発信する形で行なってもよいし、特定の端末を定めずに任意の端末に対して発信してもよい。
図9では、端末の探索SB33,SB34は成功して端末31を発見し、レスポンスSR33,SR34がそれぞれ情報提供局21に返される。一方、端末の探索SB31,SB32,SB35は成功せず、端末を発見できない。端末31を発見した場合、情報提供局21は端末31に情報コンテンツを含むデータDT33,DT34を送信し、端末31は、送られてきたデータDT33,DT34から情報コンテンツを取り出し、蓄積する。
図9においては、端末の探索SB31,SB32,SB33,SB34,SB35を一定時間間隔で行なっているが、例えば、端末の探索SB33は成功しているために、次回の端末の探索SB34までの間隔を長くするといった変形例が考えられる。また、情報提供局21の移動距離に応じて、端末の探索の間隔を変更することもできる。
次に、この発明の第3実施例において用いられるデータSB,SR及びDTのフォーマットを、図48、図49及び図50に示す。
図48は、端末を探索するためのデータSBであるが、送信先のアドレスd1は、特定の端末31を入れるのではなく、「いずれかの端末」といった指定をしてもよい(マルチキャスト)。マルチキャストの場合には、いずれの端末であってもSBを受信することができる。
図49は、端末から送信されるレスポンスSRであるが、データd7として、要求する情報コンテンツを指定するパラメタを追加してもよい。
図50は、情報提供局から送信される「情報コンテンツを含むデータ」DTであるが、第1実施例のDBと異なり、送信先アドレスd1が単一のアドレスで表されるため、ネットワークレベルでの再送が可能である。
図15は、この発明の第3実施例における図9の情報提供局21(100)の動作を説明するフローチャートである。
情報提供局21の送信処理部132はS151において終了するかどうかを判断し、終了しない場合はS152−S155をループする構造になっている。
S152では送信処理部132が任意端末探索情報送信部146を操作して、通信部110を経由して、端末の探索を行なう。S153で端末からレスポンスがあったかを判断する。ここで、受信処理部131は、通信部110を監視し、受信したデータがレスポンスであるか否かを任意端末探索結果受信部142で判断し、レスポンスである場合は、相手端末特定部137に蓄積する。
レスポンスがなかった場合にはS155へ戻り送信処理部132が一定時間ウェイトする。端末31からのレスポンスがあった場合、S154において情報コンテンツを端末31に送信する。ここで、送信処理部132が、情報コンテンツ送信部153を操作し、相手端末特定部137に蓄積された端末に対して、情報コンテンツを送信部110を介して送信する。
そして、S155へ戻り一定時間ウェイトし、終了しない場合には再びS151の動作を行なう。なお、一定時間ウェイトをS155の位置においたのは説明のためであり、S153,S154の後に終了を選択する場合には、S155におけるウェイトを行なわずにS151へ戻ってもよい。
図16は、この発明の第3実施例における図9の端末31の動作を説明するフローチャートである。
端末31の受信処理部231はS161において終了するかどうかを判断し、終了しない場合はS162−S165をループする。S162において情報提供局21からの端末探索を受信したかを判断する。ここで、受信処理部231が、通信部210を監視し、受信したデータが端末探索であるか否かを端末探索情報受信部243で調べる。端末探索データを受信した場合には、その情報を、相手情報提供局特定部237に蓄積する。
S162において、端末探索を受信した場合には、S163において端末探索レスポンス送信部247が送信処理部232、通信部210を経由して端末探索のレスポンスを情報提供局21に返しS161へ戻る。
S162において端末探索を受信しなかった場合には、S164において情報提供局21から情報コンテンツが送られてきたかを判断する。ここで、受信処理部231が通信部210を監視し、受信したデータが情報コンテンツがあるか否かを、情報コンテンツ受信部251で判断する。受信した場合にはS165において受信処理部231が、情報コンテンツ受信部251を操作して、受信した情報コンテンツを情報コンテンツ蓄積部252に蓄積する。
S164において情報コンテンツを受信しなかった場合、およびS165において受信した情報コンテンツを蓄積した後は、S161へ戻る。なお、終了しない場合のループは説明のためのものであり、例えば再びS161へ戻る前に一定時間のウェイトを行ない電力消費を節約する等の処理を加えてもよい。
図15を用いて説明したこの第3実施例の変形例における情報提供局21の動作としては、図15におけるS155の代わりに、前回探索を行なった後に一定距離以上移動したかを判断するステップと、一定距離以上移動した場合にのみS152以下のループを行なうステップとを設けることによって実現できる。
この発明の第3実施例によれば、情報提供局は一定時間間隔で端末を探索して、探索に成功した場合に情報コンテンツを送信しているので、ある時点で通信が到達しなかった端末に対しても、別の時点では、通信が到達し情報コンテンツを提供することができる。
<第4実施例>
図6は、この発明の情報提供システムの第4実施例を示す概念図である。
ここでは、端末31は、情報コンテンツ送信要求を放送しており、情報コンテンツ送信要求を受けた情報提供局21は、情報コンテンツ送信要求を放送した端末31に情報コンテンツを送信する場合を示す。
この場合、端末が、通信可能な相手情報提供局を検出するステップなしに、情報コンテンツを情報提供局に対して要求することが可能である。
情報提供局21を中心とする半径r21以内に存在する端末31は、情報提供局21に情報コンテンツ送信要求を送ることができ、かつ情報提供局21が送信する情報コンテンツを受信することができる。
この場合、情報提供局21と端末31は双方向に通信を行なう必要があるため、半径r21は、情報提供局21が発信する電波強度を端末31が受信したときに一定以上の電界強度をもつ範囲を示す円の半径と、端末31が発信する電波強度を情報提供局21が受信したときに一定以上の電界強度をもつ範囲を示す円の半径との、小さい方の値である。なお、情報提供局21を中心とする半径r21以内に存在しない端末32は、情報提供局21と双方向の通信を行なうことができないため、情報提供局21から情報コンテンツを受けとることができない。
この場合、端末31はどの情報提供局の半径r21の円内にいるかを事前に知ることができず、さらに、情報提供局21や端末が移動することにより、例えば半径r21の円外にいた端末32が半径r21の円内に相対的に移動することも考えられる。そのため、端末31は同一の情報コンテンツ送信要求を繰り返し放送することにより、ある時点では情報コンテンツ送信要求を受信できなかった情報提供局であっても、異なる時点では情報コンテンツ送信要求を受信することが可能となる。
同一内容の情報コンテンツ送信要求を繰り返し放送する1つの方法としては、一定の時間間隔で繰り返し放送を行なうことが考えられる。これは、情報提供局21が移動せず端末31のみが移動する場合、情報提供局21のみが移動し端末31のみが移動しない場合、情報提供局21と端末31がともに移動する場合の、いずれにおいても有効である。
同一内容の情報コンテンツ送信要求を繰り返し放送する別の方法としては、端末31が一定の距離以上移動するごとに放送を行なうことが考えられる。これは、端末31のみが移動し情報提供局21が移動しない場合に特に有効である。
図34はこの第4実施例の変形例を表わす概念図である。端末31が位置P1で放送を行なうとすると、距離Dを移動した位置P2において次の放送を行ない、さらに距離Dを移動した位置P3において次の放送を行なう。
また、一定の時間間隔で繰り返し放送を行なうことと、端末31が一定の距離以上移動するごとに放送を行なうことを組み合わせて用いてもよい。これは、情報提供局21と端末31がともに移動する場合に特に有効である。
端末31が情報提供局から情報コンテンツを得られない場合には、情報コンテンツを得るため再度情報コンテンツ送信要求を放送する必要性がある。それに対して、情報提供局から情報コンテンツを得られた場合には、一旦情報コンテンツを得ているので、再度情報コンテンツ送信要求を放送する必要性は、前記の場合に比して低くなる。また、再度情報コンテンツ送信要求を放送しても、同一の情報提供局から同一の情報コンテンツしか返ってこない可能性が高い。
情報コンテンツが送られてきた場合には、次回の情報コンテンツ送信要求の放送までの時間を長くすることにより、情報提供局の情報コンテンツが更新されていたり、新たな情報提供局が探索範囲内に位置する可能性が高くなる。
そのため、情報コンテンツ送信要求の放送を一定の時間間隔で繰り返し行なう場合には、前回の放送に放送に対して情報コンテンツが送られてきた場合に次回放送を行なうまでの時間T1は、前回の放送に対して情報コンテンツが送られてこなかった場合に次回放送を行なうまでの時間T2よりも長くすることが好ましい。
また、端末31が移動することにより、探索範囲内に新たな情報提供局が位置する可能性は高くなる。そのため、情報コンテンツ送信要求の放送を一定の時間間隔で繰り返し行なう場合に、前回の情報提供局探索の際の端末31の位置からの移動距離が少ない場合には前回の情報コンテンツ送信要求の放送から次回放送を行なうまでの時間を長くし、前回の情報提供局探索の際の端末31の位置からの移動距離が多い場合には前回の情報コンテンツ送信要求の放送から次回放送を行なうまでの時間を短くすることが好ましい。
次に第4実施例におけるデータの流れの説明図を図10に示す。端末31は、情報コンテンツ送信要求を含むデータRB41,RB42,RB43,RB44,RB45を一定時間間隔で放送する場合を示している。
RB41,RB42,RB43,RB44,RB45は放送データであるので、情報提供局へ到達するかどうかは保証されていない。図10では、放送データRB43,RB44が情報提供局21に到達し、放送データRB41,RB42,RB45は情報提供局21に到達しない。
一方、情報コンテンツ送信要求RB43,RB44を受けた情報提供局21は端末31に情報コンテンツを含むデータDT43,DT44を送信し、端末31は、送られてきたデータDT43,DT44から情報コンテンツを取り出し、蓄積する。
次に、この発明の第4実施例において用いられるデータRBとDTのフォーマットを、図51、図52に示す。
図51は、端末から送信される情報コンテンツ送信要求RBのフォーマットであるが、データd7として、要求する情報コンテンツを指定するパラメタを追加してもよい。
図52は、情報提供局から送信される情報コンテンツを含むデータDTであるが、第1実施例のDBと異なり、送信先が単一のアドレスで表されるため、ネットワークレベルでの再送が可能である。
図17は、この発明の第4実施例における図10の情報提供局21(100)の動作を説明するフローチャートである。
情報提供局21の受信処理部131はS171において終了するかどうかを判断し、終了しない場合はS172,S173をループする構造になっている。S172において端末31から放送された情報コンテンツ送信要求を受信したかを判断する。
このS172において、受信処理部131は、通信部110を監視し、受信したデータが情報コンテンツ送信要求である場合は、情報コンテンツ送信要求受信部151を操作して端末の情報を相手端末特定部137に蓄積する。
そしてこの情報コンテンツ送信要求を受信した場合にはS173において端末31に対して情報コンテンツを送信する。このS173において、送信処理部132は、情報コンテンツ送信部153を操作して、情報コンテンツ保持部152に蓄積された情報を、相手端末特定部137に蓄積された端末へ、通信部110を経由して送信する。
S172において放送された情報コンテンツ送信要求を受信しなかった場合、およびS173において端末31に対して情報コンテンツを送信した後は、S171へ戻り、終了しない場合には再びS172の動作を行なう。なお、終了しない場合のループは説明のためのものであり、例えば再びS171へ戻る前に一定時間のウェイトを行ない電力消費を節約する等の処理を加えてもよい。
図18は、この発明の第4実施例における端末31の動作を説明するフローチャートである。
端末31の送信処理部232はS181において終了するかどうかを判断し、終了しない場合はS182−S184をループする構造になっている。S182において送信処理部232が、情報コンテンツ送信要求放送部254を操作して、通信部210を経由して情報提供局に向けて情報コンテンツ送信要求を放送する。
その後、S183において受信処理部231が通信部210を監視して情報提供局21から情報コンテンツが送られてきたかを判断する。受信した場合にはS184において受信処理部231が情報コンテンツ受信部251を操作して、受信した情報コンテンツを情報コンテンツ蓄積部252へ蓄積する。
S183において情報コンテンツを受信しなかった場合、およびS184において受信した情報コンテンツを蓄積した後は、S185へ戻り送信処理部232が一定時間ウェイトし、終了しない場合には再びS181の動作を行なう。なお、一定時間ウェイトをS185の位置においたのは説明のためであり、S183,S184の後に終了を選択する場合には、S185におけるウェイトを行なわずにS181へ戻ってもよい。
図35は、図34を用いて説明したこの発明の第4実施例の変形例における端末31の動作を説明するフローチャートである。
端末31の情報処理部230はS351において終了するかどうかを判断し、終了しない場合はS352−S356をループする構造になっている。
S352において位置情報取得部233が、位置情報検出部220を用いて、現在位置を取得する。S353において位置情報処理部234が前回放送を行なった位置と在位置との距離が一定の値以上であるかを調べる。一定の値以上であればS354へ進み、一定の値に達していなければS351へ戻る。
S354において送信処理部232が情報コンテンツ送信要求放送部254を操作し、通信部210を経由して情報提供局に向けて情報コンテンツ送信要求を放送する。その後、S355において、受信処理部231が、通信部210を監視することにより、情報提供局21から情報コンテンツが送られてきたかを判断する。
受信した場合には、S356において、受信処理部231が情報コンテンツ受信部251を操作して、受信した情報コンテンツを情報コンテンツ蓄積部252に蓄積する。S355において情報コンテンツを受信しなかった場合、およびS356において受信した情報コンテンツを蓄積した後は、S351に戻り、終了しない場合には再びS352の動作を行なう。なお、終了しない場合のループは説明のためのものであり、例えば再びS351へ戻る前に一定時間のウェイトを行ない電力消費を節約する等の処理を加えてもよい。
この発明の第4実施例によれば、端末側で、端末から一定時間間隔で情報コンテンツ要求を繰り返し放送するようにしているので、ある時点で通信が到達しなかった情報提供局に対しても、別の時点では通信が到達し、情報コンテンツを得ることができる。また、複雑な通信手順を介することなく効率的に情報コンテンツの提供及び収集が可能である。
<情報コンテンツ同一性の判定について>
次に、この発明において、情報コンテンツの受信に関して他の実施例を説明する。この発明の第1実施例では、同一内容の情報コンテンツが、情報提供局21から繰り返し放送されており、端末31において、同一内容の情報コンテンツを重複して蓄積する場合がある。端末31のメモリ資源の有効活用という観点からは、同一内容の情報コンテンツは一つだけ蓄積していれば十分である。
すなわち、端末において、判別部を設け、受信した情報コンテンツが、既に蓄積されている情報コンテンツと同一の情報コンテンツと同一であるかどうかを判別し同一情報コンテンツは再度蓄積しないようにすることが好ましい。
図21、図22、図23は、この発明の第1実施例を利用して、複数の情報提供局22,23,24から放送された情報コンテンツを端末31において受信する概念図である。
図21は端末31が存在している地点が、情報提供局22,23,24が放送するいずれの情報コンテンツをも受信することができる位置である場合の概念図である。
図22は端末31が移動することにより、移動しない情報提供局22,23,24から放送された情報コンテンツを順次受信す
ることを表わす概念図である。
図23は、端末31は移動せず、情報提供局22,23,24が移動することにより、以前は受信できなかった情報提供局22,23,24から放送された情報コンテンツを受信できるようになることを表わす概念図である。
特に図示しないが、端末31と情報提供局22,23,24がともに移動する場合も考えられる。これらの図は、端末31から見た動作を説明するための図であるため、端末31以外に他の端末が存在していてもよい。
これらの図において、情報提供局22が同一内容の情報コンテンツを繰り返し放送しているような場合、一旦情報提供局22から放送される情報コンテンツを受け取ってしまうと、二度目に情報提供局22から放送される情報コンテンツを受信する必要はない。そこで、同一の情報提供局から放送される情報コンテンツは同一の内容であるとみなして、蓄積しないことは有効である。
また、同一の情報提供局から繰り返し放送される情報コンテンツであっても、時間が経過すると情報提供局の内部で情報コンテンツが更新されることがある。こうした事態に対処するためには、同一の情報提供局から繰り返し放送される情報コンテンツを同一のものとみなす場合、同一とみなす期間に制限を設けることが好ましい。それにより、情報提供局の内部で情報コンテンツが更新された場合でも、更新された情報コンテンツを受信して蓄積することができる。
また、放送形式でなく、端末31が特定の情報提供局21に対して情報コンテンツ送信要求を行なう場合も同様に重複した受信を回避できる。端末31は、以前に情報提供局21に対して情報コンテンツ送信要求を行ない、情報提供局21から情報コンテンツを受信した場合には、一定の期間、同一の情報提供局21に対して情報コンテンツ送信要求を行なわないことにより、重複した情報コンテンツを受信することを避けることができる。
さらに、情報提供局21が同一情報コンテンツの重複送信の判断を行ない、同じ端末に再度同一情報コンテンツが送信されないようにしてもよい。たとえば、情報提供局21が端末31から情報コンテンツ送信要求を受信した場合、以前に当該端末31に対して情報コンテンツを送信している場合には、一定の期間、同一の端末31に対して情報コンテンツを送信しないことが好ましい。同一の情報コンテンツを繰り返し放送している場合、期間に制限を設けなくとも構わないが、端末31が一定時間経過した情報コンテンツを破棄してしまうような実装を想定すると、期間に制限を設けることは有効である。
ただし、情報コンテンツの更新が発生した場合には、端末31に対して新しい情報コンテンツを送信することが望ましい。また、以前に当該情報提供局21から情報コンテンツを受信したことやその時刻などの情報を含めて、端末31が情報コンテンツ送信要求を送信することによっても同様の効果が得られる。情報コンテンツ送信要求に以前に当該情報提供局21から情報コンテンツを受信したことを含んでいる場合には、以前に送信した履歴を情報提供局21内部に保持する必要はなくなる。さらに、情報コンテンツ送信要求に以前に当該情報提供局21から情報コンテンツを受信した時刻を含んでいる場合には、情報コンテンツが更新された時刻と比較して、端末31が保持している情報コンテンツが最新のものであるかどうかを、情報提供局21が判断できる。
<情報コンテンツの破棄について>
ところで、重複した情報コンテンツを蓄積しないとしても、図21,図22,図23に示すような情報交換システムでは、端末31の蓄積能力を越える情報コンテンツが、複数の情報提供局から送られてくる場合がある。また、単一の情報提供局21からでも、大量の情報コンテンツが送られてくるかもしれない。このような場合、端末31の蓄積能力に合わせて不要となる情報コンテンツを破棄する必要がある。
情報コンテンツ間に質的な重要度の違いがない場合には、一般に、新しい情報コンテンツを残すことが望ましい。
図24は、最新の情報コンテンツを最大3つまで残す情報コンテンツ蓄積方法を示す概念図である。
端末31は、情報コンテンツDATA1,DATA2,DATA3,DATA4,DATA5をこの順に取得するとする。その場合、情報コンテンツDATA1,DATA2,DATA3までは全て蓄積される。
情報コンテンツDATA4を受信した場合には、蓄積可能な情報コンテンツの最大数は3個であるので、最も古く受信した情報コンテンツDATA1が削除され、情報コンテンツDATA2,DATA3,DATA4が蓄積されて残される。情報コンテンツDATA5を受信した場合も同様に、情報コンテンツDATA2が削除され、情報コンテンツDATA3,DATA4,DATA5が蓄積されて残される。最大いくつまで残すかは、システム設計により異なり、3つ以上でもよい。
また、情報コンテンツ自体に重要度を付与し、重要度の低いものから順に削除するようにしてもよい。
図25は、図24の場合と異なり、情報コンテンツの数には制限はなく、蓄積するためのメモリに制限を設ける情報コンテンツ蓄積方法を示す概念図である。端末31は、情報コンテンツを蓄積するための領域として8Kバイトを有しており、これを越えない範囲で情報コンテンツをいくつでも蓄積できるとする。蓄積領域の単位はシステム設計により異なり、8Kバイトに限るものではない。
端末31が情報コンテンツDATA1,DATA2,DATA3,DATA4,DATA5をこの順に取得するとし、かつそれぞれの容量が1Kバイト、2Kバイト、3Kバイト、4Kバイト、1Kバイトであるとする。情報コンテンツDATA1は1Kバイトであるので蓄積可能である。情報コンテンツDATA2も、情報コンテンツDATA1との容量の和が3Kであるので蓄積可能であり、情報コンテンツDATA3も、情報コンテンツDATA1,DATA2との容量の和が6Kであるので蓄積可能である。
情報コンテンツDATA4を蓄積しようとすると、情報コンテンツDATA1,DATA2,DATA3との容量の和が10Kになってしまうので、不要な情報コンテンツを削除する必要がある。最も古く受信した情報コンテンツDATA1を削除しても情報コンテンツDATA2,DATA3,DATA4の容量の和は9Kであるのでまだ蓄積はできず、次に古い情報コンテンツDATA2も削除する。
結果、情報コンテンツDATA3,DATA4の容量の和が7Kとなり、情報コンテンツDATA4は蓄積可能となる。一方、次に情報コンテンツDATA5を受信したときは、情報コンテンツDATA3,DATA4,DATA5の容量の和は8Kであり蓄積可能な範囲であるため、このとき情報コンテンツDATA3を削除する必要はない。
図26は、端末31の情報コンテンツ蓄積部において図24の蓄積方法を行なうためのフローチャートである。端末31は情報コンテンツを受信し(S261)、蓄積された情報コンテンツと受信した情報コンテンツを合わせた数が蓄積可能な数以下であるかを調べる(S262)。蓄積可能な数以下である場合にはS264へ進み、蓄積可能な数以下でない場合には蓄積された情報コンテンツのうち最も古いものを削除(S263)した後S264へ進む。
そして、S264において受信した情報コンテンツを蓄積し、動作を終了する。
図27は、端末31の情報コンテンツ蓄積部において図25の蓄積方法を行なうためのフローチャートである。端末31は情報コンテンツを受信し(S271)、受信した情報コンテンツの容量が蓄積可能な容量以下であるかを調べる(S272)。蓄積可能な容量以下でない場合には、もともと蓄積はできないため、受信した情報コンテンツを破棄し(S276)、処理を終了する。蓄積可能な容量以下である場合には、S273へ進み、蓄積された情報コンテンツと受信した情報コンテンツを合わせた容量が蓄積可能な容量以下であるかを調べる。蓄積可能な容量以下でない場合には、蓄積された情報コンテンツのうち最も古いものを削除(S274)した後、再びS273の条件判断へ戻る。蓄積可能な容量以下と判断された場合にはS275へ進み、受信した情報コンテンツを蓄積し、動作を終了する。
<情報コンテンツのジャンル放送とジャンル登録について>
図24,図25を用いて端末31の蓄積能力を越える情報コンテンツを受信した場合の処理を説明したが、端末31が希望する情報コンテンツのみを受信するようにしてもよい。端末31の蓄積能力を越える情報コンテンツを受信することは少なくなる。
そこで、端末31が希望する情報コンテンツあるいは希望する範疇に属する情報コンテンツのみが情報提供局21から端末31に配送されるようにした場合について説明する。
最も単純な実現方法としては、端末31が特定の情報提供局21に情報コンテンツ送信要求を送信する際に、希望する情報コンテンツを情報コンテンツ送信要求の中に指定すればよい。しかしながら、この方法はどの情報提供局が所望の情報コンテンツを有しているかを端末31があらかじめ知っていないとならないという問題がある。
そこで、この問題を解決するために、この発明では、端末31が情報提供局に情報コンテンツを要求する場合に、情報コンテンツそのものを要求するのではなく、情報コンテンツの属する範疇を指定するようにすればよい。例えば、端末が個人情報端末であるような場合、範疇として音楽関係、映画関係、スポーツ関係、地域情報といった分類を適用することもできるし、あるいは、個人情報そのものを発信して情報提供局側で住所や年齢や性別などの情報を元に端末に送るべき情報コンテンツを判断する方法も考えられる。この場合の端末が発信する個人情報は広義の範疇情報とみなすことができる。
情報コンテンツの属する範疇を指定する第1の方法は、端末31から要求された情報コンテンツ種別に合致する情報コンテンツを情報提供局21が有している場合に、情報提供局21が有している情報コンテンツを端末31に返す方法である。
この発明の第2実施例(図8)における情報コンテンツ送信要求DR23,DR24や、第4実施例(図10)における情報コンテンツ送信要求を含むデータRB41,RB42,RB43,RB44,RB45の中に、端末31は情報コンテンツ種別を指定することができる。また、この発明の第3実施例(図9)における端末探索のレスポンスSR33,SR34に情報コンテンツ種別の指定を含めてもよい。
これらを受け取った情報提供局21は、情報コンテンツ種別に合致する情報コンテンツを有している場合、該情報コンテンツを端末31に送信する。なお、第4実施例(図10)の情報コンテンツ送信要求を含むデータを放送する際に情報コンテンツ種別を指定することにより、特定の情報提供局21に情報コンテンツ種別を指定した情報コンテンツ送信要求を送るのではなく、任意の情報提供局に送ることが可能となる。
情報コンテンツの属する範疇を指定する第2の方法は、端末31から要求された情報コンテンツ種別を情報提供局21の内部に登録しておき、合致する情報コンテンツを入力あるいは更新した場合に情報提供局21が当該情報コンテンツを端末31に返す方法である。
第1の方法のように端末31から情報コンテンツ種別を指定を情報提供局21が受け取った場合、情報提供局21は情報コンテンツ種別および該情報コンテンツ種別を送ってきた端末31の情報を組み合わせて記憶する。その後、情報提供局21は、指定された範疇の情報コンテンツが追加されたり更新されたり(更新は広義の入力とみなされる)した場合に、情報コンテンツ種別を指定した端末31に対して該情報コンテンツを送信する。
なお、第4実施例(図10)の情報コンテンツ送信要求を含むデータを放送する際に情報コンテンツ種別を指定することにより、特定の情報提供局21に情報コンテンツ種別を指定した情報コンテンツ送信要求を送るのではなく、任意の情報提供局に送ることが可能となる。
さらに、第1実施例(図7)における情報コンテンツを含むデータを放送する場合に、複数の端末から要求された情報コンテンツ種別の和に適合する情報コンテンツを含むデータを放送するという方法もある。
図28に希望コンテンツのジャンル指定の概念図を示す。ここで、端末32,33,34がそれぞれ、「映画」「映画、音楽」「スポーツ」というジャンルを情報提供局21に対して指定している。この場合、情報提供局21は「映画、音楽、スポーツ」のいずれかのジャンルに合致する情報コンテンツを保持していれば、一定間隔で該情報コンテンツを含むデータを放送する。なお、この場合には情報提供局21は情報コンテンツ種別および該情報コンテンツを送ってきた端末31の情報を組み合わせて記憶する必要はなく、各情報コンテンツ種別の和をもっておくだけでもよい。
単に端末31が希望する情報コンテンツ種別を情報提供局21に登録するだけではなく、該登録を取り消す手段があれば、不必要な情報コンテンツ送信を避けることができる。
端末31から情報コンテンツ種別の指定取消を情報提供局21が受け取った場合、情報提供局21は記憶されている端末31が以前に送ってきた情報コンテンツ種別の中から取り消された情報コンテンツ種別を削除する。
図29を用いてこの図28に示した実施例におけるデータの流れを説明する。端末31は、まず希望のジャンル「映画」を送信し、情報提供局21に登録する。その後、情報提供局21は情報コンテンツ映画情報1、映画情報2を入力した場合に、端末31に対して送信する。音楽情報1は端末31の希望するジャンルではないため送信は行なわない。
次に端末31は、希望のジャンル「スポーツ」を送信し情報提供局21に追加登録する。その後情報提供局21は情報コンテンツでスポーツ情報1、映画情報3を入力した場合に、端末31の希望するジャンル「映画、スポーツ」に合致するので、端末31に対して送信する。
その後、端末31が「映画」に関して希望ジャンルの取消を情報提供局21に送信する。情報提供局21は端末31の希望ジャンルを「映画、スポーツ」から「スポーツ」に変更して記憶する。これにより、情報提供局21が情報コンテンツ映画情報4を入力した場合には端末31に対して送信を行なわず、情報コンテンツスポーツ情報2を入力した場合には端末31に対して送信を行なう。
次に、2つの端末間で双方向に情報提供がなされる情報交換システムに関して説明する。
図38は、情報コンテンツGを保持する情報処理装置Eと、情報コンテンツHを保持する情報処理装置Fとの間で情報コンテンツが交換されることを表わす概念図である。
図38(1)は、情報処理装置Eが情報コンテンツGを保持しており、かつ情報処理装置Fが情報コンテンツHを保持していることを表わしている。そして、情報処理装置Eは情報処理装置Fがもつ情報コンテンツHを欲しており、情報処理装置Fは情報処理装置Eがもつ情報コンテンツGを欲しているとする。この場合、互いの利害が一致するため、情報処理装置Fがもつ情報コンテンツHが情報処理装置Eに渡され、かつ、情報処理装置Eがもつ情報コンテンツGが情報処理装置Fに渡され、交換が成立する(図38(2))。
この動作は、(1)相手が自分の欲する情報コンテンツを保持しかつ自分が相手の欲する情報コンテンツを保持していることを、互いに確認する「確認ステップ」と、(2)互いに欲する情報コンテンツを交換する「交換ステップ」よりなる(図38(3))。古来より、物々交換に始まる商業行為はこの2つのステップを無意識に行なっているが、情報処理装置間で情報交換を行なおうとすると意識的にステップを分ける必要がある。なお、具体的な「確認ステップ」、「交換ステップ」に関しては、従来から用いられているものを含めさまざまな実装が考えられる。
たとえば、「確認ステップ」では、一方の情報装置が自己の希望する情報コンテンツを保持しているか否かを確認するための「確認要求」を相手方の情報処理装置に送信し、この「確認要求」を受信した相手方が、確認要求で要求された情報コンテンツを保持している場合には、保持していることを示す「回答」を一方の情報処理装置に送信するようにしてもよい。
図39は図38の変形例であり、情報コンテンツGを保持する情報処理装置Eが、情報コンテンツGを保持しているという情報と、該情報コンテンツGの提供と交換に情報コンテンツHを欲しているという情報を、放送を用いて任意の情報処理装置に送っている(図39(1))。該放送を受信した情報処理装置のうち、情報コンテンツHを保持していないか、情報コンテンツGを欲していない情報処理装置は該放送に応答しない。
該放送を受信した情報処理装置のうち、情報コンテンツHを保持しており、かつ、情報コンテンツGを欲してる情報処理装置Fは該放送に応答し、情報コンテンツの交換が行なわれる。この場合、「確認ステップ」は情報処理装置Eからの放送とそれに対する情報処理装置Fの応答とからなり、「交換ステップ」は実際の情報コンテンツの交換によりなる(図39(2))。
図40,図41は、さらに図38,図39のさらなる変形例であり、情報処理装置Fの所有する情報コンテンツHはあらかじめ情報処理装置Eから受け取った情報コンテンツIを加工したものである。
ここでは、アンケート回答という具体的な応用例を示すことが理解に役立つと考えられるため、その説明を行なう。
情報処理装置Eは、アンケート質問用紙(情報コンテンツI)を情報処理装置Fに送る。情報処理装置Fではアンケートの質問に答えることによってアンケート回答(情報コンテンツH)を作成(情報コンテンツIを加工して情報コンテンツHを得る)する。情報処理装置Fはアンケート回答(情報コンテンツH)を情報処理装置Eに送り、その見返りとして何らかの粗品(情報コンテンツG)を得る。
図40では、アンケートの質問に答えること、すなわち情報コンテンツの加工、に際して、ユーザへアンケートの質問(情報コンテンツI)を出力し、ユーザ操作に従って回答(情報コンテンツH)を作成している。
これに対して、図41では、あらかじめ定められた加工情報に従ってアンケート質問用紙(情報コンテンツI)から回答(情報コンテンツH)が作成される。これは、例えば、氏名、住所、年齢、趣味など公開可能な情報を情報処理装置Fにあらかじめ登録しておくことにより、ユーザが操作しなくとも、情報コンテンツの交換が行なわれることを意味している。
<情報記録媒体>
上記の各情報処理装置、情報提供局、端末の各処理、機能は、プログラムとして実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されており、各処理は上記プログラムによって実現される。
記録媒体の例としては、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM/MO/MD/DVDなどの光ディスクなどからなるディスク系、ICカードや光カード等のカード系、マスクROM、FPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを保持する媒体などいずれであってもよい。
放送された音楽データとしては、テレビやラジオ放送、無線局からの電波、有線放送、ネットワークを利用した放送などによって入力される音楽データが考えられる。通信された音楽データとしては、モデム、LAN、接続ケーブルなどの有線通信や、電波、赤外線、携帯電話、PHSなどの無線通信などによる入力がある。
<具体例>
次に、この発明の情報交換システムを利用した携帯型の自動情報収集機器の具体例について説明する。以下では、情報コンテンツとしてパソコン等の買物情報を収集する場合について説明するが、これに限定するものではなく、類似の情報収集にも利用できる。なお、情報交換の近距離無線通信手段としては、bluetoothやIEEE802.11で規定される無線LANなどで使われる電波媒体、あるいは赤外線等を利用することができる。
図36に、情報コンテンツとして買物情報を収集する自動情報収集機器の動作説明の概念図を示す。
商店A,B,Cは、自店の販売する商品に関する価格情報を近距離無線を通して発信しているとする。自動情報収集機器をもった利用者は、通りを歩いて、商店A,B,Cの順で情報を収集する。ここで、各商店に設置される情報提供局21に相当し、利用者が携帯している自動情報収集機器が端末31に相当する。
図36(1)の例では、利用者は、位置Aでまず商店Aの発信する商品価格情報として「パソコン10万円、ワープロ5万円」を受信し、蓄積する。次に商店Bの発信する商品価格情報として、位置Bで「パソコン8万円、ワープロ6万円」を受信し、蓄積する。最後に、位置Cで商店Cの発信する商品価格情報として「パソコン12万円、ワープロ4万円」を受信し、蓄積する。
このようにして、商店に面した通りを歩くだけで、各商店の販売価格のリストが自動情報収集機器に蓄積される。
図36(2)の例では、あらかじめジャンルを指定しておき、パソコンに関する価格情報のみを収集するようにしている。まず商店Aの発信する商品価格情報として「パソコン10万円」を受信し、蓄積する。次に商店Bの発信する商品価格情報として「パソコン8万円」を受信し、蓄積する。最後に、商店Cの発信する商品価格情報として「パソコン12万円」を受信し、蓄積する。このようにして、商店に面した通りを歩くだけで、所望の商品のみに関する各商店の販売価格のリストが自動情報収集機器に蓄積される。
図36(3)の例では、最安値を示す商品価格情報のみを蓄積する自動情報収集機器を示す。
まず商店Aの発信する商品価格情報として「パソコン10万円、ワープロ5万円」を受信し、蓄積する。
次に商店Bの発信する商品価格情報として「パソコン8万円、ワープロ6万円」を受信するが、パソコンに関しては商店Bが安く、ワープロに関しては商店Aが安いため、「B商店のパソコン8万円、A商店のワープロ5万円」を情報として蓄積し、A商店のパソコン価格およびB商店のワープロ価格情報は破棄する。
最後に、商店Cの発信する商品価格情報として「パソコン12万円、ワープロ4万円」を受信した場合も、「B商店のパソコン8万円、C商店のワープロ4万円」を情報として蓄積し、C商店のパソコン価格およびA商店のワープロ価格情報は破棄する。
以上のように、この発明の情報交換システムの具体例から明らかなように、利用者は煩雑な入力操作を繰り返す必要なしに、自動情報収集機器を持って歩くだけで、商店買物情報を自動的に収集でき、また、所望の商品ジャンルに関する買物情報のみが自動収集できる。
この図36の具体例において、前記した図7のような第1実施例の手順を適用した場合を考える。この場合、各商店の情報提供局21が定期的にデータDBを放送し、利用者の端末31がこのデータDBを受信することになる。この第1実施例を適用した場合、基本的に一方向なので情報の信頼性に欠ける部分はあるが、端末31は少なくとも受信処理機能のみがあればよく、機能の実装が容易であるという利点がある。
次に、前記した図8のような第2実施例を適用した場合を考える。この場合、利用者の端末31が一定時間ごと、あるいは一定距離を移動するごとに、データSBを発信することになり、利用者が所定の範囲内に入ったときに、各商店の情報提供局21がこのデータSBを受信する。そして、各商店の情報提供局21がデータSRを返信する。これにより、探索の手順が完了した後、端末31からデータDRが情報提供局21に送信され、このDRを受けた情報提供局21はDRに対応するデータDTを利用者の端末に送信する。
この場合には、次のような利点がある。情報コンテンツを必要としている端末側から最初のアクションが行われるため、情報コンテンツの送信または端末の探索が効率的に行われる。また、利用者が近くにいない状態では情報提供局21は何らの送信をする必要がない。端末31は、SBまたはDRを用いて提供して欲しい情報(あるいはジャンル)を指定することができる。
各商店は、DRによって相手端末の情報を知ることができるため、どのような消費者に情報コンテンツを配信したかを知ることができる。DRは相手を指定しているので、個人情報は不特定多数には送られない。ネットワークレベルの再送機構が使えるため、DTの送信に信頼性があり、かつ、長い情報コンテンツも送ることができるという利点もある。
次に、前記した図9のような第3実施例を適用した場合を考える。この場合、各商店の情報提供局21から定期的に送信されたデータSB(マルチキャスト)を、利用者の端末31が受信する。これに対して、利用者の端末でレスポンスSRを返信する。さらに、商店の情報提供局21から情報コンテンツデータDTが送信され、これを利用者の端末31が受信することになる。この第3実施例を適用した場合には、次のような利点がある。
定期的に発信されるデータSRは情報コンテンツを含むDTよりデータ量が少ないため、通信の負荷が少なくてすむ。端末31は、SRを用いて入手したい情報(あるいはジャンル)を指定することができる。各商店は、SRによって相手端末の情報を知ることができるため、どのような消費者に情報コンテンツを配信したかを知ることができる。ネットワークレベルの再送機構が使えるため、DTの送信に信頼性があり、かつ、長い情報コンテンツも送ることができるという利点もある。
次に、前記した図10のような第4実施例を適用した場合を考える。この場合、利用者の端末31から定期的あるいは一定距離だけ移動するごとに送信されるデータRBを、各商店の情報提供局21が受信することになる。そして、このデータを受信した商店の情報提供局21は、情報コンテンツを含むデータDTを送信し、利用者の端末31がこのデータDTを受信する。この第4実施例を適用した場合には、次のような利点がある。
情報コンテンツを必要としている端末の側からアクションが行われるため、情報コンテンツの発信または端末の探索が効率的に行われる。また、利用者が近くにいない状態では情報提供局21は何らの送信をする必要がない。端末31は、RBを用いて入手したい情報(あるいはジャンル)を指定することができる。各商店はRBによって相手端末の情報を知ることができるため、どのような消費者に情報コンテンツを配信したかを知ることができる。ネットワークレベルの再送機構が使えるため、DTの送信に信頼性があり、かつ、長い情報コンテンツも送ることができるという利点もある。
図37に、情報コンテンツとしてガソリン価格情報を収集する自動情報収集機器の動作説明の概念図を示す。情報コンテンツの収集方法自体は、図36の具体例と同様に第1実施例から第4実施例に記載のものを利用することができる。ガソリンスタンドA,B,Cはいずれも95円/Lという価格情報を、近距離無線を通して発信しているとする。自動情報収集機器を搭載した自動車は、通りを走ることにより、ガソリンスタンドA,B,Cの順で情報を収集する。ここでは、ガソリンスタンドが情報提供局21に相当し、自動車が端末31に相当する。
一般にガソリンは、なくなったときにのみ給油すればよいものであり、満タンの場合にはいくら安くとも買う必要はない。逆にガス欠寸前になれば、多少高くとも給油する必要に迫られる。そこで、自動車に搭載された自動情報収集機器には、購入を希望するガソリン価格を設定、変更することができるものとする。
図37に示すように、たとえば、満タンのときは、ガソリン価格設定値はなし(便宜的に0円とする)、残量が半分程度となったときは設定値=90円、残量が1/10以下となったときには設定値=100円とする。ここで、設定値以下の価格で、ガソリンを購入できるガソリンスタンドがある場合には、そのガソリンスタンドの情報を収集するようにすればよい。
位置Aでは、燃料タンクが満タンであり給油の必要がないため、設定値は存在していない。したがって、ガソリンスタンドAからのガソリン価格情報は収集されない。
位置Bでは、燃料タンクが半分近くになっているがまだ余裕があるため、設定値に90円を設定してある。ガソリンスタンドBの価格は95円/Lであり、設定値を上回っているため、ガソリンスタンドBからのガソリン価格情報は収集されない。
位置Cでは、燃料タンクが空に近く多少高くとも給油の必要があるため、設定値に100円を設定してある。ガソリンスタンドCの価格は95円/Lであり、設定値以下であるため、ガソリンスタンドCからのガソリン価格情報は収集される。
なお、この実施例において、ガソリン販売価格の設定値は運転者自身が設定してもよいし、燃料タンクと連動して価格が変更されるようにしてもよい。また、ガソリン価格情報を収集時に音声や表示で収集したことを知らせたり、ガソリン価格情報を収集したガソリンスタンドの位置をナビゲーション装置に表示したりすることも有効である。また、ガソリン販売価格の設定値は、残存するガソリン量を基準に変更したが、自動車の走行距離を基準に変更するようにしてもよい。
さらに、上記した具体例以外の情報収集において、ガソリン以外の商品の販売価格の設定値を変更する場合には、その商品に特有の設定基準を用いればよい。
情報提供局としては、街角にある固定の情報発信基地局であってもよいし、あるいは、他の人がもっている携帯情報機器であってもよい。前記した自動情報収集機器をもって歩くだけで、各情報提供局が提供する情報コンテンツを自動的に収集することが可能となる。
あるいは、情報を受信する端末としては、街角にある固定の情報受信基地局であってもよいし、あるいは、他の人がもっている携帯情報機器であってもよい。前記した自動情報提供機器を持って歩くだけで、情報を受信することのできる端末に対して、自身がもつ情報コンテンツを自動的に供給することが可能となる。