JP2005314716A - ターゲット材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 粉末冶金法の中でも、製造効率に優れた焼結法である放電プラズマ焼結法を用いて、高密度かつ組織が均一なターゲット材を実現するための製造方法を提供する。
【解決手段】 原料金属粉末を熱プラズマ中に導入することにより、球状化された球状金属粉末を型に充填し、200Pa以下の減圧雰囲気中において、直流パルス電流密度5A/mm2以上、圧力20MPa以上で該球状金属粉末を焼結するターゲット材の製造方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】 原料金属粉末を熱プラズマ中に導入することにより、球状化された球状金属粉末を型に充填し、200Pa以下の減圧雰囲気中において、直流パルス電流密度5A/mm2以上、圧力20MPa以上で該球状金属粉末を焼結するターゲット材の製造方法である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ターゲット材の製造方法に関するものである。
従来、ターゲット材を粉末焼結法により焼結する方法としては、不活性雰囲気や還元雰囲気での常圧焼結法、あるいはホットプレス(HP)や熱間静水圧プレス(HIP)を利用した加圧焼結法が用いられてきた。
また、最近、焼結材料の新しい焼結方法として放電プラズマ焼結法(Spark Plasma Sintering)が提案されている。放電プラズマ焼結法とは、焼結原料に加圧下で直流パルスを通電して固相拡散反応を生じさせて焼結させる方法である。この焼結方法は、従来の焼結方法に比べ短時間で容易に良好な焼結密度を得ることが可能とされ、傾斜機能材料や、非晶質材料、セラミックス材料などの焼結応用に開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−81673号公報
上述した特許文献1に記載される放電プラズマ焼結法は、セラミック材料等を短時間で焼結でき、製造効率に優れる焼結方法であるが、焼結体内の密度バラツキや局所的な空隙を生じる場合があった。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、製造効率に優れた放電プラズマ焼結法を用いて、高密度かつ組織が均一なターゲット材を実現するための製造方法を提供することである。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、製造効率に優れた放電プラズマ焼結法を用いて、高密度かつ組織が均一なターゲット材を実現するための製造方法を提供することである。
本発明者等が、放電プラズマ焼結法を利用した焼結体の密度のバラツキ等の要因を検討した結果、放電プラズマ焼結では、電力や加圧力などの焼結制御条件とともに、放電プラズマ焼結装置の焼結素材を装入する型(モールド)への原料粉末の充填状態が焼結体の均一性に大きく影響することが判明した。つまり、原料金属粉末を熱プラズマ中で球状化した球状金属粉末を型内に充填することで充填密度を高めた上で、放電プラズマ焼結を施すことにより、焼結体の均一性が著しく改善できることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明は、原料金属粉末を熱プラズマ中に導入することにより、球状化された球状金属粉末を型に充填し、200Pa以下の減圧雰囲気中において、直流パルス電流密度0.3A/mm2以上、圧力20MPa以上で該球状金属粉末を焼結するターゲット材の製造方法である。
本発明によれば、熱プラズマ中で処理して球状化した原料金属粉末を使用することにより、放電プラズマ焼結法で焼結された焼結体の密度と組織の均一性を飛躍的に改善することができるために、ターゲット材として要求されるスパッタ等での成膜特性を満足できるターゲット材を実現できるものとなった。
上述したように、本発明の重要な特徴は、原料金属粉末を熱プラズマに導入することで球状化した上で、その球状金属粉末を放電プラズマ焼結法により焼結した点にある。
一般的に純金属の原料金属粉末は、鉱石から湿式分離や純化した金属の酸化物を、酸化還元により粉末にするといった化学的な製法、あるいは、一度上記製造方法で製造した粉末を真空精錬等で溶解鋳造したインゴットを粉砕して粉末状にする製法によって作製されている。そのため、樹枝状等の不規則な粉末形状を有していることが多く、放電プラズマ装置の型内への原料金属粉末の充填密度が向上しないという問題がある。
なお、一般のガスアトマイズ法による粉末は球状粉末であるが、溶解と噴霧ができる原料でなければならない。そこで、熱プラズマ中に金属原料粉末を導入して、少なくとも表面を溶融させ、凝固段階で金属液相の表面張力の働きにより球状化させる。この球状金属粉末を使用することにより、放電プラズマ焼結装置の型中への原料金属粉末の充填を均一にするとともに、従来にない充填密度を達成することができる。型への原料金属粉末の充填において、充填密度の向上および充填の均一性を達成できることは、放電プラズマ焼結において、焼結素材に流れる直流パルス電流の通電を均一にすることが可能となり、焼結時に加わる単軸の加圧力が焼結体全体の各部分へより均一に伝達するものと考えられる。また、そのため、焼結体全体の密度および組織の均一性が飛躍的に改善できたものと考えられる。
本発明においては、焼結型内を200Pa以下に減圧した雰囲気中で、直流パルス電流密度を0.3A/mm2以上、圧力20MPa以上の条件で放電プラズマ焼結を行う必要がある。以下にそれぞれの条件に限定した理由を説明する。
まず、球状金属粉末をプラズマ焼結装置の型に充填して、その型内を200Pa以下に減圧した雰囲気とする理由を述べる。放電プラズマ焼結は短時間で焼結するため、予め焼結中のガス排出を行うことが重要である。これは、焼結する前に予め真空排気して減圧すると、型内のガスおよび球状金属粉末表面の吸着ガスを低減して、焼結体内のガス成分が上昇したりポアが残留したりすることを防ぐことができるためである。本発明者等の実験により、型内を200Pa以下減圧すると、焼結体にガスを閉じこむことがなく焼結ができることを確認した。また、酸素との親和力が高い元素、あるいは表面ガス吸着性が強い元素といった原料金属粉末の材質によっては、残留ガスの排出がより難しいことがあるため、100Pa以下に減圧雰囲気を制御することが望ましい。
まず、球状金属粉末をプラズマ焼結装置の型に充填して、その型内を200Pa以下に減圧した雰囲気とする理由を述べる。放電プラズマ焼結は短時間で焼結するため、予め焼結中のガス排出を行うことが重要である。これは、焼結する前に予め真空排気して減圧すると、型内のガスおよび球状金属粉末表面の吸着ガスを低減して、焼結体内のガス成分が上昇したりポアが残留したりすることを防ぐことができるためである。本発明者等の実験により、型内を200Pa以下減圧すると、焼結体にガスを閉じこむことがなく焼結ができることを確認した。また、酸素との親和力が高い元素、あるいは表面ガス吸着性が強い元素といった原料金属粉末の材質によっては、残留ガスの排出がより難しいことがあるため、100Pa以下に減圧雰囲気を制御することが望ましい。
次に、球状金属粉末に印加する直流パルス電流密度を0.3A/mm2以上とする理由を説明する。例えば、直流パルス電流を型に印加して焼結素材である球状金属粉末に電流を流すと、球状金属粉末の自己ジュール発熱により焼結を進行させる。本発明者等の検討によれば、印加する直流パルス電流密度は0.3A/mm2前後で焼結挙動が大きく変わる。ジュール発熱による自己焼結メカニズムは不明であるが、印加する電流密度が0.3A/mm2に満たないと、発熱量が不足し、高速な焼結が進行することができない。また、0.3A/mm2に満たない場合の焼結が長時間を掛けて焼結ができたとしても、焼結体の密度が不均一になるため、電流密度を0.3A/mm2以上として焼結を行う必要である。
また、球状金属粉末に加える加圧力を20MPa以上とするのは、大きな圧力を加える程、短時間で球状金属粉末の焼結を進行させることができ、焼結体がより緻密化するが、圧力が20MPaに満たない低圧力では、ターゲット材として十分な焼結密度を得ることができないためである。
また、放電プラズマ焼結においては、直流パルス電流を印加してからすぐに焼結が進行しないため、少なくとも5分以上直流パルス電流を印加することが望ましい。
また、原料金属粉末を熱プラズマ中で処理することによって、粉末表面の清浄度が高い原料金属粉末を使用して放電プラズマ焼結を行うことができるようになるため、原料金属粉末の表面の吸着ガスや不純物が、従来に比べて低減され焼結性が向上しているものとも考えられる。なお、熱プラズマ処理した球状金属粉末は熱プラズマによる還元作用等により、不純物含有量が少ない高純度粉末とすることも可能であるため、この金属粉末を使用することで、より高純度なターゲット材を実現できる。
また、さらに、融点が1600℃以上の高融点金属において、本発明の熱プラズマ中で球状化処理をすることが好適である。それは、一般に、アトマイズ法等によっても、原料金属粉末の球状化は可能であるが、高融点金属においては、溶融金属の高温を耐えられるルツボ材料の制限、あるいは高融点金属を溶解するための加熱手段の制限により、高融点金属のアトマイズ球状化製造は困難である。よって、本発明の製造方法は、1600℃以上の高融点金属でなるターゲット材の製造方法として好適である。
本発明の実施例について以下に説明する。
まず、RuおよびTaの原料金属粉末を準備して、熱プラズマ中に導入して、球状金属粉末を作製した。詳細には、図1の概略図に示す熱プラズマ装置1において、各々の原料金属粉末を粉末供給装置2に挿入し、ノズル6を通して、プラズマ高温帯3に導入する。このプラズマ高温帯で溶融された原料金属粉末は、チャンバー4内で冷却凝固する際に、金属液相の表面張力の働きにより、球状化される。この球状金属粉末11を回収缶5で回収した。なお、この際の熱プラズマの作動条件としては表1に示す条件とした。
まず、RuおよびTaの原料金属粉末を準備して、熱プラズマ中に導入して、球状金属粉末を作製した。詳細には、図1の概略図に示す熱プラズマ装置1において、各々の原料金属粉末を粉末供給装置2に挿入し、ノズル6を通して、プラズマ高温帯3に導入する。このプラズマ高温帯で溶融された原料金属粉末は、チャンバー4内で冷却凝固する際に、金属液相の表面張力の働きにより、球状化される。この球状金属粉末11を回収缶5で回収した。なお、この際の熱プラズマの作動条件としては表1に示す条件とした。
上記で作製したRu球状金属粉末の平均粒径(D50)は11.5μm、酸素量は46ppmであった。また、Taの平均粒径(D50)は、56.8μm、酸素値は、465ppmであった。Ru球状金属粉末の顕微鏡写真を図2に、Ta球状金属粉末の顕微鏡写真を図3に示す。
次に、上記で作製したRu球状金属粉末とTa球状金属粉末を、図4の模式図に示す放電プラズマ焼結装置9のグラファイト製の型(モールド)10に充填した。それぞれの充填密度(理論密度との相対値)は、Ruが66%、Taが61%であった。それぞれの球状金属粉末11を型へ充填後、型内を3Paに減圧した後、直流パルス電源12から電極兼上パンチ13および電極兼下パンチ14に電流密度4.7A/mm2を印加しながら、圧力50MPaで放電プラズマ焼結を行った。なお、直流パルス電流の印加時間は30分とした。作製したターゲット材の相対密度をアルキメデス法で測定したところ、Ruターゲット材の相対密度は99.5%、Taターゲット材の相対密度は98.1%であった。また、各々のターゲット材において、それぞれ任意の3点で5mm角の試験片を採取して、光学顕微鏡でミクロ組織観察を行ったところ、空隙は確認されなかった。
1.熱プラズマ装置、2.粉末供給装置、3.プラズマ高温帯、4.チャンバー、5.回収缶、6.ノズル、7.コイル、8.水冷チューブ、9.放電プラズマ焼結装置、10.型(モールド)、11.球状金属粉末、12.直流パルス電源、13.電極兼上パンチ、14.電極兼下パンチ、15.加圧力
Claims (1)
- 原料金属粉末を熱プラズマ中に導入することにより、球状化された球状金属粉末を型に充填し、200Pa以下の減圧雰囲気中において、直流パルス電流密度0.3A/mm2以上、圧力20MPa以上で該球状金属粉末を焼結することを特徴とするターゲット材の製造方法。
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JP2010085736A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Canon Inc | 光学素子 |
JP2017220590A (ja) * | 2016-06-08 | 2017-12-14 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 鉄基磁性体の圧粉磁心 |
CN115404448A (zh) * | 2021-05-26 | 2022-11-29 | 江苏集萃先进金属材料研究所有限公司 | 靶材及其制作方法 |
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