JP2005314629A - 半導電性組成物およびそれを用いた電子写真機器用半導電性部材 - Google Patents

半導電性組成物およびそれを用いた電子写真機器用半導電性部材 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性ポリマーと非共役系ポリマーとの相溶性に優れ、電気抵抗の経時変化が小さく、導電制御性に優れた半導電性組成物を提供する。
【解決手段】下記の(A)および(B)を必須成分とする半導電性組成物であって、上記(A)中の遊離ドーパント量が30重量%未満で、かつ、(A)の電気抵抗が100Ω・cm以上である。
(A)π電子共役系高分子をドーパントにより導電化してなる溶剤可溶な導電性ポリマー。
(B)非共役系ポリマー。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導電性組成物およびそれを用いた電子写真機器用半導電性部材に関するものであり、詳しくは帯電ロール等の電子写真機器部材に用いられる、半導電性組成物およびそれを用いた電子写真機器用半導電性部材に関するものである。
通常、ポリアニリン等のπ電子共役系高分子は、ドーパントを用いてドーピングすることにより、導電性ポリマーとすることができる。しかし、ドーパントにより、導電性ポリマーの溶剤への溶解性が悪くなる。そこで、ドーピングしていない脱ドープ状態にすると、ポリマーに溶解性を付与でき、ポリマーが溶剤に可溶となり、コーティングが可能となる。例えば、脱ドープ状態でポリアニリンを合成すると、得られたポリアニリンが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)という非常に高沸点の溶剤に可溶となり、コーティングが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記特許文献1に記載の合成法では、ポリマーに導電性を付与するために、ハロゲンガス等によるドーピングが後処理として必須となるため、均一な制御が難しく、工程も煩雑となる。一方、脱ドープ状態にせず、アニリン等のモノマー主鎖に、長鎖アルキル置換基を導入することにより、溶解性を付与することも可能であるが、原料であるモノマーのコストが高いため、工業的使用には制約がある。
そこで、本発明者は、このような問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキル基繰り返し単位が12〜15のドーパントを用いると、ポリマーに導電性を付与した状態で、溶解性をも付与することができることを突き止め、このようなドーパントを用いた導電性ポリマーを含む半導電性組成物について、すでに特許出願している(特願2002−348350号)。
特開2001−324882号公報
しかしながら、本発明者は、上記特願2002−348350号に記載の半導電性組成物について、さらに研究を続けた結果、導電性ポリマーと、非共役系ポリマーとの相溶性がやや劣る傾向がみられ、電気抵抗の経時変化が大きくなる傾向があることを突き止めた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、導電性ポリマーと非共役系ポリマーとの相溶性に優れ、電気抵抗の経時変化が小さく、導電制御性に優れた半導電性組成物およびそれを用いた電子写真機器用半導電性部材の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、下記の(A)および(B)を必須成分とする半導電性組成物であって、上記(A)中の遊離ドーパント量が30重量%未満で、かつ、(A)の電気抵抗が100Ω・cm以上である半導電性組成物を第1の要旨とする。
(A)π電子共役系高分子をドーパントにより導電化してなる溶剤可溶な導電性ポリマー。
(B)非共役系ポリマー。
また、本発明は、上記半導電性組成物を、半導電性部材の少なくとも一部に用いた電子写真機器用半導電性部材を第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、導電性ポリマーと非共役系ポリマーとの相溶性に優れ、電気抵抗の経時変化が小さく、導電制御性に優れた半導電性組成物を得るべく、鋭意研究を重ねた。その結果、π電子共役系高分子をドーパントにより導電化してなる溶剤可溶な導電性ポリマーに着目し、導電性ポリマー中の遊離ドーパント量が30重量%未満で、かつ、導電性ポリマーの電気抵抗が100Ω・cm以上であると、非共役系ポリマーとの相溶性に優れ、電気抵抗の経時変化が小さく、導電制御性に優れていることを見いだし、本発明に到達した。
本発明の半導電性組成物は、導電性ポリマー中の遊離ドーパント量が30重量%未満で、かつ、導電性ポリマーの電気抵抗が100Ω・cm以上である、特殊な導電性ポリマー(A成分)と、非共役系ポリマー(B成分)とを必須成分とするものであるため、両者の相溶性に優れ、電気抵抗の経時変化が小さく、導電制御性に優れているという効果を奏する。
そして、上記特殊な導電性ポリマー(A成分)のドーパントとして、2以上のアルキル置換基を有し、そのアルキル置換基の炭素数の合計が10〜37であるアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩を用いると、ドーパントを過剰に用いる必要がなくなり、導電性および溶解性がさらに向上する。
また、本発明の電子写真機器用半導電性部材は、上記半導電性組成物を半導電性部材の少なくとも一部に用いたものであるため、帯電ロール等の電子写真機器部材の画質が均一となり、長期耐久性が向上する。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の半導電性組成物は、特殊な導電性ポリマー(A成分)と、非共役系ポリマー(B成分)とを用いて得ることができる。
本発明においては、上記導電性ポリマー(A成分)中の遊離ドーパント量が30重量%未満で、かつ、導電性ポリマー(A成分)の電気抵抗が100Ω・cm以上であって、これが最大の特徴である。
上記特殊な導電性ポリマー(A成分)は、π電子共役系高分子をドーパントにより導電化してなる溶剤可溶な導電性ポリマーである。
上記π電子共役系高分子を構成するモノマーとしては、特に限定はないが、例えば、アニリン、チオフェン、ピロール、o−トルイジン、o−アニシジン、2−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、2−sec−ブチルアニリンおよびこれらの誘導体等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、溶解性、重合時の反応性の点で、o−トルイジンが好適に用いられる。
また、上記ドーパントとしては、特に限定はないが、例えば、2以上のアルキル置換基を有し、そのアルキル置換基の炭素数の合計が10〜37であるアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩が好ましく、特に好ましくはアルキル置換基の炭素数の合計が12〜24であるアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩である。すなわち、アルキル置換基の炭素数の合計が10未満であると、充分な溶解性を得るために過剰量が必要となり、吸湿による電気抵抗の変動や、表面に過剰なドーパントが浮き出てきて、ブリードによる汚染が発生する傾向がみられ、逆に炭素数の合計が37を超えると、得られる導電性ポリマーがロウ状となり、溶剤に溶解しにくくなる傾向がみられるからである。また、1つのアルキル置換基の炭素数は、2〜18が好ましく、特に好ましくは4〜15である。
そして、上記アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩は、炭素数4〜18のアルキル置換基を少なくとも1つ有しているものが、反応性、溶解性、エラストマーとの相溶性の点から好ましい。
なお、上記アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩は、2以上のアルキル置換基を有し、そのアルキル置換基の炭素数の合計が10〜37であるものの2種以上の混合物であっても差し支えなく、具体的には、下記のアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩(a1)〜(a7)からなる群から選ばれた2種以上の混合物であっても差し支えない。
a1:ペンチル基(−C5 11)を2個有するアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩(アルキル置換基の炭素数の合計が10)
a2:ヘキシル基(−C6 13)を2個有するアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩(アルキル置換基の炭素数の合計が12)
a3:ペンチル基(−C5 11)3個を有するアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩(アルキル置換基の炭素数の合計が15)
a4:ペンチル基(−C5 11)2個と、ヘキシル基(−C6 13)1個を有するアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩(アルキル置換基の炭素数の合計が16)
a5:ヘキシル基(−C6 13)3個を有するアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩(アルキル置換基の炭素数の合計が18)
a6:デシル基(−C1021)と、ドデシル基(−C1225)とを1個ずつ有するアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩(アルキル置換基の炭素数の合計が22)
a7:メチル基(−CH3 )1個と、ドデシル基(−C1225)3個を有するアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩(アルキル置換基の炭素数の合計が37)
また、上記アルキル置換基としては、特に限定はなく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基等があげられる。これらのアルキル置換基は分岐を有していてもよいが、効果の点から、直鎖の方が好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、炭素数2〜18のアルキル置換基が好ましい。
また、上記アルキルベンゼンスルホン酸の塩としては、特に限定はないが、例えば、ナトリウム塩,カルシウム塩,バリウム塩等の金属塩の他、アンモニウム塩、ピリジニウム塩等があげられる。これらのなかでも、金属塩が好適に用いられる。
前記ドーパントとして用いられる、特定のアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、ベンゼンまたはアルキルベンゼンに、炭素数2〜24のオレフィンをフリーデルクラフツ反応によりアルキル化した後、未反応物を蒸留して取り除き、ついで三酸化硫黄ガスを一定流速で加えることにより、特定のアルキルベンゼンスルホン酸を得ることができる。また、得られたアルキルベンゼンスルホン酸に、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等を反応させることにより、特定のアルキルベンゼンスルホン酸の塩を得ることができる。また、上記ドーパントとして用いる、特定のアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩は、石油の留分を原料にして、スルホン化することにより得ることもできる。
なお、上記ドーパントとしては、上記特定のアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩に限定されるものではなく、例えば、2以上のアルキル置換基を有し、そのアルキル置換基の炭素数の合計が10〜37であるアルキルナフタレンスルホン酸またはその塩を用いることも可能である。また、分子構造中にエーテル基や、エステル基を有するもの等を用いることができる。
なお、本発明の半導電性組成物に用いるドーパントとしては、前記特定のアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩とともに、公知のドーパントを併用しても差し支えない。この場合、公知のドーパントの使用量は、ドーパント全体の50モル%以内の割合にするのが好ましい。
上記公知のドーパントとしては、例えば、ハロゲン,ルイス酸,プロトン酸、遷移金属,ハロゲン化物,遷移金属の塩,有機化合物,アクセプター型イオン(ClO4 - ,BF4 - ) 等や、それらを官能基として含む化合物が用いられる。
上記特定の導電性ポリマー(A成分)は、例えば、π電子共役系高分子を構成するモノマーと、ドーパントとを、酸化剤の存在下に、水中で酸化重合させる等の化学酸化重合法によって得ることができる他、電解重合法によっても得ることができる。また、上記特定の導電性ポリマー(A成分)は、π電子共役系高分子を構成するモノマーを重縮合した後、ドーピングすることによっても得ることができる他、有機溶剤と水との混合液中で、π電子共役系高分子を構成するモノマーと、ドーパントとを乳化させ、モノマーにドーパントを導入した後、そのモノマーを重合すること等によっても得ることができる。また、上記A成分を構成するπ電子共役系高分子を脱ドープ状態にした後、ドーパントにより、ドーピングを行うことによっても得ることができる。
上記酸化剤としては、特に限定はないが、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化水素水等の過酸化物、塩化第二鉄等があげられる。
上記π電子共役系高分子を構成するモノマーと、ドーパントとの混合比は、モル比で、π電子共役系高分子/ドーパント=1/0.03〜1/3の範囲内が好ましく、特に好ましくはπ電子共役系高分子/ドーパント=1/0.05〜1/2の範囲内である。すなわち、ドーパントのモル比が低くなると、π電子共役系高分子との相溶性や分散性が低下する傾向がみられ、逆にドーパントのモル比が高くなると、反応性が悪化したり、イオン導電性への寄与効果が強くなりすぎ、導電性ポリマー(A成分)の電子導電性を減らす傾向がみられるからである。
このようにして得られた導電性ポリマー(A成分)は、先に述べたように、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、m−クレゾール、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエン等の溶剤に可溶となる。
この特定の導電性ポリマー(A成分)は、沸点100℃以下の溶剤に対する溶解度が、1.5%以上であることが好ましく、特に好ましくは3%以上である。このような溶解度であれば、塗工性、他ポリマーとのブレンド時の膜厚制御性の点で好ましい。なお、上記沸点100℃以下の溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジプロピルエーテル、テトラヒドロピラン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等があげられる。
上記導電性ポリマー(A成分)は、導電性ポリマー(A成分)中の遊離ドーパント量が30重量%未満であることが必要であり、好ましくは5重量%未満である。すなわち、遊離ドーパント量が30重量%以上であると、空気中の水分を吸収するために組成物中での導電性ポリマーの導電機構が切断され、電気が流れにくくなるからである。
本発明において、遊離ドーパント量とは、ドーピングに関与していないスルホン酸等の化合物であり、導電性ポリマーとイオン結合していないものの量をいう。そして、この遊離ドーパント量は、例えば、熱重量分析法(TGA)に準じて、測定することができる。
また、上記導電性ポリマー(A成分)は、電気抵抗が100Ω・cm以上である必要があり、好ましくは102 〜108 Ω・cmの範囲内である。すなわち、電気抵抗が100Ω・cm未満であると、組成物の電気抵抗制御に不利となるからである。
なお、上記電気抵抗は、例えば、つぎのようにして測定することができる。すなわち、導電性ポリマー(A成分)をTHF等の溶剤に混合し、超音波処理した後、遠心分離して上澄みを取り出す。そして、この上澄みをアプリケータを用いてSUS板上にキャスティングし、乾燥(例えば、100℃×30分)して塗膜(厚み5μm)を形成する。そして、この塗膜の電気抵抗を、25℃×50%RHの環境下、1Vの電圧を印加し、SRIS 2304に準じて測定する。
上記導電性ポリマー(A成分)の数平均分子量(Mn)は、1,000〜100,000の範囲内が好ましく、特に好ましくは3,000〜20,000の範囲内である。
つぎに、上記特定の導電性ポリマー(A成分)とともに用いられる非共役系ポリマー(B成分)について説明する。
上記非共役系ポリマー(B成分)としては、特に限定はないが、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレア系樹脂、ゴム系ポリマー、熱可塑性エラストマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、導電性ポリマーとの相溶性に優れる点で、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系ポリマー、熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。
また、上記非共役系ポリマー(B成分)は、上記導電性ポリマー(A成分)との相溶性の点で、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造を有するものが好ましい。このスルホン酸塩構造としては、前述のような、スルホン酸金属塩構造、スルホン酸アンモニウム塩構造、スルホン酸ピリジニウム塩構造等があげられる。
この場合、非共役系ポリマー中における、スルホン酸基やスルホン酸塩構造の含有量(スルホン酸基量)は、0.001〜1mmol/gの範囲内が好ましく、特に好ましくは0.01〜0.2mmol/gの範囲内である。すなわち、このスルホン酸基量が0.001mmol/g未満であると、導電性ポリマー(A成分)との相溶性が悪くなる傾向がみられ、逆に1mmol/gを超えると、含水による物性の低下やイオン導電性の発現がみられるからである。
上記アクリル系樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリヒドロキシメタクリレート、アクリルシリコーン系樹脂、アクリルフッ素系樹脂、公知のアクリルモノマーを共重合したものや、光架橋用のアクリルオリゴマー等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。このようなスルホン酸基導入の方法としては、例えば、スルホン酸基やスルホン酸塩を有するビニルモノマーと、ラジカル,アニオン,カチオン共重合する方法や、スルホン酸基を有するジオールモノマーを、ウレタン反応,エステル交換反応で導入する方法等があげられる。
また、ウレタン系樹脂としては、例えば、エーテル系,エステル系,アクリル系,脂肪族系等のウレタン系樹脂や、それにシリコーン系ポリオールまたはフッ素系ポリオールを共重合させたもの等があげられる。なお、ウレタン系樹脂は、分子構造中にウレア結合またはイミド結合を有するものであってもよい。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。
また、フッ素系樹脂としては、例えば、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。
また、ポリイミド系樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミック酸、シリコーンイミド等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。
また、エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシノボラック樹脂、臭素化型エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、ポリアミド併用型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、アミノ樹脂併用型エポキシ樹脂、アルキッド樹脂併用型エポキシ樹脂等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。
また、ウレア系樹脂としては、分子構造中にウレア結合を有する樹脂であれば特に限定はなく、ウレタンウレアエラストマー、メラミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。
また、ゴム系ポリマーとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素添加NBR(H−NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム、クロロプレンゴム(CR)、塩素化ポリエチレン(Cl−PE)、エピクロロヒドリンゴム(ECO,CO)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンジエンポリマー(EPDM)、フッ素ゴム等があげられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。
また、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS),スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、合成プロセスの簡便さ、溶剤との溶解性の点で、TPUが好適に用いられる。これらは、分子構造中に、スルホン酸基やスルホン酸塩構造が導入されているものが好ましい。
このような非共役系ポリマー(B成分)の数平均分子量(Mn)は、500〜2,000,000の範囲内が好ましく、特に好ましくは2,000〜800,000の範囲内である。
上記導電性ポリマー(A成分)と、非共役系ポリマー(B成分)とは、後記のようにして混合され半導電性組成物化されるが、上記導電性ポリマー(A成分)の原料〔π電子共役系高分子と、ドーパントとの合計量〕と、非共役系ポリマー(B成分)との混合比は、重量比で、A成分の原料/B成分=1/99〜40/60の範囲が好ましく、特に好ましくはA成分の原料/B成分=4/96〜35/65である。すなわち、A成分の原料の重量比が1未満であると、導電性への効果が少なくなる傾向がみられ、逆にA成分の原料の重量比が40を超えると、得られる組成物が固くて脆くなりやすく、組成物としての物性が低下する傾向がみられるからである。
なお、本発明の半導電性組成物には、導電性ポリマー(A成分)および非共役系ポリマー(B成分)に加え、場合によって、イオン導電剤、電子導電剤、架橋剤等を適宜配合しても差し支えない。
このイオン導電剤としては、例えば、過塩素酸リチウム,第四級アンモニウム塩,ホウ酸塩等のポリマー中でイオン解離する化合物があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
このようなイオン導電剤の配合割合は、物性や電気特性の点から、導電性ポリマー(A成分)の原料と、非共役系ポリマーとの合計100重量部(以下「部」と略す)に対して、0.01〜5部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜2部の範囲内である。
また、電子導電剤としては、例えば、カーボンブラック、c−ZnO(導電性酸化亜鉛)、c−TiO2 (導電性酸化チタン)、c−SnO2 (導電性酸化錫)、グラファイト等があげられる。
このような電子導電剤の配合割合は、物性や電気特性の点から、導電性ポリマー(A成分)の原料と、非共役系ポリマー(B成分)との合計100部に対して、5〜30部の範囲内が好ましく、特に好ましくは8〜20部の範囲内である。
また、架橋剤としては、例えば、硫黄、イソシアネート、ブロックイソシアネート、メラミン等の尿素樹脂、エポキシ硬化剤、ポリアミン硬化剤、ヒドロシリル硬化剤、パーオキサイド等があげられる。なお、上記架橋剤とともに、紫外線や電子線等のエネルギーによって架橋する光開始剤を併用しても差し支えない。
このような架橋剤の配合割合は、物性、粘着、液保管性の点から、導電性ポリマー(A成分)の原料と、非共役系ポリマー(B成分)との合計100部に対して、1〜30部の範囲内が好ましく、特に好ましくは3〜10部の範囲内である。
なお、本発明の半導電性組成物には、前記各成分に加えて、架橋促進剤、老化防止剤等を必要に応じて配合しても差し支えない。
この架橋促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系架橋促進剤、白金化合物、アミン触媒、ジチオカルバミン酸塩系架橋促進剤等の公知のものがあげられる。
本発明の半導電性組成物は、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、前述の方法に従い、導電性ポリマー(A成分)を作製する。つぎに、この導電性ポリマー(A成分)に、非共役系ポリマー(B成分)を配合するとともに、必要に応じて、イオン導電剤、電子導電剤、架橋剤等を配合する。そして、これらをロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練することや、溶剤に溶かして溶液化し、ビーズミルや三本ロールを用いて分散することにより、目的とする半導電性組成物を得ることができる。
この溶剤としては、例えば、m−クレゾール、メタノール、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶剤等があげられる。
本発明の半導電性組成物は、上記のように、導電性ポリマー(A成分)や、非共役系ポリマー(B成分)等を溶剤に溶解したコーティング液をコーティングすることにより成膜化できるが、これに限定するものではなく、押出成形法、インジェクション成形法、インフレーション成形法等により、成膜化することも可能である。
本発明の半導電性組成物は、後述の電気抵抗が107 〜1011Ω・cmの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは108 〜1010Ω・cmの範囲内である。すなわち、電気抵抗が107 Ω・cm未満であると、電気抵抗が低すぎるため、トナーへの電荷供給や感光体への帯電性等の点で、電子写真機器部材として画像への利点が少なくなる傾向がみられ、逆に1011Ω・cmを超えると、電気抵抗が高すぎるため、チャージアップが起こり、電子写真機器部材としての制御が困難になる傾向がみられるからである。
〔電気抵抗〕
本発明の半導電性組成物(コーティング液)をSUS304板上に塗布して、厚み100μmの導電性塗膜を作製する。ついで、この導電性塗膜について、25℃×50%RHの環境下、10Vの電圧を印加した時の電気抵抗を測定する。
また、本発明の半導電性組成物は、後述する、環境による電気抵抗変動桁数が1桁以下であることが好ましい。すなわち、環境による電気抵抗変動桁数が1桁を超えると、電子写真機器用部材としての画質制御が困難になる傾向がみられるからである。
〔環境による電気抵抗変動桁数〕
本発明の半導電性組成物を用いて、前記と同様にして、導電性塗膜を作製する。ついで、この導電性塗膜について、25℃×50%RHの環境下、10V印加し、50℃×95%RHの環境下で100日間放置前後の電気抵抗を、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定する。そして、Log(Rv=100日/Rv=0日)により、環境による電気抵抗変動桁数を求める。
本発明の半導電性組成物は、非共役系ポリマー(B成分)中における導電性ポリマー(A成分)の凝集物の大きさが、0.4μm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.3μm以下である。すなわち、凝集物の大きさが0.4μmを超えると、両者の相溶性が悪く、白抜け、濃度むらが発生する傾向がみられるからである。なお、上記凝集物の大きさは、レーザ回折粒度分布計、つぶゲージ、光学顕微鏡等を用いて測定することができる。
つぎに、本発明の半導電性組成物を用いた電子写真機器用半導電性部材について説明する。
本発明の電子写真機器用半導電性部材は、上述の半導電性組成物を半導電性部材の少なくとも一部(全部もしくは一部)に用いることにより得ることができる。この電子写真機器用半導電性部材としては、例えば、現像ロール,帯電ロール,転写ロール,トナー供給ロール等の導電性ロール、中間転写ベルト,紙送りベルト等の導電性ベルト等があげられ、これらの構成層の少なくとも一部に用いられる。すなわち、本発明の半導電性組成物を、電子写真機器用半導電性部材の構成層の少なくとも一部に用いると、この半導電性組成物を用いて形成した構成層の電気抵抗の電圧依存性および環境依存性が小さくなるため、他の構成層においても、電気抵抗の電圧依存性および環境依存性の影響を受けにくくなる。その結果、電子写真機器用半導電性部材全体としての電気抵抗の電圧依存性および環境依存性が小さくなるため、濃度むら等が少なくなり、変動のない良好な画質が得られる等の電子写真機器としての性能の向上が図れるようになる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す導電性ポリマーを作製した。
〔導電性ポリマー1〕
π電子共役系高分子を構成するモノマーであるo−トルイジン1molと、ドーパントである、下記の式(1)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(2つのアルキル置換基を有し、アルキル置換基の炭素数の合計が22)1molと、1N塩酸と、トルエンと、メチルエチルケトン(MEK)との混合溶媒(混合比:塩酸/トルエン/MEK=4/1/1)1800mlとをフラスコ中に入れ、15〜20℃に制御しながら、酸化剤である過硫酸アンモニウム1.2molを1時間かけて滴下し、10時間酸化重合させて、重合物を得た。ついで、この重合物を水、メタノール、アセトンでそれぞれ洗浄して、精製し、導電性ポリマーを得た。
〔導電性ポリマー2〕
o−トルイジン1molに代えて、2−sec−ブチルアニリンを用いる以外は、導電性ポリマー1と同様にして、導電性ポリマーを得た。
〔導電性ポリマー3〕
上記式(1)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩1molに代えて、ジノニルナフタレンスルホン酸1molを用いた。また、重合物の洗浄を水、アルコールのみで行った。それ以外は、導電性ポリマー1と同様にして、導電性ポリマーを得た。
〔導電性ポリマー4〕
π電子共役系高分子を構成するモノマーである2−プロピルアニリン1molと、ドーパントである、下記の式(2)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(2つのアルキル置換基を有し、アルキル置換基の炭素数の合計が10)1molと、1N塩酸と、トルエンと、メチルエチルケトン(MEK)との混合溶媒(混合比:塩酸/トルエン/MEK=4/1/1)1800mlとをフラスコ中に入れ、10〜15℃に制御しながら、酸化剤である過硫酸アンモニウム1.2molを1時間かけて滴下し、10時間酸化重合させて、重合物を得た。ついで、この重合物を水、メタノール、アセトンでそれぞれ洗浄して、精製し、導電性ポリマーを得た。
〔導電性ポリマー5〕
上記式(2)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩に代えて、下記の式(3)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(3つのアルキル置換基を有し、アルキル置換基の炭素数の合計が37)を用いる以外は、導電性ポリマー4と同様にして、導電性ポリマーを得た。
〔導電性ポリマーa〕
π電子共役系高分子を構成するモノマーであるアニリン1molと、ドーパントであるドデシルベンゼンスルホン酸1molと、1N塩酸とトルエンとMEKとの混合溶媒(混合比:塩酸/トルエン/MEK=4/1/1)1800mlとをフラスコ中に入れ、5〜10℃に制御しながら、酸化剤である過硫酸アンモニウム1.2molを1時間かけて滴下し、10時間酸化重合させた。ついで、合成溶液に直接トルエンを添加し、混合攪拌した溶液を遠心分離し、水相と導電性ポリマー凝集物を取り除いた溶液可溶相を導電性ポリマーaとした。
〔導電性ポリマーb〕
上記式(1)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩1molに代えて、ドデシルベンゼンスルホン酸1molを用いる以外は、導電性ポリマー1と同様にして、導電性ポリマーを得た。
〔導電性ポリマーc〕
o−トルイジン1molに代えて、アニリン1molを用いるとともに、上記式(1)で表されるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩1molに代えて、ペンタデシルベンゼンスルホン酸1molを用いた。また、重合物の洗浄を水、アルコールのみで行った。それ以外は、導電性ポリマー1と同様にして、導電性ポリマーを得た。
このようにして得られた各導電性ポリマーを用いて、下記のようにして各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
〔遊離ドーパント量〕
各導電性ポリマー中の遊離ドーパント量を、前述の熱重量分析法(TGA)に準じて測定した。すなわち、乾燥した導電性ポリマー10mgを、窒素雰囲気下、30〜750℃まで20℃/分の昇温速度で上昇させた後、空気中で900℃まで20℃/分の昇温速度で上昇させた。そして、このときの加熱減量から遊離ドーパント量を求めた。
〔溶解度〕
導電性ポリマーのTHF、ジエチルエーテル、m−クレゾールおよびNMPに対する溶解度を測定した。なお、導電性ポリマーaについては、トルエンを揮発、乾燥させたものに対する溶解度を測定した。
〔電気抵抗〕
(初期)
導電性ポリマーをTHFに混合し、超音波処理した後、遠心分離(20000rpm)して上澄みを取り出した。この上澄みをアプリケータを用いてガラス板上にキャスティングし、乾燥(150℃×30分)して塗膜(厚み5μm)を形成した。そして、この塗膜の電気抵抗を、25℃×50%RHの環境下、1Vの電圧を印加し、SRIS 2304に準じて測定した。なお、導電性ポリマーaについては、トルエン溶液の状態でキャスティングを行った。
(オゾン後の変動桁数)
上記塗膜を50℃×80pphmのオゾン環境下に1ヶ月放置し、その後の電気抵抗を上記と同様にして測定した。そして、電気抵抗の変動桁数を求めた。
(湿熱後の変動桁数)
上記塗膜を50℃×95%RHの湿熱環境下に1ヶ月放置し、その後の電気抵抗を上記と同様にして測定した。そして、電気抵抗の変動桁数を求めた。
つぎに、上記導電性ポリマーを用いて、つぎのようにして導電性組成物を作製した。
〔実施例1〕
非共役系ポリマーであるTPU(日本ミラクトラン社製、E980)85部を、THF300部とMEK150部とトルエン100部に溶解させた後、導電性ポリマー1をTHF溶液(5%)にして15部加え、3本ロールを用いて混練して、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例2〕
非共役系ポリマーであるTPU85部に代えて、ポリメチルメタクリレート(住友化学社製、LG6A)80部を用い、かつ、導電性ポリマー1の配合量を20部に変更する以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例3〕
非共役系ポリマーであるH−NBR(日本ゼオン社製、ゼットポール0020)80部と、架橋剤(硫黄)1部と、スルフェンアミド系架橋促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラーCZ)2部と、ジチオカルバミン酸塩系架橋促進剤(大内新興化学工業社製、ノクセラーBZ)2部とを2本ロールを用いて混練し、これらをTHF300部とMEK150部とトルエン100部に溶解した後、導電性ポリマー1をTHF溶液(5%)にして20部加え、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例4〕
非共役系ポリマーであるTPU85部に代えて、ウレタンシリコーン(信越化学工業社製、X22−2756)80部を用い、かつ、導電性ポリマー1の配合量を20部に変更する以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例5〕
非共役系ポリマーであるTPU85部に代えて、アクリルフッ素樹脂(綜研化学社製、LFB4015)90部を用い、かつ、導電性ポリマー1の配合量を10部に変更する以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例6〕
非共役系ポリマーであるTPU85部に代えて、分子構造中に0.05mmol/gのスルホン酸Na基を有するTPU(日本ポリウレタン工業社製、ニッポラン3312)80部を用い、かつ、導電性ポリマー1の配合量を20部に変更する以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例7〕
(スルホン化ウレタンシリコーンの作製)
アジピン酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸=4/1(重量比)と、エチレングリコールとを共重合して得たポリオール〔重量平均分子量(Mw):2000〕と、ポリエチレンアジペートポリオール(Mw:2000)と、シリコーンポリオール(Mw:2000)と、MDIとを反応させてスルホン化ウレタンシリコーン(スルホン酸ナトリウム基0.01mmol/g、シリコーン成分10%、Mw:8万)を作製した。
(導電性組成物の作製)
非共役系ポリマーであるTPU85部に代えて、上記スルホン化ウレタンシリコーン83部を用い、かつ、導電性ポリマー1の配合量を17部に変更する以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例8〕
(スルホン化アクリルフッ素樹脂の作製)
メチルメタクリレート/ブチルアクリレート/パーフルオロオクチルエチレン=8/1/1(重量比)と、スルホエチルメタクリレートとを共重合してスルホン化アクリルフッ素樹脂(スルホン酸アンモニウム基0.02mmol/g、Mw:4万)を作製した。
(導電性組成物の作製)
非共役系ポリマーであるTPU85部に代えて、上記スルホン化アクリルフッ素樹脂90部を用い、かつ、導電性ポリマー1の配合量を10部に変更する以外は、実施例1と同様にして、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例9〕
非共役系ポリマーであるTPU(日本ミラクトラン社製、E980)70部を、THF300部とMEK150部とトルエン100部に溶解させた後、導電性ポリマー2をTHF溶液(5%)にして30部加え、3本ロールを用いて混練して、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例10〕
非共役系ポリマーであるTPU(日本ミラクトラン社製、E980)80部を、THF300部とMEK150部とトルエン100部に溶解させた後、導電性ポリマー3をTHF溶液(5%)にして20部加え、3本ロールを用いて混練して、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例11〕
非共役系ポリマーであるTPU(日本ミラクトラン社製、E980)75部を、THF300部とMEK150部とトルエン100部に溶解させた後、導電性ポリマー4をTHF溶液(5%)にして25部加え、3本ロールを用いて混練して、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔実施例12〕
非共役系ポリマーであるTPU(日本ミラクトラン社製、E980)60部を、THF300部とMEK150部とトルエン100部に溶解させた後、導電性ポリマー5をTHF溶液(5%)にして40部加え、3本ロールを用いて混練して、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔比較例1〕
非共役系ポリマーであるTPU(日本ミラクトラン社製、E980)70部を、THF300部とMEK150部とトルエン100部に溶解させた後、導電性ポリマーaをTHF溶液(5%)にして30部加え、3本ロールを用いて混練して、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔比較例2〕
導電性ポリマーaを30部に代えて、導電性ポリマーbを20部用いる以外は、比較例1と同様にして、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
〔比較例3〕
導電性ポリマーaを30部に代えて、導電性ポリマーcを30部用いる以外は、比較例1と同様にして、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
このようにして得られた導電性組成物を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表3〜表5に併せて示した。
〔電気抵抗、電気抵抗の電圧依存性〕
各導電性組成物(コーティング液)をSUS304板上に塗布して、120℃×30分乾燥し、厚み30μmの導電性塗膜を作製した。ついで、この導電性塗膜について、25℃×50%RHの環境下、10Vの電圧を印加した時の電気抵抗(Rv=10V)と、100Vの電圧を印加した時の電気抵抗(Rv=100V)を、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=10V/Rv=100V)により、電気抵抗の電圧依存性を変動桁数で表示した。
〔電気抵抗の環境依存性〕
各導電性組成物(コーティング液)を用いて、上記と同様にして、導電性塗膜を作製し、この導電性塗膜について、印加電圧10Vの条件下、低温低湿(15℃×10%RH)時の電気抵抗(Rv=15℃×10%RH)と、高温高湿(35℃×85%RH)時の電気抵抗(Rv=35℃×85%RH)を、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=15℃×10%RH/Rv=35℃×85%RH)により、電気抵抗の環境依存性を変動桁数で表示した。
〔環境による電気抵抗変動桁数〕
各導電性組成物(コーティング液)を用いて、上記と同様にして、導電性塗膜を作製し、この導電性塗膜について、50℃×95%RHの環境下で100日間放置前後の電気抵抗を、25℃×50%RH、10V印加の条件下で、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=100日/Rv=0日)により、環境による電気抵抗変動桁数を求めた。
〔高電圧領域での電気抵抗変動(チャージアップ)〕
各導電性組成物(コーティング液)を用いて、上記と同様にして、導電性塗膜を作製し、この導電性塗膜について、25℃×50%RHの環境下、100Vの電圧を印加した時の電気抵抗(Rv=0秒)と、25℃×50%RHの環境下、100Vの電圧を10分間印加した時の電気抵抗(Rv=600秒)とを、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=600秒/Rv=0秒)により、高電圧領域での電気抵抗変動を変動桁数で表示した。
〔凝集物の大きさ〕
非共役系ポリマー中における導電性ポリマーの凝集物の大きさを、レーザ回折粒度分布計を用いて測定した。
上記結果から、実施例品は、電気抵抗の電圧依存性および電気抵抗の環境依存性の双方の特性に優れ、環境による電気抵抗変動も小さかった。また、高電圧領域での電気抵抗の上昇(チャージアップ)が非常に小さかった。なお、前記導電性ポリマー1のドーパントであるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩に代えて、アルキルベンゼンスルホン酸アンモニウム塩やアルキルベンゼンスルホン酸ピリジニウム塩を用いた実施例についても、他の実施例と同様の優れた効果が得られた。
これに対して、比較例1品は、環境による電気抵抗変動が非常に大きかった。比較例2品は、環境による電気抵抗変動が大きく、比較例3品は、電気抵抗の電圧依存性が劣っていた。
つぎに、上記導電性組成物を用いて、つぎのようにして帯電ロールを作製した。
〔実施例13〕
(ベース層用材料の調製)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。
(表層用材料の調製)
実施例5と同様にして、導電性組成物を作製した。
(帯電ロールの作製)
軸体である芯金(直径10mm、SUS304製)をセットした射出成形用金型内に、上記ベース層用材料を注型し、150℃×45分の条件で加熱した後、脱型して、軸体の外周面に沿ってベース層を形成した。ついで、このベース層の外周面に、上記表層用材料を塗布して、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に表層(厚み50μm)が形成されてなる、2層構造の帯電ロールを作製した。
〔実施例14〕
(中間層用材料の調製)
実施例6と同様にして、導電性組成物を作製した。
(表層用材料の調製)
非共役系ポリマーであるTPU(日本ミラクトラン社製、E980)93部を、THF300部とMEK150部とトルエン100部に溶解させた後、カーボンブラック(電気化学社製、デンカブラック)7部をビーズミルにて分散して、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
(帯電ロールの作製)
上記中間層用材料および表層用材料を用いる以外は、実施例13と同様にして、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に中間層(厚み45μm)が形成され、さらにその外周面に表層(厚み5μm)が形成されてなる、3層構造の帯電ロールを作製した。
〔実施例15〕
(中間層用材料の調製)
実施例12と同様にして、導電性組成物を作製した。
(表層用材料の調製)
実施例14の表層用材料と同様にして、導電性組成物を作製した。
(帯電ロールの作製)
上記中間層用材料および表層用材料を用いる以外は、実施例13と同様にして、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に中間層(厚み35μm)が形成され、さらにその外周面に表層(厚み15μm)が形成されてなる、3層構造の帯電ロールを作製した。
〔比較例4〕
(ベース層用材料の調製)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。
(表層用材料の調製)
実施例14の表層用材料と同様にして、導電性組成物を作製した。
(帯電ロールの作製)
上記ベース層用材料および表層用材料を用い、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に表層(厚み50μm)が形成されてなる、2層構造の帯電ロールを作製した。
〔比較例5〕
(中間層用材料の調製)
非共役系ポリマーであるTPU(日本ミラクトラン社製、E980)98部を、THF300部とMEK150部とトルエン100部に溶解させた後、イオン導電剤であるテトラブチルアンモニウム臭素塩(TBAB)〔ライオン社製〕を2部加え、3本ロールを用いて混練して、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
(表層用材料の調製)
実施例14の表層用材料と同様にして、導電性組成物を作製した。
(帯電ロールの作製)
上記中間層用材料および表層用材料を用いる以外は、実施例13と同様にして、軸体の外周面にベース層(厚み3mm)が形成され、その外周面に中間層(厚み35μm)が形成され、さらにその外周面に表層(厚み15μm)が形成されてなる、3層構造の帯電ロールを作製した。
このようにして得られた実施例および比較例の帯電ロールを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表6に併せて示した。
〔電気抵抗、電気抵抗の電圧依存性〕
帯電ロールの表面をSUS板に押し当てた状態で、帯電ロールの両端に各1kgの荷重をかけ、帯電ロールの芯金と、SUS板に押し当てた帯電ロール表面との間の電気抵抗を、SRIS 2304に準じて測定した。なお、電気抵抗は、25℃×50%RHの環境下、10Vの電圧を印加した時の電気抵抗(Rv=10V)と、100Vの電圧を印加した時の電気抵抗(Rv=100V)をそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=10V/Rv=100V)により、電気抵抗の電圧依存性を変動桁数で表示した。
〔電気抵抗の環境依存性〕
上記電気抵抗の評価に準じて、印加電圧10Vの条件下、低温低湿(15℃×10%RH)の時の電気抵抗(Rv=15℃×10%RH)と、高温高湿(35℃×85%RH)の時の電気抵抗(Rv=35℃×85%RH)を、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=15℃×10%RH/Rv=35℃×85%RH)により、電気抵抗の環境依存性を変動桁数で表示した。
〔硬度(JIS A)〕
各帯電ロールの最表面の硬度を、JIS K 6253に準じて測定した。
〔圧縮永久歪み〕
各帯電ロールの圧縮永久歪みを、温度70℃、試験時間22時間、圧縮率25%の条件下、JIS K 6262に準じて測定した。
〔帯電ロール特性〕
(画像むら)
各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、20℃×50%RHの環境下において画像出しを行った。評価は、ハーフトーン画像での濃度むらがなく、細線のとぎれや色むらがなかったものを○、濃度むらが生じたものを×とした。
(環境による画質の変動)
各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、15℃×10%RHの環境下において画像出しを行った時と、35℃×85%RHの環境下において画像出しを行った時の、環境による画質の変動の評価を行った。評価は、べた黒画像を印刷し、マクベス濃度計で変化が0.1以下の時を○、0.1を超える時を×とした。
〔チャージアップによる濃度変動〕
各帯電ロールを市販のカラープリンターに組み込み、25℃×50%RHの環境下、1万枚画像出しを行った。評価は、ハーフトーン画像での濃度差がなかったもの(マクベス濃度計で0.1未満)を○、濃度差が生じたもの(マクベス濃度計で0.1以上)を×とした。
〔環境による電気抵抗変動桁数〕
50℃×95%RHの環境下で100日間放置し、前後の電気抵抗を、25℃×50%RHの環境下で10V印加し、SRIS 2304に準じてそれぞれ測定した。そして、Log(Rv=100日/Rv=0日)により、環境による電気抵抗変動桁数を求めた。
上記結果から、実施例品は、比較例品に比べて、帯電ロール特性に優れていた。
つぎに、上記導電性組成物を用いて、つぎのようにして転写ロールを作製した。
〔実施例16〕
(ベース層用材料の調製)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。
(表層用材料の調製)
実施例8と同様にして、導電性組成物を作製した。
(転写ロールの作製)
上記各層の形成材料を用いる以外は、実施例13に準じて、軸体の外周面にベース層(厚み6mm)が形成され、その外周面に表層(厚み50μm)が形成されてなる、2層構造の転写ロールを作製した。
〔比較例6〕
(ベース層用材料の調製)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。
(表層用材料の調製)
非共役系ポリマーであるTPU(日本ミラクトラン社製、E980)98部を、THF300部とMEK150部とトルエン100部に溶解させた後、イオン導電剤であるテトラブチルアンモニウム臭素塩(TBAB)〔ライオン社製〕を2部加え、3本ロールを用いて混練して、導電性組成物(コーティング液)を作製した。
(転写ロールの作製)
上記ベース層用材料および表層用材料を用い、軸体の外周面にベース層(厚み6mm)が形成され、その外周面に表層(厚み50μm)が形成されてなる、2層構造の転写ロールを作製した。
このようにして得られた実施例および比較例の転写ロールを用いて、上記帯電ロールの評価基準に準じて、各特性の評価を行った。これらの結果を、下記の表7に併せて示した。
上記結果から、実施例品は、比較例品に比べて、転写ロール特性に優れていた。
つぎに、上記導電性組成物を用いて、つぎのようにして転写ベルトを作製した。
〔実施例17〕
(ベース層用材料の調製)
アミドイミド(東洋紡績社製、バイロマックスHR16NN)100部に、アセチレンブラック(電気化学工業社製、デンカブラックHS100)15部を配合して、ビーズミルで分散し、ベース層用材料を調製した。
(表層用材料の調製)
実施例8と同様にして、導電性組成物を作製した。
(転写ベルトの作製)
上記各層用材料を用いて、ベース層(厚み0.3mm)の外周面に、表層(厚み50μm)が形成されてなる、2層構造の転写ベルト(無端ベルト)を作製した。
〔比較例7〕
(表層用材料の調製)
比較例6の表層用材料と同様にして、導電性組成物を作製した。
(転写ベルトの作製)
上記表層用材料を用いる以外は、実施例17と同様にして、ベース層(厚み0.3mm)の外周面に、表層(厚み50μm)が形成されてなる、2層構造の転写ベルト(無端ベルト)を作製した。
このようにして得られた実施例および比較例の転写ベルトを用いて、上記帯電ロールの評価基準に準じて、各特性の評価を行った。これらの結果を、下記の表8に併せて示した。なお、転写ベルトの電気抵抗は、転写ベルトの内部に直径10mm、重さ1kgのSUS棒を載せ、このSUS棒に接する部分と、SUS板との間の電気抵抗を、SRIS 2304に準じて測定した。
上記結果から、実施例品は、比較例品に比べて、転写ベルト特性に優れていた。
つぎに、上記導電性組成物を用いて、つぎのようにして現像ロールを作製した。
〔実施例18〕
(ベース層用材料の調製)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。
(中間層用材料の調製)
実施例14の表層用材料と同様にして、導電性組成物を作製した。
(表層用材料の調製)
実施例7と同様にして、導電性組成物を作製した。
(現像ロールの作製)
上記各層の形成材料を用いる以外は、実施例13に準じて、軸体の外周面にベース層(厚み4mm)が形成され、その外周面に中間層(厚み5μm)が形成され、さらにその外周面に表層(厚み45μm)が形成されてなる現像ロールを作製した。
〔実施例19〕
(ベース層用材料の調製)
カーボンブラックを分散させたシリコーンゴム(信越化学工業社製、KE1350AB)を準備した。
(中間層用材料の調製)
実施例14の表層用材料と同様にして、導電性組成物を作製した。
(表層用材料の調製)
実施例11と同様にして、導電性組成物を作製した。
(現像ロールの作製)
上記各層の形成材料を用いる以外は、実施例13に準じて、軸体の外周面にベース層(厚み4mm)が形成され、その外周面に中間層(厚み5μm)が形成され、さらにその外周面に表層(厚み45μm)が形成されてなる現像ロールを作製した。
〔比較例8〕
(表層用材料の調製)
比較例1と同様にして、導電性組成物を作製した。
(現像ロールの作製)
上記表層用材料を用いる以外は、実施例18と同様にして、軸体の外周面にベース層(厚み4mm)が形成され、その外周面に中間層(厚み5μm)が形成され、さらにその外周面に表層(厚み45μm)が形成されてなる現像ロールを作製した。
このようにして得られた実施例および比較例の現像ロールを用いて、上記帯電ロールの評価基準に準じて、各特性の評価を行った。これらの結果を、下記の表9に併せて示した。
上記結果から、実施例品は、比較例品に比べて、環境による電気抵抗変動桁数が小さかった。
本発明の半導電性組成物およびそれを用いた電子写真機器用半導電性部材は、帯電ロール等の電子写真機器部材に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 下記の(A)および(B)を必須成分とする半導電性組成物であって、上記(A)中の遊離ドーパント量が30重量%未満で、かつ、(A)の電気抵抗が100Ω・cm以上であることを特徴とする半導電性組成物。
    (A)π電子共役系高分子をドーパントにより導電化してなる溶剤可溶な導電性ポリマー。
    (B)非共役系ポリマー。
  2. 上記(A)に用いるπ電子共役系高分子を構成するモノマーが、o−トルイジン、o−アニシジン、2−エチルアニリン、2−プロピルアニリン、2−sec−ブチルアニリンおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1記載の半導電性組成物。
  3. 上記(A)に用いるドーパントが、2以上のアルキル置換基を有し、そのアルキル置換基の炭素数の合計が10〜37であるアルキルベンゼンスルホン酸またはその塩である請求項1または2記載の半導電性組成物。
  4. 上記アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩が、炭素数4〜18のアルキル置換基を少なくとも1つ有している請求項3記載の半導電性組成物。
  5. 上記(B)の非共役系ポリマーが、スルホン酸基またはその塩の構造を有するものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導電性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導電性組成物を、半導電性部材の少なくとも一部に用いたことを特徴とする電子写真機器用半導電性部材。
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