JP2005313557A - 回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シー卜、その成形品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を原料としながら、表面気泡が細かく外観に優れ、精度のよい成形品とすることが可能な環境適合性に優れた熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート、その成形品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートであって、表面平均気泡径0.2〜0.5mm、内部平均気泡径0.2〜0.5mm、密度0.1〜0.7g/cm3、厚み0.3〜3.3mmであることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートであって、表面平均気泡径0.2〜0.5mm、内部平均気泡径0.2〜0.5mm、密度0.1〜0.7g/cm3、厚み0.3〜3.3mmであることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シー卜、その成形品及びその製造方法に関するものである。
熱可塑性ポリエステル系樹脂(以下、これをPATと略称する)は、無色透明であって、機械的性質にも優れ、耐熱性及び耐候性も良好であるために、いろいろな形に成形して日用品として使用されている。そのうちでも多いのは、ペットボトルと呼ばれるブロー成形による液体容器であって、飲料水などを入れるビンとして広く用いられている。これらは、ワンウエイ容器として、内容物を使い切ったあとは廃棄される。この廃棄量は膨大であり、環境問題からこれを回収し、リサイクル使用することが行われてきている。
熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは、優れた物性を有し、緩衝材、梱包材などいろいろな用途に広く用いられてきている。ところが、熱可塑性ポリエステル系樹脂は、本来発泡させにくい樹脂であり、特殊な改質剤を加えて溶融粘度を調整してようやく発泡させることができる(特許文献1、特許文献2)。
しかし、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは、ポリスチレン系樹脂発泡シートでは通常実施されているようなエアー吹き付けなどよる発泡シート表面への冷却による発泡シー卜の表面気泡の微細化や表面硬度アップなどの表面性の改善はできなかった。
また熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートにおいても、環境問題の高まりから、食品用途などの衛生性を要求される分野以外の工業用品の梱包などに使用されるものなどは、できるだけ回収品を使用することが要望される様になってきている。ところが、上記したように、熱可塑性ポリエステル系樹脂は極めて発泡させにくい樹脂であり、回収品を使用しての発泡シート化は、未使用原料に比べて樹脂物性が低下しているためより困難であり、できたとしても物性に劣るものであった。
特許文献3には、回収品を含んだ熱可塑性ポリエステル系樹脂に、気泡を細かくするなどの目的で特殊な四弗化エチレン樹脂を加えた熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法が開示されている。この方法は回収品使用の有効な方法であるが、この方法で得られた発泡シートは、未使用原料を使用して製造された発泡シートと比較して、なお表面気泡の微細化において充分でなく外観に劣るほか、熱成形においても型の決まりが充分でなく、精度を要求される梱包用成形品には使用できないものであった。
本発明は、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を原料としながら、表面気泡が細かく外観に優れ、精度のよい成形品とすることが可能な環境適合性に優れた熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート、その成形品及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートであって、表面平均気泡径0.2〜0.5mm、内部平均気泡径0.2〜0.5mm、密度0.1〜0.7g/cm3、厚み0.3〜3.3mmである回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートであれば、外観に優れ、成形性が良く、精度のよい成形が可能であり、環境適合性に優れることを見出した。
本発明は、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートであって、表面平均気泡径0.2〜0.5mm、内部平均気泡径0.2〜0.5mm、密度0.1〜0.7g/cm3、厚み0.3〜3.3mmであることを特徴とする回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートである。
この発泡シートを得る好ましい製造方法は、例えば、熱可塑性ポリエステル系樹脂全重量に対して極限粘度が0.6以上の回収樹脂再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上を含む熱可塑性ポリエステル系樹脂を用い、粘度調整剤のほか、気泡調整剤として無機系化合物、発泡剤として無機系物理発泡剤を用いて、押出発泡するものである。
さらに具体的な前記製造方法の態様としては、熱可塑性ポリエステル系樹脂に粘度調整剤、気泡調整剤を加えて混合し、これを押出機に入れて溶融混練し、溶融した樹脂混合物に発泡剤を加えて混練した後、押出機の先端に取り付けたサーキュラー金型より押出して熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する方法において、熱可塑性ポリエステル系樹脂が熱可塑性ポリエステル系樹脂全重量に対して極限粘度が0.6以上の回収樹脂再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含み、気泡調整剤として無機系化合物、発泡剤として無機系物理発泡剤を用いることを特徴とする。
さらに好ましい製造方法の態様としては、熱可塑性ポリエステル系樹脂全重量に対して極限粘度が0.6以上の回収樹脂再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む樹脂を熱可塑性ポリエステル系樹脂原料とし、粘度調整剤のほか、例えば気泡調整剤として無機系化合物、発泡剤として無機系物理発泡剤を使用して、単軸押出機を用いて、好ましくは金型の樹脂出口での樹脂の吐出速度V(V=押出重量/金型の樹脂出口部における断面積・時間)を35kg/cm2・hr以上にして、押出発泡させて樹脂発泡シートを製造する。
また、この樹脂発泡シートの成形品の態様としては、熱成形時の二次発泡率が1.5以下である成形品の場合、成形の型決まりがよく、精度のよい成形品を成形できる。
これによって、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を原料としながら、表面気泡が細かく外観に優れ、精度のよい熱成形品とすることが可能であり、環境適合性に優れた回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを得ることができる。
従って、ペットボトルとして家庭で消費したあと、大量に発生する回収ペットボトルを再利用して、環境にやさしく、外観に優れ、美麗で精度のよい発泡成形品を得ることができるもので、工業用品の梱包材料として有益な回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを提供できる。
従って、ペットボトルとして家庭で消費したあと、大量に発生する回収ペットボトルを再利用して、環境にやさしく、外観に優れ、美麗で精度のよい発泡成形品を得ることができるもので、工業用品の梱包材料として有益な回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを提供できる。
(回収熱可塑性ポリエステル系樹脂)
本発明で使用される熱可塑性ポリエステル系樹脂は、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含み、リサイクル品として有益な回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いる。70重量%以上であると、エコマーク商品の基準を満足し、より好ましい。
本発明で使用される熱可塑性ポリエステル系樹脂は、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含み、リサイクル品として有益な回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いる。70重量%以上であると、エコマーク商品の基準を満足し、より好ましい。
環境上、さらにリサイクル率を高めることが好ましく、85%以上がより好ましく、95%以上がさらに好ましく、実質的に回収原料のみとすることが特に好ましい。ここで実質的とは、未使用の熱可塑性ポリエステル系樹脂を使用しないということを意味する。製造には発泡核剤(気泡調整剤)などの添加剤を加えるが、取扱いの容易性や粉体飛散による製造環境汚染を防止するため、また、基材樹脂中への添加剤の分散を向上させるために、添加剤をマスターバッチ化(熱可塑性ポリエステル系樹脂に高濃度で練りこみ、ペレットとしたもの)して使用することが好ましい。実質的に回収原料のみとは、この時のマスターバッチの樹脂分を除いた残りの全てを意味し、未使用の熱可塑性ポリエステル系樹脂を使用しないということである。
この回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いて本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを具体的に得るには、上記回収熱可塑性ポリエステル系樹脂は、回収された熱可塑性ポリエスル系樹脂を再生ペレット化したものを用いる。具体的には、例えば回収されたペットボトルなどを粉砕したフレーク状の樹脂を再生ペレット化したものを用いる。再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂は、極限粘度が0.6以上のものを用いることが好ましい。
なお、本発明における当該極限粘度は、テトラクロロエタンとフェノールとが1対1の割合で混合された混合溶剤を用い、この溶剤100ccに1.0gの樹脂を溶解させて樹脂溶液を作り、この樹脂溶液の20℃における粘度を測定して、これから算出する。
なお、本発明における当該極限粘度は、テトラクロロエタンとフェノールとが1対1の割合で混合された混合溶剤を用い、この溶剤100ccに1.0gの樹脂を溶解させて樹脂溶液を作り、この樹脂溶液の20℃における粘度を測定して、これから算出する。
さらに具体的には、例えば、回収ペットボトルを粉砕して得られるフレーク状の樹脂を二軸押出機などで再溶融させ、ノズル金型よりストランド状に押出し、これを冷却した後ペレタイズした再生ペレット状熱可塑性ポリエスル系樹脂であって、極限粘度が0.6以上のものを用いる。極限粘度が0.6未満では粘度調整剤を添加しても粘度調整がうまくできず、発泡性の改善が不充分となり、良好な発泡シートが得難い。好ましくは0.65以上、より好ましくは0.70以上である。上限について制限はないが、通常回収原料は未使用原料に比べ極限粘度は低下しているので、1.0を超えるようなものは得られない。
本発明のシートを製造するにあたって、前記回収再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂以外で使用可能な熱可塑性ポリエステル系樹脂としても、ペレット状樹脂が好ましく、極限粘度が0.6以上の、未使用ペレット樹脂、或は工場内で発生する押出発泡工程で発生するスクラップや成形品のトリミングロスなどを回収した回収再生ペレット樹脂を用いることができる。この樹脂の極限粘度は、前記のように発泡性の面で、0.65以上が好ましく、0.70以上がより好ましい。
この発明で用いられる熱可塑性ポリエスル系樹脂としては、芳香族ジカルボン酸と二価アルコールとが縮合反応を起こすことによって生成された高分子量のポリエステル系樹脂、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂等を例示することができる。
この発明で用いられる熱可塑性ポリエスル系樹脂は、押出機に供給する前に乾燥される。乾燥は、除湿乾燥機で露点−30℃の空気を循環させながら、160℃で4時間以上乾燥することが好ましい。
(回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの気泡径)
[表面平均気泡径]
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの表面平均気泡径は0.2〜0.5mmである。0.25〜0.4mmがより好ましい。0.5mmより大きいと発泡シートの外観が悪い。さらに、熱成形によって伸ばされるため、成形品ではさらに外観が悪くなる。0.2mmより小さいと発泡シートの伸びが悪く、成形性が悪くなる。
[表面平均気泡径]
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの表面平均気泡径は0.2〜0.5mmである。0.25〜0.4mmがより好ましい。0.5mmより大きいと発泡シートの外観が悪い。さらに、熱成形によって伸ばされるため、成形品ではさらに外観が悪くなる。0.2mmより小さいと発泡シートの伸びが悪く、成形性が悪くなる。
上記表面平均気泡径は次の測定方法によって定められる。
回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの一面(表面)及びその反対面(裏面)それぞれの面の任意の5個所で、例えば25倍、50倍又は100倍の表面拡大写真を撮る。拡大写真上で任意の10個の表面気泡について、それぞれ押出方向に平行な方向の最大気泡径及び押出方向に直交する方向の最大気泡径を測定し、それらの平均をそれぞれの表面気泡径とし、合計100個(10個×5箇所×2面)の相加平均を、発泡シートの表面平均気泡径とした。
回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの一面(表面)及びその反対面(裏面)それぞれの面の任意の5個所で、例えば25倍、50倍又は100倍の表面拡大写真を撮る。拡大写真上で任意の10個の表面気泡について、それぞれ押出方向に平行な方向の最大気泡径及び押出方向に直交する方向の最大気泡径を測定し、それらの平均をそれぞれの表面気泡径とし、合計100個(10個×5箇所×2面)の相加平均を、発泡シートの表面平均気泡径とした。
具体的には、マイクロスコープ((株)キーエンス社製:型式VH−5000)にて発泡シート表面の例えば25倍、50倍又は100倍の拡大写真を撮り、この写真上で表面気泡の気泡径を測定する。すなわち、写真上で気泡の輪郭が90%以上見えるものを表面気泡とし、任意の10個を選び、各表面気泡において押出方向の最長径および幅方向(押出方向に直交する方向)の最長径を測定する。
より具体的には、図6に示すように、測定する表面気泡10を囲む(四辺のそれぞれに気泡との接点をもつ)、二つの辺が押出方向に平行な長方形を描き、長方形の直交する二辺のそれぞれの長さL1、L2を測定し、それらの相加平均値をその気泡の表面気泡径(mm)とする。発泡シートのそれぞれの面で、任意の5個所でこれを行い、合計100個のそれぞれの表面気泡径の相加平均を表面平均気泡径とする。
より具体的には、図6に示すように、測定する表面気泡10を囲む(四辺のそれぞれに気泡との接点をもつ)、二つの辺が押出方向に平行な長方形を描き、長方形の直交する二辺のそれぞれの長さL1、L2を測定し、それらの相加平均値をその気泡の表面気泡径(mm)とする。発泡シートのそれぞれの面で、任意の5個所でこれを行い、合計100個のそれぞれの表面気泡径の相加平均を表面平均気泡径とする。
[内部平均気泡径]
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの内部平均気泡径は、0.20〜0.50mm、好ましくは0.25〜0.40mmである。より好ましくは0.25〜0.35mmである。0.2mm未満では、主に回収原料を使用していることもあり、発泡シートの伸びが悪く成形性が悪くなる。0.5mmを超えると、表面性に影響し、外観が悪くなる。内部平均気泡径はASTM D2842−69に準じて測定した。本発明における内部気泡は、上記表面気泡(発泡シートの一面(表面)及び反対面(裏面)の表面気泡)は除かれる。
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの内部平均気泡径は、0.20〜0.50mm、好ましくは0.25〜0.40mmである。より好ましくは0.25〜0.35mmである。0.2mm未満では、主に回収原料を使用していることもあり、発泡シートの伸びが悪く成形性が悪くなる。0.5mmを超えると、表面性に影響し、外観が悪くなる。内部平均気泡径はASTM D2842−69に準じて測定した。本発明における内部気泡は、上記表面気泡(発泡シートの一面(表面)及び反対面(裏面)の表面気泡)は除かれる。
(回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの厚み)
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの厚みは、0.3〜3.3mmである。0.3mmより薄いと成形品の強度が不足する。3.3mmより厚いと成形性が悪くなる。
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの厚みは、0.3〜3.3mmである。0.3mmより薄いと成形品の強度が不足する。3.3mmより厚いと成形性が悪くなる。
(回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの密度)
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの密度は0.1〜0.7g/cm3である。好ましくは0.2〜0.6g/cm3である。0.7g/cm3より大きいと軽量性が不足し、0.1g/cm3 より小さいと強度が不足する。
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの密度は0.1〜0.7g/cm3である。好ましくは0.2〜0.6g/cm3である。0.7g/cm3より大きいと軽量性が不足し、0.1g/cm3 より小さいと強度が不足する。
(二次発泡率(T2/T1))
本発明の発泡シートは、熱成形時の二次発泡率が1.5以下、より好ましくは1.4以下である。または上記二次発泡率が1.2以上である。上記二次発泡率が1.5より大きいと成形の型決まりが悪くなり成形品の表面平滑性や形状精度が低下する。前記二次発泡率が1.2より小さいと成形品の厚みが薄くなり強度が低下する。
本発明の発泡シートは、熱成形時の二次発泡率が1.5以下、より好ましくは1.4以下である。または上記二次発泡率が1.2以上である。上記二次発泡率が1.5より大きいと成形の型決まりが悪くなり成形品の表面平滑性や形状精度が低下する。前記二次発泡率が1.2より小さいと成形品の厚みが薄くなり強度が低下する。
なお、T2/Tlの測定方法は以下の通りである。製造後30日後の発泡シートの厚みT1(一次厚み)を測定した後、発泡シートを成形機の加熱槽で加熱し二次発泡させて加熱後の厚みT2(二次厚み)を測定する。加熱量を変化させ、発泡シート表面に過加熱による溶融が認められない状態でのT2/T1が最大となる二次発泡率(最大二次発泡率)をもとめて、これを二次発泡率とした。
具体的には、製造後30日後の発泡シートの厚み(Tl)を測定した後、発泡シートを東成産業(株)社製:型式FM−3A(単発)成形機にて、雰囲気温度を上側175±5℃、下側165±5℃に設定して、加熱秒数を1秒間隔で変化させ、発泡シート表面に過加熱による溶融が認められない状態でのT2/Tlが最大となる二次発泡率を求めた。
具体的には、製造後30日後の発泡シートの厚み(Tl)を測定した後、発泡シートを東成産業(株)社製:型式FM−3A(単発)成形機にて、雰囲気温度を上側175±5℃、下側165±5℃に設定して、加熱秒数を1秒間隔で変化させ、発泡シート表面に過加熱による溶融が認められない状態でのT2/Tlが最大となる二次発泡率を求めた。
(回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法)
製造方法は各別限定されるものではないが、本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは、例えば、熱可塑性ポリエステル系樹脂全重量に対して極限粘度が0.6以上の回収樹脂再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上を含む前記熱可塑性ポリエステル系樹脂を用い、粘度調整剤、気泡調整剤として無機系化合物、発泡剤として無機系物理発泡剤を用いて、押出発泡することによって得られる。
製造方法は各別限定されるものではないが、本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは、例えば、熱可塑性ポリエステル系樹脂全重量に対して極限粘度が0.6以上の回収樹脂再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上を含む前記熱可塑性ポリエステル系樹脂を用い、粘度調整剤、気泡調整剤として無機系化合物、発泡剤として無機系物理発泡剤を用いて、押出発泡することによって得られる。
さらに具体的に説明すると、本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは、熱可塑性ポリエステル系樹脂に粘度調整剤、気泡調整剤を加えて混合し、これを押出機に入れて溶融混練し、溶融した樹脂混合物に発泡剤を加えて混練した後、押出機の先端に取り付けたサーキュラー金型より押出して熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する方法において、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂が熱可塑性ポリエステル系樹脂全重量に対して極限粘度が0.6以上の回収樹脂再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含み、前記気泡調整剤として無機系化合物、前記発泡剤として無機系物理発泡剤を用いる方法によって得られる。
さらに好ましい製造方法としては、熱可塑性ポリエステル系樹脂全重量に対して極限粘度が0.6以上の回収樹脂再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む樹脂を熱可塑性ポリエステル系樹脂原料とし、粘度調整剤、例えば気泡調整剤として無機系化合物、発泡剤として無機系物理発泡剤を使用して、単軸押出機を用いて、好ましくは金型の樹脂出口での樹脂の吐出速度V(V=押出重量/金型の樹脂出口部における断面積・時間)を35kg/cm2・hr以上にして、押出発泡させて樹脂発泡シートを製造する方法が挙げられる。
(発泡剤)
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する場合、発泡剤を用いることができる。前記発泡剤としては無機系の物理発泡剤を用いることが好ましい。大気中に含まれる窒素や二酸化炭素を用いることがより好ましく、大気中に多く含まれ、大気中から分離して利用できる窒素が特に好ましい。
その他の発泡剤として、有機系物理発泡剤である炭素数3〜5の飽和炭化水素やハロゲン化炭化水素を、発泡シートの二次発泡率を大きくしない範囲において併用することもできる。これらの有機系物理発泡剤は、樹脂との相溶性が無機系の物理発泡剤より優れており、発泡性を向上させることができるが、発泡シートから散逸しても問題のない無機系物理発泡剤の単独使用が好ましい。
前記発泡剤の押出機への圧入量は、樹脂100重量部に対し3重量部以下とすることが好ましく、0.02〜0.5重量部の範囲にすることが特に好ましい。
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する場合、発泡剤を用いることができる。前記発泡剤としては無機系の物理発泡剤を用いることが好ましい。大気中に含まれる窒素や二酸化炭素を用いることがより好ましく、大気中に多く含まれ、大気中から分離して利用できる窒素が特に好ましい。
その他の発泡剤として、有機系物理発泡剤である炭素数3〜5の飽和炭化水素やハロゲン化炭化水素を、発泡シートの二次発泡率を大きくしない範囲において併用することもできる。これらの有機系物理発泡剤は、樹脂との相溶性が無機系の物理発泡剤より優れており、発泡性を向上させることができるが、発泡シートから散逸しても問題のない無機系物理発泡剤の単独使用が好ましい。
前記発泡剤の押出機への圧入量は、樹脂100重量部に対し3重量部以下とすることが好ましく、0.02〜0.5重量部の範囲にすることが特に好ましい。
(気泡調整剤)
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する場合、気泡調整剤を用いることができる。気泡調整剤としては無機系化合物を用いる。タルク粉末が好ましい。タルク粉末は、ポリエチレンテレフタレート樹脂あるいはポリブチレンテレフタレート樹脂を基材樹脂としたマスターバッチペレット化して用いることが好ましい。その添加量は、樹脂100重量部に対し、タルク粉末量で0.1〜3重量部の範囲が好ましい。
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する場合、気泡調整剤を用いることができる。気泡調整剤としては無機系化合物を用いる。タルク粉末が好ましい。タルク粉末は、ポリエチレンテレフタレート樹脂あるいはポリブチレンテレフタレート樹脂を基材樹脂としたマスターバッチペレット化して用いることが好ましい。その添加量は、樹脂100重量部に対し、タルク粉末量で0.1〜3重量部の範囲が好ましい。
(粘度調整剤)
また本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する場合、粘度調整剤を用いることができる。回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む熱可塑性ポリエステル系樹脂の粘度を改善するために、無水ピロメリット酸のような酸二無水物、周期律表のIa族又はIIa族の金属化合物、炭酸ナトリウムを単独で又は混合して加える。その添加量は、少なすぎると粘度改善効果が得られず、多すぎると樹脂がゲル化して発泡シートにプツが発生したり、押出できなくなったりするので、熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲である。
また本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する場合、粘度調整剤を用いることができる。回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む熱可塑性ポリエステル系樹脂の粘度を改善するために、無水ピロメリット酸のような酸二無水物、周期律表のIa族又はIIa族の金属化合物、炭酸ナトリウムを単独で又は混合して加える。その添加量は、少なすぎると粘度改善効果が得られず、多すぎると樹脂がゲル化して発泡シートにプツが発生したり、押出できなくなったりするので、熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部の範囲である。
前記回収熱可塑性ポリエステル系樹脂では、この粘度調整剤は、未使用の熱可塑性ポリエステル系樹脂を使用する場合よりも多く加えることが好ましい。使用する回収樹脂によって添加量は異なるが、粘度調整剤の添加量の目安は、GPCによる分子量測定で、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを分析したとき熱可塑性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量Mwが80000以上となっていることが好ましい。より好ましくは、90000以上である。
前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量Mwを80000以上とすることで、当該樹脂の押出発泡成形性を向上させることができる。80000未満では、押出発泡成形性が悪く、独立気泡性に優れた良好な発泡シートが得難い。
前記熱可塑性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量Mwを80000以上とすることで、当該樹脂の押出発泡成形性を向上させることができる。80000未満では、押出発泡成形性が悪く、独立気泡性に優れた良好な発泡シートが得難い。
(その他添加剤)
この発明では、その他、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤などを加えたりすることができる。また、脆性改善のためゴム成分を添加してもよい。
この発明では、その他、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤などを加えたりすることができる。また、脆性改善のためゴム成分を添加してもよい。
(押出機)
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する押出機としては、単軸押出機を用いることが好ましい。また単軸押出機における押出機シリンダー本体内に配設されたスクリューの長さをL、その直径をDとした場合、L/D=30〜45であることが好ましく、35〜40であることがより好ましい。前記L/Dが30未満では、気泡調整剤や発泡剤の分散が不充分となりやすく、粘度調整剤と樹脂の反応時間が不足しやすく、発泡シートの外観が悪化するなど良好な発泡シートが得難い。前記L/Dが45を超えると、押出機の負荷が大きくなったり、スクリュー強度が不足するため高価な材質を使用しなければならないなどの問題や反応時間が長くなりすぎて樹脂の分解反応が起きるなどの問題が生じる。
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する押出機としては、単軸押出機を用いることが好ましい。また単軸押出機における押出機シリンダー本体内に配設されたスクリューの長さをL、その直径をDとした場合、L/D=30〜45であることが好ましく、35〜40であることがより好ましい。前記L/Dが30未満では、気泡調整剤や発泡剤の分散が不充分となりやすく、粘度調整剤と樹脂の反応時間が不足しやすく、発泡シートの外観が悪化するなど良好な発泡シートが得難い。前記L/Dが45を超えると、押出機の負荷が大きくなったり、スクリュー強度が不足するため高価な材質を使用しなければならないなどの問題や反応時間が長くなりすぎて樹脂の分解反応が起きるなどの問題が生じる。
(押出用金型)
前記押出用金型としては、サーキュラー金型を使用することが好ましい。回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む熱可塑性ポリエステル系樹脂を発泡させると、発泡による膨張によって発泡シートに幅方向に波打ち(コルゲーション)が生じる。発泡シートにこのコルゲーションが残った状態であると、品質にバラツキがでたり、フラット性がないなどの問題があり好ましくない。熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートのコルゲーションを減らし、気泡の方向性を少なくし、熱成形性をよくするために、サーキュラー金型を使用し、その樹脂出口の口径よりも大きい口径を有する冷却プラグを使用し、幅方向に大きく展開しながら製造する方法が好ましい。一般に、この展開比率はブローアップ比と呼ばれる。本発明のシートを得るにはブローアップ比は、2.3〜3.5が好ましい。
前記押出用金型としては、サーキュラー金型を使用することが好ましい。回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む熱可塑性ポリエステル系樹脂を発泡させると、発泡による膨張によって発泡シートに幅方向に波打ち(コルゲーション)が生じる。発泡シートにこのコルゲーションが残った状態であると、品質にバラツキがでたり、フラット性がないなどの問題があり好ましくない。熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートのコルゲーションを減らし、気泡の方向性を少なくし、熱成形性をよくするために、サーキュラー金型を使用し、その樹脂出口の口径よりも大きい口径を有する冷却プラグを使用し、幅方向に大きく展開しながら製造する方法が好ましい。一般に、この展開比率はブローアップ比と呼ばれる。本発明のシートを得るにはブローアップ比は、2.3〜3.5が好ましい。
(押出条件)
回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いる本発明の製造方法では、金型樹脂出口(スリット部)での当該樹脂の吐出速度V(V=押出重量/金型樹脂出口部断面積・時間)は、35kg/cm2・hr以上とすることが好ましい。これにより、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂の発泡性を向上させることができ、独立気泡性を高め、さらに気泡も細かくできる。大きすぎると、金型樹脂出口部で発熱して気泡破れなどを発生し、良好な発泡体が得られないので120kg/cm2・hr未満が好ましい。
回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いる本発明の製造方法では、金型樹脂出口(スリット部)での当該樹脂の吐出速度V(V=押出重量/金型樹脂出口部断面積・時間)は、35kg/cm2・hr以上とすることが好ましい。これにより、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂の発泡性を向上させることができ、独立気泡性を高め、さらに気泡も細かくできる。大きすぎると、金型樹脂出口部で発熱して気泡破れなどを発生し、良好な発泡体が得られないので120kg/cm2・hr未満が好ましい。
(成形)
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは、真空成形法、圧空成形法、真空・圧空成形法など通常の熱成形法で成形できる。具体的には、ストレート成形、プラグアシスト成形、プラグアシスト・リバースドロー成形、リバースドロー成形、マッチモールド成形等の公知の各種成形法を採用することができる。シャープな成形品を得るためには、マッチモールド成形が好ましい。
成形条件としては、最大二次発泡率が得られた加熱量よりやや少ない加熱量〜最大二次発泡率が得られた加熱量とするのが好ましい。加熱量が少ないと、発泡シートが無理やり引き伸ばされることになるので成形品に残留歪みが残り、成形品が変形しやすくなったり、形状精度が低下する。一方、加熱しすぎると発泡シート表面が溶融してしまう。二次発泡率が最大となる加熱条件では、発泡シートは充分に軟化して残量歪みが残り難いが、過加熱となる条件に近いので、その直前の加熱条件とするのがより好ましいのである。例えば、前記成形機の条件では加熱時間を、(最大二次発泡率が得られた加熱時間より1秒短い加熱時間)〜(最大二次発泡率が得られた加熱時間)とすることが好ましい。
本発明の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは、真空成形法、圧空成形法、真空・圧空成形法など通常の熱成形法で成形できる。具体的には、ストレート成形、プラグアシスト成形、プラグアシスト・リバースドロー成形、リバースドロー成形、マッチモールド成形等の公知の各種成形法を採用することができる。シャープな成形品を得るためには、マッチモールド成形が好ましい。
成形条件としては、最大二次発泡率が得られた加熱量よりやや少ない加熱量〜最大二次発泡率が得られた加熱量とするのが好ましい。加熱量が少ないと、発泡シートが無理やり引き伸ばされることになるので成形品に残留歪みが残り、成形品が変形しやすくなったり、形状精度が低下する。一方、加熱しすぎると発泡シート表面が溶融してしまう。二次発泡率が最大となる加熱条件では、発泡シートは充分に軟化して残量歪みが残り難いが、過加熱となる条件に近いので、その直前の加熱条件とするのがより好ましいのである。例えば、前記成形機の条件では加熱時間を、(最大二次発泡率が得られた加熱時間より1秒短い加熱時間)〜(最大二次発泡率が得られた加熱時間)とすることが好ましい。
露点−30℃の空気を160℃に加熱した熱風で4時間乾燥させた回収ペットボトルからの再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂原料(よのペットボトルリサイクル社製、極限粘度0.68)100重量部、PBTを基材樹脂としたタルク粉末の40重量%含有マスターバッチペレット(寺田紡績社製)1.3重量部、無水ピロメリット酸0.33重量部、帯電防止剤MB(大日精化社製、PT−RM94N131)1.0重量部、黒着色剤MB(大日精化社製、PE−SM6120)0.5重量部とをドライブレンドした混合物をL/D=35、口径90mmの単軸押出機に投入し、下記の条件で溶融混練しながら、バレルの途中に接続した圧入管から、発泡剤として窒素を混合物の100重量部に対して0.2重量部の割合で圧入した。
・スクリュー回転数:50rpm
・バレルの温度
材料供給部:280℃
圧縮部:285℃
溶融部:267℃
・スクリュー回転数:50rpm
・バレルの温度
材料供給部:280℃
圧縮部:285℃
溶融部:267℃
次に溶融状態の混合物を、押出機の先端に接続したサーキュラー金型(口径170mm、スリット間隙0.43mm)より押出量130kg/hr(金型樹脂出口での樹脂の吐出速度V=56.6kg/cm2・hr)で大気中へ押し出した。金型の先には直径が410mmで長さが800mmのプラグを設け、プラグ内に30℃の冷却水を循環させてプラグを冷却し、プラグ上を発泡体が接するようにして、発泡体の内面を急冷した。こうして得た環状シートをプラグ後部に設置したカッターで2枚に切り開いて、平坦な熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを得た。
得られた熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、表1に示される通り、坪量350g/m2、厚み0.7mm、表面平均気泡径は0.28mm、内部平均気泡径0.28mmで均一微細に発泡した良質の発泡シートと認められた。図1はマイクロスコープ((株)キーエンス社製:型式VH−5000)を用いて、実施例1の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート表面を100倍に拡大した状態を示す表面拡大写真(画像)である。
また二次発泡率は1.29であった。熱成形においても、図2及び図3に示すように、成形性に優れ、型の決まりがよく、シャープなエッジをもつ外観に優れた成形品が得られた。図2は上記発泡シートを用いたコンパクトディスク(CD)を収容する緩衝用成型品をデジタルカメラで撮影した平面全体の写真(画像)の図である。図3は同要部拡大の写真(画像)の図である。コンパクトディスク(CD)を収容する突起状枠体の各エッジがシャープな外観を呈していることが認められる。
また二次発泡率は1.29であった。熱成形においても、図2及び図3に示すように、成形性に優れ、型の決まりがよく、シャープなエッジをもつ外観に優れた成形品が得られた。図2は上記発泡シートを用いたコンパクトディスク(CD)を収容する緩衝用成型品をデジタルカメラで撮影した平面全体の写真(画像)の図である。図3は同要部拡大の写真(画像)の図である。コンパクトディスク(CD)を収容する突起状枠体の各エッジがシャープな外観を呈していることが認められる。
実施例1において、窒素の量を0.17重量部とし、引取り速度を1.17倍に上げた以外は、実施例1と全く同様に実施した。得られた熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、表1に示される通り、坪量300g/m2、厚み0.5mm、平均表面気泡径0.38mm、内部平均気泡径0.29mmで均一微細に発泡した良質の発泡シートと認められた。
また二次発泡率は1.35であった。また、熱成形においても、実施例1と同じく、成形性に優れ、型の決まりがよく、実施例1の図2及び図3と同様、シャープなエッジをもつ外観に優れたコンパクトディスク(CD)収容用載置基板に係る成形品が得られた。
[比較例1]
また二次発泡率は1.35であった。また、熱成形においても、実施例1と同じく、成形性に優れ、型の決まりがよく、実施例1の図2及び図3と同様、シャープなエッジをもつ外観に優れたコンパクトディスク(CD)収容用載置基板に係る成形品が得られた。
[比較例1]
この比較例では、タンデム押出機を用い、一段目の押出機として口径65mmΦの噛み合い型同方向回転の二軸押出機を用い、ニ段目の押出機として口径65mmΦの単軸押出機を用いた。
極限粘度が0.68の回収ペットボトルを粉砕したフレーク状熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量部、四フッ化エチレン樹脂粉末(旭ガラス社製フルオン169J)0.014重量部、無水ピロメリット酸0.5重量部を混合機で混合したものを原材料定量供給装置から一段目の押出機の原材料投入口から連続的に供給した。一段目の二軸押出機はスクリュー回転数を75rpm、押出機シリンダーの温度を240℃から265℃に維持した。また、一段目の押出機の途中に接続された2カ所のベント口から押出機の水分及び揮発分を除去した。この時の減圧度は12.5Torrだった。
一段目の押出機で水分を除去し、増粘反応を行った後、溶融混合物を265℃に維持された接続管を通して二段目の押出機に供給した。二段面の押出機はスクリュー回転数を40rpm、押出機のシリンダー温度を265℃から275℃に維持した。また二段目の押出機の途中から発泡剤としてブタンを0.25重量部の割合で注入した。発泡剤を含んだ溶融混合物はサーキュラ金型(口径135mm、スリット間隙0.53mm)より押出量75kg/hr(金型樹脂出口での樹脂の吐出速度V=33.3kg/cm2・hr)で大気中に押し出し、引き取り機にて引き取りながら、直径410mm、長さ800mmのプラグ内に30℃の冷却水を循環させてプラグを冷却し、プラグ上をポリエチレンテレフタレートの発泡体が接するようにして、発泡体の内面を急冷した。こうして得た環状シートをプラグ後部に設置したカッターで2枚に切り開いて、平坦な熱可塑性ポリエステル系樹脂シートを得た。
得られた発泡シートの厚み、坪量、表面平均気泡径、内部平均気泡径を表に示した。図4はマイクロスコープ((株)キーエンス社製:型式VH−5000)を用いて、比較例1の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート表面を100倍に拡大した状態を示す表面拡大写真(画像)である。熱成形では、実施例1と比較して、図5に示すように、成形性や型の決まりが劣り、丸みのエッジをもつ外観を有する成形品が得られた。熱成型条件は実施例1と同一である。図5は比較例1の発泡シートを用いたコンパクトディスク(CD)を収容する緩衝用成型品をデジタルカメラで撮影した写真(画像)の図であって、実施例1に係る図3に対応する比較例1の要部拡大の写真(画像)の図である。この比較例1に係る成型品は、コンパクトディスク(CD)を収容する突起状枠体の各エッジは、実施例1に係る成型品と比較してシャープな外観を呈していないことが認められる。
[比較例2]
得られた発泡シートの厚み、坪量、表面平均気泡径、内部平均気泡径を表に示した。図4はマイクロスコープ((株)キーエンス社製:型式VH−5000)を用いて、比較例1の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート表面を100倍に拡大した状態を示す表面拡大写真(画像)である。熱成形では、実施例1と比較して、図5に示すように、成形性や型の決まりが劣り、丸みのエッジをもつ外観を有する成形品が得られた。熱成型条件は実施例1と同一である。図5は比較例1の発泡シートを用いたコンパクトディスク(CD)を収容する緩衝用成型品をデジタルカメラで撮影した写真(画像)の図であって、実施例1に係る図3に対応する比較例1の要部拡大の写真(画像)の図である。この比較例1に係る成型品は、コンパクトディスク(CD)を収容する突起状枠体の各エッジは、実施例1に係る成型品と比較してシャープな外観を呈していないことが認められる。
[比較例2]
ブタンの量を0.22重量、引取り速度を1.17倍に上げた以外は比較例1と同様にして、実施した。得られた熱可塑性ポリエステル系樹脂シートは、表1に示される通りである。
<測定方法・評価方法>
次に、得られた各実施例及び各比較例の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートについて、外観及び成形性についてそれぞれ評価した。その結果も表1に示す。
次に、得られた各実施例及び各比較例の熱可塑性ポリエステル系樹脂シートについて、外観及び成形性についてそれぞれ評価した。その結果も表1に示す。
外観: 目視判断。「良好」、「不良」で評価した。
成形性:コンパクトディスク(CD)梱包用トレー型で評価した。成形品のエッジ部の状態を目視評価した。
判定基準 ○:成形型の形状とのずれが小さく、エッジがシャープである。
×:成形型の形状とのずれが大きく、エッジも丸み帯びている。
成形性:コンパクトディスク(CD)梱包用トレー型で評価した。成形品のエッジ部の状態を目視評価した。
判定基準 ○:成形型の形状とのずれが小さく、エッジがシャープである。
×:成形型の形状とのずれが大きく、エッジも丸み帯びている。
[分子量測定方法(GPC)]
表1に示す熱可塑性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、得られた各実施例及び各比較例の発泡シートの試料約5mgをクロロホルム10mlに溶解し、非水系0.45μmクロマトディスクで濾過後、Waters社製 HPLC(Detector 484、Pump 510)を用いてポリスチレン換算分子量を測定した。その測定条件はカラムが昭和電工(株)製Shodex GPC K‐806L(φ8.0x300mm)2本を用いカラム温度(40℃)、移動相(クロロホルム)、移動相流量(1.2ml/min)、注入・ポンプ温度(室温)、検出(UV254nm)、注入量(15μl)、検量線用標準PS(昭和電工(株)製(Shodex)分子量1,030,000と東ソー(株)製分子量5,480,000と3,840,000と355,000と102,000と37,900と9,100と2,630と495)とした。
表1に示す熱可塑性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、得られた各実施例及び各比較例の発泡シートの試料約5mgをクロロホルム10mlに溶解し、非水系0.45μmクロマトディスクで濾過後、Waters社製 HPLC(Detector 484、Pump 510)を用いてポリスチレン換算分子量を測定した。その測定条件はカラムが昭和電工(株)製Shodex GPC K‐806L(φ8.0x300mm)2本を用いカラム温度(40℃)、移動相(クロロホルム)、移動相流量(1.2ml/min)、注入・ポンプ温度(室温)、検出(UV254nm)、注入量(15μl)、検量線用標準PS(昭和電工(株)製(Shodex)分子量1,030,000と東ソー(株)製分子量5,480,000と3,840,000と355,000と102,000と37,900と9,100と2,630と495)とした。
[表面平均気泡径]
表1に示す表面平均気泡径は、マイクロスコープ((株)キーエンス社製:型式VH−5000)を用いて、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの一面(表)及びその反対面(裏)それぞれの面の100倍の拡大表面写真を撮り、既述した測定方法によって、表面平均気泡径を求めた。
表1に示す表面平均気泡径は、マイクロスコープ((株)キーエンス社製:型式VH−5000)を用いて、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの一面(表)及びその反対面(裏)それぞれの面の100倍の拡大表面写真を撮り、既述した測定方法によって、表面平均気泡径を求めた。
[内部平均気泡径]
表1に示す内部気泡の内部平均気泡径は、ASTM D2842−69に準じて測定した。
表1に示す内部気泡の内部平均気泡径は、ASTM D2842−69に準じて測定した。
[二次発泡率]
二次発泡率(T2/T1)の測定は、製造後30日後の各実施例及び各比較例の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを用いて、既述した方法によって測定した。
二次発泡率(T2/T1)の測定は、製造後30日後の各実施例及び各比較例の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを用いて、既述した方法によって測定した。
表1より、実施例の発泡シートは、回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を原料としながら、表面気泡が細かく外観に優れ、精度のよい熱成形品とすることが可能であり、環境適合性に優れた回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートであることが認められる。特に、実施例の発泡シートは、内部気泡と表面気泡がほぼ同様の平均気泡径を有しており、しかも表面平均気泡径が比較例より細かい。また図1及び図2より、比較例より実施例の発泡シートの表面気泡径が細かいことも認められる。
本発明の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートは、ペットボトルなどの回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を用いた緩衝材、梱包材などに利用可能である。
Claims (6)
- 回収熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含む回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートであって、表面平均気泡径0.2〜0.5mm、内部平均気泡径0.2〜0.5mm、密度0.1〜0.7g/cm3、厚み0.3〜3.3mmであることを特徴とする回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート。
- 二次発泡率が1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート。
- 請求項1又は2に記載の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを熱成形することにより得られる回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの成形品。
- 熱可塑性ポリエステル系樹脂に粘度調整剤、気泡調整剤を加えて混合し、これを押出機に入れて溶融混練し、溶融した樹脂混合物に発泡剤を加えて混練した後、押出機の先端に取り付けたサーキュラー金型より押出して熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートを製造する方法において、熱可塑性ポリエステル系樹脂が熱可塑性ポリエステル系樹脂全重量に対して極限粘度が0.6以上の回収樹脂再生ペレット状熱可塑性ポリエステル系樹脂を60重量%以上含み、気泡調整剤として無機系化合物、発泡剤として無機系物理発泡剤を用いることを特徴とする回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法。
- 単軸押出機を用い、前記サーキュラー金型の樹脂出口での樹脂の吐出速度V(V=押出重量/金型樹脂出口部断面積・時間)を35kg/cm2・hr以上にして、押出発泡させることを特徴とする請求項4記載の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法。
- 回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートにおける熱可塑性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量が80000以上となるように調整して押出発泡させることを特徴とする請求項4又は5記載の回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートの製造方法。
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JP2004136289A JP2005313557A (ja) | 2004-04-30 | 2004-04-30 | 回収熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シー卜、その成形品及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022543019A (ja) * | 2019-07-29 | 2022-10-07 | フォーペット エス.アー.エール.エル. | 発泡リサイクルポリエチレンテレフタレートをベースとする多層組成物及びその製造方法 |
-
2004
- 2004-04-30 JP JP2004136289A patent/JP2005313557A/ja active Pending
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JP2022543019A (ja) * | 2019-07-29 | 2022-10-07 | フォーペット エス.アー.エール.エル. | 発泡リサイクルポリエチレンテレフタレートをベースとする多層組成物及びその製造方法 |
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