JP2005313479A - セラミック基板の製造方法 - Google Patents

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則之 斉藤
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弘毅 福元
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誠 小林
Tomoaki Kawada
智明 河田
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昭 須田
Makoto Miura
誠 三浦
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Abstract

【課題】横分割用溝及び縦分割用溝の交差部においても、溝に沿って、確実に分割できるセラミック基板の製造方法を提供する。
【解決手段】未焼成セラミック基板1の面に、溝形成用刃3を押し当てて、第1の方向Xに延びる第1の分割用溝X11を形成する。次に、未焼成セラミック基板1の一面に、溝形成用刃3を押し当てて、第1の方向Xと交差する第2の方向Yに延び、かつ、第1の分割用溝X11と交差する第2の分割用溝Y11を形成する。次に、第1の分割用溝X11に溝形成用刃3を押し当てる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、各種のセラミックス電子部品の製造に用いられるセラミック基板の製造方法に関する。
各種のセラミックス電子部品を製造する場合、一般には、多数個の電子部品要素を、格子状に配置したウエハ状セラミック基板が用いられる。積層タイプのセラミックス電子部品を対象とする場合は、セラミック基板は多層化され、基板の表面のみならず、層間にも、電子部品要素を構成する回路要素、例えば、導体パターンなどが配置される。
上述したウエハ状セラミック基板を製造する方法としては、従来より種々の手法が知られている。基本的には、未焼成のセラミックスグリーンシートの一面上に、スクリーン印刷などの手段によって、回路要素となる導体パターンを形成し、こうして得られたグリーンシートの複数枚を積層圧着し、未焼成セラミック基板を得る。
次に、乾燥工程などを経た後、焼成炉に通し、焼成する。そして、焼成後に基板を切断し、電子部品要素の単品を取り出す。
焼成工程においては、未焼成セラミック基体自体の焼結とともに、導体パターンの焼結も同時に進行させなければならない。そこで、一般には、導体パターンと同時に焼結可能なセラミックスス材料が選択される。このようなセラミックス材料は、低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics 以下、LTTCという)と称されるもので、一般には、セラミック材料とガラス材料との複合材料で構成される。
ところで、ウエハ状セラミック基板を用いるのは、勿論、電子部品の量産性確保のためであるが、ウエハ状セラミック基板を用いる限り、何れかの段階で、電子部品要素を単品として取り出すための切断.分割プロセスを実行しななければならない。切断.分割プロセスの実行タイミングとしては、例えば、積層セラミックコンデンサの製造方法で採用されているように、未焼成の段階で実行する場合と、焼成後に実行する場合の2つがあり、LTCCを用いたセラミック基板では、切断.分割プロセスは焼成後に実行されることが多い。
この場合の切断.分割の手法としては、ダイサーなどの切断工具を用いる手法も知られているが、未焼成セラミック基板の段階で、その一面又は両面に、横分割用溝(又は縦分割用溝)を入れ、焼成後に、これらの分割用溝に沿って折る、いわゆる「チョコレートブレーク」方式が、簡便であることから、多用されている。
ところが、横分割用溝と、縦分割用溝とが交差する部分で、本来の溝に沿った分割がなされずに、割れや皹が予期せぬ方向に走ってしまい、製品歩留りが著しく低下してしまうという重大な問題があった。特に、LTCCを用いたセラミック基板ではこの問題が発生し易かった。
上述した問題点又はこれに類似する問題点を解決することを目的として、従来より、種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1には、回路基板の表面及び裏面の切断溝について、一方側端面を表裏対向して垂直に立ち上がり・立ち下がった垂直面とし、他方側端面を表裏対向して斜めに傾斜した傾斜面とした断面レ字形に形成し、切断時にバリが生じるのを回避する技術が開示されている。
特許文献2には、製品領域の外側に、製品領域に形成されている縦横の分割用溝が延設されたダミー領域を設け、このダミー領域の分割用溝の深さを製品領域の分割用溝より浅くしたセラミック基板が開示されている。
特許文献3には、製品領域の外側に、製品領域に形成されている縦横の分割用溝が延設されたダミー領域を設け、このダミー領域の分割用溝の端部がセラミック基板の最外辺にまで達しないようにしたセラミック基板が開示されている。
更に、特許文献4には、製品領域とその周辺部にダミー領域を有するセラミック基板において、上記ダミー領域を、上記製品領域側の第1ダミー領域と、この第1ダミー領域の外側にある第2ダミー領域とから構成し、上記第1ダミー領域の表面には縦横の分割用溝を形成するとともに、上記第2ダミー領域の表面には、前記第1ダミー領域と第2ダミー領域とを区画する境界の延長線上で外辺に達する縦及び/又は横の切断溝を形成することにより、分割用溝部にクラックが発生するのを防止する技術が開示されている。
上述した何れの従来技術も、未焼成セラミック基板の段階で、その一面又は両面に、横分割用溝(又は縦分割用溝)を入れた後、縦分割用溝(又は横分割用溝)を入れる。
しかし、何れの従来技術によっても、特に、LTCCでなるセラミック基板においては、横分割用溝と縦分割用溝との交差部分において、予期せぬ方向にクラックや割れが走ることがあった。
特開平11−17289号公報 特開平10−264130号公報 特開平9−11221号公報 特開2002−292619号公報
本発明の課題は、横分割用溝及び縦分割用溝の交差部においても、溝に沿って、確実に分割できるセラミック基板の製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係るセラミック基板の製造方法は、未焼成セラミック基板の少なくとも一面に、溝形成用刃を押し当てて、第1の方向Xに延びる第1の分割用溝を形成し、次に、前記未焼成セラミック基板の少なくとも一面に、溝形成用刃を押し当てて、前記第1の方向Xと交差する第2の方向Yに延び、かつ、前記第1の分割用溝と交差する第2の分割用溝を形成し、次に、前記第1の分割用溝に溝形成用刃を押し当てる工程を含む。
上記製造工程によれば、第1の方向Xに延びる第1の分割用溝を形成した後、第1の分割用溝と交差する第2の分割用溝を形成することによって、交差部分において盛り上がった部分を、先に形成された第1の分割用溝に、再度、溝形成用刃を押し当てることにより、押し潰すことができる。このため、この未焼成セラミック基板を焼成した後に分割する際、横分割用溝及び縦分割用溝の交差部においても、分割用溝に沿って、正確に分割できるようになる。
上記3つのプロセスを複数回くりかえしてもよい。また、各プロセスにおいて用いられる溝形成用刃は、同じものであってもよいし、異なっていてもよい。更に、同一のプロセスにおいて、刃先形状の異なる複数種の溝形成用刃を用いてもよい。また、未焼成セラミック基板の表面のみならず、裏面の対応する位置において、上述したプロセスを実行してもよい。
本発明において用いられる未焼成セラミック基板は、LTCC材料であることが好ましい。本発明に係る製造方法は、焼成後に分割することを前提としているからである。LTCC材料の具体例は、セラミックスとガラスとを含有する複合材料である。
本発明に係る製造方法は、好ましくは、ウエハ状のセラミック基板、即ち、第1の分割用溝及び第2の分割用溝によって囲まれた領域内に、素子形成領域を有しており、素子形成領域は、整列された多数の素子を含んでいるタイプのセラミック基板の製造方法に適用される。対象となるセラミック基板には、単層タイプ、多層タイプの何れタイプも含まれる。
以上述べたように、本発明によれば、横分割用溝及び縦分割用溝の交差部においても、溝に沿って、確実に分割できるセラミック基板の製造方法を提供することができる。
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施の形態によって更に詳しく説明する。
図1は本発明に係る製造方法が適用される未焼成セラミック基板の一例を示す平面図、図2は図1に示した未焼成セラミック基板の正面断面図である。
未焼成セラミック基板の主要部分である基体1は、各種のセラミック材料、例えば、誘電体セラミック材料、磁性セラミックなどの材料のほか、セラミック粉末とガラス粉末とを混合したガラスセラミック材料などで構成することができる。本発明において用いられる未焼成セラミック基板は、LTCC材料であることが好ましい。本発明では、焼成後に分割することを前提としているからである。LTCC材料は、既に知られているので、その中から選択使用することができる。一例として、(Sr、Al、Si、B)系ガラス50wt%と、アルミナ50wt5の組み合わせを挙げることができる。未焼成セラミック基板は、単層タイプ、多層タイプの何れでもよい。
基体1の一面上に設定された素子形成領域2は、整列された多数の素子21を含んでおり、素子21のそれぞれは導体パターンを含んでいる。図示の素子形成領域2は、四角形状の領域となっているが、必ずしも、このような形状には限定されない。素子形成領域2の外側には、互いに直交する基板分割線X1、Y1が想定されている。
更に、図1及び図2では、一つの素子形成領域2と、それを囲む4本の基板分割線X1、Y1が示されているだけであるが、一枚の基体1上に多数の素子形成領域2を横縦に並べた形態をとることもあり、このような場合は、基板分割線X1、Y1の本数がそれにつれ増加することはいうまでもない。
次に、図3〜図9を参照し、図1及び図2に示した未焼成セラミック基板に対する分割用溝形成工程を説明する。図3〜図9は、図1及び図2に示した未焼成セラミック基板を部分的に拡大して示す図である。
まず、図3、図4に示すように、未焼成セラミック基板を構成する基体1の一面に、溝形成用刃3を押し当てて、第1の方向Xに延びる第1の分割用溝X11を形成する。溝形成用刃3は、刃先31の先端を、図1において、基板分割線X1に合わせ、図示されていない押圧装置を用いて、適当な押圧力で、予め定められた溝深さとなるように押し付けられる。図示の溝形成用刃3は、ナイフ状刃であり、刃先31が断面三角形状となっているが、このような形状に限定する趣旨ではない。ダイサー等を用いることもできるし、また、図示とは異なって、途中に角度が変化する変曲点を持つような断面多角形状や、一部に円弧状部分を有するような断面形状であってもよい。
次に、図5、図6に示すように、未焼成セラミック基板を構成する基体1の一面に、溝形成用刃3を押し当てて、第1の方向Xと交差する第2の方向Yに延び、かつ、第1の分割用溝X11と交差する第2の分割用溝Y11を形成する。溝形成用刃3は、刃先31の先端を、図1において、基板分割線Y1に合わせた上で、図示されていない押圧装置を用い、適当な押圧力で、第1の分割用溝X11とほぼ同じ深さとなるように押し付けられる。図示の溝形成用刃3は、第1の分割用溝X11を形成するのに用いたものと同じであるが、異なっていてもよい。第1の分割用溝X11を形成する際に用いた溝形成用刃3の場合と同様に、途中に角度が変化する変曲点を持つような断面多角形状や、一部に円弧状部分を有するような断面形状であってもよい。
従来は、上記2つの工程を実行するだけで、分割用溝形成工程を終了し、焼成工程に付していた。ところが、この第2の分割用溝Y11を形成する段階では、既に、第1の分割用溝X11が形成されている。このため、第1の分割用溝X11を形成した後、第1の分割用溝X11と交差する第2の分割用溝Y11を形成した場合、図7にも拡大して示すように、交差部分において、盛り上がった部分11、12が発生する。このため、従来は、横分割用溝(第1の分割用溝)と、縦分割用溝(第2の分割用溝)とが交差する部分で、本来の溝に沿った分割がなされずに、割れや皹が予期せぬ方向に走ってしまい、製品歩留りが著しく低下してしまうという重大な問題があったのである。
そこで、本発明では、図8、図9に示すように、第2の分割用溝Y11を形成した後、先に形成された第1の分割用溝X11に、再度、溝形成用刃3を押し当て、再生された第1の分割用溝X12を得る。これにより、第2の分割用溝Y11を形成することによって、交差部分において盛り上がるように発生した部分11、12が押し潰され、実質的に消滅することになる。このため、未焼成セラミック基板を焼成した後に分割する際、第1の分割用溝(X12)及び第2の分割用溝Y11の交差部においても、これらの分割用溝に沿って、正確に分割できるようになる。
ちなみに、第2の分割用溝Y11を形成して、分割用溝形成工程をストップしていた従来の場合、焼成後の分割工程において、約30%の不良率であったが、本発明の適用により、不良率は零%となり、瞠目すべき工程改善効果が得られた。
再生された第1の分割用溝X12のための溝形成用刃3は、図示では、第1の分割用溝X11を形成するのに用いたものと同じであるが、異なっていてもよい。また、第1の分割用溝X11を形成するために用いられる溝形成用刃3の場合と同様に、途中に角度の異なる変曲点を持つような断面多角形状や、一部に円弧状部分を有するような断面形状であってもよい。
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
本発明に係る製造方法が適用される未焼成セラミック基板の一例を示す平面図である。 図1に示した未焼成セラミック基板の正面断面図である。 図1及び図2に示した未焼成セラミック基板に対する分割用溝形成工程を説明する一部拡大平面図である。 図3の4−4線に沿った断面図である。 図3、図4に示した工程の後の工程を示す一部拡大平面図である。 図5の6−6線に沿った断面図である。 図5、図6の工程を拡大して示す斜視図である。 図5乃至図7に示した工程の後の工程を示す一部拡大平面図である。 図8の9−9線に沿った断面図である。
符号の説明
1 基体
2 素子形成領域
X11、X12 第1の分割用溝
Y11 第2の分割用溝

Claims (3)

  1. セラミック基板の製造方法であって、
    未焼成セラミック基板の少なくとも一面に、溝形成用刃を押し当てて、第1の方向Xに延びる第1の分割用溝を形成し、
    次に、前記未焼成セラミック基板の少なくとも一面に、溝形成用刃を押し当てて、前記第1の方向Xと交差する第2の方向Yに延び、かつ、前記第1の分割用溝と交差する第2の分割用溝を形成し、
    次に、前記第1の分割用溝に溝形成用刃を押し当てる
    工程を含むセラミック基板の製造方法。
  2. 請求項1に記載された製造方法であって、前記未焼成セラミック基板は、低温同時焼成セラミックス材料でなり、セラミックスとガラスとを含有する製造方法。
  3. 請求項1または2に記載された製造方法であって、
    前記第1の分割用溝及び第2の分割用溝によって囲まれた領域内に、素子形成領域を有しており、
    前記素子形成領域は、整列された多数の素子を含んでいる
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010173251A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd 基板ブレーク装置
JP2012035639A (ja) * 2011-11-21 2012-02-23 Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd 基板ブレーク装置及び基板ブレーク方法
JP2012045946A (ja) * 2011-11-21 2012-03-08 Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd 基板ブレーク装置

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