JP2005313156A - 真空維持装置とその真空維持方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 筒内部を負圧として筒外部の混合物質中の所要の成分を筒壁を透過させて分離する透過性成分分離筒状部材の両筒端を塞ぐ真空維持装置の提供。
【解決手段】 真空維持装置は、両筒端に各々装着されて当該筒端を密封する密封具を備え、前記密封具は、筒端に固定される筒端固定部材と当該筒端固定部材に筒軸方向に螺合する螺合部材と、
前記筒端固定部材及び螺合部材と筒端側の筒内周面又は筒外周面との間に形成された還状収納部と、前記還状収納部に嵌合された複数の還状シール部材と、前記還状シール部材間に介在し筒軸方向に摺動自在な還状介在部材とを備え、
前記螺合部材の筒端固定部材へのネジ込みに応じた挟圧で前記還状シール部材を弾性変形させ、筒軸方向にわたって前記還状シール部材の数に相応する複数段のシール部を設けた構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、筒外周面にゼオライト膜が施された透過性成分分離筒状部材の両筒端を塞ぐ真空維持装置とその真空維持方法とに関するもので、筒内部を負圧として筒外部の混合物質中の所要の成分を筒壁を透過させて分離するに当り、当該筒両端の密封に関する。
ゼオライト膜を担持した透過性成分分離筒状部材(以下、筒体ともいう)の化学工業への主な利用形態として、その分離性能に着目した導入・開発が進められており、供給原料として混合物質を用いた場合、その一又は二以上の成分が筒体(筒壁)を透過し、製品を多く含む成分(目的成分)と製品以外の成分(目的外成分)を多く含む成分に分離することが可能となる。
このような例として、エタノール蒸留産業でのエタノールの脱水工程や、レンズや半導体の洗浄に利用されたIPA(イソプロピルアルコール)を主成分とする物質の脱水再生工程が注目されている。
筒体を脱水工程として利用する場合、真空発生手段と係脱自在に適宜接合された筒体の外周面から、真空状態とされた筒体の中空部(筒内部)へ内外圧差による駆動力を利用して、当該中空部へ含水混合物質のうち主成分を水分とする物質(目的外成分)を透過させることにより、含水混合物質の脱水が可能となる。
この場合、筒体の両筒端を塞ぐ密封具において、密封材として従来から樹脂やガラス等が用いられている。
従来から使用されている密封材としての樹脂やガラス等は、熱及び溶剤において一定の耐久性を有するものが少なくないが、弾性がないか若しくは非常に少ないこと、密封材と筒体との接着に用いる接着剤成分の溶出による悪影響、密封作業に比較的期間を要す及び/又は一定の技術習得が必要であること等が、筒体を含む装置全体の稼動運転の際に大きな支障となっていた。
密封材として樹脂やガラス等を用いる場合、通常当該密封材は弾性を有しないため振動吸収機能を有さず、筒体を装置の要素として含む工程の非定常状態(通常装置の運転開始から定常状態に達するまでの一定期間における不安定な状態)において、いわゆるウォータハンマによる衝撃により筒体やその密封材に破損や変形を生じることが少なくなかった。
又、ゼオライトは600℃前後でその骨格構造が変形して本来有する物質分離能力を著しく失うことが認められているため、密封材としてガラスを使用する場合には、600℃以下でガラスを軟化して密封する必要性があり、この場合には現状では酸化鉛を相当含むガラスを使用せざるを得ず、このような酸化鉛を含む密封材で密封した筒体を含む工程では、鉛成分が経口的に利用する製品へ溶出することによる人体への悪影響、経口以外の製品への利用においても環境への悪影響が懸念された。
一方、筒体の分離機能が密封材の密封機能より前に失われる場合(例えば、外部に存在する混合物質に微細浮遊物質が含まれる場合や、筒体の細孔に当該浮遊物質が詰まり分離機能を著しく失わせる場合等)やウォータハンマによる衝撃により筒体が破損した場合において、樹脂やガラスを密封材としたときには、筒体、密封材、密封具を分離した後に、当該密封具を再度利用することが難しく、従って、筒体、密封材、密封具を一組として取り替えねばならず、結果として充分な機能を有する筒体や密封具をも取り替えることとなって、コスト的無駄が生じていた。
このような状況において、長期の耐久性を有すると共に、一定の振動吸収機能を有し、密封材起因の有害物質の製品への溶出懸念が解消でき、更には、筒体及び当該筒体の両端を塞ぐ密封具等を一組として取り替える必要性がない装置、即ち、筒体の両端を密封する真空維持装置の提供が重要な課題となっている。
特に、供給原料としてエタノールやIPA(イソプロピルアルコール)のような低級アルコールを含む混合物質の脱水分離工程の管理温度(120℃前後で他の高分子供給原料の場合に比べ低温)においては、その管理温度における耐熱性を勘案すると密封材として樹脂やガラス等を用いる必然性は少なく、このような前提において従来技術の樹脂やガラス等の使用で生じる前記諸問題を解決すること、及び密封材として最も重要な要件である長期の耐久性を有する真空維持装置及び真空維持方法の開発が嘱望されている。
本発明は、前記課題の解決を目的として成されたものである。
即ち、請求項1の発明は、筒内部を負圧として筒外部の混合物質中の所要の成分を筒壁を透過させて分離する透過性成分分離筒状部材の両筒端を塞ぐ真空維持装置において、前記真空維持装置は、両筒端に各々装着されて当該筒端を密封する密封具を備え、
前記密封具は、筒端に固定される筒端固定部材と当該筒端固定部材に筒軸方向に螺合する螺合部材と、前記筒端固定部材及び螺合部材と筒端側の筒内周面又は筒外周面との間に形成された還状収納部と、前記還状収納部に嵌合された複数の還状シール部材と、前記還状シール部材間に介在し筒軸方向に摺動自在な還状介在部材とを備え、
前記螺合部材の筒端固定部材へのネジ込みに応じた挟圧で前記還状シール部材を弾性変形させ、筒軸方向にわたって前記還状シール部材の数に相応する複数段のシール部を設けたことを特徴とする。
又、請求項2の発明は、筒内部を負圧として筒外部の混合物質中の所要の成分を筒壁を透過させて分離する透過性成分分離筒状部材の両筒端を塞ぐ真空維持装置において、前記真空維持装置は、両筒端に各々装着されて当該筒端を密封する密封具を備え、前記密封具は、筒端に固定される筒端固定部材と当該筒端固定部材に筒軸方向に螺合する螺合部材と、前記筒端固定部材及び螺合部材と筒端側の筒内周面又は筒外周面との間に形成された還状収納部と、前記還状収納部に嵌合された単一の還状シール部材とを備え、
前記螺合部材の筒端固定部材へのネジ込みに応じた挟圧で前記還状シール部材を弾性変形させてシール部を設けると共に、少なくとも当該環状シール部材が接する筒内周面に不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の真空維持装置において、両筒端に各々装着された密封具の双方又は少なくとも一方は、混合物質の容器壁面に係脱自在に固着され、且つ容器壁面に固着された密封具を貫通して容器外に透過させた成分を取り出す流出路が形成されたことを特徴とする。
又、請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の真空維持装置において、筒端固定部材には筒軸方向に貫通ネジ穴を形成し、螺合部材には、筒内から筒端外に向けて前記貫通ネジ穴にネジ込まれた当該螺合部材の筒内側の外周面に、単一の還状シール部材又は筒端方向に向けて複数の環状シール部材からなる還状シール部材群、を押す段差面を有する段差部を形成すると共に、当該段差部の低周面が前記貫通ネジ穴に嵌入可能に形成し、前記段差面と低周面と前記段差面に相対する筒端固定部材の筒内側端面とで、凹部の開放側が筒内周面側に向いた断面凹状の還状収納部を設けたことを特徴とする。
又、請求項5の発明は、請求項4に記載の真空維持装置において、還状収納部の低周面に、単一の還状シール部材、又は、複数の還状シール部材及び還状介在部材からなる環状シール部材群を設けたことを特徴とする。
又、請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の真空維持装置において、螺合部材の筒端側端面には、筒端外側から当該螺合部材をネジ回す回し手段が係合する係合手段を設けたことを特徴とする。
又、請求項7の発明は、請求項6に記載の真空維持装置において、係合手段は回し手段の差込側先端部と係脱自在な構成であることを特徴とする。
又、請求項8の発明は、請求項2乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置において、筒端から単一の還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項9の発明は、請求項2乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置において、筒端面及び当該筒端面に連続して単一の還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項10の発明は、請求項2乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置において、筒端から単一の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項11の発明は、請求項2乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置において、筒端面に連続して単一の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項12の発明は、請求項1、請求項3乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置において、筒端から、少なくとも複数段の、筒奥に向けて設けられた還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項13の発明は、請求項1、請求項3乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置において、筒端面及び当該筒端面に連続して、少なくとも複数段の、筒奥に向けて設けられた還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項14の発明は、請求項1、請求項3乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置において、筒端から最奥に設けられた還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項15の発明は、請求項1、請求項3乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置において、筒端面及び当該筒端面に連続して最奥に設けられた還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項16の発明は、請求項12乃至請求項15の何れかに記載の真空維持装置において、筒端から、筒内に設けられた少なくとも最も筒端側の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項17の発明は、請求項12乃至請求項15の何れかに記載の真空維持装置において、筒端面に連続して、筒内に設けられた少なくとも最も筒端側の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項18の発明は、請求項12乃至請求項15の何れかに記載の真空維持装置において、筒端から、筒内に設けられた最奥の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項19の発明は、請求項12乃至請求項15の何れかに記載の真空維持装置において、筒端面に連続して、筒内に設けられた最奥の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする。
又、請求項20の発明は、請求項2乃至請求項19の何れかに記載の真空維持装置において、不透過処理は釉薬シール処理であることを特徴とする。
又、請求項21の発明は、請求項20に記載の真空維持装置において、釉薬シール処理は、釉薬と水との混合スラリーを筒体の所要部分に施した後、所定温度で溶融処理することを特徴とする。
又、請求項22の発明は、請求項20又は請求項21に記載の真空維持装置において、釉薬は、アルカリ性の媒溶剤と、溶け過ぎを抑制する珪酸と、素地への密着性を高めるカオリンとを含むことを特徴とする。
又、請求項23の発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の真空維持装置において、筒端固定部材には筒端側の筒外周面を覆う筒外周覆い部と当該筒外周覆い部と連続して筒端側を覆う冠状部とを形成し、螺合部材には筒端が嵌入する貫通穴を形成すると共に、当該貫通穴を介して筒中央側に嵌挿された螺合部材が前記筒外周覆い部の内周面と螺合しつつ当該筒外周覆い部と筒外周面との還状間隙に進退自在に形成して、前記筒端固定部材の筒外周覆い部及び冠状部と螺合部材の進入側端面とで、凹部の開放側が筒外周面側に向いた断面凹状の還状収納部を設けたことを特徴とする。
又、請求項24の発明は、請求項23に記載の真空維持装置において、還状収納部の筒外周面に、還状シール部材及び還状介在部材からなる環状シール部材群を設けたことを特徴とする。
又、請求項25の発明は、請求項23又は請求項24に記載の真空維持装置において、螺合部材の筒中央側端部外周面には、筒外から当該螺合部材をネジ回す回し手段が係合する係合手段を設けたことを特徴とする。
又、請求項26の発明は、請求項25に記載の真空維持装置において、係合手段は、回し手段の少なくとも一部が係合するナット形状であることを特徴とする。
又、請求項27の発明は、請求項1乃至請求項26の何れかに記載の真空維持装置において、透過性成分分離筒状部材は多孔質素材で形成されたことを特徴とする。
又、請求項28の発明は、請求項1乃至請求項27の何れかに記載の真空維持装置において、透過性成分分離筒状部材は筒外周面にゼオライト膜が施されたことを特徴とする。
又、請求項29の発明は、請求項1、請求項3乃至請求項7、請求項12乃至請求項28の何れかに記載の真空維持装置において、還状シール部材と還状介在部材とは、環状シール部材が少なくとも両端に位置するよう交互に配設されたことを特徴とする。
又、請求項30の発明は、請求項1乃至請求項29の何れかに記載の真空維持装置において、環状シール部材はOリング又はその他の還状に形成された変形復元自在な有弾性部材であることを特徴とする。
又、請求項31の発明は、請求項1、請求項3乃至請求項7、請求項12乃至請求項30の何れかに記載の真空維持装置において、還状介在部材は還状に形成された金属部材又はその他の変形し難い硬質部材であることを特徴とする。
又、請求項32の発明は、筒内部を負圧として筒外部の混合物質中の所要の成分を筒壁を透過させて分離する透過性成分分離筒状部材の両筒端を塞ぐ真空維持装置の真空維持方法において、前記真空維持装置は、前記両筒端に各々装着されて当該筒端を密封する密封具を備え、前記密封具は、筒端に固定される筒端固定部材と当該筒端固定部材に筒軸方向に螺合する螺合部材と、前記筒端固定部材及び螺合部材と筒端側の筒内周面又は筒外周面との間に形成された還状収納部と、前記還状収納部に嵌合された複数の還状シール部材と、前記還状シール部材間に介在し筒軸方向に摺動自在な還状介在部材とを備え、
前記螺合部材の筒端固定部材へのネジ込みに応じた挟圧で前記還状シール部材を弾性変形させ、筒軸方向にわたって前記還状シール部材の数に相応する複数段のシール部を設けて、
何れか一段或いは数段のシール部がシール機能不全になっても残る少なくとも一段のシール部によってシール機能を維持させ、或いは、更なるネジ込みにより、残る少なくとも一段のシール部によってシール機能を維持させることを特徴とする。
又、請求項33の発明は、筒内部を負圧として筒外部の混合物質中の所要の成分を筒壁を透過させて分離する透過性成分分離筒状部材の両筒端を塞ぐ真空維持装置の真空維持方法において、前記真空維持装置は、前記両筒端に各々装着されて当該筒端を密封する密封具を備え、前記密封具は、筒端に固定される筒端固定部材と当該筒端固定部材に筒軸方向に螺合する螺合部材と、前記筒端固定部材及び螺合部材と筒端側の筒内周面又は筒外周面との間に形成された還状収納部と、前記還状収納部に嵌合された単一の還状シール部材とを備え、
前記螺合部材の筒端固定部材へのネジ込みに応じた挟圧で前記還状シール部材を弾性変形させてシール部を設けると共に、少なくとも当該環状シール部材が接する筒内周面に不透過処理を施し、一段のシール部によってシール機能を維持させることを特徴とする。
請求項1及び請求項33の各発明によれば、何れも、弾性を有する還状シール部材を用いることによって、従来の真空維持手段に比較し、振動吸収機能が向上し、ウォータハンマによる衝撃により筒体と密封具との接合部や密封材としての還状シール部材に破損や変形を生じる可能性を極めて少なくすることができと共に、筒体と密封具を一組として取り替える必要性がなく、耐久性を勘案して、例えば筒体や還状シール部材ごとの更新が可能となり、結果的に費用及び労力の無駄を大きく省くことができる。
又、混合物質に対して最適の耐熱及び耐薬剤性を有する還状シール部材を選択的にシール部材として採用することができ、既存の筒体や還状シール部材を除く真空維持装置をそのまま継続して使用することができる。
又、従来用いられてきた接着剤を用いる必要がないので、接着剤起因の有害物質の製品への溶出懸念を解消することができる。
請求項1、請求項3乃至請求項7、請求項12乃至請求項32の各発明によれば、何れも、筒体(透過性成分分離筒状部材)の両端の何れにおいても、二以上の還状シール部材が筒軸方向に配設されているので、混合物質に直接接触する一次還状シール部材から直接には接触し難い二次から最終次の還状シール部材に至るまで順次、前次の還状シール部材の腐食等によるシール機能不全によって後次の還状シール部材が接触していくこととなって、後次の還状シール部材が前次の還状シール部材のバックアップ機能を有することとなり、極めて長期間の耐久性をその構造上維持することが可能となる。
又、外部からの簡単な「ネジ締め」により、複数の還状シール部材を各々個別に圧縮することができるので、筒体周面と密封具との還状隙間を適正に密封するために、予め「ネジ締め」のトルク(回転力)による真空維持状態を確認して、密封耐久性のあるトルクを決定(以下「決定トルク」と言う。)しておくことにより、その後において決定トルクの「ネジ締め」を行えば適正な密封を、従来に較べて容易且つ迅速に行うことができる。
請求項2、請求項5乃至請求項11、請求項33の各発明によれば、何れも、
環状シール部材が接する筒内周面に不透過処理を施すことによって、単一の環状シール部材を用いた一段のシール部であっても、多段の場合と同様に、従来に較べて、長期の耐久性を有すると共に、一定の振動吸収機能を有し、密封材起因の有害物質の製品への溶出懸念が解消でき、更には、筒体及び当該筒体の両端を塞ぐ密封具等を一組として取り替える必要性がない真空維持装置を提供することができる。
以下、本発明を、エタノール蒸留産業の含水エタノールの脱水に適用した形態を例にして説明する。
この含水エタノールはエタノール、水を必須成分とし、その他のメチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アセトアルデヒド等を任意成分とする混合物質である。
実施例は次の5例である。
実施例1は還状シール部材として二つのOリングを筒体(透過性成分分離筒状部材)の筒内周面側に配設した内側密封方式、即ち栓型の真空維持装置、実施例2は三つのOリングによる内側密封方式、即ち栓型の真空維持装置、実施例3は二つのOリングを筒体の筒外周面側に配設した外側密封方式、即ち蓋型の真空維持装置、実施例4は三つのOリングによる外側密封方式、即ち蓋型の真空維持装置である。
実施例5は、ゼオライト膜が施されていない筒体の筒端面や筒内周面や筒外周面の所要部分等に、透過性成分の透過を防ぐ不透過処理を施すことによって、本発明の真空維持装置の実効性を高めた例である。
以下、実施例1の、還状シール部材として二つのOリングを筒体の筒内周面側に配設した内側密封方式(栓型)の真空維持装置を、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1は筒体に装着された真空維持装置の縦断側面図、図2は真空維持装置を分解した状態の縦断側面図、図3は真空維持装置を構成する一方の密封具の縦断側面図、図4は真空維持装置を構成する他方の密封具の縦断側面図である。
実施例1の真空維持装置は、当該真空維持装置の密封具の一方である筒端固定部材に筒軸方向の貫通ネジ穴を設けた構成とし、密封具の他方である螺合部材に、筒内から筒端外に向けて前記貫通ネジ穴にネジ込まれて当該螺合部材の筒内側の外周面に筒端方向に向けて複数の環状シール部材からなる還状シール部材群を押す段差面を有する段差部を設けた構成とすると共に、当該段差部の低周面が前記貫通ネジ穴に嵌入可能に形成し、前記段差面と低周面と前記段差面に相対する筒端固定部材の筒内側端面とで、凹部の開放側が筒内周面側に向いた断面凹状の還状収納部を設けた構成としたものである。以下、これを詳述する。
図1において、符号1は透過性成分分離筒状部材(筒体)、2は混合物質の容器壁面、3は当該容器の外部に設置された真空発生手段、10は真空維持装置である。
筒体1は、真空発生手段3によって中空部の筒内部4が負圧とされると、筒外部の混合物質(図示せず)中の所要の成分即ち目的成分を筒壁を透過させて分離する機能を備えている。このような筒体1としては、例えば、筒外周表面にゼオライト膜が施された多孔質素材を用いる。尚、ゼオライト膜が施された筒体については後述する。
真空維持装置10は、筒内部4の真空を維持させるため両筒端を密封する一対の密封具20、30を備えており、これ等の密封具20、30は両筒端に各々着脱自在に装着されている。
この実施例1では、図示のように、両筒端に各々装着された密封具20、30のうちの一方の密封具20が、混合物質の容器壁面2に係脱自在に固着され、且つ容器壁面2に固着された密封具20を貫通して容器外へと、筒内部4に透過した目的成分を容器の外部に取り出すための流出路5が形成されている。
尚、これらの密封具20、30や後述の金属リング41aの材質は耐薬剤性や耐熱性を勘案するとステンレス鋼が好適である。
又、図示はしていないが、双方の密封具20、30を各々容器壁面に固着して各々に同様の流出路を形成してもよい。この場合には、図1における符号30で示された密封具が符号20の密封具となる。
実施例1に示す密封具20、30は、各々、筒端に固定される筒端固定部材21、31と、当該筒端固定部材21、31に対して筒軸方向に螺合する螺合部材22、32とを備えており、螺合部材22、32は、筒端固定部材21、31に形成された筒軸方向の貫通ネジ穴に対して筒内から筒端外に向けて、進退自在にネジ込まれている。
尚、螺合部材22、23の筒端側端面には、筒端外側から当該螺合部材22、32をネジ回すことができる回し手段として、例えばマイナスドライバー(図示せず)が係脱自在に係合する係合手段23、33が設けられている。
この係合手段23、33は、マイナスドライバー様のもので無ければ図示のような凹部に限らず凸部であってもよく、要は、回し手段の差込側先端部と係脱自在に係合する相補形状を持つ構成であればよい。
螺合部材22、32には、ネジ込み方向後端側に筒体1の内径に相応する大径部としての頭部24、34が形成され、当該頭部24、34のネジ込み方向先端側に段差(以下、段差部ともいう)を以って形成された小径部としての低周面25、35が筒端固定部材21、31の貫通ネジ穴に嵌入可能に形成されている。
こうして、前記段差部の段差面26、36と低周面25、35と前記段差面26、36に相対する筒端固定部材21、31の筒内側端面28、38とで、螺合部材22、32の外周面に、換言すれば、筒端固定部材21、31及び螺合部材22、32と筒端側の筒内周面との間に、断面凹状の凹部(当該凹部の底が低周面25、35)の開放側が筒内周面側に向いた還状収納部29、39が設けられている。
この還状収納部29、39には、弾性を有する還状シール部材40としてのOリングが二つ(40a、40b)と、この二つのOリング40a、40b間に介在させた還状介在部材41としての金属リング41aが低周面25、35に嵌合され、そのうち少なくとも金属リング41は筒軸方向に容易に摺動自在に嵌合されている。
従って、螺合部材22、32の筒端固定部材21、31へのネジ込みに応じた挟圧で、筒端方向に向けて、間に還状介在部材41を介在させた複数の環状シール部材40(Oリング40a、40b)からなる還状シール部材群を筒軸方向の両側から押すことで、複数の還状シール部材40(40a、40b)を各々弾性変形させることができ、筒軸方向にわたって還状シール部材40としてのOリング40a、40bの数に相応する複数段のシール部を設けることができる。
即ち、螺合部材22、32を筒端固定部材21、31にネジ込むと、二つのOリング40a、40b及びその二つのOリング40a、40bの間に介在する金属リング41aが筒軸方向にスライドして、二つのOリング40a、40bにより、筒内周面と螺合部材22、32の外周面(具体的には低周面)との間の還状間隙が、筒中央側から左右の筒端側に向かって2箇所で、順次的に密封されることになる(真空維持機能)。
この真空維持機能を、筒体1の外部に存在する混合物質としての含水エタノールの一又は二以上の水を主成分とする何れかの成分を、筒体1の外部から内部に透過させる工程を継続して行う過程を維持する場合を例にして、次に説明する。
先ず、本過程の最初において、初めに含水アルコールと接触するのは筒中央側に位置するOリング40a、40a(以下、一次Oリング或いは一次還状シール部材ともいう。)である。
筒体1の両端の何れか一方又は双方において、この一次Oリング40a、40aが本過程の経過により例えば腐蝕してシール機能不全に陥ると、残る一つの、即ち筒端側にあるOリング40b、40b(以下、二次Oリングともいう)が含水エタノールに接触してこれをシールし、引き続き本過程の真空状態を維持する。
このように、二次Oリング40b、40bは一次Oリング40a、40aのいわゆるバックアップ機能を果たすことになるので、結果的に本過程における真空状態中断させることなく長期にわたって維持させることができる。
Oリング40a、40bの圧縮密封は、筒端固定部材21、31と可動部材である螺合部材22、32との組合せによる当該螺合部材22、32の移動即ちネジ込み量に応じた還状収納部29、39の軸方向長さ間隔幅の調整で加減できる。
具体的には、螺合部材22、32の係合部23、33に回し手段としてのマイナスドライバー(図示せず)を挿入し、「ネジ締め」の原理により嵌合収納部29、39の軸方向長さ間隔幅を狭くすることにより、金属リング41aを中にして左右のOリング(40a、40b及び40a、40b)が圧縮され、変形する。
従って、筒内周面と螺合部材(の低周面)との還状間隙を適正に密封するためには、予め「ネジ締め」のトルク(回転力)による真空維持状態を確認して、密封耐久性のあるトルクを決定(以下「決定トルク」と言う。)しておけば、その後において決定トルクの「ネジ締め」を行うことにより、容易且つ迅速に適正な密封が可能となる。
次に、実施例2の、還状シール部材として三つのOリングを筒体の筒内周面側に配設した内側密封方式(栓型)の真空維持装置を、図5乃至図8に基づいて説明する。
図5は筒体に装着された真空維持装置の縦断側面図、図6は真空維持装置を分解した状態の縦断側面図、図7は真空維持装置を構成する一方の密封具の縦断側面図、図8は真空維持装置を構成する他方の密封具の縦断側面図である。
尚、図において、上記実施例1及び図1乃至図4に用いた符号と同じ符号は実質的に同内容であるので説明を省略する。
実施例2の構成は、実施例1における還状収納部29、39の軸方向長さ間隔幅を長くして、この還状収納部29、39に二つのOリング即ち一次Oリング40a、二次Oリング40bに加え、更に三次Oリング40cを金属リング41bを介して配設した構成としたものあり、その他の構成及び作用は実施例1と実質的に同様である。
即ち、上記実施例1において説明した本過程において、この実施例2でも、初めに含水アルコールと接触するのは筒中央側に位置する一次Oリング40a、40aであり、筒体1の両端の何れか一方又は双方において、この一次Oリング40a、40aが本過程の経過により例えば腐蝕してシール機能不全に陥ると、次に位置する二次Oリング40b、40bが含水エタノールに接触してこれをシールして引き続き本過程の真空状態を維持し、更に、この二次Oリング40b、40bが腐蝕してシール機能不全に陥ると、最後に位置する三次Oリング40c、40cが含水エタノールに接触してこれをシールして引き続き本過程の真空状態を維持する。
このように、二次Oリング40b、40bは一次Oリング40a、40aの、三次リング40c、40cは二次Oリング40b、40bのいわゆるバックアップ機能を順次的に果たすことになるので、結果的に上記実施例1に較べて本過程における真空状態を中断させることなく更に長期にわたって維持させることができる。
本発明に係る上記実施例1及び2の内側密封方式の栓型の真空維持装置によれば、還状収納部29、39の軸方向長さ間隔幅を更に長く形成して、この還状収納部29、39に、四つ以上のOリングを金属リング(41aや41b)を介して交互に配設した構成とすることによって、更に長々期にわたって本過程の真空状態を中断することなく維持させることができる。
次に、実施例3の、還状シール部材として二つのOリングを筒体の外周面側に配設した外側密封方式(蓋型)の真空維持装置を、図9乃至図12に基づいて説明する。
図9は筒体に装着された真空維持装置の縦断側面図、図10は真空維持装置を分解した状態の縦断側面図、図11は真空維持装置を構成する一方の密封具の縦断側面図、図12は真空維持装置を構成する他方の密封具の縦断側面図である。
実施例3の真空維持装置は、当該真空維持装置を構成する一方の密封具である筒端固定部材を、筒端側の筒外周面を覆う筒外周覆い部と当該筒外周覆い部と連続して筒端側を覆う冠状部とを備えた構成とし、他方の密封具である螺合部材に設けられた貫通穴に筒端が嵌入する構成として、貫通穴を介して筒中央側に嵌挿された螺合部材を筒外周覆い部の内周面と螺合させつつ、当該筒外周覆い部と筒外周面との還状間隙に進退自在にネジ込み可能にすると共に、前記筒端固定部材の筒外周覆い部及び冠状部と螺合部材の進入側端面とで、凹部の開放側が筒外周面側に向いた断面凹状の還状収納部を設けた構成としたものである。以下、これを詳述する。
尚、上記実施例1乃至2及び図1乃至図8に用いた符号と同じ符号は実質的に同内容であるので説明を省略する。
図9において、真空維持装置100は、筒内部4の真空を維持させるため両筒端を密封する一対の密封具200、300を備え、これ等の密封具200、300は両筒端に各々着脱自在に装着されている。
この実施例2では、図示のように、両筒端に各々装着された密封具200、300のうちの一方の密封具200は、混合物質の容器壁面2に係脱自在に固着され、且つ容器壁面2に固着された密封具200を貫通して容器外へと、透過成分即ち筒壁を透過した目的成分を取り出す流出路5が形成されている。
しかし、上記実施例1及び2と同様に、これに限らず、図示はしていないが、双方の密封具200、300を各々容器壁面2に固着して同様の流出路(図示せず)を各々に形成してもよい。
実施例3に示す密封具200、300は、両筒端に固定される筒端固定部材210、310と当該筒端固定部材210、310に対して筒軸方向に螺合する螺合部材220、320とを、上記実施例1及び2と同様に備えているが、具体的構成において、筒端固定部材210、310では、筒端側の筒外周面を覆う筒外周覆い部211、311と当該筒外周覆い部211、311と連続して筒端側を覆う冠状部212、312とを備えた構成としたことが異なる。
又、螺合部材220、320では、筒端が嵌入する貫通穴221、321を備えた筒型の構成とし、当該貫通穴221、321を介して、螺合部材220、320を筒中央側に嵌挿した状態から筒端側に向けて、筒外周覆い部211、311の内周面と螺合部材220、320の外周面とを螺合させつつ、当該筒外周覆い部211、311と筒外周面との還状間隙に、螺合部材220、320の筒端側を進退自在にネジ込み可能にした構成が異なる。
そして更に、還状収納部290、390が、筒端固定部材210、310の筒外周覆い部211、311及び冠状部212、312と螺合部材220、320のネジ込み側先端面とで、凹部の開放側が筒外周面側に向いた断面凹状にされた構成で異なる。
即ち、この還状収納部290、390は、螺合部材220、320のネジ込み先端側端面と当該ネジ込み先端側端面に相対する筒端固定部材210、310の冠状部212、312の内面と筒端固定部材210、310の筒端覆い部211、311の内面とで構成されている。
この還状収納部290、390には、上記実施例1と同様に、還状シール部材40としてのOリングが二つ(40a、40b)と、この二つのOリング40a、40b間に介在させた還状介在部材41としての金属リング41aが、筒外周面に嵌合され(嵌合が筒外周面であることは上記実施例1及び2とことなる)、そのうち少なくとも金属リング41aは筒軸方向に容易に摺動自在に嵌合されている。
従って、上記実施例1及び2と同様に、螺合部材220、320の筒端固定部材210、310へのネジ込みに応じた挟圧で、筒端方向に向けて、間に還状介在部材41(金属リング41a)を介在させた複数の環状シール部材40(Oリング40a、40b)からなる還状シール部材群を押すことで、各還状シール部材40を弾性変形させることができ、筒軸方向にわたって還状シール部材としてのOリング40a、40bの数に相応する複数段のシール部を設けることができる。
尚、螺合部材220、230の筒端固定部材210、310へのネジ込みは、
ネジ込み方向後端側の螺合部材220、230の筒中央側端部外周面に、筒外から当該螺合部材220、230をネジ回す回し手段(図示せず)が係合する係合手段として、回し手段の少なくとも一部が係合する、例えばナット形状等(図示せず)としておけばよい。この係合手段も実施例1及び2とは異なる。
上記実施例1において説明した本過程を例にして説明すれば、この実施例3においても、先ず、本過程の最初において、初めに含水アルコールと接触するのは筒中央側に位置するOリング40a、40a(以下、一次Oリングともいう。)であり、筒体1の両端の何れか一方又は双方において、この一次Oリング40a、40aが本過程の経過により例えば腐蝕してシール機能不全に陥ると、残る一つのOリング40b、40b(以下、二次Oリングともいう)が含水エタノールに接触してこれをシールし、引き続き本過程の真空状態を維持する。
このように、二次Oリング40b、40bは一次Oリング40a、40aのいわゆるバックアップ機能を果たすことになるので、結果的に本過程における真空状態中断させることなく長期にわたって維持させることができる。
Oリング40a、40bの圧縮密封は、上記実施例1及び2と同様に、筒端固定部材210、310と可動部材である螺合部材220、320との組合せによる当該螺合部材220、320の移動即ちネジ込み量に応じた還状収納部290、390の軸方向長さ間隔幅の調整で加減できる。
従って、具体的には、螺合部材220、320の係合部23、33に回し手段としてのマイナスドライバー(図示せず)を挿入し、「ネジ締め」の原理により嵌合収納部29、39の軸方向長さ間隔幅を狭くすることにより、金属リング41aを中にして左右のOリング(40a、40b及び40a、40b)が圧縮され、変形する。
従って、又、上記実施例1及び2と同様に、筒内周面と螺合部材(の低周面)との還状間隙を適正に密封するために、予め「ネジ締め」のトルク(回転力)による真空維持状態を確認して、密封耐久性のあるトルクを決定(以下「決定トルク」と言う。)しておけば、その後において決定トルクの「ネジ締め」を行うことにより、容易且つ迅速に適正な密封が可能となる。
次に、実施例4の、還状シール部材として三つのOリングを筒体の筒外周面側に配設した外側密封方式(蓋型)の真空維持装置を、図13乃至図16に基づいて説明する。
図13は筒体に装着された真空維持装置の縦断側面図、図14は真空維持装置を分解した状態の縦断側面図、図15は真空維持装置を構成する一方の密封具の縦断側面図、図16は真空維持装置を構成する他方の密封具の縦断側面図である。
尚、図において、上記実施例1乃至3及び図1乃至図12に用いた符号と同じ符号は実質的に同内容であるので説明を省略する。
実施例4の構成は、実施例3における還状収納部290、390の軸方向長さ間隔幅を長く形成して、この還状収納部290、390に二つのOリング即ち一次Oリング40a、二次Oリング40bに加え、更に三次Oリング40cを金属リング41bを介して配設した構成としたものある。
その他の構成及び作用は実施例1乃至3と実質的に同様である。
上記実施例1において説明した本過程を例にして説明すれば、この実施例4においても、初めに含水アルコールと接触するのは筒中央側に位置する一次Oリング40a、40aであり、筒体1の両端の何れか一方又は双方において、この一次Oリング40a、40aが本過程の経過により例えば腐蝕してシール機能不全に陥ると、次に位置する二次Oリング40b、40bが含水エタノールに接触してこれをシールして引き続き本過程の真空状態を維持し、この二次Oリング40b、40bが腐蝕してシール機能不全に陥ると、最後に位置する三次Oリング40c、40cが含水エタノールに接触してこれをシールして引き続き本過程の真空状態を維持する。
このように、上記実施例3と同様に、二次Oリング40b、40bは一次Oリング40a、40aの、三次リング40c、40cは二次Oリング40b、40bのいわゆるバックアップ機能を順次果たすことになるので、結果的に上記実施例3に較べて本過程における真空状態を中断させることなく更に長期にわたって維持させることができる。
上記実施例1乃至4の真空維持装置によれば、筒体1の両端の何れにおいても、二以上の環状シール部材即ち複数のOリングが一次Oリングから最終次Oリングに至るまで順次、前次Oリングの腐食により後次Oリングが外部に存在する物質と接触することとなり、後次Oリングが前次Oリングのバックアップ機能を有することなり、極めて長期間の耐久性をその構造上維持することが可能となる。
尚、二以上のOリングとは、実際の利用においては具体的に三つのOリングや四つのOリングを用いて構成することも可能であり、この場合、二つのOリングを用いて構成した場合に比較して、当然のことながら長期の耐久性を有することなる。
又、ガラス及び樹脂に比較して、Oリングが一定の弾性を有するため振動吸収機能が向上し、ウォータハンマによる衝撃により筒体や密封具の筒端固定部材や螺合部材やOリング等に破損や変形を生じる可能性を極めて少なくすることができると共に、筒体と真空維持装置とを一組として取り替えを行う必要性を要しないため、耐久性を勘案し、例えばOリングや筒体ごとの更新が可能となり、結果的に費用又は労力の無駄を大きく省くことができる。
又、耐熱及び耐薬剤性を有するOリングを環状シール部材として本発明の真空維持装置に使用することにより、シール部材(密封材)起因の有害物質の製品への溶出懸念が解消することとなる。
実施例5は、上記実施例1及び2において、栓型の真空維持装置10が装着される筒体(透過性成分分離部材)1の改良に関するもので、ゼオライト膜が施されていない筒体の部分、例えば、筒端面及び当該筒端面に連続して少なくとも複数段の筒奥に向けて設けられた還状シール部材群のうち最奥に設けられた環状シール部材が接するまでの筒内周面側或いは最奥に位置する環状シール部材に対応する筒外周面側に、透過性成分の透過を防ぐ不透過処理を施すことによって、本発明の真空維持装置の実効性を高めたものである。
以下、図17乃至図19に基づいてこれを説明する。
図17は筒外周面にのみゼオライト膜が施された構成の説明図、図18は筒外周面から筒端面を経て筒内部側にまでゼオライト膜が施された構成の説明図、図19は不透過処理が施された構成の説明図である。
尚、図17乃至図19においては、何れも作図の都合上、一つの環状シール部材(一次Oリング40a)と一つの還状介在部材(金属リング41a)を示し、他の環状シール部材即ち二次Oリング40b)以下を省略している。
図17において、図中の矢印で示すように、ゼオライト膜6が筒の外周面(筒外周面)に施されただけの筒体1では、ゼオライト膜1を透過しない成分即ち分離目的成分ではない混合物質中の成分(以下、目的外成分ともいう)が、ゼオライト膜6が施されていない筒端面やエッジ部(図中の丸印で示す)から筒壁内に浸透し、筒壁内を通って(還状シール部材40としてのOリング40aを超えて)、筒内部4に浸透する虞があり、ゼオライト膜6を経ない目的外成分の浸透(リーク)は、当然のことながら、目的成分の精製度の低下を招き、製品品質を劣化させる、という問題がある。
図18は、前記問題を解消するための一手段として、筒外周面から筒端面を経て、筒端側の筒内部側にまでゼオライト膜6を一連に施した構成としたものである。
筒内部側に施されるゼオライト膜6は、筒端側から最奥に位置する最終次Oリング(図示せず)を越えて製膜することが好ましい。この場合、筒壁の筒端側を予め曲面化、例えば図示のように筒壁の端を断面U字状に曲面化しておく方が製膜し易い。
このように製膜することにより、ゼオライト膜6を経ない目的外成分の浸透(リーク)を防ぐことができる。
しかし、このような製膜は、技術的には可能であるが、加工の手間が掛かる上に歩留まりが悪いため、現状の製膜設備での工業化では経済的でなく、問題がある。
図19は、更にこの問題を解消するため、目的外成分が浸透する虞のある筒端面及び筒端側の筒内周面或いは更に筒外周面にわたって、目的及び目的外を問わず、不透過処理を施した構成としたものである。
図示の例では、筒外周面から筒端面を経て筒内部側の最奥に位置する還状リング部材としてのOリング(最終次Oリング)が接している部位に対応するまでの筒内周面に不透過処理7を一連に施した構成としてある。
しかし、この例に限らず、必ずしも筒端側の筒外周面側からの必要はなく、例えば図示されていないが、ゼオライト膜が筒外周面の筒端にまで施されている場合には筒端面及筒端面から連続的に筒内部側即ち所要の筒内周面にかけて不透過処理7を施せばよいし、混合物質の成分如何によっては、単に、筒端から筒内周面、或いは、少なくとも、環状シール部材としてのOリングが接する筒内周面の部分に適宜不透過処理7を施すだけでもよい。
又、筒端側の筒外周面に対する不透過処理は、目的外成分の浸透防止の目的に応じて、例えば、筒端面から図示のように連続して、或いは理想的には筒端から筒内に設けられた最奥の還状シール部材(図示せず)に対応するまでの筒外周面に、不透過処理7を施すとよい。
尚、図18で説明したように、この場合、筒壁の筒端側を予め曲面化しておく方が好ましいが、図19の丸印に示すように、この曲面化処理は必ずしも必要ではない。
不透過処理剤7としては、筒体1の多孔質表面を無孔化し得る素材であればよく、例えば、溶融硝子或いは耐溶剤樹脂類等を釉薬としてシール処理する。
釉薬は、例えば、媒溶剤、珪酸、カオリン等の市販材料と水とで調合する。媒溶剤としては、珪砂や石英等の珪酸を溶融させる長石や鉛、硼酸、石灰、灰類等のアルカリを媒溶剤(アルカリ媒溶剤)として用いる。珪酸は過溶融を適度に抑制する機能も果たす。カオリンは素地に密着させる働きをし、粘土類である。
不透過処理7としての釉薬シール処理は、このように調整した釉薬を同量の水に混合させた混合スラリー溶液中に、筒体の処理すべき所要の面を浸漬させる。浸漬処理は溶融処理後十分シールさせるために何回でもすることができる。尚、浸漬に限らず、筆、刷毛或いはその他の道具を用いて混合スラリーを筒体の所要部分(面)に塗布しておこなってもよい。
こうして、釉薬を施した後、所定温度例えば1200〜1300℃で溶融することによって、筒体の両端面側の所要部分が不透化処理7される。
以上、不透過処理7として釉薬シール処理を、多段的に設けられた複数の環状シール部材40(Oリング40a〜図示されていないOリング40b,40c)の例で説明してきたが、混合物質の成分如何によっては、1個の環状シール部材40即ち単一の環状シール部材40(1個のOリング40a)のみで一段のシール部を設ける構成(図19)としてもよい。
又、この場合においても、不透過処理7として釉薬シール処理を施す領域(範囲は)は上述した複数の環状シール部材40に対する不透過処理7と同様であり、少なくとも、当該単一の環状シール部材40が接する筒内周面の部分には不透過処理7を施す必要がある。
本発明は、含水エタノールや特定用途洗浄使用後のIPA含有水溶液等のような含水有機溶剤の脱水工程として用いるゼオライト担持体の透過性成分分離筒状部材(筒体)の真空維持装置として、一定の振動吸収機能を有し、密封材起因の有害物質の製品への溶出懸念が解消でき、筒体と真空維持装置を一組として取り替えを行う必要性を要せず、更には一定の耐久性を有するため、広く適用することができる。
筒体に装着された真空維持装置の縦断側面図である(実施例1)。 真空維持装置を分解した状態の縦断側面図である(実施例1)。 真空維持装置を構成する一方の密封具の縦断側面図である(実施例1)。 真空維持装置を構成する他方の密封具の縦断側面図である(実施例1)。 筒体に装着された真空維持装置の縦断側面図である(実施例2)。 真空維持装置を分解した状態の縦断側面図である(実施例2)。 真空維持装置を構成する一方の密封具の縦断側面図である(実施例2)。 真空維持装置を構成する他方の密封具の縦断側面図である(実施例12。 筒体に装着された真空維持装置の縦断側面図である(実施例3)。 真空維持装置を分解した状態の縦断側面図である(実施例3)。 真空維持装置を構成する一方の密封具の縦断側面図である(実施例3)。 真空維持装置を構成する他方の密封具の縦断側面図である(実施例3)。 筒体に装着された真空維持装置の縦断側面図である(実施例4)。 真空維持装置を分解した状態の縦断側面図である(実施例4)。 真空維持装置を構成する一方の密封具の縦断側面図である(実施例4)。 真空維持装置を構成する他方の密封具の縦断側面図である(実施例4)。 筒外周面にのみゼオライト膜が施された構成の説明図である(実施例5)。 筒外周面から筒端面を経て筒内部側にまでゼオライト膜が施された構成の説明図である(実施例5)。 不透過処理が施された構成の説明図である(実施例5)。
符号の説明
1、100 筒体
2 容器壁面
4 筒内部
6 ゼオライト膜
7 不透過処理(釉薬シール)
10 真空維持装置
20、30、200、300 密封具
21、31、210、310 筒端固定部材(密封具)
22、32、220、320 螺合部材(密封具)
23、33 係合手段
25、35 低周面(螺合部材)
26、36 段差面(螺合部材)
28、38 筒内側端面(筒端固定部材)
29、39、290、390 還状収納部
40 環状シール部材(環状シール部材群)
40a、40b、40c Oリング(環状シール部材)
41 還状介在部材
41a、41b 金属リング(還状介在部材)
211、311 筒外周覆い部(実施例3及び4の筒端固定部材)
212、312 冠状部(実施例3及び4の筒端固定部材)
221、311 貫通孔(実施例3及び4の筒端固定部材)


Claims (33)

  1. 筒内部を負圧として筒外部の混合物質中の所要の成分を筒壁を透過させて分離する透過性成分分離筒状部材の両筒端を塞ぐ真空維持装置において、
    前記真空維持装置は、両筒端に各々装着されて当該筒端を密封する密封具を備え、
    前記密封具は、筒端に固定される筒端固定部材と当該筒端固定部材に筒軸方向に螺合する螺合部材と、
    前記筒端固定部材及び螺合部材と筒端側の筒内周面又は筒外周面との間に形成された還状収納部と、前記還状収納部に嵌合された複数の還状シール部材と、前記還状シール部材間に介在し筒軸方向に摺動自在な還状介在部材とを備え、
    前記螺合部材の筒端固定部材へのネジ込みに応じた挟圧で前記還状シール部材を弾性変形させ、筒軸方向にわたって前記還状シール部材の数に相応する複数段のシール部を設けたことを特徴とする真空維持装置。
  2. 筒内部を負圧として筒外部の混合物質中の所要の成分を筒壁を透過させて分離する透過性成分分離筒状部材の両筒端を塞ぐ真空維持装置において、
    前記真空維持装置は、両筒端に各々装着されて当該筒端を密封する密封具を備え、
    前記密封具は、筒端に固定される筒端固定部材と当該筒端固定部材に筒軸方向に螺合する螺合部材と、
    前記筒端固定部材及び螺合部材と筒端側の筒内周面又は筒外周面との間に形成された還状収納部と、前記還状収納部に嵌合された単一の還状シール部材とを備え、
    前記螺合部材の筒端固定部材へのネジ込みに応じた挟圧で前記還状シール部材を弾性変形させてシール部を設けると共に、少なくとも当該環状シール部材が接する筒内周面に不透過処理を施したことを特徴とする真空維持装置。
  3. 両筒端に各々装着された密封具の双方又は少なくとも一方は、混合物質の容器壁面に係脱自在に固着され、且つ容器壁面に固着された密封具を貫通して容器外に透過させた成分を取り出す流出路が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の真空維持装置。
  4. 筒端固定部材には筒軸方向に貫通ネジ穴を形成し、
    螺合部材には、筒内から筒端外に向けて前記貫通ネジ穴にネジ込まれた当該螺合部材の筒内側の外周面に、単一の還状シール部材又は筒端方向に向けて複数の環状シール部材からなる還状シール部材群、を押す段差面を有する段差部を形成すると共に、当該段差部の低周面が前記貫通ネジ穴に嵌入可能に形成し、
    前記段差面と低周面と前記段差面に相対する筒端固定部材の筒内側端面とで、凹部の開放側が筒内周面側に向いた断面凹状の還状収納部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の真空維持装置。
  5. 還状収納部の低周面に、単一の還状シール部材、又は、複数の還状シール部材及び還状介在部材からなる環状シール部材群を設けたことを特徴とする請求項4に記載の真空維持装置。
  6. 螺合部材の筒端側端面には、筒端外側から当該螺合部材をネジ回す回し手段が係合する係合手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の真空維持装置。
  7. 係合手段は、回し手段の差込側先端部と係脱自在な構成であることを特徴とする請求項6に記載の真空維持装置。
  8. 筒端から単一の還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項2乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置。
  9. 筒端面及び当該筒端面に連続して単一の還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項2乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置。
  10. 筒端から単一の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項2乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置。
  11. 筒端面に連続して単一の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項2乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置。
  12. 筒端から、少なくとも複数段の、筒奥に向けて設けられた還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置。
  13. 筒端面及び当該筒端面に連続して、少なくとも複数段の、筒奥に向けて設けられた還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置。
  14. 筒端から最奥に設けられた還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置。
  15. 筒端面及び当該筒端面に連続して最奥に設けられた還状シール部材が接するまでの筒内周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項7の何れかに記載の真空維持装置。
  16. 筒端から、筒内に設けられた少なくとも最も筒端側の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項12乃至請求項15の何れかに記載の真空維持装置。
  17. 筒端面に連続して、筒内に設けられた少なくとも最も筒端側の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項12乃至請求項15の何れかに記載の真空維持装置。
  18. 筒端から、筒内に設けられた最奥の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項12乃至請求項15の何れかに記載の真空維持装置。
  19. 筒端面に連続して、筒内に設けられた最奥の還状シール部材に対応するまでの筒外周面に、不透過処理を施したことを特徴とする請求項12乃至請求項15の何れかに記載の真空維持装置。
  20. 不透過処理は釉薬シール処理であることを特徴とする請求項2乃至請求項19の何れかに記載の真空維持装置。
  21. 釉薬シール処理は、釉薬と水との混合スラリーを筒体の所要部分に施した後、所定温度で溶融処理することを特徴とする請求項20に記載の真空維持装置。
  22. 釉薬は、アルカリ性の媒溶剤と、溶け過ぎを抑制する珪酸と、素地への密着性を高めるカオリンとを含むことを特徴とする請求項20又は請求項21に記載の真空維持装置。
  23. 筒端固定部材には筒端側の筒外周面を覆う筒外周覆い部と当該筒外周覆い部と連続して筒端側を覆う冠状部とを形成し、
    螺合部材には筒端が嵌入する貫通穴を形成すると共に、当該貫通穴を介して筒中央側に嵌挿された螺合部材が前記筒外周覆い部の内周面と螺合しつつ当該筒外周覆い部と筒外周面との還状間隙に進退自在に形成して、
    前記筒端固定部材の筒外周覆い部及び冠状部と螺合部材の進入側端面とで、凹部の開放側が筒外周面側に向いた断面凹状の還状収納部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の真空維持装置。
  24. 還状収納部の筒外周面に、還状シール部材及び還状介在部材からなる環状シール部材群を設けたことを特徴とする請求項23に記載の真空維持装置。
  25. 螺合部材の筒中央側端部外周面には、筒外から当該螺合部材をネジ回す回し手段が係合する係合手段を設けたことを特徴とする請求項23又は請求項24に記載の真空維持装置。
  26. 係合手段は、回し手段の少なくとも一部が係合するナット形状であることを特徴とする請求項25に記載の真空維持装置。
  27. 透過性成分分離筒状部材は多孔質素材で形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項26の何れかに記載の真空維持装置。
  28. 透過性成分分離筒状部材は筒外周面にゼオライト膜が施されたことを特徴とする請求項1乃至請求項27の何れかに記載の真空維持装置。
  29. 還状シール部材と還状介在部材とは、環状シール部材が少なくとも両端に位置するよう交互に配設されたことを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項7、請求項12乃至請求項28の何れかに記載の真空維持装置。
  30. 環状シール部材はOリング又はその他の還状に形成された変形復元自在な有弾性部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項29の何れかに記載の真空維持装置。
  31. 還状介在部材は還状に形成された金属部材又はその他の変形し難い硬質部材であることを特徴とする請求項1、請求項3乃至請求項7、請求項12乃至請求項30の何れかに記載の真空維持装置。
  32. 筒内部を負圧として筒外部の混合物質中の所要の成分を筒壁を透過させて分離する透過性成分分離筒状部材の両筒端を塞ぐ真空維持装置の真空維持方法において、
    前記真空維持装置は、前記両筒端に各々装着されて当該筒端を密封する密封具を備え、
    前記密封具は、筒端に固定される筒端固定部材と当該筒端固定部材に筒軸方向に螺合する螺合部材と、
    前記筒端固定部材及び螺合部材と筒端側の筒内周面又は筒外周面との間に形成された還状収納部と、前記還状収納部に嵌合された複数の還状シール部材と、前記還状シール部材間に介在し筒軸方向に摺動自在な還状介在部材とを備え、
    前記螺合部材の筒端固定部材へのネジ込みに応じた挟圧で前記還状シール部材を弾性変形させ、筒軸方向にわたって前記還状シール部材の数に相応する複数段のシール部を設けて、
    何れか一段或いは数段のシール部がシール機能不全になっても残る少なくとも一段のシール部によってシール機能を維持させ、或いは、更なるネジ込みにより、残る少なくとも一段のシール部によってシール機能を維持させることを特徴とする真空維持方法。
  33. 筒内部を負圧として筒外部の混合物質中の所要の成分を筒壁を透過させて分離する透過性成分分離筒状部材の両筒端を塞ぐ真空維持装置の真空維持方法において、
    前記真空維持装置は、前記両筒端に各々装着されて当該筒端を密封する密封具を備え、
    前記密封具は、筒端に固定される筒端固定部材と当該筒端固定部材に筒軸方向に螺合する螺合部材と、
    前記筒端固定部材及び螺合部材と筒端側の筒内周面又は筒外周面との間に形成された還状収納部と、前記還状収納部に嵌合された単一の還状シール部材とを備え、
    前記螺合部材の筒端固定部材へのネジ込みに応じた挟圧で前記還状シール部材を弾性変形させてシール部を設けると共に、少なくとも当該環状シール部材が接する筒内周面に不透過処理を施し、一段のシール部によってシール機能を維持させることを特徴とする真空維持方法。
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