JP2005313007A - ディスポーザの生ごみ破砕方法、ディスポーザおよびその駆動モータの運転制御方法 - Google Patents

ディスポーザの生ごみ破砕方法、ディスポーザおよびその駆動モータの運転制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 比較的少ない給水量でも、破砕された生ごみが排水管路中で滞留することの少ないディスポーザの生ごみ破砕方法と、駆動モータの運転制御方法を提供する。
【解決手段】 駆動モータ3に連動する破砕機構4により生ごみを破砕して給水された水と共に排出するディスポーザDは、起動時に短時間間隔で回転速度を変化させて回転させるステップS3〜S5と、次いで低速回転させるステップS6と、そのあと引き続いて高速回転させるステップS8とを備える。回転速度を変化させて回転させるステップS3〜S5は、例えば駆動モータ3を0.5秒程度低速回転させた後、1秒程度停止させる動作を繰返すこと、または駆動モータを低速回転させた後、反転駆動させる動作を繰返すことが好ましく、この動作で投入された生ごみを平坦に均し、そのあと低速破砕、高速破砕を行う。
【選択図】 図6

Description

本発明は、流しのシンクに取付けられ、生ごみを破砕するディスポーザに係り、特に、破砕された生ごみの排水管路内での滞留を防止して、配管詰まりを防止できるディスポーザと、ディスポーザの生ごみ破砕方法、およびディスポーザの駆動モータの運転制御方法に関する。
従来、この種のディスポーザの運転方法としては、生ごみをディスポーザの粉砕室に投入後、一定の流速で洗浄水を供給しつつ、低速回転でディスポーザハンマーを回転し続け、粉砕が終了したらハンマーの回転を停止し、ついで洗浄水の供給を停止するディスポーザの運転方法がある。そして、ディスポーザハンマーの回転を、洗浄水供給開始後低速回転で回転を開始し、粉砕室に残っている生ごみの量が減少するに従って高速回転にし、粉砕が終了したらハンマーの回転を停止している(例えば、特許文献1参照)。
また、他のディスポーザの運転装置として、モータの起動時に、短時間の低速運転を数回繰返して行い、この低速運転で過負荷電流を生じない場合に、所定の制御特性による運転を行わせるディスポーザの運転装置がある。この技術は、例えば2秒間だけ運転していったん停止し2秒間給電されないことを繰り返し、異物の混入による異常音や振動などの異常が発生したときにも、あわてずに運転スイッチの開路操作を確実に行わせることができるものである(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−204972号公報([0009]、[0010]) 特開2003−320267号公報([0005]、[0010])
ところで、前記特許文献1に記載のディスポーザの運転方法は、生ごみ破砕の間を通して、生ごみ重量に対する洗浄水量は従来のディスポーザと比較して多くなり、破砕された生ごみが排水管路中に滞留し難くなるという効果を奏するものであるが、大量の生ごみが一度に投入され破砕された際には、破砕された生ごみが一気に排出され、排水管路中に滞留する虞があった。また、他のディスポーザの運転装置は、スプーンなどの異物を跳ね飛ばして異常音を発生させるもので、低速運転中の過負荷電流を検出して噛み込みなどの異常の場合は、高速運転を行わせないようにしており、排水管路中での破砕物の滞留については考慮されていない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、比較的少ない給水量でも、破砕された生ごみが排水管路中で滞留することが少ないディスポーザの生ごみ破砕方法と、ディスポーザの駆動モータの運転制御方法を提供することにある。また、小型化でき、低騒音で作動でき、安定した作動が可能なディスポーザを提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係るディスポーザの生ごみ破砕方法は、破砕機構を備えたディスポーザにより生ごみを破砕し、給水された水と共に排出する方法で、破砕機構により生ごみを均すステップと、均された生ごみを低速破砕するステップと、さらに生ごみを高速破砕するステップとを備えることを特徴とする。生ごみを均すステップは、破砕機構を短時間駆動して停止させる動作を繰返すことが好ましい。また、破砕機構を短時間駆動して反転させる動作を繰返すようにしてもよい。
このように構成された本発明のディスポーザの生ごみ破砕方法は、生ごみ投入口から投入された生ごみを先ず均して平坦な状態とし、次いで平坦とされた生ごみを外周側から低速で徐々に低速で破砕し、そのあと高速破砕するため一度に多量の破砕物が排出されず、給水された水と共に徐々にディスポーザから排出されるため、排水管路で滞留することを防止できる。また、破砕が徐々に行われるため、破砕時に発生する騒音や振動を低減することができる。
本発明に係るディスポーザの駆動モータの運転制御方法は、駆動モータに連動する破砕機構により生ごみを破砕し、給水された水と共に排出するディスポーザの運転制御方法であって、駆動モータを起動時に短時間間隔で回転速度を変化させて回転させるステップと、次いで低速回転させるステップと、そのあと引き続いて高速回転させるステップとを備えることを特徴とする。回転速度の変化とは、低速回転中にさらに低速とすることや、低速回転中に停止させること、あるいは低速回転中に逆転させること等、適宜の手法が可能である。短時間間隔とは、1秒以内が好ましい。
前記のごとく構成された本発明のディスポーザの駆動モータの運転制御方法は、先ず起動時に駆動モータを低速回転して生ごみを短時間振り回して均し、その後回転速度を変化、例えば停止させ、この動作を複数回繰返して生ごみを平坦な状態に均した後、駆動モータを低速回転させて生ごみを低速破砕し、引き続いて高速回転させて生ごみを高速破砕するため、生ごみの破砕が少しずつ進行し、破砕室から一気に多量の破砕物が排出されることがないので、排水濃度が薄くなって掃流性が改善され、配管詰まりが防止される。また、破砕初期の生ごみの量が多いときに低速回転させるため、騒音を大幅に低減することができ、振動も低減できる。
本発明に係るディスポーザの駆動モータの運転制御方法の好ましい具体的な態様としては、前記低速回転させるステップは、駆動モータを例えば低速回転させた後、停止させる動作を繰返すことを特徴としている。例えば、1秒程度あるいは1秒以内の短時間間隔で回転させた後、1秒程度あるいは1秒以内で停止させ、この動作を複数回繰返して破砕室内の生ごみの均し運転を実施し、このあと低速回転で生ごみを低速破砕し、次いで高速回転させて高速破砕を行う。なお、回転時間および停止時間は前記に限られるものでない。
前記低速回転させるステップは、駆動モータを回転させた後、反転駆動させるように構成してもよい。例えば、1秒程度あるいは1秒以内で駆動モータを低速回転させた後、1秒程度あるいは1秒以内の低速回転で反転させ、この動作を複数回繰返して均し運転を実施し、このあと低速回転で生ごみを低速破砕し、次いで高速回転させて本格的な高速破砕を行う。このように構成すると、起動時に駆動モータを停止あるいは反転させることで、生ごみを破砕室内で均等な状態に均すことができ、低速回転による破砕や高速回転による破砕の前に生ごみを平坦な状態にできるため、低速および高速の破砕運転を通して振動や騒音の発生を低減することができ、一度に多量の破砕物を排出しないため排水管路内の滞留を防止できる。
本発明に係るディスポーザは、駆動モータに連動する破砕機構により生ごみを破砕し、給水された水と共に排出するもので、駆動モータを起動時に短時間間隔で回転速度を変化させて回転させ、次いで低速回転させ、そのあと高速回転させる制御手段を備えることを特徴としている。そして、前記駆動モータは、直流モータであることが好ましく、特にブラシレスの直流モータが最適である。
この構成によれば、生ごみ破砕時の騒音や振動を低減したディスポーザを提供することができると共に、破砕された生ごみの排水管路中の滞留を防止でき、ディポーザを使用した排水システムの不具合を解消できる。ディスポーザの破砕機構を駆動するモータを直流モータで構成すると、容易に回転速度を変更することができ、低速回転、高速回転、回転中の停止や、反転動作等が自由に実施でき、モータの小型化が達成できるため、ディスポーザの小型化が可能となる。
本発明によれば、投入された生ごみの状態を先ず平坦な状態に均してから、生ごみの破砕が少しずつ進むように駆動モータを制御しているため、破砕室から多量の破砕物が一気に排出されず、給水された水と共に排水管路内を徐々に流れるため滞留することが防止される。これによりディスポーザの運転状態を安定させることができる。また、ディスポーザ運転中の騒音や振動を低減でき、快適な使用を可能とする。さらに、ディスポーザの小型化を達成できる。
以下、本発明に係るディスポーザの一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るディスポーザの取付状態を示す概略構成図、図2は、図1のディスポーザの要部構成を示す断面図、図3は図2のディスポーザの要部平面図である。図1〜3において、ディスポーザDは流しのシンクSに固定される固定部材1と、この固定部材1の下方に連結され下方が広がった有底筒状のディスポーザ本体2と、このディスポーザ本体2の下端に固定された駆動源としての駆動モータ3とから構成され、この駆動モータ3の駆動力を受けてディスポーザ本体2の下部で生ごみ破砕動作を行う破砕機構4を備え、固定部材1の排水口に装着された目皿5を外して投入した生ごみを破砕し、上部より給水しながらディスポーザ本体2の排水管6より排出するものである。
ここで、図2,3を参照して、ディスポーザDについて説明する。シンクS側の固定部材1は排水口部材10、支持板11およびリング状の固定ねじ12より構成され、シンクSの排水口の上部に防水シール13を挟み、下部に支持板11を挟んで水密状態に取付けられる。排水口部材10の下端は水や生ごみを案内するパイプ状部10aとなっており、上端開口部が生ごみ投入口10bとなっている。この生ごみ投入口10bには合成樹脂製の目皿5および止水蓋5Aが装着可能となっている。図2は、生ごみ投入口10bに目皿5および止水蓋5Aが共に装着された状態を示しており、図3は止水蓋5Aを外した状態を示している。目皿5には、シンクS内の水を本体ケーシング21に流すための複数の開口5aが形成されている。
ディスポーザ本体2は固定部材1に防振ゴム22を介して連結されるものであり、破砕機構4を収容した本体ケーシング21を備えている。そして、本体ケーシング21の内部空間に破砕室24が形成されると共に、破砕室24内の破砕機構4の下方に排出室25が形成されている。破砕室24は底面が傾斜しており、破砕された生ごみが排水管6に流れやすいように形成されている。
防振ゴム22は略筒状をしており、上下の円筒状の取付部22aが本体ケーシング21および排水口部材10の下端のパイプ状部10aの各外周囲に嵌り込むことで、固定部材1に対して本体ケーシング21の僅かな相対移動を可能に、水密状態に連結するものであり、中間部は容易に変形可能な薄肉部22bとなっている。防振ゴム22の上下の取付部22aは厚肉に形成され、夫々金属バンド等の締付バンド22cで漏水しないように固定されている。本体ケーシング21と固定部材1は、防振ゴム22により連結されることにより、本体ケーシング21内で発生した振動や駆動モータ3の振動が、固定部材1およびシンクSへ伝達されることを抑制するようになっている。
防振ゴム22の内周には飛散防止ゴム15が嵌合している。この飛散防止ゴムはリング状の上方基部15aと、この上方基部から下方に延出する筒状部15bと、上方基部から内方に湾曲して延出する蓋部15cとを有し、蓋部の中心には貫通孔が形成され、蓋部には放射状に多数の切り込みが形成されている。したがって、通常時は破砕室24の上方開口を蓋部15cが中心の貫通孔を除いて覆っており、生ごみ投入時には蓋部15cは切り込み部分が広がって下方に湾曲して生ごみの投入を可能としており、投入後は閉じる構成となっている。
駆動モータ3は本体ケーシング21の下部に固定され、鉛直上方に延びる駆動軸31を備え、この駆動軸31が本体ケーシング21の下端を貫通して破砕室24内に延びており、駆動モータ3により駆動される破砕機構4が袋ナット32で連結されている。駆動軸31はOリング等のシール33により水密状態となっており、破砕室24に給水される水が駆動モータ3方向に漏水するのを防止する。駆動モータ3は直流のブラシレスモータが使用されており、このモータは例えば電流値を変えることや、周波数を変更すること、あるいはPWM信号のデューティを変更することで回転速度を変更できるものであり、従来の交流モータと比較して小型化されている。また、高トルクであるため低速回転時でも十分な駆動力を出力でき、きめ細かな速度制御も可能である。駆動モータ3は後述する位置検出用のホールICを備えている。
破砕機構4は、内歯状の固定歯41と円盤状のターンテーブル42とを備えており、このターンテーブル42の中心部が、駆動モータ3の駆動軸31の上端に固定されている。ターンテーブル42の上面には鉛直軸回りに回転可能に支持されたスイングハンマ43が設けられている。このスイングハンマ43の支持位置は、ターンテーブル42の回転によってスイングハンマ43に遠心力が作用した際に、このスイングハンマ43の外側端がターンテーブル42の外周縁付近に位置するように設定されている。スイングハンマ43は鉛直軸が挿入される支持部に対して、外周の歯部の厚さが大きく形成され、支点に対してアンバランスに支持されている。
一方、固定歯41は、本体ケーシング21の内面においてターンテーブル42に対向する位置に固定されていると共に、その内面に複数の歯41a、41a…が形成されている。そして、本体ケーシング21の内部空間のうち、破砕機構4の上側が前記破砕室24として構成されると共に、破砕機構4の下側が破砕した生ごみを排出するための排出室25として構成されている。なお、スイングハンマは、一つが支持されている例を示したが、1対でもよく、3個以上でもよい。
駆動モータ3の駆動に伴うターンテーブル42の回転により、破砕室24内においてスイングハンマ43と固定歯41との間で生ごみが破砕され、破砕後の生ごみは固定歯41とターンテーブル42との間の隙間から排出室25に落下されるように構成されている。この隙間は通常1mm程度、あるいは1mm以下に設定され、破砕された生ごみの排出時の大きさを決定する。また、本体ケーシング21の側面下端部には排水管6が接続されており、排出室25に落下された生ごみは、給水された水と共に排水管6より順次排出されるように構成されている。
排水口部材10のパイプ状部10aの外周には、目皿検出装置(図示せず)を構成するホールセンサ35,35が装着されている。また、目皿5には、前記のホールセンサと対向可能な位置に磁石5b,5bが内蔵されている。目皿5は生ごみ投入口に嵌合した状態で90度回転できるように構成され、OFF位置で嵌合させ、ON位置でロックされるように構成されている。目皿検出装置はプラスチック材で形成され、回転ロック機構を有する目皿5が生ごみ投入口10bに嵌合されロックされたのをホールセンサ35,35が検出するものであり、生ごみを投入し目皿5をロックさせたことをホールセンサ35,35が検出してから、駆動モータ3を回転駆動させて生ごみを破砕するものであり、目皿5が装着されない状態では駆動モータ3を回転させないようにしてある。この構成により、生ごみ投入口10bに誤って手を挿入するのを防止し、破砕中に生ごみが噴出するのを防止している。なお、ホールセンサと磁石は2つずつ設けているが、適宜の数とすることができる。
図1において、流しのシンクSには混合水栓50が取付けられ、給湯器からの温水管路61が温水通路51に接続され、上水道からの給水管路62が給水通路52に接続されている。温水通路51と給水通路52は混合バルブ53に接続され、混合バルブ53から蛇口まで混合水通路54が設けられ、蛇口から開口している。混合水栓50の上部にはハンドル55が取付けられ、混合バルブ53を操作して温水と上水を混合し、蛇口から給水することができる。そして、給水管路62から分岐したバイパス管路63の途中に電磁弁70が設けられ、バイパス管路63はバイパス通路56を介して混合水通路54に連通している。したがって、混合バルブ53を閉じた状態でも、電磁弁70を開弁することにより蛇口から給水することができる。
ディスポーザDおよび電磁弁70は制御装置80により制御される。制御装置80には交流の商用電源81が供給され、ディスポーザDの駆動モータ3、目皿検出装置の検出コイル35、および電磁弁70は制御装置80に接続され、この制御装置は駆動モータ3の駆動・停止および電磁弁70の開閉動作を行う。また、制御装置80は駆動モータ3を低速回転または高速回転させると共に、駆動モータの起動時に短時間間隔で回転速度を変化させる制御を行う。回転速度を変化させる制御とは、例えば低速回転させた後停止させる制御、低速回転させた後反転させる制御等がある。
ここで、図4を参照して、ディスポーザDの制御装置80について詳細に説明する。図4は、本実施形態のディスポーザDの制御装置80を示す回路図であり、制御装置80は整流回路90、電源供給回路100、マイクロコンピュータ110、ドライバ回路120、駆動モータ3の駆動部130および生ごみの破砕終了の検知部140を備えている。駆動モータ3は直流ブラシレス(DCBL)モータであり、3相のステータコイル(巻線)u、v、wを有するステータ(図示せず)と、永久磁石を有するロータ(図示せず)とを備え、位置検出用のホールIC(図示せず)から出力される信号が信号線3aによりドライバ回路120に供給されている。
整流回路90は、AC商用電源81を直流電流に整流する回路であり、整流素子91、チョークコイル92および電解コンデンサ93を備えており、整流した電源を電源供給回路100、駆動モータの駆動部130に供給するものである。なお、整流回路90は簡略化した構成を示しており、ディスポーザの仕様にあわせて適宜の整流回路を用いることができるのは勿論である。
電源供給回路100は、マイクロコンピュータ110、ドライバ回路120に必要な電圧に変圧された直流電源を供給するもので、基本的にはDC/DCコンバータ101,102や3端子レギュレータ103から構成されている。DC/DCコンバータ101はマイクロコンピュータ110に、例えば5Vの電源電圧を供給し、DC/DCコンバータ102はドライバ回路120に、例えば15Vの電源電圧を供給する。
マイクロコンピュータ110は、CPU、ROM、RAMおよび電気的に書換可能な不揮発性メモリであるEEPROM(electrically erasable programmable ROM)からなる記憶部が内蔵され、コネクタ111のSW端子112、SW端子113から起動スイッチや目皿検出スイッチ等の信号が入力される。また、マイクロコンピュータ110には駆動モータ3の温度情報がTENP−Mとして入力され、駆動部130のトランジスタの温度情報がTENP−Pとして入力される。さらに、マイクロコンピュータ110には、駆動モータ3の駆動電流が検知部140で検知され、オペアンプ141を介して入力され、この駆動電流はドライバ回路120にも入力される。この駆動電流は、生ごみの破砕終了を検知するために入力される。
マイクロコンピュータ110は、ディスポーザDの運転制御を含む装置全体の制御を行う制御部であり、ROM上の制御プログラムに従い、演算に使用するデータを記憶したメモリを使用して後述するディスポーザDの駆動モータ3の運転制御を実行し、生ごみの破砕処理を実行する。
マイクロコンピュータ110からの制御信号は、ドライバ回路120に入力される。この制御信号は例えばPWM信号が使用される。ドライバ回路120はマイクロコンピュータ110からの制御信号を受けて駆動モータ3の駆動部130に矩形波等の駆動信号を供給する。駆動モータ3の駆動部130は、前記のように対となった電界効果型のトランジスタ(FET)131,132から構成され、ドライバ回路120からの駆動信号を受けて駆動モータ3を直流電流により駆動する。駆動モータ3から出力されるH−SIGNALは、ホールICからの位置検出信号であり、例えば120度の矩形波がドライバ回路120に供給される。すなわち、マイクロコンピュータ110からの運転指令により、ドライバ回路120は運転指示され、駆動部130のFET131,132のゲートへ駆動信号を出力し、ホールICの信号で回転速度をモニターし、この動作を繰返して駆動モータ3の運転を行う。
なお、FET131,132は1相分のみ図示しているが実際には3相分必要であり、3相のそれぞれからU,V,Wの3つの駆動信号が駆動モータ3に供給される構成となっている。すなわち、ドライバ回路120から出力される一方の制御信号UVW−Hが一方のFET131のゲートに供給され、他方の制御信号UVW−Lが他方のFET132のゲートに供給され、一方のFET131のドレインが他方のFET132のソースに接続されている。そして、駆動部130のU,V,W出力が駆動モータ3に供給されている。
他方のFET132のドレインは検知部140を構成する抵抗142の一端に接続され、この抵抗142の他端は接地されている。これにより、抵抗142を流れる電流を抵抗142上端に発生する電圧により検知して、この検出信号をドライバ回路120に入力すると共に、オペアンプ141を介してマイクロコンピュータ110に入力する。駆動モータ3の電流変化を検出することで生ごみの破砕の終了時を検知する。すなわち、駆動モータ3の負荷が軽減すると電流が所定値より小さくなることを検出して、破砕室24に投入された生ごみの破砕終了を検知している。
マイクロコンピュータ110には、駆動部130のトランジスタの温度情報TENP−Pと駆動モータ3の温度情報TENP−Mが入力され、また動作状態等を示すLED150が接続されている。マイクロコンピュータ110は、通電状態、運転状態、ロック状態等をLED150の点灯により知らせる共に、温度情報TENP−Mを基に駆動モータ3の温度情報が所定の温度を超えた時や、温度情報TENP−Pを基に駆動部130のトランジスタの温度情報が温度を超えた時にLED150を点灯させる。
なお、ロック状態とは、駆動モータへの過電流保護の目的で点灯するように機能する。マイクロコンピュータ110に入力されるリセット信号151はディスポーザDをリセットし、例えば破砕動作を再度実施するとき等に使用する。また、マイクロコンピュータ110から出力されるブザー152は、例えば破砕が終了したときに鳴動するように設定してある。
前記の如く構成された本実施形態のディスポーザDの生ごみ破砕方法と、ディスポーザDの駆動モータの運転制御方法について、図4、図5のフローチャートおよび図6の運転パターン図を参照して説明する。図5は、ディスポーザDの運転制御を示すフローチャートであり、図中、Sはフローの各ステップを示す。本フローは、マイクロコンピュータ110により実行され、マイクロコンピュータ110の制御信号を受けた各駆動部により駆動される。本実施の形態では、ディスポーザDは起動時に回転数を変化させる制御手段を備えることを特徴とするものである。本実施の形態では、図5に図示されていないが、固定部材1の生ごみ投入口10bから生ごみを投入して目皿5が装着されたことを受けて駆動モータ3の制御を開始する。
流しのシンクに固定された生ごみ投入口10bから生ごみを投入し、起動スイッチ(図示せず)を閉じると電磁弁70が開いて蛇口から給水する(ステップS1)。給水が所定時間行われる間、モータウェイト状態(ステップS2)で給水され、ディスポーザDを起動する。次いで、ステップS3で駆動モータ3は制御装置80からの信号で例えば800rpmの低速回転(n1)を開始し、低速回転を0.5秒間実施した後、駆動モータを停止させ、さらにステップS4でモータ停止を1秒間継続する。
次いで、ステップS5で前記駆動モータ回転および駆動モータ停止が所定回数(ここでは4回)繰返されたか否かを判別し、駆動モータ回転および停止が所定回数繰返されていれば、ステップS6に進み、繰返されていなければ前記ステップS3に戻って所定回数になるまで前記処理を繰返す。このように、低速回転をさせて停止させるという動作を例えば4回繰返す(図6、S3〜S5)。このように駆動モータ3を低速回転して停止させる動作を繰返すことにより、生ごみは微量だけ破砕されると共に、均されてターンテーブル上に平坦に載置された状態となる。本例では、駆動モータ回転および停止の例を示したが、停止後又は停止に代えて逆回転する態様でもよい。
ステップS6では、駆動モータを1000rpm程度の低速回転(n2)で20秒間連続回転させる。この低速回転のあと、ステップS7で例えば1000〜2000rpmへ3秒間程度で加速し、その後ステップS8で例えば2000rpm程度の回転数(n3)で高速回転を行う。この高速回転は、破砕が終了するまで行う。生ごみの破砕が終了したときの検知は、駆動モータ3を作動させるFET131,132のコレクタ電流を検出して行う。破砕が終了すると負荷が減るため抵抗141を流れる電流値が減少し、この電流変化で破砕終了を判定する。
次いで、ステップS9で運転時間が120秒以内かを判別し、ステップS9で120秒以内のときは終了検知を開始する。検知状態が連続2秒続いたときにステップS10で終了バッファ処理を実施し、ステップS11で例えば5秒後に駆動モータを停止する。ステップS12で駆動モータ3の停止後、5秒経過すると電磁弁70を閉じる。この処理フローにより、ステップS1〜S8までの処理は、運転時間が最大で120秒を超えないように制御され、ステップS9で120秒を超えたときにはステップS11で駆動モータを停止してステップS12で電磁弁70が閉じられる。
ステップS13では、目皿スイッチOFFを検出し、ステップS14で目皿スイッチがOFFの場合、すなわち目皿5が外された場合は駆動モータ3を緊急停止して本フローを終了する。また、前記ステップS13で目皿スイッチOFFを検出しない場合はステップS12からそのまま本フローを終了する。これにより、前記した各工程で、ステップS1からステップS12の間に、目皿が外されると目皿スイッチがOFFとなり、駆動モータ3を緊急停止させる。この際、駆動モータ3の駆動部130において、FET131,122を瞬間的に短絡させて回生ブレーキとして機能させ、速やかに停止させる構成となっている。
このように、本実施形態の処理フローでは、駆動モータ3を低速で極短時間(1秒以内程度)回転させて停止させる動作を複数回繰返す(ステップS3〜S5)ことにより、生ごみを破砕室24内で均すことができる。このように均された生ごみはターンテーブル42上で平坦な状態となり、次工程の低速破砕運転(ステップS6)で生ごみのアンバランスによる振動や騒音の発生を抑制することができる。また、破砕の前の均し運転は、低速破砕および高速本破砕の準備段階で生ごみを均等な状態とするものであり、本格的な破砕や終了検知は低速および高速の破砕運転で実施する。
このように動作するディスポーザDは、起動時から一気に高速回転する従来のディスポーザと比較して、先ず低速で回転数を変えながら均し運転を行うため初期破砕と共に生ごみの偏りを防止することができる。初期破砕(ステップS3〜S6)では破砕量が微量であり、給水と共に徐々に排出するため、急激な排出は行われない。また、低速回転で回転と停止を繰返すため騒音や振動の発生が少なく、破砕機構4のターテーブル42上の生ごみの偏心を均すことができ、次の低速破砕(ステップS6)や高速本破砕(ステップS8)に対する準備段階となる。
次の低速破砕(ステップS6)では、駆動モータ3を低速回転させて破砕機構4により生ごみを破砕するステップであり、前記のステップで投入された生ごみは均されているため、騒音や振動が低い状態で運転することができる。この低速破砕は、前記の均し工程で均された生ごみが外周側から徐々に破砕され、破砕された生ごみの排出量が少なく徐々に排出されるため、配水管6およびその下流側の排水管路で破砕された生ごみが滞留することが回避される。この低速破砕は予め設定された時間、本実施形態では20秒程度だけ運転される。
さらに、高速本破砕(ステップS8)では、低速破砕の20秒間で徐々に破砕した残りの生ごみを本格的に破砕するもので、生ごみは予備破砕で小片化されているため、破砕機構4を高速回転させても大きな騒音を発生せず、振動自体も低いレベルになる。また、事前の均し運転や低速破砕運転で既に少量の生ごみが排出されているため、高速本破砕運転の排出量は減っており、破砕された生ごみが一気に排出室25から排水管6へ排出されることはない。
このように、生ごみの破砕を駆動モータ3の低速回転による低速破砕と、高速回転による高速破砕の2段階で行うため、効率の良い生ごみの破砕が低騒音、低振動で実施できる。また、破砕された生ごみが一気に排出されず、均し運転、低速破砕運転、高速本破砕運転と行われ、給水された水と共に徐々に排出されるので排水管路での滞留が防止される。そして、このディスポーザDを使用したシステム全体を滞留等の不都合がないように運用することができる。
つぎに、本発明の他の実施形態を図7に基づき詳細に説明する。図7は本発明に係るディスポーザの生ごみ破砕方法と、その駆動モータの運転制御方法の他の実施形態を示す運転パターン図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に対し、最初に実施する駆動モータの回転速度を変化させて回転させるステップである均し運転のパターンが異なることを特徴とするものである。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図7において、この実施形態のディスポーザの駆動モータの運転制御方法では、均し運転は短時間低速で正転させた後、短時間低速で反転させ、この動作を数回繰返したあと低速の破砕を行い、さらに高速の本破砕を行うように制御するものである。この場合は、駆動モータ3により回転される破砕機構4のターンテーブル42は短時間正転したあと、短時間反転するため、ターンテーブル42上に投入された生ごみを破砕に先立って平坦な状態に均すことができ、しかも正転、反転を繰返すため、より短時間で生ごみを平坦に均すことができる。このあと前記した実施形態と同様に、駆動モータ3を低速回転させて低速破砕するステップと、高速回転させて高速破砕するステップの2段階の破砕処理により、破砕された生ごみが排水管6から一度に多量に排出されることがないため、排水管路での滞留を防止できる。
なお、図示していないが、均し運転は、所定時間低速回転(例えば800rpm、1秒以内)したあと、さらに低速(例えば数100rpmで1秒以内)で回転させる等、回転速度を変更するように構成することができ、この動作を数回繰返すようにしてもよい。また、均し運転は、所定時間低速回転(例えば500rpm、1秒以内)したあと、さらに低速(例えば数100rpmで1秒以内)で反転させる等、種々の組み合わせをすることができる。このように、均し運転の回転数、回転時間、停止時間は適宜変更できるものである。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、ディスポーザは電磁弁を開閉することで破砕時に自動給水する例を示したが、手動で混合水栓を開く場合でも適用できるものである。すなわち、主導給水でも排水管路内での破砕生ごみの滞留を確実に防止することができる。
駆動モータとして、電流値を変えることで回転数を変える例を示したが、入力周波数を変えることで回転数を変更する例等、適宜変更できる。破砕機構のハンマーは1個使用した例について述べたが、2個のハンマーを備える例や、3個以上のハンマーを備えるように構成してもよい。シンクに固定された固定部材とディスポーザ本体との連結の例として連結機構を用いた例を示したが、連結機構がなく円筒状の防振ゴムのみで連結するように構成してもよい。
本発明に係るディスポーザの一実施形態の取付状態を示す概略構成図。 図1のディスポーザの要部構成を示す断面図。 図2のディスポーザの要部平面図。 ディスポーザの駆動モータの制御手段を示す回路図。 動作説明のためのフローチャート。 動作説明のための運転パターン図。 本発明に係るディスポーザの他の実施形態を示す運転パターン図。
符号の説明
D:ディスポーザ、3:駆動モータ(直流ブラシレスモータ)、4:破砕機構、5:目皿、6:排水管、35:検出コイル、50:混合水栓、70:電磁弁、80:制御装置(制御手段)、90:整流回路、100:電源供給回路、110:マイクロコンピュータ、120:ドライバ回路、130:駆動モータの駆動部、140:破砕終了の検知部、S3〜S5:生ごみを均すステップ、S6:生ごみを低速破砕するステップ、S8:生ごみを高速破砕するステップ

Claims (6)

  1. 破砕機構を備えたディスポーザにより生ごみを破砕し、給水された水と共に排出するディスポーザの生ごみ破砕方法であって、
    前記破砕機構により前記生ごみを均すステップと、前記均された生ごみを低速破砕するステップと、さらに前記生ごみを高速破砕するステップとを備えることを特徴とするディスポーザの生ごみ破砕方法。
  2. 駆動モータに連動する破砕機構により生ごみを破砕し、給水された水と共に排出するディスポーザの駆動モータの運転制御方法であって、
    前記駆動モータを起動時に短時間間隔で回転速度を変化させて回転させるステップと、次いで低速回転させるステップと、そのあと引き続いて高速回転させるステップとを備えることを特徴とするディスポーザの駆動モータの運転制御方法。
  3. 前記回転速度を変化させて回転させるステップは、前記駆動モータを回転させた後、停止させる動作を繰返すことを特徴とする請求項2に記載のディスポーザの駆動モータの運転制御方法。
  4. 前記回転速度を変化させて回転させるステップは、前記駆動モータを回転させた後、反転駆動させる動作を繰返すことを特徴とする請求項2に記載のディスポーザの駆動モータの運転制御方法。
  5. 駆動モータに連動する破砕機構により生ごみを破砕し、給水された水と共に排出するディスポーザであって、
    前記駆動モータを起動時に短時間間隔で回転速度を変化させて回転させ、次いで低速回転させ、そのあと高速回転させる制御手段を備えることを特徴とするディスポーザ。
  6. 前記駆動モータは、直流モータであることを特徴とする請求項5に記載のディスポーザ。
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