JP2005312978A - コンベア式殺菌装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンベア12面上の中間に紫外線照射室部2を設け、該照射室部の入口及び出口にコンベア面12を底面とする上流側遮光ダクト部3a及び下流側遮光ダクト部3bを連設し、被殺菌処理物を内郭に非接触で通過させる遮光板4,…を前記の各遮光ダクト部内に設けた。紫外線照射室部2の出入口に遮光ダクト部3a,3bを連設してあるので、紫外線漏れ量を前記許容値以下にできると共に各遮光ダクト部内に遮光板4または遮光カーテンを取付けてあるので、遮光ダクト部の長さを充分に短くできる。
【選択図】図1
Description
しかしながら、紫外線照射室の出入口を遮光カーテンや遮光板で遮光した前記のコンベア式殺菌装置を使用し、この条件のもとで殺菌処理すると、紫外線漏れ量をJISZ8812−1987規定の許容値、すなわち波長270nmで30J/m2以下とすることは難しい。
すなわち、JISZ8812−1987では、波長200〜315nmの紫外線TLV(Threshold Limit Values)に関し、その照射下に在る作業者が有害な影響を被らずに繰返し暴露を差し支えない量を波長ごとにJ/m2の単位で示し、1日(8時間)を1期として波長270nmに対し暴露許容量を30J/m2と規定している。
而るに、キセノンフラッシュランプに前記したように1閃光パルス当たり22Jの電力エネルギーを供給し、1秒当たり40箇の閃光パルスを発生させた場合、遮光カーテンや遮光板無しのときの8時間当たりの紫外線漏れ量は2690J/m2にも達し、遮光カーテンや遮光板を取付けてもこの漏れ量2690J/m2をJISZ8812−1987規定の許容量30J/m2に軽減することは至難である。
S=e−Et/Q
で与えられ、コンベア速度を減速することにより照射時間tを長くし照射線照度Eを軽減して紫外線漏れ量を低減することも考えられるが、この場合は、殺菌工程と連動する他の工程の作業速度も減速する必要があり、作業能率の低下が避けられない。
請求項2に係るコンベア式殺菌装置は、紫外線を照射する被殺菌処理物を搬送するコンベア面上の中間に紫外線照射室部を設け、該照射室部の入口及び出口にコンベア面を底面とする上流側遮光ダクト部及び下流側遮光ダクト部を連設し、各遮光ダクト部内に遮光カーテンを取付けたことを特徴とする。
請求項3に係るコンベア式殺菌装置は、紫外線を照射する被殺菌処理物を搬送するコンベア面上の中間に紫外線照射室部を設け、該照射室部の入口及び出口にコンベア面を底面とする上流側遮光ダクト部及び下流側遮光ダクト部を連設し、各遮光ダクト部内に被殺菌処理物の押当で傾動されて被殺菌処理物を通過させる遮光板を取付けたことを特徴とする。
請求項4に係るコンベア式殺菌装置は、請求項3のコンベア式殺菌装置において、遮光板を、中央セグメントの巾両側に数枚のサブセグメントを配し被殺菌処理物の搬送方向に対しセグメント端部間を係止ラップさせた分割式としたことを特徴とする。
請求項5に係るコンベア式殺菌装置は、請求項2〜4何れかのコンベア式殺菌装置において、被殺菌処理物に遮光カーテンまたは遮光板が接触するのを防止するための邪魔突子をコンベア面に設けたことを特徴とする。
請求項6に係るコンベア式殺菌装置は、紫外線を照射する被殺菌処理物を搬送するコンベア面上の中間に紫外線照射室部を設け、該照射室部の入口及び出口にコンベア面を底面とする上流側遮光ダクト部及び下流側遮光ダクト部を連設し、被殺菌処理物を内郭に非接触で通過させる遮光板を前記の下流側遮光ダクト部内に設け、上流側遮光ダクト部内に遮光カーテンを設けたことを特徴とする。
請求項7に係るコンベア式殺菌装置は、紫外線を照射する被殺菌処理物を搬送するコンベア面上の中間に紫外線照射室部を設け、該照射室部の入口及び出口にコンベア面を底面とする上流側遮光ダクト部及び下流側遮光ダクト部を連設し、被殺菌処理物を内郭に非接触で通過させる遮光板を前記の下流側遮光ダクト部内に設け、上流側遮光ダクト部内に被殺菌処理物の押当で傾動されて被殺菌処理物を通過させる遮光板を取付けたことを特徴とする。
請求項8に係るコンベア式殺菌装置は、請求項7のコンベア式殺菌装置において、遮光板を、中央セグメントの巾両側に数枚のサブセグメントを配し被殺菌処理物の搬送方向に対しセグメント端部間を係止ラップさせた分割式としたことを特徴とする。
請求項9に係るコンベア式殺菌装置は、請求項2〜4何れかのコンベア式殺菌装置において、コンベア面に被殺菌処理物を収容する枠部または窪み部を設けたことを特徴とする。
かかる紫外線照射に対し、紫外線照射室のみでは紫外線漏れ量をJISZ8812−1987規定の許容値に抑えることは至難であるが、紫外線照射室部の出入口に遮光ダクト部を連設してあるので、紫外線漏れ量を前記許容値以下にできると共に各遮光ダクト部内に遮光板または遮光カーテンを取付けてあるので、遮光ダクト部の長さを充分に短くできる。
また、下流側遮光ダクト部内での遮光カーテンまたは遮光板と被殺菌処理物との接触を防止できるようにしてあるので、紫外線照射室部で殺菌処理された被殺菌処理物への菌類の再付着を排除でき、超殺菌をきすることができる。
図1は本発明に係るコンベア式殺菌装置の基本的な構造を示す図面である。
図1において、1はベルトコンベアである。2はベルトコンベアのコンベア面の中間に設けた紫外線照射室部であり、天井に反射ミラー21を取付け、反射ミラーの直下にキセノンフラッシュランプ22を配設してある。3aは上流側遮光ダクト部であり、紫外線照射室部2の入口に連設してある。3bは下流側遮光ダクト部であり、紫外線照射室部2の出口に連設してある。4,…は遮光ダクト部に配設した遮光板または遮光カーテンである。
図1において、キセノンフラッシュランプ22に1閃光パルス当たりの供給電力量Aジュールで1秒間当たりN箇の閃光パルスを発生させるとすると、遮光ダクト部3a,3bの紫外線吸収率をαとして、T秒時間当たりの紫外線漏れ量Xは
X=k(1−α)ANT
で与えられる。kは単位供給電力量当たりの発生紫外線量である。
一方、ベルト速度をVとすると、被殺菌処理物に照射される紫外線量Yは、kNA/Vにほぼ比例として近似的に
Y∝kNA/V
で表すことができる。
而るに、ベルト速度Vは作業速度から規制され、1秒当たりの閃光パルス数はキセノンフラッシュランプの性能等から規制され、これら規制のもとで殺菌に必要な1閃光パルス当たりの供給電力エネルギーAは定まってしまう。
而して、T秒時間当たりの紫外線漏れ量X=k(1−α)ANTにおいて、1閃光パルス当たりの供給電力エネルギーAが殺菌効率上定まり、1秒当たりの閃光パルス数がキセノンフラッシュランプの性能上等から定まるから、JISZ8812−1987で規定するT=8時間での紫外線漏れ量は遮光ダクト部の紫外線吸収率αで定まり、その紫外線漏れ量を所定の許容値に抑えるには、遮光ダクト部の紫外線吸収率αを所定値に設定する必要がある。
吸収率αが0、すなわち遮光ダクト部が存在しない場合、1閃光パルス当たりの供給電力エネルギー22J、1秒当たりの閃光パルス数40箇のもとで8時間当たりの紫外線漏れ照度が2690J/m2にも達し、許容値30J/m2に抑えることはできない。
遮光ダクト部を連設するだけでは、遮光ダクト部全長を550mmにも長くする必要があり、大型化が避けられない。
本発明に係るコンベア式殺菌装置では、遮光ダクト部内に遮光カーテンや遮光板を取付けて短い遮光ダクト部でも紫外線漏れ量を許容値に抑え得るようにしている。
図2−1において、11はベルトコンベアのフレーム、12はコンベアベルト、13,13はロールである。Bは殺菌ハウジングの躯体であり、中央の照射室躯体部B2の前後に遮光ダクト躯体部B3,B3を一体に備え、躯体Bの両側壁下端をベルトコンベアフレーム11に支持してある。
この躯体Bには、アルミ製等の金属骨組にステンレス製等の金属板を貼付けたものを使用でき、内面を黒色処理することが好ましい。
C2は照射室部フードであり、内面に磨きステンレス板等の反射ミラー21を貼設し、内部上方にキセノンフラッシュランプ22等の紫外線放射ランプを配設してある。この照射室部フードC2を照射室躯体部B2上に装着することにより紫外線照射室部2を形成してある。
C3は遮光ダクト蓋であり、内面を黒色処理することが好ましく、この蓋C3を各遮光ダクト躯体部B3、B3上に装着することにより上流側遮光ダクト部3a及び下流側遮光ダクト部3bを形成してある。
4,…は遮光ダクト部3a,3b内に吊支した遮光板であり、内郭に被殺菌処理物を接触させることのないように内郭寸法を遮光ダクト部の入口や出口と同寸法とするか、またはやや大きくしてあり、被殺菌処理物に対し被殺菌処理物の外郭に応じた内郭寸法のものに取替え可能に吊支してある。この遮光板には金属板や合成樹脂板を使用でき、黒色処理することが好ましい。
この遮光板の枚数や配置位置は調整可能としてあり、その吊支構造としては、例えば、図2−2の(イ)〔断面図〕及び(ロ)〔図2−2の(イ)のロ−ロ断面図〕に示すように遮光ダクト躯体部B3の両側壁の上端部段面bに沿いガイド棒41を延設し、このガイド棒に多数箇のスライダー42を挿通しておき、図2−2の(ハ)に示すように前記段面に支承される遮光板突部43の奥方コーナに爪44を突設し、この爪44をセットビス45で固定すると共にスライダー42の移動によって遮光板4の位置を調整可能としたものを使用できる。
図2−2において、46はスライダー45のビス孔に固着したナット、47は遮光板の爪44のビス孔に固着したナットである。
この分割式遮光板では、被殺菌処理物が当接されるセグメントだけが傾動されて開口され、開口巾を遮光カーテンや非分割式遮光板よりも狭くでき、紫外線の漏れ軽減に有利である。
この邪魔突子に代え、3−3図の(イ)〔平面図〕及び(ロ)〔図3−3の(イ)のロ−ロ断面図〕に示すように、コンベアベルト12の上面に被殺菌処理物Sを完全に収容する枠122や窪みを設けることもできる。枠四方のうちベルト走行方向の枠部分1221はベルトターン時の伸縮に対応させ得るように蛇腹としてある。
紫外線照射室部通過によって殺菌を終えた被殺菌処理物と下流側遮光ダクト部内の遮光カーテンや接触遮光板との接触を排除して菌類の再付着を防止するために、コンベア面に前記邪魔突子または枠若しくは窪みを設けること、あるいは、遮光ダクト部のうち少なくとも下流側遮光ダクト部内の遮光板をその内郭を被殺菌処理物外郭よりも大きくした非接触式とすることが望ましい。
特に、弁当箱においては、炊きあげ直後の熱い米飯を充填し、その直後に蓋を被せており、湿度及び温度の両面から腐敗し易い条件に曝される。弁当の食中毒は弁当箱の底面に付着した菌類が主な原因である。
本発明に係るコンベア式殺菌装置においては、遮光板に接触式のものを使用しても、弁当箱との接触箇所が弁当箱周囲の仕切部上面や弁当箱の仕切部上面であって弁当箱の底面ではない。遮光カーテンを使用する場合でも、フィルムの剛性を高くすることにより同様にできる。従って、弁当箱の場合、遮光板やカーテンとの接触による菌類の再付着が問題となることは殆どない。
キセノンフラッシュランプの1閃光パルス当たりの供給電力エネルギーは15J〜25Jとされる。25Jを越えると、放電ギャップが大となったり、冷却手段の大型化が招来され装置の小型化が難しく、15J未満ではコンベア速度を低速とする必要があり作業能率の低下が避けられない。キセノンフラッシュランプからベルト面までの距離は40〜100mmとされ、弁当箱の場合は50〜60mmとされる。
コンデンサの容量をC、コンデンサに課電する直流電圧をVとすると、コンデンサの蓄積エネルギーはCV2/2で与えられ、このエネルギーが1閃光パルス当たりの供給電力エネルギーとなり、25J以下とすることによりコンデンサの小型化、または直流電圧の低圧化が可能となり、エネルギー供給装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
1秒当たりの閃光パルス数は20〜100箇とされる。20箇未満では単位時間当たりの累積紫外線照射量が少くな過ぎて有効な殺菌が困難となり、100箇を越えると、単位時間当たりの累積紫外線照射量が大となり過ぎフラッシュランプの発熱が顕著となり大型冷却手段が必要となり、装置の小型化が困難となる。
弁当箱(巾165mm×長さ300mm×高さ37mm)の底面に大腸菌(Escherichia
Coli NBRC3972)の培養菌液を塗抹して3000CFU/cm2とした弁当箱を処理したところ0CFU/cm2にできた。
遮光ダクト部出入口での漏洩光の照度を測定した。その相対照度を示すと、図4の(イ)の通りであり、1時間を1期として換算した漏れ紫外線波長270nmの照度はJIS 8812−1987規定の許容値30J/m2より低く、20〜25J/m2であった。
これに対し、両側遮光ダクト部の蓋を外し、紫外線照射室部の出入口での漏洩光の照度を測定したところ、その照度は図4の(ロ)[相対値]の通りであり、JISZ8812−1987による8時間を1期として換算した漏れ紫外線波長270nmの照度は2600〜2700J/m2であった。
11 コンベアフレーム
12 コンベアベルト
121 邪魔突起
122 枠部
B 殺菌ハウジング躯体
B2 照射室躯体部
B3 遮光ダクト躯体部
C2 照射室フード
C3 遮光ダクト蓋
2 紫外線照射室
21 反射ランプ
22 キセノンフラッシュランプ
3a 上流側遮光ダクト
3b 下流側遮光ダクト
4 遮光板
401 中央セグメント
402 サブセグメント
403 サブセグメント
h ヒンジ
S 被殺菌処理物
Claims (9)
- 紫外線を照射する被殺菌処理物を搬送するコンベア面上の中間に紫外線照射室部を設け、該照射室部の入口及び出口にコンベア面を底面とする上流側遮光ダクト部及び下流側遮光ダクト部を連設し、被殺菌処理物を内郭に非接触で通過させる遮光板を前記の各遮光ダクト部内に設けたことを特徴とするコンベア式殺菌装置。
- 紫外線を照射する被殺菌処理物を搬送するコンベア面上の中間に紫外線照射室部を設け、該照射室部の入口及び出口にコンベア面を底面とする上流側遮光ダクト部及び下流側遮光ダクト部を連設し、各遮光ダクト部内に遮光カーテンを取付けたことを特徴とするコンベア式殺菌装置。
- 紫外線を照射する被殺菌処理物を搬送するコンベア面上の中間に紫外線照射室部を設け、該照射室部の入口及び出口にコンベア面を底面とする上流側遮光ダクト部及び下流側遮光ダクト部を連設し、各遮光ダクト部内に被殺菌処理物の押当で傾動されて被殺菌処理物を通過させる遮光板を取付けたことを特徴とするコンベア式殺菌装置。
- 遮光板を、中央セグメントの巾両側に数枚のサブセグメントを配し被殺菌処理物の搬送方向に対しセグメント端部間を係止ラップさせた分割式としたことを特徴とする請求項3記載のコンベア式殺菌装置。
- 被殺菌処理物に遮光カーテンまたは遮光板が接触するのを防止するための邪魔突子をコンベア面に設けたことを特徴とする請求項2〜4何れか記載のコンベア式殺菌装置。
- 紫外線を照射する被殺菌処理物を搬送するコンベア面上の中間に紫外線照射室部を設け、該照射室部の入口及び出口にコンベア面を底面とする上流側遮光ダクト部及び下流側遮光ダクト部を連設し、被殺菌処理物を内郭に非接触で通過させる遮光板を前記の下流側遮光ダクト部内に設け、上流側遮光ダクト部内に遮光カーテンを設けたことを特徴とするコンベア式殺菌装置。
- 紫外線を照射する被殺菌処理物を搬送するコンベア面上の中間に紫外線照射室部を設け、該照射室部の入口及び出口にコンベア面を底面とする上流側遮光ダクト部及び下流側遮光ダクト部を連設し、被殺菌処理物を内郭に非接触で通過させる遮光板を前記の下流側遮光ダクト部内に設け、上流側遮光ダクト部内に被殺菌処理物の押当で傾動されて被殺菌処理物を通過させる遮光板を取付けたことを特徴とするコンベア式殺菌装置。
- 遮光板を、中央セグメントの巾両側に数枚のサブセグメントを配し被殺菌処理物の搬送方向に対しセグメント端部間を係止ラップさせた分割式としたことを特徴とする請求項7記載のコンベア式殺菌装置。
- コンベア面に被殺菌処理物を収容する枠部または窪み部を設けたことを特徴とする請求項2〜4何れか記載のコンベア式殺菌装置。
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