JP2005312091A - 駆動装置、及び撮像装置 - Google Patents

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大介 伊藤
Hironori Honjo
弘典 本庄
Takayuki Hayashi
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Abstract

【課題】 小型で消費電力が小さく、低コストで製造可能であり、被駆動部材を複数のポジション間に高精度に駆動することができるレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】 レンズ素子と接続される第1の移動部と、第2の移動部と、第1の移動部に含まれる第1の永久磁石と、第2の移動部に含まれる第2の永久磁石と、第1の移動部及び第2の移動部を、保持する固定部とを備える。固定部は、第1の規制部と、第2の規制部と、第3の規制部と、コイル部とを含む。第2の移動部を、第2の規制部に当接させ、第1の移動部を、第1の規制部に当接する位置と、第2の移動部に当接する位置との間で移動させ、第1のポジションと第2のポジションとの間で駆動する一方、第1の移動部と第2の移動部とを一体化し、第2の移動部を、第2の規制部に当接する位置と、第3の規制部に当接する位置との間で移動させ、第2のポジションと第3のポジションとの間で駆動する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被駆動部材を直線上に順に離散的に配置された3個以上のポジションの間で移動させるための駆動装置に関し、特定的には、磁気的な力によって被駆動部材を駆動する駆動装置に関する。また、本発明は、上記駆動装置をレンズ駆動装置として適用した撮像装置に関する。
近年、デジタルスチルカメラやデジタルビデオムービーだけではなく、携帯電話機器やPDA(Personal Digital Assistance)等においても撮像装置を搭載した機器が普及してきている。最近では、これらの撮像装置において、焦点合わせや変倍などの高機能化も併せて進展しているため、撮影レンズ系に含まれるレンズ素子を駆動するための小型のレンズ駆動装置が要望されている。
レンズ駆動装置としては、従来から、電磁モータや超音波モータなどの駆動力によりレンズ素子を移動する構成が知られている。しかしながら、従来のモータを用いたレンズ駆動装置は、機構が複雑であるため大型で製造に必要なコストが高く、消費電力も大きいという問題があった。したがって、モータを用いたレンズ駆動装置は、特に携帯電話機器やPDA等の高い携帯性と低コスト化とが求められる機器に搭載される撮像装置に対して適切ではない。
そこで、モータよりも簡易な機構を持つプランジャーソレノイド等を利用して、光軸に平行な方向に配置される離散的な複数のポジション間でレンズ素子を移動させるレンズ駆動装置が提案されている。
例えば、特許文献1は、プランジャーソレノイドを利用して、光軸に平行な方向に離散的に配置される3個のポジション間でレンズ素子を移動させるレンズ駆動装置を開示している。図11は、特許文献1に記載された従来のレンズ駆動装置の構成を示す断面図である。図11(A)〜(C)は、従来のレンズ駆動装置において、それぞれ、後述する可動プランジャーを駆動して、レンズ素子を直線上の異なる3つの位置に移動させた状態を示している。
従来のレンズ駆動装置700は、ボビン743と、コイル744と、ヨーク745と、第1可動プランジャー746と、第2可動プランジャー747と、第1タケノコばね748と、第2タケノコばね749と、第1規制部材750と、第2規制部材751とを含む。
ボビン743は、非磁性材料からなる。ボビン743は、周囲にコイル744が巻き付けられている。また、ボビン743は、外側にヨーク745を保持する。第1可動プランジャー746及び第2可動プランジャー747は、ともに円柱状をなし、ボビン743内に直列配置される。第1可動プランジャー746及び第2可動プランジャー747は、ともに、それぞれの軸方向に移動可能に保持される。第1可動プランジャー746及び第2可動プランジャー747は、内部に磁束を貫通させることが可能な磁性部材からなる。
第1タケノコばね748は、第1可動プランジャー746をコイル744から突出させる方向へ付勢する。また、第2タケノコばね749は、第2可動プランジャー747をコイル744から突出させる方向へ付勢する。この結果、第1可動プランジャー746及び第2可動プランジャー747は、軸線方向において互いに離反する方向へ付勢される。
第1規制部材750は、第1可動プランジャー746が第1タケノコばねにより必要以上に突出することを規制する規制部材である。また、第2規制部材751は、第2可動プランジャー747が第2タケノコばねにより必要以上に突出することを規制する規制部材である。
以上の構成において、レンズ駆動装置700は、外部からコイル744へ電流を供給しない場合、図11(A)に示すように、第1可動プランジャー746は第1タケノコばね748の付勢力により、第1規制部材750に当接する位置に突出する。また、第2可動プランジャー747は、第2タケノコばね749の付勢力により、第2規制部材751に当接する位置に突出する。
一方、レンズ駆動装置700は、外部からコイル744へ電流を供給し通電させた場合、コイル744が生成する磁束により、第1可動プランジャー746及び第2可動プランジャー747に軸線方向のコイル744の内部に吸引する力が作用する。
ここで、コイル744に所定小電流を通電した場合に発生する吸引力をαgと、コイル744に所定大電流を通電した場合に発生する吸引力をβgと、第1可動プランジャー746を吸引方向とは反対方向に付勢している第1タケノコばね748のばね力γgと、第2可動プランジャー747を吸引力とは反対方向に付勢している第2タケノコばね749のばね力をδgとする。
コイル744に所定大電流が通電されて、β>γかつβ>δの関係になった場合、図11(B)に示すように、第1可動プランジャー746は、第1タケノコばね748の付勢力に抗して、図11(A)に示す先端が第1規制部材750に規制される位置から、図中下向きに移動(以下、下動という)する。同様に、第2可動プランジャー747は、第2タケノコばね749の付勢力に抗して、図11(A)に示す先端が第2規制部材751に規制される位置から図中上向きに移動(以下、上動という)する。
第2可動プランジャー747の下端部には胴付き部747aが形成されている。第2可動プランジャー747は、胴付き部747aの上端面がヨーク745の下端面745aに当接する位置まで上動する。このため、第1可動プランジャー746は、その下端部が上動した第2可動プランジャー747の上端に当接する位置まで下動が許容され、それ以上の下動は第2可動プランジャー747との当接(吸着)によって規制される。
一方、コイル744に所定小電流が通電されて、α>γかつα<δの関係となった場合、図11(C)に示すように、第1可動プランジャー746は、第1タケノコばね748の付勢力に抗して図11(A)に示す上動位置から下動する。しかしながら、第2可動プランジャー747は、タケノコばね749のばね力によって、図11(A)に示す下動位置からほとんど上動することができない。このため、第1可動プランジャー746は下動位置にある第2可動プランジャー747に当接するまで下動することが許容される。
以上のようにして、第1可動プランジャー746は、コイル744に通電されていない場合と、コイル744に所定大電流が通電された場合と、コイル744に所定小電流が通電された場合と、それぞれ順に図中下方に変化する。よって、第1可動プランジャー746を駆動対象であるレンズ素子を保持するレンズ枠に連結することにより、従来のレンズ駆動装置700は、レンズ素子を3つの異なるポジション間で駆動することができる。
特開2000−134898号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたレンズ駆動装置は、動作に際して、第1タケノコばね748及び第2タケノコばね749の付勢力より大きい力をコイル744が生成する磁束により発生させなければならないので、駆動効率が低く消費電力が大きくなってしまうという課題があった。
また、特許文献1に記載されたレンズ駆動装置は、コイル744に所定小電流が通電した場合、第2可動プランジャー747が磁気的な力の影響により完全に静止しないので、位置決め精度を向上させることができないという課題があった。
さらに、特許文献1に記載されたレンズ駆動装置は、コイル744に所定大電流を通電した場合、小さい付勢力が作用している第1可動プランジャー746が、大きい付勢力が作用している第2可動プランジャー747よりも移動速度よりも大きくなるため、それに伴って移動量が大きくなるという課題があった。可動プランジャーの移動量が制約を受けると、レンズ素子の各ポジションを設定する際に制限を受けてしまう。
本発明の目的は、従来の課題に鑑み、小型で消費電力が小さく、低コストで製造可能であり、被駆動部材を複数のポジション間で高精度に駆動することができる駆動装置を提供することである。また、本発明の目的は、上記駆動装置を用いてレンズ素子を駆動するレンズ駆動装置を備えるコンパクトな撮像装置を提供することである。
上記目的は、以下の駆動装置により達成される。
直線上に順に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間で、被駆動部材を駆動する駆動装置であって、被駆動部材と接続される第1の移動部と、第1の移動部の移動方向に隣接して配置される第2の移動部と、第1の移動部に含まれ、磁束を発生する第1の磁束発生部と、第2の移動部に含まれ、磁束を発生する第2の磁束発生部と、第1の移動部及び第2の移動部を、それぞれ被駆動部材の移動方向に沿って往復移動可能に保持する固定部とを備え、固定部は、第1の移動部を当接させて、第1の移動部の第2の移動部に対向しない側への移動を規制する第1の規制部と、第2の移動部を当接させて、第2の移動部の第1の移動部に対向する側への移動を規制する第2の規制部と、第2の移動部を当接させて、第2の移動部の第1の移動部に対向しない側への移動を規制する第3の規制部と、外部から供給される電流に基づいて、磁束を発生するコイル部とを含み、第1の磁束発生部と、第2の磁束発生部と、コイル部との相互の間に作用する磁気的な力により、第2の移動部を、第2の規制部に当接させるとともに、第1の移動部を、第1の規制部に当接する位置と、第2の移動部に当接する位置との間で移動させることにより、被駆動部材を、第1のポジションと第2のポジションとの間で駆動する一方、磁気的な力により、第1の移動部と第2の移動部とを当接させて一体化し、第2の移動部を、第2の規制部に当接する位置と、第3の規制部に当接する位置との間で移動させることにより、被駆動部材を、第2のポジションと第3のポジションとの間で駆動することを特徴とする。
本発明は、上記構成を備えているので、直線上に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間で、被駆動部材を精度よく駆動することが可能である。また、本発明は、特に固定部が第1乃至第3の規制部を含むので、各ポジションにおいて、機械精度に依存して高精度に位置決めを行うことができる。また、本発明は、簡易な構成で部材も少ないため低コストな駆動装置を実現することができる。また、本発明は、ばね等の機械的な付勢部材を含まないので、駆動効率がよく消費電力が小さい駆動装置を実現することができる。
好ましくは、第1の磁束発生部及び第2の磁束発生部の内、少なくとも一方は、発生した磁束を貫通可能な磁性部材を外部に配置する。本発明は、上記構成を備えているので、第1及び第2の磁束発生部が発生する磁束の密度や方向を制御することができる。したがって、各部材の配置自由度を向上させ、磁気的な力を必要な部分に効率よく生成することができる。
好ましくは、第1の磁束発生部及び第2の磁束発生部は、いずれも永久磁石であり、コイル部は、第1の規制部近傍に設けられた第1のコイルと、第3の規制部近傍に設けられた第2のコイルとを有する。本発明は、第1の磁束発生部及び第2の磁束発生部が永久磁石であるので、外部から電流を供給することなく磁束を発生することができる。したがって、本発明は、消費電力を小さくすることができる。また、各ポジションにおいて、コイルへの通電を終了しても第1及び第2の移動部の位置を保持することができる。
一例として、永久磁石は、いずれも被駆動部材の移動方向に直交する方向に磁束を発生させる。また、他の例として、永久磁石は、いずれも被駆動部材の移動方向に平行な方向に磁束を発生させる。
好ましくは、第1の移動部は、第1の規制部及び第2の移動部の内、少なくとも一方と当接する際、第1の磁束発生部自体を当接させてもよい。また、好ましくは、第1の移動部は、第1の規制部及び第2の移動部の内、少なくとも一方と当接する際、第1の磁束発生部の外部に配置された磁性部材を当接させてもよい。
好ましくは、第2の移動部は、第1の移動部と当接する際、第2の磁束発生部自体を当接させてもよい。また、好ましくは、第2の移動部は、第1の移動部と当接する際、第2の磁束発生部の外部に配置された磁性部材を当接させてもよい。
好ましくは、第1のコイル及び第2のコイルの内、少なくとも一方は、発生した磁束を貫通可能な磁性部材を含む。本発明は、上記構成を備えているので、第1及び第2のコイルが発生する磁束の密度や方向を制御することができる。したがって、各部材の配置自由度を向上させ、磁気的な力を必要な部分に効率よく生成することができるとともに、無通電状態で保持することが可能になる。
好ましくは、第1のコイル及び第2のコイルは、それぞれ異なる磁性部材と接続されており、被駆動部材が第1のポジションにあるとき、第1の磁束発生部からの磁束が第1のコイルに接続される磁性部材を貫通し第1の磁束発生部に戻り、被駆動部材が第2のポジション及び第3のポジションのいずれか一方にあるとき、第1の磁束発生部からの磁束が、第2の磁束発生部と、第2のコイルに接続される磁性部材とを貫通する。本発明は、上記構成を備えているので、被駆動部材を無通電状態においても、磁気的な力によって静止保持することができる。
第1の磁束発生部及び第2の磁束発生部は、いずれもコイルであり、コイル部は、第3の規制部近傍に設けられた第1のコイルを含む。本発明は、上記構成を備えているので、制御の容易なコイル間に作用する磁気的な力を調整することにより、各移動部を移動させることができる。したがって、特に移動方向及び移動方向に直交する方向の大きさを小さくすることができる。
移動部は、移動方向に直交する面内の回転を抑止するための回転抑止手段を含む。本発明は、以上の構成を備えているので、移動部を精度よく移動させることができる。
また、好ましくは、被駆動部材は、レンズ素子である。本発明は、以上の構成を備えているので、小型のレンズ駆動装置を実現することができる。
一例として、第1及び第2の移動部と、固定部は、いずれもレンズ素子の光軸に関して回転対称な中空の円筒形状を有する。本発明は、以上の構成を備えているので、レンズ素子を光軸方向に駆動する駆動装置を小型化することができる。また、第1及び第2の磁束発生部やコイル部を、レンズ素子の周方向に均一に配置することができるため、コイル等の取り付け位置誤差に基づく位置決め精度の低下、移動時の傾きによる移動誤差を防止することができる。
上記目的は、以下の撮像装置により達成される。
被写体を、電気的な画像信号に変換して出力可能な撮像装置であって、被写体の光学的な像を形成する撮影レンズ系と、撮影レンズ系が形成した光学的な像を、電気的な画像信号に変換する撮像素子と、撮影レンズ系に含まれる少なくとも1個のレンズ素子と、撮影レンズ系の光軸方向に沿って順に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間でレンズ素子を駆動して、レンズ素子と撮像素子との間の間隔を変更するレンズ駆動装置と、レンズ駆動装置を制御する制御部とを備え、レンズ駆動装置は、レンズ素子と接続される第1の移動部と、第1の移動部の移動方向に隣接して配置される第2の移動部と、第1の移動部に含まれ、磁束を発生する第1の磁束発生部と、第2の移動部に含まれ、磁束を発生する第2の磁束発生部と、第1の移動部及び第2の移動部を、それぞれ光軸方向に沿って往復移動可能に保持する固定部とを含み、固定部は、第1の移動部を当接させて、第1の移動部の第2の移動部に対向しない側への移動を規制する第1の規制部と、第2の移動部を当接させて、第2の移動部の第1の移動部に対向する側への移動を規制する第2の規制部と、第2の移動部を当接させて、第2の移動部の第1の移動部に対向しない側への移動を規制する第3の規制部と、供給される電流に基づいて、磁束を発生するコイル部とを有し、制御部は、コイル部に供給する電流を制御して、第1の磁束発生部と、第2の磁束発生部と、コイル部とが生成する磁束を変化させることにより、相互に作用する磁気的な力を調整可能であり、レンズ駆動装置は、制御部により調整された磁気的な力により、第2の移動部を、第2の規制部に当接させるとともに、第1の移動部を、第1の規制部に当接する位置と、第2の移動部に当接する位置との間で移動させることにより、レンズ素子を、第1のポジションと第2のポジションとの間で駆動する一方、制御部により調整された磁気的な力により、第2の移動部を、第1の移動部を当接させた状態で、第2の規制部に当接する位置と、第3の規制部に当接する位置との間で移動させることにより、レンズ素子を、第2のポジションと第3のポジションとの間で駆動することを特徴とする。
本発明は、上記構成を備えているので、撮像装置において、レンズ駆動装置を用いて直線上に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間で、レンズ素子を精度よく駆動することが可能である。また、本発明は、特に固定部が第1乃至第3の規制部を含むので、レンズ駆動装置は、各ポジションにおいて、機械精度に依存して高精度に位置決めを行うことができる。また、本発明は、簡易な構成で部材も少ないため低コストなレンズ駆動装置を備える撮像装置を実現することができる。また、本発明は、ばね等の機械的な付勢部材を含まないので、駆動効率がよく消費電力が小さいレンズ駆動装置を備える撮像装置を実現することができる。
以上のように、本発明によれば、小型で消費電力が小さく、低コストで製造可能であり、被駆動部材を複数のポジション間で高精度に駆動することができる駆動装置を提供することができる。また、本発明によれば、上記駆動装置を用いてレンズ素子を駆動するレンズ駆動装置を備えるコンパクトな撮像装置を提供することができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るレンズ駆動装置を適用した撮像装置の内部の構成と被写体との関係を示す模式図である。撮像装置は、撮影レンズ系2と、撮像素子3とを含む。撮影レンズ系2は、1枚あるいは複数のレンズ素子からなり、被写体1の光学的な像を形成する。撮像素子3は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)であり、撮影レンズ系2により形成された被写体1の光学的な像を受光面に受光し、電気的な画像信号に変換する。
図1(A)は、風景等を撮影するときに相当し、物体距離が無限遠方に位置する場合の撮影レンズ系2の位置を表している。また、図1(B)は、撮影者自身等を撮影する(自分撮り)ときに相当し、物体距離が数十cmから1m程度である場合の撮影レンズ系2の位置を表している。また、図1(C)は、書類等を撮影するときに相当し、物体距離が10cm程度である場合の撮影レンズ系2の位置を表している。
図1(A)〜(C)に示すように、撮像装置は、後述するレンズ駆動装置を用い、被写体1までの距離の変化に応じて撮影レンズ系2を移動させ、撮像素子3の受光面に形成される光学的な像の焦点合わせを行う。物体距離が無限遠方に位置する場合、撮影レンズ系2は、図1(A)に示すように最も撮像素子3に近い第1のポジションに配置される。物体距離が数十cmから1m程度である場合、撮影レンズ系2は、図1(B)に示すように、第1のポジションより撮像素子3から離れた第2のポジションに配置される。物体距離が10cm程度である場合、図1(C)に示すように最も撮像素子3に遠い第3のポジションに配置される。撮像装置は、撮影レンズ系2を、レンズ駆動装置を用いて第1〜第3のポジションに離散的に移動させて、それぞれのポジションで保持することが可能である。
図2は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の側断面図の片側を示す。図中、一点鎖線は、撮影レンズ系2の光軸を示す。実施の形態1に係るレンズ駆動装置100は、撮影レンズ系2の光軸に関して回転対称の構成を備えている。レンズ駆動装置100は、全体として、撮影レンズ系2の光軸を中心軸とする円柱状である。
レンズ駆動装置100は、概略、固定部と、第1の移動部と、第2の移動部とからなり、固定部の内部に形成された空間内を、第1の移動部と第2の移動部とがそれぞれ撮影レンズ系2の光軸方向に移動可能な構造を有している。固定部は、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第1の磁性部材112と、第2の磁性部材113と、第1の規制部材116と、第2の規制部材117とからなる。第1の移動部は、移動レンズ枠104と、第1の永久磁石108と、第3の磁性部材114とからなる。第2の移動部は、第2の永久磁石109と、第4の磁性部材115と、第3の規制部材118とからなる。また、移動レンズ枠104は、被駆動部材である撮影レンズ系2を保持する。撮影レンズ系2は、レンズ素子105と、レンズ素子106と、レンズ素子107とからなる。
なお、第1の磁性部材112と、第2の磁性部材113と、第3の磁性部材114と、第4の磁性部材115とは、いずれも電磁鋼鉄からなり、内部に磁束を貫通させることが可能である。また、第1の規制部材116と、第2の規制部材117と、第3の規制部材118とは、いずれもポリカーボネイト樹脂からなる。
固定部において、第1の規制部材116は、撮影レンズ系2の光軸に直交する面を含む部分と、光軸に平行な円筒部分とを持つ。第1の規制部材116は、撮影レンズ系2の光軸に直交する面を含む部分に、第1の磁性部材112を保持する。第1の磁性部材112は、端面112aにより、第1の規制部材116に固定される。第1の磁性部材112は、撮影レンズ系2の光軸に直交する方向の外向きに開口を持つ矩形断面を有しており、内部に第1のコイル110を保持する。第1の磁性部材112は、端面と平行な端面112bを持つ。第1のコイル110は、外部から供給される電流により撮影レンズ系2の光軸に平行な方向に磁界を形成するよう巻回されている。
第1の規制部材116は、撮影レンズ系2の第1のポジションを決定するための撮影レンズ系2の光軸に直交する端面116aを有する。また、第1の規制部材116の内径は、端面116aから遠い側で大きくなっており、内径が変化する部分に撮影レンズ系2の第2のポジションを決定するための撮影レンズ系2の光軸に直交する端面118aを有する。
第2の規制部材117は、概略、撮影レンズ系2の光軸に直交する円板形状である。第2の規制部材117は、第2の磁性部材113を保持する。第2の磁性部材113は、端面113bにより、第2の規制部材117に固定される。第2の磁性部材113は、撮影レンズ系2の光軸に直交する方向の外向きに開口を持つ矩形断面を有しており、内部に第2のコイル111を保持する。第2の磁性部材113は、第2の規制部材117に固定される端面113bと、端面113bに平行な端面113aとを持つ。第2のコイル111は、外部から供給される電流により撮影レンズ系2の光軸に平行な方向に磁界を形成するよう巻回されている。
第2の規制部材117は、第1の規制部材116と接続される。また、第2の規制部材117は、撮影レンズ系2の第3のポジションを決定するための撮影レンズ系2の光軸に直交する端面117aを有する。
第1の移動部において、移動レンズ枠104は、撮影レンズ系2の光軸に沿って形成された円筒部分と、光軸に垂直な面を持つフランジ部分とを有する。移動レンズ枠104は、円筒部分の内径側に撮影レンズ系2を構成する3枚のレンズ素子105〜107を保持する。また、移動レンズ枠104は、フランジ部分に第1の永久磁石108と第3の磁性部材114とを保持する。
第1の永久磁石108は、撮影レンズ系2の光軸に直交する方向の外向きに磁界を形成するように、撮影レンズ系2の外周方向にN極を向けて配置される。第1の永久磁石108は、第3の磁性部材114に接続される。第3の磁性部材114は、第1の永久磁石108のN極側を覆う撮影レンズ系2の光軸に平行な円筒部分と、移動レンズ枠104のフランジ部分を覆う部分とからなる断面L字状の形状を有する。第3の磁性部材114は、フランジ部分を覆う部分に端面114aを有する。
第2の移動部において、第2の永久磁石109は、撮影レンズ系2の光軸に直交する方向の外向きに磁界を形成するように、撮影レンズ系2の内周方向にN極を向けて配置される。第2の永久磁石109は、第4の磁性部材115に接続される。第4の磁性部材115は、第2の永久磁石109のS極側を覆う撮影レンズ系2の光軸に平行な円筒部分と、第3の磁性部材114の端面114aに対向する部分とからなる断面L字状の形状を有する。第4の磁性部材115は、端面114aに対向する端面115aを有する。
端面114aと端面115aとが対向しているので、第1の移動部は、第1の永久磁石の端面108aと第1の規制部材116の端面116aが当接する位置から、端面114aと端面115aとが当接する位置までの間に撮影レンズ系2の光軸に平行な方向の移動が規制される。
第3の規制部材118は、第4の磁性部材115の撮影レンズ系2の光軸に平行な円筒部分に固定される。第3の規制部材118は、第1の規制部材116の端面116bに対向する端面118aと、第2の規制部材117の端面117aに対向する端面118bとを持つ。端面118aと端面116bとが対向し、及び端面118bと端面117aとが対向しているので、第2の移動部は、端面118aと端面116bとが当接する位置から、端面118bと端面117aとが当接する位置までの間において、撮影レンズ系2の光軸に平行な方向の移動が規制される。
図3は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の上面図である。図3に示すように、移動レンズ枠104は、外径部に回転抑止凹部104aを持つ。また、第2の規制部材117は、内径部に回転抑止凸部117bを持つ。回転抑止凹部104aと回転抑止凸部117bとが嵌め合わされることにより、移動レンズ枠104は、光軸まわりの回転が規制される。この結果、実施の形態1に係るレンズ駆動装置において、移動レンズ枠104を精度よく移動させることができる。
図4は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の動作を磁気回路により説明する説明図である。図4(A)は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置において、撮影レンズ系2が、図1(A)に示した第1のポジションにあるときの磁気回路の構成を示す。図4(B)は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置において、撮影レンズ系2が、図1(A)に示した第1のポジションと、図1(B)に示した第2のポジションとの間を移動する際の磁気回路の構成を示す。図4(C)は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置において、撮影レンズ系2が、図1(B)に示した第2のポジションにあるときの磁気回路の構成を示す。図4(D)は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置において、撮影レンズ系2が、図1(B)に示した第2のポジションと、図1(C)に示した第3のポジションとの間を移動する際の磁気回路の構成を示す。図4(E)は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置において、撮影レンズ系2が、図1(C)に示した第3のポジションにあるときの磁気回路の構成を示す。
図4(A)〜(E)において、レンズ駆動装置100の磁気回路は、第1の永久磁石108と、第2の永久磁石109と、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第1の磁気部材112と、第2の磁気部材113と、第3の磁気部材114と、第4の磁気部材115とからなる。
図4(A)において、間隙119は、第1の磁性部材112の第1の規制部材116に保持される側の端部と、第1の永久磁石108との間に形成される間隙である。また、間隙120は、第1の磁性部材112の第1の規制部材116から保持されない側の端部と、第1の永久磁石108との間に形成される間隙である。また、間隙121は、第1の磁性部材112の端面112bと、第3の磁性部材114との間に形成される間隙である。
間隙122は、第3の磁性部材114の端面114aと第4の磁性部材115の端面115aの間に形成される間隙である。また、間隙123は、第2の磁性部材113の端面113aと、第4の磁性部材115との間に形成される間隙である。また、間隙124は、第2の磁性部材113の第2の規制部材117から保持されない側の端部と、第2の永久磁石109との間に形成される間隙である。また、間隙125は、第2の磁性部材113の第2の規制部材117に保持される側の端部と、第2の永久磁石109との間に形成される間隙である。
また、図4(A)〜(E)において、矢印126〜133は、永久磁石及びコイルのいずれかから発生して、各磁気部材の内部を貫通する磁束を表す。なお、符号は、図4Aに代表して示し、他の図に必要部分のみ記載する。
図4(A)において、撮影レンズ系2が、図1(A)に示した第1のポジションにあるとき、第1の永久磁石108のN極から発生した磁束126は、第3の磁性部材114の内部を貫通して、間隙120に対向する端部まで達する。ここで、間隙120が小さいため、磁束126の大部分は、間隙120を介して第1の磁性体112の内部に侵入する。侵入した磁束126は、第1の磁性部材112の内部を貫通して、間隙119に対向する端部まで達する。ここで、間隙119が小さいため、第1の磁性部材112の内部を貫通した磁束126は、第1の永久磁石108のS極に戻される。
以上説明した磁束126は、間隙119および間隙121に磁気的引力を発生させる。すなわち、第1の永久磁石108は、第1の規制部材116側へ向けた磁気的な付勢力を受ける。このとき、第1の永久磁石108の端面108aと第1の規制部材116の端面116aとが当接し、第1の移動部は、静止保持される。このように、撮影レンズ系2が、図1(A)に示した第1のポジションにあるとき、第1の移動部は、第1のコイル110及び第2のコイル111に通電することなく、第1の永久磁石108が生成する磁束126により静止保持される。なお、図4(A)において、第1のポジションを、第3の磁性部材114の端面114aを基準として一点鎖線で図示している。
次に、撮影レンズ系2が、図1(A)に示した第1のポジションにあるときに、第1のコイル110に外部から電流を供給し、第4の磁性部材115に向けてN極を生成するよう通電する。通電の結果、図4(B)に示すように、第1のコイル110は、磁束127を生成する。磁束127は、磁束126と逆方向に第1の磁性部材112の内部を貫通する。磁束127が間隙121に対向する端部に達することにより、第1の永久磁石108が生成した磁束128は、第1の磁性部材112に侵入することができなくなる。磁束128の大部分は、磁束127に反発する結果、第4の磁性部材115に侵入する。侵入した磁束128は、第4の磁性部材115を貫通し、第2の永久磁石109のS極に戻される。さらに、磁束128は、第2の永久磁石109のN極から間隙124及び間隙125に達する。ここで、予め間隙124は、間隙125より小さくなるように構成されているので、磁束128は、間隙124を介して第2の磁性部材113の第2の規制部材117に保持されない側の端部から、第2の磁性部材113に侵入し、第2の磁性部材113を貫通する。
以上説明した磁束127及び磁束128は、間隙120と、間隙122と、間隙124とに磁気的引力を発生させ、間隙119と、間隙121と、間隙125とに磁気的斥力を発生させる。すなわち、第2の永久磁石109は、第2の規制部材117から遠ざかる方向に磁気的な付勢力を受ける。このとき、第3の規制部材118の端面118aと第1の規制部材116の端面116bとが当接し、第2の移動部はその位置で静止保持される。一方、第1の永久磁石108は、第4の磁性部材115側へ向けた磁気的な付勢力を受ける。第1の移動部は、規制を受けないので、第4の磁性部材115へ向けて移動する。第3の磁性部材114の端面114aと第4の磁性部材115の端面115aとが当接すると、第1の移動部の移動が終了する。第4の磁性部材115の端面115aが後述するように第2のポジションに固定されているので、第1の移動部は、移動の終了によって、図4(C)に一点鎖線で示す第2のポジションに対応する位置に達する。
なお、第1の移動部を第2のポジションに対応する位置で完全に停止させるため、第3の磁性部材114が、第4の磁性部材115を第2のポジションに対応する位置を超えて押さないようにする必要がある。すなわち、第1の永久磁石108が第1のコイル110から受ける磁気的な付勢力が、第2の永久磁石が磁束128により受ける磁気的な付勢力よりも小さくなるようにしなければならない。磁気的な付勢力のバランスを図るには、第1のコイル110に供給する電流を制御して、第1の磁性部材112に働く磁束127を調整すればよい。あるいは、第2のコイル111に外部から電流を供給して磁束128と同方向に新たな磁束を発生させてもよい。
次に、第3の磁性部材114の端面114aと第4の磁性部材115の端面115aとが当接した状態で、第1のコイル110の通電を終了する。通電を終了した結果、図4(C)に示すように、第1のコイル110は、磁束127を生成しなくなる。また、間隙121が大きくなるため、第1の永久磁石108が生成する磁束128のすべては第4の磁性部材115へ侵入し、第1の磁性部材112へは侵入しなくなる。したがって、通電が終了した状態においても、磁束128は、間隙120と、間隙122と、間隙124とに磁気的引力を発生させ、間隙121と、間隙125とに磁気的斥力を発生させる。
以上の結果、第3の永久磁石114の端面114aと第4の磁性部材115の端面115aとが当接した状態で、第1の移動部は、静止保持される。このように、撮影レンズ系2が、図1(B)に示した第2のポジションにあるとき、第1の移動部は、第1のコイル110及び第2のコイル111に通電することなく、第1の永久磁石108が生成する磁束128により静止保持される。
次に、撮影レンズ系2が、図1(B)に示した第2のポジションにあるときに、再び第1のコイル110に外部から電流を供給し、第4の磁性部材115に向けてN極を生成するよう通電する。通電の結果、図4(D)に示すように、第1のコイル110は、磁束131を生成する。磁束131は、第1の永久磁石108が生成する磁束131と間隙121で対向するように第1の磁性部材112の内部を貫通する。
なお、第1の移動部及び第2の移動部を第2のポジションに対応する位置を超えて移動させるため、第3の磁性部材114が、第4の磁性部材115を第2のポジションに対応する位置を超えて押すようにする必要がある。すなわち、第1の永久磁石108が第1のコイル110から受ける磁気的な付勢力が、第2の永久磁石が磁束131により受ける磁気的な付勢力よりも大きくなるようにしなければならない。磁気的な付勢力のバランスを図るには、第1のコイル110に供給する電流を制御して、第2の磁性部材112に働く磁束130を調整すればよい。あるいは、第2のコイル111に外部から電流を供給して磁束131と逆方向に新たな磁束を発生させてもよい。
以上の結果、磁束130及び磁束131を発生させることにより、第1の移動部及び第2の移動部は、第1の規制部材117へ向けて一体的に移動する。第1の移動部及び第2の移動部は、第3の規制部材118の端面118bと第1の規制部材117の端面117aが当接するまで移動する。第1の移動部及び第2の移動部は、移動の終了によって、図4(E)に一点鎖線で示す第3のポジションに対応する位置に達する。
次に、第3の規制部材118の端面118bと第1の規制部材117の端面117aが当接した状態で、第1のコイル110の通電を終了する。通電を終了した結果、図4(E)に示すように、第1の永久磁石108は、N極から磁束133を生成する。磁束133は、第3の磁性部材114から第4の磁性部材115へ侵入して、第4の磁性部材の内部を貫通する。このとき、間隙124が大きくなり間隙123と間隙125とが小さくなるため、磁束133は間隙125を介して第2の磁性部材113へ侵入し貫通する。さらに、磁束133は、間隙123を介して第4の磁性部材115へ戻される。また、一方、間隙119が大きくなり間隙120が小さくなるため、第1の磁性部材112は、内部に新たな磁束132を生成する。したがって、通電が終了した状態においても、磁束132及び磁束133は、間隙120と、間隙122と、間隙123と、間隙125とに磁気的引力を発生させ、間隙119と、間隙121と、間隙124とに磁気的斥力を発生させる。
以上の結果、第1の移動部及び第2の移動部は、第3の磁性部材114の端面114aと第4の磁性部材115の端面115aが当接した状態で、静止保持される。このように、撮影レンズ系2が、図1(C)に示した第3のポジションにあるとき、第1の移動部及び第2の移動部は、第1のコイル110及び第2のコイル111に通電することなく、第1の永久磁石108及び第2の永久磁石109が生成する磁束132及び磁束133により静止保持される。
なお、撮影レンズ系2が第3のポジションに静止保持された状態から、第2のポジション及び第1のポジションへ順次移動させる場合、上記の例とは全く逆方向に磁気的な力を生成すればよい。本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の磁気回路は、第1のコイル及び第2のコイルはそれぞれ第2のポジションに対応する位置に対して対称配置されているから、コイルを通電することにより生成される磁界の向きを変更することにより、今まで説明した磁気回路の駆動制御と全く逆方向に磁気的な付勢力を生成することが可能である。
具体的には、撮影レンズ系2が第3のポジションにあるとき、第2のコイル111に第3の磁性部材114に向けてS極を生成するよう通電する。通電することにより、第1の移動部及び第2の移動部は、第3のポジションに対応する位置から第2のポジションに対応する位置へ移動する。また、撮影レンズ系2が第2のポジションにあるとき、第1のコイル110に第4の磁性部材115に向けてS極を生成するよう通電する。このとき、第1のコイル110の生成する磁束による付勢力が、第1の永久磁石108及び第2の永久磁石109の間に作用する磁気的な力より大きくなるように設定することにより、第3の磁性部材114と第4の磁性部材115との間の当接をはずして第1の移動部のみを駆動することが可能になる。その後、第1の移動部は、第1のポジションに対応する位置まで移動し、静止保持される。
以上説明したように、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第1の永久磁石108と、第2の永久磁石109との間相互に作用する磁気的な力を適宜調整可能であるため、直線上に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間で、レンズ素子を精度よく駆動することが可能である。特に、実施の形態1に係るレンズ駆動装置において、第1のポジションは、第1の永久磁石108の端面108aと第1の規制部材116の端面116aとの当接により決定される。同様に、第2のポジションは、第3の磁性部材114の端面114aと第4の磁性部材115aとの当接により決定される。同様に、第3のポジションは、第3の規制部材118の端面118bと第2の規制部材117の端面117aとの当接により決定される。このように、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、すべてのポジションが、機械的な位置決めによって決定されるため、従来のレンズ駆動装置と比較して位置決め精度が高く、ポジションの配置の設計自由度が大きい。
また、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、永久磁石やコイルなどの安価な部材のみで構成できるため、低コストなレンズ駆動装置を提供することができる。また、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、ばね等の機械的な付勢部材を含まないので、駆動効率がよく消費電力が小さいレンズ駆動装置を実現することができる。
また、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、第1及び第2の永久磁石を含むため、第1及び第2のコイルへの通電を終了しても、各ポジションに第1の移動部を静止保持することができる。したがって、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、無通電状態でレンズ素子を各ポジションに静止保持することが可能になり、駆動する際に必要な電力のみでレンズ駆動装置を動作させることができる。
また、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、撮影レンズ系2が第1のポジションにあるとき、第1の磁束発生部からの磁束が第1のコイルに接続される磁性部材を貫通し第1の磁束発生部に戻り、撮影レンズ系2が第2のポジション及び第3のポジションのいずれか一方にあるとき、第1の磁束発生部からの磁束が、第2の磁束発生部と、第2のコイルに接続される磁性部材とを貫通するよう構成されている。したがって、第1及び第2のコイルへの通電を終了しても、各ポジションに第1の移動部を静止保持することができる。このため、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、無通電状態でレンズ素子を各ポジションに静止保持することが可能になり、駆動する際に必要な電力のみでレンズ駆動装置を動作させることができる。
また、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、第1及び第2の移動部と、固定部は、いずれもレンズ素子の光軸に関して回転対称な中空の円筒形状であるので、レンズ素子の周囲に配置することができレンズ駆動装置を小型化することができる。また、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、第1及び第2の移動部と、固定部は、いずれもレンズ素子の光軸に関して回転対称な中空の円筒形状であるので、第1及び第2の磁束発生部やコイル部をレンズ素子の周方向に均一に配置して各部材間に光軸方向について均一な磁気的な力を作用させることができる。したがって、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、コイル等の取り付け位置誤差に基づく位置決め精度の低下、移動時の傾きによる移動誤差を防止することができる。
また、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、第1のコイル及び第2のコイル、第1の永久磁石及び第2の永久磁石のすべてに、磁性部材が設置されていることにより、それぞれが発生する磁束の密度や方向を制御することができる。したがって、各部材の配置自由度を向上させ、各部材間に作用する磁気的な力を必要な部分に効率よく生成することができるとともに、無通電状態で保持することが可能になる。
なお、上記実施の形態1は、第1のコイル及び第2のコイル、第1の永久磁石及び第2の永久磁石のすべてに、磁性部材が設置されている例であったがこれに限られない。いずれか、あるいはすべての部材に磁性部材を設けなくてもよい。この場合、例えば、コイルと永久磁石とが直接当接したり、永久磁石同士が直接当接したり、コイルあるいは永久磁石と磁性部材とが当接したりすることになるが、いずれも同様に動作可能である。ただし、磁性部材を省略した場合、各ポジションで静止保持するために第1及び第2のコイルのいずれかあるいは両方へ通電することが必要になる。
なお、上記実施の形態1において、第1の永久磁石は、撮影レンズ系2の外周方向にN極を向けて配置され、第2の永久磁石は、撮影レンズ系の内周方向にN極を向けて配置されているが、これに限られない。第1の永久磁石及び第2の永久磁石の向きを相互に逆転させ、第1の永久磁石は、撮影レンズ系2の内周方向にN極を向けて配置させ、第2の永久磁石は、撮影レンズ系の外周方向にN極を向けて配置させてもよい。この場合、図4を用いて説明した磁束の向きは、すべて逆方向になるので、レンズ駆動装置を動作させる際の第1及び第2のコイルの極性も反転する必要がある。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置の片側の側断面図である。図中、一点鎖線は、撮影レンズ系2の光軸を示す。実施の形態2に係るレンズ駆動装置200は、撮影レンズ系2の光軸に関して回転対称の構成を備えている。レンズ駆動装置200は、全体として、撮影レンズ系2の光軸を中心軸とする円柱状である。
レンズ駆動装置200は、概略、固定部と、第1の移動部と、第2の移動部とからなり、固定部の内部に形成された空間内を、第1の移動部と第2の移動部とがそれぞれ撮影レンズ系2の光軸方向に移動可能な構造を有している。固定部は、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第1の磁性部材112と、第2の磁性部材113と、第1の規制部材216と、第2の規制部材217とからなる。第1の移動部は、移動レンズ枠204と、第1の永久磁石208とからなる。第2の移動部は、第2の永久磁石209と、第3の規制部材218とからなる。また、移動レンズ枠204は、被駆動部材である撮影レンズ系2を保持する。
なお、実施の形態2において、実施の形態1と同一の符号を付した構成は同一の構成であることを表し、説明を省略する。また、実施の形態2に係るレンズ駆動装置200は、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と概略等しい動作を行うので、以下の説明では、実施の形態2に係るレンズ駆動装置200の特徴的な部分のみ説明を行う。
レンズ駆動装置200は、第1の永久磁石208及び第2の永久磁石209がレンズ素子の移動方向に向けて磁界を形成するように、いずれも第2の規制部材216側に向けてN極が配置されている点と、第1の永久磁石208及び第2の永久磁石209がそれぞれ磁性部材を備えていない点で、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と相違する。
レンズ駆動装置200は、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と同様に動作させることが可能である。
すなわち、第1の永久磁石208の端面208aと、第1の規制部材216の端面216aとが当接しているとき、第1の永久磁石208の発生する磁束は、第1の規制部材216に保持されていない側の端面から第1の磁性部材112の内部に侵入する。第1の永久磁石208が発生する磁束は、第1の磁性部材112の内部を貫通する。この結果、第1の永久磁石208は、第1のコイル110の方向に吸引され、端面208aが第1の規制部材216の端面216aを当接する方向に付勢される。このようにして、撮影レンズ系2は、無通電状態で、第1のポジションに静止保持される。
次に、撮影レンズ系2が第1のポジションにあるとき、第1のコイル110に電流を供給し、第1のコイル110と第1の永久磁石208との間に磁気的な斥力を発生させる。これにより、第1の永久磁石208が駆動され、第1の移動部は、移動する。第1の移動部は、移動レンズ枠204の端面204aと第2の永久磁石209の端面209aとが当接する位置で付勢保持される。
この状態で、第1のコイル110への電流の供給を終了した場合、第1の永久磁石208からの磁束は、第1の磁性部材112へは侵入せず、移動レンズ枠204と第2の永久磁石209とを介して、第2の規制部材217に保持されていない側の端面から第2の磁性部材113へ侵入する。したがって、第1の永久磁石208は、第2の永久磁石209へ吸引される方向への磁気的な引力が作用する。また、第2の永久磁石209は、第2の磁性部材113を貫通する磁束により、第3の規制部材218の端面218aと第1の規制部材の端面216bとが当接するように付勢される。この結果、第1の移動部は、移動レンズ枠204の端面204aと第2の永久磁石209の端面209aとが当接する位置で付勢保持される。このようにして、撮影レンズ系2は、無通電状態で、第2のポジションに静止保持される。
さらに、第2のコイル111に電流を供給し、第2のコイル112と第2の永久磁石209との間に磁気的な引力を発生させる。これにより、第1の永久磁石208及び第2の永久磁石209が駆動され、第1の移動部及び第2の移動部は、一体的に移動する。第2の移動部は、第3の規制部材218の端面218bと第2の規制部材217の端面217aとが当接する位置で付勢される。
この状態で、第2のコイル111への電流の供給を終了した場合、第2の永久磁石209からの磁束は、先の説明とは逆に、第2の規制部材217に保持されている側の端面から第2の磁性部材113へ侵入する。したがって、第2の永久磁石209は、第2の規制部材217の端面217aと第3の規制部材218の端面218bとが当接するように磁気的な引力の作用を受ける。また、第1の永久磁石208は、第2の永久磁石209へ吸引される方向へ磁気的な引力が作用しているので、同様に移動レンズ枠204の端面204aと第2の永久磁石の端面209aとが当接する方向へ付勢保持される。この結果、第1の移動部及び第2の移動部は、第2の規制部材217の端面217aと第3の規制部材218の端面218bとが当接する位置で付勢保持される。このようにして、撮影レンズ系2は、無通電状態で、第3のポジションに静止保持される。
以上のように、実施の形態2に係るレンズ駆動装置は、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第1の永久磁石108と、第2の永久磁石109との間相互に作用する磁気的な力を適宜調整可能であるため、直線上に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間で、レンズ素子を精度よく駆動することが可能である。また、実施の形態2に係るレンズ駆動装置は、すべてのポジションが、機械的な位置決めによって決定されるため、従来のレンズ駆動装置と比較して位置決め精度が高く、ポジションの配置の設計自由度が大きい。
また、実施の形態2に係るレンズ駆動装置は、永久磁石やコイルなどの安価な部材のみで構成できるため、低コストなレンズ駆動装置を提供することができる。また、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、ばね等の機械的な付勢部材を含まないので、駆動効率がよく消費電力が小さいレンズ駆動装置を実現することができる。
また、実施の形態2に係るレンズ駆動装置は、撮影レンズ系2が第1のポジションにあるとき、第1の磁束発生部からの磁束が第1のコイルに接続される磁性部材を貫通し第1の磁束発生部に戻り、撮影レンズ系2が第2のポジション及び第3のポジションのいずれか一方にあるとき、第1の磁束発生部からの磁束が、第2の磁束発生部と、第2のコイルに接続される磁性部材とを貫通するよう構成されている。したがって、第1及び第2のコイルへの通電を終了しても、各ポジションに第1の移動部を静止保持することができる。このため、実施の形態2に係るレンズ駆動装置は、無通電状態でレンズ素子を各ポジションに静止保持することが可能になり、駆動する際に必要な電力のみでレンズ駆動装置を動作させることができる。
なお、上記実施の形態2は、第1のコイル及び第2のコイルに、磁性部材が設置されている例であったがこれに限られない。第1及び第2の永久磁石のいずれか又は両方に磁性部材を設けてもいいし、すべての部材に磁性部材を設けなくてもよい。この場合、例えば、コイルと永久磁石とが直接当接したり、永久磁石同士が直接当接したり、コイルあるいは永久磁石と磁性部材とが当接したりすることになるが、いずれも同様に動作可能である。
なお、上記実施の形態2において、第1の永久磁石及び第2の永久磁石の向きを相互に逆転させて、配置させてもよい。この場合も、実施の形態1で説明したように、磁束の向きは、すべて逆方向になるので、レンズ駆動装置を動作させる際の第1及び第2のコイルの極性も反転する必要がある。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置の片側の側断面図である。図中、一点鎖線は、撮影レンズ系2の光軸を示す。実施の形態3に係るレンズ駆動装置300は、撮影レンズ系2の光軸に関して回転対称の構成を備えている。レンズ駆動装置300は、全体として、撮影レンズ系2の光軸を中心軸とする円柱状である。
レンズ駆動装置300は、概略、固定部と、第1の移動部と、第2の移動部とからなり、固定部の内部に形成された空間内を、第1の移動部と第2の移動部とがそれぞれ撮影レンズ系2の光軸方向に移動可能な構造を有している。固定部は、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第1の磁性部材312と、第2の磁性部材313と、第1の規制部材316と、第2の規制部材317とからなる。第1の移動部は、移動レンズ枠304と、第1の永久磁石308とからなる。第2の移動部は、第2の永久磁石309と、第3の規制部材318とからなる。また、移動レンズ枠304は、被駆動部材である撮影レンズ系2を保持する。
なお、実施の形態3において、実施の形態1と同一の符号を付した構成は同一の構成であることを表し、説明を省略する。また、実施の形態3に係るレンズ駆動装置300は、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と概略等しい動作を行うので、以下の説明では、実施の形態3に係るレンズ駆動装置300の特徴的な部分のみ説明を行う。
レンズ駆動装置300は、第1の永久磁石308及び第2の永久磁石309がレンズ素子の移動方向に向けて磁界を形成するように、いずれも第2の規制部材216側に向けてN極が配置されている点と、第1の永久磁石308及び第2の永久磁石309がそれぞれ磁性部材を備えていない点と、第1の永久磁石208及び第2の永久磁石309が第1のコイル110及び第2のコイル111の軸線方向に配置されている点とで、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と相違する。
レンズ駆動装置300は、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と同様に動作させることが可能である。
すなわち、第1の永久磁石308の端面308aと、第1の磁性部材312の端面312aとが当接しているとき、第1の永久磁石308の発生する磁束は、第1の規制部材316に保持されていない側の端面から第1の磁性部材312の内部に侵入する。第1の永久磁石308が発生する磁束は、第1の磁性部材312の内部を貫通する。この結果、第1の永久磁石308は、第1のコイル110の方向に吸引され、端面308aが第1の磁性部材312の端面312aを当接する方向に付勢される。このようにして、撮影レンズ系2は、無通電状態で、第1のポジションに静止保持される。
次に、撮影レンズ系2が第1のポジションにあるとき、第1のコイル110に電流を供給し、第1のコイル110と第1の永久磁石308との間に磁気的な斥力を発生させる。これにより、第1の永久磁石308が駆動され、第1の移動部は、移動する。第1の移動部は、第1の永久磁石308と第2の永久磁石309とが直接当接する位置で付勢保持される。
この状態で、第1のコイル110への電流の供給を終了した場合、第1の永久磁石308からの磁束は、第2の永久磁石309とを介して、第2の規制部材317に保持されていない側の端面313aから第2の磁性部材313へ侵入する。したがって、第1の永久磁石308は、第2の永久磁石309へ吸引される方向への磁気的な引力が作用する。また、第2の永久磁石309は、第1の永久磁石材308との間の磁気的な引力により、第3の規制部材318の端面318aと第1の規制部材の端面316aとが当接するように付勢される。この結果、第1の移動部は、第1の永久磁石308と第2の永久磁石309とが直接当接する位置で付勢保持される。このようにして、撮影レンズ系2は、無通電状態で、第2のポジションに静止保持される。
さらに、第2のコイル111に電流を供給し、第2のコイル112と第2の永久磁石309との間に磁気的な引力を発生させる。これにより、第1の永久磁石308及び第2の永久磁石309が駆動され、第1の移動部及び第2の移動部は、一体的に移動する。第2の移動部は、第2の永久磁石309の端面309aと第2の磁性部材313の端面313aとが当接する位置で付勢される。
この状態で、第2のコイル111への電流の供給を終了した場合、第2の永久磁石309からの磁束は、端面313a側から第2の磁性部材313へ侵入する。したがって、第2の永久磁石309は、端面309aと第2の磁性部材313の端面313aとが当接するように磁気的な引力の作用を受ける。また、第1の永久磁石308は、第2の永久磁石309へ吸引される方向へ磁気的な引力が作用しているので、同様に第2の永久磁石と直接当接する方向へ付勢保持される。この結果、第1の移動部及び第2の移動部は、第2の永久磁石309の端面309aと第2の磁性部材313の端面313aとが当接する位置で付勢保持される。このようにして、撮影レンズ系2は、無通電状態で、第3のポジションに静止保持される。
以上のように、実施の形態3に係るレンズ駆動装置は、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第1の永久磁石108と、第2の永久磁石109との間相互に作用する磁気的な力を適宜調整可能であるため、直線上に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間で、レンズ素子を精度よく駆動することが可能である。また、実施の形態3に係るレンズ駆動装置は、すべてのポジションが、機械的な位置決めによって決定されるため、従来のレンズ駆動装置と比較して位置決め精度が高く、ポジションの配置の設計自由度が大きい。
また、実施の形態3に係るレンズ駆動装置は、撮影レンズ系2が第1のポジションにあるとき、第1の磁束発生部からの磁束が第1のコイルに接続される磁性部材を貫通し第1の磁束発生部に戻り、撮影レンズ系2が第2のポジション及び第3のポジションのいずれか一方にあるとき、第1の磁束発生部からの磁束が、第2の磁束発生部と、第2のコイルに接続される磁性部材とを貫通するよう構成されている。したがって、第1及び第2のコイルへの通電を終了しても、各ポジションに第1の移動部を静止保持することができる。このため、実施の形態3に係るレンズ駆動装置は、無通電状態でレンズ素子を各ポジションに静止保持することが可能になり、駆動する際に必要な電力のみでレンズ駆動装置を動作させることができる。
また、実施の形態3に係るレンズ駆動装置は、永久磁石やコイルなどの安価な部材のみで構成できるため、低コストなレンズ駆動装置を提供することができる。また、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、ばね等の機械的な付勢部材を含まないので、駆動効率がよく消費電力が小さいレンズ駆動装置を実現することができる。
特に、実施の形態3に係るレンズ駆動装置は、コイルと永久磁石が移動方向に沿って一直線に配列されているため、光軸に直交する方向の大きさを小さくすることができる。
なお、上記実施の形態3において、第1の永久磁石及び第2の永久磁石の向きを相互に逆転させて、配置させてもよい。この場合も、実施の形態1で説明したように、磁束の向きは、すべて逆方向になるので、レンズ駆動装置を動作させる際の第1及び第2のコイルの極性も反転する必要がある。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4に係るレンズ駆動装置の片側の側断面図である。図中、一点鎖線は、撮影レンズ系2の光軸を示す。実施の形態4に係るレンズ駆動装置400は、撮影レンズ系2の光軸に関して回転対称の構成を備えている。レンズ駆動装置400は、全体として、撮影レンズ系2の光軸を中心軸とする円柱状である。
レンズ駆動装置400は、概略、固定部と、第1の移動部と、第2の移動部とからなり、固定部の内部に形成された空間内を、第1の移動部と第2の移動部とがそれぞれ撮影レンズ系2の光軸方向に移動可能な構造を有している。固定部は、第2のコイル111と、第1の規制部材416と、第2の規制部材417とからなる。第1の移動部は、移動レンズ枠404と、第1のコイル110とからなる。第2の移動部は、第3のコイル419と、第3の規制部材418とからなる。また、移動レンズ枠404は、被駆動部材である撮影レンズ系2を保持する。
なお、実施の形態4において、実施の形態1と同一の符号を付した構成は同一の構成であることを表し、説明を省略する。また、実施の形態4に係るレンズ駆動装置400は、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と概略等しい動作を行うので、以下の説明では、実施の形態4に係るレンズ駆動装置400の特徴的な部分のみ説明を行う。レンズ駆動装置400は、永久磁石を持たず、すべてコイルにより磁束を生成する点に特徴を有する。
レンズ駆動装置400は、永久磁石を備えていないので、無通電状態で各ポジションに相当する位置に第1の移動部を静止保持することはできないが、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と同様に動作させることが可能である。
すなわち、第1のコイル110と、第1の規制部材416の端面416aとが当接しているとき、外部から第1のコイル110と、第2のコイル111と、第3のコイル419とへ電流を供給して通電し、第1のコイル110と第3のコイル419との間に磁気的な斥力、第2のコイル111と第3のコイル419との間に磁気的な引力又は斥力がそれぞれ作用するようにする。これらの磁気的な力により、第1のコイル110は、第1の規制部材416端面とが当接する位置に付勢保持される。この状態にあるとき、撮影レンズ系2は、第1のポジションに静止保持される。
次に、第2のコイル111と第3のコイル419とを通電して互いに離反する方向に磁気的な斥力を生成させ、第3コイル419と接続されている第3の規制部材418の端面418aと第1の規制部材416の端面416bとを当接させる。この状態で、第1のコイル110に供給する電流の極性を反転させ、第1のコイル110と第3のコイル419との間に磁気的な引力を発生させる。これにより、第1のコイル110が駆動され、第1の移動部は、移動する。第1の移動部は、第1のコイル110と第3のコイル419とが直接当接する位置で付勢される。この状態にあるとき、撮影レンズ系2は、第2のポジションに静止保持される。
さらに、第1のコイル110と第3のコイル419とを通電して互いに吸引する方向に磁気的な引力を生成させた状態で、第2のコイル111に供給する電流の極性を反転させ、第2のコイル111と第3のコイル419との間に磁気的な引力を発生させる。これにより、第1のコイル110及び第3のコイル419とが駆動され、第1の移動部及び第2の移動部は、一体的に移動する。第2の移動部は、第3のコイル419の端面419bと第2のコイル111の端面111aとが当接する位置で付勢される。この状態にあるとき、撮影レンズ系2は、第3のポジションに静止保持される。
以上のように、実施の形態4に係るレンズ駆動装置は、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第3のコイル419との間相互に作用する磁気的な力を適宜調整可能であるため、直線上に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間で、レンズ素子を精度よく駆動することが可能である。また、実施の形態4に係るレンズ駆動装置は、すべてのポジションが、機械的な位置決めによって決定されるため、従来のレンズ駆動装置と比較して位置決め精度が高く、ポジションの配置の設計自由度が大きい。
また、実施の形態4に係るレンズ駆動装置は、コイルなどの安価な部材のみで構成できるため、低コストなレンズ駆動装置を提供することができる。また、実施の形態1に係るレンズ駆動装置は、ばね等の機械的な付勢部材を含まないので、駆動効率がよく消費電力が小さいレンズ駆動装置を実現することができる。
特に、実施の形態4に係るレンズ駆動装置は、磁気回路をコイルのみで構成し、コイルが移動方向に沿って一直線に配列されているため、光軸方向及び光軸に直交する両方向の大きさを小さくすることができる。
なお、実施の形態4に係るレンズ駆動装置において、第1乃至第3のコイルの内のいずれか一つを永久磁石に置き換えてもよい。この場合も同様の作用を呈する。
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5に係るレンズ駆動装置の片側の側断面図である。図中、一点鎖線は、撮影レンズ系2の光軸を示す。実施の形態5に係るレンズ駆動装置500は、撮影レンズ系2の光軸に関して回転対称の構成を備えている。レンズ駆動装置500は、全体として、撮影レンズ系2の光軸を中心軸とする円柱状である。
レンズ駆動装置500は、概略、固定部と、第1の移動部と、第2の移動部と、第3の移動部とからなり、固定部の内部に形成された空間内を、第1の移動部と第2の移動部と第3の移動部とがそれぞれ撮影レンズ系2の光軸方向に移動可能な構造を有している。固定部は、第1の規制部材516と、第2の規制部材517と、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第3のコイル521と、第1の磁性部材112と、第2の磁性部材113と、第5の磁性部材522と、第5の規制部材520とからなる。
第3のコイル521は、第1のコイル110と同様に、第5の磁性部材522の内部に形成される。第3のコイル521は、第2の磁性部材113に接続された第5の規制部材520により固定部に対して固定される。
第1の移動部は、移動レンズ枠504と、第1の永久磁石108と、第3の磁性部材114とからなる。第2の移動部は、第3の永久磁石509と、第4の規制部材518と、第6の磁性部材515とからなる。第3の移動部は、第2の永久磁石109と、第3の規制部材118と、第4の磁性部材115とからなる。移動レンズ枠404は、被駆動部材である撮影レンズ系2を保持する。
なお、実施の形態5において、実施の形態1と同一の符号を付した構成は同一の構成であることを表し、説明を省略する。また、実施の形態5に係るレンズ駆動装置500は、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と概略等しい動作を行うので、以下の説明では、実施の形態5に係るレンズ駆動装置500の特徴的な部分のみ説明を行う。
実施の形態5に係るレンズ駆動装置500は、第1の実施の形態に係るレンズ駆動装置100の一部を変更し、直線上に離散的に配置された第1乃至第4のポジションの間で、レンズ素子を駆動する。
レンズ駆動装置500において、第1の永久磁石108の端面108aと第1の規制部材516の端面516aとが当接している場合、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100で説明したように、第1の永久磁石108は、無通電状態で静止保持される。このとき、撮影レンズ系2は、第1のポジションに静止保持される。
ここで、第3の永久磁石509と第6の磁性部材515との磁束の構成により、第3の永久磁石509は、第1の永久磁石108に対向する方向に付勢される。この結果、第2の移動部は、第3の永久磁石509と一体的に接続されている第4の規制部材518の端面518aと第1の規制部材516の端面516bとが当接する状態で静止保持される。このとき、外部から第1のコイル110に電流を供給して通電し、第1のコイル110と第1の永久磁石108との間に磁気的な斥力が作用するようにする。通電した結果、第1の永久磁石108は、第3の磁性部材114と第6の磁性部材515とが対向する側で当接するまで駆動される。第3の磁性部材114と第6の磁性部材515とが当接した後、第1のコイル110への電流の供給を終了しても、第1の永久磁石108と第3の永久磁石509との間に作用する磁気的な引力により静止保持される。このとき、撮影レンズ系2は、第2のポジションに静止保持される。
ここで、第2の永久磁石109と第4の磁性部材115との磁束の構成により、第2の永久磁石109は、第3の永久磁石509に対向する方向に付勢されている。この結果、第3の移動部は、第2の永久磁石109と一体的に接続されている第2の規制部材118の端面118aと第1の規制部材516の端面516cとが当接する状態で静止保持される。このとき、外部から第3のコイル521に電流を供給して通電し、第3のコイル521と第3の永久磁石509との間に磁気的な引力が作用するようにする。通電した結果、したがって、第3の永久磁石509は、移動レンズ枠504とともに、第4の磁性部材115と第6の磁性部材515とが対向する側で当接するまで駆動される。第4の磁性部材115と第6の磁性部材515とが当接した後、第3のコイル521への電流の供給を終了しても、第2の永久磁石109と第3の永久磁石509との間に作用する磁気的な引力により静止保持される。このとき、撮影レンズ系2は、第3のポジションに静止保持される。
さらに、外部から第2のコイル111に電流を供給して通電し、第2のコイル111と第2の永久磁石109との間に磁気的な引力が作用するようにする。第2の永久磁石109は、第2の規制部材517の端面と第2の規制部材118とが対向する側で当接するまで駆動される。このとき、第1の永久磁石108と、第2の永久磁石109と、第3の永久磁石509との間に作用する磁気的な引力により、第2の永久磁石109は、移動レンズ枠504とともに、駆動される。第2の規制部材517の端面517aと第2の規制部材118の端面118bとが当接した状態で、第2のコイル109への電流の供給を終了しても、第1の永久磁石108と、第2の永久磁石109と、第3の永久磁石509との間相互に作用する磁気的な引力により静止保持される。このとき、撮影レンズ系2は、第4のポジションに静止保持される。
以上説明したように、実施の形態5に係るレンズ駆動装置は、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第3のコイル521と、第1の永久磁石108と、第2の永久磁石109と、第3の永久磁石509との間相互に作用する磁気的な力を適宜調整可能であるため、直線上に離散的に配置された第1乃至第4のポジションの間で、レンズ素子を精度よく駆動することが可能である。実施の形態5を応用して、さらに直線上に離散的に配置される4個以上のポジションを持つ駆動装置を構成してもよい。
(実施の形態6)
図9は、本発明の実施の形態6に係る駆動装置の片側の側断面図である。図中、一点鎖線は、被駆動部材の移動方向に沿った対称軸を示す。実施の形態6に係る駆動装置600は、この対称軸に関して回転対称の構成を備えている。駆動装置600は、全体として対称軸を中心軸とする円柱状である。
駆動装置600は、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と比較して、移動レンズ枠104の代わりに、プランジャー604が設けられている点のみ相違し、他はすべて同一である。駆動装置600の動作は、レンズ駆動装置100の動作と同一であるので、説明を省略する。
駆動装置600は、第1のコイル110と、第2のコイル111と、第1の永久磁石108と、第2の永久磁石109との間相互に作用する磁気的な力を適宜調整可能であるため、直線上に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間で、プランジャー604を精度よく駆動することが可能である。特に、駆動装置は、すべてのポジションが、機械的な位置決めによって決定されるため、従来の駆動装置と比較して位置決め精度が高く、ポジションの配置の設計自由度が大きい。
また、実施の形態6に係る駆動装置は、永久磁石やコイルなどの安価な部材のみで構成できるため、低コストな駆動装置を提供することができる。また、実施の形態6に係る駆動装置は、ばね等の機械的な付勢部材を含まないので、駆動効率がよく消費電力が小さい駆動装置を実現することができる。
また、実施の形態6に係る駆動装置は、第1及び第2の永久磁石を含むため、第1及び第2のコイルへの通電を終了しても、各ポジションに第1の移動部を静止保持することができる。したがって、実施の形態6に係る駆動装置は、無通電状態でプランジャーを各ポジションに静止保持することが可能になり、駆動する際に必要な電力のみで駆動装置を動作させることができる。
なお、実施の形態6では、実施の形態1の構成を適用した駆動装置であったが、これに限られない。実施の形態2乃至5で説明した構成を適用した駆動装置でもよい。
(撮像装置の実施の形態)
図10は、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置を適用した撮像装置の制御ブロック図である。撮像装置は、実施の形態1に係るレンズ駆動装置100と、撮影レンズ系2と、撮像素子3と、制御部1001と、第1のコイル駆動部1003と、第2のコイル駆動部1004と、フォーカス変更指示部1002と含んでいる。制御部1001は、第1のコイル駆動部1003と、第2のコイル駆動部1004とへ信号を送信可能である。また、制御部1001は、フォーカス変更指示部1002から、信号を受信可能である。
フォーカス変更指示部1002は、被写体の物体距離が変化したこと等に対応して、撮像装置に含まれる撮影レンズ系2と、撮像素子3との間の間隔を変化させるための指示を制御部1001へ送信する。フォーカス変更指示部1002は、例えば撮像装置を操作するユーザによる操作部材の操作に基づく信号に対応する。
制御部1001は、フォーカス変更指示部1002からの信号を受信し、駆動すべきコイルを選択して、選択されたコイルに対応する第1のコイル駆動部1003あるいは第2のコイル駆動部1004へ制御信号を送信する。
制御部1001からの信号を受信した第1のコイル駆動部1003あるいは第2のコイル駆動部1004は、接続されるコイルに電流を供給する。
以上の構成により、撮像装置の撮影レンズ系の物体距離を調整することができる。実施の形態に係る撮像装置は、第1乃至第3のポジションを、それぞれ、物体距離が無限遠方に位置する場合、物体距離が数十cmから1m程度である場合、物体距離が10cm程度である場合にそれぞれ対応させている。この構成により、実施の形態に係る撮像装置は、常用される、接写状態と、スナップや自分撮りなどの人物撮影状態と、風景撮影状態とに合焦することができる。
なお、実施の形態に係る撮像装置は、レンズ駆動装置を焦点合わせのためのレンズ素子の駆動に適用したが、これに限られない。例えば、撮影レンズ系に含まれる一部のレンズ素子群を実施の形態に係るレンズ駆動装置により駆動して、他のレンズ素子との相対的な間隔を変化させ、撮影レンズ系の焦点距離を離散的に変化させてもよい。この構成により、3個のポジションでの焦点距離の切り替えが可能な撮像装置を提供することができる。
本発明は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオムービー、携帯電話機器、PDA等に適用される撮像装置に好適である。
本発明に係るレンズ駆動装置を適用した撮像装置において、撮影レンズ系及び撮像素子と、被写体との関係を示す模式図 本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の片側の側断面図 本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の上面図 本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の磁気回路の構成図 本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置の片側の側断面図 本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置の片側の側断面図 本発明の実施の形態4に係るレンズ駆動装置の片側の側断面図 本発明の実施の形態5に係るレンズ駆動装置の片側の側断面図 本発明の実施の形態6に係るレンズ駆動装置の片側の側断面図 本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置を適用した撮像装置の制御ブロック図 従来のレンズ駆動装置の構成を示す断面図
符号の説明
1 被写体
2 撮影レンズ系
3 撮像素子
100 レンズ駆動装置
104 移動レンズ枠
105〜107 レンズ素子
108 第1の永久磁石
109 第2の永久磁石
110 第1のコイル
111 第2のコイル
112 第1の磁性部材
113 第2の磁性部材
114 第3の磁性部材
115 第4の磁性部材
116 第1の規制部材
117 第2の規制部材
118 第3の規制部材
119〜125 間隙
126〜133 磁束
204 移動レンズ枠
208 第1の永久磁石
209 第2の永久磁石
216 第1の規制部材
217 第2の規制部材
218 第3の規制部材
304 移動レンズ枠
308 第1の永久磁石
309 第2の永久磁石
312 第1の磁性部材
313 第2の磁性部材
316 第1の規制部材
317 第2の規制部材
318 第3の規制部材
404 移動レンズ枠
416 第1の規制部材
417 第2の規制部材
418 第3の規制部材
419 第3のコイル
504 移動レンズ枠
509 第3の永久磁石
515 第6の磁性部材
516 第1の規制部材
517 第2の規制部材
518 第4の規制部材
520 第5の規制部材
521 第3のコイル
522 第5の磁性部材
604 プランジャー
1001 制御部
1002 フォーカス変更指示部
1003 第1のコイル駆動部
1004 第2のコイル駆動部

Claims (16)

  1. 直線上に順に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間で、被駆動部材を駆動する駆動装置であって、
    前記被駆動部材と接続される第1の移動部と、
    前記第1の移動部の移動方向に隣接して配置される第2の移動部と、
    前記第1の移動部に含まれ、磁束を発生する第1の磁束発生部と、
    前記第2の移動部に含まれ、磁束を発生する第2の磁束発生部と、
    前記第1の移動部及び前記第2の移動部を、それぞれ前記被駆動部材の移動方向に沿って往復移動可能に保持する固定部とを備え、
    前記固定部は、
    前記第1の移動部を当接させて、前記第1の移動部の前記第2の移動部に対向しない側への移動を規制する第1の規制部と、
    前記第2の移動部を当接させて、前記第2の移動部の前記第1の移動部に対向する側への移動を規制する第2の規制部と、
    前記第2の移動部を当接させて、前記第2の移動部の前記第1の移動部に対向しない側への移動を規制する第3の規制部と、
    外部から供給される電流に基づいて、磁束を発生するコイル部とを含み、
    前記第1の磁束発生部と、前記第2の磁束発生部と、前記コイル部との相互の間に作用する磁気的な力により、前記第2の移動部を、前記第2の規制部に当接させるとともに、前記第1の移動部を、前記第1の規制部に当接する位置と、前記第2の移動部に当接する位置との間で移動させることにより、前記被駆動部材を、前記第1のポジションと前記第2のポジションとの間で駆動する一方、
    前記磁気的な力により、前記第1の移動部と前記第2の移動部とを当接させて一体化し、前記第2の移動部を、前記第2の規制部に当接する位置と、前記第3の規制部に当接する位置との間で移動させることにより、前記被駆動部材を、前記第2のポジションと前記第3のポジションとの間で駆動することを特徴とする、駆動装置。
  2. 前記第1の磁束発生部及び前記第2の磁束発生部の内、少なくとも一方は、発生した磁束を貫通可能な磁性部材を外部に配置する、請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記第1の磁束発生部及び前記第2の磁束発生部は、いずれも永久磁石であり、
    前記コイル部は、
    前記第1の規制部近傍に設けられた第1のコイルと、
    前記第3の規制部近傍に設けられた第2のコイルとを有する、請求項1に記載の駆動装置。
  4. 前記永久磁石は、いずれも前記被駆動部材の移動方向に直交する方向に磁束を発生させる、請求項3に記載の駆動装置。
  5. 前記永久磁石は、いずれも前記被駆動部材の移動方向に平行な方向に磁束を発生させる、請求項3に記載の駆動装置。
  6. 前記第1の移動部は、前記第1の規制部及び前記第2の移動部の内、少なくとも一方と当接する際、前記第1の磁束発生部自体を当接させる、請求項1に記載の駆動装置。
  7. 前記第1の移動部は、前記第1の規制部及び前記第2の移動部の内、少なくとも一方と当接する際、前記第1の磁束発生部の外部に配置された磁性部材を当接させる、請求項1に記載の駆動装置。
  8. 前記第2の移動部は、前記第1の移動部と当接する際、前記第2の磁束発生部自体を当接させる、請求項1に記載の駆動装置。
  9. 前記第2の移動部は、前記第1の移動部と当接する際、前記第2の磁束発生部の外部に配置された磁性部材を当接させる、請求項1に記載の駆動装置。
  10. 前記第1のコイル及び前記第2のコイルの内、少なくとも一方は、発生した磁束を貫通可能な磁性部材と接続される、請求項1に記載の駆動装置。
  11. 前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、それぞれ異なる前記磁性部材と接続されており、
    前記被駆動部材が前記第1のポジションにあるとき、前記第1の磁束発生部からの磁束が前記記第1のコイルに接続される磁性部材を貫通し前記第1の磁束発生部に戻り、
    前記被駆動部材が前記第2のポジション及び第3のポジションのいずれか一方にあるとき、前記第1の磁束発生部からの磁束が、前記第2の磁束発生部と、前記第2のコイルに接続される磁性部材とを貫通する、請求項10に記載の駆動装置
  12. 前記第1の磁束発生部及び前記第2の磁束発生部は、いずれもコイルであり、
    前記コイル部は、前記第3の規制部近傍に設けられた第1のコイルを含む、請求項1に記載の駆動装置。
  13. 前記移動部は、移動方向に直交する面内の回転を抑止するための回転抑止手段を含む、請求項1に記載の駆動装置。
  14. 前記被駆動部材は、レンズ素子である、請求項1に記載の駆動装置。
  15. 前記第1及び第2の移動部と、前記固定部は、いずれも前記レンズ素子の光軸に関して回転対称な中空の円筒形状を有する、請求項14に記載の駆動装置。
  16. 被写体を、電気的な画像信号に変換して出力可能な撮像装置であって、
    前記被写体の光学的な像を形成する撮影レンズ系と、
    前記撮影レンズ系が形成した光学的な像を、電気的な画像信号に変換する撮像素子と、
    前記撮影レンズ系に含まれる少なくとも1個のレンズ素子と、
    前記撮影レンズ系の光軸方向に沿って順に離散的に配置された第1乃至第3のポジションの間で前記レンズ素子を駆動して、前記レンズ素子と前記撮像素子との間の間隔を変更するレンズ駆動装置と、
    前記レンズ駆動装置を制御する制御部とを備え、
    前記レンズ駆動装置は、
    前記レンズ素子と接続される第1の移動部と、
    前記第1の移動部の移動方向に隣接して配置される第2の移動部と、
    前記第1の移動部に含まれ、磁束を発生する第1の磁束発生部と、
    前記第2の移動部に含まれ、磁束を発生する第2の磁束発生部と、
    前記第1の移動部及び前記第2の移動部を、それぞれ光軸方向に沿って往復移動可能に保持する固定部とを含み、
    前記固定部は、
    前記第1の移動部を当接させて、前記第1の移動部の前記第2の移動部に対向しない側への移動を規制する第1の規制部と、
    前記第2の移動部を当接させて、前記第2の移動部の前記第1の移動部に対向する側への移動を規制する第2の規制部と、
    前記第2の移動部を当接させて、前記第2の移動部の前記第1の移動部に対向しない側への移動を規制する第3の規制部と、
    供給される電流に基づいて、磁束を発生するコイル部とを有し、
    前記制御部は、
    前記コイル部に供給される電流を制御して、前記第1の磁束発生部と、前記第2の磁束発生部と、前記コイル部とが生成する磁束を変化させることにより、相互に作用する磁気的な力を調整可能であり、
    前記レンズ駆動装置は、
    前記制御部により調整された前記磁気的な力により、前記第2の移動部を、前記第2の規制部に当接させるとともに、前記第1の移動部を、前記第1の規制部に当接する位置と、前記第2の移動部に当接する位置との間で移動させることにより、前記レンズ素子を、前記第1のポジションと前記第2のポジションとの間で駆動する一方、
    前記制御部により調整された前記磁気的な力により、前記第2の移動部を、前記第1の移動部を当接させた状態で、前記第2の規制部に当接する位置と、前記第3の規制部に当接する位置との間で移動させることにより、前記レンズ素子を、前記第2のポジションと前記第3のポジションとの間で駆動することを特徴とする、撮像装置。

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