JP2005311315A - 有機情報読み取りセンサとその製造方法、及びそれを用いた情報読み取り装置 - Google Patents

有機情報読み取りセンサとその製造方法、及びそれを用いた情報読み取り装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、有機材料を受光部に用いた読み取りセンサにおいて、隣り合う受光部間の光漏れを抑制し、高詳細で高品質な情報の読み取りを行うようにすること。
【解決手段】電極間に少なくとも1種の有機材料を挟み光信号を電気信号に変換する受光部21を複数個備えた有機情報読み取りセンサ23において、複数の受光部21の間に非透光性絶縁体22が配置された構成とした。複数の受光部21の間に非透光性絶縁体22を配置することで、迷光の発生が抑制され、滲み等のない高品位な情報の読み取りが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、文字や図形等の各種情報を電気信号として取り出す有機情報読み取りセンサとその製造方法、及びそれを用いた情報読み取り装置に関するものである。
文字や図形等の各種情報を、光を用いて電気情報へと変換する情報読み取りセンサは、ファクシミリやスキャナ、デジタルカメラ等幅広い製品で使用されており、その方式もMOS(Metal−Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)をはじめとし様々なものが用いられている。
この情報読み取りセンサは光信号を電気信号に変換するための複数の受光部から構成されており、他の光源部、セルフォックレンズ等のレンズ系と組み合わせることによってCISに代表されるような情報読み取りモジュールを形成している。
従来その受光部には主に無機のフォトダイオード、フォトコンダクタ、フォトトランジスタやそれらの応用部品等が用いられてきたが、このような無機材料を用いた受光部はその作製に大掛りな半導体プロセスが必要であることや、工数が非常に多いこと、さらには大面積化が難しいことなどから低コスト化が困難であるという課題を有していた。そこで(非特許文献1)に記載されているように、受光部に有機材料を用いることによるコスト削減が試みられている。
ここで、有機材料を用いた受光部すなわち有機光電変換素子について図面を用いて説明を行う。
図10は、従来の一般的な有機光電変換素子の要部断面図である。
図10において、51は基板、52は陽極、53は光電変換領域、54は電子供与性材料からなる電子供与性層、55は電子受容性材料からなる電子受容性層、56は陰極である。
この有機光電変換素子は、ガラス等の光透過性の基板51上にスパッタリング法や抵抗加熱蒸着法等により形成されたITO(Indium−Tin Oxide)等の透明な導電性膜からなる陽極52と、陽極52上に電子供与性層54と電子受容性層55をそれぞれ抵抗加熱蒸着法等によって成膜した光電変換領域53、さらにその上部に抵抗加熱蒸着法等により形成された金属からなる陰極56とを備えている。
上記構成を有する有機光電変換素子に光照射を行うと、光電変換領域53にて光吸収が起こり、励起子が形成される。
続いて、キャリアが分離されて電子は電子受容性層55を通して陰極56へ、正孔は電子供与性層54を通して陽極52へと移動する。
これにより両電極間には起電力が発生し、外部回路をつなげることで電気信号を取り出すことが可能となる。
このように、有機光電変換素子は非常に簡便な方法で形成できるにもかかわらず無機の光電変換素子と同様の機能を発現できることから非常に注目を集めている素子である。
この有機光電変換素子を受光部に用いた情報読み取りセンサ(以下「有機情報読み取りセンサ」と称す)の要部断面図を図11に示す。
図11において、基板57、陽極58、光電変換領域59、陰極60という構成材料は有機光電変換素子のものと同様であり、陽極57と陰極60で挟まれた部分が各々受光部として機能する。
また、このような有機情報読み取りセンサにおいて、読み取り検体からの直接光、または反射光はレンズ等を介して各受光部へと導かれ、各々の光量に対応した電気信号へと変換される。なお通常の有機情報読み取りセンサでは、有機材料のキャリア移動度が低く隣り合う受光部間のキャリア漏れが無視できることや、低コスト化のためなどから有機材料はパターニングされず全面に成膜されており、受光部毎には分離されていない。
G.Yu, Y.Cao, J.Wang, J.McElvain and A.J.Heeger, Synth.Met. 102, 904(1999)
上述した従来の有機情報読み取りセンサのように、特に、有機材料が隣り合う受光部間でつながっている構成では、読み取る情報の解像度が低く受光部間の間隔が広い場合には何ら問題ないが、解像度が高くなり高精細化が必要な場合には有機材料等を介して漏れる迷光の影響が大きくなり、読み取り品質の低下を招くことが課題となっていた。
この迷光の発生の要因として大きく次の2つが考えられる。1つ目は、センサ外部から光が入射する際の光漏れによる迷光である。これは検体とセンサの間隔が広い場合や、入射光の絞りが甘く本来入射すべき受光部に隣接する受光部にも光が到達してしまうこと等で発生してしまうものである。
2つ目はセンサ内の光の拡散、伝搬によるものであり、所定の受光部によって吸収されなかった光が反射を繰り返しながら横方向へと広がるなどして発生する。
いずれの迷光も、センサが高精細になるほど、言いかえれば隣り合う受光素子の間隔が狭くなればなるほどその影響が大きくなり読み取り品質が大きく低下してしまう。
本発明は上記課題を解決するものであり、隣り合う受光部間の光漏れを抑制し、高精細で高品質な有機情報読み取りセンサを提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明は、電極間に少なくとも1種の有機材料を挟み光信号を電気信号に変換する受光部を複数個備えた有機情報読み取りセンサにおいて、複数の受光部の間に非透光性絶縁体が配置された構成とした。
これにより、隣り合う受光部間の光漏れを抑制し、高精細で高品質な有機情報読み取りセンサを提供することが可能となる。
本発明によれば、複数の受光部の間に非透光性の絶縁体を配置することにより、迷光の発生を抑制し、滲み等のない高品位な情報読み取りが可能な有機情報読み取りセンサを提供することができる。
本願の請求項1に係る発明は、電極間に少なくとも1種の有機材料を挟み光信号を電気信号に変換する受光部を複数個備えた有機情報読み取りセンサにおいて、複数の受光部の間に非透光性絶縁体が配置されたことを特徴としたものであり、受光部の構成材料内を光が拡散、伝播するのを抑制することが可能となる。これにより滲みが少なく高品質で高精細な有機情報読み取りセンサを提供することが可能となる。
本願の請求項2に係る発明は、複数の受光部が非透光性絶縁体によってそれぞれ完全に隔離されていることを特徴としたものであり、受光部の構成材料内を光が拡散、伝播するのを抑制することが可能となる。また特に有機材料だけでなく電極部をも非透光性の絶縁体によって隔離することによって、受光部間の光漏れを大幅に低減することが可能となり、これにより滲みが少なく高品質で高精細な有機情報読み取りセンサを提供することができる。なお本実施の形態における受光部とは電極及びその間に狭持された有機物のことであり、例えばその領域外での電極配線等については隔離されていなくても何等問題ない。
本願の請求項3に係る発明は、非透光性絶縁体の厚さをti、受光部の厚さをtdとしたとき、ti≧tdであることを特徴としたものであり、隣接する受光部への迷光を非透光性絶縁体によって遮断することが可能であることから、滲みが少なく高品質で高精細な有機情報読み取りセンサを提供することができる。tiとtdとの関係はti≧tdとすることにより本発明の効果を発現するが、好ましくはti≧2td、特に好ましくはti≧5tdである。なお本実施の形態における受光部も電極及びその間に狭持された有機物のことを指す。
本願の請求項4に係る発明は、複数の受光部がそれぞれ個別の発光部を有することを特徴としたものであり、受光部に発光部が併設されることにより、発光部を受光部に対して斜め側方に配置する必要がなくなるため、大幅に小型化した有機情報読み取りセンサを提供することが可能となる。また、このように受光部と発光部を併設することによって2次元の画像読み取り素子も実現可能となる。
本願の請求項5に係る発明は、複数の受光部と発光部とが積層されていることを特徴としたものであり、受光部に発光部が併設されることにより、発光部を受光部に対して斜め側方に配置する必要がなくなるため、大幅に小型化した有機情報読み取りセンサを提供することが可能となる。また、このように受光部と発光部を併設することによって2次元の画像読み取り素子も実現可能となる。
本願の請求項6に係る発明は、複数の受光部がそれぞれ個別のレンズアレイを有することを特徴としたものであり、効率良く光を捕集することが可能であることから高感度の有機情報読み取りセンサを提供することができる他、焦点深度が深い有機情報読み取りセンサを提供することができる。
本願の請求項7に係る発明は、レンズアレイが、非透光性絶縁体によって分離されていることを特徴としたものであり、非透光性絶縁体を形成した後にレンズアレイを形成することで特別な位置あわせをすることなく、簡便に各受光素子に対応したレンズアレイを形成することが可能である。なお、レンズアレイの形成は、非透光性の絶縁体を形成した後にレンズを形成できるものであればどのようなものであってもよいが、簡便に形成可能なインクジェット法等のウエットプロセスを用いるのが好ましい。
本願の請求項8に係る発明は、受光部が基板上に少なくとも2つの電極と、その電極間に少なくとも一種の電子供与性有機材料と、フラーレン類及び/またはカーボンナノチューブ類を含む電子受容性材料からなる光電変換領域を有する有機光電変換素子からなることを特徴としたものであり、構成が簡単であり低コストな有機情報読み取りセンサを提供することが可能である。
本願の請求項9に係る発明は、請求項1から請求項8の発明の有機情報読み取りセンサを用いた情報読み取り装置としたものであり、高精細で高感度な有機情報読み取りセンサを用いることにより、高性能で安価なファクシミリや複写機、デジタルカメラ等の情報読み取り装置を提供することができる。
本願の請求項10に係る発明は、電極間に少なくとも1種の有機材料を挟み光信号を電気信号に変換する受光部を複数個備え、複数の受光部の間に非透光性絶縁体が配置された有機情報読み取りセンサの製造方法において、非透光性絶縁体が、受光部より前に形成されることを特徴とする有機情報読み取りセンサの製造方法であり、受光素子よりも前に非透光性絶縁体を形成するため、製造に用いる材料やプロセスの制限が少なく、安定かつ任意の形状に非透光性絶縁体を形成することができる。これにより、高精細で高感度の有機情報読み取りセンサを提供することが可能となる。
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における有機情報読み取りモジュールの斜視図である。
図1に示すように、有機情報読み取りモジュールは、基板20上に形成された複数の受光部21の間に非透光性絶縁体22が配置された有機情報読み取りセンサ23と、セルフォックレンズ等のレンズ系24、さらには光源部25を有している。
光源部25からの光は原稿26等の検体によって反射され、レンズ系24を介して受光部21へと入射され、有機情報読み取りセンサ23は入射された光を電気信号へ変換し、この電気信号を外部回路へ取り出すことによって情報の読み取りが行われる。
その際、有機情報読み取りセンサ23を構成する各受光部21が互いに非透光性絶縁体22によって隔離されることによって迷光が大幅に抑制された高品位な情報読み取りを実現することが可能となる。
このように、本実施の形態の有機情報読み取りセンサ23は、受光部21を支持するための基板20と、光信号を電気信号に変換するための受光部21、さらには受光部21を分離するための非透光性絶縁体22を有している。
基板20としては受光部21を支持できるものであればどのようなものであってもよく、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリレート、非晶質ポリオレフィン、フッ素系樹脂等の各種高分子材料、さらにはシリコンウエハーをはじめとする各種金属材料等が用いられる。
受光部21は、図2に示すように、基板20上に陽極39、光電変換領域40、電子供与性材料からなる電子供与性層41、電子受容性材料からなる電子受容性層42、及び陰極43で構成されている。
ガラス等の光透過性の基板20上にスパッタリング法や抵抗加熱蒸着法等により形成されたITO(Indium−Tin Oxide)等の透明な導電性膜からなる陽極39と、陽極39上に電子供与性層41と電子受容性層42をそれぞれ抵抗加熱蒸着法等によって成膜した光電変換領域40、さらに、その上部に抵抗加熱蒸着法等により形成された金属からなる陰極43とを備えている。
上記構成を有する有機光電変換素子に、光照射を行うと光電変換領域40にて光吸収が起こり、励起子が形成される。続いてキャリアが分離されて電子は電子受容性層42を通して陰極43へ、正孔は電子供与性層41を通して陽極43へと移動する。これにより両電極間には起電力が発生し、外部回路をつなげることで電気信号を取り出すことが可能となる。
ここで、電子供与性層41の構成材料である電子供与性材料としては、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の誘導体を繰り返し単位として有する重合体及び他のモノマーとの共重合体、また、デンドリマーとして総称される一群の高分子材料が用いられる。また、高分子に限定されるものではなく、例えばポルフィン、テトラフェニルポルフィン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキサイド等のポリフィリン化合物や、1,1−ビス{4−(ジ−P−トリルアミノ)フェニル}シクロヘキサン、4,4’,4’’−トリメチルトリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(P−トリル)−P−フェニレンジアミン、1−(N,N−ジ−P−トリルアミノ)ナフタレン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)−2−2’−ジメチルトリフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、N、N’−ジフェニル−N、N’−ジ−m−トリル−4、4’−ジアミノビフェニル、N−フェニルカルバゾ−ル等の芳香族第三級アミンや、4−ジ−P−トリルアミノスチルベン、4−(ジ−P−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−P−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン等のスチルベン化合物や、トリアゾール誘導体や、オキサジザゾール誘導体や、イミダゾール誘導体や、ポリアリールアルカン誘導体や、ピラゾリン誘導体や、ピラゾロン誘導体や、フェニレンジアミン誘導体や、アニールアミン誘導体や、アミノ置換カルコン誘導体や、オキサゾール誘導体や、スチリルアントラセン誘導体や、フルオレノン誘導体や、ヒドラゾン誘導体や、シラザン誘導体や、ポリシラン系アニリン系共重合体や、高分子オリゴマーや、スチリルアミン化合物や、芳香族ジメチリディン系化合物や、ポリ3−メチルチオフェン等も用いることができる。
また、電子受容性層42の構成材料である電子受容性材料としては1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)等のオキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体等が用いられる。
非透光性絶縁体22に用いる材料に要求される特性としては、電気及び光を通さないことはもちろんのこと、任意の形状にパターニングできるということも重要である。このような特性を満たす材料としては、光硬化性樹脂等の各種高分子材料や酸化クロム等の金属酸化物等が挙げられる。
陽極39には、ITOやATO(SbをドープしたSnO2)、AZO(AlをドープしたZnO)が、また陰極43には通常Al、Ag、Au等の金属材料が用いられる。
また、必要に応じて各電極と光電変換領域40との間にPEDOT:PSS(ポリチオフェンとポリスチレンスルホン酸の混合物)等の高分子材料やLiFをはじめとする金属フッ化物や酸化物等をバッファ層として導入する素子構成も好適に用いられる。
さらに、陽極39、陰極43をいずれもITOやATO、AZOさらにはAl、Ag、Au等の金属薄膜といった光透過性の材料で構成することにより光透過性を付与することも可能となり、これにより光透過性の受光部21を提供することもできる。
なお、図1に示す有機情報読み取りセンサ23は、受光部21が一次元上に配置されるラインセンサとしての例を示しているが、二次元に配置しエリアセンサとして用いることや、さらにこのエリアセンサを曲げて使用するなどしても全く問題はない。
有機情報読み取りセンサ23における非透光性絶縁体22の構成バリエーションについてさらに説明する。
図3は、本発明の実施の形態1における有機情報読み取りセンサの要部断面図である。
図3において、各受光部21は基板20上に、陽極39、光電変換領域40、陰極43から構成されている。
図3示す有機情報読み取りセンサ23が従来のものと異なっているのは、各受光部21の間に非透光性絶縁体22aが配置されている点である。
非透光性絶縁体22aは、図3に示すように、光電変換領域40の上に、陰極43と同一面の高さになるように配設されている。
非透光性絶縁体22aによって受光部21間の光の伝搬が大幅に制限され、ある受光部21に入射した光はその受光部21のみで吸収され電気信号へと変換されるようになる。
このように、受光部21間を光が伝搬し迷光となるのを抑制することができ、高品質で高解像度の有機情報読み取りセンサ23を提供することが可能となる。
図4は、本発明の実施の形態1における有機情報読み取りセンサの要部断面図である。
図4において、各受光部21は基板20上に、陽極39、光電変換領域40、陰極43から構成されている。
図4に示す有機情報読み取りセンサ23が図3に示したものと異なっているのは、複数の受光部21が非透光性絶縁体22bによって完全に隔離されている点である。
ここでの完全に隔離と言うのは、隣り合う受光部21の陽極39同士、光電変換領域40同士、陰極43同士がお互いに同一平面状でつながっていないことを指している。
これにより、ある受光部21に入射した光はその受光部21のみで吸収され電気信号へと変換され、図3に示したものよりも光電変換領域40や各電極、またはそれらの界面領域中を光が伝搬され迷光となるのを完全に抑制することができるようになる。
なお、各受光部21を分離する場合には各電極の配線が重要であるが、例えば各受光部21の信号を別々に取り出すことのできるようなTFT(Thin Film Transistor)基板を用いること等で解決することができる。
また、非透光性絶縁体22bの材料としては、光を遮断することができ、絶縁性を有するものであればどのようなものであってもよく、Cr23をはじめとする酸化物や各種高分子材料等が好適に用いられる。
図5は、本発明の実施の形態1における有機情報読み取りセンサの要部断面図である。
図5において、各受光部21は基板20上に、陽極39、光電変換領域40、陰極43から構成されている。
図5に示す有機情報読み取りセンサ23が図3、図4に示したものと異なっているのは、非透光性絶縁体22cの厚さtiが、受光部21の厚さtdよりも厚い点である。
すなわち図5に示す有機情報読み取りセンサ23では、非透光性絶縁体22cが受光部21よりも上方に突き出ている。このような構成にすることで受光部21に入射する光の斜め成分を遮断することが可能となり、高解像度の情報読み取りを行うことができる。
さらに、非透光性絶縁体22cは受光部21の保護材としての役割も果たし、例えば有機情報読み取りセンサ23が直接検体に接触するような場合であっても、受光部21は非透光性絶縁体22cによって保護され、破損を抑制することができる。
なお、図5に示す有機情報読み取りセンサ23は、図4と同様に受光部21を完全に遮断した構成を示しているが、図3に示したように、光電変換領域40や陽極39を遮断しない構成であってもよい。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における有機情報読み取りセンサの要部断面図である。
図6において、20は基板、21は受光部、22dは非透光性絶縁体、50は発光部である。
図6に示す情報読み取りセンサ23では、非透光性絶縁体22dによって分離された複数の受光部21がそれぞれ個別の発光部50を有しており、さらに、発光部50は基板20と受光部21との間に形成され、受光部21と発光部50とが積層された構成となっている。
図6に示すように、受光部21と発光部50とを積層することで、図1に示したような、斜めから原稿等の検体に対して光照射するためのスペースが不要となり、情報読み取り装置としての小型化、省スペース化が可能となる。
なお、発光部50と受光部21との配置関係については、効果的に光照射及び受光ができるものであればどのようなものであっても良く、例えば図6に示したような基板20/発光部50/受光部21の順に積層した形態だけでなく、基板20/受光部21/発光部50の順に積層する形態などであってもよい。
そして、受光部21がそれぞれ個別の発光部50を有しているという点では、受光部21と発光部50とを同一平面あるいは略同一平面に並べたり、完全に積層するのではなく、ずらして積層する形態等も考えられる。
この場合、発光部50からの光の照射方向と受光部21への光の入射方向とにズレが生じるので、図6に示したように完全に積層した場合よりも情報読み取り装置としてスペースを必要とするが、それでも光源を別にした場合の図1に示す構成よりも省スペースを実現できる。
なお、上記説明では、受光部21に対し発光部50を個別に設ける形態について説明したが、単一の発光部50あるいは幾つかの受光部21に対して共通に設ける発光部50という形態も考えられる。
また、非透光性絶縁体22dの配置構成としては、実施の形態1における図3〜図5に示したように各種の構成パターンが適用できる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における有機情報読み取りセンサの要部断面図である。
図7において、各受光部21は基板20上に、陽極39、光電変換領域40、陰極43から構成されている。
図7に示す有機情報読み取りセンサは、複数の受光部21がそれぞれ個別のレンズアレイ12を有しており、焦点深度が深く、高品質の情報読み取りを行うことができる。
レンズアレイ12の配置は、シート状のレンズアレイ12を受光部21上に位置合わせしたうえで貼り付ける手法等が好適に用いられるが、その他にも非透光性絶縁体22eで囲まれた受光部21上に樹脂等を塗布するなどして、非透光性絶縁体22eによって分離されているようにレンズアレイ12を形成する方法も好適に用いられる。
各受光部21に個別のレンズアレイ12を形成することによって、図1に示す外部のセルフォックレンズ等のレンズ系24が不用となり、大幅に小型、薄型化された完全密着型の情報読み取りモジュールを提供することが可能となる。
そして、受光部21毎に分離されたレンズアレイ12を用いれば、レンズアレイ12中の迷光を大幅に改善することができ、高品質の情報読み取りを行うことが可能である。
従来の完全密着型の情報読み取りモジュールのほとんどはレンズを有していないため焦点深度が浅かったが、本実施の形態の有機情報読み取りセンサは各画素に非透光性絶縁体22eで分離されたレンズアレイ12を配置しているため焦点深度の深い完全密着型情報読み取りモジュールを提供することが可能である。
なお、非透光性絶縁体22eの配置構成としては、実施の形態1における図3〜図5に示したように各種の構成パターンが適用できる。
さらに、実施の形態2と同様に受光部21が個別の発光部を有する構成にも適用可能である。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4における有機光電変換素子の要部断面図である。
図8では、基板20上の陽極39、陰極43間に光電変換領域15が形成されており、光電変換領域15は、電極間に少なくとも一種の電子供与性材料16と、フラーレン類及び/またはカーボンナノチューブ類を含む電子受容性材料17からなる光電変換領域15を有する。
これらの材料を用いた有機光電変換素子は、図2に示したような電子供与性有機材料と電子受容性材料とを積層した場合に比べ、各材料を混合したものを塗布するだけでよく、容易に受光部21を形成できる。
そのため、構成が簡単で、低コストな有機情報読み取りセンサ、及び情報読み取り装置を提供することが可能となる。
なお、本実施の形態で示した光電変換領域15の構成は、既に説明した実施の形態1〜3の何れにおいても適用可能である。
(実施の形態5)
本発明の有機情報読み取りセンサの製造方法について述べる。
図9(a)〜(g)に、本発明の実施の形態5における有機情報読み取りセンサの製造工程図を示す。
図9において、まずスパッタリング法により、ガラス基板30上にITO膜31を成膜する(図9(a))。このITO膜31上にスピンコート法等によりレジスト膜32を形成し、上部にマスク33を配置する(図9(b))。
次に、このマスク33を介して露光した後現像してレジスト膜32を所定の形状にパターニングする(図9(c))。
続いてITO膜31をエッチングし所定の形状のITO電極を形成する(図9(d))。
次に、このガラス基板30上にスパッタリング法により酸化クロム膜34を形成し、さらにその上部にレジスト膜32を形成して、ITO膜31のパターニングと同様にマスク露光及び現像することでレジスト膜32をパターニングする(図9(e))。
さらに、このレジスト膜32をマスク33にして酸化クロム膜34をエッチングすることで非透光性絶縁体を形成する(図9(f))。
このようにして形成した基板上にインクジェット法やマスク蒸着法用いて光電変換領域36及び電極37等を形成する(図9(g))。これにより非透光性絶縁体によって各受光部が分離された有機情報読み取りセンサを形成することができる。
また、本発明の非透光性絶縁体は、迷光を抑制し高品位な情報読み取りを可能にするだけでなく、有機情報読み取りセンサの製造プロセスにおいても大きな利点を有している。
例えば、色情報の読み取りを可能にするために近接する光電変換画素を異なる材料で形成する必要がある場合、一般的にはこのようなパターニングはインクジェット法によって光電変換領域を塗り分けることで行われるが、解像度が高く画素間隔が狭いものでは材料が隣の画素まで広がってしまいうまく塗り分けることができない。そこで材料の広がりを抑えるために感光性高分子材料等によって画素形成層と呼ばれる壁を形成し、その内部に塗布した材料を留める方法等が用いられている。
また、この画素形成層を用いることにより光電変換領域上に形成する上部電極のパターニングも不要になる。本発明の非透光性絶縁体はこの画素形成層の役割も果たすことができ、光電変換材料やカラーフィルター材料等のパターニングを容易にするとともに画素を任意の形状に規定するのに利用することが可能である。
さらに、本発明の非透光性絶縁体はその膜厚を光電変換領域の厚さに比べ十分に厚くすることで画素周辺部の静電容量を大幅に低減することができ寄生容量の影響が小さい高感度な情報読み取りを可能にする。
本発明にかかる有機情報読み取りセンサは、低コストで簡便に製造することが可能でありながら、迷光等の影響を抑えることで高解像度、高品位な情報読み取りを行うことができ、文字や図形との各種情報を読み取る情報読み取り装置として有用である。
本発明の実施の形態1における有機情報読み取りモジュールの斜視図 本発明の実施の形態1における有機光電変換素子の要部断面図 本発明の実施の形態1における有機情報読み取りセンサの要部断面図 本発明の実施の形態1における有機情報読み取りセンサの要部断面図 本発明の実施の形態1における有機情報読み取りセンサの要部断面図 本発明の実施の形態2における有機情報読み取りセンサの要部断面図 本発明の実施の形態3における有機情報読み取りセンサの要部断面図 本発明の実施の形態4における有機光電変換素子の要部断面図 本発明の実施の形態5における有機情報読み取りセンサの製造工程図 従来の一般的な有機光電変換素子の要部断面図 従来の有機光電変換素子を用いた情報読み取りセンサの要部断面図
符号の説明
16 電子供与性材料
17 電子受容性材料
20 基板
21 受光部
22 非透光性絶縁体
23 有機情報読み取りセンサ
24 レンズ系
25 光源部
26 原稿
30 ガラス基板
31 ITO膜
32 レジスト膜
33 マスク
34 酸化クロム膜
37 電極
39 陽極
15、40 光電変換領域
41 電子供与性層
42 電子受容性層
43 陰極

Claims (10)

  1. 電極間に少なくとも1種の有機材料を挟み光信号を電気信号に変換する受光部を複数個備えた有機情報読み取りセンサにおいて、前記複数の受光部の間に非透光性絶縁体が配置されたことを特徴とする有機情報読み取りセンサ。
  2. 前記複数の受光部が、前記非透光性絶縁体によってそれぞれ完全に隔離されていることを特徴とする請求項1に記載の有機情報読み取りセンサ。
  3. 前記非透光性絶縁体の厚さをti、前記受光部の厚さをtdとしたとき、ti≧tdであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機情報読み取りセンサ。
  4. 前記複数の受光部がそれぞれ個別の発光部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機情報読み取りセンサ。
  5. 前記複数の受光部と発光部とが積層されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の有機情報読み取りセンサ。
  6. 前記複数の受光部がそれぞれ個別のレンズアレイを有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の有機情報読み取りセンサ。
  7. 前記レンズアレイが、前記非透光性絶縁体によって分離されていることを特徴とする請求項6に記載の有機情報読み取りセンサ。
  8. 前記受光部が基板上に少なくとも2つの電極と、その電極間に少なくとも一種の電子供与性有機材料と、フラーレン類及び/またはカーボンナノチューブ類を含む電子受容性材料からなる光電変換領域を有する有機光電変換素子からなることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の有機情報読み取りセンサ。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の有機情報読み取りセンサを用いたことを特徴とする情報読み取り装置。
  10. 電極間に少なくとも1種の有機材料を挟み光信号を電気信号に変換する受光部を複数個備え、前記複数の受光部の間に非透光性絶縁体が配置された有機情報読み取りセンサの製造方法において、前記非透光性絶縁体が、前記受光部より前に形成されることを特徴とする有機情報読み取りセンサの製造方法。
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