JP2005310470A - 有機el素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 陰極である透明導電膜側から、発光を効率的に取り出すことができる有機EL素子を安定に提供する。
【解決手段】 反射電極である陽極を金属層とCからなる層の積層構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 反射電極である陽極を金属層とCからなる層の積層構成とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板上に反射金属電極をもち、対向する透明陰極側より光取りだしをおこなう有機EL素子に関する。
現在主に開発が進められている有機EL素子は、陽極/発光層/陰極の積層を基本とし、ガラス板などを用いた基板上に透明陽極を形成し、発光を基板側から取り出す構成を基本としている。一方、近年発光画素ごとに駆動用トランジスタを設けた方式(アクティブマトリックス方式)のパネルの検討が進んでいる。ところが基板側より光を取り出す場合、これらの駆動回路、配線部が光を遮るため、画素の開口率(素子内で実際に発光する部分の面積比)が小さくなるという問題がある。
そこで特許文献1乃至2で開示されているように、陰極を透明な電子注入金属層と非晶質透明導電膜で形成し、陰極側から光を取り出すことが試みられている。この素子構成は、TFT駆動回路基板の上に画素電極である金属反射電極(陽極)を形成し、さらに有機EL層、透明陰極を設けるものである。光は陰極から取り出されるので、開口率の低下の問題は解決される。しかし画素電極(陽極)からの正孔注入性、素子プロセスの安定性などでまだ十分な改善が得られていない。
特許文献1では陽極材料として仕事関数4.8eV以上の金属材料、例えばAu,Pt,Ni,Pdが挙げられている。しかしこれらの材料はTFT基板の半導体プロセスには、なじまない。(パターン形成が難しい)また有機膜との密着性にも問題がある。
また特許文献2ではパターン形成が容易なCrを含む周期律表5または6族の金属材料を陽極材料として用いることが提案されているが、仕事関数が4.5eV以下なので、電極からの正孔注入性が劣り、駆動電圧が3〜10V程大きくなってしまうという問題があった。また仕事関数が大きい(4.8eV以上)導電性酸化物、導電性高分子などを注入層として設ける可能性についても記載があるが、実際は発光時に素子に数〜数十mA/cm2程の大きな電流を電極から注入する必要があるので、例えば10E(-5〜-7)Ωcm以上の比抵抗材料を使う必要がある。低抵抗材料からなる注入層は膜厚によって注入特性が大きく変わるので、数nmの膜厚で精度良く設ける必要がある。(特に抵抗値が十分低くない場合)またこれらの導電性材料は組成、成膜条件などによって抵抗値が変化しやすいという問題がある。
特開平10-162959号公報
特開2001-043980号公報
上記公開特許公報には、取り出し電極形成後の基板に有機EL層を形成する際の洗浄処理についての記載がないが、実際には電極形成プロセス後に洗浄処理を行っても電極表面には現像液の残渣が残り、そのままでは素子特性に大きな影響を与える。また電極形成後、有機EL層を成膜するまでの搬送過程で電極上に大気中の有機物、水分などの吸着、堆積がある。これも同様に素子特性に影響を与える。
そこでITO陽電極基板への有機EL層成膜前処理として通常行われる、UVオゾン洗浄、酸素プラズマ洗浄処理などが、金属陽極についても必須となるが上記公開公報はじめ今までの先行技術では、詳細の検討がなされていなかった。
よって本発明は、対向する陽極と陰極からなる1対の電極と、前記1対の電極の間に少なくとも有機化合物からなる発光層が設けられた有機EL素子において、前記陽極は反射電極であり、金属層と該金属層表面に形成される少なくともCからなる層の積層となっていることを特徴とする有機EL素子を提供する。
陰極である透明導電膜側から、発光を効率的に取り出すことができる素子を安定に作製できる。
またCないしCとNからなる層を反射金属電極上に設けることとで、たとえTFT基板の製造プロセスと有機EL層の製造プロセスを切り離しても、UVオゾン処理や酸素プラズマ処理などの有機EL層形成前の陽極への処理が効果的に行われることで、良好な特性の有機EL素子を再現性良く得られる。
したがって、本発明により有機EL素子を用いてアクティブマトリクス方式のデイスプレイを安定に歩留まり良く作製することが可能である。
本発明は、発光を素子の陰極側で取り出すことができる金属陽極基板を用いて良好な発光特性が得られる有機EL発光素子を提供することを目的とする。
即ち基板上に設けられた陽極と、陰極と、両者の間に保持された有機EL層とからなり、前記陽極は金属反射電極であり、この陽極の上にC、ないしCとNを主成分とする層が積層されている。
陰極は透明導電層であり、表示素子として均一発光が得られるようにシート抵抗値が40Ω/□以下であることが望ましい。例えばIn-Sn-O系酸化物、In-Zn-O系酸化物からなる透明導電膜が好ましい。
電子注入層は、発光層を含む有機EL層へ、陰極から電子を注入できる層である。
例えば仕事関数の小さい(3.8eV以下)金属、例えばMg,Ca,Ba,Li,Scなどが少なくとも含まれる金属単体か合金の薄膜が用いられる。
別の好ましい形態としては、アルカリ土類金属、例えばBaO,SrO,CuOなどの薄膜が用いられる。
さらに他の好ましい例として、電子注入性金属、あるいはアルカリ土類金属酸化物と電子輸送性の化合物との混合物であっても良い。
最も好ましい電子注入層は、炭酸セシウム(Cs2CO3)に代表される塩とAlq3に代表される電子輸送性の化合物の共蒸着膜である。好ましい混合比は炭酸セシウムが体積比で5〜30%程度である(望ましくは10%程度で、モル比率では〜50%に相当)。
本発明は、陽極金属電極から正孔の注入を安定に、低電圧から行える正孔注入層について示すものであるが、炭酸セシウムとAlqなど電子輸送性化合物の共蒸着膜など良好な特性を示す電子注入層と組み合わせて用いられるべきものである。
有機EL層は、陽極と陰極の間に介在し、発光層のみからなる層であってもよく、また電子輸送層、正孔輸送層などを積層した多層構造のものであってもよい。
有機EL素子は、電界印加時に陽極から正孔が、陰極から電子が注入され、電子と正孔の再結合によって発光させる機能を有している。これらは従来有機EL素子における公知のものを用いることができる。
本発明によれば、基板上に設けられた陽極は金属反射電極と、この上にCないしCとNを主成分とする層を積層した構成となっている。
有機EL素子膜を形成するにあたり、素子基板上の汚れを除去するために、UVオゾン洗浄または酸素プラズマ処理を行う必要がある。従来陽極材料として使われるITOなどの酸化膜では、表面層の酸化が進み例えば仕事関数が処理前の4.6eVから5.0eVまで変化、結果として有機EL層への正孔注入が促進されることが知られている。
ところが陽極材料を金属にすると、同様に表面酸化が起こるが、多くの場合表面酸化膜は高抵抗で正孔注入を阻害する。また仕事関数が4.8ev以上となるIn,Zn,Sn系の酸化物薄膜を正孔注入層として用いる技術も特開2001-291595等に開示されているが、実際には金属電極膜に酸化物注入層を積層成膜する際に界面に電極金属の酸化層が形成される。また金属膜上に形成される酸化物薄膜は表面の平滑性、抵抗値なども、ガラス基板上のように良好な特性を示さない場合が多く、結果として素子の電圧-電流特性が安定しない、陽極基板の試作ロットによるバラツキが大きいなどの問題があった。
本発明のCないしCとNからなる層は金属陽極膜が酸化されるのを防ぐと共に、自らは酸化による表面変性を受けないという特徴がある。酸素プラズマなどの強い酸化処理によっても表面のC,N元素が離脱することはあっても、表面組成の変化はほとんど起こらない。
以下図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明にかかる有機EL素子の基本的な構成を示す断面図である。
陽極Aと、陰極Kと、両者の間に保持された有機EL層10とからなる。有機層10は陽極Aから供給される正孔と陰極Kから供給される電子との再結合によって発光する発光層103を含んでいる。さらにCないしCとNからなる層である101、正孔輸送層102、電子注入輸送層104とを含んでいる。
陽極Aは、素子電極としてパターン形成が容易な金属材料が選ばれる。Al,Cr,Ta,W、Ni,Pd、Agないしそれらを含む合金などを使うことができる。
CないしCとNからなる層は、例えばグラファイトターゲットをArとN2の混合ガス雰囲気中でスパッタ成膜することで得られるCとNを主体とする膜である。UVオゾン洗浄、酸素プラズマ処理で陽極Aが酸化されないように表面を覆うには30nm以上の膜厚が必要で、好ましくは40nm〜200nmの膜厚が良い。膜厚が大きくなりすぎると、正孔注入されにくくなる、あるいは電極間のリーク電流が増大するなどの問題が起こりやすい。
また陽極AからCないしCとNからなる層101へ正孔注入を良好にするにはCないしCとNからなる層101の陽極Aに接する界面ではCが主成分(C組成比80%以上、比抵抗値 10E(-4)Ωcm以下)であることが好ましい。
CないしCとNからなる層101の有機EL層に接する界面では、有機EL層に良好に正孔注入するためには、N成分比率が大きくなる(C組成比80%以下、抵抗値 10E(-5)Ωcm以上)ことが好ましい。
CないしCとNからなる層101の膜厚を50nm〜200nm程度にすれば、上記Cが主成分の膜であっても、N成分比率が大きい膜であっても、画素間のリーク、正孔注入ともに問題なく機能する。
図2は、有機EL素子作製に使われるTFT基板の有機EL発光画素とTFTの一部を含む断面構造を模式的に示している。発光画素部は陽極A、有機層10及び陰極Kを順に重ねたものである。陽極Aは画素毎に分離しており、基本的に光反射性である。陰極Kは画素間で共通接続されており、基本的に光透過性である。TFTはガラス等からなる基板1の上に形成されたゲート電極2と、その上面に重ねられたゲート絶縁膜3と、このゲート絶縁膜3を介してゲート電極2の上方に重ねられた半導体薄膜4とからなる。この半導体薄膜4は例えば多結晶シリコン薄膜からなる。TFTは画素電極に供給される電流の通路となるソースS、チャンネルCh及びドレインDを備えている。このボトムゲート構造のTFTは層間絶縁膜5により被覆されており、その上にはソース電極6及びドレイン電極7が形成されている。これらの上には別の層間絶縁膜9を介して画素電極(陽極A)が形成されている。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
Cr電極
ガラス基板上に、CrターゲットをDCスパッタし陽極Aとして100nmの厚さにCr膜を成膜した。この際成膜マスクを用いて、3mmのストライプとした。Arガスを用いて、0.4Paの圧力、300Wの投入Pw条件で行った。
Cr電極
ガラス基板上に、CrターゲットをDCスパッタし陽極Aとして100nmの厚さにCr膜を成膜した。この際成膜マスクを用いて、3mmのストライプとした。Arガスを用いて、0.4Paの圧力、300Wの投入Pw条件で行った。
CないしCとNからなる層
つづいて、グラファイトターゲットをDCスパッタし60nmの厚さにCないしCとNからなる層を成膜した。ArガスとN2ガスの流量比を7:3として、スパッタ圧力を0.4Paとし、300Wの投入Pw条件で行った。同条件で成膜を行った単膜の比抵抗値は〜4×10-6Ωcmであった。
つづいて、グラファイトターゲットをDCスパッタし60nmの厚さにCないしCとNからなる層を成膜した。ArガスとN2ガスの流量比を7:3として、スパッタ圧力を0.4Paとし、300Wの投入Pw条件で行った。同条件で成膜を行った単膜の比抵抗値は〜4×10-6Ωcmであった。
SiO2絶縁層
次にSiO2をRFスパッタ法により、絶縁層として300nmの厚さに成膜した。この際成膜マスクを交換することによりCrストライプ上に2mm□の開口でCr/C-Nが画素電極として露出するようにした。Arガスを用いて、0.4Paの圧力、300Wの投入Pw条件で行った。
次にSiO2をRFスパッタ法により、絶縁層として300nmの厚さに成膜した。この際成膜マスクを交換することによりCrストライプ上に2mm□の開口でCr/C-Nが画素電極として露出するようにした。Arガスを用いて、0.4Paの圧力、300Wの投入Pw条件で行った。
電極前処理
反射電極パターンが形成された基板に対して、UVオゾン処理装置を用いて出力300Wの低圧水銀ランプを用いて、大気中で20分のUVオゾン処理を行った。
反射電極パターンが形成された基板に対して、UVオゾン処理装置を用いて出力300Wの低圧水銀ランプを用いて、大気中で20分のUVオゾン処理を行った。
有機EL層形成
真空チャンバーを、1×10E(-4)Paまで排気した後、蒸着マスクを用いることにより所定の部分に有機EL層を蒸着した。所定の部分とは基板上で、Crが露出している部分である。(画素電極)
まず正孔輸送層としてα-NPD(4,4',4''-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル)を50nm、発光層としてAlq3(アルミニウム-トリキノリノリン)を30nm、電子注入輸送層としてAlq3 9:Cs2CO3 1(体積比)なる共蒸着膜を50nmの膜厚に設けた。
真空チャンバーを、1×10E(-4)Paまで排気した後、蒸着マスクを用いることにより所定の部分に有機EL層を蒸着した。所定の部分とは基板上で、Crが露出している部分である。(画素電極)
まず正孔輸送層としてα-NPD(4,4',4''-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル)を50nm、発光層としてAlq3(アルミニウム-トリキノリノリン)を30nm、電子注入輸送層としてAlq3 9:Cs2CO3 1(体積比)なる共蒸着膜を50nmの膜厚に設けた。
それぞれの蒸着ボートにセットした材料を抵抗加熱方式で蒸発させ、有機層は〜0.5nm/sec.、共蒸着層もそれぞれのボート電流値を調整することで、あわせて〜0.5nm/sec.の蒸着速度で、膜形成を行った。
つづいてマスク成膜によりCr画素電極を覆って、Crストライプに交差するように、ITO(In-Sn-O)陰極膜をDCスパッタ成膜した。
Arガスを用いて0.4Paの圧力で、300Wの投入Pw条件でITOターゲットをスパッタした。膜厚は100nmとし、同条件での単膜における比抵抗値は4×10-6Ωcmであった。
素子評価
ITO透明導電膜を陰極、Cr電極を陽極として、電圧−電流−輝度特性を測定したところ、輝度300Cd/m2を得た電圧は6.0Vであった。また2mm□の画素内での発光は均一であった。
ITO透明導電膜を陰極、Cr電極を陽極として、電圧−電流−輝度特性を測定したところ、輝度300Cd/m2を得た電圧は6.0Vであった。また2mm□の画素内での発光は均一であった。
本実施例におけるCないしCとNからなる層の成膜条件と物性を表1に、有機EL素子の作製条件と性能を表2にまとめて示す。
(実施例2)
電極前処理工程を、O2プラズマ処理に変更する以外は実施例1とまったく同様にして有機EL素子を作製、評価した。O2プラズマ処理は、基板付近に設けたリング状電極に50WのRF電力を投入し、酸素圧力は0.6Pa、処理時間は40秒でおこなった。
電極前処理工程を、O2プラズマ処理に変更する以外は実施例1とまったく同様にして有機EL素子を作製、評価した。O2プラズマ処理は、基板付近に設けたリング状電極に50WのRF電力を投入し、酸素圧力は0.6Pa、処理時間は40秒でおこなった。
実施例1と同様に素子評価したところ輝度300Cd/m2を得た電圧は5.9Vであった。また2mm□の画素内での発光は均一であった。
(実施例3)
実施例1のCr電極形成工程の次に、CないしCとNからなる層の形成を行わずにSiO2絶縁層の形成をつづいて行い、その後取り出し電極部を除く画素・分離膜部全面を覆うようにCないしCとNからなる層の形成をおこなった。ArガスとN2ガスの流量比を6:4として、スパッタ圧力を0.4Paとし、300Wの投入Pw条件で行った。層厚は50nmとなるようにした。同条件で成膜を行った単膜の比抵抗値は〜8×10-6Ωcmであった。その後の工程は実施例1と全く同様にしておこなった。
実施例1のCr電極形成工程の次に、CないしCとNからなる層の形成を行わずにSiO2絶縁層の形成をつづいて行い、その後取り出し電極部を除く画素・分離膜部全面を覆うようにCないしCとNからなる層の形成をおこなった。ArガスとN2ガスの流量比を6:4として、スパッタ圧力を0.4Paとし、300Wの投入Pw条件で行った。層厚は50nmとなるようにした。同条件で成膜を行った単膜の比抵抗値は〜8×10-6Ωcmであった。その後の工程は実施例1と全く同様にしておこなった。
実施例1と同様に素子評価したところ輝度300Cd/m2を得た電圧は6.2Vであった。また2mm□の画素内での発光は均一であり、未電圧印加隣接画素の発光なども見られなかった。
(実施例4)
実施例1のCないしCとNからなる層の形成工程において、ArガスとN2ガスの流量比を8:2として、層厚を80nmとなるようにした。それ以外の工程は実施例1と全く同様にしておこなった。同条件での単膜における比抵抗値は〜1×10-6Ωcmであった。
実施例1のCないしCとNからなる層の形成工程において、ArガスとN2ガスの流量比を8:2として、層厚を80nmとなるようにした。それ以外の工程は実施例1と全く同様にしておこなった。同条件での単膜における比抵抗値は〜1×10-6Ωcmであった。
実施例1と同様に素子評価したところ輝度300Cd/m2を得た電圧は6.2Vであった。また2mm□の画素内での発光は均一であった。
(実施例5)
実施例1のCないしCとNからなる層の形成工程において、ArガスとN2ガスの流量比を10:0として、すなわちCのみの層を形成した。層厚は40nmとなるようにした。同条件での単膜における比抵抗値は4×10-5Ωcmであった。それ以外の工程は実施例1と全く同様にしておこなった。
実施例1のCないしCとNからなる層の形成工程において、ArガスとN2ガスの流量比を10:0として、すなわちCのみの層を形成した。層厚は40nmとなるようにした。同条件での単膜における比抵抗値は4×10-5Ωcmであった。それ以外の工程は実施例1と全く同様にしておこなった。
実施例1と同様に素子評価したところ輝度300Cd/m2を得た電圧は6.8Vであった。また2mm□の画素内での発光は均一であった。
(比較例1)
実施例1のCないしCとNからなる層の形成工程を行わずに、その他の工程は実施例1と全く同様にして有機EL素子を作製した。実施例1と同様に素子評価したところ輝度300Cd/m2を得た電圧は8.0Vであり、駆動電圧の上昇が見られた。また2mm□の画素内での発光は不均一な部分が見られた。
実施例1のCないしCとNからなる層の形成工程を行わずに、その他の工程は実施例1と全く同様にして有機EL素子を作製した。実施例1と同様に素子評価したところ輝度300Cd/m2を得た電圧は8.0Vであり、駆動電圧の上昇が見られた。また2mm□の画素内での発光は不均一な部分が見られた。
(比較例2)
電極前処理工程を、O2プラズマ処理に変更する以外は比較例1とまったく同様にして有機EL素子を作製、評価した。O2プラズマ処理は、基板付近に設けたリング状電極に50WのRF電力を投入し、酸素圧力は0.6Pa、処理時間は40秒でおこなった。
電極前処理工程を、O2プラズマ処理に変更する以外は比較例1とまったく同様にして有機EL素子を作製、評価した。O2プラズマ処理は、基板付近に設けたリング状電極に50WのRF電力を投入し、酸素圧力は0.6Pa、処理時間は40秒でおこなった。
実施例1と同様に素子評価したところ輝度300Cd/m2を得た電圧は8.1Vであり、駆動電圧の上昇が見られた。
実施例、比較例の考察
本発明のCないしCとNからなる層を反射金属電極上に設けることによって、たとえ途中に大気リークがあるプロセスでも、良好な発光特性を示す素子が得られることが分かった。
本発明のCないしCとNからなる層を反射金属電極上に設けることによって、たとえ途中に大気リークがあるプロセスでも、良好な発光特性を示す素子が得られることが分かった。
CないしCとNからなる層がない比較例では電極金属の表面酸化(電極前処理時)の影響で発光電圧上昇が起こった。
Claims (4)
- 対向する陽極と陰極からなる1対の電極と、前記1対の電極の間に少なくとも有機化合物からなる発光層が設けられた有機EL素子において、前記陽極は反射電極であり、金属層と該金属層表面に形成される少なくともCからなる層の積層となっていることを特徴とする有機EL素子。
- 前記陽極は金属層と該金属層表面に形成されるCとNからなる層の積層となっていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
- 基板上に陽極が形成され、該陽極と対向する陰極側から光取り出しを行うことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の有機EL素子。
- 前記陽極は、UVオゾン処理、あるいは酸素プラズマ処理によって表面処理されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機EL素子。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012507152A (ja) * | 2008-10-27 | 2012-03-22 | ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァシティ オブ ミシガン | 反転型感光性デバイス |
CN104752621A (zh) * | 2013-12-26 | 2015-07-01 | 昆山工研院新型平板显示技术中心有限公司 | 一种提高有源矩阵有机发光显示器显示质量的方法 |
-
2004
- 2004-04-20 JP JP2004124086A patent/JP2005310470A/ja not_active Withdrawn
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