JP2005310408A - 印刷インキ、およびこれを用いた高分子el素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 高分子EL素子形成材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させた印刷インキ;および、樹脂版または樹脂ブランケットの表面に所定パターンにて付着した本発明の印刷インキを転写することにより、発光体層14(有機発光媒体層)を形成する高分子EL素子の製造方法。
【選択図】 図1
Description
ここで、前記高分子EL素子形成材料としては、高分子発光体が挙げられる。
<印刷インキ>
本発明の印刷インキは、高分子EL素子形成材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させたものである。
本発明における高分子EL素子形成材料とは、高分子EL素子の有機発光媒体層を形成するための材料である。ここで、有機発光媒体層は、少なくとも発光体層を有する層であり、必要に応じて正孔輸送層、電子輸送層を有する層である。
高分子EL素子形成材料を溶解させる有機溶剤としては、トルエン、キシレン、アニソール、ジメチルベンゼン等の芳香族系の有機溶剤;クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン系の有機溶剤などが挙げられる。
乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型乳化剤;ポリエチレングリコール等のアルコール型乳化剤;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等のシリコーン型乳化剤;脂肪酸エステル等のエステル型乳化剤;グリセリルモノステアレート等のグリセロリン型乳化剤;ポリグリセリン脂肪酸エステル;アミノ酸誘導体;N−アシルグルタミン酸等のスルホネート型乳化剤などが挙げられる。
印刷インキ中の乳化剤の含有量は、通常は印刷インキ100重量%中20〜1重量%であり、好ましくは10〜1重量%であり、より好ましくは5〜1重量%である。
高分子EL素子形成材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を分散させるアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチルカルビトールなどが挙げられる。水とアルコールの混合溶媒を用いることもできる。
本発明の印刷インキは、例えば、高分子EL素子形成材料を有機溶剤に溶解させて有機溶液を調製し、この有機溶液を乳化剤の水溶液に加え、ホモジナイザー等を用いて有機溶液を水に分散させ、水相中に有機溶液の油相が分散したエマルジョンとすることにより調製することができる。乳化剤の水溶液の代わりに、乳化剤のアルコール溶液を用いてもよい。
図1は、高分子EL素子の一例を示す断面図である。この高分子EL素子10は、透光性基板11と、透光性基板11表面に所定パターンにて形成された透明導電層12(陽極)と、透光性基板11および透明導電層12を覆う正孔輸送層13(有機発光媒体層)と、透明導電層12のパターンに対応して正孔輸送層13表面に形成された発光体層14(有機発光媒体層)と、発光体層14表面に形成された陰極層15とを具備するものである。
発光体層は、上述の高分子発光体を含有する層であり、電圧の印加により発光する層である。
次に、高分子EL素子10の製造方法について説明する。
表面にITOなどが成膜された透光性基板11を用意し、該膜を所定のパターンにエッチングし、透明導電層12を形成する。
印刷工程終了後、発光体層14表面に陰極層15を設けて高分子EL素子を得る。
以上説明した本発明の印刷インキにあっては、高分子EL素子形成材料(高分子発光体または正孔輸送材料)が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させたものであるので、樹脂版や樹脂ブランケットに用いられている樹脂を膨潤させることはない。よって、本発明の印刷インキを用いれば、フレキソ印刷、オフセット印刷、転写法など、樹脂版や樹脂ブランケットを用いた印刷法によって、高分子EL素子の有機発光媒体層(発光体層や正孔輸送層)を形成することが可能となる。
[実施例1]
(印刷インキの調製)
下記式に示すMEH−PPVをトルエンに溶解させて、2重量%のMEH−PPVを含むトルエン溶液を調製した。このトルエン溶液80重量部を、10重量%のポリビニルアルコールを含む水溶液100重量部中に加え、これらを超高速ホモジナイザー「ポリトロン」(キネマティカ社製)を用い、10000rpmで5分間撹拌した。さらに水50重量部を加え、油滴の平均粒子径が0.8μmのO/W型のエマルジョンを得た。このエマルジョンをそのまま印刷インキとして用いた。
表面にITOが成膜された200mm×200mmのガラス基板を用意し、ITO膜を所定のパターンにエッチングし、透明導電層を形成した。
ついで、ガラス基板および透明導電層上にグラビア印刷によって、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物を含有する溶液を印刷、乾燥し、50nm厚の正孔輸送層を形成した。
上記式(1)に示すMEH−PPVをトルエンに溶解させて、2重量%のMEH−PPVを含むトルエン溶液を調製した。このトルエン溶液80重量部を、3重量%のエマルゲン109P(花王(株)製、非イオン系活性剤)を含む水溶液100重量部中に加え、これらを超高速ホモジナイザー「ポリトロン」(キネマティカ社製)を用い、10000rpmで5分間撹拌した。さらに水50重量部を加え、油滴の平均粒子径が0.9μmのO/W型のエマルジョンを得た。このエマルジョンをそのまま印刷インキとして用いた。
表面にITOが成膜された300mm幅のポリエチレンテレフタレートからなるフィルム基板を用意し、ITO膜を所定のパターンにエッチングし、透明導電層を形成した。
ついで、フィルム基板および透明導電層上にグラビア印刷によって、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物を含有する溶液を印刷、乾燥し、50nm厚の正孔輸送層を形成した。
印刷インキとして、2重量%のMEH−PPVを含むトルエン/アニソール混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキソ印刷校正機にて印刷を行った。ウレタンゴム版の形状が歪んでしまい、発光体層の精度は50μm±40μm幅であった。
12 透明導電層(電極)
13 正孔輸送層(有機発光媒体層)
14 発光体層(有機発光媒体層)
15 陰極層(電極)
Claims (3)
- 高分子EL素子形成材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させた印刷インキ。
- 前記高分子EL素子形成材料が、高分子発光体であることを特徴とする請求項1記載の印刷インキ。
- 一対の電極と、これら電極間に設けられた有機発光媒体層とを有する高分子EL素子の製造方法において、
樹脂版または樹脂ブランケットの表面に請求項1記載の印刷インキを所定パターンにて付着させ、これを転写することにより有機発光媒体層を形成することを特徴とする高分子EL素子の製造方法。
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