JP2005310408A - 印刷インキ、およびこれを用いた高分子el素子の製造方法 - Google Patents

印刷インキ、およびこれを用いた高分子el素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂版や樹脂ブランケットを用いた印刷方法による高分子EL素子の有機発光媒体層の形成に好適な印刷インキ、および生産性が高く、製造コストが抑えられた高分子EL素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 高分子EL素子形成材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させた印刷インキ;および、樹脂版または樹脂ブランケットの表面に所定パターンにて付着した本発明の印刷インキを転写することにより、発光体層14(有機発光媒体層)を形成する高分子EL素子の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高分子EL素子形成材料を含有する印刷インキ、およびこれを用いた高分子EL素子の製造方法に関する。
有機薄膜のエレクトロルミネッセンス(以下ELと記す)現象を利用した有機EL素子が知られている。有機EL素子は、例えば、透光性基板上に、透明導電層(陽極)、有機発光媒体層、陰極を順次積層した構造を有するものである。
有機発光媒体層としては、例えば、正孔注入層に銅フタロシアニン、正孔輸送層にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、蛍光体層にトリス(8−キノリノール)アルミニウムをそれぞれ用いたものが挙げられる。有機発光媒体層の各層を形成するこれら材料は、いずれも低分子化合物であり、各層は、真空蒸着法などによって形成される。このため、低分子化合物を用いる有機EL素子の製造には、複数の蒸着釜を連結した真空蒸着装置が必要であり、有機EL素子の生産性は低く、製造コストは高い。
これに対し、有機発光媒体層に高分子材料を用いた高分子EL素子がある。正孔輸送層としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等の導電性高分子が用いられ、発光体層としては、ポリフェニレンビニレン(PPV)、ポリアルキルフルオレン(PAF);ポリビニルカルバゾールやポリスチレンに低分子発光材料を分散したもの等の高分子発光体が用いられる。これら高分子発光体(以下、高分子EL素子形成材料とも記す)は、有機溶剤に溶解させてインキとすることで、スピンコートや印刷によって有機発光媒体層を形成することが可能となる。よって、高分子EL素子は、前述の低分子化合物を用いた有機EL素子と比較して、大型化できるだけではなく、生産性は高く、製造コストを抑えることができる。
これまで、有機発光媒体層をグラビア印刷、スクリーン印刷、スプレー印刷等により形成する試みがなされている。しかしながら、通常のグラビア印刷は、金属版を用いるため、基板に傷が入るという欠点がある。スクリーン印刷は、高粘度の材料が必要となるため、有機発光媒体層の膜厚が必要膜厚の10倍〜20倍も厚くなってしまう欠点がある。また、スプレー印刷は、膜厚の均一性を出すことが難しいという欠点がある。
これらの欠点を克服するためには、樹脂版や樹脂ブランケットを用いるフレキソ印刷、オフセット印刷、樹脂版を用いたグラビア印刷、転写法などを採用する必要がある(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、高分子EL素子形成材料は剛直な構造をしているため溶解性に乏しく、印刷インキの有機溶剤としてはトルエン、キシレン等の芳香族系の有機溶剤またはハロゲン系の有機溶剤を用いざるを得ない。これらトルエン、キシレンなどの有機溶剤は、樹脂版や樹脂ブランケットに用いられている樹脂を膨潤させてしまうため、このような印刷インキは樹脂版や樹脂ブランケットを用いる印刷法では用いることができなかった。
特開2003−17248号公報
よって、本発明の目的は、樹脂版や樹脂ブランケットを用いた印刷方法による高分子EL素子の有機発光媒体層(発光体層や正孔輸送層)の形成に好適であり、かつ有機溶剤が低減された印刷インキ、および生産性が高く、製造コストが抑えられた高分子EL素子の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の印刷インキは、高分子EL素子形成材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させたものである。
ここで、前記高分子EL素子形成材料としては、高分子発光体が挙げられる。
また、本発明の高分子EL素子の製造方法は、一対の電極と、これら電極間に設けられた有機発光媒体層とを有する高分子EL素子の製造方法において、樹脂版または樹脂ブランケットの表面に請求項1記載の印刷インキを所定パターンにて付着させ、これを転写することにより有機発光媒体層を形成することを特徴とする。
本発明の印刷インキは、高分子EL素子形成材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させたものであるので、樹脂版や樹脂ブランケットを用いた印刷方法による高分子EL素子の有機発光媒体層の形成に好適に用いることができる。
また、本発明の高分子EL素子の製造方法は、樹脂版または樹脂ブランケットの表面に請求項1記載の印刷インキを所定パターンにて付着させ、これを転写することにより有機発光媒体層を形成する方法であるので、高分子EL素子を生産性よく、低コストで製造できる。
以下、本発明について詳しく説明する。
<印刷インキ>
本発明の印刷インキは、高分子EL素子形成材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させたものである。
(高分子EL素子形成材料)
本発明における高分子EL素子形成材料とは、高分子EL素子の有機発光媒体層を形成するための材料である。ここで、有機発光媒体層は、少なくとも発光体層を有する層であり、必要に応じて正孔輸送層、電子輸送層を有する層である。
発光体層を形成する高分子EL素子形成材料(高分子発光体)としては、ポリアルキルフルオレン(PAF)、ポリパラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリアルキルチオフェン(PAT)、ポリパラフェニレン(PPP)等の高分子蛍光体が挙げられる。
正孔輸送層を形成する高分子EL素子形成材料(正孔輸送材料)としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物等が挙げられる。
印刷インキ中の高分子EL素子形成材料の含有量は、通常は印刷インキ100重量%中0.1〜15重量%であり、好ましくは0.2〜10重量%であり、より好ましくは0.2〜5重量%である。
(有機溶剤)
高分子EL素子形成材料を溶解させる有機溶剤としては、トルエン、キシレン、アニソール、ジメチルベンゼン等の芳香族系の有機溶剤;クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン系の有機溶剤などが挙げられる。
印刷インキ中の有機溶剤の含有量は、できるだけ少ないことが好ましく、通常は印刷インキ100重量%中50〜5重量%であり、好ましくは30〜5重量%であり、より好ましくは20〜5重量%である。
(乳化剤)
乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型乳化剤;ポリエチレングリコール等のアルコール型乳化剤;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等のシリコーン型乳化剤;脂肪酸エステル等のエステル型乳化剤;グリセリルモノステアレート等のグリセロリン型乳化剤;ポリグリセリン脂肪酸エステル;アミノ酸誘導体;N−アシルグルタミン酸等のスルホネート型乳化剤などが挙げられる。
これらの中でも非イオン系であるエーテル型乳化剤、アルコール型乳化剤が、高分子EL素子形成材料の性能を低下させないことから好ましい。乳化剤にカルボニル基やイオンが含まれていると、高分子EL素子形成材料の性能を低下させるおそれがある。
印刷インキ中の乳化剤の含有量は、通常は印刷インキ100重量%中20〜1重量%であり、好ましくは10〜1重量%であり、より好ましくは5〜1重量%である。
(水、アルコール)
高分子EL素子形成材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を分散させるアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチルカルビトールなどが挙げられる。水とアルコールの混合溶媒を用いることもできる。
(印刷インキの調製方法)
本発明の印刷インキは、例えば、高分子EL素子形成材料を有機溶剤に溶解させて有機溶液を調製し、この有機溶液を乳化剤の水溶液に加え、ホモジナイザー等を用いて有機溶液を水に分散させ、水相中に有機溶液の油相が分散したエマルジョンとすることにより調製することができる。乳化剤の水溶液の代わりに、乳化剤のアルコール溶液を用いてもよい。
<高分子EL素子>
図1は、高分子EL素子の一例を示す断面図である。この高分子EL素子10は、透光性基板11と、透光性基板11表面に所定パターンにて形成された透明導電層12(陽極)と、透光性基板11および透明導電層12を覆う正孔輸送層13(有機発光媒体層)と、透明導電層12のパターンに対応して正孔輸送層13表面に形成された発光体層14(有機発光媒体層)と、発光体層14表面に形成された陰極層15とを具備するものである。
透光性基板11としては、ガラス基板、プラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができる。プラスチック製のフィルムを用いれば、巻き取りにより高分子EL素子の製造が可能となり、安価に素子を提供できる。そのプラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等を用いることができる。また、透明導電層12を成膜しない側にセラミック蒸着フィルムやポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物等の他のガスバリア性フィルムを積層してもよい。
透明導電層12をなす材料としては、インジウムと錫の複合酸化物(以下ITOと記す)が挙げられる。また、アルミニウム、金、銀等の金属が半透明状に蒸着されたものや、ポリアニリン等の有機半導体などが挙げられる。
正孔輸送層13をなす材料としては、上述の正孔輸送材料が挙げられる。
発光体層は、上述の高分子発光体を含有する層であり、電圧の印加により発光する層である。
陰極層15をなす材料としては、有機発光媒体層の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウムなどの金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。
<高分子EL素子の製造方法>
次に、高分子EL素子10の製造方法について説明する。
表面にITOなどが成膜された透光性基板11を用意し、該膜を所定のパターンにエッチングし、透明導電層12を形成する。
ついで、透明性基板11および透明導電層12上にスピンコート、グラビア印刷などによって正孔輸送材料を含有する溶液を塗布または印刷し、さらに乾燥して、正孔輸送層13を形成する。なお、正孔輸送層13は、正孔輸送材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させた本発明の印刷インキを用い、後述の発光体層と同様の印刷工程によって形成してもよい。
透明導電層12および正孔輸送層13が形成された透光性基板11を印刷機にセットする。そして、印刷インキとして、高分子発光体(高分子EL素子形成材料)が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させたものを用意し、以下の印刷工程を行う。
まず、印刷機の樹脂版または樹脂ブランケットの表面に所定パターンにて印刷インキを付着させる。フレキソ印刷の場合は、所定パターンの凸部が形成された樹脂版の凸部に印刷インキを付着させる。オフセット印刷の場合は、まず、所定パターンの画像部が形成されたオフセット用印刷版に印刷インキを付着させ、ついで、この印刷版に付着した印刷インキを樹脂ブランケットに転移させ、樹脂ブランケットの表面に所定パターンにて印刷インキを付着させる。
ついで、樹脂版または樹脂ブランケットの表面に所定パターンにて付着した印刷インキを、正孔輸送層13を介して透明導電層12に対応した位置、すなわち透明導電層12の真上に転写する。転写された印刷インキを乾燥して、発光体層14を形成する。
印刷工程終了後、発光体層14表面に陰極層15を設けて高分子EL素子を得る。
印刷法としては、フレキソ印刷、オフセット印刷の他、グラビア印刷、スクリーン印刷などを用いることができる。特に、従来用いることができなかった、フレキソ印刷、オフセット印刷に好適であり、オフセット印刷、フレキソ印刷による高精細な印刷に対応することができる。
樹脂版または樹脂ブランケットに用いられる樹脂としては、例えば、ニトリルゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ウレタン樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリイミド、シロキサン系エラストマー、フッ素系エラストマー等が挙げられる。本発明においては、トルエン、キシレン等の芳香族系の有機溶剤やハロゲン系の有機溶剤に侵されてしまう材料であっても好適に用いることができる。
<作用>
以上説明した本発明の印刷インキにあっては、高分子EL素子形成材料(高分子発光体または正孔輸送材料)が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させたものであるので、樹脂版や樹脂ブランケットに用いられている樹脂を膨潤させることはない。よって、本発明の印刷インキを用いれば、フレキソ印刷、オフセット印刷、転写法など、樹脂版や樹脂ブランケットを用いた印刷法によって、高分子EL素子の有機発光媒体層(発光体層や正孔輸送層)を形成することが可能となる。
また、本発明の高分子EL素子の製造方法あっては、フレキソ印刷、オフセット印刷、転写法など、樹脂版や樹脂ブランケットを用いた印刷法による本発明の印刷インキの転写によって、高分子EL素子の有機発光媒体層(発光体層や正孔輸送層)を形成しているので、蒸着装置などの高価な設備が不要となり、生産スピードも向上する。また、大型化も可能である。よって、高分子EL素子を生産性よく、低コストで製造できる。
以下に本発明の実施例を示す。
[実施例1]
(印刷インキの調製)
下記式に示すMEH−PPVをトルエンに溶解させて、2重量%のMEH−PPVを含むトルエン溶液を調製した。このトルエン溶液80重量部を、10重量%のポリビニルアルコールを含む水溶液100重量部中に加え、これらを超高速ホモジナイザー「ポリトロン」(キネマティカ社製)を用い、10000rpmで5分間撹拌した。さらに水50重量部を加え、油滴の平均粒子径が0.8μmのO/W型のエマルジョンを得た。このエマルジョンをそのまま印刷インキとして用いた。
Figure 2005310408
(高分子EL素子の製造)
表面にITOが成膜された200mm×200mmのガラス基板を用意し、ITO膜を所定のパターンにエッチングし、透明導電層を形成した。
ついで、ガラス基板および透明導電層上にグラビア印刷によって、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物を含有する溶液を印刷、乾燥し、50nm厚の正孔輸送層を形成した。
フレキソ印刷校正機に、透明導電層および正孔輸送層が形成されたガラス基板、および50μm幅の複数の凸条からなるライン状のパターンが形成されたウレタンゴム版をセットした。ウレタンゴム版の凸条に印刷インキを付着させ、ついで、ウレタンゴム版をガラス基板上に圧着させ、印刷インキを正孔輸送層を介して透明導電層の真上に転写した。転写された印刷インキを乾燥して、発光体層を形成した。発光体層は、50μm±8μm幅の高精細なラインであった。
そして、発光体層表面に陰極層としてフッ化リチウムおよびアルミニウムを真空蒸着法によりそれぞれ0.5nm、200nm厚となるように蒸着して、高分子EL素子を得た。得られた高分子EL素子は、8Vで120cd/m2 のパターン化された発光を示した。
[実施例2]
上記式(1)に示すMEH−PPVをトルエンに溶解させて、2重量%のMEH−PPVを含むトルエン溶液を調製した。このトルエン溶液80重量部を、3重量%のエマルゲン109P(花王(株)製、非イオン系活性剤)を含む水溶液100重量部中に加え、これらを超高速ホモジナイザー「ポリトロン」(キネマティカ社製)を用い、10000rpmで5分間撹拌した。さらに水50重量部を加え、油滴の平均粒子径が0.9μmのO/W型のエマルジョンを得た。このエマルジョンをそのまま印刷インキとして用いた。
(高分子EL素子の製造)
表面にITOが成膜された300mm幅のポリエチレンテレフタレートからなるフィルム基板を用意し、ITO膜を所定のパターンにエッチングし、透明導電層を形成した。
ついで、フィルム基板および透明導電層上にグラビア印刷によって、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物を含有する溶液を印刷、乾燥し、50nm厚の正孔輸送層を形成した。
オフセット印刷機に、50μm幅の複数の凹条からなるライン状のパターンが形成された水なし平版、およびウレタンゴムからなるブランケットをセットし、この印刷機のブランケット胴および圧胴の間に透明導電層および正孔輸送層が形成されたフィルム基板を通した。ウレタンゴムからなるブランケットに、水なし平版から印刷インキを転移させ、引き続き、ブランケット表面に付着した印刷インキを正孔輸送層を介して透明導電層の真上に転写した。転写された印刷インキを乾燥して、発光体層を形成した。発光体層は、50μm±10μm幅の高精細なラインであった。
そして、発光体層表面に陰極層としてフッ化リチウムおよびアルミニウムを真空蒸着法によりそれぞれ0.5nm、200nm厚となるように蒸着して、高分子EL素子を得た。得られた高分子EL素子は、8Vで250cd/m2 のパターン化された発光を示した。
[比較例1]
印刷インキとして、2重量%のMEH−PPVを含むトルエン/アニソール混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてフレキソ印刷校正機にて印刷を行った。ウレタンゴム版の形状が歪んでしまい、発光体層の精度は50μm±40μm幅であった。
樹脂版や樹脂ブランケットに用いられている樹脂を膨潤させることはない本発明の印刷インキを用いることによって、フレキソ印刷、オフセット印刷、転写法、樹脂版グラビア印刷など、樹脂版や樹脂ブランケットを用いた印刷法によって、高分子EL素子の有機発光媒体層を形成することが可能となり、これにより、高分子EL素子を生産性よく、低コストで製造できるようになる。
高分子EL素子の一例を示す断面図である。
符号の説明
10 高分子EL素子
12 透明導電層(電極)
13 正孔輸送層(有機発光媒体層)
14 発光体層(有機発光媒体層)
15 陰極層(電極)

Claims (3)

  1. 高分子EL素子形成材料が有機溶剤に溶解した有機溶液を、乳化剤にて水またはアルコールに分散させた印刷インキ。
  2. 前記高分子EL素子形成材料が、高分子発光体であることを特徴とする請求項1記載の印刷インキ。
  3. 一対の電極と、これら電極間に設けられた有機発光媒体層とを有する高分子EL素子の製造方法において、
    樹脂版または樹脂ブランケットの表面に請求項1記載の印刷インキを所定パターンにて付着させ、これを転写することにより有機発光媒体層を形成することを特徴とする高分子EL素子の製造方法。
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