JP2005310201A - 光ディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】 初期において良好な帯電防止性能を有するとともに、保存後においても良好な帯電防止性能を維持することが可能な、高記録密度の光ディスクを提供する。
【解決手段】 基板1上に、少なくとも情報層(記録層)2、光透過層3およびハードコート層4を順次備え、ハードコート層4側からレーザー光を照射して記録および/または再生を行う光ディスク10である。光透過層3が、エーテル結合およびウレタン結合のうちのいずれか一方または双方を含む樹脂と、アルカリ金属塩とを含有してなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は光ディスクに関し、詳しくは、光ディスクを始めとする各種物体への帯電防止性能の付与に関し、特には、高記録密度化および大容量化に対応した優れた帯電防止性能を有する光ディスクに関する。
近年、大容量のデジタルデータを記録するための記録媒体として、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)等の、レーザー光を用いて記録および/または再生を行う光ディスクが広く用いられている。光ディスクに照射されるレーザー光は光学系により集光され、情報を記録するための層において所定の径を持つビームスポットを形成する。従って、光ディスクにおいてより高記録密度化を図るためには、レーザー光の集光スポットをより小さくすることが必要となる。
最近では、集光スポットを絞るために、集光用レンズの開口数(NA)を0.85程度まで大きくするとともに、用いるレーザー光の波長を405nm程度まで短くすることにより飛躍的な大記録容量化を図ったBlu−rayディスクが提案、実用化されてきている。このBlu−rayディスクは、基板上に、少なくとも記録層と光透過層とを備えた構成を有しており、光透過層側からレーザー光を入射させて、記録層において記録および/または再生を行うものである。
また、光記録媒体や光磁気記録媒体、光学レンズ、光学フィルター、反射防止膜、および、液晶ディスプレーやCRTディスプレー、プラズマディスプレー、ELディスプレー等の各種表示素子などの表面には、通常、耐擦傷性および耐摩耗性を確保するために、保護層(ハードコート層)を設けることが行われている。これらの各種物体においては、ユーザーの使用によって、その表面に埃や塵等の汚れが付着する場合が多く、特に、光記録媒体や、その記録再生に用いられる光学レンズにおいては、付着した汚れにより情報信号の記録および再生に著しい支障が生ずるために、大きな問題となる。
中でも特に、前述のように集光スポット径が絞り込まれたBlu−rayディスクでは、特に、光入射面側のディスク表面に付着する異物の影響が大きい。即ち、ディスク表面に僅かでも塵や埃が付着していると、それが照射レーザー光の光路を妨げて、記録/再生時にエラーを引き起こす原因となるおそれがある。従って、塵や埃の付着を防ぐために、少なくともディスクの光入射面側に、帯電防止性能を付与することが重要となる。
光ディスクに対する帯電防止性能の付与に関しては、これまで種々の検討がなされてきており、例えば、特許文献1には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびこれらの誘導体のうちの1種以上を含有する(メタ)アクリレート化合物と、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびプロトン酸の少なくとも1種と、エチレン性不飽和基含有化合物を含有させた樹脂組成物であって、帯電防止能を有する光ディスクの保護コート剤等として使用可能な樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献2には、(メタ)アクリル酸エステルに対しパーフルオロアルキル基およびアルカリ金属を含有する界面活性剤を混合することにより、優れた透明性や貯蔵安定性等の諸性能を有し、かつ長期にわたりブリードアウトのない塗膜を形成できる帯電防止性紫外線硬化型コーティング材と、その硬化皮膜が設けられた光ディスクが記載されている。
さらに、特許文献3には、薄膜カバー層(光透過層)を構成する所定の硬化性組成物に対し、機能性配合剤として帯電防止剤を配合することが可能である旨の記載もあり、ノニオン系帯電防止剤、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤が挙げられている。
特開平3−153769号公報(特許請求の範囲等) 特開平8−92497号公報(特許請求の範囲、[0008]等) 特開2003−173575号公報([0027]、[0031]等)
上記のように、光ディスクに対する帯電防止性能の付与に関しては、種々の技術が提案されてきている。しかし、特許文献1、2に記載の技術のように、光透過層上に設けるコーティング層に対し帯電防止性能を付与した場合、初期においては良好な帯電防止性能が得られても、保存後において帯電防止性能が損なわれる場合があった。従って、上記光ディスク等の各種物体において、初期のみならず保存後においても良好な帯電防止性能を発揮させ得る手段が求められていた。
そこで本発明の目的は、初期において良好な帯電防止性能を有するとともに、保存後においても良好な帯電防止性能を維持することが可能な、高記録密度の光ディスク、および、これに類する各種物体を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、下記構成とすることにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の光ディスクは、基板上に、少なくとも情報層、光透過層およびハードコート層を順次備え、該ハードコート層側からレーザー光を照射して記録および/または再生を行う光ディスクであって、前記光透過層が、エーテル結合およびウレタン結合のうちのいずれか一方または双方を含む樹脂と、アルカリ金属塩とを含有してなることを特徴とするものである。
本発明の光ディスクにおいては、前記光透過層上に、ハードコート層を備えることが好ましい。また、前記アルカリ金属塩は好適にはリチウム塩であり、その含有量としては、前記樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部の範囲内であることが好ましい。さらに、前記樹脂としては、ポリエーテル基含有ウレタンアクリレートが好適である。さらにまた、前記ハードコート層は、シリカ微粒子を含有することが好ましく、表面に、含フッ素ブロック共重合体およびフッ素含有ポリエーテル化合物のうちのいずれか一方または双方を含有することも好ましい。
本発明の光ディスクは、対物レンズ開口数NAが0.85以上である記録/再生装置において、波長380〜450nmのレーザー光を用いて記録および/または再生される、いわゆるBlu−rayディスクとして好適である。
また、本発明の物体は、表面に、樹脂層と、ハードコート層とを順次備え、該樹脂層が、エーテル結合およびウレタン結合のうちいずれか一方または双方を含む樹脂と、アルカリ金属塩とを含有してなることを特徴とするものである。
本発明によれば、光透過層にリチウム金属塩を含有させるとともに上記特定構造を含む樹脂をその主成分として用いたことにより、初期において良好な帯電防止性能を発揮することができるとともに、保存後においてもこの帯電防止性能を維持することができる光ディスクを実現することが可能となった。なお、前述したように、光透過層に帯電防止剤を配合することについては特許文献3中に記載があるが、この文献中では機能性配合剤の一種として列挙されているにすぎず、その効果についても特に言及はされていない。上記所定の樹脂とリチウム金属塩との組み合わせを用いて、コーティング層(ハードコード層)ではなく光透過層に帯電防止性能を付与することにより、初期のみならず保存後においても良好な帯電防止効果が得られることは、本発明において初めて見出された知見である。この理由については、以下のように考えられる。即ち、従来のようにハードコート層中に帯電防止剤を添加した場合、ハードコート層中の帯電防止剤が、時間経過に伴いより厚膜の層である光透過層中に拡散するかまたはハードコート層表面からブリードアウト(吐出)してしまい、これにより帯電防止性能が失われている可能性が高い。本発明においてはこのような問題が起こらないため、保存後においても良好な帯電防止性能を保持することが可能となるのである。また、本発明によれば、光学レンズ等の各種物体においても、上記光ディスクと同様に、耐擦傷性や耐摩耗性を確保しつつ、良好な帯電防止性能を得ることができる。
以下、本発明の具体的な実施の形態について詳細に説明する。
図1に、本発明の光ディスクの一構成例を示す。図示する光ディスク10は、基板1上に記録層2と光透過層3とを順次備え、さらに、ハードコート層4が形成された構成を有しており、光透過層3側からレーザー光を照射して記録および/または再生を行うものである。ここで、光透過層3は、記録および/または再生用のレーザー光が記録層2に照射されるか、または、記録層2より反射される際に、レーザー光が透過する層である。
本発明においては、光透過層3が、エーテル結合およびウレタン結合のうちのいずれか一方または双方を含む樹脂と、アルカリ金属塩とを含有してなる点が重要である。光透過層3をかかる組み合わせにて構成することにより、保存後においても良好な帯電防止性能を発揮できる光ディスクとすることができる。
光透過層3に用いる樹脂としては、アルカリ金属塩との関係で、アルカリ金属イオンが動きやすく、これによりイオン伝導が生じやすいものを用いる必要がある。例えば、光透過層3をエーテル結合を含む樹脂を主成分として構成した場合には、樹脂のマトリックスを構成するエーテル酸素がクラウンエーテルのような配位場を形成して、アルカリ金属イオンを取り込んで溶解するものと考えられ、取り込まれたアルカリ金属イオンはエーテル酸素の分子振動により移動しやすい状態となっているため、この状態で外部から電場が印加されると相応する極に向かって移動して、これによりイオン伝導が発揮されることになる。ウレタン結合を含む樹脂を用いた場合にも、ウレタン結合中の窒素原子と酸素原子の作用により上記と同様の効果が得られるものと考えられ、本発明においては、これらエーテル結合およびウレタン結合の双方を含む樹脂を用いることで、さらに優れた導電性が実現される。これにより、光ディスクに帯電防止性能が与えられる。
エーテル結合を含む樹脂としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの共重合体などや、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの2官能アクリレート、EO変成トリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:ライトアクリレートTMP−3EO−A、共栄社化学(株)製)などが挙げられる。また、これらのうちの2種類以上を併用してもよい。
ウレタン結合を含む樹脂としては、例えば、ポリオールとジイソシアネートとの反応によって生成されるポリウレタンが挙げられる。ポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカーボネートジオール、アクリルポリオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シリコーンポリオールなど種々公知の材料が挙げられる。また、ジイソシアネートとしては、芳香族系ではトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)など、脂肪族系ではヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)など、脂環式ではイソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)などが挙げられる。これらポリオールとジイソシアネートとの反応は公知の方法で行えばよく、特に制限されるものではない。
また、ポリオール、ジイソシアネートおよび水酸基含有エチレン性不飽和化合物との反応物であるウレタンアクリレートも、本発明において好適に用いることができる。水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール・モノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらの反応についても公知の方法で行えばよく、特に制限されるものではない。
エーテル結合およびウレタン結合の双方を含む樹脂としては、ポリエーテルポリオールとジイソシアネートとからなるポリウレタンによって生成されるポリエーテルポリウレタン、または、ポリエーテルポリオールとジイソシアネートと水酸基含有エチレン性不飽和化合物とによって生成されるポリエーテル基含有ウレタンアクリレートが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、好適には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリブチレングリコール、ジイソシアネートとしては、好適には、イソホロンジイソシアネートまたはメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、また、水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、好適には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたはペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートを用いることができる。上記以外にも、公知の樹脂を混合して用いることができる。
光透過層3中におけるエーテル結合および/またはウレタン結合を含む樹脂の含有量は、5〜95重量%とすることが好ましい。樹脂の含有量を5重量%以上とすることで、十分にイオン伝導性を得ることができる。一方、95重量%を超えると、アルカリ金属塩や光開始剤等を十分に含有させることができない。
光透過層3に用いることのできるアルカリ金属塩としては、リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられるが、樹脂や溶剤との相溶性に優れる点から、リチウム塩が特に好ましい。リチウム塩の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)、リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(Li(CF3SO22N)、リチウムビスペンタフルオロエタンスルフォニルイミド(Li(C25SO22N)、パーフルオロオクタンスルホン酸リチウム(C817SO3Li)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)等を挙げることができる。それ以外のLi+の対イオンとしては、ClO4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF5 -、C49SO3 -、(CF3SO23-、B(C654 -等を挙げることができ、上記アルカリ金属塩の2種以上を適宜併用することも可能である。特に好ましくは、CF3SO3Li、Li(CF3SO22N、C817SO3Liのうちのいずれかであり、中でも、Liがイオン化し易く、アニオン側も分子量が小さく伝導率が高いことから、Li(CF3SO22Nがさらに好ましい。また、これらのうちの2種類以上を用いてもよい。
アルカリ金属塩の含有量としては、前記樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1〜5重量部の範囲内である。アルカリ金属塩の含有量を0.1重量部以上とすることにより、十分な帯電防止性能を得ることができる一方、10重量部を超えても帯電防止機能にはほとんど差が見られないことに加え、光透過性等の物性に影響を与える可能性がある。また、黄変や腐食等の悪影響が生ずることが考えられる。
光透過層3は、上記した構成材料からなる塗布液を第1誘導体層7上に塗布した後、樹脂に合わせて、紫外線若しくは電子線等を照射し、または熱により硬化を行うことで形成することができ、塗布方法としては、例えば、スピンコート法を用いることができる。対物レンズNA0.8以上、波長380〜450nmのレーザー光を用いることで、レーザー光のスポット径を格段に小さくして面記録密度を上げることが可能となる一方、光ディスクとレーザー光の光軸との傾きに許される角度誤差が狭くなるが、これに対し記録層とレーザー光のレンズとの間に薄い光透過層を配置することで、角度誤差を大きく確保することができる。このため、光透過層3の厚さとしては、30〜300μm、好ましくは50〜150μm程度である。
また、本発明においては、あらかじめ上記樹脂およびアルカリ金属塩を含有してなる光透過性樹脂シートを作製しておき、このシートを用いて光透過層3を形成することもできる。この場合には、まず、第1誘電体層7上に、光透過層用と同様の紫外線硬化性材料を塗布して未硬化の樹脂材料層を形成する。次いで、その上に光透過層3としての光透過性樹脂シートを載置し、その後、紫外線を照射して樹脂材料層を硬化することにより、光透過性樹脂シートを接着して、光透過層3とする。
本発明は、光透過層に関し上記条件を満足するものであれば、情報層の種類によらず適用可能である。ここで、情報層とは、少なくとも記録層を含む層であり、誘電体層、反射層等を含んでもよい。記録層は、相変化などの書き換え型記録媒体であっても、色素や無機膜による追記型記録媒体であっても、光磁気記録媒体であっても適用可能である。以下に図2に関して説明するように、必要に応じて、記録層の少なくとも一方の側に、記録層の保護や光学的効果を目的として誘電体層や反射層が設けられる。また、本発明は、図示するような記録可能タイプに限らず、再生専用タイプにも適用可能であり、その場合には、基板またはスペーサ層表面に凹凸が形成されて情報が記録されている。この場合、この凹凸部分を情報層とする。必要に応じて、そのピット列を被覆する反射層(金属層または誘導体多層膜)が形成される。
以下、相変化型の場合に関し、本発明の光ディスクについて説明する。
図2は、本発明の光ディスクの他の層構成例を示す概略断面図である。図2に示す光ディスク20は、基板1の、情報ピットやプリグループ等の微細凹凸が形成されている側の面上に、反射層15、第2誘電体層16、相変化記録材料層12および第1誘電体層17、光透過層3を順次備え、さらに、光透過層3上にハードコート層4が形成された構成を有する。図示する例では、反射層15、第2誘電体層16、相変化記録材料層12および第1誘電体層17が情報層を構成し、この情報層および光透過層3が、記録または再生のために必要な膜体を構成する。この光ディスク20においては、ハードコート層4および光透過層3を通じて、即ち、膜体側から記録/再生レーザー光が入射する。
基板1は、通常0.3〜1.6mm、好ましくは0.4〜1.3mm程度の厚さとすることができ、記録層2が形成される側の面に、情報ピットやプリグループ等の微細な凹凸が形成されてなる。本発明の光ディスクは、上記したように膜体側からレーザー光が入射するようにして使用されるので、基板1は光学的に透明である必要はないが、その材料としては、例えば、透明な材料として、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂等の各種プラスチック材料などを挙げることができる。また、ガラス、セラミックス、金属等を用いてもよい。表面の凹凸パターンは、プラスチック材料を用いる場合には射出成形により形成することができ、また、プラスチック材料以外の場合には、フォトポリマー法(2P法)により形成することができる。
反射層15は、基板1上に、スパッタリング法により形成することができ、本発明においては必須ではない。反射層15の材料としては、金属元素、半金属元素、半導体元素またはこれらの化合物を、単独あるいは複合させて用いることができる。具体的には、例えば、Au、Cu、Al、Pd等の周知の反射層材料から選択すればよい。
相変化記録材料層12は、レーザー光照射によって結晶状態とアモルファス状態とに可逆的に変化し、両状態の間で光学特性が異なる材料により形成される。かかる材料としては、具体的には例えば、Ge−Sb−Te、In−Sb−Te、Sn−Se−Te、Gs−Te−Sn、In−Se−Tl、In−Sb−Te等を挙げることができる。
図示する例では、第2誘電体層16および第1誘電体層17が、相変化記録材料層12を挟持して、その上下両側に設けられているが、これらは本発明においては必須ではない。これらの層は、相変化記録材料層12を機械的または化学的に保護する機能とともに、光学特性を調整する干渉層としての機能を有する。第2誘電体層16および第1誘電体層17はいずれも、単層で形成されていてもよく、また、複数層にて形成されていてもよい。また、誘電体層が記録層としての役割を果たす構成としてもよい。
第2誘電体層16および第1誘電体層17は夫々、Si、Zn、Al、Ta、Ti、Co、Zr、Pb、Ag、Zn、Sn、Ca、Ce、V、Cu、Fe、Mgから選ばれる金属のうち少なくとも1種を含む酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、あるいはこれらの複合物から形成されることが好ましい。特に、SiO2、Al23が化学的に安定であり、好ましい。また、これらの各層の消衰係数kは、好適には0.1以下である。
上記第2誘電体層16、相変化記録材料層12および第1誘電体層17は、スパッタリング法を用いて夫々形成することができる。
ハードコート層4は、光透過層3上に設けるものであり、具体的には、光透過層3上にハードコート剤組成物を塗布して未硬化のハードコート層を形成し、その後、紫外線、電子線、可視光等の活性エネルギー線を照射して硬化を行うことにより形成することができる。
ハードコート層4を形成するために用いるハードコート剤組成物としては、特に制限されるものではなく、通常ハードコート層に適用される材料を適宜用いて構成することができるが、好ましくは、以下に説明するフッ素含有ハードコート剤組成物を用いる。下記ハードコート剤組成物を用いることで、そのフッ素成分により防汚性(撥油、撥水性)および潤滑性を発現するとともに、耐擦傷性や耐摩耗性にも優れるハードコート層を形成することができ、記録/再生レーザー光の入射面を最適化することができる。下記フッ素化合物を用いると、優れた防汚性(撥油、撥水性)および潤滑性が得られる反面、表面に静電気を帯びやすくなり、その結果、塵や埃を吸い寄せやすくなる。本発明においては、光透過層に前述のような材料を用いているため、以下に説明するフッ素含有ハードコート剤組成物を用いても、帯電防止効果に優れるものである。なお、工数は増えるが、下記フッ素化合物を通常のハードコート層上に塗布し、活性エネルギー線にて反応させて固定化しても同様の効果が得られる。
本発明において好適なハードコート剤組成物は、含フッ素ブロック共重合体(A1)および/または活性エネルギー線反応性基を有するフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)と、活性エネルギー線硬化性化合物(B)とを含む。
このうち活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、含フッ素ブロック共重合体(A1)およびフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)以外のものであり、ハードコート剤組成物における硬化性成分の主成分として、硬化後に得られるハードコート層のマトリックスを形成する。活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基およびメルカプト基の中から選択される少なくとも1つの活性エネルギー線重合性基を有する化合物であれば、特にその構造は限定されない。また、活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、ハードコートとして十分な硬度を得るため、フッ素を含有せず、1つの分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上の重合性基を含む多官能モノマーもしくはオリゴマーを含んでいることが好ましい。
このような活性エネルギー線硬化性化合物(B)のうち、(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレート等が挙げられ、具体的には、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロ−ルプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
かかる活性エネルギー線硬化性化合物(B)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
含フッ素ブロック共重合体(A1)は、ハードコート層表面に防汚性や潤滑性を付与するために用いられ、フッ素含有セグメントとヒドロキシル基含有セグメントとを含む。
フッ素含有セグメントは、下記一般式(1)、
CH2=CR1COOR2Rf (1)
(式中、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は、−Cp2p−、−C(Cp2p+1)H−、−CH2C(Cp2p+1)H−、または−CH2CH2O−を表し、Rfは、−Cn2n+1、−(CF2nH、−(CF2pOCn2ni2i+1、−(CF2pOCm2mi2iH、−N(Cp2p+1)COCn2n+1、または−N(Cp2p+1)SO2n2n+1を表し、pは1〜10、nは1〜16、mは0〜10、iは0〜16の整数である)で表されるフッ素含有単量体から、または、上記一般式(1)で表されるフッ素含有単量体とヒドロキシル基を含まないラジカル重合性単量体とから形成される。このフッ素含有セグメントによって、ハードコート層表面に防汚性および/または潤滑性が付与される。
上記一般式(1)で表されるフッ素含有単量体としては、具体的には例えば、CF3(CF27CH2CH2OCOCH=CH2、CF3CH2OCOCH=CH2、CF3(CF24CH2CH2OCOC(CH3)=CH2等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を適宜選択して使用することができる。
ヒドロキシル基を含まないラジカル重合性単量体としては、具体的には例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体のうちから、1種または2種以上を適宜選択して使用することができる。
一方、ヒドロキシル基含有セグメントは、活性エネルギー線硬化性化合物(B)の重合体との相溶性に関して効果をもたらす。ヒドロキシル基含有セグメントは、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体から形成すればよく、そのようなヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトシキプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら単量体のうちから、1種または2種以上を適宜選択して使用することができる。
含フッ素ブロック共重合体(A1)の合成は、ポリメリックペルオキシドまたはポリアゾ化合物を用いて、通常の塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、エマルジョン重合法を2工程に分けて行う、というような公知の種々の方法で行えばよい。
含フッ素ブロック共重合体(A1)における、フッ素含有セグメント(f)とヒドロキシル基含有セグメント(h)との重量比率(f/h)は、10/90〜90/10であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましい。フッ素含有セグメント(f)の比率が90重量%を超えると、ハードコート剤組成物の相溶性が悪くなり、また、活性エネルギー線硬化性化合物(B)との絡み合い効果が薄れて耐久性が低下する。一方、フッ素含有セグメント(f)の比率が10重量%に満たない場合は、撥水・撥油性が不十分となり、フッ素の機能を十分に発現させることができない。
さらに、含フッ素ブロック共重合体(A1)は、ハードコート層中への固定化を向上させるために、ヒドロキシル基含有セグメント中に、ウレタン結合を介して活性エネルギー線反応性基が導入されていることが好ましい。活性エネルギー線反応性基が導入されていると、ハードコート層を硬化させる際の活性エネルギー線照射によって、含フッ素ブロック共重合体(A1)同士間での架橋反応や、フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)との架橋反応や、活性エネルギー線硬化性化合物(B)との架橋反応が起こり、ハードコート層中への固定化がさらに向上する。その結果、種々の保存条件下、使用条件下において、非常に優れた防汚性および潤滑性を有するハードコート層が形成される。活性エネルギー線反応性基としては、(メタ)アクリロイル基や、ビニル基等が挙げられる。
含フッ素ブロック共重合体(A1)は、ヒドロキシル基含有セグメントに対し、分子中に1つのエチレン性不飽和二重結合および1つのイソシアネート基を有するモノマーを反応させることによって、これらヒドロキシル基およびイソシアネート基由来のウレタン結合を介してエチレン性不飽和二重結合が導入されていることが好ましい。このようにして活性エネルギー線二重結合が導入された含フッ素ブロック共重合体(A1)は、ハードコート剤組成物の液の増粘を抑えることができる。かかるモノマーとしては、例えば、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネートなどが挙げられる。
含フッ素ブロック重合体(A1)は、ハードコート層中への固定化効果等の観点から、分子量は5,000〜100,000程度のものが好ましい。5,000未満の分子量では、活性エネルギー線反応性二重結合を有していない場合には、固定化効果が得られにくい。一方、100,000を超える分子量では、ハードコート層中への溶解性が悪くなり、また、塗布後に表面に移行しにくくなる。
含フッ素ブロック共重合体(A1)の具体例としては、モディパーF220、F600、F2020、F3035(日本油脂(株)製)等が挙げられ、これらに(メタ)アクリロイル基、ビニル基が導入されたものが好ましく、ウレタン結合を介して(メタ)アクリロイル基が導入されたものも好ましい。かかる含フッ素ブロック共重合体(A1)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)は、パーフルオロポリエーテル部位と少なくとも1つの活性エネルギー線反応性基とを有する化合物であり、ハードコート層表面に防汚性や潤滑性を付与するために用いられる。活性エネルギー線反応性基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。パーフルオロポリエーテル部位によって、ハードコート層表面に防汚性や潤滑性が付与される。パーフルオロポリエーテル部位は、フッ素化アルキル(メタ)アクリレートのフッ素化アルキル部位に比べ、よりハードコート層表面に集まりやすく、より優れた防汚性および/または潤滑性が付与される。一方、活性エネルギー線反応性基を有することで、ハードコート層を硬化させる際の活性エネルギー線照射により、フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)同士間での架橋反応や、含フッ素ブロック共重合体(A1)との架橋反応、活性エネルギー線硬化性化合物(B)との架橋反応が起こって、ハードコート層中への固定化が向上する。その結果、種々の保存条件下、使用条件下において、非常に優れた防汚性および潤滑性を有するハードコート層が形成される。
なお、フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)の、ハードコート層表面への防汚性/潤滑性付与の効果は、上記した含フッ素ブロック共重合体(A1)のそれよりも高い。
フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)は、分子内に2つ以上の活性エネルギー線反応性基を有するものが、ハードコート層中への固定化が向上し、防汚性および潤滑性も向上するので好ましい。また、フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)は、分子の両末端にそれぞれ活性エネルギー線反応性基を有するものが、ハードコート層中への固定化がより向上するので好ましく、分子の両末端にそれぞれ2つの活性エネルギー線反応性基を有するものがさらに好ましい。
また、フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)は、式量1000当たりに1つ以上の活性エネルギー線反応性基を有するものが好ましく、式量1000当たりに2つ以上の活性エネルギー線反応性基を有するものがより好ましく、式量1000当たりに4つ以上の活性エネルギー線反応性基を有するものがさらに好ましい。また、その分子量は、500以上5000以下が好ましく、800以上3000以下がより好ましい。これら好ましいフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)を用いることにより、ハードコート層中への固定化がより向上し、耐溶剤性に非常に優れたハードコート層を得ることができる。
フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)は、末端にヒドロキシル基を有するフッ素含有ポリエーテル化合物を原料として、このヒドロキシル基に(メタ)アクリロイル基が導入されたものである。原料としてのフッ素含有ポリエーテル化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
HOCH2−CF2O−[CF2CF2O]s−[CF2O]m−CF2CH2OH
(Z DOL)
F−[CF2CF2CF2O]s−CF2CF2CH2OH
(Demnum−SA)
F−[CF(CF3)CF2O]s−CF(CF3)CH2OH
(Krytox−OH)
HO(CH2CH2O)n−CH2−CF2O−[CF2CF2O]s−[CF2O]m−CF2CH2(OCH2CH2nOH
(Zdol−TX)
HOCH2CH(OH)CH2O−CH2−CF2O−[CF2CF2O]s−[CF2O]m−CF2CH2OCH2CH(OH)CH2OH
(Z−Tetraol)
フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)の具体例としては、分子量1000当たりに1つ以上の活性エネルギー線反応性基を有するものとして、Fomblin Z DOL diacrylate(Fomblin Z DOL(アウジモント社製)の末端ヒドロキシル基をアクリレート変性したもの)やフルオライトART4(共栄社化学)等、分子量1000当たりに2つ以上の活性エネルギー線反応性基を有するものとして、フルオライトART3(共栄社化学)等、分子量1000当たりに4つ以上の活性エネルギー線反応性基を有するものとして、Fomlin Z−Tetraol(アウジモンド社製)の4つの末端ヒドロキシル基をアクリレート変性したもの等を挙げることができる。
かかるフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において好適なハードコート剤組成物は、組成物の不揮発分100重量部に対して、含フッ素ブロック共重合体(A1)0.05重量部以上5重量部以下と、フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)0.01重量部以上3重量部以下とを含むことが好ましい。ここで、不揮発分とは、硬化後のハードコート層中に残存する成分であり、含フッ素ブロック共重合体(A1)、フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)および硬化性化合物(B)の他、単官能モノマーや後述する無機微粒子(C)、光重合開始剤、各種添加剤等の任意成分が含まれる。
また、フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)は、ハードコート層表面への撥水性/潤滑性の付与効果が高いが、撥水性/潤滑性付与成分としてこれのみを用いると、ハードコート剤組成物中にフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)の擬集物と思われる白濁が発生することがある。フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)とともに含フッ素ブロック共重合体(A1)を前記範囲内の量で併用することで、この白濁の発生を抑えることができ、ハードコート剤組成物液の塗布性が改善される。その結果、良好な表面性を有するハードコート層が得られる。含フッ素ブロック共重合体(A1)の添加によって白濁の発生を抑えることができる理由は明確ではないが、次のように推測される。即ち、含フッ素ブロック共重合体(A1)は、ハードコート剤組成物液との親和性が非常に高く、かつ、フッ素含有ポリエーテル化合物(A2)との親和性についても、フッ素含有化合物であることから高い。従って、含フッ素ブロック共重合体(A1)がフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)に対して溶解性補助的な役割を果たしているものと推測される。
より好ましい含フッ素ブロック共重合体(A1)の添加量は0.05重量部以上3重量部以下であるが、0.5重量部より多く添加しても上記の白濁抑制効果は飽和し、また、それとともにハードコート剤組成物液に泡立ちが発生する傾向にあるので、最も好ましい含フッ素ブロック共重合体(A1)の添加量は0.05重量部以上0.5重量部以下である。なお、この泡立ちは脱法処理等により改善することができるので、必要に応じて含フッ素ブロック共重合体(A1)を0.5重量部より多く添加してもよい。
また、より好ましいフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)の添加量は、0.05重量部以上1重量部以下であるが、0.5重量部より多く添加しても上記の撥水性/潤滑性の付与効果は飽和し、また、それとともにハードコート表面の硬度が低下する傾向にある一方、0.2重量部未満であるとすると、撥水性が充分得られないことがあるので、最も好ましいフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)の添加量は、0.2重量部以上0.5重量部以下である。また、含フッ素ブロック共重合体(A1)および/またはフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)をハードコート層の表面上に塗布することにより、ハードコート層の表面に含フッ素ブロック共重合体(A1)および/またはフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)を含有させることができる。
以上のように、ハードコート層表面に撥水性や潤滑性を付与するために含フッ素ブロック共重合体(A1)とフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)とを併用することで、塗布性が良好であり、かつ、硬化後のハードコート層表面の撥水性、潤滑性およびそれらの耐久性に非常に優れるハードコート剤組成物が得られる。
また、かかるハードコート剤組成物は、無機微粒子(C)を含むことが好ましい。無機微粒子(C)の平均粒子径は、ハードコート層の透明性を確保するために、平均粒子径100nm以下、好ましくは20nm以下であり、コロイド溶液製造上の制約から、好ましくは5nm以上である。
無機微粒子(C)は、例えば、金属(若しくは半金属)酸化物の微粒子、または金属(若しくは半金属)硫化物の微粒子である。無機微粒子の金属または半金属としては、例えば、Si、Ti、Al、Zn、Zr、In、Sn、Sb等が挙げられる。また、酸化物、硫化物の他に、Se化物、Te化物、窒化物、炭化物を用いることもできる。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の微粒子が挙げられ、中でもシリカ微粒子が好ましい。このような無機微粒子をハードコート剤組成物に添加しておくことにより、ハードコート層の耐摩耗性をより高めることができる。
上記シリカ微粒子としては、活性エネルギー線反応性基を有する加水分解性シラン化合物によって表面修飾されたものが好ましく用いられる。このような反応性シリカ微粒子は、ハードコート層を硬化させる際の活性エネルギー線照射により架橋反応を起こし、ポリマーマトリックス中に固定される。このような反応性シリカ微粒子としては、例えば、特開平9−100111号公報に記載された反応性シリカ粒子があり、本発明において好ましく用いることができる。
無機微粒子(C)を用いる場合のその含有量としては、硬化性化合物(B)100重量部に対して、5重量部以上500重量部以下とすることが好ましく、20重量部以上200重量部以下の範囲内とすることがより好ましい。無機微粒子(C)を500重量部よりも多く含有させると、ハードコート層の膜強度が弱くなりやすく、一方、5重量部未満では、無機微粒子(C)の添加によるハードコート層の耐摩耗性向上効果が弱い。
必要に応じて、光透過層またはハードコート剤組成物中に、光重合開始剤、非重合性の希釈溶剤、有機フィラー、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、シリコーンなどを含んでいても差し支えない。ハードコート剤組成物は、上記の各成分を常法により混合して、塗布に適した粘度に適宜調整して製造することができる。
ハードコート層4の塗布方法については、限定されるものではなく、スピンコート法、ディップコート法、グラビアコート法等の各種塗布方法を適宜用いることができる。また、光透過層3として光透過性樹脂シートを使用する場合には、長尺状の光透過性樹脂シート原反に、あらかじめ前述したと同様の方法でハードコート層4を形成しておき、この原反をディスク形状に打ち抜いた後、上述のように未硬化の樹脂材料層上に載置して樹脂材料層の硬化を行う手法を用いることもできる。
ハードコート剤組成物が非反応性希釈有機溶剤を含んでいる場合には、ハードコート剤組成物を塗布して未硬化のハードコート層を形成した後、非反応性有機溶剤を加熱乾燥により除去し、その後、活性エネルギー線の照射により未硬化層を硬化して、ハードコート層4を形成する。希釈有機溶剤を用いてハードコート剤組成物を塗布したのち有機溶剤を加熱乾燥により除去することで、含フッ素ブロック共重合体(A1)やフッ素含有ポリエーテル化合物(A2)が未硬化のハードコート層4の表面近傍により多く集まりやすくなり、硬化後のハードコート層4の表面近傍により多くこれら成分が存在することになって、より大きな潤滑性向上効果が得られ易い。この際の加熱乾燥の温度としては、例えば、温度40℃以上100℃以下が好ましい。加熱乾燥時間は、例えば、30秒以上8分以下、好ましくは1分以上5分以下、より好ましくは3分以上5分以下とすることができる。非反応性希釈有機溶剤としては、特に限定されないが、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール等が用いられる。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、可視光などの活性エネルギー線の中から適切なものを選択して用いればよいが、好ましくは紫外線または電子線を用いる。硬化後のハードコート層4の膜厚は、0.5〜5μm程度とする。ハードコート層の耐擦傷性および耐摩耗性の観点からは、ハードコート層は鉛筆硬度でHB以上であることが好ましく、樹脂層(光透過層)よりも高硬度とすることが好ましい。
なお、図示はしないが、記録層2上にスペーサー層を介して更に記録層が設けられ、2層以上の記録層を有する光ディスクも、本発明に含まれる。この場合には、光ディスクは、基板1から最も離れた記録層上に光透過層3を有する。
本発明の光ディスクは、光入射側表面に関して、初期および保存後のいずれにおいても優れた帯電防止性能を発揮できるものであるため、ディスク表面への塵や埃の付着を良好に防止することができる。従って、集光スポット径が絞り込まれた光ディスク、特には、対物レンズ開口数NAが0.85以上である記録/再生装置において、波長380〜450nmのレーザー光を用いて記録および/または再生が行われる、いわゆるBlu−rayディスクに適用する場合であっても、塵や埃に起因する記録/再生エラーを引き起こすことがなく、好適である。
また、本発明の物体は、表面に、上記光ディスクにおける光透過層に実質的に対応する樹脂層と、上記光ディスクにおけるのと同様のハードコート層とを順次備えるものであって、かかる樹脂層が、上記したエーテル結合および/またはウレタン結合を含む樹脂と、アルカリ金属塩とを含有するものであればよく、具体的には、光記録媒体や光磁気記録媒体の他、光学レンズ、光学フィルター、反射防止膜、および、液晶ディスプレーやCRTディスプレー、プラズマディスプレー、ELディスプレー等の各種表示素子などの光学部材を含む広い概念である。本発明によれば、かかる各種物体においても、上述したような光ディスクの場合と同様の優れた帯電防止性能を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1〜6および比較例1、2
図2に示す層構成の光ディスクサンプルを、以下のようにして作製した。
情報記録のためのグルーブが形成されたディスク状基板1(ポリカーボネート製、直径120mm、厚さ1.1mm)のグルーブ形成面上に、Al98Pd1Cu1(原子比)からなる厚さ100nmの反射層15をスパッタリング法により形成した。グルーブの深さは、波長λ=405nmにおける光路長で表してλ/6とした。また、グループ記録方式における記録トラックピッチは、0.32μmとした。
次いで、反射層15表面に、Al23ターゲットを用いて、スパッタリング法により厚さ20nmの第2誘電体層16を形成した。さらに、この第2誘電体層16表面に、相変化材料からなる合金ターゲットを用いて、スパッタリング法により厚さ12nmの記録層12を形成した。記録層12の組成(原子比)はSb74Te18(Ge7In1)とした。さらにその上に、ZnS(80モル%)−SiO2(20モル%)ターゲットを用いて、スパッタリング法により、厚さ100nmを、さらに、SiO2ターゲットを用いて、厚さ40nmを順次積層して、合計140nmの第1誘電体層17を形成した。
次いで、下記組成AまたはBのラジカル重合性の紫外線硬化性材料中に、アルカリ金属塩としてのLi(CF3SO32Nを、夫々下記の表1中に示す部数づつ添加、混合して得られた光透過層塗布液を、第1誘電体層17表面にスピンコート法により塗布して、紫外線を照射し、硬化後の厚さが98μmとなるように光透過層3を形成した。なお、下記組成Bはエーテル結合およびウレタン結合を含む樹脂を含有する。
組成A
ウレタンアクリレート 75重量部
(ポリカーボネートジオール(分子量1000、商品名:ニッポラン 981、日本ポリウレタン工業(株)製)を水添MDIおよび2HEAにより両末端アクリレート化した重合物)
テトラヒドロフルフリルアクリレート 25重量部
イルガキュア184 3重量部
(重合開始剤、チバスペシャルティケミカルズ社製)
組成B
ウレタンアクリレート 75重量部
(ポリテトラメチレングリコール(分子量600、和光純薬工業(株)製)を水添MDIおよび2HEAにより両末端アクリレート化した重合物)。
テトラヒドロフルフリルアクリレート 25重量部
イルガキュア184 3重量部
(重合開始剤、チバスペシャルティケミカルズ社製)
次いで、光透過層3上に、下記組成Cの紫外線硬化型ハードコート剤をスピンコート法により塗布して被膜とし、大気中で60℃で3分間加熱することにより被膜内部の希釈溶剤を除去した後、紫外線を照射して、硬化後の厚み2μmのハードコート層4を形成した。なお、比較例2のみについては、下記組成C中に、アルカリ金属塩としてのLi(CF3SO32Nを、下記の表1中に示す部数添加して用いた。
組成C
表面修飾コロイダルシリカ 100重量部
(固形分濃度40%、溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 48重量部
テトラヒドロフルフリルアクリレート 12重量部
イルガキュア184 3重量部
(重合開始剤、チバスペシャルティケミカルズ社製)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 40重量部
(非反応性希釈溶剤)
(A1)成分:含フッ素ブロック共重合体(モディパーF600(日本油脂(株)製)の水酸基をイソシアネートエチルメタアクリレートで変性したもの(固形分として))
0.2重量部
(A2)成分:パーフルオロポリエーテルテトラアクリレート(Fombrin Z−Tetraol(アウジモント社製)の4つの末端ヒドロキシル基をアクリレート変性したもの(分子量Mw約1,000)) 0.3重量部
Figure 2005310201
(半減期の測定)
JIS L 1094に準拠して、半減期の測定を行った。具体的には、温度25℃、相対湿度10%に設定された試験室において、各光ディスクサンプルから寸法35×35mmにて切り出した試料を測定器にセットし、測定時間を60分まで行った以外は上記測定方法に従った。この半減期測定を、初期と保存後(温度80℃、相対湿度85%、保存時間50時間)の2通り行った結果を、下記の表2中に示す。測定結果は試料の耐電圧が1/2に減衰するまでの時間(半減期)として得られ、この時間が短いほど帯電防止性能に優れているといえる。なお、本発明の光ディスクの場合には、上記測定において半減期が60分以下であれば問題ないと考えられる。
Figure 2005310201
上記表2中の実施例1〜6の結果からわかるように、光透過層中にアルカリ金属塩を添加することにより、帯電防止性能を有しないハードコート層が形成された光ディスクにおいても、初期および保存後の双方において、優れた帯電防止機能が得られている。これに対し、ハードコート層のみにアルカリ金属塩を添加した比較例2では、初期の帯電防止機能は良好であるものの、保存後の結果は好ましくない。
また、各光ディスクサンプルについて、接触角の測定を、初期と保存後(温度80℃、相対湿度85%、保存時間50時間)の2通りについて行った。その結果、すべて接触角105°であり、初期と保存後の結果には差がなかった。
本発明の光ディスクの層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の光ディスクの層構成の他の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 基板
2 記録層
3 光透過層
4 ハードコート層
10、20 光ディスク
12 相変化記録材料層
15 反射層
16 第2誘電体層
17 第1誘電体層

Claims (8)

  1. 基板上に、少なくとも情報層、光透過層およびハードコート層を順次備え、該ハードコート層側からレーザー光を照射して記録および/または再生を行う光ディスクであって、前記光透過層が、エーテル結合およびウレタン結合のうちのいずれか一方または双方を含む樹脂と、アルカリ金属塩とを含有してなることを特徴とする光ディスク。
  2. 前記アルカリ金属塩がリチウム塩である請求項1記載の光ディスク。
  3. 前記樹脂がポリエーテル基含有ウレタンアクリレートである請求項1または2記載の光ディスク。
  4. 前記ハードコート層がシリカ微粒子を含有する請求項1〜3のうちいずれか一項記載の光ディスク。
  5. 前記ハードコート層が、表面に、含フッ素ブロック共重合体およびフッ素含有ポリエーテル化合物のうちのいずれか一方または双方を含有する請求項1〜4のうちいずれか一項記載の光ディスク。
  6. 前記アルカリ金属塩の含有量が、前記樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部の範囲内である請求項1〜5のうちいずれか一項記載の光ディスク。
  7. 対物レンズ開口数NAが0.85以上である記録/再生装置において、波長380〜450nmのレーザー光を用いて記録および/または再生される請求項1〜6のうちいずれか一項記載の光ディスク。
  8. 表面に、樹脂層と、ハードコート層とを順次備え、該樹脂層が、エーテル結合およびウレタン結合のうちのいずれか一方または双方を含む樹脂と、アルカリ金属塩とを含有してなることを特徴とする物体。
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