JP2005309378A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 帯電音の十分な低減化を実現できる画像形成装置および画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の画像形成方法は、潜像担持体2の表面に直流と交流を重畳させた振動電圧を印加して潜像担持体2の表面を帯電し、潜像担持体2の表面における帯電領域を露光して潜像を形成し、潜像を現像するものであり、帯電時に、帯電部4aに印加される振動電圧と、帯電部4bに印加される振動電圧との間の位相差を0.4π〜0.6πラジアンとなるようにして、潜像担持体2の表面に振動電圧を印加する。この画像形成方法によれば、帯電時において帯電部4aと帯電部4bとに印加される振動電圧の間の位相差が0.4π〜0.6πラジアンとされる。このようにすることで、帯電部4aによって発生する帯電音と、帯電部4bによって発生する帯電音との間で相互に振動を十分に打ち消し合う作用が働く。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像形成装置および画像形成方法に係り、より詳しくは、直流と交流を重畳させた振動電圧を印加して潜像担持体表面を帯電して画像を形成する画像形成装置および画像形成方法に関する。
従来、例えば電子写真装置(複写機、プリンター等)、静電記録装置等の画像形成装置において、感光体・誘電体等の潜像担持体、その他の被帯電体を帯除電処理する手段としては、コロナ放電装置を用い、発生するコロナに被帯電体表面を晒す非接触式の帯電手段が一般的であった。
近年は、電源の低圧化が可能であり、オゾンの発生が極めて微量である等の長所を有していることから、被帯電体にローラ型やブレード型の導電性部材を帯電部材として接触或いは近接させて、該帯電部材に電圧を印加することで前記被帯電体表面を帯電処理する接触帯電手段が比較的低速の機種に採用され、主流となっている(例えば下記特許文献1〜3参照)。
このような接触或いは近接帯電手段としては、帯電部材に直流電圧のみを印加して帯電処理するDC印加方式と、交流電圧と直流電圧とを重畳する等による振動電圧(時間と共に電圧値が周期的に変化する電圧をいう)を印加して帯電処理するDC+AC印加方式がある。
ところが、DC+AC印加方式の接触或いは近接帯電手段は、被帯電体の帯電処理を均一に行うには有効な手段であるものの、所謂「帯電音」の発生の問題が生ずる。
即ち、接触或いは近接式の帯電部材に印加した振動電圧の交流電圧成分のために、被帯電体と前記帯電部材とが振動して相互に叩き合うことによる帯電音が発生するのである。この帯電音は耳障りに感じられ、近年、複写機、プンリター等の事務機器の静音化が要求される中で、対策が必須といえる。
ここで、この帯電音を小さくするためには、交流電圧の周波数を下げることも考えられるが、交流電圧の周波数を下げると帯電ムラを引き起こしやすく、電子写真装置等の画像形成装置にあっては高速化に限界がある。また、画像入力がデジタル信号である画像形成装置、例えばレーザービームプリンターなどで、画質向上のために入力画素密度を増やした場合、周波数低下による帯電ムラがより顕著に現われやすくなるという問題がある。従って、交流電圧の周波数を下げないで帯電音を小さくする画像形成方法が望まれている。
このような画像形成方法としては、従来、帯電部材を2つ使用し、各帯電部材に印加する振動電圧の位相を互いに逆位相とする、即ちπラジアンずらすことにより2つの帯電部材によって発生する帯電音同士を打ち消しあい、静音化を図った画像形成方法が知られている(下記特許文献4参照)。
特開昭63−149668号公報 特開昭63−149669号公報 特開昭63−168667号公報 特開平4−44060号公報
しかしながら、本発明者は、上記特許文献4に記載の画像形成方法を用いると、帯電音の十分な低減化を実現できず、むしろ1つの帯電部材を用いた場合よりも帯電音が大きくなることを見出した。
従って、本発明は、帯電音の十分な低減化を実現できる画像形成装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
上記目的は、以下の本発明により達成される。
すなわち本発明の第1の画像形成装置は、潜像担持体と、前記潜像担持体の表面に、直流と交流を重畳させた振動電圧を印加して前記潜像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記潜像担持体の表面における帯電領域を露光して潜像を形成する露光手段と、前記潜像を現像する現像手段とを少なくとも含む画像形成ユニットを1つ以上備えており、前記帯電手段が、前記振動電圧を前記潜像担持体の表面に印加することが可能な一対の帯電部を1つ以上有する画像形成装置であって、前記一対の帯電部のうちの一方の帯電部に印加される振動電圧と、他方の帯電部に印加される振動電圧との間の位相差が0.4π〜0.6πラジアンとなるように前記帯電手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
本発明の第1の画像形成装置によれば、1つの画像形成ユニットにおいて、帯電手段により、潜像担持体の表面に、直流と交流を重畳させた振動電圧が印加され潜像担持体の表面が帯電され、潜像担持体の表面における帯電領域が露光手段により露光されて潜像が形成される。そして、潜像が現像手段によって現像され、画像が形成される。そして、潜像担持体の表面の帯電時において、制御手段により、一対の帯電部のうちの一方の帯電部に印加される振動電圧と、他方の帯電部に印加される振動電圧との間の位相差が0.4π〜0.6πラジアンとなるように帯電手段が制御される。このようにすることで、一対の帯電部のうちの一方の帯電部によって発生する帯電音と、他方の帯電部によって発生する帯電音との間で相互に振動を十分に打ち消し合う作用が働く。
上記画像形成装置においては、一対の帯電部を構成する一方の帯電部と、他方の帯電部は具体的には、潜像担持体の周方向に沿って配置されている。
また、上記画像形成装置において、一対の帯電部を構成する一方の帯電部と、他方の帯電部とが、潜像担持体の周方向に沿って配置されていると共に、潜像担持体の軸方向(潜像担持体表面の移動方向と直交する回転軸方向)にずれた状態で配置されていてもよい。
本発明の第1の画像形成装置は、一対の帯電部を構成する一方の帯電部と、他方の帯電部とが、対応する潜像担持体の表面に接触又は近接している場合に有効であり、接触している場合に特に有効である。これは、このような場合に特に帯電音の発生が問題となるためである。
なお、本発明の第1の画像形成装置は、一対の帯電部を構成する一方の帯電部と、他方の帯電部とが、対応する潜像担持体の表面から離れているものであってもよい。これは、このような場合でも、一方の帯電部と他方の帯電部が潜像担持体表面近傍に配置されていれば、帯電部が潜像担持体表面に接触又は近接している場合と同様に帯電音の発生が問題となりうるためである。
また、本発明の第2の画像形成装置は、潜像担持体と、前記潜像担持体の表面に、直流と交流を重畳させた振動電圧を印加して前記潜像担持体の表面を帯電する帯電手段と、前記潜像担持体の表面における帯電領域を露光して潜像を形成する露光手段と、前記潜像を現像する現像手段とを少なくとも含む画像形成ユニットを2つ以上備えており、前記画像形成ユニットのそれぞれにおいて、前記帯電手段は、対応する前記潜像担持体の表面に前記振動電圧を印加することが可能な帯電部を有し、前記画像形成ユニットのうちの2つの間で、2つの前記帯電部により一対の帯電部が構成されており、前記一対の帯電部のうちの一方の帯電部に印加される振動電圧と、他方の帯電部に印加される振動電圧との間の位相差が0.4π〜0.6πラジアンとなるように、それぞれの帯電手段を制御する制御手段を更に備えることを特徴とする。
本発明の第2の画像形成装置によれば、2つ以上の画像形成ユニットのそれぞれにおいて、帯電手段により、潜像担持体の表面に、直流と交流を重畳させた振動電圧が印加されて潜像担持体の表面が帯電され、潜像担持体の表面における帯電領域が露光手段により露光されて潜像が形成される。その後、潜像が現像手段によって現像され、画像が形成される。ここで、上記画像形成ユニットのうちの2つがそれぞれ有する帯電部により、一対の帯電部が構成されている。そして、それぞれの画像形成ユニットにおける潜像担持体の表面の帯電時において、制御手段により、一対の帯電部のうちの一方の帯電部に印加される振動電圧と、他方の帯電部に印加される振動電圧との間の位相差が0.4π〜0.6πラジアンとなるようにそれぞれの帯電手段が制御される。このようにすることで、一対の帯電部のうちの一方の帯電部によって発生する帯電音と、他方の帯電部によって発生する帯電音との間で相互に振動を十分に打ち消し合う作用が働く。その結果、帯電音が大幅に低減される(以下、このようにそれぞれの帯電部に印加される振動電圧の周期を0.4π〜0.6πずらして、帯電音低減効果を発揮する画像形成ユニットの対を、場合により「消音ユニット対」と呼ぶ)。
フルカラー画像を形成するためには、通常イエロー、マゼンタ、シアンの3色にさらにブラックを加えた4色の画像を積層する。したがって、フルカラー画像を形成するための画像形成装置においては、複数色の画像を積層するために、画像形成ユニットが複数個配されている画像形成装置が多く、これら複数個のうちの少なくとも2つの画像形成ユニットが消音ユニット対を為せば、当該2つの画像形成ユニットから発生する帯電音を大幅に低減することができる。なお、本発明の第2の画像形成装置は、画像形成ユニットが3個や5個以上の場合であっても、そのうちの少なくとも2つの画像形成ユニットが消音ユニット対を為せば、帯電音低減効果を期待することができる。
また、本発明の第2の画像形成装置においては、画像形成装置を構成する全ての画像形成ユニットが消音ユニット対を為していることが、装置全体の静粛性を高い次元で達する上で好ましい。すなわち、本発明の第2の画像形成装置は、画像形成ユニットを偶数個備えており、該画像形成ユニットがそれぞれ対を為し、該対を為した画像形成ユニットの一方の画像形成ユニット中の帯電部に印加される振動電圧(すなわち、対応する潜像担持体の表面に印加される振動電圧)と、他方の画像形成ユニット中の帯電部に印加される振動電圧との間の位相差が0.4π〜0.6πラジアンとなるように帯電手段が制御されることが好ましい。
また、本発明の第2の画像形成装置は、一対の帯電部を構成する一方の帯電部と、他方の帯電部とが、対応する潜像担持体の表面に接触又は近接している場合に有効であり、接触している場合に特に有効である。これは、このような場合に特に帯電音の発生が問題となるためである。
なお、本発明の第2の画像形成装置は、一対の帯電部を構成する一方の帯電部と、他方の帯電部とが、対応する潜像担持体の表面から離れているものであってもよい。これは、このような場合でも、一方の帯電部と他方の帯電部とがそれぞれ対応する潜像担持体表面近傍に配置されていれば、帯電部が潜像担持体表面に接触している場合と同様に帯電音の発生が問題となりうるためである。
また本発明の画像形成方法は、潜像担持体の表面に、直流と交流を重畳させた振動電圧を印加して前記潜像担持体の表面を帯電する帯電工程と、前記潜像担持体の表面における帯電領域を露光して潜像を形成する露光工程と、前記潜像を現像する現像工程とを少なくとも含み、前記帯電工程において、一対の帯電部を用い、前記一対の帯電部のうちの一方の帯電部に印加される振動電圧と、他方の帯電部に印加される振動電圧との間の位相差を0.4π〜0.6πラジアンとなるようにして、前記潜像担持体の表面に前記振動電圧を印加することを特徴とする。
本発明の画像形成方法によれば、潜像担持体の表面に、直流と交流を重畳させた振動電圧が印加され潜像担持体の表面が帯電され、潜像担持体の表面における帯電領域が露光されて潜像が形成される。そして、潜像が現像されて画像が形成される。そして、潜像担持体の表面の帯電時において、一対の帯電部のうちの一方の帯電部に印加される振動電圧と、他方の帯電部に印加される振動電圧との間の位相差が0.4π〜0.6πラジアンとされる。このようにすることで、一対の帯電部のうちの一方の帯電部によって発生する帯電音と、他方の帯電部によって発生する帯電音との間で相互に振動を十分に打ち消し合う作用が働く。
なお、本発明の画像形成方法において、上記一対の帯電部は、1つの画像形成ユニット中に含まれているものであってもよく、2つの画像形成ユニットのそれぞれが有する帯電部の間で対をなすものであってもよい。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、一対の帯電部のうちの一方の帯電部によって発生する帯電音と、他方の帯電部によって発生する帯電音との間で相互に振動を十分に打ち消し合う作用が働くため、帯電音の十分な低減化を実現することができる。
以下、本発明を好ましい実施の形態を挙げて詳細に説明する。なお、全図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の第1実施形態を示す模式構成図であり、所定の色の画像を用紙に形成する画像形成ユニットのみを有する画像形成装置の概略構成を示してある。
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成ユニット50と、画像形成ユニット50に記録紙としての用紙1を搬送する搬送ベルト51とを備えている。画像形成ユニット50は、搬送ベルト51によって搬送された用紙1上に所定の色の画像を形成するものである。
画像形成ユニット50は、潜像担持体である円筒状の電子写真感光体2と、帯電手段である一対の帯電ロール4a,4bと、電子写真感光体2と帯電ロール4a,4bとの間に直流と交流を重畳させた振動電圧を印加するための帯電バイアス印加電源5と、電子写真感光体2の表面を画像様に露光し得る露光装置6と、露光装置6により露光されることで形成された静電潜像を現像して画像を形成し得る現像装置8と、現像装置8により得られる画像を被転写媒体である用紙1に転写する転写手段としての転写用ロール10と、電子写真感光体2の表面における転写残りトナー等の残留汚染物を除去して電子写真感光体2の表面をクリーニングする機械的なクリーニング手段としてのクリーニングブレード12と、帯電ロール4aに印加される振動電圧と、帯電ロール4bに印加される振動電圧との間の位相差が0.5πラジアンとなるように帯電ロール4a,4bを制御する制御手段としての制御装置14とを備えている。なお、帯電ロール4a,4b及び帯電バイアス印加電源5は、帯電手段を構成している。
上述した一対の帯電ロール4a,4b、露光装置6、現像装置8、転写用ロール10、クリーニングブレード12は、電子写真感光体2の周方向に沿って順次配置されている。
そして、一対の帯電ロール4a,4bは、電子写真感光体2の周方向に沿って並設されている。また、一対の帯電ロール4a,4bの軸方向の長さは、図5に示すように、いずれも電子写真感光体2の軸方向の長さとほぼ同じ長さとなっている。これにより、一対の帯電ロール4a,4bのそれぞれが、電子写真感光体2の全面を帯電できるようになっている。
帯電ロール4a,4bは二本ともバネ(図示せず)により電子写真感光体2の表面に押圧力をもって付勢されている。そして、帯電ロール4a,4bは、バネに対して回転可能に取り付けられている。従って、帯電ロール4a,4bは、電子写真感光体2との摩擦により、特に駆動手段を有しなくとも電子写真感光体2と同じ周速度で従動回転し、接触帯電手段として機能する。なお、帯電ロール4a,4bに何らかの駆動手段を取り付け、電子写真感光体2とは異なる周速度で回転させてもよい。
電子写真感光体2と帯電ロール4a,4bとの間には、帯電バイアス印加電源5により振動電圧が印加され、電子写真感光体2の表面が一様に帯電される構成となっている。一般に帯電手段に印加する電圧としては、直流電圧、あるいは、直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧が挙げられるが、本実施形態の画像形成装置100において、振動電圧を使用するのは、帯電の均一化および環境安定化を図るためである。
制御装置14は、帯電バイアス印加電源5を介して、帯電ロール4aに印加される振動電圧と、帯電ロール4bに印加される振動電圧との位相差を0.5πラジアンとするように制御するようになっている。
なお、電子写真感光体2は、駆動部材又は駆動系(図示せず)によって回転駆動されるようになっている。
次に、上記構成の画像形成装置100により画像を用紙1上に形成する過程、即ち画像形成装置100を用いた画像形成方法を説明する。
まず電子写真感光体2は、図面上時計方向(矢印A方向)に、所定の周速度(プロセススピード)をもって駆動部材又は駆動系により回転駆動される。すると、電子写真感光体2の回転に従動して、帯電ロール4a,4bが回転し、帯電バイアス印加電源5により帯電ロール4a,4bのそれぞれに振動電圧が印加され、電子写真感光体2の表面が、所定の極性及び電位に均一帯電処理される。このとき、重畳される交流電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波、パルス波等が挙げられるが、製造コストなどを含んだ印可の容易性の観点からは、高調波成分を含まない正弦波が好ましい。また印加する振動電圧の大きさ及び周波数は、次のようにする。即ち、直流電圧は要求される電子写真感光体2の帯電電位に応じて、正または負の50〜2,000Vが好ましく、特に100〜1,500Vが好ましい。重畳する交流電圧は、ピーク間電圧が400〜3,000Vとすることが好ましく、より好ましくは800〜2,500V、さらに好ましくは1,200〜2,500Vである。交流電圧の周波数は、50〜20,000Hz、好ましくは100〜5,000Hzである。
次いで、帯電処理された電子写真感光体2の表面に対して露光装置6による露光がなされ、電子写真感光体2の表面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
続いて、該静電潜像が現像装置8によりトナー画像として現像される。
一方、給紙機構(図示しない)から用紙1が搬送ベルト16に担持されて給送される。
そして、電子写真感光体2と転写用ロール10との圧接ニップ部である転写部位に、所定のタイミング、即ち転写部位にて、電子写真感光体2の表面に形成されたトナー画像の先端部と記録紙の所定の位置とが一致するタイミング、にて挿通される。こうして、電子写真感光体2の表面に形成されたトナー画像が、用紙1の表面上に転写される。
以上のようにして、画像形成装置100により、所定の色の画像が用紙1の表面上に形成される。
上記画像形成の過程においては、画像形成装置100の帯電ロール4a,4bには、制御装置14により帯電バイアス印加電源5を介してそれぞれ振動電圧が印加される。このとき、帯電ロール4aに印加される振動電圧と、帯電ロール4bに印加される振動電圧との間の位相差が0.5πラジアンとなるようにされる。このようにすることで、帯電ロール4aによって発生する帯電音と、帯電ロール4bによって発生する帯電音との間で相互に振動を十分に打ち消し合う作用が働く。よって、帯電音が大幅に低減され、帯電音の十分な低減化が実現される。
なお、転写部位を通過し、トナー画像を用紙1に転写し終えた電子写真感光体2の表面は、クリーニングブレード12により転写残りトナー等の残留汚染物が除去され、清浄面化されて次の画像形成に供される。
また画像形成装置100によりトナー画像が形成された用紙1は、電子写真感光体2の表面から分離されて、不図示の定着手段へ搬送されることによりトナー画像の定着処理を受ける。
次に、画像形成ユニット50の構成要素についてより具体的に説明する。
電子写真感光体(潜像担持体)2は、円筒状の基体の外周面に感光層を形成したものである。電子写真感光体2の基体の材料としては、基本的には円筒状に成型できるものであれば特に制限はないが、成型性、加工性、強度などを考慮すると金属、特にアルミニウムやステンレスが好適である。
基体外周に設けられる感光層についても特に制限されることはなく、公知の光導電材料を公知の手段により成膜すればよい。ただし、当該感光層に帯電ロール4a,4bが接触することを考慮すると、樹脂をベースに成膜された有機光導電材料を有する感光層とすることが好適である。該有機光導電材料を主体とする感光層には、電荷発生能および電荷輸送能の双方の機能を併せ持つ単層型感光層と、これらを機能分離した複数の層を積層する積層型感光層とがあり、本発明の画像形成装置においては感光層はいずれの構成であってもよいが、積層型感光層を用いるのが一般的である。
基体表面には、下引き層を設けることが望ましい。該下引き層としては、アクリル系樹脂、メタアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ポリカボネイト系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂等の各種樹脂類や、これら樹脂類にジルコニウム化合物、チタニウム化合物等を含有させたものが挙げられる。
基体外周(基体表面上に下引き層が設けられている場合には、当該下引き層の外周を言う。以下同様。)には、感光層が設けられる。感光層は、電荷発生物質および/または電荷輸送物質と、結着樹脂と、溶剤と、を分散又は混合して調合された塗布液を基体外周に塗布し、乾燥することにより形成される。従って、感光層は、電荷発生物質および/または電荷輸送物質と、結着樹脂とで構成される。
このとき、単層型の感光層を形成する場合、電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂および溶剤を分散又は混合して調合された塗布液を基体外周に塗布し、乾燥する。従って、感光層は、電荷発生物質および電荷輸送物質と、結着樹脂とで構成される。一方、積層型の感光層を形成する場合は、電荷発生物質、結着樹脂および溶剤を分散又は混合して調合された電荷発生層形成用塗布液と、前記の電荷輸送物質、結着樹脂および溶剤を混合して調合された電荷輸送層形成用塗布液とを別々に用意し、これら塗布液を基体外周に順次塗布および乾燥することにより積層される。従って、感光層は、電荷発生物質と結着樹脂とを含む電荷発生層と、電荷輸送物質と結着樹脂とを含む電荷輸送層とで構成される。
前記電荷発生物質としては、アゾ顔料、ジスアゾ顔料、キノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、ビスベンゾイミダゾール顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ピリリウム塩、アズレニウム塩、三晶方型セレン等が挙げられる。
前記電荷輸送物質としては、主鎖または側鎖に、アントラセン、ピレン、フェナントレン、コロネン等の多芳香族化合物、または、インドール、カルバゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、ヒアジアゾール、トリアゾール等の含チッ素環式化合物の骨格を有する化合物や、その他、ヒドラゾン化合物等の正孔輸送物質が挙げられる。
前記結着樹脂としては、ポリカボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル類、スチレン−メタクリル酸メチルコポリマー、ポリエステル、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ポリサルホン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、セルロースエステル類等が挙げられる。
塗布液調製用の溶剤(溶媒)としては、揮発性が高く、且つその蒸気の密度が空気よりも大きい溶剤が好適に用いられ、例えば、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、4−メトキシ−4−メチルペンタノン、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、2,4−ペンタジオン、アニソール、3−オキソブタン酸メチル、モノクロロベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセルソルブ、メチルセルソルブアセテート等が挙げられる。
なお、電子写真感光体2を回転駆動する駆動部材としては、ギア或いはフランジと称される画像形成装置100内での駆動伝達及び軸受け用の部材が用いられ、これらは通常、電子写真感光体2の少なくとも一方の端部に設けられる。これら部材の材料としては、成型性、加工性、摺動性、耐久性等の点からアルミニウムなどの金属や、ポリカボネートなどの樹脂成型品などが用いられる。
帯電ロール4a,4bは、電子写真感光体2の表面に振動電圧を印加することで電子写真感光体2の表面を帯電するものであり、帯電ロール4a,4bの材料としては、導電性を付与した弾性材料が好適である。帯電ロール4a,4bは通常、芯材としてのロール本体の表面に弾性層を形成し、さらにその上に抵抗層を形成して構成される。さらに必要に応じて抵抗層の外側に保護層を設けることもできる。
芯材としてのロール本体の材質は、導電性を有するものであるが、一般的には鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が用いられる。その他ロール本体の材質としては、導電性粒子等を分散した樹脂成型材料等を用いることもできる。弾性層の材質としては導電性あるいは半導電性を有する弾性材料が用いられるが、一般にはゴム材に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散したものが用いられる。
ゴム材としては、EPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム等が用いられる。
導電性粒子あるいは半導電性粒子としては、カーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al、SnO−Sb、In−SnO、ZnO−TiO、MgO−Al、FeO−TiO、TiO、SnO、Sb、In、ZnO、MgO等の金属酸化物が用いることができ、これらの材料は単独あるいは2種以上混合して用いても良い。
抵抗層および保護層は、結着樹脂に導電性粒子あるいは半導電性粒子を分散し、その抵抗を制御したものであり、結着樹脂としてはアクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP、PET等のポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂等が用いられる。導電性粒子あるいは半導電性粒子としては、弾性層と同様のカーボンブラック、金属、金属酸化物が用いられる。抵抗層および保護層の抵抗率は、好ましくは10〜1014Ωcmであり、より好ましくは10〜1012Ωcmであり、さらに好ましくは10〜1012Ωcmである。また、抵抗層および保護層の膜厚は、好ましくは0.01〜1,000μm、より好ましくは0.1〜500μm、さらに好ましくは0.5〜100μmである。
また抵抗層及び保護層には、必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することができる。
これら抵抗層及び保護層の形成は、上記各材料を適当な溶剤に溶解、分散させて塗布液を調製し、これを被塗布物に塗布することにより行うことができる。塗布する手段としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等従来公知の手段を採用することができる。
露光装置6は、電子写真感光体2の表面を画像様に露光して静電潜像を形成し得るものであり、露光装置6としては、例えば従来公知のレーザービーム走査露光手段、原稿画像のスリット露光手段等が挙げられ、これらのいずれも適用することができる。
現像装置8は、露光装置6により露光されることで、電子写真感光体2表面に形成された潜像を現像して画像を形成し得るものであり、現像装置8としては、例えば従来公知の粉体トナーを用いた現像器が挙げられる。
転写用ロール10は、現像装置8により現像されたトナー等による画像を用紙1に写し取ることが可能な従来公知の転写手段が採用される。
クリーニングブレード12は、電子写真感光体2の表面に直接接触し、その表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどの残留汚染物を機械的に除去するものである。なお、クリーニング手段としては、図1に示すクリーニングブレードのようなブレード形式のものを用いたが、その他、ブラシ、ロールなど公知の形式のものを適用することもできる。また、クリーニングブレード12は、帯電ロール4a,4bに兼用させてもよい。この場合、帯電ロール4a,4bは、電子写真感光体2の表面を帯電するだけでなく、電子写真感光体2の表面をクリーニングする機能をも有することになる。
定着手段は、用紙1上に形成された画像を用紙1に定着させることができるものであれば特に制限はなく、従来公知の熱および/または圧力による定着手段、あるいは溶剤による定着手段等のあらゆる定着手段を、その目的に応じて採用することができる。
次に、本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について説明する。図3は、本発明に係る画像形成装置の第2実施形態を示す模式構成図であり、所定の色の画像を用紙に形成する一対の画像形成ユニットを有する画像形成装置の概略構成を示してある。
図3に示す画像形成装置300は、第1の色の画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット300Aと、第2の色の画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット300Bと、が並列に配されている。
画像形成ユニット300Aは、潜像担持体である回転ドラム型の電子写真感光体102A、帯電手段である帯電ロール104A、電子写真感光体(潜像担持体)102Aと帯電ロール104Aとの間に振動電圧を印加するための帯電バイアス印加電源(不図示)、電子写真感光体102A表面を画像様に露光し得る露光装置108A、露光装置108Aにより露光されることで形成された潜像を現像し得る現像装置110A、転写手段である転写用ロール112A、機械的なクリーニング手段であるクリーニングブレード114Aにより構成される。
ここで、電子写真感光体102Aは、第1実施形態において説明した電子写真感光体2と同様の構成を有するものを使用することができる。
帯電ロール104Aは、電子写真感光体102Aの表面に振動電圧を印加することで電子写真感光体102A表面を帯電するものである。なお、帯電ロール104Aは、図3に示すように1つのロールにより電子写真感光体102Aを帯電する構成の他に、例えば、複数のロールを並列に配して、それぞれのロールにより帯電する構成、あるいは複数のロールを直列に配して、手前側のロールから電圧を印加してこれを電子写真感光体表面に接触するロールにより伝達させて帯電させる構成等を採用することもできる。帯電ロール104Aは、第1実施形態において説明した帯電ロール4a,4bと同様の構成を有するものを使用することができる。
帯電ロール104Aは、図3に示すように、バネ120Aにより電子写真感光体102A表面に押圧力をもって付勢され、特に駆動手段を有しなくとも電子写真感光体102Aと同じ周速度で従動回転し、帯電手段として機能する。なお、帯電ロール104Aに何らかの駆動手段を取り付け、電子写真感光体102Aとは異なる周速度で回転させてもよい。
電子写真感光体102Aと帯電ロール104Aとの間には、帯電バイアス印加電源により振動電圧が印加され、電子写真感光体102A表面が一様に帯電される構成となっている。一般に印加電圧には、直流電圧、あるいは直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧が用いられるが、振動電圧とすることは、帯電の均一化および環境安定化の点から好ましい。本発明においては、当該振動電圧を印加する際の帯電音が効果的に低減される。重畳される交流電圧の波形としては、正弦波に限らず、矩形波、三角波、パルス波等でもよいが、音の観点からは、高調波成分を含まない正弦波が好ましい。
電圧の大きさは、直流電圧としては、要求される感光体帯電電位に応じて正または負の50〜2,000Vが好ましく、特に100〜1,500Vが好ましい。重畳する交流電圧としては、ピーク間電圧を400〜3,000Vとすることが好ましく、より好ましくは800〜2,500V、さらに好ましくは1,200〜2,500Vである。交流電圧の周波数としては、50〜20,000Hz、好ましくは100〜5,000Hzである。
露光装置108Aは、電子写真感光体102Aの表面を画像様に露光して静電潜像を形成し得るものであり、かかる露光装置108Aとしては、例えば従来公知のレーザービーム走査露光手段、原稿画像のスリット露光手段等が挙げられ、これらのいずれも適用することができる。
現像装置110Aは、露光装置108Aにより露光されることで、電子写真感光体102Aの表面に形成された潜像を現像し得るものであり、かかる現像装置110Aとしては、例えば従来公知の粉体トナーを用いた現像器が挙げられる。
転写用ロール112Aは、現像装置110Aにより現像されたトナー等による画像を用紙118に写し取ることが可能な従来公知の転写手段が採用される。
機械的なクリーニング手段であるクリーニングブレード114Aは、電子写真感光体102Aの表面に直接接触し、その表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどの残留汚染物を機械的に除去するものである。なお、本実施形態においては、図3に示すクリーニングブレード114Aのようなブレード形式のものを用いたが、その他、ブラシ、ロールなど公知の形式のものを適用することもできる。また、クリーニングブレード114Aに導電性のブレードを用い給電することにより、クリーニング手段と帯電手段とを兼用させてもよい。この場合、当該クリーニングブレード114Aに、後述の本実施形態における振動電圧を印加すればよい。
以上のような構成を有する画像形成ユニット300Aにより、第1の色を用紙118に形成する過程を説明する。電子写真感光体102Aは、図面上時計方向(矢印A方向)に、所定の周速度(プロセススピード)をもって不図示の駆動部材・駆動系により回転駆動される。電子写真感光体102Aの回転に従動して、帯電ロール104Aが回転し、帯電バイアス印加電源により振動電圧が印加され、電子写真感光体102A表面が、所定の極性・電圧に均一帯電処理される。
次いで、帯電処理された電子写真感光体102A表面に対して露光装置108Aによる露光がなされ、電子写真感光体102A表面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。さらに、該静電潜像が現像装置110Aによりトナー画像として現像される。
一方、不図示の給紙機構から記録紙としての用紙118が搬送ベルト116に担持されて給送され、電子写真感光体102Aと、転写手段としての転写用ロール112Aと、の圧接ニップ部である転写部位に所定のタイミング(転写部位にて、電子写真感光体102A表面に形成されたトナー画像の先端部と、記録紙の所定の位置と、が一致するタイミング)にて挿通され、電子写真感光体102A表面に形成されたトナー画像が、用紙118の表面に転写されていく。
以上のようにして、画像形成ユニット300Aにより、第1の色の画像が用紙118に形成される。転写部位を通過し、トナー画像を用紙118に転写し終えた電子写真感光体102A表面は、クリーニングブレード114Aにより転写残りトナー等の残留汚染物が除去され、清浄面化されて繰り返して作像に供される。
画像形成ユニット300Bは、第2の色の画像を用紙118に形成するためのものであり、形成される画像の色が異なる点、および、帯電ロール104Bに印加される振動電圧の位相が、画像形成ユニット300Aの帯電ロール104Aに印加される振動電圧の位相に対して0.5πラジアンずれている点を除き、上述した画像形成ユニット300Aと同様の構成を有するものである。したがって、図3において、画像形成ユニット300Aおよび画像形成ユニット300Bで付された符号の末尾(AまたはB)を除く部分が同一の部材については、両者同一の機能を有する部材を示し、画像形成ユニット300Bの各部材における詳細な説明は省略する。
また、画像形成装置300は、画像形成ユニット300Aと画像形成ユニット300Bのそれぞれの帯電部(帯電ロール104A,104B)に印加される振動電圧の位相差が0.5πラジアンとなるように、各帯電手段に対応する帯電バイアス印加電源を介して帯電ロール104A,104Bを制御する制御手段としての制御装置(不図示)を備えている。
既述の通り、第1の色の画像が形成された用紙118は、そのまま搬送ベルト116に担持されたまま、図3中の矢印X方向に移動し、電子写真感光体102Bと、転写手段としての転写用ロール112Bとの圧接ニップ部である転写部位に所定のタイミング(転写部位にて、電子写真感光体102B表面に形成されたトナー画像(余白部分を含む)の先端部と、記録紙の先端部とが一致するタイミング)にて挿通され、電子写真感光体102B表面に形成された第2の色のトナー画像が、用紙118の表面に既に形成されている第1の色のトナー画像の上に積層されていく。
画像形成ユニット300Bによる第2の色のトナー画像が積層された用紙118は、電子写真感光体102Bの表面から分離されて、不図示の定着手段へ搬送されることによりトナー画像の定着処理を受ける。
当該定着手段としては、特に限定はなく、従来公知の熱および/または圧力による定着、あるいは溶剤による定着等、あらゆる定着手段をその目的に応じて採用することができる。このようにして用紙118に画像が形成される。
本実施形態においては、画像形成ユニット300Aの帯電ロール104A、および、画像形成ユニット300Bの帯電ロール104Bにより、電子写真感光体102Aおよび電子写真感光体102Bにそれぞれ振動電圧が印加されるが、当該振動電圧同士は、位相差が0.5πラジアンとなるように調整される。すなわち、画像形成装置300において、画像形成ユニット300A中の帯電ロール104Aと、画像形成ユニット300B中の帯電ロール104Bとは一対の帯電部を構成し、画像形成ユニット300Aと画像形成ユニット300Bとは消音ユニット対を構成する。
このように、一対の帯電部のうちの一方の帯電部と潜像担持体表面との間に印加される振動電圧と、他方の帯電部と潜像担持体表面との間に印加される振動電圧との位相差を0.5πラジアンとすることにより、振動電圧により発生する音が相互に打ち消される作用が働き、その結果、帯電音が大幅に低減される。
次に、本発明に係る画像形成装置の第3実施形態について説明する。図4は、本発明に係る画像形成装置の第3実施形態を示す模式構成図であり、一対の画像形成ユニットを2つ、すなわち画像形成ユニットを4つ有し、イエロー、マゼンタ、シアン、および、ブラックの4色の画像を積層してフルカラー画像を形成し得る画像形成装置の概略構成を示している。
図4に示す画像形成装置310は、イエロー色の画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット300Yと、マゼンタ色の画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット300Mと、シアン色の画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット300Cと、ブラック色の画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット300Kと、の4つの画像形成ユニットが並列に配されている。
各画像形成ユニット300Y,300M,300C,300Kは、形成される画像の色が異なる点、および、各帯電手段に印加される振動電圧の位相が後述のように制御されている点を除き、上記第2実施形態における画像形成ユニット300A,300Bと同一の構成を有するものである。したがって、図4における各画像形成ユニット300Y,300M,300C,300Kで付された符号の末尾(Y、M、CまたはK)を除く部分が、図3における画像形成ユニット300A,300Bで付された符号の末尾(AまたはB)を除く部分と同一の部材については、両者同一の機能を有する部材を示し、本実施形態においては、各画像形成ユニット300Y,300M,300C,300Kの各部材における詳細な説明は省略する。
図4において、用紙118は搬送ベルト116に担持されつつ矢印X方向に進行し、各画像形成ユニット300Y,300M,300C,300Kにより、順次イエロー、マゼンタ、シアン、および、ブラックの4色のトナー画像が積層される。4色のトナー画像が積層された用紙118は、最後の電子写真感光体102Kの表面から分離されて、不図示の定着手段へ搬送されることによりトナー画像の定着処理を受ける。このようにして用紙118にフルカラー画像が形成される。
本実施形態においては、画像形成ユニット300Yの帯電手段である帯電ロール104Y、および、画像形成ユニット300Mの帯電手段である帯電ロール104Mにより、電子写真感光体(潜像担持体)102Yおよび電子写真感光体(潜像担持体)102Mにそれぞれ振動電圧が印加されるが、当該振動電圧同士は、位相差が0.5πラジアンとなるように調整される。すなわち、画像形成ユニット300Y中の帯電ロール104Yと、画像形成ユニット300M中の帯電ロール104Mとは一対の帯電部を構成し、画像形成ユニット300Yと画像形成ユニット300Mとは消音ユニット対を構成する。
また、画像形成ユニット300Cの帯電手段である帯電ロール104C、および、画像形成ユニット300Kの帯電手段である帯電ロール104Kにより、電子写真感光体(潜像担持体)102Cおよび電子写真感光体(潜像担持体)102Kにそれぞれ振動電圧が印加されるが、当該振動電圧同士は、位相差が0.5πラジアンとなるように調整される。すなわち、画像形成ユニット300C中の帯電ロール104Cと、画像形成ユニット300K中の帯電ロール104Kとは一対の帯電部を構成し、画像形成ユニット300Cと画像形成ユニット300Kとは消音ユニット対を構成する。
また、画像形成装置310は、画像形成ユニット300Yと画像形成ユニット300Mのそれぞれの帯電部(帯電ロール104Y,104M)に印加される振動電圧の位相差が0.5πラジアンとなり、画像形成ユニット300Cと画像形成ユニット300Kのそれぞれの帯電部(帯電ロール104C,104K)に印加される振動電圧の位相差が0.5πラジアンとなるように、各帯電手段に対応する帯電バイアス印加電源(不図示)を介して帯電ロール104Y及び104M、帯電ロール104C及び104Kを制御する制御手段としての制御装置(不図示)を備えている。
このように、隣り合う画像形成ユニット同士で消音ユニット対を為して一対の帯電部を2つ形成し、一対の帯電部のうちの一方の帯電部と潜像担持体表面との間に印加される振動電圧と、他方の帯電部と潜像担持体表面との間に印加される振動電圧との位相差を0.5πラジアンとすることにより、振動電圧により発生する音が相互に打ち消される作用が働き、その結果、帯電音が大幅に低減される。
なお、2つの消音ユニット対間の振動電圧の位相については一切の制限を受けず、2つの消音ユニット対間で特に位相を調整する必要は無い。また、本実施形態では、隣り合う画像形成ユニット同士が消音ユニット対を為す構成としたが、必ずしも隣り合う画像形成ユニット同士が消音ユニット対を為す構成でなくてもよく、画像形成ユニット300Yおよび画像形成ユニット300C、画像形成ユニット300Mおよび画像形成ユニット300Kがそれぞれ消音ユニット対を為してもよいし、画像形成ユニット300Yおよび画像形成ユニット300K、画像形成ユニット300Mおよび画像形成ユニット300Cがそれぞれ消音ユニット対を為してもよい。これらの場合であっても良好に帯電音低減効果が発揮される。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、これらはあくまでも本発明を適用しうる画像形成装置及び画像形成方法の一実施形態を示すものであり、本発明はもちろんこれらに限定されるものではなく、本発明の構成を備えるものであれば、具体的な部材等について、公知の部材に置換えることができる。例えば、上記第1〜第3実施形態では、帯電時において、帯電ロール4a,4bに印加する振動電圧の位相差、帯電ロール104A,104Bに印加する振動電圧の位相差、並びに、帯電ロール104Y,104Mに印加する振動電圧の位相差及び帯電ロール104C,104Kに印加する振動電圧の位相差を、いずれも0.5πラジアンとしているが、振動電圧の位相差は0.5πラジアンに限らず、0.4π〜0.6πラジアンの範囲内の位相差であればよい。この場合でも、振動電圧の位相差がゼロ又はπラジアンである場合に比べて、帯電音の十分な低減化を実現することができる。具体的には、振動電圧の位相差が上記範囲内にあると、帯電音の音圧を、振動電圧の位相差がゼロ又はπラジアンである場合の音圧の30%以下程度とすることができる。
なお、振動電圧の位相差は、好ましくは13π/30〜17π/30ラジアンであり、より好ましくは14π/30〜16π/30ラジアンである。振動電圧の位相差が13π/30〜17π/30ラジアンである場合には、帯電音の音圧を、振動電圧の位相差がゼロ又はπラジアンである場合の音圧の20%以下程度とすることができる。振動電圧の位相差が14π/30〜16π/30ラジアンである場合には、帯電音の音圧を、振動電圧の位相差がゼロ又はπラジアンである場合の音圧の10%以下程度とすることができる。
また、上記第1実施形態は、1つの画像形成ユニット中に一対の帯電部が形成された構成を有する本発明の第1の画像形成装置を示すものであり、上記第2及び第3実施形態は、2つの画像形成ユニット(消音ユニット対)のそれぞれが有する帯電部により一対の帯電部が形成された構成を有する本発明の第2の画像形成装置を示すものである。いずれの画像形成装置においても、一対の帯電部を1つ以上備えており、その一対の帯電部の一方の帯電部に印加される振動電圧と他方の帯電部に印加される振動電圧との位相差が0.4π〜0.6πラジアンとなるようにすることにより、帯電音の十分な低減化を実現することができる。なお、本発明の第2の画像形成装置において、各画像形成ユニットはそれぞれ複数の帯電部を有していてもよい。このとき、消音ユニット対のうちの一方の画像形成ユニットに含まれる少なくとも1つの帯電部の振動電圧と、他方の画像形成ユニットに含まれる少なくとも1つの帯電部の振動電圧との位相差が0.4π〜0.6πラジアンとなっていれば、本発明の帯電音低減効果を得ることができる。
また、上記第1実施形態では、一対の帯電ロール4a,4bの軸方向の長さが、いずれも電子写真感光体2の軸方向の長さとほぼ同じ長さとなっている場合について説明したが、本発明の画像形成装置においては、一対の帯電ロール4a,4bの軸方向の長さが、電子写真感光体2の軸方向の長さよりも短くなっていてもよい。例えば、図6に示すように、一対の帯電部を構成する一方の帯電部4aと他方の帯電部4bとが、電子写真感光体2の周方向に沿って配置されていると共に、電子写真感光体2の軸方向にずれた状態で配置されていてもよい。このとき、帯電ロール4aは、帯電ロール4bにより帯電されなかった電子写真感光体2の表面を帯電するように、帯電ロール4aによる帯電領域の端部が帯電ロール4bによる帯電領域の端部と重複するように配置される。
また、上記第1〜第3実施形態では、本発明に用いる帯電手段を構成する帯電部として帯電ロールが用いられているが、帯電部は、ロール状に限らず、ブラシ状、ブレード状、あるいは、ピン電極状等何れでもよい。
更に、上記第1実施形態では、本発明の画像形成装置が1つの画像形成ユニットを有する場合について説明したが、本発明の第1の画像形成装置は、画像形成ユニットを少なくとも1つ有していればよく、従って、画像形成ユニットを複数有していても構わない。本発明の第1の画像形成装置が画像形成ユニットを4個有するようにした場合、これら4個の画像形成ユニットによってイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の画像が形成されるようにし、4色の画像を用紙1上に積層するようにすれば、フルカラー画像を形成し得る。
また上記第1〜第3実施形態では、画像形成ユニットに用紙を搬送するために搬送ベルト51,116が用いられているが、搬送ベルト51,116に代えて搬送ドラムを用いてもよい。
更に、本発明の画像形成装置が複数個の画像形成ユニットを有する場合、ベルト状あるいはドラム状の中間転写体を用い、複数個の画像形成ユニットから中間転写体に各色の画像を転写ないしは積層した上で用紙1,118の表面に転写する方式を用いてもよい。
更にまた、上記第1実施形態では、帯電手段が一対の帯電ロールを備える場合について説明したが、本発明に用いる帯電手段は、複数対の帯電ロールを備えていてもよい。この場合、図2に示すように、画像形成装置200は、画像形成ユニット201を有し、画像形成ユニット201においては、複数対(図2では2対)の帯電ロール4a,4b,204a,204bは、電子写真感光体2の周方向に沿って配置されることになる。この場合でも、帯電音の十分な低減化が実現される。また、この場合にも、複数対の帯電ロールは、その一部又は全部が、電子写真感光体2の軸方向にずれた状態で配置されていてもよい。
更に、上記第1実施形態では、帯電ロール4a,4bが電子写真感光体2の表面に接触しているが、帯電ロール4a,4bは、電子写真感光体2の表面に必ずしも接触している必要はない。例えば帯電ロール4a,4bが電子写真感光体2の表面近傍に配置されており、帯電ロール4a,4bが電子写真感光体2の表面に接触しているのと同様に大きな帯電音が発生するような場合には本発明の画像形成方法を適用することが可能である。なお、表面近傍とは、例えば帯電ロール4a又は4bの表面と電子写真感光体2の表面との間の最小距離が0.1mm以下のような場合である。このような近接帯電は、例えば、帯電ロールの軸上に該帯電ロールの直径よりも僅かに大きな樹脂製ロールを混在させ、これを電子写真感光体表面や、この両端部に嵌着されたフランジ等に接触させることにより実現することができる。また、上記第2及び第3実施形態においても、帯電ロールは電子写真感光体の表面に必ずしも接触している必要はなく、上記のように近接した状態であってもよい。
また、上記第1実施形態においては、2つの帯電部を有し、これらが対を為す構成について説明したが、本発明においては、必ずしも全ての帯電部が対を為していなくてもよく、少なくとも一対の帯電部が存在すれば、この一対の帯電部からの帯電音は低減されるため、本発明の効果を得ることができる。したがって、帯電部の数は3つ又は5つ以上であってもよい。なお、装置全体の静粛性を高い次元で達する観点から、全ての帯電部が対を為していることが好ましく、その場合には、帯電部の数は偶数となる。
更に、上記第2及び第3実施形態においては、2つ又は4つの画像形成ユニットを有し、全ての画像形成ユニットが消音ユニット対を為す構成について説明したが、必ずしも全ての画像形成ユニットが消音ユニット対を為していなくてもよい。少なくとも1組の消音ユニット対が存在すれば、当該消音ユニット対における画像形成ユニットからの帯電音は低減されるため、本発明の効果を得ることができる。したがって、画像形成ユニットの数は3つ又は5つ以上であってもよい。なお、装置全体の静粛性を高い次元で達する観点から、全ての画像形成ユニットが消音ユニット対を為していることが好ましく、その場合には、画像形成ユニットの数は偶数となる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
<電子写真感光体の作製>
電子写真感光体の基体として、外径30mmφ、長さ340mm、肉厚0.75mmのアルミニウム基体を用意した。そして、該アルミニウム基体に、以下のようにして形成される下引き層、電荷発生層および電荷輸送層を順次積層塗布し、感光層を形成して電子写真感光体を作製した。
(1)下引き層の形成
アルミニウム基体の表面に、下記組成の塗布液Aを浸漬法により塗布し、150℃にて10分間乾燥し、乾燥膜厚が1.0μmの下引き層を形成した。
[塗布液Aの組成]
・下記構造式(1)で表されるジルコニウム化合物 :20質量部
・下記構造式(2)で表されるシランカップリング剤 :2質量部
・下記構造式(3)で表されるポリビニルブチラール樹脂 :2質量部
・1−ブタノール :70質量部
Figure 2005309378
(2)電荷発生層の形成
下記組成の混合液を直径1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルで5時間分散して得られた塗布液Bを、前記下引き層の上に浸漬法により塗布し、100℃にて10分間乾燥し、乾燥膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
[塗布液Bの組成]
・クロルガリウムフタロシアン :5質量部
・下記構造式(4)で表される塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 :5質量部
・酢酸n−ブチル :200質量部
Figure 2005309378
(3)電荷輸送層の形成
前記電荷発生層の上に、下記組成の塗布液Cを浸漬法により塗布し、120℃にて60分間乾燥し、乾燥膜厚が25μmの電荷輸送層を形成した。
[塗布液Cの組成]
・下記構造式(5)で表される電荷輸送物質 :1質量部
・下記構造式(6)で表されるポリカーボネイト樹脂 :1質量部
・モノクロルベンゼン :2質量部
・テトラヒドロフラン :4質量部
Figure 2005309378
(実施例1)
画像形成装置としてのレーザプリンタ(富士ゼロックス(株)製DocuPrint 305)における電子写真感光体に代えて、上記のようにして作製した電子写真感光体を装着し、下記構成の帯電ロールを一対用意し、これらを電子写真感光体の周方向に沿って並べた。即ち帯電ロールは、外径8mmのステンレススチール(SUS304製)からなる芯金の周面に、ウレタンゴムにカーボンブラックを分散した厚さ3mmの導電性弾性層を設け、該導電性弾性層の表面にN−メトキシメチル化ナイロンからなる厚さ0.3mmの層を保護層として積層し、外径14.6mmφとした構成のものを用いた。また画像形成装置においては、一対の帯電ロールのうちの一方の帯電ロールにより電子写真感光体に印加される振動電圧EAと、他方の帯電ロールにより電子写真感光体に印加される振動電圧EBはON−OFF可能で、かつ両者の位相差を0.5πラジアンにコントロール可能とされている。また、画像形成装置は、電子写真感光体のみを回転駆動でき(このとき、勿論帯電ロールも従動回転する)、他の種々の作動音が発生しないようにされている。なお、画像形成装置は、下記条件で稼動するものである。
(稼動条件)
・プリントスピード:毎分30枚(A4)
・プロセススピード:120mm/sec
・振動電圧EAおよび振動電圧EB:
直流印加電圧・・・700V
交流印加電圧・・・正弦波、ピーク間電圧1.0KV、周波数700Hz、
・プリンターの入力画素密度:600dpi
こうして得られた画像形成装置について、以下のようにして画像形成時における帯電音低減効果の試験を行った。
即ち、暗騒音30dB(A)の無響室に、上記画像形成装置を設置し、さらに該画像形成装置から離れた位置に騒音計「NL−02A」(リオン株式会社製)を設置した。このとき、前記騒音計のマイクロホンの位置は、電子写真感光体から50cm離れた箇所とした。
この状態で、画像形成装置において、振動電圧EAおよび振動電圧EBを印加せず、電子写真感光体のみを回転駆動させ、このときの音圧[dB(A)]を前記騒音計により測定し比較対象試験1の騒音データとした。
続いて、画像形成装置について、振動電圧EAと振動電圧EBの位相差が0.5πラジアンとなるように調整しつつ一対の帯電ロールのそれぞれに振動電圧を印加したこと以外は、前記比較対象試験1と同様にして、電子写真感光体のみを回転駆動させ、音圧[dB(A)]を測定した。得られた音圧[dB(A)]と、比較対象試験1の騒音データである音圧[dB(A)]との差を、実施例1における帯電音とした。結果を下記表1にまとめて示す。
(実施例2)
実施例1で示したレーザプリンタ(富士ゼロックス(株)製DocuPrint 305)における電子写真感光体に代えて、実施例1と同じ電子写真感光体を装着し、下記構成の帯電ロールを一対用意し、これらを電子写真感光体の周方向に沿って並べた。
即ち帯電ロールは、実施例1と同じもののロール部両端に、ポリアセタール樹脂からなる50μm厚のキャップをかぶせた構造とし、これをカートリッジに装着することにより、該電子写真感光体と帯電ロールとの間に50μmのギャップが発生するようにした。
また画像形成装置においては、一対の帯電ロールのうちの一方の帯電ロールにより電子写真感光体に印加される振動電圧EAと、他方の帯電ロールにより電子写真感光体に印加される振動電圧EBはON−OFF可能で、かつ両者の位相差を0.5πラジアンにコントロール可能とされている。また、画像形成装置は、電子写真感光体のみを回転駆動でき(このとき、勿論帯電ロールも従動回転する)、他の種々の作動音が発生しないようにされている。なお、画像形成装置は、実施例1と同条件で稼動するものである。
こうして得られた画像形成装置について、実施例1と同様に帯電音低減効果の試験を行った。
続いて、画像形成装置について、振動電圧EAと振動電圧EBの位相差が0.5πラジアンとなるように調整しつつ一対の帯電ロールのそれぞれに振動電圧を印加したこと以外は、前記比較対象試験1と同様にして、電子写真感光体のみを回転駆動させ、音圧[dB(A)]を測定した。得られた音圧[dB(A)]と、比較対象試験1の騒音データである音圧[dB(A)]との差を、実施例2における帯電音とした。結果を下記表1にまとめて示す。
Figure 2005309378
(比較例1)
画像形成装置として、両者の位相差をπラジアンにコントロール可能としたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして画像形成装置を得た。
こうして得られた画像形成装置について、振動電圧EAと振動電圧EBの位相差がπラジアンとなるように調整しつつ電圧を印加したこと以外は、前記比較対象試験1と同様にして、電子写真感光体を回転駆動させ、音圧Y1[dB(A)]を測定した。得られた音圧[dB(A)]と、比較対象試験1の騒音データである音圧[dB(A)]と、の差を、比較例における帯電音とした。結果を表1に示す。
上記実施例1及び比較例1に示す結果より、実施例1の画像形成方法によれば、帯電音の十分な低減化が実現できたのに対し、比較例1の画像形成方法によれば、帯電音の十分な低減化ができないことが分かった。
この結果より、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、帯電音の十分な低減化を実現できることが確認された。
(実施例3)
図3に示す画像形成装置300の画像形成ユニット300Aおよび300Bにおける電子写真感光体102Aおよび102Bとして、上記のように作製した電子写真感光体を装着した。また、帯電ロール104Aおよび104Bは、外径6mmφのステンレススチール(SUS304製)からなる芯金の周面に、ウレタンゴムにカーボンブラックを分散した導電性弾性層を設け、該導電性弾性層の表面にN−メトキシメチル化ナイロンからなる層を保護層として積層し、外径12mmφとした構成のものを用いた。以上のようにして、実施例3の画像形成装置(レーザービームプリンター)を製造した。
また、画像形成装置においては、帯電ロール104Aにより電子写真感光体102Aに印加される振動電圧E1と、帯電ロール104Bにより電子写真感光体102Bに印加される振動電圧E2とはON−OFF可能で、かつ両者の位相差を0.5πラジアンにコントロール可能となっている。また、画像形成装置は、電子写真感光体102Aおよび102Bのみを回転駆動でき(このとき、勿論帯電ロール104AおよびBも従動回転する)、他の種々の作動音が発生しないように改造されている。なお、画像形成装置は、下記条件で稼動するものである。
(稼動条件)
・プリントスピード:毎分30枚(A4)
・プロセススピード:120mm/sec
・振動電圧E1および振動電圧E2:
直流印加電圧・・・700v
交流印加電圧・・・正弦波、ピーク間電圧1.6KV、周波数700Hz
・プリンターの入力画素密度:600dpi
こうして得られた画像形成装置について、以下のようにして画像形成時における帯電音低減効果の試験を行った。
すなわち、暗騒音30dB(A)の無響室に、上記画像形成装置を設置し、さらに該画像形成装置から離れた位置に騒音計「NL−02A」(リオン株式会社製)を設置した。このとき、前記騒音計のマイクロホンの位置は、電子写真感光体102Aの端部からの距離と電子写真感光体102Bの端部からの距離とが等しく、かつ、前記電子写真感光体102Aおよび102Bの端部同士を結ぶ直線からこれら感光体の軸方向と平行に50cm離れた箇所とした(すなわち、前記電子写真感光体102A端部、前記電子写真感光体102B端部、および前記騒音計のマイクロホン、の3点を直線で結ぶことにより描かれる図形が、前記電子写真感光体102Aおよび102Bの端部同士を結ぶ直線を底辺とする高さ50cmの二等辺三角形になる)。
この状態で、画像形成装置において、振動電圧E1および振動電圧E2を印加せず、電子写真感光体102Aおよび102Bのみを回転駆動させ、このときの音圧[dB(A)]を前記騒音計により測定し、これを比較対象試験2の騒音データとした。
続いて、画像形成装置について、振動電圧E1と振動電圧E2との位相差が0.5πラジアンとなるように調整しつつ、帯電ロール104Aおよび104Bのそれぞれに振動電圧を印加したこと以外は、前記比較対象試験2と同様にして、電子写真感光体102Aおよび102Bのみを回転駆動させ、音圧[dB(A)]を測定した。得られた音圧[dB(A)]と、比較対象試験2の騒音データである音圧[dB(A)]との差を、実施例3における帯電音とした。結果を下記表2にまとめて示す。
(比較例2)
画像形成装置として、振動電圧E1と振動電圧E2との位相を同位相にコントロール可能としたものを用いたこと以外は実施例3と同様にして画像形成装置を得た。
こうして得られた画像形成装置について、振動電圧E1と振動電圧E2とが同位相となるように調整しつつ電圧を印加したこと以外は、前記比較対象試験2と同様にして、電子写真感光体102Aおよび102Bのみを回転駆動させ、音圧Y1[dB(A)]を測定した。得られた音圧[dB(A)]と、比較対象試験2の騒音データである音圧[dB(A)]と、の差を、比較例2における帯電音とした。結果を下記表2にまとめて示す。
Figure 2005309378
(実施例4)
図4に示す画像形成装置310の画像形成ユニット300Y,300M,300C,300Kにおける電子写真感光体102Y,102M,102C,102Kとして、上記のように作製した電子写真感光体を装着した。その他、画像形成ユニット300Y,300M,300C,300Kの具体的な構成を、実施例3の画像形成装置における画像形成ユニット300A,300Bと同一とした実施例4の画像形成装置(レーザービームプリンター)を製造した。実施例4の画像形成装置は、実施例3の画像形成装置における画像形成ユニット300Aまたは300Bと同一の画像形成ユニットが、4連タンデム型に配置されて構成されるものである。
実施例4の画像形成装置のその他の構成、稼動条件は、帯電ロール104Y,104M,104C,104Kに印加される振動電圧を以下のように調整した以外は全て実施例3の画像形成装置と同様である。帯電ロール104Yにより電子写真感光体102Yに印加される振動電圧EYと、帯電ロール104Mにより電子写真感光体102Mに印加される振動電圧EMと、帯電ロール104Cにより電子写真感光体102Cに印加される振動電圧ECと、帯電ロール104Kにより電子写真感光体102Kに印加される振動電圧EKとはON−OFF可能で、かつ、振動電圧EYと振動電圧EMとの位相差、及び、振動電圧ECと振動電圧EKとの位相差を0.5πラジアンにコントロール可能であり、且つ、振動電圧EYと振動電圧ECとが同位相となるようにコントロール可能となっている。
こうして得られた画像形成装置について、以下のようにして画像形成時における帯電音低減効果の試験を行った。
すなわち、暗騒音30dB(A)の無響室に、上記画像形成装置を設置し、さらに該画像形成装置から離れた位置に騒音計「NL−02A」(リオン株式会社製)を設置した。このとき、前記騒音計のマイクロホンの位置は、電子写真感光体102Mの端部からの距離と電子写真感光体102Cの端部からの距離とが等しく(勿論、電子写真感光体102Yの端部からの距離と電子写真感光体102Kの端部からの距離も等しい)、かつ、前記電子写真感光体102Mおよび102Cの端部同士を結ぶ直線からこれら感光体の軸方向と平行に50cm離れた箇所とした(すなわち、前記電子写真感光体102M端部、前記電子写真感光体102C端部、および前記騒音計のマイクロホン、の3点を直線で結ぶことにより描かれる図形が、前記電子写真感光体102Mおよび102Cの端部同士を結ぶ直線を底辺とする高さ50cmの二等辺三角形になる)。
この状態で、画像形成装置において、振動電圧EY、振動電圧EM、振動電圧EC、振動電圧EKを印加せず、電子写真感光体102Y,102M,102C,102Kのみを回転駆動させ、このときの音圧[dB(A)]を前記騒音計により測定し、これを比較対象試験3の騒音データとした。
続いて、画像形成装置について、振動電圧EYと振動電圧EMとの位相差が0.5πラジアンとなるように調整し、振動電圧ECと振動電圧EKとの位相差が0.5πラジアンとなるように調整し、且つ、振動電圧EYと振動電圧ECとが同位相となるように調整しつつ、帯電ロール104Y,104M,104C,104Kのそれぞれに振動電圧を印加したこと以外は、前記比較対象試験3と同様にして、電子写真感光体102Y,102M,102C,102Kのみを回転駆動させ、音圧[dB(A)]を測定した。得られた音圧[dB(A)]と、比較対象試験3の騒音データである音圧[dB(A)]との差を、実施例4における帯電音とした。結果を下記表3にまとめて示す。
(実施例5)
画像形成装置として、振動電圧EYと振動電圧EKとの位相差、及び、振動電圧ECと振動電圧EMとの位相差を0.5πラジアンにコントロール可能であり、且つ、振動電圧EYと振動電圧ECとの位相差を0.25πラジアンにコントロール可能としたものを用いたこと以外は実施例4と同様にして画像形成装置を得た。
こうして得られた画像形成装置について、振動電圧EYと振動電圧EKとの位相差が0.5πラジアンとなるように調整し、振動電圧ECと振動電圧EMとの位相差が0.5πラジアンとなるように調整し、且つ、振動電圧EYと振動電圧ECとの位相差が0.25πラジアンとなるように調整しつつ、帯電ロール104Y,104M,104C,104Kのそれぞれに振動電圧を印加したこと以外は、前記比較対象試験3と同様にして、電子写真感光体102Y,102M,102C,102Kのみを回転駆動させ、音圧[dB(A)]を測定した。得られた音圧[dB(A)]と、比較対象試験3の騒音データである音圧[dB(A)]との差を、実施例5における帯電音とした。結果を下記表3にまとめて示す。
(比較例3)
画像形成装置として、振動電圧EY、振動電圧EM、振動電圧EC、及び、振動電圧EKが全て同位相となるようにコントロール可能としたものを用いたこと以外は実施例4と同様にして画像形成装置を得た。
こうして得られた画像形成装置について、振動電圧EY、振動電圧EM、振動電圧EC、及び、振動電圧EKが全て同位相となるように調整しつつ、帯電ロール104Y,104M,104C,104Kのそれぞれに振動電圧を印加したこと以外は、前記比較対象試験3と同様にして、電子写真感光体102Y,102M,102C,102Kのみを回転駆動させ、音圧[dB(A)]を測定した。得られた音圧[dB(A)]と、比較対象試験3の騒音データである音圧[dB(A)]との差を、比較例3における帯電音とした。結果を下記表3にまとめて示す。
Figure 2005309378
上記実施例3及び比較例2に示す結果より、実施例3の画像形成方法によれば、帯電音の十分な低減化が実現できたのに対し、比較例2の画像形成方法によれば、帯電音の十分な低減化ができないことが分かった。また、上記実施例4〜5及び比較例3に示す結果より、実施例4〜5の画像形成方法によれば、帯電音の十分な低減化が実現できたのに対し、比較例3の画像形成方法によれば、帯電音の十分な低減化ができないことが分かった。
この結果より、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、帯電音の十分な低減化を実現できることが確認された。
本発明の第1の画像形成装置の一実施形態を示す模式構成図である。 本発明の第1の画像形成装置の他の実施形態を示す模式構成図である。 本発明の第2の画像形成装置の一実施形態を示す模式構成図である。 本発明の第2の画像形成装置の他の実施形態を示す模式構成図である。 電子写真感光体2に対する一対の帯電部4a,4bの配置の一例を示す模式構成図である。 電子写真感光体2に対する一対の帯電部4a,4bの配置の他の例を示す模式構成図である。
符号の説明
2,102A,102B,102Y,102M,102C,102K…電子写真感光体(潜像担持体)、4a,4b,104A,104B,104Y,104M,104C,104K…帯電部(帯電手段)、6,108A,108B,108Y,108M,108C,108K…露光装置(露光手段)、8,110A,110B,110Y,110M,110C,110K…現像装置(現像手段)、14…制御装置(制御手段)、50,300A,300B,300Y,300M,300C,300K…画像形成ユニット、100,200,300,310…画像形成装置。

Claims (7)

  1. 潜像担持体と、
    前記潜像担持体の表面に、直流と交流を重畳させた振動電圧を印加して前記潜像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記潜像担持体の表面における帯電領域を露光して潜像を形成する露光手段と、
    前記潜像を現像する現像手段と
    を少なくとも含む画像形成ユニットを1つ以上備えており、
    前記帯電手段が、前記振動電圧を前記潜像担持体の表面に印加することが可能な一対の帯電部を1つ以上有する画像形成装置であって、
    前記一対の帯電部のうちの一方の帯電部に印加される振動電圧と、他方の帯電部に印加される振動電圧との間の位相差が0.4π〜0.6πラジアンとなるように前記帯電手段を制御する制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記一対の帯電部を構成する前記一方の帯電部と、前記他方の帯電部が前記潜像担持体の周方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記一対の帯電部を構成する前記一方の帯電部と、前記他方の帯電部が前記潜像担持体の周方向に沿って配置されていると共に、前記潜像担持体の軸方向にずれた状態で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 潜像担持体と、
    前記潜像担持体の表面に、直流と交流を重畳させた振動電圧を印加して前記潜像担持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記潜像担持体の表面における帯電領域を露光して潜像を形成する露光手段と、
    前記潜像を現像する現像手段と
    を少なくとも含む画像形成ユニットを2つ以上備えており、
    前記画像形成ユニットのそれぞれにおいて、前記帯電手段は、対応する前記潜像担持体の表面に前記振動電圧を印加することが可能な帯電部を有し、
    前記画像形成ユニットのうちの2つの間で、2つの前記帯電部により一対の帯電部が構成されており、
    前記一対の帯電部のうちの一方の帯電部に印加される振動電圧と、他方の帯電部に印加される振動電圧との間の位相差が0.4π〜0.6πラジアンとなるように、それぞれの帯電手段を制御する制御手段を更に備えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記一対の帯電部を構成する前記一方の帯電部と、前記他方の帯電部とが、対応する前記潜像担持体の表面に接触又は近接していることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記一対の帯電部を構成する前記一方の帯電部と、前記他方の帯電部とが、対応する前記潜像担持体の表面から離れていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 潜像担持体の表面に、直流と交流を重畳させた振動電圧を印加して前記潜像担持体の表面を帯電する帯電工程と、
    前記潜像担持体の表面における帯電領域を露光して潜像を形成する露光工程と、
    前記潜像を現像する現像工程とを少なくとも含み、
    前記帯電工程において、一対の帯電部を用い、前記一対の帯電部のうちの一方の帯電部に印加される振動電圧と、他方の帯電部に印加される振動電圧との間の位相差を0.4π〜0.6πラジアンとなるようにして、前記潜像担持体の表面に前記振動電圧を印加する、ことを特徴とする画像形成方法。
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