JP2005309330A - 光学装置 - Google Patents

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靖 梶原
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Abstract

【課題】 小型軽量化および省電力化の要求を満足させることができ、なおかつ、信頼性、静音性、応答性および製造性に優れ、さらに、コストを安価にすることができる光学装置を提供すること。
【解決手段】 光学素子3と、この光学素子3を磁歪効果を利用して所定の方向に駆動する駆動手段13とを有すること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学装置に係り、特に、光学素子を所定の方向に駆動するのに好適な光学装置に関する。
近年、マルチメディアの進展が著しく、例えば、携帯型のコンピュータやテレビ電話、携帯電話等に搭載するためのCCD、CMOS等の固体撮像素子を利用したカメラの需要が著しく高まっている。このようなカメラは、限られた設置スペースに搭載する必要があることから、小型であり、かつ、軽量であることが望まれている。
また、このようなカメラに利用される固体撮像素子としては、従来から、CIFと称される約11万画素程度の解像度を持ったものや、VGAと称される約30万画素程度の解像度を有するものが採用されていたが、最近においては、メガピクセルと称される100万画素以上の解像度を実現することができる固体撮像素子が採用されるに至っている。
このような小型軽量のカメラにおいてより高い解像度を実現するためには、カメラに用いられるレンズによって、物体側から入射した光線を固体撮像素子のセンサ面に適正に結像させることが重要となる。
このため、固体撮像素子を利用したカメラにおいても、銀塩フィルム式のカメラと同様に、レンズを光軸方向に駆動してフォーカシングやズームを行うレンズの駆動手段を備えることが必要不可欠となっていた。
このような固体撮像素子用のカメラに対応したレンズの駆動手段としては、これまでにも、モータを用いてレンズを駆動する駆動手段が採用されていた。
しかしながら、モータを用いた駆動手段は、モータの回転運動をレンズによる光軸方向に沿った直線運動に変換する機構を設ける必要があるため、装置が徒に大型化することを余儀なくされ、小型軽量の固体撮像素子用カメラに搭載するには好ましいものとはいえなかった。
また、モータの駆動のための電力消費量が多すぎるため、省電力化の要求が強い携帯用のカメラには特に適さないものとなっていた。そのうえ、モータの駆動音が大き過ぎるといった欠点を有していた。
そこで、このような固体撮像素子用カメラには適さない諸種の欠点を有するモータ方式の駆動手段に代り、電気を供給して電歪素子を歪ませることによってレンズの駆動力を得る駆動手段が提案されている。
例えば、特許文献1においては、電歪素子としての圧電素子の変位を利用して複数のレンズを駆動するアクチエータが提案されている。
また、特許文献2においては、主としてポリマー材からなる電歪素子の電歪効果を利用することによって、装置の簡略化・小型化・静音化および省電力化に寄与する光学装置が提案されている。
特開2002−51576号公報 特開2003−215429号公報
しかしながら、特許文献1または2に記載の電歪効果を利用した駆動手段においては、電歪素子自体に配線を接続して電力を直接供給する必要があるため、このような電歪素子を利用した駆動手段を使用し続けることにより繰り返される電歪素子の変位等によって電歪素子と配線との接続部が断線する虞があり、信頼性が低いといった問題点や、配線の接続が複雑となり、製造性が悪いといった問題点を有している。このような問題点は、電歪素子(例えば圧電素子)の個数が多くなるほど、さらに顕著なものとなる。
また、電歪素子の駆動に要する電圧は、数十Vから、多いときには100Vを超えるため、消費電力を低減するために必ずしも最適な手段とはいえず、省電力化の要求を未だに満足させることができないのが実情であった。
さらに、電歪素子の駆動電圧が高いことによって、例えば、これを携帯用のカメラに搭載する場合には、昇圧回路が必要になるため、回路構成が煩雑になり、コストが高価になるといった問題を生じる。
また、レンズを効率的に駆動するためには、電歪素子が電気の供給によって大きな変位を発生することが求められるところ、現状においては、電歪素子自体が発揮し得る変位には一定の限界がある。
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、小型軽量化および省電力化の要求を満足させることができ、なおかつ、信頼性、静音性、応答性および製造性に優れ、さらに、コストを安価にすることができる光学装置を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る光学装置の特徴は、光学素子と、前記光学素子を磁歪効果を利用して所定の方向に駆動する駆動手段とを有する点にある。
そして、この請求項1に係る発明によれば、小型軽量化、省電力化、信頼性、静音性、応答性、製造性および経済性に優れた磁歪効果を利用して光学素子を駆動することが可能となる。
請求項2に係る光学装置の特徴は、請求項1において、前記駆動手段が、磁界を作用させることによって変位を発生する磁歪素子と、この磁歪素子に発生した変位が入力されるとともに、この入力された変位を拡大して前記光学素子側に出力する変位拡大機構とを有する点にある。
そして、この請求項2に係る発明によれば、さらに、磁歪素子に発生した磁歪効果による変位を変位拡大機構を用いて拡大することによって、光学素子の駆動により十分な変位を得ることが可能となる。
請求項3に係る光学装置の特徴は、請求項2において、前記変位拡大機構が、前記磁歪素子の変位を、てこの原理を利用して拡大するように形成されている点にある。
そして、この請求項3に係る発明によれば、さらに、てこの原理を利用することによって磁歪素子の変位をより効率的に拡大することが可能となる。
請求項4に係る光学装置の特徴は、請求項2または請求項3において、前記変位拡大機構が、節部を介して連設された複数のアーム部を有し、これら複数のアーム部は、前記磁歪素子の変位を入力されることにより、前記節部を支点とした回動または平行移動が可能とされている点にある。
そして、この請求項4に係る発明によれば、さらに、アーム部および節部からなる簡便な構成によって、磁歪素子の変位をより簡便かつ効率的に拡大することが可能となる。
請求項5に係る光学装置の特徴は、請求項4において、少なくとも前記複数のアーム部のうちの互いに隣位する一対のアーム部およびこの一対のアーム部の間の節部は、一体的に成形されている点にある。
そして、この請求項5に係る発明によれば、さらに、互いに隣位する複数のアーム部およびアーム部間の節部を一体成形することによって、変位拡大機構の部品点数をさらに削減することが可能となる。
請求項6に係る光学装置の特徴は、請求項5において、前記アーム部と一体的に成形された前記節部は、当該アーム部と同一の材料によって、その幅を当該アーム部の幅よりも薄肉にすることによって形成されている点にある。
そして、この請求項6に係る発明によれば、さらに、節部をより簡便に形成することが可能となる。
請求項7に係る光学装置の特徴は、請求項4乃至請求項6のいずれか1項において、弾性ヒンジを利用して前記アーム部の回動または平行移動が可能とされている点にある。
そして、この請求項7に係る発明によれば、アーム部をさらに簡易な構成によって回動または平行移動させることが可能となる。
請求項8に係る光学装置の特徴は、請求項2乃至請求項7のいずれか1項において、前記変位拡大機構が、前記磁歪素子の変位を複数の段階にわたって順次拡大するように形成されている点にある。
そして、この請求項8に係る発明によれば、さらに、小型な構成においても、磁歪素子の変位をより有効に拡大することが可能となる。
請求項9に係る光学装置の特徴は、請求項8において、前記変位拡大機構が、前記磁歪素子の変位を2段階にわたって拡大するように形成されている点にある。
そして、この請求項9に係る発明によれば、さらに、小型な構成において、磁歪素子の変位をさらに適正かつ効率的に拡大することが可能となる。
請求項10に係る光学装置の特徴は、請求項1乃至請求項9のいずれか1項において、前記駆動手段が、前記光学素子を前記所定の方向に沿って移動可能に案内する案内機構を有する点にある。
そして、この請求項10に係る発明によれば、さらに、光学素子をより適正に駆動することが可能となる。
請求項11に係る光学装置の特徴は、請求項4乃至請求項10のいずれか1項において、前記アーム部の出力端が、前記所定の方向に沿って平行移動を可能とされている点にある。
そして、この請求項11に係る発明によれば、さらに、光学素子を所定の方向に沿ってより適正に駆動することが可能となる。
請求項12に係る光学装置の特徴は、請求項6乃至請求項11のいずれか1項において、前記節部が、肉抜き加工によって中空状に形成されている点にある。
そして、この請求項12に係る発明によれば、さらに、節部を中空状に形成することによって、アーム部が回動方向または平行移動方向に直交する方向に変位することを防止するためにアーム部に必要な厚みを確保することができるとともに、中実のアーム部に比べて強度が弱められた節部を支点としてアーム部を回動方向または平行移動方向に適正に変位させることが可能となる。
請求項13に係る光学装置の特徴は、請求項5乃至請求項12のいずれか1項において、前記一体的に成形されたアーム部および節部が、その厚み方向に積層された複数の層構造を有する点にある。
そして、この請求項13に係る発明によれば、さらに、複数の層構造によってアーム部および節部を一体成形することによって、各層の材料を適宜変更することができ、変位拡大機構の軽量化、低コスト化および製造性の向上を図ることが可能となる。
請求項14に係る光学装置の特徴は、請求項13において、前記複数の層のうち、前記肉抜き加工がなされた層は、他の層よりも加工性に優れた材料によって形成されている点にある。
そして、この請求項14に係る発明によれば、さらに、肉抜き加工がなされた層を加工性に優れた材料によって形成することによって、変位拡大機構をさらに簡便に製造することが可能となる。
請求項15に係る光学装置の特徴は、請求項2において、前記変位拡大機構が、流体が充填され、互いに連通された複数のベローズを有しており、これら複数のベローズは、前記磁歪素子の変位にともなって伸縮可能とされ、かつ、出力側のベローズにおける伸縮方向に直交する断面積が、入力側のベローズにおける伸縮方向に直交する断面積よりも小さく形成されている点にある。
そして、この請求項15に係る発明によれば、さらに、ベローズの伸縮によって、磁歪素子の変位を効率的に拡大することができ、また、出力側のベローズの方向を自由に変更することによって、より小型化に適した構成にすることが可能となる。
請求項16に係る光学装置の特徴は、請求項2乃至請求項15のいずれか1項において、前記駆動手段が、前記磁歪素子に磁界を作用させることによって前記磁歪素子に対して予め初期変位を与えておくための磁石を有する点にある。
そして、この請求項16に係る発明によれば、さらに、磁石によって磁歪素子に予め初期変位を与えておくことによって、この初期変位における位置を磁歪素子の初期位置とすることができる。
この結果、当該初期位置から磁歪素子に対して前記磁石以外の励磁手段によって磁界を作用させることにより、磁歪素子を初期位置から縮む方向にも変位させることができ、例えば、正弦関数的に変位させることが可能となる。
請求項17に係る光学装置の特徴は、請求項2乃至請求項16のいずれか1項において、前記駆動手段が、前記磁歪素子をその変位方向に抗する方向に付勢する付勢手段を有する点にある。
そして、この請求項17に係る発明によれば、さらに、磁歪素子を正規の変位方向にさらに適正に変位させることが可能となる。
請求項18に係る光学装置の特徴は、請求項16または請求項17において、前記磁石が、前記磁歪素子に対して前記光学素子が最も使われやすい位置を保持するための初期変位を与えるように形成されている点にある。
そして、この請求項18に係る発明によれば、さらに、磁歪素子による光学素子の駆動を必要最小限に抑えることが可能となる。
請求項19に係る光学装置の特徴は、請求項1乃至請求項18のいずれか1項において、単一の磁歪素子によって複数の光学素子を駆動可能とされている点にある。
そして、この請求項19に係る発明によれば、さらに、単一の磁歪素子によって光学素子をより効率的に駆動することが可能となる。
請求項20に係る光学装置の特徴は、請求項1乃至請求項19のいずれか1項において、前記光学素子が、撮像レンズであり、前記所定の方向が、当該撮像レンズの光軸方向である点にある。
そして、この請求項20に係る発明によれば、撮像レンズを磁歪効果を利用して光軸方向に適正に駆動することが可能となる。
請求項1に係る光学装置によれば、磁歪効果を利用して光学素子を駆動することによって、小型軽量化および省電力化の要求を満足させることができ、なおかつ、信頼性、静音性、応答性および製造性に優れ、さらに、コストを安価にすることができる光学装置を実現することができる。
請求項2に係る光学装置によれば、請求項1に係る光学装置の効果に加えて、さらに、磁歪素子に発生した変位を変位拡大機構を用いて拡大することによって光学素子の駆動に十分な変位を得ることができる結果、さらに省電力化に適した信頼性の高い光学装置を実現することができる。
請求項3に係る光学装置によれば、請求項2に係る光学装置の効果に加えて、さらに、てこの原理を利用することによって磁歪素子の変位をより効率的に拡大することができる結果、さらに小型軽量化および省電力化に好適な光学装置を安価に実現することができる。
請求項4に係る光学装置によれば、請求項2または請求項3に係る光学装置の効果に加えて、さらに、アーム部および節部からなる簡便な構成によって磁歪素子の変位をより簡便かつ効率的に拡大することができる結果、小型軽量化および省電力化ならびに製造性の向上により好適な光学装置をさらに安価に実現することができる。
請求項5に係る光学装置によれば、請求項4に係る光学装置の効果に加えて、さらに、互いに隣位する複数のアーム部およびアーム部間の節部を一体成形することによって、変位拡大機構の部品点数をさらに削減することができる結果、小型軽量化および製造性の向上ならびにコストの低廉化にさらに適した光学装置を実現することができる。
請求項6に係る光学装置によれば、請求項5に係る光学装置の効果に加えて、さらに、節部をより簡便に形成することができる結果、さらに小型軽量化および製造性の向上に適した光学装置をより安価に実現することができる。
請求項7に係る光学装置によれば、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、アーム部をさらに簡易な構成によって回動または平行移動させることができる結果、小型軽量化および製造性の向上にさらに適した光学装置をより安価に実現することができる。
請求項8に係る光学装置によれば、請求項2乃至請求項7のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、小型な構成においても、磁歪素子の変位をより有効に拡大することができる結果、より小型軽量な光学装置を実現することができる。
請求項9に係る光学装置によれば、請求項8に係る光学装置の効果に加えて、さらに、小型な構成において、磁歪素子の変位をさらに適正かつ効率的に拡大することができる結果、光学素子を所定の方向により適正に駆動することができる光学装置を実現することができる。
請求項10に係る光学装置によれば、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、光学素子をより適正に駆動することができる結果、より良好な光学性能を得ることができる光学装置を実現することができる。
請求項11に係る光学装置によれば、請求項4乃至請求項10のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、光学素子を所定の方向に沿ってより適正に駆動することができる結果、フォーカシングやズームをより安定的に行うことができ、ひいてはより良好な光学性能を得ることができる光学装置を実現することができる。
請求項12に係る光学装置によれば、請求項6乃至請求項11のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、変位拡大機構をより適正に動作させることができる結果、光学素子をさらに適正に駆動することができる光学装置を実現することができる。
請求項13に係る光学装置によれば、請求項5乃至請求項12のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、複数の層構造によってアーム部および節部を一体成形することによって、各層の材料を適宜変更することができ、変位拡大機構の軽量化、低コスト化および製造性の向上を図ることができる結果、より小型軽量で製造性に優れた光学装置をさらに安価に実現することができる。
請求項14に係る光学装置によれば、請求項13に係る光学装置の効果に加えて、さらに、肉抜き加工がなされた層を加工性に優れた材料によって形成することによって、変位拡大機構をさらに簡便に製造することができる結果、さらに製造性に優れた光学装置を実現することができる。
請求項15に係る光学装置によれば、請求項2に係る光学装置の効果に加えて、さらに、ベローズの伸縮によって、磁歪素子の変位を効率的に拡大することができ、また、出力側のベローズの方向を自由に変更することによって、より小型化に適した構成にすることができる結果、さらに小型軽量の光学装置を実現することができる。
請求項16に係る光学装置によれば、請求項2乃至請求項15のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、磁石によって磁歪素子に予め初期変位を与えておくことによって、この初期変位における位置を磁歪素子の初期位置とすることができ、当該初期位置から磁歪素子に対して前記磁石以外の励磁手段によって磁界を作用させることにより、磁歪素子を初期位置から縮む方向に変位させることができ、例えば、正弦関数的に変位させることができる結果、光学素子をさらに適正に駆動することができる光学装置を実現することができる。
請求項17に係る光学装置によれば、請求項2乃至請求項16のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、磁歪素子を正規の変位方向にさらに適正に変位させることができる結果、光学素子をより適正に駆動することができる光学装置を実現することができる。
請求項18に係る光学装置によれば、請求項16または請求項17に係る光学装置の効果に加えて、さらに、磁歪素子による光学素子の駆動を必要最小限に抑えることができる結果、省電力化により適した光学装置を実現することができる。
請求項19に係る光学装置によれば、請求項1乃至請求項18のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、単一の磁歪素子によって光学素子をより効率的に駆動することができる結果、さらに小型軽量化および省電力化に好適な光学装置を実現することができる。
請求項20に係る光学装置によれば、請求項1乃至請求項19に係る光学装置の効果に加えて、さらに、撮像レンズを磁歪効果を利用して光軸方向に適正に駆動することができる結果、小型軽量化および省電力化の要求を満足させることができ、なおかつ、信頼性、静音性、応答性および製造性に優れ、さらに、コストを安価にすることができる撮像カメラを実現することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る光学装置の第1実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。
本実施形態における光学装置は、主としてカメラ付き携帯電話やデジタルカメラ等の小型の電子機器に搭載するのに好適な光学装置である。
図1に示すように、本実施形態における光学装置1は、筐体2上に、光学素子としての撮像レンズ3を有している。
撮像レンズ3の像面側には、固体撮像素子4が配設されており、この固体撮像素子4のセンサ面に、撮像レンズ3によって集光された物体側からの入射光が結像するようになっている。
なお、図1において破線で示すように、撮像レンズ3の物体側に他の撮像レンズ3を配置してもよいことは勿論である。また、図示はしないが、撮像レンズ3の像面側に他の撮像レンズを配置してもよい。
撮像レンズ3の外周面における直径方向において互いに対向する位置には、それぞれ、撮像レンズ3の中心(光軸5)側に向かって凹入された切り欠き部6と、光軸5に沿って貫通孔7が形成された筒状部8とが形成されている。
また、筐体2上における撮像レンズ3の切り欠き部6および筒状部8に臨む位置には、案内機構としての第1案内シャフト10と第2案内シャフト11とが、光軸5に沿って平行に立設されており、これら第1および第2案内シャフト10,11には、それぞれ切り欠き部6および筒状部8が移動可能に保持されている。
従って、第1および第2案内シャフト10,11によって撮像レンズ3を光軸5方向に沿って移動可能に案内することができ、この結果、撮像レンズ3のフォーカシングやズームを適正かつ円滑に行わしめることが可能となる。
また、本実施形態における光学装置1は、撮像レンズ3を光軸5方向に駆動するための駆動手段13を有しており、この駆動手段13は、撮像レンズ3を磁歪効果を利用して駆動するようになっている。
ここで、磁歪効果の場合には、従来のモータを用いた駆動手段のように、装置が徒に大型化することはなく、小型軽量化に適している。また、電力の消費量も小さく省電力化に適している。さらに、モータの駆動音のような騒音は生じないため、静音性に優れている。
また、磁歪効果と電歪効果とを比較すると、まず、電歪効果の場合には、電歪素子(圧電素子等)自体に配線を接続して電力を直接供給する必要があるため、長期間の使用により電歪素子の変位等によって電歪素子と配線との接続部に断線を生じる虞が高く、信頼性が低いといった欠点がある。また、配線の接続が煩わしく製造性が悪いといった欠点も有している。
さらに、圧電素子を用いた電歪においては、圧電素子の変位を大きくするために複数の圧電素子を積層することが行われるが、このような場合、積層された各層間を接続する配線の断線の虞は益々高くなり、製造性もさらに悪くなる。
これに対して、磁歪効果の場合には、電力を供給する相手は、変位を生じないコイル等の励磁手段であるため、配線の断線の虞は少なく、電歪効果に比べて信頼性が高いといった利点がある。また、複雑な配線の接続を要しないため、製造性にも優れているといった利点がある。
また、電歪効果の場合には、例えば、圧電素子の駆動に要する電圧は、数十Vから、高いときには100Vを超えてしまう。
これに対して、磁歪効果の場合には、数Vの駆動電圧を供給すれば足りるため、電歪素子に比べて省電力化により優れているといった利点がある。さらに、駆動電圧が低いことにともなって、電歪効果の場合のように昇圧回路等の複雑で高価な回路を設ける必要もなく、経済的にも優れているといった利点がある。
従って、本実施形態においては、磁歪効果を利用して撮像レンズ3を駆動することによって、従来のモータや電歪効果ではなし得なかった、更なる小型軽量化、省電力化、信頼性の向上および静音性、応答性、製造性ならびに経済性の向上を達成することが可能となる。
また、本実施形態において、駆動手段13は、図1に示すように、磁界を作用させることによって変位を発生する磁歪素子14と、この磁歪素子14に発生した変位が入力されるとともに、この入力された変位を拡大して撮像レンズ3側に出力する変位拡大機構16とを有している。
これにより、さらに、磁歪素子14に発生した磁歪効果による変位を変位拡大機構16を用いて拡大することによって、撮像レンズ3の駆動により十分な変位を得ることが可能となる。
なお、磁歪素子14としては、例えば、ランタノイド元素や、鉄属元素(Fe、Ni、Co等)等によって構成される公知の磁歪素子14を用いることができる。
磁歪素子14および変位拡大機構16の具体的な構成について説明すると、図3に示すように、磁歪素子14は、図3における上下方向に沿って長尺な略円柱形状に形成さされている。
さらに、磁歪素子14は、励磁手段としてのコイル17を介して磁界を作用させることによって、長手方向(図3の上下方向)の伸縮方向の変位を発生するようになっている。
また、変位拡大機構16は、磁歪素子14の側部(図3における右側部)の近傍位置に、ボルト等の手段を介して筐体2に固定された固定部18を有している。
この固定部18は、磁歪素子14の長手方向に沿って長尺とされた長辺部19と、この長辺部19における長手方向の一方の端部(図3における下端部)から磁歪素子14における長手方向の一方の端部(図3における下端部)に向かって直角に延出された短辺部20とからなる略L字形状に形成されている。
また、固定部18の短辺部20は、磁歪素子14における長手方向の一方の端部(図3における下端部)に連結されることによって、この磁歪素子14の当該一方の端部の位置を固定的に保持するようになっている。
これによって、磁歪素子14の伸長変位方向が、磁歪素子14の長手方向のうち、固定部18の短辺部20によって保持されていない他方の端部(図3における上端部)の方向(図3における上方向)のみに規制されるようになっている。
固定部18の短辺部20における先端部(図3における左端部)には、当該短辺部20に平行な第1アーム部21が、第1節部22を介して連設されており、この第1アーム部21における第1節部22と反対側の端部(図3における左端部)には、第2節部23を介して略L字状の第2アーム部24が連設されている。
すなわち、第2アーム部24は、磁歪素子14を挟んで固定部18の長辺部19に対向する磁歪素子14の側部(図3における左側部)の近傍位置に、磁歪素子14の長手方向に沿って長尺とされた長辺部25を有しており、この長辺部25における長手方向の一方の端部(図3における下端部)は、第2節部23を介して第1アーム部21に連設されている。
また、第2アーム部24の長辺部における長手方向の他方の端部(図3における上端部)には、磁歪素子14における前記他方の端部(図3における上端部)に向かって短辺部26が延出形成されている。
そして、第2アーム部24の短辺部26は、磁歪素子14における前記他方の端部(図3における上端部)に連結されており、これによって、第2アーム部24に対して磁歪素子14の変位が入力されるようになっている。
第2アーム部24の短辺部26における先端部(図3における右端部)には、第3節部28を介して略コの字状の第3アーム部29が連設されており、この第3アーム部29は、第4節部30を介して固定部18における長辺部19にも連設されている。
第3アーム部29は、第2アーム部24および固定部18に連設され、第2アーム部24の短辺部26に平行とされた第1短辺部31を有しており、この第1短辺部31は、固定部18の長辺部19における前記一方の端部(図3における下端部)に相対する他端部(図3における上端部)との間にわずかな間隙を有している。
さらに、第1短辺部31の先端部(図3における右端部)には、第3アーム部29の長辺部32が、固定部8の長辺部19に沿うように延出形成されており、この第3アーム部29の長辺部32は、固定部18の長辺部19との間にわずかな間隙を有している。
第3アーム部29の長辺部32における先端部(図3における下端部)には、当該長辺部32に直交する第2短辺部33が、内側に向かって延出形成されており、この第2短辺部33は、固定部18の短辺部20との間に一定の間隔を有している。
そして、図3に示すように、第2短辺部33と固定部18の短辺部20との間には、第2短辺部33の先端部(図3における左端部)に設けられた第5節部34と、固定部18の短辺部20における第5節部34に臨む位置に設けられた第6節部35とを介して、第2短辺部33に平行な第4アーム部37が連設されている。
そして、第4アーム部37の先端部(図3における左端部)は、図1および図2に示すように、切り欠き部38を介して第1案内シャフト10に移動自在に保持された状態で、撮像レンズ3の筒状部8の底部に当接されている。
このように複数のアーム部および節部によって構成された変位拡大機構は、入力された磁歪素子の変位を、てこの原理を利用して2段階にわたって拡大するようになっている。
まず、第1段階の変位の拡大は、第3アーム部29の先端部においてなされるようになっている。
すなわち、第1段階の変位の拡大は、第2アーム部24への磁歪素子14の変位ΔYの入力にともなう第1アーム部21による第1節部22を支点とした図3の時計方向への回動動作、第2アーム部24による上方への平行移動動作およびこれら第1アーム部21、第2アーム部24の動作にともなう第3アーム部29による第4節部30を支点とした時計方向への回動動作によってなされる。
次に、第2段階の変位の拡大は、第4アーム部37の先端部においてなされるようになっている。
すなわち、第2段階の変位の拡大は、第3アーム部29の回動動作にともなう第4アーム部37による時計方向への回動動作によってなされる。
そして、第4アーム部37によって拡大された変位Yは、第4アーム部37の先端部から撮像レンズ3の筒状部8へと出力されるようになっている。
このように、本実施形態によれば、てこの原理を利用することによって磁歪素子14の変位をより効率的に拡大することが可能となる。
また、アーム部21,24,29,37および節部22,23,28,30,34,35からなる簡便な構成によって、磁歪素子14の変位をより簡便かつ効率的に拡大することが可能となる。
さらに、磁歪素子14の変位を複数の段階にわたって順次拡大することができるため、小型な構成においても、磁歪素子14の変位をより有効に拡大することが可能となる。特に、磁歪素子14の変位を2段階にわたって拡大することによって、磁歪素子14の変位をさらに適正かつ効率的に拡大することが可能となる。
また、本実施形態において、固定部18および第1乃至第4アーム部21,24,29,37ならびに第1乃至第6節部22,23,28,30,34,35は、同一の材料によって一体的に成形されている。
これにより、変位拡大機構16の部品点数をさらに削減することが可能となる。なお、すべてのアーム部21,24,29,37および節部22,23,28,30,34,35を一体成形することが好ましいが、少なくとも互いに隣接する一対のアーム部およびアーム部間の節部を一体成形すれば、部品点数削減の効果を得ることができる。
さらに、本実施形態において、第1乃至第6節部22,23,28,30,34,35は、アーム部21,24,29,37と同一の材料によって、その幅をアーム部21,24,29,37の幅よりも薄肉にすることによって簡便に形成されている。
また、本実施形態において、前述した第1乃至第4アーム部21,24,29,37による回動動作および平行移動動作は、弾性ヒンジを利用してなされるようになっている。
これにより、アーム部21,24,29,37をさらに簡易な構成によって回動または平行移動させることが可能となる。
なお、各アーム部21,24,29,37を適正に動作させるためには、各アーム部21,24,29,37を剛性を有する材料によって形成することが必要であるが、弾性ヒンジを利用するためには、剛性だけでなく各アーム部21,24,29,37および節部22,23,28,30,34,35が、弾性を有することが必要である。
したがって、変位拡大機構16を成形する材料としては、例えばアルミニウム(好ましくは、ジュラルミン)等又は、非磁性のステンレス鋼の剛性および弾性に優れた非磁性材料を用いることが好ましい。また、磁気回路を考慮する場合には、強磁性の鋼材を用いても良い。
さらに、本実施形態において、磁歪素子14の固定部18の短辺部20側の端部(図3における下端部)と、当該固定部18の短辺部20との間および磁歪素子14の第2アーム部24の短辺部26側の端部(図3における上端部)と、当該第2アーム部24の短辺部26との間には、一対の永久磁石39が配設されている。
これらの永久磁石39は、磁歪素子14に磁界を作用させることによって磁歪素子14に対して予め初期変位を与えておくようになっている。
これによって、当該初期変位における位置を磁歪素子14の初期位置とすることができるため、当該初期位置から磁歪素子14に対してコイル17によって磁界を作用させることにより、磁歪素子14を伸びる方向にも、縮む方向にも変位させることができ、例えば正弦関数的にも変位させることが可能となる。
なお、永久磁石39は、磁歪素子14に対して、撮像レンズ3が最も使われやすい位置を保持するための初期変位を与えるように構成されていることが好ましい。そのようにすれば、磁歪素子14による撮像レンズ3の駆動範囲を必要最小限に抑えることが可能となる。
さらに、図1に示すように、第1案内シャフト10の先端部と撮像レンズ3の筒状部8との間には、付勢手段としてのコイルばね9が介在されており、このコイルばね9は、撮像レンズ3の筒状部8および変位拡大機構16を介して、磁歪素子14に対して、その伸長変位方向に抗する方向への付勢力を作用させている。
これにより、磁歪素子14を正規の変位方向に適正に変位させることが可能となり、ひいては、撮像レンズ3を光軸5方向に沿って更に適正に駆動することが可能となる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
なお、初期状態において、コイル17は未だに駆動されておらず、磁歪素子14に対しては、永久磁石39による磁界以外の磁界は作用してないものとする。
次いで、初期状態から、コイル17に電流を入力すると、コイル17から磁界が発生し、この発生した磁界が磁歪素子14に作用する。
これにより、磁歪素子14に、図3および図5における上方への伸長変位が発生し、この発生した変位は、第2アーム部24に入力される。
次いで、磁歪素子14の変位の入力を受けて、第2アーム部24は、図5における上方に平行移動し、この第2アーム部24に連設された第1アーム部21は、第1節部22を支点として図5における時計方向に回動する。
このとき、第3アーム部29における第3節部28と第4節部30との間の部位は、第2アーム部24および第1アーム部21の動作にともなって、図5に示すように、第4節部30を支点として図5における時計方向に回動する。
これにより、第3アーム部29は、図6に示すように第4節部30を支点として図6における時計方向に回動する。
この第3アーム部29の回動によって、第3アーム部29の先端部(第5節部34)において、(1)式に示した第1段階における変位の拡大がなされる。
次いで、第3アーム部29の回動にともなって、この第3アーム部29に連設された第4アーム部37が、図7に示すように、第6節部35を支点として図7における時計方向に回動する。
これによって、第4アーム部37の先端部において、(2)式に示した第2段階における変位の拡大がなされる。
そして、第4アーム部37における変位の拡大によって発生した変位は、第4アーム部37の先端部に当接された筒状部8を介して撮像レンズ3に出力される。
これにより、撮像レンズ3を光軸5方向に沿って駆動させることができ、ズームやフォーカシングを適正に行うことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る光学装置の第2実施形態について、図8乃至図11を参照して説明する。
なお、第1実施形態と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
本実施形態の光学装置40における駆動手段41の変位拡大機構36は、固定部18と第2アーム部24との配置が、第1実施形態と逆転している点だけが異なり、アーム部21,24,29,37の個数や、節部22,23,28,30,34,35の個数および配置は、第1実施形態と全く同様である。
すなわち、本実施形態においては、第1実施形態における固定部18の位置に第2アーム部24が配設されており、この第2アーム部24は、その短辺部26が、磁歪素子14の第1実施形態と反対側の端部(図8における下端部)に連結されていることによって、磁歪素子14から第1実施形態とは反対の方向(下方向)の変位を入力されるようになっている。
また、第2アーム部24は、その短辺部26が第6節部35を介して第4アーム部37に連設されているとともに、その長辺部25における基端部(図8における上端部)が、第4節部30を介して第3アーム部29の第1短辺部31に連設されている。
一方、第1実施形態における第2アーム部24の位置には、固定部18が配設されており、この固定部18は、その短辺部20が磁歪素子14の第1実施形態と反対側の端部(図8における上端部)に連結されることによって、この磁歪素子14の端部の位置を固定的に保持するようになっている。これによって、磁歪素子14の伸長変位の方向が第1実施形態と反対の方向(図8における下方向)のみに規制されるようになっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態においては、コイル17によって発生した磁界が磁歪素子14に作用することによって、磁歪素子14に、図8および図9における下方への伸長変位が発生し、この発生した変位は、第2アーム部24に入力される。
この磁歪素子14の変位の入力を受けて、第2アーム部24は、図9における下方に平行移動し、また、第1アーム部21は、第2節部23を支点として図9における時計方向に回動する。
このとき、第3アーム部29における第3節部28と第4節部30との間の部位は、第2アーム部24および第1アーム部21の動作にともなって、図9に示すように、第3節部28を支点として図9における時計方向に回動する。
これにより、第3アーム部29は、図10に示すように第3節部28を支点として図10における時計方向に回動する。
この第3アーム部29の回動によって、第3アーム部の先端部において、(1)式に示した第1段階の変位の拡大がなされる。
次いで、第3アーム部29の回動にともなって、この第3アーム部29に連設された第4アーム部37が、図11に示すように第6節部35を支点として図11における時計方向に回動する。
これによって、第4アーム部37の先端部において、(3)式に示した第2段階の変位の拡大がなされる。
そして、第2段階の変位の拡大によって発生した変位は、第4アーム部37の先端部に当接された撮像レンズ3の筒状部8を介して撮像レンズ3に出力される。
これにより、撮像レンズ3を光軸5方向に沿って駆動させることができ、ズームやフォーカシングを適正に行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る光学装置の第3実施形態について、図12を参照して説明する。
なお、第1実施形態と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
図12に示すように、本実施形態の光学装置42における駆動手段43の変位拡大機構44は、磁歪素子14の側部(図12における右側部)の近傍位置に、磁歪素子14の長手方向に沿って長尺とされた長辺部46と、この長辺部46の長手方向の一方の端部(図12における上端部)から磁歪素子14側に向かって直角に延出された短辺部47とからなる略L字状の固定部45を有している。
この固定部45の短辺部47は、磁歪素子14における長手方向の一方の端部(図12における上端部)の位置を固定的に保持することによって、磁歪素子14の伸長変位方向を、磁歪素子14の長手方向の他方の端部の方向(下方向)のみに規制するようになっている。
固定部45の短辺部47における先端部(図12における左端部)には、第1節部48を介して、固定部45の短辺部47に平行とされた第1アーム部49における基端部(図12における右端部)が連設されている。
この第1アーム部49の先端部(左端部)には、磁歪素子14の長手方向に沿って長尺とされた長辺部52と、この長辺部52における第1アーム部49と反対側の端部(図12における下端部)から磁歪素子14側に向かって直角に延出された短辺部53とからなる略L字状の第2アーム部51が、第2節部54を介して連設されている。
第2アーム部51の短辺部53は、磁歪素子14の前記他方の端部(図12における下端部)に連結されており、これによって、第2アーム部51に対して磁歪素子14の変位が入力されるようになっている。
また、第2アーム部51の短辺部53における先端部(図12における右端部)には、第2アーム部51の短辺部53に平行とされた短辺部57と、この短辺部57における先端部(図12における右端部)から、固定部45の長辺部46に沿うようにして直角に延出された長辺部58とからなる略L字状の第3アーム部56が、第3節部59を介して連設されている。
第3アーム部56の短辺部57は、第4節部60を介して固定部45の長辺部46にも連設されている。
第3アーム部56における長辺部58の先端部(図12における上端部)には、第3アーム部56の長辺部58に直交する第4アーム部63が、第5節部61を介して連設されている。
第4アーム部63は、固定部45の短辺部47に臨む位置に対向されており、これら第4アーム部63と固定部45の短辺部47との間には、磁歪素子14の変位方向(図12における上下方向)に一定の間隔が設けられている。
そして、固定部45の短辺部47おける長辺部46と反対側の端部(図12における左端部)には、第6節部64を介して第5アーム部65が連設されている。
第5アーム部65は、固定部45の短辺部47に対して一定の角度を有しており、この第5アーム部65における第6節部64と反端側の端部(図12における上端部)は、第7節部67を介して第4アーム部63に連設されている。
ここで、第5節部61と第7節部67とを結ぶ仮想線分の長さと、第6節部64と第7節部67とを結ぶ仮想線分の長さとは、ともに等しい値となっており、両仮想線分と、第5節部61と第6節部64とを結ぶ仮想線分とによって、仮想二等辺三角形が構成されるようになっている。
さらに、第5節部61と第7節部67とを結ぶ仮想線分の延長線上には、第4アーム部63の出力端63aが位置されており、この出力端63aと第5節部61とを結ぶ仮想線分の長さは、第5節部61と第7節部67とを結ぶ仮想線分の長さの2倍に形成されている。
また、本実施形態においては、第1実施形態と同様に、第1節部48と第2節部54との間の距離と、第3節部59と第4節部60との間の距離とが、ともに等しい値とされている。
このように構成されていることによって、本実施形態においては、第4アーム部63の出力端63aすなわち先端部が、スコット・ラッセルの近似平行運動を利用して撮像レンズ3の光軸5方向に沿って厳正な平行移動を可能とされている。
すなわち、本実施形態においては、第2アーム部51に磁歪素子14の変位が入力されると、第3アーム部56の先端部の位置(第5節部61)において、第1段階の変位の拡大がなされる。
このときの変位の拡大は、主として、磁歪素子14の変位の入力にともなう第2アーム部51による図12における下方向への平行移動と、この平行移動にともなう第3アーム部56による第4節部60を支点とした図12における反時計方向への回動とによってなされる。
この第1段階の変位の拡大によって発生した変位は、第1実施形態と同様に、第4節部60と第5節部61との間の距離と、第3節部59と第4節部60との間の距離との比に、磁歪素子14の入力変位を積算した値となる。
次いで、第2段階の変位の拡大は、第4アーム部63の出力端63aの位置においてなされるが、この変位の拡大は、主として、第3アーム部56の回動にともなう第4アーム部63による第5節部61を支点とした図12における時計方向への回動と、第5アーム部65による第6節部64を支点とした反時計方向への回動とによってなされる。
このように、本実施形態においては、第4アーム部63の出力端63aが光軸5方向に沿って厳正な直線運動を行うことができるため、撮像レンズ3のズームやフォーカシングをより適正に行うことができる。
また、これにともなって、第4アーム部63の出力端63aに貫通孔68を設けるとともに、この貫通孔68に、撮像レンズ3の外周に設けた光軸5に直交するピン(図示せず)を差し込むこと等によって、出力端63aに撮像レンズ3を直接取付けることもできるため、光学装置42のさらなる小型化を図ることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る光学装置の第4実施形態について、図13を参照して説明する。
なお、第1実施形態と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
図13に示すように、本実施形態の光学装置70における駆動手段71の変位拡大機構72は、磁歪素子14の側部(図13における右側部)の近傍位置に、磁歪素子14の長手方向に沿って長尺とされた長辺部74と、この長辺部74の長手方向の両端部から、それぞれ磁歪素子14の長手方向の両端部に向かって直角に延出された第1短辺部75および第2短辺部76とからなる略コの字状の固定部73を有している。
固定部73の第1短辺部75は、磁歪素子14における長手方向の一方の端部(図13における上端部)が連結されており、これによって、磁歪素子14の伸長変位の方向が、長手方向の他方の端部の方向(下方向)のみに規制するようになっている。
固定部73の第1短辺部75には、第1短辺部75に平行とされた第1アーム部77における基端部(図13における左端部)が、第1節部78を介して連設されている。
また、固定部73の第2短辺部76には、第2短辺部76に平行とされた第2アーム部79における基端部(図13における左端部)が、第2節部80を介して連設されている。
さらに、第1アーム部77における基端部および第2アーム部79における基端部には、それぞれ第3節部81、第4節部82を介して第3アーム部84が連設されている。
第3アーム部84は、磁歪素子14を挟んで固定部73に対向する位置に配設され、磁歪素子14の長手方向に沿って長尺とされた長辺部85と、この長辺部85の長手方向の両端部から磁歪素子14側に向かって直角に延出された第1短辺部86および第2短辺部86とからなる略コの字形状に形成されている。
第3アーム部84の第1短辺部86は、第3節部81を介して第1アーム部77に連設され、第2短辺部87は、第4節部82を介して第2アーム部79に連設されている。
さらに、第3アーム部84の第2短辺部87は、磁歪素子14の前記他方の端部(図13における下端部)に連結されており、これによって、第3アーム部84に、磁歪素子14の伸長変位が入力されるようになっている。
第1アーム部77の先端部(図13における右端部)には、第1アーム部77に平行とされた第4アーム部88における基端部が、第5節部89を介して連設されており、この第4アーム部88における基端部は、第6節部90を介して固定部73の長辺部74にも連設されている。
第2アーム部79の先端部(図13における右端部)には、第2アーム部79に平行とされた第5アーム部93における基端部が、第7節部92を介して連設されており、この第5アーム部93における基端部は、第8節部94を介して固定部73の長辺部74にも連設されている。
第4アーム部88および第5アーム部93の先端部(図13における左端部)は、それぞれ第3アーム部84の長辺部85よりも外側の位置まで延在されており、これら第4アーム部88および第5アーム部93の先端部の間には、第9節部95、第10節部96を介して第3アーム部84の長辺部85に沿って長尺とされたレンズ固定部97が連設されている。
また、本実施形態において、第1節部78と第3節部81との間の距離と、第2節部80と第4節部82との間の距離とは、ともに等しい値となっている。また、第1節部78と第5節部89との間の距離と、第2節部80と第7節部92との間の距離とは、ともに等しい値となっている。さらに、第5節部89と第6節部90との間の距離と、第7節部92と第8節部94との間の距離とは、ともに等しい値となっている。さらにまた、第4アーム部88と第5アーム部93とは、長手方向の寸法が互いに等しい値とされている。
このように構成された本実施形態の変位拡大機構72において、第1段階の変位の拡大は、第1アーム部77の先端部および第2アーム部79の先端部の2箇所の位置(第7節部92,第5節部89)においてなされる。
すなわち、図13に示すように、第3アーム部84に磁歪素子14の変位が入力されると、第3アーム部84が方向へ平行移動し、この平行移動にともなって、第1アーム部77および第2アーム部79が、それぞれ第3節部81、第4節部82を支点として図13における反時計方向に回動する。
この回動の際における第1および第2アーム部77,79の先端部の変位が、第1段階の変位の拡大によって発生した変位である。
また、本実施形態において、第2段階の変位の拡大は、第4アーム部88の先端部と第5アーム部93の先端部との2箇所の位置(第9節部95,第10節部96)においてなされる。
すなわち、第1段階の変位の拡大の際における第1アーム部77および第2アーム部79の回動にともなって、第4アーム部88および第5アーム部93がそれぞれ第5節部89、第7節部92を支点として図13における時計方向に回動する。
そして、この第2段階の変位の拡大によって発生した変位は、第4アーム部88および第5アーム部93を介してレンズ固定部97に出力され、このレンズ固定部97は、光軸5方向に沿って平行運動を行うことができる。
これにより、レンズ固定部97に固定された撮像レンズ3を光軸5方向に沿って適正に駆動することができ、ズームおよびフォーカシングを適正に行うことができる。特に、最終的な変位を発生するアーム部88,93を2個備えていることによって、撮像レンズ3をより安定的に駆動することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る光学装置の第5実施形態について、図14を参照して説明する。
なお、第1実施形態と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
図14に示すように、本実施形態の光学装置101における駆動手段102の変位拡大機構103は、磁歪素子14の長手方向の一方の端部(図14における右端部)に連結された固定部104を有している。
この固定部104は、磁歪素子14の前記一方の端部(図14における右端部)に連結され、磁歪素子14の長手方向に直交する方向に長尺とされた長辺部105と、この長辺部105の長手方向の両端部から内側に直角に延出された第1短辺部106および第2短辺部107とからなる略コの字状に形成されている。
固定部104の長辺部105は、磁歪素子14の前記一方の端部(図14における右端部)に連結されており、これによって、磁歪素子14の伸長変位の方向が、前記一方の端部と反対側の端部の方向(図14における左方向)のみに規制されるようになっている。
また、固定部104の長辺部105における第1短辺部106の近傍位置には、第1短辺部106に平行とされた第1アーム部109における基端部(図14における右端部)が、第1節部110を介して連設されている。
一方、固定部104の長辺部105における第2短辺部107の近傍位置には、第2短辺部107に平行とされた第2アーム部111における基端部(図14における右端部)が、第2節部112を介して連設されている。
そして、第1アーム部109および第2アーム部111の先端部(図14における左端部)には、それぞれ、第3節部113、第4節部114を介して第3アーム部115または第4アーム部116が連設されている。
第3アーム部115には、第5アーム部117における基端部(図14における右端部)が、第5節部118を介して連設されており、この第5アーム部117は、第1アーム部109の延長線上に位置されている。
第4アーム部116には、第6アーム部119における基端部(図14における右端部)が、第6節部120を介して連設されており、この第6アーム部119は、第2アーム部111の延長線上に位置されている。
そして、第5アーム部117および第6アーム部119における先端部(図14における左端部)には、それぞれ第7節部122、第8節部123を介して第7アーム部124における長手方向の両端部が連設されている。
第7アーム部124には、磁歪素子14における固定部104と反対側の端部(図14における左端部)が連結されており、これによって、磁歪素子14の伸長変位が第7アーム部124に入力されるようになっている。
また、第3アーム部115には、磁歪素子14の長手方向に平行とされた第8アーム部126が、第9節部127を介して連設されており、この第8アーム部126における基端部(図14における右端部)は、第10節部128を介して固定部104における第1短辺部106に連設されている。
さらに、第4アーム部116には、磁歪素子14の長手方向に平行とされた第9アーム部130が、第11節部129を介して連設されており、この第9アーム部130における基端部(図14における右端部)は、第12節部131を介して固定部104における第2短辺部107に連設されている。
そして、第8アーム部126および第9アーム部130における先端部(図14における左端部)には、それぞれ、第13節部133、第14節部134を介してレンズ固定部135における長手方向の両端部が連設されている。
また、第3節部113と第5節部118とを結ぶ仮想線分は、磁歪素子14の長手方向に平行であるが、これに連なる第1節部110と第3節部113とを結ぶ仮想線分と、第5節部118と第7節部122とを結ぶ仮想線分とは、第3節部113と第5節部118とを結ぶ仮想線分に対して第8アーム部126側に一定の角度を有している。
つまり、第3節部113および第5節部118によって繋がれた前記3つの仮想線分は、直線状ではなく、中央部分(第3節部113と第5節部118とを結ぶ仮想線分の部分)が磁歪素子14側に若干突出するように折れ曲がった折れ線状になっている。
また、第4節部114と第6節部120とを結ぶ仮想線分は、磁歪素子14の長手方向に平行であるが、これに連なる第2節部112と第4節部114とを結ぶ仮想線分と、第6節部120と第8節部123とを結ぶ仮想線分とは、第4節部114と第6節部120とを結ぶ仮想線分に対して磁歪素子14側に一定の角度を有している。
つまり、第4節部114および第6節部120によって繋がれた前記3つの仮想線分は、直線状ではなく、中央部分(第4節部114と第6節部120とを結ぶ仮想線分の部分)が第9アーム部130側に若干突出するように折れ曲がった折れ線状になっている。
そして、第1節部110と第3節部113とを結ぶ仮想線分、第5節部118と第7節部122とを結ぶ仮想線分、第2節部112と第4節部114とを結ぶ仮想線分および第6節部120と第8節部123とを結ぶ仮想線分は、互いに等しい長さとされている。
さらに、第3節部113と第5節部118とを結ぶ仮想線分の延長線と第1節部110との間の距離、第3節部113と第5節部118とを結ぶ仮想線分の延長線と第7節部122との間の距離、第4節部114と第6節部120とを結ぶ仮想線分の延長線と第2節部112との間の距離および第4節部114と第6節部120とを結ぶ仮想線分の延長線と第8節部123との間の距離は、互いに等しい値とされている。
また、第1アーム部109、第2アーム部111、第5アーム部117および第6アーム部119は、磁歪素子14の長手方向に沿った寸法が、互いに等しい値とされている。
さらにまた、第9節部127と第10節部128との間の距離と、第11節部129と前記12節部131との間の距離とは、ともに等しい値とされ、また、第9節部127と第13節部133との間の距離と、第11節部129と第14節部134との間の距離とは、ともに等しい値とされている。
このように構成された本実施形態の変位拡大機構103においては、まず、第7アーム部124に磁歪素子14の変位が入力されると、第7アーム部124が図14中左方向に平行移動する。
これにともなって、第5アーム部117が、第7節部122を支点として、また、第9アーム部130が、第8節部123を支点として、それぞれ図14における反時計方向に回動する。
次いで、第5アーム部117、第9アーム部130の回動にともなって、第1アーム部109が、第1節部110を支点として、また、第2アーム部111が、第2節部112を支点として、それぞれ図14における時計方向に回動する。
これにより、第3節部113および第5節部118によって繋がれた前記3つの仮想線分と、第4節部114および第6節部120によって繋がれた前記3つの仮想線分とが、ともに、折れ線状から直線状になるように変位する。
この結果、第3アーム部115と第4アーム部116とが、ともに同一の方向(図14の上方向)に平行移動する。
この第3アーム部115および第4アーム部116の平行移動によって、第1段階の変位の拡大がなされる。
次いで、第3アーム部115および第4アーム部116の平行移動にともなって、第8アーム部126が、第9節部127を支点として、また、第9アーム部130が、第11節部129を支点として、それぞれ図14における時計方向に回動する。
そして、この第2段階の変位の拡大によって発生した変位は、第8アーム部126および第9アーム部130を介してレンズ固定部135に出力され、このレンズ固定部135は、光軸5方向に沿って平行運動を行うことができる。
これにより、レンズ固定部135に固定された撮像レンズ3を光軸5方向に沿って適正に駆動することができ、ズームおよびフォーカシングを適正に行うことができる。また、最終的な変位を発生するアーム部126,130を2個備えていることによって、撮像レンズ3をより安定的に駆動することができる。
(第6実施形態)
次に、本発明に係る光学装置の第6実施形態について、図15乃図19を参照して説明する。
なお、第1実施形態と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
図15に示すように、本実施形態の光学装置137における駆動手段138の変位拡大機構139は、アーム部の個数および配置ならびに節部の個数および配置は、第1実施形態と全く同様である。
ただし、本実施形態においては、第4アーム部140、第5節部141および第6節部142が、固定部18や第3アーム部29と一体成形によって連設されているのではく、第4アーム部140が、ピン等の一対の連結部材を介して固定部18および第3アーム部29に回転自在に連結され、各連結部材が、それぞれ第5節部141および第6節部142として機能するようになっている。
この場合においても、第1実施形態と同様に第4アーム部140において、磁歪素子14の変位を有効に拡大することができる。
また、本実施形態において、第3アーム部29と固定部18との間には、磁歪素子14をその変位方向に抗する方向に付勢するための付勢手段の一例としてのコイルばね143が配設されている。
さらに、第3アーム部29におけるコイルばね143に対応する位置には、ガイドピン144が配設されており、このガイドピン144がコイルばね143に遊挿されていることによって、コイルばね144の伸び方向が規制されている。
コイルばね143は、第3アーム部29に対して外側方向への付勢力を作用させており、これにより、第3アーム部29に連設された第2アーム部24を介して、磁歪素子14に対し、伸長変位方向に抗する方向の付勢力が作用されるようになっている。
この結果、磁歪素子14を正規の変位方向にさらに適正に変位させることが可能となる。
なお、付勢手段としては、前述したコイルばね143に限らず、板ばね等の他の手段を採用してもよいことは勿論である。
さらに、本実施形態においては、第1乃第4節部22,23,28,30およびその周辺部が、肉抜き加工部146によって中空状に形成されている。
このように、節部22,23,28,30を中空状に形成することによって、アーム部21,24,29が回動方向または平行移動方向に直交する方向(図15における紙面垂直方向)に変位することを防止するためにアーム部21,24,29に必要な厚みを確保することができる。
また、中実のアーム部21,24,29に比べて強度が弱められた節部22,23,28,30を支点としてアーム部21,24,29を回動方向または平行移動方向に適正に変位させることが可能となる。
また、図19に示すように、一体成形された固定部18および第1乃第3アーム部21,24,29ならびに第1乃至第4節部22,23,28,30を、厚み方向に積層された複数(図19においては3層)の層構造147,148,149に形成するようにしてもよい。
そのようにすれば、各層147,148,149の材料を適宜変更することができ、変位拡大機構139の軽量化、低コスト化および製造性の向上を図ることが可能となる。
特に、複数の層147,148,149のうち、肉抜き加工部146が形成された層148は、例えばプラスチック等の他の層147,149よりも加工性に優れた材料によって形成することが好ましい。
そのようにすれば、変位拡大機構139をさらに簡便に製造することが可能となる。
(第7実施形態)
次に、本発明に係る光学素子の第7実施形態について、図20乃至図22を参照して説明する。
なお、第5実施形態と基本的構成の同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
図20に示すように、本実施形態における変位拡大機構151は、レンズ固定部152の構成および第3節部153ならびに第5節部154の構成以外は、第5実施形態と全く同様である。
すなわち、本実施形態において、レンズ固定部152には、撮像レンズ3が、その光軸5が図20における紙面に垂直になるように固定されるようになっている。
また、第5実施形態においては、第3節部153および第5節部154における薄肉加工の方向が、第8アーム部126側から磁歪素子14側に向かう方向であったが(図14参照)、本実施形態においては、磁歪素子14側から第8アーム部126に向かって薄肉加工がなされている。
これによって、第3節部153および第5節部154によって繋がれた3つの仮想線分、すなわち、第1節部110と第3節部153とを結ぶ仮想線分、第3節部153と第5節部154とを結ぶ仮想線分および第5節部154と第7節部122とを結ぶ仮想線分は、第5実施形態とは逆に、中央部分(第3節部と第5節部とを結ぶ仮想線分の部分)が第8アーム部126側に若干突出するように折れ曲がった折れ線状になっている。
このため、第7アーム部124に対して磁歪素子14の変位が入力されると、第3アーム部115および第5アーム部117が、ともに磁歪素子14側に向かって互いに近接する方向に平行移動する。
そして、この第3アーム部115および第5アーム部117の平行移動によって第1段階の変位の拡大がなされる。
次いで、第3アーム部115および第5アーム部117の平行移動にともなって、第3アーム部115に連設された第8アーム部126が、図20における反時計方向に回動し、また、第5アーム部117に連設された第9アーム部130が、図20における時計方向に回動する。
これにより、第8アーム部126および第9アーム部130の先端部において、第2段階の変位の拡大がなされる。
この第2段階の変位の拡大によって第8アーム部126および第9アーム部130の先端部にそれぞれ発生した変位は、互いに近接する方向の変位、すなわち、第8アーム部126および第9アーム部130の間に連設されたレンズ固定部152における長手方向の両端部から中心部に向かうような変位となる。
そして、第8アーム部126および第9アーム部130によって発生した変位によって、両アーム部126,130の間に連設されたレンズ固定部152には、その長手方向の両端部を互いに押し合うような力が作用される。そして、この力の応力によって、レンズ固定部152が図21における上方向(図20の紙面垂直方向)に撓んで変位する。
このレンズ固定部152の変位により、第3段階の変位の拡大がなされる。
したがって、本実施形態においては、3段階にわたる変位の拡大を行うことによって、レンズ固定部152に固定された撮像レンズ3を、光軸5方向に沿って適正に駆動させることができる。特に、本実施形態においては、変位拡大機構151が光軸5方向に厚みをとらないため、薄型化により適した構成になっている。
なお、レンズ固定部152の構成は、図21に示したものに限る必要はない。例えば、図22に示すように、薄肉加工によって厚み方向における節部156が形成されたレンズ固定部157を設けるようにしてもよい。この場合においても、節部156を支点とした弾性ヒンジによって、レンズ固定部157を光軸5方向に変位させることができ、撮像レンズ3を光軸5方向に沿って適正に駆動することができる。
(第8実施形態)
次に、本発明に係る光学装置の第8実施形態について、図23を参照して説明する。
本実施形態の光学装置160における駆動手段161の変位拡大機構162は、低壁部163および側壁部164,165を有する箱状の収容体166内に、磁歪素子14がコイル17とともに収容されている。
この磁歪素子14は、長手方向の一方の端部(図23における右端部)が収容体166の一つの側壁部164(図23における右側壁部)に固定されていることによって、伸長変位の方向が、磁歪素子14における長手方向の他方の端部(左端部)の方向(左方向)のみに規制されている。
そして、収容体166内における磁歪素子14の前記他方の端部(図23における左端部)と、この端部に臨む一つの側壁部165(図23における左側壁部)との間には、流体が充填された第1ベローズ167が配設されており、この第1ベローズ167は、磁歪素子14からの変位の入力にともなって伸縮可能とされている。
さらに、この第1ベローズ167の出力側であって、収容体166の外側には、流体が充填された伸縮可能な第2ベローズ168が配設されており、この第2ベローズ168は、管路169を通じて第1ベローズ167と互いに連通されている。
従って、第1ベローズ167が磁歪素子14の伸長変位にともなって収縮すると、第1ベローズ167内の流体が管路169を通じて第2ベローズ168側に移動し、これによって第2ベローズ168が伸長するようになっている。
さらに、第2ベローズ168における伸縮方向に直交する断面積は、第1ベローズ167における伸縮方向に直交する断面積よりも小さく形成されている。
ここで、第1ベローズ167および第2ベローズ168ならびに管路169内には流体が隙間無く充填されているため、第1ベローズ167の収縮にともなう第1ベローズ167内の流体の体積の減少量と、この第1ベローズ167の収縮にともなう第2ベローズ168内の流体の体積の増加量とは互いに等しくなる。
従って、第2ベローズ168の伸縮方向に直交する断面積を、第1ベローズ167の伸縮方向に直交する断面積よりも小さくすれば、第2ベローズ168内の流体の体積の増加にともなう第2ベローズ168の伸縮方向への変位量が、第1ベローズ167内の流体の体積の減少をともなう第1ベローズ167の収縮方向への変位量よりも大きくなる。
そして、磁歪素子14と第1ベローズ167とは、ともに変位の方向が同一になるように直結されているため、磁歪素子14の伸長変位量と、第1ベローズ167の収縮変位量とはともに等しいが、前記のように第1ベローズ167の収縮変位量に比べて第2ベローズ168の伸長変位量が大きことにより、結果として、第2ベローズ168の変位によって磁歪素子14の変位が拡大されることになる。
なお、この変位の拡大によって発生した変位Yは、次の(12)式で表すことができる。なお、(12)式において、ΔXは、第1ベローズ167に入力される磁歪素子14の変位である。また、Rは、第1ベローズ167の半径であり、Rは、第2ベローズ168の半径である。
Y=ΔX×R /R (12)
したがって、本実施形態によれば、第2ベローズ168の変位によって磁歪素子14の変位を有効に拡大することができるため、第2ベローズ168に連結される撮像レンズ3を光軸5方向に沿って適正に駆動することができる。
また、管路169が可撓性を有するものであれば、第2ベローズ168の位置を適宜変更することができるため、より小型な構成を実現することが可能となる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、本発明における光学装置を携帯電話等の電磁波を発生する機器に搭載する場合においては、電磁波が磁歪素子14に影響を与えないように、磁歪素子14およびコイル17の周囲に、パイプ等の磁気シールドを設けることが好ましい。
また、単一の磁歪素子14によって複数の撮像レンズ3を駆動するように構成してもよい。そのようにすれば、撮像レンズ3をより効率的に駆動することが可能となる。
さらに、磁歪素子14を複数の領域に分割し、各領域をそれぞれ独立に変位させることによって、各領域の変位の合成変位を変位拡大機構に入力するようにしてもよい。そのようにすれば、変位拡大機構に対して最適な変位を入力することができ、撮像レンズ3をより高精度に駆動することが可能となる。
本発明に係る光学装置の第1実施形態を示す断面図 図1の平面図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、駆動手段を示す断面図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、駆動手段を示す斜視図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、変位拡大機構への磁歪素子の変位の入力動作を示す図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、第1段階の変位の拡大動作を示す図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、第2段階の変位の拡大動作を示す図 本発明に係る光学装置の第2実施形態において、駆動手段を示す断面図 本発明に係る光学装置の第2実施形態において、変位拡大機構への磁歪素子の変位の入力動作を示す図 本発明に係る光学装置の第2実施形態において、第1段階の変位の拡大動作を示す図 本発明に係る光学装置の第2実施形態において、第2段階の変位の拡大動作を示す図 本発明に係る光学装置の第3実施形態において、駆動手段を示す断面図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、駆動手段を示す断面図 本発明に係る光学装置の第5実施形態において、駆動手段を示す断面図 本発明に係る光学装置の第6実施形態において、駆動手段を示す正面図 図15の平面図 図15の底面図 図15の右側面図 本発明に係る光学装置の第6実施形態において、図15乃至20と異なる他の構成を示す平面図 本発明に係る光学装置の第7実施形態において、変位拡大機構を示す平面図 本発明に係る光学装置の第7実施形態において、変位拡大機構のレンズ固定部を示す断面図 本発明に係る光学装置の第7実施形態において、変位拡大機構におけるレンズ固定部の図21と異なる他の構成を示す断面図 本発明に係る光学装置の第8実施形態において、駆動手段を示す断面図
符号の説明
1 光学装置
3 撮像レンズ
10 第1案内シャフト
11 第2案内シャフト
13 駆動手段
14 磁歪素子
16 変位拡大機構
21 第1アーム部
22 第1節部
23 第2節部
24 第2アーム部
28 第3節部
29 第3アーム部
30 第4節部
34 第5節部
35 第6節部
37 第4アーム部
39 永久磁石
143 コイルばね
146 肉抜き加工部
167 第1ベローズ
168 第2ベローズ

Claims (20)

  1. 光学素子と、前記光学素子を磁歪効果を利用して所定の方向に駆動する駆動手段とを有することを特徴とする光学装置。
  2. 前記駆動手段は、磁界を作用させることによって変位を発生する磁歪素子と、この磁歪素子に発生した変位が入力されるとともに、この入力された変位を拡大して前記光学素子側に出力する変位拡大機構とを有することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記変位拡大機構は、前記磁歪素子の変位を、てこの原理を利用して拡大するように形成されている請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記変位拡大機構は、節部を介して連設された複数のアーム部を有し、これら複数のアーム部は、前記磁歪素子の変位を入力されることにより、前記節部を支点とした回動または平行移動が可能とされていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光学装置。
  5. 少なくとも前記複数のアーム部のうちの互いに隣位する一対のアーム部およびこの一対のアーム部の間の節部は、一体的に成形されていることを特徴とする請求項4に記載の光学装置。
  6. 前記アーム部と一体的に成形された前記節部は、当該アーム部と同一の材料によって、その幅を当該アーム部の幅よりも薄肉にすることによって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の光学装置。
  7. 弾性ヒンジを利用して前記アーム部の回動または平行移動が可能とされていることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の光学装置。
  8. 前記変位拡大機構は、前記磁歪素子の変位を複数の段階にわたって順次拡大するように形成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか1項に記載の光学装置。
  9. 前記変位拡大機構は、前記磁歪素子の変位を2段階にわたって拡大するように形成されていることを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
  10. 前記駆動手段は、前記光学素子を前記所定の方向に沿って移動可能に案内する案内機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の光学装置。
  11. 前記アーム部の出力端が、前記所定の方向に沿って平行移動を可能とされていることを特徴とする請求項4乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学装置。
  12. 前記節部は、肉抜き加工によって中空状に形成されていることを特徴とする請求項6乃至請求項11のいずれか1項に記載の光学装置。
  13. 前記一体的に成形されたアーム部および節部は、その厚み方向に積層された複数の層構造を有することを特徴とする請求項5乃至請求項12のいずれか1項に記載の光学装置。
  14. 前記複数の層のうち、前記肉抜き加工がなされた層は、他の層よりも加工性に優れた材料によって形成されていることを特徴とする請求項13に記載の光学装置。
  15. 前記変位拡大機構は、流体が充填され、互いに連通された複数のベローズを有しており、これら複数のベローズは、前記磁歪素子の変位にともなって伸縮可能とされ、かつ、出力側のベローズにおける伸縮方向に直交する断面積が、入力側のベローズにおける伸縮方向に直交する断面積よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
  16. 前記駆動手段は、前記磁歪素子に磁界を作用させることによって前記磁歪素子に対して予め初期変位を与えておくための磁石を有することを特徴とする請求項2乃至請求項15のいずれか1項に記載の光学装置。
  17. 前記駆動手段は、前記磁歪素子をその変位方向に抗する方向に付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項2乃至請求項16のいずれか1項に記載の光学装置。
  18. 前記磁石は、前記磁歪素子に対して前記光学素子が最も使われやすい位置を保持するための初期変位を与えるように形成されていることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の光学装置。
  19. 単一の磁歪素子によって複数の光学素子を駆動可能とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の光学装置。
  20. 前記光学素子は、撮像レンズであり、前記所定の方向は、当該撮像レンズの光軸方向であることを特徴とする請求項1乃至請求項19のいずれか1項に記載の光学装置。
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