JP2005308694A - 超音波距離センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構成で、応答性に優れた超音波距離センサを提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の超音波距離センサは、超音波信号を用いて、対象物までの距離を検出し、距離に応じた距離検出信号を出力する超音波距離センサであって、対象物に対して、正弦波状にレベルが変位する超音波信号を、射出波として、射出する送信素子と、射出波が対象物に当たって、反射して戻ってくる超音波信号を、反射波として、受信する受信素子と、射出波の波長を調整して射出波と反射波との位相を同期させると共に、射出波の波長を特定する駆動信号を出力する、PLL回路と、駆動信号に基づいて対象物までの距離を表す距離検出信号を求め、求めた距離検出信号を出力する出力回路とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、対象物までの距離を検出し、距離に応じた信号を出力する距離センサに関し、特に、超音波信号を使用して対象物までの距離を検出する超音波距離センサに関する。
従来より、超音波信号を使用して対象物までの距離を検出し、距離に応じた距離検出信号を出力する、種々の超音波距離センサが提案されている。ここで、対象物までの距離とは、超音波信号を射出する装置(素子)から対象物までの距離を意味する。例えば、以下の特許文献1には、いわゆるパルス式の超音波距離センサが開示されている。パルス式の超音波距離センサは、超音波振動子からパルス信号を射出し、当該パルス信号が対象物に当たって、反射して戻ってくるまでに要する時間を計測し、計測した時間に基づいて距離を表す距離検出信号を出力するセンサである。
特開平5−11048号公報
また、その他の超音波距離センサとして、周波数変調方式の超音波距離センサが知られている。周波数変調方式の超音波距離センサは、対象物に向けて周波数変調を行った超音波信号を射出し、戻ってくる信号の周波数偏移に基づいて距離を求め、距離を表す距離検出信号を出力するセンサである。
パルス式の超音波距離センサでは、対象物に対して射出したパルス信号が対象物に当たって、反射して戻ってくるまでの間、次のパルス信号の射出を行うことができないので、細かい時間間隔で対象物までの距離を検出することが困難であった。これは、反射して戻ってくるパルス信号を待たないで、次のパルス信号を射出すると、反射波が、どのタイミングで射出したパルス信号のものであるのかが、解らなくなるからである。
例えば、いわゆる手ぶれ防止機能を搭載しているディジタルカメラが知られている。手ぶれ防止機能とは、光学系の軸を、外部から与えられる振動の向きと反対の向きに高速で移動させることにより、被写体に対する光軸のぶれを補償する機能である。上述するように、パルス式の超音波距離センサは、対象物までの距離を細かい時間間隔で検出することが難しいセンサであるので、上記手ぶれ防止機能を実現する回路に用いるのに適していない。
一方、周波数変調方式の超音波距離センサは、対象物に対し正弦波状に連続して値の変化する超音波信号を用いるため、対象物までの距離を時間的に連続して検出することができ、即ち、応答性に優れており、上記の用途には向くが、構成が複雑で高価であるという欠点を持つ。
本発明は、簡単な構成で、かつ、応答性に優れた、超音波距離センサを提供することを目的とする。
本発明の第1の超音波距離センサは、超音波信号を用いて、対象物までの距離を検出し、距離に応じた距離検出信号を出力する超音波距離センサであって、対象物に対して、正弦波状にレベルが変位する超音波信号を、射出波として、射出する送信素子と、射出波が対象物に当たって、反射して戻ってくる超音波信号を、反射波として、受信する受信素子と、射出波の波長を調整して射出波と反射波との位相を同期させると共に、射出波の波長を特定する駆動信号を出力する、PLL回路と、駆動信号に基づいて対象物までの距離を表す距離検出信号を求め、求めた距離検出信号を出力する出力回路とを備えることを特徴とする。
本発明の第2の超音波距離センサは、本発明の第1の超音波距離センサにおいて、上記PLL回路は、更に、射出波と反射波との位相状態を表す状態信号を出力するようになっており、上記出力回路は、状態信号に基づいて射出波と反射波との位相が同期したことを検出する合焦検出回路と、駆動信号に基づいて対象物までの距離に応じた距離検出信号を求める演算器と、合焦検出回路による位相の同期検出時に、演算器により求められた距離検出信号を出力する出力スイッチとで構成されていることを特徴とする。
本発明の第3の超音波距離センサは、本発明の第1又は第2の超音波距離センサにおいて、上記PLL回路は、射出波と反射波との、振幅0の位置の位相を同期させるようになっており、状態信号として、射出波と反射波との、振幅0の位置の位相状態を表す信号を出力するようになっていることを特徴とする。
本発明の第4の超音波距離センサは、本発明の第1乃至第3の何れかの超音波距離センサにおいて、上記PLL回路は、対象物までの距離が射出波の予め決めたn/2波長に等しい場合に、射出波と反射波との位相を同期させるようになっていることを特徴とする。
本発明の第5の超音波距離センサは、本発明の第4の超音波距離センサにおいて、上記n/2波長が、1/2波長であることを特徴とする。
本発明の第1の超音波距離センサは、正弦波状にレベルが変化する超音波信号を、射出波として用いることにより、時間的に連続して距離の検出を行うことができる。このため、断続的にしか距離検出を行うことのできないパルス式の超音波距離センサに比べて応答性に優れ、時間的に高速な距離検出が求められる回路に適用することができる。また、本発明の第1の超音波距離センサは、変調した超音波信号を使用しない簡単な構成を採用するため、周波数変調方式の超音波距離センサに比べ、製造コストの面でも有利である。更に、本発明の第1の超音波距離センサは、射出波と反射波が同期した点を検出して距離の検出を行うため、射出波と反射波が同期する点以外の箇所にノイズが載った場合でも、距離を正確に測定することができる。
本発明の第2の超音波距離センサは、本発明の第1の超音波距離センサにおいて、射出波と反射波との位相が同期したときの距離検出信号だけを出力することができる。
本発明の第3の超音波距離センサは、本発明の第1又は第2の超音波距離センサにおいて、射出波と反射波との、振幅0の位置が一致したときに、位相が同期したと判断する構成を採用するため、射出波と反射波との、振幅が0以外の箇所にノイズが載った場合でも正確な距離検出を行うことができる。
本発明の第4の超音波距離センサは、本発明の第1乃至第3の何れかの超音波距離センサが備える送信素子から対象物までの距離が、予め決めた射出波のn/2波長に等しい場合に、射出波の位相と反射波との、位相とが同期するように射出波の波長を行うPLL回路を用いる。これにより、送信素子が射出できる射出波の波長が短く、対象物まで、例えば、3/2波長分の距離だけ離れている場合にも、正確に距離測定を行うことができる。
本発明の第5の超音波距離センサでは、本発明の第4の超音波距離センサの内、特に、送信素子から対象物までの距離が、射出波の1/2波長に等しい場合に、射出波の位相と反射波との位相とが同期するように射出波の波長の調節を行うPLL回路を採用する。当該PLL回路を用いる超音波距離センサが、対象物の瞬動に追随して測定可能な範囲は、上記対象物の移動量が1/2波長の範囲内である。このため、本発明の第5の超音波距離センサでは、対象物が移動した場合に測定可能な範囲(対象物までの距離の変化量)を、最大に設定することができる。
(1)実施の形態
以下、添付の図面を参照しつつ、実施の形態にかかる超音波距離センサ100の構成及び動作について説明する。
(1-1)全体構成
図1は、超音波距離センサ100の構成を示す図である。超音波距離センサ100は、正弦波状に出力レベルが変化する超音波信号を使用して、当該超音波距離センサ100から対象物である光学系ユニット20までの距離(請求項1に記載の対象物までの距離に相当する)を、非接触な状態で検出し、当該測定距離に比例した電位の距離検出信号Dを出力する。以下、当該距離のことを測定距離という。当該距離検出信号Dは、例えば、光学系ユニット20のぶれによる位置移動を修正するアクチュエータ16の駆動信号に使用される。
超音波距離センサ100は、送受信器1、PLL回路10、及び、出力回路11で構成される。以下、これらの回路の構成について順に説明する。
(1-2)送受信器
送受信器1は、光学系ユニット20に対して超音波信号(以下、射出波という)を射出し、当該射出波が光学系ユニット20に当たり、反射して戻ってくる超音波信号(以下、反射波という)の受信を行う。
送受信器1は、送信素子1aと受信素子1bとで構成される。送信素子1aは、正弦波状に電位レベルの変化する信号の入力に応じて、当該送信素子1aから、対象物である光学系ユニット20に向けて、正弦波状に出力レベルの変化する射出波を射出する。
一方、受信素子1bは、射出波が光学系ユニット20に当たり、当該光学系ユニット20から反射されて戻ってくる反射波を受信し、受信した反射波の出力レベルに応じて正弦波状に電位レベルの変化する電気信号を、PLL回路10に出力する。
光学系ユニット20が振動していない(外部の振動によりぶれていない)場合、送受信器1から光学系ユニット20までの距離を表す測定距離は、基準とする射出波のn/2波長、好ましくは、1/2波長に等しい距離に設定する。例えば、測定距離が4.5mmの場合、基準とする射出波の波長をλ=9mmに設定する。なお、上記波長は、超音波信号の波長を意味するため、当該超音波信号の周波数は、音速を波長で割り算することで求められる。
送信素子1aが射出できる射出波の波長が短く、例えば、光学系ユニット20までの距離が、基準とする射出波の3/2波長分の距離である場合には、超音波信号の搬送路長(射出波及び反射波の通る通路の長さのことをいう)を、基準とする射出波の3/2波長に設定することにより、距離測定を行うことができる。
超音波距離センサ100が光学系ユニット20の瞬動に追随して距離を正確に測定可能な範囲は、後に詳しく説明するPLL回路10が正常に動作する範囲内、即ち、射出波の1/2波長分の距離の範囲内である。例えば、光学系ユニット20がぶれていない場合における測定距離を、射出波の3/2波長分の距離に設定した場合、超音波距離センサ100は、光学系ユニット20が1/2波長分の範囲内で瞬動した場合にのみ、当該光学系ユニット20の瞬動に追随して距離の測定を行うことができる。
他方、PLL回路10が位相の調整、即ち、射出波の波長の調整を終了する前に、光学系ユニット20が、射出していた射出波の1/2波長以上の距離を瞬動した場合、超音波距離センサ100は、正確な距離の測定を行うことができない。即ち、超音波信号の搬送路長(射出波及び反射波の通る通路の長さのことをいう)を、射出波の1/2波長に設定することで、対象物である光学系ユニット20の瞬動に追随して正確に距離の測定を行うことができる範囲を最大にすることができる。
後述するように、超音波距離センサ100では、射出波と反射波との、振幅0の位置が一致した時に、射出波と反射波が同期したと判断する構成を採用する。当該構成を採用することにより、射出波と反射波との、振幅0の位置以外の箇所にノイズが載っても、正確に距離を測定することができる。
例えば、送受信器1の受信素子1bと、PLL回路の増幅器2との間に、一定時間信号を遅延させる遅延回路(図示せず)を設けることにより、PLL回路10における位相同期検出のタイミングを調整することができる。当該構成を採用することにより、送受信器1よりある一定の距離、例えば、数mmだけ、射出波の射出方向に離れた位置を規準(以下、基準位置という)として、射出波及び反射波との、位相同期の検出を行うことができる。即ち、送受信器1の超音波射出位置からではなく、上記基準位置から対象物までの距離を正確に測定することができる。なお、超音波信号の速度は一定であるため、上記一定の距離は、上記遅延回路による信号の遅延時間により特定される。
(1-3)PLL回路
PLL回路10は、射出波と反射波との、それぞれの振幅が0の位置で、位相が一致するように、射出波の波長を調節すると共に、射出波の波長を特定する駆動信号V2(請求項1に記載の駆動信号に相当する)と、射出波と反射波との位相状態を表すPDO信号(請求項2に記載の状態信号に相当する)とを出力する。駆動信号V2及びPDO信号の生成については、後に説明する。以下、PLL回路10の構成及び動作について説明する。
電圧制御発振器7は、入力される駆動信号V2の電位レベルに応じた波長の正弦波信号Sを出力する。正弦波信号Sは、増幅器8で増幅された後に、送受信器1の送信素子1aに入力される。正弦波信号Sは、A/D変換回路9にも入力される。A/D変換回路9は、入力された正弦波信号Sを、所定のしきい値電圧を基準にしてパルス信号(以下、V(主PLL)信号という)に変換して位相比較回路4に出力する。
増幅器2は、送受信器1の受信素子1bより出力される正弦波状の電気信号を増幅した後に、A/D変換回路3に出力する。A/D変換回路3は、入力される正弦波状の電気信号を、上記A/D変換回路9と同じ条件(しきい値)で、パルス信号(以下、R(副PLL)信号という)に変換して位相比較回路4に出力する。
位相比較回路4は、R(副PLL)信号の立ち下がりタイミングからみて、V(主PLL)信号の立ち下がりタイミングが遅延している場合、即ち、測定距離が、射出波の1/2波長よりも長い場合、Lowレベル(負の電位レベル)のPDO信号を出力する。位相比較回路4は、R(副PLL)信号の立下りタイミングと、V(主PLL)信号の立ち下がりタイミングが、同期している場合、及び、R(副PLL)信号の立下りタイミングからみて、V(主PLL)信号の立下りタイミングが1/2波長分の時間以上遅れている場合、即ち、測定距離が、射出波の1/2波長の長さよりも短いと判断される場合には、HighレベルのPDO信号(正の電位レベル)を出力する。位相比較回路4の出力する上記PDO信号は、PLL回路10内に設けられている積分回路5と、PLL回路10の後段に設けられている出力回路11とに入力される。
(1-4)PLL回路の主要回路の詳細な説明
(1-4-1)位相比較回路と積分回路
以下、図2及び図3を参照しつつ位相比較回路4及び積分回路5の詳細な説明を行った後、図4を参照しつつ電圧制御発振器7の詳細な説明を行う。
図2は、位相比較回路4及び積分回路5の構成を示す図である。位相比較回路4は、RSフリップフロップ4a、ANDゲート4d、及び、加算器4eで構成される。
まず、RSフリップフロップ4aの構成について簡単に説明する。ANDゲート4dの一方の信号入力端子には、R(副PLL)信号の反転信号が入力され、残りの信号入力端子には、V(主PLL)信号が入力される。
RSフリップフロップ4aは、2個の2入力NANDゲート4b,4cで構成される。NANDゲート4bの一方の信号入力端子には、R(副PLL)信号が入力され、NANDゲート4cの一方の信号入力端子には、ANDゲート4dの出力端子から出力される信号が入力されている。NANDゲート4b及び4cの各出力端子は、NANDゲート4c及び4bの互いの残りの信号入力端子に接続されている。NANDゲート4bの信号出力端子より出力される信号Dは、Highレベルが0v、Lowレベルが−5vの信号である。加算器4eは、当該信号Dに2.5vの基準電位Vrefを加算した信号を、PDO信号として出力する。即ち、加算器4eより出力されるPDO信号は、Highレベルが2.5v、Lowレベルが−2.5vの信号である。
図3(a)〜(c)は、位相比較回路4に入力されるR(副PLL)信号とV(主PLL)信号、並びに、当該位相比較回路4から出力されるPDO信号の波形を示すタイムチャートである。図3(a)、図3(b)に示すように、位相比較回路4は、R(副PLL)信号が立ち下がってから、V(主PLL)信号が立ち下がるまでの間に、LowレベルのPDO信号(負の電位レベル)を出力する。また、図3(c)に示すように、位相比較回路4は、V(主PLL)信号の立ち下がりタイミングが、R(副PLL)信号の立ち下りタイミングから1/2波長分の時間以上遅れている場合には、逆に、R(副PLL)信号の位相が進んでいると判断し、即ち、測定距離が射出波の1/2波長よりも短いと判断し、PDO信号の電位レベルを、Lowレベルに切換えることなくHighレベル(正の電位レベル)の状態に維持する。
位相比較回路4の後段に設けられている積分回路5は、コンデンサ5aで構成される周知の積分回路である。積分回路5は、Lowレベル(負の電位レベル)のPDO信号の積分値を求め、求めた積分値に応じた駆動信号V2(正の電位レベル)を出力する。一方、積分回路5は、Highレベル(正の電位レベル)のPDO信号の入力に応じて駆動信号V2の値を増加させる。
なお、上述した位相比較器4及び積分回路5の代わりに、R(副PLL)信号が立ち下がってから、V(主PLL)信号が立ち下がるまでの間に、LowレベルのPDO信号(負の電位レベル)を出力し、逆にV(主PLL)信号が立ち下がってから、R(副PLL)信号が立ち下がるまでの間に、HighレベルのPDO信号(正の電位レベル)を出力し、R(副PLL)信号及びV(主PLL)信号の立ち下がりタイミングが一致している場合には、中間電位のPDO信号を出力して、後段に接続する積分回路に蓄積する電荷量を調整する、いわゆるチャージポンプタイプの位相比較器(図示せず)を用いても良い。チャージポンプタイプの位相比較器は、例えば、ナショナル・セミコンダクタ社製の型名LMX2326TMに用いられている。なお、当該LMX2326TMの回路の構成については、市川裕一/青木勝共著による「GHz時代の高周波回路設計」,CQ出版社,2003年2月10日発行のp311〜312、図9−9に説明されている。
(1-4-2)電圧制御発振器
図4は、電圧制御発振器7の構成を示す図である。電圧制御発振器7は、いわゆるコルピッツ型発振回路であり、入力される駆動信号V2の電位レベルに応じた波長の正弦波信号Sを出力する。即ち、射出波の波長は、積分回路5の出力する駆動信号V2の電位レベルにより特定される。
図4に示すコルピッツ型発振回路は、周知であり、以下に簡単にその構成及び機能について説明する。積分回路5より出力される駆動信号V2が変動すると、点線で囲んで示す共振回路C1の共振周波数が変化する。共振回路C1は、コンデンサ7a,ダイオード7b、コイル7cで構成される。点線で囲んで示す発振回路C2は、当該共振回路C1により設定された共振周波数に応じた周波数の信号を出力する。なお、参考のため、図中には、当該回路を構成する抵抗やコンデンサなどの回路素子の抵抗値や容量の具体的な値を、例示しておく。
上記構成の電圧制御発振器7の出力特性を調べると、駆動信号V2の増加に対して出力信号Sの周波数(音速/波長)は、比例して直線状に増加するものではないことが解る。そこで、例えば、電圧制御発振器7に駆動信号V2を入力する前に、割り算器又は乗算器を用いて当該駆動信号V2の増加に対して出力信号Sの周波数が直線状に増加するように、駆動信号V2の値を補正するのが好ましい。
(1-5)出力回路
再び、図1を参照しつつ出力回路11について説明する。上述するように、PLL回路10の積分回路5は、射出波の波長に応じた電位レベルの駆動信号V2を出力する。出力回路11では、光学系ユニット20が振動していない(振動によりぶれていない)場合であって、射出波と反射波との位相が、射出波の1/2波長の長さで同期した場合の駆動信号V2の値を基準駆動電位V2refとし、射出波と反射波との位相が同期した場合の駆動信号V2の値を、上記基準駆動電位V2refの値により割り算した値を、距離検出信号Dとして出力する。距離検出信号Dの値は、光学系ユニット20が振動していない(振動によりぶれていない)場合であって、射出波と反射波との位相が、射出波の1/2波長の長さで同期した場合に、特定の電位、例えば、1.0Vに設定される。
例えば、光学系ユニット20が振動していない状態の測定距離を、1mm、1cm、1m等の単位長さに設定した場合の基準駆動電位V2refを求めておき、求めた値を用いて距離検出信号Dを特定すれば、距離検出信号Dに、使用した単位長さの単位を付するだけで、実際の距離を求めることができる。
出力回路11は、増幅器12、合焦検出回路13、演算器14、及び、スイッチ15で構成されている。増幅器12は、積分回路5の出力する駆動信号V2を増幅して出力する。合焦検出回路13は、位相比較回路4より出力されているPDO信号がHighレベルからLowレベル、又は、LowレベルからHighレベルに切り換った時に、一定時間だけLowレベルの信号を出力して、スイッチ15をオンに切り換える。演算器14は、いわゆる割り算器であり、増幅器12により増幅した駆動信号V2を、上記基準駆動電位V2refの値により割り算した値に相当する電位の信号(上記の例では、1.0Vを中心として上下する電位の信号)を、スイッチ15に出力する。スイッチ15は、合焦検出回路13によりオンに切換えられている間、演算器14より出力される信号を、距離検出信号Dとして出力する。スイッチ15は、次にオンに切り換えられるまでの間、直前に入力されていた出力の値を維持するタイプのものを採用する。このようなスイッチとしては、増幅後の駆動信号V2を、ディジタル信号に変換するA/D変換回路と、変換後のディジタルデータを保持するレジスタであって、その出力を距離検出信号Dとして出力するレジスタとを備える回路において、レジスタのラッチ信号の入力端子に合焦検出回路13の出力を入力する回路が考えられる。
図5は、合焦検出回路13の構成を示す図である。合焦検出回路13は、EXORゲート13aと、複数のインバータを直列に接続してなる遅延回路13bとで構成される。EXORゲート13aの一方の信号入力端子には、位相比較回路4の出力するPDO信号がそのままの状態で入力される。一方、EXORゲート13aの残りの信号入力端子には、遅延回路13bにより一定時間だけ遅延されたPDO信号が入力される。当該構成を採用することで、位相比較回路4より出力されているPDO信号がHIghレベルからLowレベル、又は、LowレベルからHighレベルに切り換った時に、一定時間だけLowレベルの信号が出力される。
なお、上記割り算を実行する演算器14を用いる代わりに、例えば、図6に示すアナログ増幅回路30を用いて、積分回路5より出力される駆動信号V2の傾きを調整し、更に、所定のオフセット電位を加算する構成を採用しても良い。
なお、距離検出信号Dを利用して動作するアクチュエータ16等の信号処理速度に対して、PLL回路10内で上述した位相比較回路4、積分回路5、及び、電圧制御発振器7で実行される位相同期処理に要する時間が無視できる程度の場合には、出力回路11に合焦検出回路13及び出力スイッチ15を設けずに、演算器14において求められる距離検出信号Dを連続して出力する構成を採用することも考えられる。
(1-6)PLL回路により実行される位相同期処理の説明
図7(a)〜図7(c)は、上述したPLL回路10により実行される位相同期処理の内容を解りやすく説明するための図である。測定距離が、射出波の1/2波長の長さよりも短い(光学系ユニット20までの位置が近い)場合、一致する場合、長い(光学系ユニット20までの位置が遠い)場合の3つの場合における反射波の様子を示す図である。
図7(a)に示すように、測定距離が、射出波の1/2波長の長さよりも短い場合、即ち図示するように、反射波の振幅が0になる位置が送受信器1より更にph1分の位相が進んだ位置にある場合、位相比較回路4は、HighレベルのPDO信号を出力する。これにより、積分回路5より出力される駆動信号V2の電位レベルが上がり、電圧制御発振器7から出力される射出波の波長が短くなる。
電圧制御発振器7から出力される射出波の波長が短く成り、図7(a)の状態から、図7(b)に示すように、測定距離が、射出波の1/2波長の長さと等しくなるまでの間、位相比較回路4は、HighレベルのPDO信号を出力し続ける。
図7(c)に示すように、測定距離が、射出波の1/2波長よりも長い場合、即ち、図示するように、反射波の振幅が0になる位置が送受信器1よりもph2分だけ位相が手前の位置にある場合、位相比較回路4は、LowレベルのPDO信号を出力する。これにより、積分回路5から出力される駆動信号V2の電位レベルが下がり、結果として、電圧制御発振器7から出力される射出波の波長が長くなる。
以上に説明するように、PLL回路10は、射出波の1/2波長の長さが、測定距離に等しくなった場合に射出波と反射波との、振幅が0の位置が一致するように、射出波の波長を調整する。PLL回路10による当該位相同期処理の完了に伴い、出力回路11は、測定距離に応じた電位の距離検出信号Dを出力する。
(1-7)まとめ
以上に説明したように、超音波距離センサ100では、射出波として、正弦波状に変化する超音波信号を用いることにより、測定距離を、リアルタイムで検出することができる。このため、超音波距離センサ100は、従来技術の欄で説明したパルス式の超音波距離センサに比べて、時間的に高速な距離測定の要求される回路への用途にも向いている。
また、超音波距離センサ100は、従来技術の欄で説明した周波数変調方式の超音波距離センサとは異なり、超音波信号を周波数変調してから射出する回路や、受信した被変調超音波信号を復調する回路が不要であり、当該周波数変調方式の超音波距離センサに比べて簡単な構成となるため、低コストで製造することができるという利点を有する。
実施の形態にかかる超音波距離センサと、当該センサを用いる光学系ユニット及びアクチュエータを示す図である。 位相比較回路の構成を示す図である。 位相比較回路への入出力信号のタイムチャートである。 電圧制御発振器の構成を示す図である。 合焦検出回路の構成を示す図である。 アナログ増幅器の構成を示す図である。 (a)〜(c)は、送受信器と光学系ユニット間との距離が、それぞれ異なる場合における、射出波、反射波、及び、PDO信号の状態を示すタイムチャートである。
符号の説明
1 送受信器、2,8,12 増幅器、3,9A/D変換回路、4 位相比較回路、5 積分回路、7 電圧制御発振器、10 PLL回路、11 出力回路、13 合焦検出回路、14 演算器、15 出力スイッチ、30 アナログ増幅器、100 超音波距離センサ。

Claims (5)

  1. 超音波信号を用いて、対象物までの距離を検出し、距離に応じた距離検出信号を出力する超音波距離センサであって、
    対象物に対して、正弦波状にレベルが変位する超音波信号を、射出波として、射出する送信素子と、
    射出波が対象物に当たって、反射して戻ってくる超音波信号を、反射波として、受信する受信素子と、
    射出波の波長を調整して射出波と反射波との位相を同期させると共に、射出波の波長を特定する駆動信号を出力する、PLL回路と、
    駆動信号に基づいて対象物までの距離を表す距離検出信号を求め、求めた距離検出信号を出力する出力回路とを備えることを特徴とする超音波距離センサ。
  2. 上記PLL回路は、更に、射出波と反射波との位相状態を表す状態信号を出力するようになっており、
    上記出力回路は、状態信号に基づいて射出波と反射波との位相が同期したことを検出する合焦検出回路と、駆動信号に基づいて対象物までの距離に応じた距離検出信号を求める演算器と、合焦検出回路による位相の同期検出時に、演算器により求められた距離検出信号を出力する出力スイッチとで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波距離センサ。
  3. 上記PLL回路は、射出波と反射波との、振幅0の位置の位相を同期させるようになっており、状態信号として、射出波と反射波との、振幅0の位置の位相状態を表す信号を出力するようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波距離センサ。
  4. 上記PLL回路は、対象物までの距離が射出波の予め決めたn/2波長に等しい場合に、射出波と反射波との位相を同期させるようになっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の超音波距離センサ。
  5. 上記n/2波長が、1/2波長であることを特徴とする請求項4に記載の超音波距離センサ。
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