JP2005306997A - 安息香酸の除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安息香酸との相溶性があり、不燃であって、取扱い上の法規制がない溶剤による安息香酸の除去方法の提供。
【解決手段】表面に安息香酸が付着した物品を、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル等からなるフッ素系溶剤とエタノール等のアルコール類とからなる混合溶剤と接触させることにより、上記物品から安息香酸を除去することを特徴とする安息香酸の除去方法。
【選択図】なし
【解決手段】表面に安息香酸が付着した物品を、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル等からなるフッ素系溶剤とエタノール等のアルコール類とからなる混合溶剤と接触させることにより、上記物品から安息香酸を除去することを特徴とする安息香酸の除去方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、物品の表面に付着した安息香酸の除去方法に関する。
従来、物品の表面に付着した安息香酸は、安息香酸と相溶性があり室温で揮発性のある、エタノール等のアルコール類、トルエンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン等の塩素系溶剤に浸漬して除去する方法が一般的である。
しかし、これらの溶剤は、引火点を有する、取扱い上の法規制がある等の問題がある他、洗浄を繰り返すと溶剤中の安息香酸の濃度が上昇し、被洗浄物品を溶剤中から引き上げた際に、被洗浄物品に安息香酸が再付着することがあるため、溶剤を頻繁に交換しなければならない問題があった。
一方、フッ素系溶剤は一般的に不燃であり、取扱い上の法規制がないものが多い。例えば、特許文献1には、フッ素系溶剤の一種であるシス−1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタンとメタノール等とからなる共沸組成物が、脱脂洗浄、フラックス洗浄、水切り乾燥等に用いられることが記載されている。
しかし、フッ素系溶剤は、安息香酸の溶解力が低いため、安息香酸の除去には適さないという問題があった。
本発明は、安息香酸との相溶性があり、不燃であって、取扱い上の法規制がない溶剤を用いた安息香酸の除去方法の提供を目的とする。
本発明は、表面に安息香酸が付着した物品を、フッ素系溶剤とアルコール類とからなる混合溶剤と接触させることにより、上記物品から安息香酸を除去することを特徴とする安息香酸の除去方法を提供する。
本発明者らは、フッ素系溶剤にアルコール類を添加すると、安息香酸の溶解力が大きくなることを見出し、表面に安息香酸が付着した物品に、フッ素系溶剤とアルコール類とからなる混合溶剤を接触させると、安息香酸が容易に除去できることを見出した。この混合溶剤は引火点を有しない不燃性の溶剤である。さらに、この混合溶剤が共沸組成物または共沸様組成物である場合は、浸漬洗浄の他、蒸気洗浄も適用することができるようになるため、浸漬洗浄を行った後に少量の安息香酸が再付着したとしても、次いで蒸気洗浄を行うことにより安息香酸を完全に除去できる。
本発明においては、フッ素系溶剤とアルコール類とからなる混合溶剤を用いる。ここで、フッ素系溶剤としては、ハイドロクロロフルオロカーボン(以下、HCFCという。)、ハイドロフルオロカーボン(以下、HFCという。)、パーフルオロカーボン(以下、PFCという。)、またはハイドロフルオロエーテル(以下、HFEという。)を用いることができる。
なかでも、HFCおよびHFEはオゾン破壊係数が0であり、地球温暖化係数が数千以下と低いものが多いことから、環境への負荷を低減できるという点で好ましい。具体的には、HFCとしては、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロヘキサン(以下、HFC52−13という。)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(以下、HFC−43−10という。)が挙げられ、HFEとしては、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル(以下、HFE347という。)、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロブチル−メチルエーテル(以下、HFE449という。)が挙げられる。
また、アルコール類としては、炭素数4以下のアルカノールが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノールが挙げられる。なかでも、アルコール類としてエタノールを用いた場合は、安息香酸の溶解力をより高めることができるため好ましい。
混合溶剤におけるフッ素系溶剤とアルコール類との含有割合は、フッ素系溶剤およびアルコール類の種類により異なるが、質量比で、フッ素系溶剤/アルコール類=98/2〜85/15、特には95/5〜90/10の範囲とすることが好ましい。
上記含有割合を選定するにあたっては、混合溶剤が不燃となる割合を選ぶことが好ましい。この観点からアルコール類の含有割合を選定することにより、いかなる温度で使用した場合であっても引火するおそれがなく、安全に取り扱うことができる。
一方、上記含有割合を選定するにあたっては、混合溶剤の組成が共沸組成または共沸様組成となる割合を選ぶことが好ましい(なお、共沸様組成物とは、気液平衡時に気相と液相の組成変化が10質量%以内である組成物をいう。)。これにより、物品の表面に付着する溶剤の組成が均一の状態で乾燥できる。また、混合溶剤が共沸組成物または共沸様組成物である場合は、洗浄方法として蒸気洗浄を採用することができるが、蒸気洗浄によれば洗浄後の物品に安息香酸が再付着することがない。さらに、洗浄後の安息香酸が溶解した混合溶剤を蒸留により再生し、組成を再調整することなくそのまま利用することができる。
また、安息香酸の除去効果を高めるという観点から、アルコール類がエタノールである場合は、その含有割合は混合溶剤において5質量%以上とするのが好ましい。エタノールの含有割合が5質量%以上であり、かつ、混合溶剤が共沸組成物である場合はさらに好ましい。このような混合溶剤としては、具体的には、HFC52−13とエタノールの共沸組成物(各々の含有割合が、質量比で、HFC52−13/エタノール=91.3/8.7)、HFE347とエタノールの共沸組成物(各々の含有割合が、質量比で、HFE347/エタノール=94.5/5.5)が挙げられる。
表面に安息香酸が付着した物品を、混合溶剤と接触させる方法としては、物品を混合溶剤の溶液中に浸漬して洗浄する浸漬洗浄が好ましい。浸漬洗浄においては、さらに、混合溶剤を加熱する、物品を揺動する、超音波洗浄する等の方法を併用することにより、安息香酸の除去効果を高めることができる。
また、その他の方法としては、混合溶剤の蒸気に物品を曝す蒸気洗浄、混合溶剤を物品にスプレーして吹き付けるスプレー洗浄、混合溶剤を紙や布につけて、この紙や布で物品表面の安息香酸を拭き取る方法等が挙げられる。
以下、本発明を実施例を用いて説明する。例1〜4は実施例であり、例5および6は比較例である。
[例1〜6]
5cm角に切った100メッシュの金網(重量A0)を、安息香酸の含有割合が5質量%となるようにエタノールに溶解した溶液に浸漬して引き上げた後、空気中、22℃で1時間乾燥させた。この乾燥後の金網の重量を測定した(重量A1)。次に、室温で表1に示した例1〜6の混合溶剤に浸漬し、この状態で5分間超音波洗浄を行った後、この金網を混合溶剤から引き上げ、空気中、22℃で1時間乾燥させた。この乾燥後の金網の重量を測定した(重量A2)。以下の式により安息香酸の除去率X(%)を算出した。
5cm角に切った100メッシュの金網(重量A0)を、安息香酸の含有割合が5質量%となるようにエタノールに溶解した溶液に浸漬して引き上げた後、空気中、22℃で1時間乾燥させた。この乾燥後の金網の重量を測定した(重量A1)。次に、室温で表1に示した例1〜6の混合溶剤に浸漬し、この状態で5分間超音波洗浄を行った後、この金網を混合溶剤から引き上げ、空気中、22℃で1時間乾燥させた。この乾燥後の金網の重量を測定した(重量A2)。以下の式により安息香酸の除去率X(%)を算出した。
X=(1−(A2−A0)/(A1−A0))×100。
結果を表1に示す。表1において、○:除去率Xが80%以上、△:除去率Xが60%以上80%未満、×:除去率Xが60%未満、を示す。
本発明は、コンデンサーの製造工程、ゴムやプラスチックの合成工程、安息香酸の製造工程等における、安息香酸が付着した物品の洗浄に好ましく適用できる。
Claims (4)
- 表面に安息香酸が付着した物品を、フッ素系溶剤とアルコール類とからなる混合溶剤と接触させることにより、上記物品から安息香酸を除去することを特徴とする安息香酸の除去方法。
- 上記混合溶剤が引火点を有しない請求項1に記載の安息香酸の除去方法。
- フッ素系溶剤がハイドロフルオロカーボンまたはハイドロフルオロエーテルからなり、アルコール類が炭素数4以下のアルカノールである請求項1または2に記載の安息香酸の除去方法。
- 上記混合溶剤が、共沸組成物または共沸様組成物である請求項1、2または3に記載の安息香酸の除去方法。
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JP2004125554A JP2005306997A (ja) | 2004-04-21 | 2004-04-21 | 安息香酸の除去方法 |
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