JP2005305924A - ケナフ積層材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 予めフェノール系樹脂で長繊維を含浸させても、繊維板と表面仕上げ材との接合性が損なわれることなく、耐キャスター性能に優れたケナフ積層材及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】 ケナフ靭皮部を解繊して得られたケナフ繊維束をフェノール系樹脂に含浸させて積層し、熱圧成形して得られる繊維板1と、繊維板1の表面に接着される表面仕上げ材2とを有するケナフ積層材であって、前記ケナフ繊維束のフェノール系樹脂の含浸量は、表面仕上げ材1と接合する最上層では比重が0.60〜0.65であり、その他の層では比重が0.7〜0.9である。
【選択図】 図1
【解決手段】 ケナフ靭皮部を解繊して得られたケナフ繊維束をフェノール系樹脂に含浸させて積層し、熱圧成形して得られる繊維板1と、繊維板1の表面に接着される表面仕上げ材2とを有するケナフ積層材であって、前記ケナフ繊維束のフェノール系樹脂の含浸量は、表面仕上げ材1と接合する最上層では比重が0.60〜0.65であり、その他の層では比重が0.7〜0.9である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ケナフ積層材及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、床材として用いられるケナフ積層材及びその製造方法に関するものである。
従来のケナフ積層材としては、接着剤を分散させた長繊維の集合体からなる長繊維マットを熱圧成形して作製される繊維板と、繊維板の少なくとも一表面に接着される表面仕上げ材(突き板)からなり、長繊維マットとして、長さ100〜4000mmのケナフ繊維束を同一方向に配向させたものが知られている。このような従来のケナフ積層材は、ケナフ繊維の引張強度が針葉樹から得られる針葉樹繊維や広葉樹から得られる広葉樹繊維よりも高く、このケナフ繊維自体の高い引張強度を有効に活用して高い曲げ剛性を有する。また、このケナフ繊維は、繊維同士の絡み合いや繊維一本当りの接着部分が多く存在し、強度がより向上する(特許文献1)。
ところで、上記接着剤を分散する方法のひとつとして、予めフェノール系樹脂でケナフ繊維を含浸させておく方法があり、繊維板の表面硬度を高めるためは、このフェノール系樹脂の含有量が多いほうが好ましい。しかし、この場合には、表面仕上げ材(突き板)との接着時に繊維板の水分の抜けが悪く、また、繊維板の表面に露出するケナフ繊維の量が少なくなり、その結果、繊維板と表面仕上げ材との接合性が損なわれる。
特開2002−38679号公報
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、予めフェノール系樹脂でケナフ繊維を含浸させても、繊維板と表面仕上げ材との接合性が損なわれることなく、耐キャスター性能等の強度に優れたケナフ積層材及びその製造方法を提供することである。
上記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係るケナフ積層材は、ケナフ靭皮部を解繊して得られたケナフ繊維束をフェノール系樹脂に含浸させて積層し、熱圧成形して得られる繊維板と、前記繊維板の表面に接着される表面仕上げ材とを有するケナフ積層材であって、前記ケナフ繊維束のフェノール系樹脂の含浸量は、前記表面仕上げ材と接合する最上層では比重が0.60〜0.65であり、その他の層では比重が0.7〜0.9であることを特徴とする。
本発明の請求項2に係るケナフ積層材の製造方法は、ケナフ靭皮部を解繊して得られたケナフ繊維束をフェノール系樹脂に含浸させて複数層積層して繊維マットを形成し、前記繊維マットに熱圧プレスを行なって前記含浸したフェノール系樹脂を半硬化状態にした後、冷却前に前記繊維マットの表面にフェノール系樹脂を塗布し、前記繊維マットが冷却後、メラミン系接着剤を用いて前記繊維マット表面に表面仕上げ材を接着する、ことを特徴とする。
本発明の請求項3に係るケナフ積層材の製造方法は、前記表面仕上げ材と接合する繊維板の最上層部分のフェノール系樹脂の含浸量が比重0.60〜0.65となり、それ以外の層の含浸量が比重0.7〜0.9となるように、前記ケナフ樹脂束にフェノール系樹脂を含浸させることを特徴とする。
本発明の請求項1に係るケナフ積層材によると、前記ケナフ繊維束のフェノール系樹脂の含浸量は、表面仕上げ材と接合する最上層では比重が0.60〜0.65であり、その他の層では比重が0.7〜0.9であるので、前記ケナフ繊維束の大部分は表面強度が高くなって繊維板の耐キャスター性が向上し、最上層のケナフ繊維束のみがフェノール含浸量0.60〜0.65となって表面仕上げ材と接着性が向上する。そのため、繊維板と表面仕上げ材との接合性が損なわれることなく、耐キャスター性能に優れたケナフ積層材を得ることができる。
本発明の請求項2に係るケナフ積層材の製造方法によると、繊維マットに含浸したフェノール系樹脂が半硬化の状態で繊維板と表面仕上げ材が接合されるので、完全効果状態では接合性の悪いフェノール系樹脂をケナフ繊維束に含浸させた場合であっても、得られる繊維板は表面仕上げ材に対して良好な接合性を得ることができる。
本発明の請求項3に係るケナフ積層材の製造方法によると、請求項2に記載の効果に加えて、前記表面仕上げ材と接合する最上層部分の含浸量が比重0.60〜0.65となり、それ以外の層の含浸量が比重0.7〜0.9となるように、前記ケナフ樹脂束にフェノール系樹脂を含浸させるので、得られる繊維板は、大部分がフェノール系樹脂の含浸量(以下フェノール含浸量という)の高い(比重0.7〜0.9)ケナフ繊維束からなり、最上層の繊維束のみがフェノール含浸量が低く(比重0.60〜0.65)なる。このため、前記ケナフ繊維束の大部分は表面強度が高くなって繊維板の耐キャスター性が向上し、最上層の繊維束のみがフェノール含浸量が比重0.60〜0.65となって表面仕上げ材と接着性が向上する。その結果、繊維板と表面仕上げ材との接合性が損なわれることなく、耐キャスター性能に優れたのケナフ積層材を得ることができる。
本発明の実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態におけるケナフ積層材の概略を示す断面図であり、同図において、1は繊維板、2は表面仕上げ材、3は接着剤層である。
ケナフの靭皮部は、芯部と分離された後、オープナなどの解繊機での処理を経て、数本から数十本のケナフ繊維から構成されるケナフ繊維束が得られる。このケナフ繊維束(平均長60mm、平均径0.18mm)にフェノール系樹脂を噴霧して含浸させる。この際、乾燥後のフェノール係樹脂の含浸量が比重0.60〜0.65と比較的小さいものを少量、比重が0.7〜0.9と比較的大きいものを多量作製する。
次に、公知の繊維配向装置等で、ケナフ繊維の屈曲を一方向に引き延ばし、繊維の方向を揃える。そして、ケナフ繊維の配向方向が揃うように繊維配向層を形成した後、この繊維配向層を、厚みが1〜15mmとなるよう複数層積層して繊維マットを形成する。この複数層の積層は、最上層のみにフェノールの含浸量が比重0.60〜0.65のケナフ繊維を積層し、その他の層にはフェノールの含浸量が比重0.7〜0.9のものを、前層の繊維配向方向と略直角な繊維配向方向となるよう積層することにより行なう。
得られた繊維マットを、373〜393K(100〜120℃)、圧力1〜2kg/cm2で1〜5分間程度、熱圧プレス(予備ブレス)を行なって繊維マットの水分を除去する。この状態では、含浸したフェノール系樹脂は完全には硬化せず、半硬化状態になっている。
そして、熱圧プレスされた繊維マットが冷却する前に、繊維マットの表面にフェノール系樹脂噴霧して塗布する。塗布されたフェノール系樹脂は、繊維マットのケナフ繊維の間隙に染み込むように吸収される。その後、413〜433K(140〜160℃)、圧力10〜20kg/cm2で3〜10分間程度、熱圧プレス(本プレス)を行なって繊維板1を作成する。
本プレス後、繊維板1が完全に冷却した後は、SBR−メラミン系接着剤を表面に塗布して、繊維板1の表面に仕上げ材3を接合させ、図1に示すような繊維板1と仕上げ材3が接着層(メラミン系樹脂層)3を介して接合されるケナフ積層材が得られる。
このようにして得られるケナフ積層材は、繊維マットに含浸したフェノール系樹脂が半硬化の状態で、繊維板と1表面仕上げ材2が接合されるので、完全効果状態では接合性の悪いフェノール系樹脂をケナフ繊維束に含浸させた場合であっても、表面仕上げ材2に対して良好な接合性を得ることができる。
また、ナフ繊維束のフェノール系樹脂の含浸量は、表面仕上げ材2と接合する最上層では比重が0.60〜0.65であり、その他の層では比重が0.7〜0.9であるので、得られる繊維板1は、大部分がフェノール含浸量の高い(比重0.7〜0.9)ケナフ繊維束からなり、最上層の繊維束のみがフェノール含浸量が低く(比重0.60〜0.65)なる。このため、ケナフ繊維束の大部分は表面強度が高くなって繊維板1の耐キャスター性が向上し、最上層のケナフ繊維束のみがフェノール含浸量が比重0.60〜0.65となって表面仕上げ材2と接着性が向上する。その結果、繊維板1と表面仕上げ材2との接合性が損なわれることなく、耐キャスター性能に優れたケナフ積層材を得ることができる。
1 繊維板
2 表面仕上げ材
3 接着層
2 表面仕上げ材
3 接着層
Claims (3)
- ケナフ靭皮部を解繊して得られたケナフ繊維束をフェノール系樹脂に含浸させて積層し、熱圧成形して得られる繊維板と、前記繊維板の表面に接着される表面仕上げ材とを有するケナフ積層材であって、
前記ケナフ繊維束のフェノール系樹脂の含浸量は、前記表面仕上げ材と接合する最上層では比重が0.60〜0.65であり、その他の層では比重が0.7〜0.9であることを特徴とするケナフ積層材。 - ケナフ靭皮部を解繊して得られたケナフ繊維束をフェノール系樹脂に含浸させて複数層積層して繊維マットを形成し、
前記繊維マットに熱圧プレスを行なって前記含浸したフェノール系樹脂を半硬化状態にした後、冷却前に前記繊維マットの表面にフェノール系樹脂を塗布し、
前記繊維マットが冷却後、メラミン系接着剤を用いて前記繊維マット表面に表面仕上げ材を接着する、
ことを特徴とするケナフ積層材の製造方法。 - 前記表面仕上げ材と接合する繊維板の最上層部分のフェノール系樹脂の含浸量が比重0.60〜0.65となり、それ以外の層の含浸量が比重0.7〜0.9となるように、前記ケナフ樹脂束にフェノール系樹脂を含浸させることを特徴とする請求項2に記載のケナフ積層材の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004128649A JP2005305924A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | ケナフ積層材及びその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2009079387A (ja) * | 2007-09-25 | 2009-04-16 | Panasonic Electric Works Co Ltd | パネル |
JP2011245699A (ja) * | 2010-05-25 | 2011-12-08 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 長繊維板とその製造方法 |
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- 2004-04-23 JP JP2004128649A patent/JP2005305924A/ja active Pending
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